JPH0781000A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH0781000A
JPH0781000A JP5230103A JP23010393A JPH0781000A JP H0781000 A JPH0781000 A JP H0781000A JP 5230103 A JP5230103 A JP 5230103A JP 23010393 A JP23010393 A JP 23010393A JP H0781000 A JPH0781000 A JP H0781000A
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JP
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layer
film
laminated film
laminated
temperature
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JP5230103A
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Shinichiro Miyaji
新一郎 宮治
Yukio Noguchi
幸男 野口
Tomoaki Ueda
智昭 上田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可変コンデンサ等の誘電体フィルムに必要な
耐熱性、誘電特性、厚み精度等の諸特性を満足させ、か
つ電極金属とのヒートラミネート加工温度を200℃以
下にでき汎用的な電極金属であるアルミニウムに適用可
能な積層フィルムを提供する。 【構成】 軟化点が250℃以上であるフィルム層(A
層)の少なくとも片方の面に、軟化点が50〜200℃
である樹脂組成物層(B層)を積層してなる積層フィル
ムであって、該積層フィルムのA層とB層の接着力が2
00g/cm以上で、かつ誘電損失が0.01(25
℃、1kHz)以下であることを特徴とする積層フィル
ムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層フィルムに関する
ものである。特に可変コンデンサ等の誘電特性を必要と
する分野に用いられ、金属との接着加工性に優れた積層
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気、電子部品の小型化、高機能
化、さらにコストダウンのニーズから耐熱性、誘電特性
等の電気特性、厚み斑、加工性といったフィルム基材に
対する要求が厳しくなってきている。可変コンデンサ等
の誘電体として用いられるフィルムも例外ではない。
【0003】従来の可変コンデンサの誘電体として、架
橋型ポリエチレンフィルム等を用いたものが、特開昭5
7−204113号公報等で知られている。
【0004】また、ポリフェニレンスルフィド(以下P
PSと略称することがある。)を主成分とした樹脂を焼
成被膜化したものが、特開昭57−141912号公報
等で知られている。さらに二軸配向ポリ−p−フェニレ
ンスルフィドフィルムおよび該フィルムと架橋ポリエチ
レン、弗素化ポリオレフィン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリカーボネートから選ばれた樹脂フィルムを積層
したものを可変コンデンサの誘電体として用いることが
特開昭63−51618号公報で提案されている。
【0005】一方、ポリフェニレンスルフィドフィルム
(以下PPSフィルムと略称することがある。)の表層
部に該PPSフィルムより融点が低い共重合PPS樹脂
層を積層したフィルムが金属等とのヒートシール性の向
上を目的に提案されている(特開平4−319436号
公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の可
変コンデンサに用いられる誘電体は、下記の問題点を有
していた。
【0007】架橋型ポリエチレンフィルムを用いたもの
は、該フィルムの厚さを20μm以下にすることが製造
上困難であり、厚み精度が極めて悪く、小型化、容量の
精度が悪く、より小型化、高性能化の要求に答えられな
い。さらに耐熱性が悪くハンダ付け加工の際に該フィル
ムが軟化して、可変コンデンサの容量が変化するという
問題点を有していた。
【0008】PPSを焼成したものは、該樹脂層が脆く
て耐摩耗性に欠け、厚み精度が悪いという問題点を有し
ていた。
【0009】また、2軸配向ポリ−p−フェニレンスル
フィドフィルムを用いたものは、耐熱性、誘電特性、厚
み精度の点で優れており高性能な可変コンデンサが得ら
れる。しかし、電極となる金属にヒートラミネートする
温度が250℃以上の高温であるため、電極用の金属と
して最も汎用的なアルミニウムまたはアルミニウム合金
を用いると金属が鈍ってしまい(200℃以下の温度で
加工しないと金属が鈍ってしまうと言われている。)、
可変コンデンサに加工する時に該金属が変形し易く高精
度の可変コンデンサができなかった。そのためりん青
銅、黄銅などを電極に用いた特殊用途に限定されてい
た。また2軸配向ポリ−p−フェニレンスルフィドフィ
ルムに架橋ポリエチレンを積層したものは、薄肉化がで
きず、弗素化ポリオレフィン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリカーボネートを積層したものは金属とのヒート
ラミネート温度が高く、電極金属にアルミニウムまたは
アルミニウム合金が使用できなかった。
【0010】またPPSフィルムと共重合PPS樹脂の
積層フィルムも、共重合PPS樹脂の軟化点を200℃
以下にすることは実質的に不可能であり、上記同様の問
題点を有していた。
【0011】本発明はかかる問題を解決すること、すな
わち可変コンデンサ等の誘電体フィルムに必要な耐熱
性、誘電特性、厚み精度等の諸特性を満足させ、かつ電
極金属とのヒートラミネート加工温度を200℃以下に
でき汎用的な電極金属であるアルミニウムに適用可能な
積層フィルムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は軟化
点が250℃以上であるフィルム層(A層)の少なくと
も片方の面に、軟化点が50〜200℃である樹脂組成
物層(B層)を積層してなる積層フィルムであって、該
積層フィルムのA層とB層との間の接着力が200g/
cm以上で、かつ誘電損失が0.01(25℃、1kH
z)以下であることを特徴とする積層フィルムである。
【0013】本発明の基本層であるA層のフィルムは軟
化点が250℃以上(好ましくは260℃以上、より好
ましくは270℃以上)の耐熱フィルムである。ここで
軟化点とは示差走査熱量計(DSC)で測定したときの
最大吸熱ピークの最大変曲点を言い、一般に結晶性ポリ
マからなるフィルムの場合は融点であり、非晶性ポリマ
からなるフィルムの場合はガラス転移温度を言う。該フ
ィルムの軟化点が250℃未満ではハンダ耐熱性が乏し
い。本発明のフィルム層の厚さは、好ましくは1〜15
0μmであり、該層は分子配向していてもしていなくて
もよい。該A層に適用でき得る例として、PPS、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのフィル
ムを挙げることができるが、PPSフィルム、ポリエー
テルエーテルケトンフィルムなどの誘電特性に優れた耐
熱フィルムが好ましい。中でもPPSフィルムが加工性
の点で特に好ましい。
【0014】ここでPPSとは繰り返し単位の85モル
%以上(好ましくは90モル%以上)が下記構成式(化
1)で示される構成単位からなる重合体をいう。かかる
成分が85モル%未満ではポリマの結晶性、軟化点等が
低くPPSを主成分とする樹脂組成物の特長である耐熱
性、寸法安定性、機械特性等を損なう場合がある。
【0015】
【化1】 上記PPSにおいて、繰り返し単位の15モル%未満、
好ましくは10モル%未満であれば共重合可能なスルフ
ィド結合を含有する単位が含まれていても差し支えな
い。
【0016】また該重合体の共重合の仕方は、ランダ
ム、ブロック型を問わない。
【0017】またPPSフィルムとしては、溶融成形さ
れた未延伸、無配向フィルム、一軸また二軸に延伸され
た延伸フィルムを用いることができるが、耐熱性、機械
特性等の点から二軸延伸、熱処理してなる二軸配向フィ
ルムが好ましく、250℃における熱収縮率が10%以
下のものが特に好ましい。さらに該フィルムの表面に接
着性を向上させる目的でコロナ放電処理やプラズマ処理
等の表面処理が施してあってもよい。
【0018】また該A層に有機、無機の添加剤、不活性
粒子等を本発明の目的を損なわない範囲に含まれること
は差し支えない。
【0019】本発明のB層は軟化点が50〜200℃
(より好ましくは70〜180℃)である樹脂組成物か
らなる層である。ここで軟化点とは示差走査熱量計(D
SC)で測定したときの最大吸熱ピークの最大変曲点を
言い、一般に結晶性ポリマからなる場合は融点であり、
非晶性ポリマからなる場合はガラス転移温度を言う。該
軟化点が50℃未満では金属とのヒートラミネート時に
樹脂が流れ易く加工性が悪化したり(可変コンデンサの
加工では100℃の温度で樹脂が流れないことが加工性
の面で要求されると言われている)、可変コンデンサに
した時の耐ハンダ性が低下する。逆に軟化点が200℃
を越えると200℃以下の温度で金属とヒートラミネー
トできないためアルミニウムを電極とした可変コンデン
サに適用できなくなる。上記の用いられる樹脂組成物は
後述する積層フィルムの特性が本発明の目的を満足する
ものであれば制限されるものではなく、例としてオレフ
ィン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、
ウレタン系等の単体または化合物、変成物等を挙げるこ
とがでできる。熱硬化型、熱可塑型の樹脂のいずれをも
用いることができるが、積層フィルムの接着性の寿命か
らは熱可塑型が特に好ましい。例えば、変成ポリオレフ
ィン、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合体などが
好ましい。また該樹脂に無機の添加剤、静電防止剤等の
添加剤が適宜含まれることは差し支えない。
【0020】該B層の厚さは使用するA層の厚さによっ
て異なり、0.03〜50μmの範囲が好ましい。B層
の厚みが薄くなると、A層の表面粗さによってB層の厚
さが不均一になり、接着力が不安定になったり、曲げ応
力、打ち抜きなどの衝撃力が加わった場合に、A層のヤ
ング率にB層が負け、両層間が剥がれやすくなる。逆に
B層が厚くなると耐熱性、誘電損失などが低下する傾向
にある。
【0021】本発明の積層フィルムは前述のA層を基本
層とし、該A層の少なくとも片方の面にB層が積層され
たものである。また該積層フィルムのA層とB層との間
の接着力が200g/cm以上(好ましくは250g/
cm以上)であることが必要である。接着力とは例えば
A/Bの2層積層フィルムの場合、該積層フィルムのB
層側にもう一層のA層をヒートラミネートし、元のA層
のフィルムを180度の角度で5m/分の引剥し速度で
剥離した時の剥離強度を剥離幅1cm当たりで表わした
ものである。積層フィルムの積層構成がB/A/Bの場
合は該積層フィルムのB層にもう一層のA層をヒートラ
ミネートし、元のA/B層を同様の条件で剥離して接着
力を求める。該接着力が200g/cm未満では可変コ
ンデンサの製造時の電極の打ち抜き加工等で誘電体が剥
がれてしまったり、ハンダ加工時に発生するフィルムの
熱収縮応力によって誘電体が剥離したりする。
【0022】さらに本発明の積層フィルムは温度25
℃、周波数1kHzにおける誘電損失が0.01以下
(好ましくは0.07以下)である。該誘電損失が0.
01を越えると、高温の熱履歴を受けたり、高周波領域
になると誘電特性が劣悪し、高機能性を付与できなくな
る。
【0023】本発明の積層フィルムの厚さは1〜200
μmが好ましい。また該積層フィルムのA層とB層の積
層比はA層およびB層に用いるフィルム、樹脂層の種類
によって異なるが、2層積層の場合はA層の厚みをaμ
m、B層の厚みをbμmとすると、0.03≦b/a≦
0.3の範囲が好ましく、3層積層の場合はA層の厚み
をaμm、B層の厚みをb、b’μmとすると、0.0
3≦(b+b’)/a≦0.3の範囲が本発明の目的を
効率よく達成するうえで特に好ましい。上記積層構成比
率が0.03未満であると金属にラミネートした時に金
属と積層フィルムのヤング率の差によって見かけの接着
力性が乏しくなり、例えば打ち抜き加工のように衝撃力
が加わったとき剥離し易くなる。逆に0.3を越えると
B層の耐熱性、誘電損失が積層フィルム全体に悪影響を
与え、高機能な可変コンデンサに適用しにくくなる。ま
た、本発明の3層積層フィルムにおいて、A層の両側に
積層されるB層の厚みは同一である必要はない。
【0024】[製造方法]本発明の積層フィルムの製造
方法について説明する。
【0025】まず本発明の基本層であるA層のフィルム
について述べる。該フィルムの製造方法は用いる素材に
よって異なるが、有機系のフィルムは、溶融押出成形
法、溶液製膜法などの周知の方法で製造することができ
る。また延伸フィルムを得る場合は上記の方法で製造し
たフィルムをロール延伸法、テンター延伸法、逐次2軸
延伸法、同時2軸延伸法、チューブラー法などの方法を
用いることができる。さらに必要に応じて熱処理を行な
うこともできる。また、熱寸法安定性を向上させる目的
で該フィルムを融点以下の温度で適度な範囲の制限収縮
(リラックス)させたり、フリーアニールしてもよい。
【0026】次にB層に用いる樹脂組成物は、オレフィ
ン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ウ
レタン系などの種々の樹脂の単体または混合物、化合
物、変成物等を用いることができ、溶液系、無溶剤系を
問わない。本発明の積層フィルムの厚みが薄く、かつB
層の厚みがかなり薄い場合は溶液系の方が厚み制御しや
すい。
【0027】A層の少なくとも片方の面にB層を積層す
る方法は、グラビアコータ法、リバースコータ法、ダイ
コータ法などのコーティング法、またドライラミネート
法やエクストルジョンラミネート法などのラミネート
法、さらにA層樹脂とB層樹脂を共押出して積層し、必
要に応じて延伸、熱処理する共押出法などの周知の方法
を適用することができる。また上記のエクストルジョン
ラミネート法で、例えば製膜工程中のA層の縦一軸延伸
フィルムにB層をエクストルジョンラミネートし、さら
に幅方向に延伸して熱処理する方法も適用できるし、コ
ーティング法で、製膜工程中のA層の縦一軸延伸フィル
ムにB層をコーティングした後、幅方向に延伸して熱処
理する方法も適用できる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、物性は次のようにして測定した。
【0029】(1)軟化点 示差走査熱量計(PERKIN−ELMER(株)DS
C−2型)で測定した、吸熱側の最大ピーク面積の最大
変極点を軟化点とし、下記の条件で測定した。また積層
フィルムのA層の軟化点を軟化点A、B層の軟化点を軟
化点Bと表示した。
【0030】サンプル量 :5mg レンジ :5mcal/sec・m 前処理条件 :サンプルを一旦完全に溶融させ、急冷
した後以下の条件で測定した。
【0031】チャート速度 :40mm/scc 昇温速度 :10℃/min 昇温開始温度 :−50℃ (2)誘電損失 JIS C2318に準じて、温度25℃、周波数1k
Hzの誘電損失を測定した。
【0032】(3)接着力 積層フィルムのB層の面に、該積層フィルムのA層と同
一のフィルムを軟化点B以上の温度でヒートラミネート
(圧力3kg/cm、速度1m/分)し、元の積層フィ
ルム側のA層(3層積層の場合は元の積層フィルム側の
A/B層)を、剥離角度180度、剥離速度5m/分の
条件で1cm幅当たりの剥離強度(g/cm)を測定し
た。なお、測定器は小型ショッパーを用いた。
【0033】(4)ヒートラミネート温度(HLT) 厚さ100μmのアルミニウム板上にB層が接するよう
に積層フィルムを置き、該積層フィルムの軟化点B以上
の種々の温度でヒートラミネートし、上記(3)と同様
にして各温度での接着力を測定し、最も接着力が大きい
時の温度をヒートラミネート温度(℃)とした。なお、
ヒートラミネートはオーブンの直後にプレスロールが設
置された装置を用い、アルミニウム板をオーブン中で加
熱(2分間)した後、プレスロールで積層した。
【0034】(5)アルミニウムの鈍り状態 上記(4)のヒートラミネート温度で得たアルミニウム
積層体の曲げ応力をテンシロンで測定し、同様の方法で
求めたヒートラミネート前のアルミニウムの曲げ応力に
対する曲げ応力の保持率を求め、次の基準で評価した。
【0035】○: 保持率が90%以上 △: 保持率が70〜90%未満 ×: 保持率が70%未満 (6)打ち抜き性 上記(4)で得たアルミニウム積層体に直径5mmの穴
を打ち抜いた時に発生する積層フィルムの剥がれ状態を
顕微鏡観察し、次の基準で評価した。
【0036】○: 剥がれが全くない。
【0037】△: 穴の周囲の極一部に剥がれが発生す
るが、実用上問題ないレベルである。
【0038】×: 穴の周囲の剥がれが激しく、実用レ
ベルに及ばない。
【0039】(7)耐ハンダ性 次の方法で可変コンデンサを作成し、240℃の温度に
セットしたリフローハンダ加工装置の炉に60秒間通し
た後の容量値の、該処理前の容量値に対する変化から次
の基準で評価した。
【0040】 ○: 50個についての平均容量変化率が2%未満 △: 50個についての平均容量変化率が2〜4% ×: 50個についての平均容量変化率が4%以上 (可変コンデンサの製造)上記(4)で得られたアルミ
ニウム積層体を、直径12mm、頂角180度で中心部
に直径5mmの穴を有する扇型に打ち抜いて固定電極を
作成した。該固定電極の両側に各々1枚の可動電極を重
ね合わせ、固定電極はエポキシ樹脂製の本体ケースに電
極外周部で固定し、一方可動電極は、中心の穴に通した
金属シャフトに固定し、該シャフトを回転させることに
より、可動電極と対面面積を可変する構造とした。
【0041】(8)積層フィルムの積層比 積層フィルム断面の走査型電子顕微鏡により求めた。
【0042】実施例1、2、比較例1 (1)A層の調整 25μm厚みのPPSフィルム(東レ(株)製“トレリ
ナ”タイプ3000)を準備し、該フィルムの片面に6
000J/m2 のコロナ放電処理を行なった(A−1と
する)。
【0043】(2)B層の調整 軟化点が43℃、52℃および61℃のポリウレタン樹
脂のエマルジョン(大日本インキ製造(株))を準備し
た。
【0044】(3)積層フィルムの製造 グラビアコータ法でA−1のコロナ処理面に上記3種類
のポリウレタン樹脂を塗布した。塗布厚みは、乾燥後で
2μmになるよう調整した。また乾燥条件は110℃の
温度で3分間とした。得られた3種類の積層フィルムを
B層の軟化点の低い順に積層フィルム−1〜3とする。
【0045】実施例3 実施例1で用いたA−1のコロナ処理面にエチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂のエマルジョン(コニシ(株)製)
を実施例1の方法で塗布した。塗布厚みは乾燥後で2.
3μmであった(積層フィルム−4)。
【0046】実施例4、5、比較例2、3 実施例1で用いたPPSフィルムの片面に、アルゴン雰
囲気で低圧プラズマ処理を行なった。該処理条件は、圧
力0.4mmHg、処理速度0.25m/分、印加電力
0.5kJとした(A−2とする)。
【0047】A−2の処理面に変成ポリプロピレン樹脂
(東洋モートン(株)製:MP−3405)を実施例1
の方法で塗布した。乾燥後の塗布厚みが1.0μmと
2.5μm、6.0μm、8.0μmなるよう調整して
4種類の積層フィルムを得た。(B層の厚みが薄い方か
ら積層フィルム−5〜8とする)。なお、乾燥条件は1
20℃で3分間とした。
【0048】実施例6、比較例4 B層の樹脂として、ポリアミド系樹脂(ヘンケル白水
(株)製:DPX−1175)をキシレン、トルエン、
クロルベンゼンの混合溶媒で80℃の温度で溶解せし
め、固形分濃度5重量%の溶液を得た。この樹脂溶液を
A−1のコロナ処理面にリバースコータ法で塗布した。
塗布厚みは1.5μmと2.5μm(乾燥後)になるよ
う調整した(積層フィルム−9、10)。
【0049】比較例5 PPSポリマ(東レ(株)製:T−1880)に0.5
μm粒径のシリカ粉末を0.5重量%混合し、ベントを
有する2軸押出機でペレット化した。該PPSペレット
を180℃の温度で3時間真空乾燥し、40mm径の押
出機で320℃の温度に溶融し、幅300mm、間隙1
mmのTダイから押出し、表面温度30℃の金属ドラム
でキャストして320μm厚みの未延伸フィルムを得
た。該フィルムを逐次二軸延伸装置で、長手方向に温度
98℃で3.6倍延伸した後、別の押出機からポリアミ
ド樹脂(ヘンケル白水(株)製:マクロメルト630
0)をTダイから上記PPS一軸延伸フィルムの片面に
エクストルジョンラミネートし、さらにテンタで温度1
00℃、延伸倍率3.5倍の条件で幅方向に延伸し、そ
のまま緊張状態で260℃の温度で熱処理した。得られ
た積層フィルムの厚みは26μmであり、B層の厚みは
1.0μmであった(積層フィルム−11)。
【0050】比較例6 比較例5のポリアミド樹脂に変えてポリプロピレン樹脂
(三井東圧(株)製:“三井ノーブレン”FL100)
を用い、比較例5と同様の方法でエクストルジョンラミ
ネートし、二軸延伸した。積層フィルムの厚さは27μ
mでB層の厚みは2.0μmであった(積層フィルム−
12)。
【0051】比較例7 (1)A層のポリマの調整 比較例5のPPS樹脂組成物を準備した。
【0052】(2)B層のポリマの調整 オートクレーブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、
45モルの酢酸ナトリウム及び25リットルのN−メチ
ル−2−ピロリドン(以下NMPと略称する)を撹拌し
ながら徐々に220℃まで昇温して含有されている水分
を蒸留により除去した。
【0053】脱水の終了した系内へ主成分モノマとして
69.8モルのp−ジクロルベンゼン、副成分モノマと
して30モルのm−ジクロルベンゼン、及び0.2モル
の1,2,4−トリクロルベンゼンを5リットルのNM
Pとともに添加し、170℃で窒素を3kg/cm2
加圧封入後、昇温し、260℃にて4時間重合した。重
合終了後冷却し、蒸留水中にポリマを沈澱させ、150
メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状の共重合
PPSポリマを得た。このポリマを90℃の蒸留水によ
り5回洗浄後、減圧下で120℃にて乾燥した。
【0054】次いで、該共重合PPSに0.5μm径の
シリカ粒子を0.5重量%配合し、300℃にて30m
m径の2軸押出機でガット状に押出し、ペレット化し
た。
【0055】(3)積層フィルムの製造 上記(1)及び(2)のPPS組成物および共重合PP
S組成物をそれぞれ180℃にて3時間真空乾燥した
後、別々のエクストルーダに供給し、溶融状態で口金上
部にある二重管型の積層装置で2層積層構成になるよう
導き、Tダイより吐出させ、表面温度25℃の金属ドラ
ムにキャストし、実質的に非晶の積層シートを得た。
【0056】該積層シートを逐次2軸延伸装置で長手方
向に90℃で3.5倍延伸し、幅方向に95℃で3.4
倍延伸した。続いて260℃、10秒間の熱処理を行な
い、全厚みが25μm、共重合PPS層の厚み2μmの
積層フィルムを得た(積層フィルム−13とする)。該
B層の共重合PPSの軟化点は238℃であった。
【0057】比較例8 B層のポリマを主成分モノマとして49.8モルのp−
ジクロルベンゼン、副成分モノマとして50モルのm−
ジクロルベンゼンを使用した以外は比較例7と同様の方
法で重合し、その後、比較例7と同様にして積層フィル
ム(積層フィルム−14)を作成した。
【0058】実施例7、8、比較例9 比較例7の共重合PPSの製造方法と同様にして、主成
分モノマのp−ジクロルベンゼンとm−ジクロルベンゼ
ンの添加量を表1のように変えた3種類の共重合PPS
を得て、熱処理温度を220℃にする以外は比較例7と
同様にして厚さ25μmの共重合PPSの単膜フィルム
を得た。
【0059】
【表1】 該3種類の共重合PPSフィルムの片方の面に実施例5
の方法で表面処理を行ない、変成ポリプロピレン樹脂を
塗布した。塗布厚みは2.5μmである。
【0060】比較例10 A層のフィルムにポリエーテルスルホンフィルム(住友
ベークライト(株)製:“スミライト”FS−130
0)の25μmを用い、実施例5と同様の方法で積層フ
ィルムを作成した(積層フィルム−18)。
【0061】実施例9 A層のフィルムにポリエーテルエーテルケトンフィルム
(住友ベークライト(株)製:“スミライト”FS−1
100C)の25μmを用い、B層をA層の両側に設け
る以外は実施例5と同様にして3層積層フィルムを得た
(積層フィルム−19)。
【0062】比較例11 実施例1に用いたPPSフィルム(A−1)を準備し
た。
【0063】比較例12 20μm厚みの架橋型ポリエチレンフィルム(A−3)
を準備した。
【0064】[評価]実施例1〜9及び比較例1〜12
の評価結果を表2、表3に示す。
【0065】実施例1〜6および比較例1〜7の結果よ
り、本発明の積層フィルムはB層の軟化点を50〜20
0℃に制御することで、本発明の目的である可変コンデ
ンサの耐ハンダ性を低下させることなく、アルミニウム
電極の鈍りを防止できることが判る。すなわち、該温度
が50℃以下ではハンダ耐熱性が低下し、逆に200℃
を越えるとアルミニウムが鈍る。
【0066】また比較例2と実施例4および比較例6か
ら、A層とB層の接着力が200g/cm以上でない
と、金属板とヒートラミネートした後の打ち抜き加工
性、耐ハンダ性に問題があり、実施例5と比較例3およ
び実施例6と比較例4から積層フィルムの誘電損失が
0.01以上では得られる可変コンデンサの特性が低下
することが判る。
【0067】また、実施例7〜9、比較例9、10か
ら、本発明の積層フィルムはA層の軟化点が250℃以
上でないとハンダ加工で可変コンデンサの特性を低下さ
せてしまう。
【0068】比較例11は従来使用されていたPPSフ
ィルムを誘電体フィルムとしたものでありアルミニウム
電極の鈍りが大きい。さらに比較例12は従来使用され
ていた架橋型ポリエチレンフィルムを誘電フィルムとし
て用いたものであるが、耐ハンダ性が劣る。
【0069】
【表2】
【表3】
【0070】
【本発明の効果】本発明は、以上の構成としたため耐熱
性、誘電特性に優れ、可変コンデンサ分野における従来
の課題であったアルミニウム電極にも適用できる、汎用
で高機能な可変コンデンサ用の誘電体フィルムとして最
適なものになった。
【0071】本発明の積層フィルムは、電解コンデンサ
の電極、コイル等にも用いることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化点が250℃以上であるフィルム層
    (A層)の少なくとも片方の面に、軟化点が50〜20
    0℃である樹脂組成物層(B層)を積層してなる積層フ
    ィルムであって、該積層フィルムのA層とB層との間の
    接着力が200g/cm以上で、かつ誘電損失が0.0
    1(25℃、1kHz)以下であることを特徴とする積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】A層がポリフェニレンスルフィドフィルム
    であることを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
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