JP2005119107A - 金属層転写用熱可塑性樹脂シート - Google Patents

金属層転写用熱可塑性樹脂シート Download PDF

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Abstract

【課題】近年、高機能電子部品の高密度実装により回路配線の高精細化が進んできている。配線の幅として10μm以下の要求もあり、銅箔厚みに対しても0.1μm〜5μmと薄膜化が要求される。ところが、従来の銅箔の薄膜化を行うとコシがなくシワが入りやすいなどの取扱性の点で難があり、金属転写用熱可塑性樹脂シートが望まれていた。
【解決手段】熱可塑性樹脂シートの片面に粗面化が施されており、他面に平滑層を設けることを特徴とする二軸配向熱可塑性樹脂シートを提供すること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂シート及び製造方法に関する。更に詳しくはプリント配線板などの金属貼り積層板を形成するのに最適に使用できる銅蒸着層や銅メッキ層などの金属層を転写するためのシート及び製造方法を提供することに関する。
従来から、非特許文献1に記載されいる様に、プリント配線基盤用の銅箔には電解銅箔、圧延銅箔などの18μm、35μm、70μmといった厚みの銅箔が使用されてきた。近年、高機能電子部品の高密度実装により回路配線の高精細化が進んできている。配線の幅として10μm以下の要求もあり、銅箔厚みに対しても0.1μm〜5μmと薄膜化が要求されている。
携帯用通信機器部品に広く使われるプリント配線板は、これらの機器の小型化に伴い銅箔では12μm以下の要求がありコシがなくシワが入りやすいなどの取扱性の点で問題があった。そこで、解決策としては、(1)離型性を有するキャリアーに直接金属箔を張り合わせて導体としプリプレグに転写する方法や(2)キャリアー上に蒸着又はメッキによって導体層を形成し、これをプリプレグに転写する方法が検討されている。
キャリアーとして、プラスチックフィルムが一番の候補となり、特に熱可塑性樹脂シートがコスト面、取扱性の面で優れている。以前から、転写箔用途では、片面マット、片面平滑という思想はあったが、要求を満たす構成を実現出来ずにいた。具体的課題としては、寸法安定性、平滑面の中心線平均粗さSRa、平滑面の粗大突起、マット面の中心線平均粗さSRaが不足していた為である。
また、特許文献1にあるように、片面が粗面化処理されており、その粗面化処理によって表面粗さRmaxが1.9〜20μmである熱可塑性樹脂シートは市場から求められている。
伊藤謹司,「プリント配線板製造入門」,日刊工業新聞社,1995年5月発行 特開平2002−332462号公報(第1頁第1行目〜第1頁39行目)
本発明の目的は、前記問題点を解消することにあり、金属転写用シートとして最適な熱可塑性樹脂シートを提供することである。
本発明は、二軸配向熱可塑性樹脂シートの片面に特定の表面粗さになるような粗面化処理を施し、その反対面はより平滑な面を設けそこに粘着剥離層を設ける。さらにその粘着剥離層の上に金属蒸着層、金属メッキ層を設けると上記課題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされたものである。
そこで、本発明は、熱可塑性樹脂シートの片面に粗面化が施されており、他面に平滑層を設けることを特徴とする二軸配向熱可塑性樹脂シートを提供することによる。本発明で提供された熱可塑性樹脂シートは平滑面に粘着剥離層が施され、金属蒸着層、金属メッキ層が施され金属メッキ層は粗面化処理が施された後、金属転写熱可塑性樹脂シートとして使用される。当該金属転写用熱可塑性樹脂シートは金属層側を転写させたい基盤面になるように重ね、金属転写熱可塑性樹脂シートと基盤とを加熱圧着した後、金属蒸着層と粘着剥離層の間で剥離させ、基盤上に任意の金属層の構造体、つまり回路配線をすることを特徴とする。
本発明によれば効率的に片面マット、片面平滑であり寸法安定性に優れたシートを提供することが出来る。また、このシートを用いることにより表・裏に二つの効果が一枚のシートにあることから、次工程の生産効率・コスト削減、低環境負荷に繋がる。
本発明における熱可塑性樹脂は一般にシートに成形可能なすべての樹脂を包含する。代表としてポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルである。また、これらの共重合体混合物であって、他の添加物などが含有されたものであってもよい。また、口金から押し出されたシートは、同種異種に関わらず多層であっても2層であってもよい。本発明のシートは、下記の様に多層構造とすることができる。かかる多層構造シートの形態は、特に限定されないが、例えばA/B、A/C/B、A/B/A/Bなどがあげられる。積層方法としては、複数の押出機で溶融した熱可塑性樹脂をピノールやフィードブロックで合流させて積層する方法が好ましいが、別途製膜途中にコーティングする方法、2種類以上のフィルムを接着材を用いて張り合わせる方法、またこれらの組み合わせによる方法などがある。
当該シートは耐熱性、寸法安定性の点から熱可塑性樹脂をシート状に口金から押出し、冷却ドラム上で冷却固化させた後、2軸に延伸したものが好ましい。
かかる2軸延伸方法は、同時二軸延伸法であっても、逐次二軸延伸法であってもよい。また生産時に
厚さは特に限定しないが好ましくは30〜100μmがよい。より好ましくは30〜60μm、さらに好ましくは40〜50μmが望ましい。この範囲未満の厚さでは、コシが不十分であり、取扱う際にシワや折り目が入るなどの問題が生じる。一方、この範囲以上の厚みでは重量の増加により取扱性が悪化する。
また、マット面(A面)にフィラーを、A層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜20重量部添加することが好ましく、また、A層厚みを5μm以上の膜厚にすることが好ましい。フィラーは特に限定しないが好ましくは平均粒径が2〜4μmであり、さらに3μm程度のシリカ粒子が好ましい。
また一方、平滑面(B面)にはフィラーを、B層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して0.02重量部以下とすることが好ましい、B層厚みを10μm以上の膜厚にすることが好ましく、さらに好ましい平滑面を得るためには、B層厚みは30μm以上である。フィラーは特に限定しないが好ましくは平均粒径が1〜2μmであり、さらに1.3〜1.8μmのシリカ粒子が好ましい。これら、A面、B面を上記の通りの構成としていれば、真ん中にA層、B層と同程度の耐熱性のある原料を入れることができる。この構成を満たすことで、金属転写シートの品質上重要となるA面の中心線平均粗さRa1(JIS−B−0601に準拠)が300〜600nmを満たすことが可能となる。この中心線平均粗さを越えると当該金属転写シートを加熱圧着した際にプレス板との剥離性を保持することができる。また、B面の中心線平均粗さRa2(JIS−B−0601に準拠)、Ra2は、5〜200nmを満たすことで平滑な金属蒸着層、金属メッキ層を得ることができる、さらに好ましくはRa2は、5〜70nmにすることで更に平滑な金属蒸着層、金属メッキ層を得ることができ、回路基板上に高精細・高密度な回路パターンを作ることができる。
さらに熱収縮率測定において(JIS C2151に準拠)温度190℃、保持時間20分間の条件において製膜機長手方向(以下MDと略)の熱収縮率が1.3%≦MD≦2.1%、また製膜機幅方向(以下TDと略)−0.1%≦TD≦0.8%を上記A面、B面の中心線平均粗さと同時に満たすことが好ましい。これは、加熱圧着した際の寸法変形を抑制するものである。
さらに、A面の十点平均粗さRz1(JIS−B−0601に準拠)が2.3μm≦Rz1を満たす必要がある。上記、プレス板と金属転写シートを密着させる際や剥離の際にエア抜け性を確保し作業を容易にし金属転写シートに余分な負荷がかからないようにする為である。また、反対面B面の十点平均粗さRz2(JIS−B−0601に準拠)は、Rz2≦1.2μmを満たす必要がある。これは、B面の十点平均粗さRz2が上記式を満たさないフィラーなどの粗大突起が原因によるもので、B面の上部に金属蒸着層、金属メッキ層を施すことから凹凸のある金属層が出来る。その為、これが原因による回路配線パターンに局所的に薄い部分、最悪の場合は断線する箇所が発生することになり好ましくない。
本発明による熱可塑性樹脂シートの融点は、耐熱性及び加工性の点から好ましくは220〜300℃であり、より好ましくは240〜270℃、さらに好ましくは250〜270℃である。特に融点が上記範囲外であると耐熱性に劣るため、粘着加工工程や蒸着加工工程、プレス加工工程などにおいて、高温に当該シートがさらされる場合問題となり好ましくない。ここで当該熱可塑性樹脂シートの融点とは、いわゆる示差温度熱量法(DSC)の1次昇温(1st Run)時に検出される融解時の吸熱ピークのことである。
本発明のシートは、前記寸法変形を抑制する為に、DSCで測定される熱可塑性樹脂シートの融点(Tm)と熱処理温度(Tmeta)が10℃≦Tm−Tmeta≦40℃を満たすことが好ましい。これを満たすシートは2軸延伸後の熱処理温度(Tmeta)を230〜240℃で実施することで得られる。
また、加工性の点から25℃での破断伸度は、好ましくは150%以上、さらに好ましくは250%以上である。また、フィルムの厚み斑は好ましくは総厚みの15%以下、さらに好ましくは総厚みの10%以下であることが望ましい。
さらに、熱可塑性樹脂シートB面への印刷性、加工性、接着性などの点から、ヌレ表面張力(JIS−K−6768に準拠)が50〜100mN/mであることが好ましく、さらに好ましくは56〜100mN/m以上である。ヌレ表面張力を50mN/m以上のフィルムは、表面処理を施すことにより得ることが可能であり、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、化学薬品処理、物理的粗面処理、表面塗布処理などが挙げられるが、本発明の効果が得られる限り限定されない。この中でもコロナ放電処理は簡便かつ安価であり望ましい。コロナ放電処理を実施する場合は、放電電極をフィルム表面にブレード状または針状の電極並べてフィルム表面に向けて設置し、コロナ放電を利用し+6〜8kVの電圧を印加し1〜20mmの間に近づけることで得られる。
また、当該熱可塑性樹脂シートには、各種コーティングを施してもよく、その塗布化合物、方法、厚みは、本発明を損なわない範囲であれば、特に限定されない。
本発明の熱可塑性樹脂シート中には、上記の様にフィラーを用いる。フィラーは、平均粒子径0.01〜10μmの公知の内部粒子、無機粒子および有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子を含有させることができる。
さらにマット層(A層)に平均粒径が2〜4μm程度のフィラーをA層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜20重量部添加し、A層の層厚みを5μm以上に構成することが好ましい。
また、平滑層(B層)に、平均粒径1〜2μm程度のフィラーをB層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して0.02重量部以下にし、B層の層厚みを10μm以上に構成することが望ましい。
ここで10μmを越える平均粒子径を有する粒子を使用すると、フィルター精度の点から補足しやすくなり、フィルター交換周期を高める必要があり生産効率の面から望ましくない。逆にフィルター精度を粗くすると、それに伴うゲル化物や変質ポリマーが流出する弊害があり望ましくない。かかる公知の粒子としては例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー、ヒドロキシアパタイト等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成成分とする有機粒子等が、好ましく使用される。これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種以上を特性を損ねない範囲内で併用してもよい。
さらにこれらの添加量は0〜10wt%の範囲であることが好ましい。10wt%を越えると粗大突起の原因となる他、フィルター交換周期を高めることとなり生産効率の点から望ましくない。
次に、本発明に用いる測定法及び評価法について説明する。
(1)融点(℃)
フィルムを5mgサンプリング採取し、セイコー電子工業(株)製:示差走査熱量計(RDC220)により、10℃/分の昇温速度で測定し、融解のピーク温度を融点とした。特に、融解ピークが複数表れる場合は低い方を融点とした。
(2)100%伸長時応力、破断伸度
二軸延伸フィルムから長さ150mm、幅10mmの試料をそれぞれ、MD方向とTD方向に切り出し、この試料をオリエンテック社製引張り、得られた荷重−歪曲線各方向の100%伸長時応力及び破断伸度を求めそれぞれMD方向測定値とTD方向測定値とした。
(3)表面ヌレ張力
JIS−K−6768に従い、20℃、65RH%雰囲気にて測定した。
(4)中心線平均粗さ
JIS−B−0601に従い、20℃、65RH%雰囲気にて測定した。粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さL部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をY=f(x)で表した次式で表される。
Figure 2005119107
(5)十点平均粗さ
JIS−B−0601に従い、20℃、65RH%雰囲気にて測定した。断面曲線から
基準長さだけを抜き取った部分の平均線に平行な直線のうち高い方から3番目の山頂を通るものと深い方から3番目の谷底を通るものを選びこの2本の直線の間隔を表す。
(6)フィラーの平均粒径
シートから超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて写真を撮影した。
撮影した写真に写ったフィラーの画像を解析することで粒子の等価円直径を求め、フィラー1000個当たりの平均値を求めてフィラーの平均径とした。
(7)フィラーの含有量
シートをサンプルとし、蛍光X線元素分析装置(堀場製作所製、MESA-500W型)によりフィラー特有の元素(シリカの場合ケイ素、炭酸カルシウムの場合カルシウム、酸化チタンの場合チタン)の元素量を求めた。その固有元素量からフィラー含有量を換算した。
(8)シート走行方向、幅方向の熱収縮率:MD,TD
それぞれの試料にシート走行方向MD、幅方向TD、3gの荷重をかけて190℃×20分加熱し、100mm標線間の加熱前後の長さを測定し、熱収縮率の計算を行った。
以下実施例によって本発明を詳細に説明するがこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
乾燥したポリエチレンテレフタレートチップを280℃で溶融共押し出しし、口金から2層をシート状にして吐出し、放電電極により電荷を付与し冷却回転ドラム上に密着させて冷却固化した未延伸シートに逐次2軸延伸を施し、熱処理温度235℃で熱処理を10秒施し、2軸配向ポリエステルシートとした。2層構造の内、A層には平均粒径が3μmのシリカ粒子をA層を構成するポリエステル100重量部に対して2.5重量部入れ、層厚みを6μmとした、B層には平均粒径1.5μmのシリカ粒子をB層を構成するポリエステル100重量部に対して0.005重量部入れ、B面の層厚みを44μmにした結果、A面の中心線平均粗さRa=345nmでありRz=2.84μmであった。またB面の中心線平均粗さRa=18nmでありRz=0.17μmであった。また、熱収縮率は熱処理温度を235℃で実施したことにより、190℃20分間保持条件においてMD=1.7%、TD=0.6%であり、Tmeta=226.2℃、Tm=256℃であった。さらにB面をコロナ放電処理を施すことによりヌレ張力は58mN/mであった。これらを次工程で粘着剥離層を塗り、銅蒸着を行い、銅メッキを実施し銅面へマット処理を施した。いずれの工程でも問題なく加工され、基盤に対して180℃で50kg/cm2の圧力で60分間、加熱圧着したが寸法安定性も問題なく良好な回路パターンを得ることが出来た。また、パターン形成後のプレス機との剥離も問題なく実施できた。
(比較例1)
実施例1と熱処理温度以外は同様の方法で、2軸配向ポリエステルシートとした。2層構造の内、A層(マット層)には平均粒径が3μmのシリカ粒子をA層を構成するポリエステル100重量部に対して1.9重量部入れ、層厚みを3μmとした、B層には平均粒径1.5μmのシリカ粒子をB層を構成するポリエステル100重量部に対して0.005重量部、B層の層厚みを47μmにした結果、A面の中心線平均粗さRa=294nmでありRz=2.37μmであった。またB面の中心線平均粗さRa=54nmでありRz=0.74μmであった。また、熱収縮率は190℃20分間保持条件においてMD=3.0%、TD=0.7%であり、熱処理温度220℃に設定することでTmeta=215.2℃であり、Tm=256℃であった。さらにB面をコロナ放電処理を施すことによりヌレ張力は58mN/mであった。これらを次工程で粘着剥離層を塗り、銅蒸着を行い、銅メッキを実施し銅面へマット処理を施した。粘着剤コーティングの工程でオーブン140℃の乾燥時にテンションをかけるとTD方向に縮み、波打ちし平面性が悪化し問題となった。また、基盤に対して180℃で50kg/cm2の圧力で60分間、加熱圧着したが寸法安定性が悪く問題となった。さらに、パターン形成後のプレス機との剥離性に問題があり生産効率が悪化した。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で、2軸配向ポリエステルシートとした。2層構造の内、A層(マット層)には平均粒径が11μmの炭酸カルシウム粒子をA層を構成するポリエステル100重量部に対して21.0重量部入れ、層厚みを40μmとした、B層には平均粒径5.0μmのシリカ粒子をB層を構成するポリエステル100重量部に対して0.025重量部、B面の層厚みを10μmにした結果、A面の中心線平均粗さRa=605nmでありRz=3.4μmであった。またB面の中心線平均粗さRa=203nmでありRz=1.21μmであった。また、熱収縮率は190℃20分間保持条件においてMD=1.7%、TD=0.2%であり、熱処理温度240℃に設定することでTmeta=233.1℃であり、Tm=256℃であった。さらにB面をコロナ放電処理を施すことによりヌレ張力は58mN/mであった。これらを次工程で粘着剥離層を塗り、銅蒸着を行い、銅メッキを実施し銅面へマット処理を施した。いずれの工程でも問題なく加工され、基盤に対して180℃で50kg/cm2の圧力で60分間、加熱圧着したが寸法安定性は問題はなかったが、良好な回路パターンは得られなかった。平滑面の平滑性不足から形成した回路パターンに凹凸が出来て配線に厚みのバラツキが大きく少しの衝撃ですぐに断線してしまう問題が生じた。パターン形成後のプレス機との剥離は、問題ないが、圧力が均等にかからないため、回路パターンにムラができ好ましくなかった。また、平均粒径が11μmの炭酸カルシウムを用いたことでフィルターが目詰まりし、生産性を著しく悪化させた。
本発明は、金属蒸着層や金属メッキ層などの金属層転写用途に限らず、ラベルへの応用も可能であるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
本発明の金属層転写用熱可塑性樹脂シートの概略図 本発明の金属層転写用熱可塑性樹脂シート(マット層と平滑層の2層構造)の概略図 本発明の金属層転写用熱可塑性樹脂シート(マット層と平滑層を有する多層)の概略図
符号の説明
1 マット層(A層)
2 平滑層(B層)
3 マット面(A面)
4 平滑面(B面)
5 A層、B層以外の層(1層または2以上の層)

Claims (7)

  1. マット層(A層)を有する金属層転写用熱可塑性樹脂シートであって、A層表面のマット面(A面)の中心線平均粗さRa1が300〜600nmであることを特徴とする金属層転写用熱可塑性樹脂シート。
  2. 最外層にマット層(A層)および平滑層(B層)を有する少なくとも2層からなる金属層転写用熱可塑性樹脂シートであって、A層側表面にマット面(A面)、B層側表面に平滑面(B面)を有することを特徴とする請求項1記載の金属層転写用熱可塑性樹脂シート。
  3. B面の中心線平均粗さRa2が5〜200nmであることを特徴とする請求項1また2記載の金属層転写用熱可塑性樹脂シート。
  4. A面の十点平均粗さRz1が2.3〜3.3μmであり、かつ、B面の十点平均粗さRz2が0.5〜1.2μmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の金属層転写用熱可塑性樹脂シート。
  5. 厚み5〜50μmのA層中に、平均粒径2〜4μmのフィラーをA層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対し2〜20重量部含有し、かつ、厚み10〜50μmのB層中に、平均粒径1〜2μmのフィラーをB層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対し0.02重量部以下含有してなることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の金属層転写用熱可塑性樹脂シート。
  6. 190℃で20分間保持した条件における、シート走行方向の熱収縮率MDが1.3〜2.1%であり、かつ、シート幅方向の熱収縮率TDが−0.1〜0.8%であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の金属層転写用熱可塑性樹脂シート。
  7. A層またはB層の少なくとも1層がポリエステル系樹脂により構成されることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の金属層転写用熱可塑性樹脂シート。
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