JPH0782319A - スチレン樹脂組成物 - Google Patents

スチレン樹脂組成物

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JPH0782319A
JPH0782319A JP22445593A JP22445593A JPH0782319A JP H0782319 A JPH0782319 A JP H0782319A JP 22445593 A JP22445593 A JP 22445593A JP 22445593 A JP22445593 A JP 22445593A JP H0782319 A JPH0782319 A JP H0782319A
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styrene resin
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styrene
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Teruo Arai
輝夫 新井
Masanobu Imayoshi
正暢 今▲吉▼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動性と強度の関係に優れたスチレン樹脂を
提供する。各種成形用途に用いられ、スチレン樹脂成形
体の生産性を向上させるものである。 【構成】 スチレン樹脂において、規定の測定方法によ
る重量平均分子量で、1)分子量が25万以上70万以
下(M万で表す。)であり、2)分離成分の分子量が1
00万以上の含有量(重量%)(C100 で表す。)と該
重量平均分子量との関係が、C100 ≧0.277×M−
5.9−−−(1)であり、3)分離成分の分子量が5
万以下の含有量(重量%)(C5 で表す。)と該重量平
均分子量との関係が、C5 ≦−0.234×M+16.
4−−−(2)であり、かつスチレン二量体、及び三量
体の総量(重量%)が0.6重量%以下であることを特
徴とするスチレン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン樹脂組成物に
関するものである。さらに詳しくは、流動性と強度のバ
ランスに優れ、射出成形品、二軸延伸スチレン樹脂シー
ト、スチレン樹脂発泡体等に用いられるスチレン樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】スチ
レン樹脂は安価で、透明性、成形性、剛性に優れた樹脂
であることから、家庭用品、電気用品等の成形材料とし
て広く用いられてきた。近年、各種成形時の不良発生を
低減させ高い生産性を保つために強度の改良されたスチ
レン樹脂への要求が一層拡大傾向にある。
【0003】例えば、スチレン樹脂成形体では、カセッ
トハーフ、プラスチックケースなどの場合、成形体の厚
みを極限まで薄くして、コスト低下をはかる方策が検討
されている。成形体の金型取り出しの際の割れ等の不良
発生のない高衝撃強度のスチレン樹脂が求められてい
る。また、収納ケース等では、ケースの積み重ねや、高
荷重の収納物の静的な負荷に対する強度も要求されてい
る。
【0004】スチレン樹脂発泡体の用途では、例えば、
シート状スチレン樹脂発泡体を加熱して二次発泡し成形
する一連の二次成形体の製造において、多様化する市場
要求にこたえるため、金型構造はより複雑な構造となっ
てきている。例えば、弁当容器の間仕切りなどに見られ
るように急速な変形の衝撃に対して、割れ等の不良発生
のない発泡体を製造できる高強度のスチレン樹脂が望ま
れている。
【0005】スチレン樹脂シート(二軸延伸スチレン樹
脂シート)の分野においても、例えば、スチレン樹脂シ
ートを軽量容器、蓋等に真空成形したのち製品にトリミ
ングする際の衝撃に対し、成形品の抜き割れ等の不良発
生が起こらないスチレン樹脂シートが製造できる高強度
スチレン樹脂が期待されている。同時に、いずれの成形
においても、スチレン樹脂の成形サイクル自体の生産性
を損わないようスチレン樹脂の成形性、即ち、流動性、
を損わない強度の改良が求められている。
【0006】従来から、スチレン樹脂の高強度化をはか
るために、分子量を高める手法は公知であるが、単に分
子量を高めるのみでは、流動性の低下を招き好ましくな
い。スチレン樹脂の流動性と強度の関係の改良をはかる
ために、分子量分布を制御する手法が提示されている。
例えば、特公昭62−61231号公報には、高分子量
成分を一定量以上含有させ、低分子量成分を一定量以下
含有させる手法が開示されている。ここで言う分子量と
は、従来スチレン樹脂の分子量の測定において一般的に
用いられてきた通り、ゲルパーミエションクロマトグラ
フィーにより、スチレン樹脂を分離し、濃度検出器、例
えば、示差屈折率検出器を用いてスチレン樹脂濃度を検
出し、一方、アニオン重合により製造した単分散標準ポ
リスチレンを用いて作成した溶出時間と分子量の関係の
検量線に基づいて計算される分子量である。この方法で
測定される分子量とは、スチレン樹脂の溶離溶液中で
の、分子サイズに基づき分離されたものを、直鎖状標準
ポリスチレンの分子量をもちいて換算した値にすぎな
い。従って、直鎖状スチレン樹脂の分子量測定には適し
ているもののその他の構造因子、例えば、スチレン単量
体連鎖からなる分岐鎖を含むスチレン樹脂の改良に利用
することは不適である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流動性と強
度のバランスに優れ、射出成形品、二軸延伸スチレン樹
脂シート、スチレン樹脂発泡体等に用いられるスチレン
樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、スチ
レン樹脂において、下記の測定方法による重量平均分子
量で、1)分子量が25万以上70万以下(M万で表
す。)であり、2)分離成分の分子量が100万以上の
含有量(重量%)(C100 で表す。)と該分子量との関
係が、C100 ≧0.277×M−5.9−−−(1)で
あり、3)分離成分の分子量が5万以下の含有量(重量
%)(C5 で表す。)と該重量平均分子量との関係が、
5 ≦−0.234×M+16.4−−−(2)であ
り、かつスチレン二量体、及び三量体の総量(重量%)
が0.6重量%以下であることを特徴とするスチレン樹
脂組成物。
【0009】重量平均分子量の測定方法は、ゲルパーミ
エションクロマトグラフに示差屈折率検出器と低角レー
ザー光散乱検出器を直列に配置したより装置により、ゲ
ルパーミエションクロマトグラフにより分離し、分離成
分の全スチレン樹脂に対する重量%を示差屈折率RRI
より測定し、該分離成分の分子量を還元散乱強度RLS
示差屈折率RRIの比から測定し算出した。
【0010】以下本発明を詳細について詳しく説明す
る。本発明のスチレン樹脂をゲルパーミエションクロマ
トグラフィーにより分離した分離成分の分子量、重量平
均分子量、特定分子量範囲内の重量%は、直列に配置し
た示差屈折率検出器と低角レーザー光散乱検出器とを用
いて測定されなければならない。
【0011】示差屈折率RRIは、RRI=(dn/dc)
c−−−(3)で現わされる。ここで、cは溶液濃度
(g/ml)、(dn/dc)は溶液の屈折率の濃度勾
配を現わし、(dn/dc)は測定条件による定数であ
る。従って、スチレン樹脂をゲルパーミエションクロマ
トグラフィーにより分離した微小時間の分離成分の重量
%は、微小時間の分離成分の示差屈折率検出器による信
号の面積と全スチレン樹脂の示差屈折率検出器による信
号の面積の面積比により測定することができる。
【0012】一方、低角レーザー光散乱検出器により測
定される散乱角θにおける還元散乱強度RLS( θ) は、
LS(θ)=KcM−−−(4)で現わされる。但し、
K=2π2 0 2(dn/dc)2 (1+cos2 θ)/
A λ0 4 ここで、Mは溶質の分子量、n0 は溶媒の屈折率、λ0
は、入射光の真空中での波長(cm)、NA はアボガド
ロ数を現わす。
【0013】上記2種類の検出器からの信号を除すれ
ば、式(3)と式(4)より式(5)が得られる。 RLS(θ)/RRI=K・M/(dn/dc)−−−(5) K/(dn/dc)は、測定装置、測定条件によって決
定される定数であり、予め、これらの定数を同一測定装
置、測定条件で、分子量既知の標準サンプルを用いて上
記2種類の検出器からの信号の面積比から決定すること
ができる。
【0014】従って、スチレン樹脂をゲルパーミエショ
ンクロマトグラフィーにより分離した微小時間の分離成
分の分子量は、微小時間の分離成分の示差屈折率検出器
による信号の面積と直列に配置した低角レーザー光散乱
検出器による信号の面積との面積比により測定すること
ができる。スチレン樹脂の重量平均分子量は、上記の重
量%、及び、分子量を用いて常法により算出される。ま
た、特定分子量範囲内の重量%は、上記の分子量を分子
量範囲として、分離成分の重量%の総和として算出され
る。
【0015】本発明では重量%及び分子量測定は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフとして東ソー(株)製
(HLC−8020、示差屈折率検出器内蔵)、同社製
分離カラム(TSKgel−GMHXLを3本使用)、同
社製光散乱検出器(LS−8000)を用いて、散乱角
5゜、光源=5mw(He−Neレーザー)、温度38
℃、溶媒テトラヒドロフラン、サンプル濃度0.1wt
/v%、サンプリグピッチ1/0.4(回/秒)で測定
し、計算する。
【0016】式(5)の定数部分は、同社製TSK標準
ポリスチレンF−40を用いて決定する。また、分離成
分の分子量は同社製TSK標準ポリスチレンF−128
から、F−10の溶出時間範囲内の溶出時間に相当する
スチレン樹脂分離成分の上記分子量と溶出時間の関係、
及び、TSK標準ポリスチレンF−1の分子量と溶出時
間の関係を3次回帰曲線として分子量と溶出時間の検量
線を作成する。
【0017】本発明のスチレン樹脂の上記の方法で測定
された重量平均分子量は所望の流動性、強度が得られる
ように、25万以上70万以下の範囲で調整されなけれ
ばならない。好ましくは、25万以上60万の範囲であ
る。25万未満の重量平均分子量では、後述する分子量
分布の制御を行ったとしても、強度の向上効果は少な
く、一方、70万を越える重量平均分子量では流動性が
低下し実用的でない。
【0018】また、本発明のスチレン樹脂は、C100
重量平均分子量(M、万)が式(1)の関係を満足しな
ければならない。式(1)を満足しない場合、すなわ
ち、分離成分の分子量が100万以上の含有量が式
(1)を満足する量より少ないと、スチレン樹脂の強度
の改良効果が見られない。
【0019】式(2)を満足しない場合、すなわち、分
離成分の分子量が分子量5万以下の含有量が式(2)を
満足する量より多いと、スチレン樹脂の流動性の向上は
見られるが、同時に強度の低下効果を起こし、分子量1
00万以上の含有量の強度向上効果を相殺することとな
り、好ましくない。さらに、本発明のスチレン樹脂は、
スチレン二量体、及び三量体の総量(重量%)が0.6
重量%以下であることが必要である。これらの総量が
0.6重量%をこえる場合には、上記の分子量分布の制
御による流動性と強度のバランスの改良効果に対し、そ
の効果を相殺し、強度を低下させることとなり、本発明
の効果が得られない。スチレン二量体、及び三量体の総
量は、スチレン樹脂を10倍量のメチルエチルケトンに
溶解し、2.5倍量のメタノールを加えてスチレン樹脂
を沈殿させた上澄み液を内部標準法ガスクロマトグラフ
により、検出器、250℃、試料導入部=250℃、試
料導入量=1μl、カラムオーブン温度=140℃から
240℃へ12℃/分で昇温で測定した。なお、カラム
は1m、担体はクロモソルブ W(AW−DMCS)
を、液相として、シリコーンDC410、20%を用い
た。
【0020】本発明のスチレン樹脂の製造は、通常、連
続塊状、または、連続溶液重合によって実施される。連
続溶液重合は、並列に配置した2機以上の反応機にスチ
レン単量体を主成分とする混合液を供給するにあたり、
少なくとも一つの反応機に、スチレン単量体を主成分と
する混合液に、化1〜化3の一般式で表される4官能ま
たは3官能の有機過酸化物を10〜2000ppm、好
ましくは、50〜1000ppm添加した混合液を供給
する。有機過酸化物の量が10ppm未満の場合には、
本発明に必要である分子量100万以上の分子量の含有
量が得られない。2000ppmを超える場合には、重
合の制御が困難となり好ましくない。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】化1〜化3の一般式で表される有機過酸化
物は上記の範囲を越えない範囲で2種以上併用すること
もでき、また、後述する周知の有機過酸化物を一種又は
2種以上、上記の添加量を越えない範囲で併用すること
はさしつかえない。化1〜化3の一般式で表される有機
過酸化物を供給する反応機以外の反応機には、スチレン
単量体を主成分とし、化1〜化3で示される有機過酸化
物及び又はスチレン樹脂の製造に公用されている周知の
有機過酸化物を10〜2000ppmの範囲内で別途添
加した混合液を供給する。
【0025】反応機としては、公知の反応機、例えば、
完全混合型反応機、層流型反応機等が使用できる。化1
の一般式で示される有機過酸化物の具体例としては2,
2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシ
クロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジタ
ーシャリーアミルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシ
ャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどを
挙げる。
【0026】化2の一般式で示される有機過酸化物の具
体例としてはトリス(ターシャリーブチルパーオキシ)
トリアジン、トリス(ターシャリーアミルパーオキシ)
トリアジン、トリス(ジターシャリーブチルパーオキシ
シクロヘキシル)トリアジン、トリス(ジクミルパーオ
キシシクロヘキシル)トリアジン等を挙げる。化3の一
般式で示される有機過酸化物の具体例としては1,2,
4−トリ(ターシャリーブチル)トリメリテート、1,
2,3−トリ(ターシャリーブチル)トリメリテート、
1,3,5−トリ(ターシャリーブチル)トリメリテー
トなどを挙げる。
【0027】周知の有機過酸化物としては1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキ
サイド類、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイル
パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジミリ
スチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカー
ボネート類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート等のパーオキシエステル類、シクロヘキサノンパ
ーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、p−メンタ
ハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド
類、化4の一般式で示されるポリメリックジアシルパー
オキサイド類、化5の一般式で示されるポリメリックパ
ーオキシエステル類がある。
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】各反応機出口のスチレン単量体の重合転化
率が20〜60%になった時点で重合液を混合し、更
に、1機以上の反応機で170℃を越えない温度で最終
反応機出口のスチレン単量体の重合転化率が80%以上
まで連続重合を継続する。スチレン単量体の重合転化率
は、一定量の反応溶液を精秤後、200℃,5mmHgの真
空下で30分間乾燥後、残ったスチレン樹脂の量を精秤
して求める。
【0031】重合温度が170℃をこえる場合には、本
発明の構成要件の一つである分子量5万以下スチレン樹
脂成分が反応系で多量に生成するとともに、スチレン二
量体、及び三量体が多量に生成し好ましくない。また、
最終反応器出口の重合転化率が80%未満に抑えられた
場合にも、分子量5万以下のスチレン樹脂成分が回収装
置で多量に生成するとともに、スチレン二量体、及び三
量体が多量に生成し好ましくない。
【0032】この際、本発明の重量平均分子量、分子量
分布を損わない範囲で各反応機出口の重合液を混合した
時点、あるいは、その後の1機以上の反応機の途中で化
1〜化3で表される一般式の有機過酸化物、または、ス
チレン樹脂の製造に公用されている周知の有機過酸化物
を有機過酸化物単独、あるいはスチレン単量体、重合溶
媒等に溶解して全供給量に対し1000ppm以下添加
することができる。添加量が1000ppmをこえる
と、分子量5万以下スチレン樹脂成分が反応系で多量に
生成するとともに、重合系の制御が困難となり好ましく
ない。
【0033】スチレン単量体を主成分とする混合液に化
1〜化3で表される一般式の有機過酸化物を添加した混
合液を2機以上の反応機を直列に配置して本発明のスチ
レン樹脂を製造しようとする場合、本発明の範囲内の重
量平均分子量を得るためは、用いる連鎖移動剤や、溶
媒、例えばエチルベンゼン、キシレン等の使用量がスチ
レン単量体に対して重合後段の反応器内で多量となり、
最終反応器出口の重合転化率を高めることが困難とな
り、重合転化率を高めるためには重合温度を高める、ま
たは、後段での有機過酸化物添加量を多くしなければな
らず、分子量5万以下スチレン樹脂成分が反応系で多量
に生成し好ましくない。
【0034】最終反応機を出た重合溶液は通常スチレン
樹脂の溶液重合による製造に用いられている回収装置、
例えば、脱揮タンク、多段ベント付き押出機に導かれ、
200℃〜260℃の温度で脱揮処理を行い、ペレット
化される。260℃を超える場合は、スチレン二量体、
三量体、低分子量スチレン樹脂が生成して、好ましくな
い。また、200℃未満の場合には、スチレン二量体、
三量体の除去が困難であり好ましくない。この場合、2
基以上の直列に配置した脱揮タンクで脱揮処理を行うこ
とが好ましい。
【0035】本発明のスチレン樹脂は、回収装置に導か
れる前または後の任意の段階で、スチレン樹脂に慣用さ
れている添加剤、例えば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着
色剤等を配合することもできる。また、本発明のスチレ
ン樹脂は、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられている
公知の方法、例えば、射出成形、真空成形、押出成形、
圧縮成形等の成形方法によって各種成形体に成形される
ことができ、また、フィルム、シート、発泡シート等に
成形された後、所望の成形体に成形されることができ
る。
【0036】
【実施例】実施例における物性試験法を以下に記す。 (イ)メルトフローレート:ISO R1133に準ず
る。 (ロ)曲げ試験:ISO R527に準ずる。 (ハ)ノッチなしアイゾット衝撃強さ:ISO R18
0に準ずる
【0037】
【実施例1】スチレン86重量%、エチルベンゼン14
重量%の混合液100重量部に対し、2,2−ビス
(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン0.01重量部を添加してた重合液を、
7.2リットルの完全混合型反応器に1.08kg/h
rで連続的に仕込み、124℃に調節する。これと並列
に接続された、合計2.8リットルの撹拌器を備えた3
ゾーンで温度コントロール可能な層流型反応器−1に、
スチレン87重量%、エチルベンゼン13重量%の混合
液100重量部に対し、2,2−ビス(4,4−ジター
シャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
0.01重量部を添加してた重合液を0.50kg/h
rで連続的に仕込み、層流型反応機−1の温度を112
℃/117℃/122℃に順次調節する。二つの重合体
溶液は混合され、混合された重合体溶液を引続き合計
5.5リットルの静的撹拌器を備え直列に配列された3
基の層流型反応器−2に連続的に仕込む。この3基の層
流型反応器の温度をそれぞれ124℃/140℃/15
8℃に調節する。重合反応器より連続して排出される重
合体溶液を、直列に配置した2基の、予熱器として0.
6リットルの静的混合器を内蔵した4リットルの脱揮タ
ンクに導く。予熱器温度を230℃とし、脱揮タンク内
で230℃に保ちながら、10torrの減圧下、脱揮
後ペレタイズする。得られるスチレン樹脂の性状および
物性試験結果を表2に示す。
【0038】なあ、重合条件等を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【実施例2〜5】実施例1と同様に、表1に示す条件で
実施する。性状および物性試験結果を表2に示す。
【0042】
【比較例1〜5】実施例1と同様に、表1に示す条件で
実施する。性状および物性試験結果を表2に示す。
【0043】
【比較例6】実施例1に用いた完全混合反応機と層流型
反応機−2を直列に配置し、完全混合反応機に表1に示
すスチレン、エチルベンゼン、開始剤の混合液を連続的
に仕込み、引続き重合体溶液を層流型反応機−2に連続
的に仕込む。各反応機の温度を表1の条件に調節し、反
応機から排出される重合体溶液を実施例1と同様に回収
し、ペレットを得る。性状および物性試験結果を表2に
示す。
【0044】実施例と比較例よりメルトフローレートと
衝撃強度の関係を対比し、図1に示した。本発明のスチ
レン樹脂は、流動性を同一とした場合、衝撃強度に優れ
ることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明のスチレン樹脂は、従来の同等流
動性のスチレン樹脂に対して、高い衝撃強度を示す。ま
た、表2の曲げたわみ率の向上に示すごとく、静的な負
荷に対する強度も向上する。本発明のスチレン樹脂は、
流動性と強度のバランスが改良されることから、各種成
形用途に用いられ、スチレン樹脂成形体の生産性を向上
させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例と比較例よりメルトフローレートと衝撃
強度の関係を対比したグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン樹脂において、下記の測定方法
    による重量平均分子量で、1)分子量が25万以上70
    万以下(M万で表す。)であり、2)分離成分の分子量
    が100万以上の含有量(重量%)(C100 で表す。)
    と該分子量との関係が、C100 ≧0.277×M−5.
    9−−−(1)であり、3)分離成分の分子量が5万以
    下の含有量(重量%)(C5 で表す。)と該分子量との
    関係が、C5 ≦−0.234×M+16.4−−−
    (2)であり、かつスチレン二量体、及び三量体の総量
    (重量%)が0.6重量%以下であることを特徴とする
    スチレン樹脂組成物。重量平均分子量の測定方法は、ゲ
    ルパーミエションクロマトグラフに示差屈折率検出器と
    低角レーザー光散乱検出器を直列に配置したより装置に
    より、ゲルパーミエションクロマトグラフにより分離
    し、分離成分の全スチレン樹脂に対する重量%を示差屈
    折率RRIにより測定し、該分離成分の分子量を還元散乱
    強度RLSと示差屈折率RRIの比から測定し算出した。
JP22445593A 1993-09-09 1993-09-09 スチレン樹脂組成物 Withdrawn JPH0782319A (ja)

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JP22445593A Withdrawn JPH0782319A (ja) 1993-09-09 1993-09-09 スチレン樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014074080A (ja) * 2012-10-02 2014-04-24 Ps Japan Corp スチレン系樹脂、押出発泡シート及びその成形品

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