JPH0782162A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH0782162A
JPH0782162A JP5226249A JP22624993A JPH0782162A JP H0782162 A JPH0782162 A JP H0782162A JP 5226249 A JP5226249 A JP 5226249A JP 22624993 A JP22624993 A JP 22624993A JP H0782162 A JPH0782162 A JP H0782162A
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JP
Japan
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liver oil
triglyceride
skin
hydrogenated
fish
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Pending
Application number
JP5226249A
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English (en)
Inventor
Taku Hirose
卓 廣瀬
Yasunori Inaoka
靖規 稲岡
Masaru Kenjo
勝 見城
Hideko Kanazawa
英子 金澤
Yoshikazu Hirai
義和 平井
Kunio Tsuji
邦郎 辻
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚損傷を修復する作用に優れ、かつ安全
性、酸化安定性にも優れた皮膚外用剤を提供する。 【構成】 皮膚外用剤に、魚類肝油中トリグリセリドの
水素添加物、例えばタラ肝油、サメ肝油中のトリグリセ
リドの水素添加物を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚外用剤に関し、詳
しくは、皮膚の損傷を治療するための皮膚外用剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】皮膚の損傷を治癒する物質は、古来より
数多く開発されてきたが、そのほとんどが殺菌剤や抗生
物質によるものであった。これらの物質の損傷治癒の根
本的なメカニズムは、損傷部位の病原微生物を攻撃して
化膿を防ぐというもので、積極的に損傷部位に働きかけ
てその部分の修復を促すというものではなかった。そこ
で、皮膚の損傷部分の修復に直接関与し、損傷を治療す
る物質の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、皮膚損傷の修復作用に優れ、か
つ安全性、酸化安定性にも優れた皮膚外用剤を提供する
ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、魚類肝油中トリ
グリセリドの水素添加物が、皮膚損傷を十分に修復し、
かつ安全で、酸化安定性にも優れることを見出し本発明
を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、魚類肝油中トリグリセ
リドの水素添加物を有効成分として含有する皮膚外用剤
である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】 <1>魚類肝油中トリグリセリドの水素添加物 本発明に用いる魚類肝油中トリグリセリドの水素添加物
は、魚類の肝油由来のトリグリセリドに、通常の方法で
水素を添加することによって得られる。
【0007】魚類肝油の種類としては、特に限定されな
いが、海産魚類由来の肝油が好ましく、例えば、サメ、
エイ、ギンザメ類等の軟骨魚類や、サケ、イワシ、タ
イ、タラ類等の硬骨魚類由来の肝油等が挙げられるが、
ジンベエザメ、ヨシキリザメ等のサメ類から得られるサ
メ肝油、マダラ、スケトウダラ、ギンダラ等のタラ類か
ら得られるタラ肝油が、本発明においては特に好まし
い。これらの肝油は、上記魚類の肝臓から、圧搾のよう
な物理的方法や、ヘキサン、クロロホルムなどの有機溶
媒で抽出する方法を用いて分離して得られる。また、市
販されているものを使用してもよい。
【0008】この肝油から、本発明に必要なトリグリセ
リドを分離するには、カラムクロマトグラフィーや、分
枝蒸留などの方法を用いることができる。更に、得られ
たトリグリセリドに高圧接触還元などの通常の方法を用
いて、水素を添加することにより本発明に用いる魚類肝
油中トリグリセリドの水素添加物が得られる。
【0009】<2>本発明の皮膚外用剤 本発明の皮膚外用剤は、上記魚類肝油中トリグリセリド
の水素添加物の1種又は2種以上を全量に対して1〜1
0重量%配合したものである。配合量が1重量%未満で
あると皮膚損傷を修復する作用は十分でなく、また、配
合量が10重量%を越えても効果は頭打ちとなり経済的
でない。
【0010】本発明の皮膚外用剤の剤型は特に限定され
るものではないが、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ロ
ーション、パック、浴用剤等の通常皮膚外用剤として用
いているものが挙げられる。
【0011】また、本発明の皮膚外用剤には、上記魚類
肝油中トリグリセリドの水素添加物の他に、皮膚外用剤
に一般に用いられている各種成分、すなわち、水性成
分、油性成分、粉末成分、界面活性剤、保湿剤、増粘
剤、色剤、香料、防腐剤、抗酸化剤、pH調整剤、キレ
ート剤、あるいは紫外線防御剤、抗炎症剤、ホルモン
類、核酸類、各種ビタミン等を配合することができる。
【0012】
【作用】本発明の皮膚外用剤の有効成分である魚類肝油
中トリグリセリドの水素添加物は、抗生物作用、殺菌作
用によらない皮膚損傷治癒効果をもつ物質であり、皮膚
損傷部位に積極的に働いて、損傷した皮膚組織を修復す
る作用を有する。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。はじめ
に、本発明の実施例に用いる魚類肝油中トリグリセリド
の水素添加物の製造例を以下に示す。
【0014】
【製造例1】ジンベエザメより摘出した新鮮な肝臓20
0gを水100mlと共にホモジナイズした後、クロロ
ホルム300mlを加えよく振盪した。この溶液からク
ロロホルム相を取り出し、濾過した後、減圧濃縮した。
得られた濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーで、n
−ヘキサン:ベンゼン=6:5の溶出溶媒を用いて精製
し14.7gのジンベエザメ肝油トリグリセリドを得
た。このジンベエザメ肝油トリグリセリドのIRを測定
したところ1730cm-1にカルボニル基の吸収が確認
された。得られたトリグリセリドの10gを高圧の接触
還元に付し、10.3gのジンベエザメ肝油トリグリセ
リドの水素添加物を得た。
【0015】
【製造例2】タラより摘出した新鮮な肝臓300gに水
200mlを加え、ホモジナイズした後、これにクロロ
ホルム300mlを加えよく振盪した。この溶液からク
ロロホルム相を取り出し、濾過した後、減圧濃縮した。
得られた濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィーで、n
−ヘキサン:ベンゼン=6:5の溶出溶媒を用いて精製
し、51.8gのタラ肝油トリグリセリドを得た。この
タラ肝油トリグリセリドのIRを測定したところ173
0cm-1にカルボニル基の吸収が確認された。得られた
トリグリセリド20gを高圧の接触還元に付し、20.
4gのタラ肝油トリグリセリドの水素添加物を得た。
【0016】<水素添加トリグリセリドの評価>上記製
造例1、2で得られた水素添加トリグリセリドを用い
て、ストリッピング皮膚損傷治癒試験、急性毒性試験及
び酸化安定性試験を行った。
【0017】(1)ストリッピング皮膚損傷治癒試験 製造例1の水素添加トリグリセリドと水とPOE(2
0)硬化ヒマシ油を50:45:5の重量比で混合し、
乳化して試験液を調製した。比較のために、これと同様
にして、製造例1の水素添加トリグリセリドの代わりに
ジンベエザメ肝油トリグリセリド、ジンベエザメ肝油、
オリーブ油、グリセリルトリステアレートを配合した4
種類の試験液を調製した。
【0018】1群10匹づつ5群のハートレイ系白色種
雌モルモット(体重300〜350g)の全てについ
て、背部を3×5cm剃毛した後、ガムテープで5回ス
トリッピングして皮膚に損傷を負わせた。その後、各群
のモルモットの皮膚損傷部位に、上記各試験液の0.0
5mlづつを、注射器を用いて塗布した。塗布後72時
間の損傷の程度を肉眼で観察し、塗布前の肉眼観察の様
子と比較した。結果を、匹数で表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】(2)急性毒性試験 体重25〜30gの5週齢雄ICRマウス2群に、製造
例1、2の水素添加トリグリセリドを同量の大豆油と混
和させてそれぞれ経口投与し、投与後14日目に生死を
判定した。なお、最大の投与量は2000mg/kgと
した。製造例1、2のいずれの水素添加トリグリセリド
を投与されたマウスも、最大投与量でも死亡例を認めな
かった。
【0021】体重25〜30gの5週齢雄ICRマウス
2群に、製造例1、2の水素添加トリグリセリドを0.
1%のカルボキシメチルセルロースを含む生理食塩水に
分散させてそれぞれ経口投与し、急性毒性値を求めた。
最大投与量は、5000mg/kgとしたが、最大投与
量でも死亡例を認めなかった。なお、生死の判定は投与
後14日目に行った。
【0022】(3)酸化安定性試験 試料として製造例1の水素添加トリグリセリドの1g
を、半径5cm高さ1cmのシャーレにとり、開放系の
まま40℃の孵卵器に入れた。1カ月後、孵卵器よりシ
ャーレを取り出し、TBA法により試料の過酸化物価を
測定した。比較のため、ジンベエザメ肝油、ジンベエザ
メ肝油トリグリセリドに関しても同様の試験を行った。
結果を表2に示す。
【0023】
【表2】 以上の結果から明らかなように、本発明の皮膚外用剤の
有効成分となる魚類肝油中トリグリセリドの水素添加物
は、魚類肝油中トリグリセリド、魚類肝油、オリーブ
油、グリセリルトリステアレートに比べ、皮膚損傷修復
作用、酸化安定性、の両面からみて優れているととも
に、安全性も高い。
【0024】次に、上記製造例で得られた魚類肝油中ト
リグリセリドの水素添加物を配合した本発明の実施例を
説明する。なお、以下に用いる配合量は全て重量部とす
る。
【0025】
【実施例1】 クリーム 表3のB成分を80℃に加熱、溶解させ、これを、同じ
温度に加熱、溶解したA成分に撹拌しながら加えて乳化
した。これにC成分を加え、撹拌しながら冷却してクリ
ームを製造した。
【0026】
【表3】
【0027】
【実施例2】 クリーム 表4のB成分を80℃に加熱、溶解させ、これを、同じ
温度に加熱、溶解したA成分に撹拌しながら徐々に加え
て乳化した。これにC成分を加え、撹拌しながら冷却し
てクリームを製造した。
【0028】
【表4】
【0029】
【実施例3】 乳液 表5のB成分を80℃に加熱、溶解させ、これを、同じ
温度に加熱、溶解したA成分に撹拌しながら徐々に加
え、更に、これに、やはり80℃に加熱溶解したC成分
を徐々に加え粗乳化した後、ホモミキサーで乳化した。
これを、撹拌しながら冷却して乳液を製造した。
【0030】
【表5】
【0031】
【実施例4】 乳液 表6のB成分を80℃に加熱、溶解させ、これを、同じ
温度に加熱、溶解したA成分に撹拌しながら徐々に加
え、更に、これに、やはり80℃に加熱溶解したC成分
を徐々に加え粗乳化した。得られた粗乳化物に、D成分
を加え、ホモミキサーで均一に乳化した後、撹拌しなが
ら冷却して乳液を製造した。
【0032】
【表6】
【0033】
【発明の効果】本発明の皮膚外用剤は、皮膚損傷を修復
する作用に優れ、かつ安全性、酸化安定性の面でも優れ
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/50 (72)発明者 見城 勝 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 金澤 英子 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 平井 義和 神奈川県横浜市神奈川区高島台27−1ポー ラ化成工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 辻 邦郎 静岡県静岡市池田1375−11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚類肝油中トリグリセリドの水素添加物
    を有効成分として含有する皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 前記魚類肝油が、タラ肝油、サメ肝油か
    ら選ばれることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用
    剤。
  3. 【請求項3】 前記魚類肝油中トリグリセリドの水素添
    加物の含有量が、外用剤全量に対して1〜10重量%で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚外用
    剤。
JP5226249A 1993-09-10 1993-09-10 皮膚外用剤 Pending JPH0782162A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997044352A1 (en) * 1996-05-22 1997-11-27 Northstar Biologicals Pty. Ltd. Modulating the activity of hormones or their receptors - peptides, antibodies, vaccines and uses thereof
WO2004000301A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Maruha Corporation ジアシルグリセリルエーテルを含有する経口用皮膚損傷予防・治療剤
JP2009506054A (ja) * 2005-08-22 2009-02-12 ジョンズ ホプキンス ユニバーシティ 疾患を処置するためのヘッジホッグ経路アンタゴニスト

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WO1997044352A1 (en) * 1996-05-22 1997-11-27 Northstar Biologicals Pty. Ltd. Modulating the activity of hormones or their receptors - peptides, antibodies, vaccines and uses thereof
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US7906557B2 (en) 2002-06-19 2011-03-15 Maruha Nichiro Seafoods, Inc. Oral preventive/therapeutic agent for skin damage containing diacylglyceryl ether
JP2009506054A (ja) * 2005-08-22 2009-02-12 ジョンズ ホプキンス ユニバーシティ 疾患を処置するためのヘッジホッグ経路アンタゴニスト
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