JP6892300B2 - 感光性導電層転写用離型フィルム - Google Patents

感光性導電層転写用離型フィルム Download PDF

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Description

本発明は基材フィルム上に離型層を備えた感光性導電層転写用離型フィルムに関する。詳細には、離型フィルムの離型層上に感光性導電層を積層し転写するために用いられる感光性導電層転写用離型フィルムに関する。
絶縁体層と導体パターンが積層された積層型電子部品の製造において、従来は絶縁体層上に導体ペーストをスクリーン印刷することにより絶縁体層上に導体パターンが形成されていた。近年、電子機器の小型化や回路の集積化が進むにつれ、電子機器に実装される積層型電子部品の小型化が要求されており、この積層型電子部品の小型化に伴って導体パターンの微細化が進められている。しかしながら、従来のスクリーン印刷による導体パターンの形成では、印刷する際の導体ペーストのダレやニジミの発生及び、印刷マスクのメッシュの存在により、導体パターンの形状にバラツキが生じ微細化は困難であった。
そこで、離型層が形成された支持体の表面に、感光性導電層を形成し、次いでパターンを形成し、絶縁体層上に転写することで絶縁体層上に導体パターンを形成する方法が提案されている(特許文献1〜5)。感光性導電層は、感光性導電ペーストを塗布することで形成される。
特開平10−75039号公報 特開2001−154345号公報 特開2002−329630号公報 特開2003−22924号公報 特開2003−324027号公報
しかし、上述した特許文献に記載されているように離型層上に感光性導電ペーストを塗布する場合、はじきやムラが生じる場合がある。また、パターン化された感光性導電層を被着体に転写するときに、パターンが不鮮明になったり、残渣が発生したりすることがある。
従って、本発明の目的は、感光性導電層(感光性導電ペースト)の塗布性が良好であり、かつ感光性導電層の転写性が良好である感光性導電層転写用離型フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の発明によって達成された。
[1]基材フィルム上に離型層を備え、該離型層上に感光性導電層を積層するために用いられる感光性導電層転写用離型フィルムであって、前記離型層の表面自由エネルギーが25〜43mJ/mの範囲であることを特徴とする、感光性導電層転写用離型フィルム。
[2]前記離型層表面の表面粗さSRa(A)が20nm未満である、[1]に記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
[3]前記離型フィルムの離型層を有する面とは反対面の表面粗さSRa(B)が20nm未満である、[1]または[2]に記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
[4]ヘイズ値が1.5%未満である、[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
[5]前記離型層が非シリコーン系化合物を主成分として含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
[6]前記非シリコーン系化合物が長鎖アルキル化合物である、[5]に記載の離型フィルム。
[7]前記長鎖アルキル化合物が長鎖アルキル基含有アルキド樹脂である、[6]に記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
[8]前記離型層表面の粘着テープ剥離力が4N/50mm以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
本発明によれば、感光性導電層(感光性導電ペースト)の塗布性が良好であり、かつ感光性導電層の転写性が良好である感光性導電層転写用離型フィルムを提供することができる。また、本発明の好ましい態様によれば、感光性導電層に高い解像度を付与することが可能である。
感光性導電層転写用離型フィルムは、感光性導電層を一旦積層し、被着体(例えば、ガラス、セラミック、樹脂板などの絶縁体層など)に転写するために用いられる。以下、本明細書において、感光性導電層転写用離型フィルムを単に「離型フィルム」ということがある。
離型フィルムは、基材フィルム上に、表面自由エネルギーが25〜43mJ/mの範囲である離型層を有する。離型層の表面自由エネルギーが25〜43mJ/mの範囲であることによって、離型層上に感光性導電層を積層する際の感光性導電ペーストの塗布性が良好となり、かつ、積層された感光性導電層を被着体に転写するときの転写性が良好となる。
離型層の表面自由エネルギーが25mJ/m未満となると、離型層上に感光性導電ペーストを塗布した際にハジキやムラが発生し、感光性導電層にピンホールが生じることがある。一方、離型層の表面自由エネルギーが43mJ/mを超えると、離型層上に積層された感光性導電層の剥離力が重くなり、感光性導電層の転写の際に残渣が発生するなどの不都合が生じることがある。
ここで、表面粗自由エネルギーEは、接触角計、例えば、協和界面科学(株)の「Drop Master DM501」を用いて測定することができる。詳細は後述する。
離型層の表面自由エネルギーを25〜43mJ/mの範囲に調整するために、離型層は非シリコーン系化合物を主成分として含有することが好ましい。
ここで、シリコーン系化合物とは、従来からシリコーン系離型剤として一般的に知られているシリコーン系化合物を指す。
シリコーンとは、有機基(例えばアルキル基やフェニル基など)をもつケイ素と酸素が交互に結合してできた主鎖より成るポリマーである。例えば、基本骨格としてジメチルポリシロキサンを有するシリコーン系化合物がよく知られている。
非シリコーン系化合物とは、上記したシリコーン系化合物以外の化合物を指す。本明細書における非シリコーン系化合物には、非シリコーン系離型剤、非シリコーン系バインダー樹脂、非シリコーン系架橋剤等が含まれる。
離型層が非シリコーン系化合物を主成分として含有するとは、離型層の固形分総量100質量%に対して非シリコーン系化合物を50質量%以上含有することを意味する。好ましくは離型層の固形分総量100質量%に対して非シリコーン系化合物を60質量%以上含有することであり、より好ましくは70質量%以上含有することであり、さらに好ましくは80質量%以上含有することであり、特に好ましくは90質量%以上含有することである。上限は100質量%である。離型層は、シリコーン系化合物を含まないことが最も好ましい。
離型層に非シリコーン系化合物として含有することができる離型剤としては、ゴム系樹脂、ポリオレフィン樹脂、アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、長鎖アルキル化合物等が挙げられる。これらの中でも、長鎖アルキル化合物、アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましく、さらに長鎖アルキル化合物、アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂が好ましく、特に長鎖アルキル化合物が塗工性や離型性の観点から好ましい。
ゴム系樹脂としては、例えば、ブタジエン系、スチレンブタジエン系、コロロプレン系、ブチル系、エチレン・プロピレン系、アクリル系のゴムが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセンの単独重合体やこれらの共重合体が挙げられる。
アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂としては、炭素数6〜20のアルキル基を有するアルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、例えば、メラミンモノマーにホルムアルデヒドを助剤として添加し、メチロール化メラミンを生成させ、生成したメチロール基に炭素数6〜20のアルキル基を導入することによって得られる。
長鎖アルキル化合物とは、炭素数が8以上の直鎖あるいは分岐のアルキル基(長鎖アルキル基ともいう。)を有する化合物を指し、具体的には、長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂、長鎖アルキル基含有アクリル樹脂、長鎖アルキル基含有ポリエステル樹脂、長鎖アルキル基含有エーテル化合物、長鎖アルキル基含有アミン化合物、長鎖アルキル基含有アルキド樹脂等が挙げられる。
長鎖アルキル基の炭素数は、8以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上が特に好ましい。上限の炭素数は30以下が好ましく、28以下がより好ましく、25以下が特に好ましい。
長鎖アルキル化合物の中でも、離型層と感光性導電層との剥離性を良好にするという観点から、長鎖アルキル基含有アルキド樹脂が好ましい。長鎖アルキル基含有アルキド樹脂は、離型層の表面自由エネルギーを25〜43mJ/mの範囲に制御しやすく、また、他の長鎖アルキル化合物に比べて感光性導電層の剥離転写性に優れる。
長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂は、ポリビニルアルコール重合体(ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物を含む)、エチレン−ビニルアルコール重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物を含む)あるいはビニルアルコール−アクリル酸共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸共重合体の部分ケン化物を含む)と、長鎖アルキル基含有イソシアネート化合物とを反応させることによって合成することができる。この場合、長鎖アルキル基含有イソシアネート化合物の添加量を調整することにより重合体中に水酸基を含有させることができる。
長鎖アルキル基含有イソシアネート化合物としては、炭素数が8以上のアルキル基を有するモノイソシアネート化合物が挙げられ、具体的には、オクチルイソシアネート、ノニルイソシアネート、デシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネートなどが挙げられる。
長鎖アルキル基含有アクリル樹脂は、長鎖アルキル基を有するアクリルモノマーあるいはメタクリルモノマー、例えば、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシルなどの単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。
上記共重合体に用いられる他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレンなどが挙げられる。
長鎖アルキル基含有アルキド樹脂は、長鎖アルキル基を有する多塩基酸と多価アルコールとの縮合物を脂肪油や脂肪酸で変性したものである。多塩基酸としては、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの飽和多塩基酸や、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和多塩基酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、テルペン−無水マレイン酸付加物、ロジン−無水マレイン酸付加物などのその他多塩基酸が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトールなどの四価以上のアルコールが挙げられる。変性剤としては、大豆油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、及びこれらの脂肪酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、リシノレイン酸、脱水リシノレイン酸などの油脂及び油脂脂肪酸、ロジン、コバール、コハク、セラックなどの天然樹脂、エステルガム、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂が挙げられる。また、ステアリン酸変性アルキド樹脂及び/又はステアリン酸変性アクリル樹脂とアミノ樹脂との硬化樹脂も塗布性と剥離性のバランスの観点から好ましい。
上記した長鎖アルキル化合物は、市販されており、それらを使用することができる。市販品としては、中京油脂社製のレゼムシリーズの「K−256」、「N−137」、「P−677」、「Q−472」、アシオ産業(株)社製のアシオレジンシリーズの「RA−80」、「RA−95H」、「RA−585S」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のピーロイルシリーズの「HT」、「1050」、「1010」、「1070」、「406」、日本酢ビ・ポバール社製の「ZF−15」、「ZF−15H」、日本触媒社製のエポミン「RP−20」、日立化成ポリマー(株)社製の「テスファイン303」などが挙げられる。
非シリコーン系離型剤としてフッ素化合物が知られているが、フッ素化合物は離型層の表面自由エネルギーを25〜43mJ/mの範囲に制御することが難しい場合があり、非シリコーン系離型剤としてはフッ素化合物以外の化合物を用いることが好ましい。
離型層に非シリコーン系化合物として含有することができるバインダー樹脂としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリウレタン樹脂およびメラミン樹脂が好ましい。
離型層は架橋剤を含有することができる。かかる架橋剤は非シリコーン系化合物であることが好ましく、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。
離型層は、離型層の硬化を促進させるために酸触媒を含有することが好ましい。酸触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、p−トルエンスルホン酸が好ましく用いられる。
離型層の厚みは、10〜2,000nmの範囲が好ましく、20〜1,500nmの範囲がより好ましく、30〜1,000nmの範囲がさらに好ましく、40〜800nmの範囲が特に好ましい。
離型層は、表面粗さSRa(A)が20nm未満であることが好ましい。ここで、表面粗さSRaは、光干渉型顕微鏡、例えば、(株)菱化システム製の「VertScan」を用いて測定することができる。詳細は後述する。
離型層の表面粗さSRa(A)が20nm以上となると、感光性導電ペーストの塗布性が悪化したり、離型層上に積層された感光性導電層をパターン化するときの解像度が低下するなどの不都合が生じることがある。
上記観点から、離型層の表面粗さSRa(A)は、さらに10nm未満であることがより好ましく、8nm未満であることが特に好ましい。下限の表面粗さSRa(A)は0.1nm程度である。
離型層の表面粗さSRa(A)を20nm未満に制御する方法は、特に限定されないが、例えば、以下に示す(i)〜(iii)のような手段が挙げられる。
(i)離型層には粒子(フィラー)を含有させない。
(ii)離型層に粒子(フィラー)を含有させる場合は、粒子径や含有量を調整する。
(iii)基材フィルムの離型層が積層される面(A)を平滑にする。
上記の制御方法の中でも、(i)および(iii)の手段が好ましく、特に(i)と(iii)の手段を組み合わせることが好ましい。(iii)の手段の詳細は、後述する。
さらに、離型フィルムは、離型フィルムの離型層が設けられる面とは反対面(以下、「離型フィルムの反対面」、または、単に「反対面」と略すことがある)の表面粗さSRa(B)が20nm未満であることが好ましい。
離型フィルムの反対面の表面粗さSRa(B)が20nm以上となると、即ち、反対面の表面状態が粗面化傾向であると、反対面の粗面状態、例えば微細凹凸形状や微細突起形状が、離型層あるいは離型層上に積層された感光性導電層に転写して平滑性が低下したり、傷を付けるなどの不都合が生じたりすることがある。また、離型フィルムの反対面の表面粗さSRa(B)が20nm以上となると、離型フィルムのヘイズ値が高くなる傾向にあり、感光性導電層をパターン化するときの解像度が低下することがある。
離型フィルムは、ロール・ツー・ロール方式で連続的に生産されることが好ましく、また、離型フィルムの離型層上に感光性導電層を積層する工程も、ロール・ツー・ロール方式で連続的に行われることが好ましい。しかし、このような生産方式では、離型層あるいは感光性導電層と反対面とが強く接触し、反対面の表面状態の影響を受けるので、反対面は表面が平滑であることが好ましい。つまり、上述したように離型フィルムの反対面の表面粗さSRa(B)は20nm未満であることが好ましい。
上述した観点から、離型フィルムの反対面の表面粗さSRa(B)は、さらに10nm未満であることがより好ましく、8nm未満であることが特に好ましい。下限の表面粗さは0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましく、2nm以上が特に好ましい。
離型フィルムの反対面は、離型層や塗布層が積層されていてもよい。離型層や塗布層が積層されている場合は、上記した反対面の表面粗さSRa(B)は、離型層もしくは塗布層の表面粗さとなる。反対面に離型層や塗布層が積層されていない場合は、基材フィルム自体の表面粗さが反対面の表面粗さSRa(B)となる。
離型フィルムの反対面に設けられる塗布層は、平滑な層であることが好ましい。塗布層としては、例えば、帯電防止性層、オリゴマーブロック層などの機能層が挙げられる。
離型フィルムの反対面に設けられる離型層としては、特に限定されないが、前述したように、非シリコーン系化合物を主成分として含有する離型層であることが好ましい。
離型フィルムの離型層上に積層された感光性導電層をパターン化するときの解像度を高めるという観点から、離型フィルムのヘイズ値が1.5%未満であることが好ましく、1.0%未満であることがより好ましく、0.8%未満であることが特に好ましい。下限のヘイズ値は特に限定されないが、0.1%程度である。
上記したような低ヘイズの離型フィルムは、ヘイズ値が低い基材フィルムを用いること、あるいは離型層に粒子を含有させないこと、などの手段によって実現することができる。ヘイズ値の低い基材フィルムについては、詳細は後述する。
離型フィルムに用いられる基材フィルムは特に限定されないが、基材フィルムを構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の各種樹脂が使用できる。
基材フィルムの厚みは、30μm未満であることが好ましく、25μm未満であることがより好ましく、20μm未満であることが特に好ましい。下限の厚みは、5μm以上が好ましく、10μm以上が特に好ましい。
基材フィルムを比較的薄膜とすることにより、離型フィルムの曲げ剛性が小さくなり、感光性導電層から離型フィルムを剥離するときの剥離力が相対的に小さくなることから好ましい。
また、基材フィルムを薄膜とすることによって単位長さ当たりの質量が相対的に小さくなるので、1つの巻き取りロールの最大長さを長尺にすることができる。巻き取りロールを長尺化することによって、離型フィルムをロール・ツー・ロール方式で連続的に生産するとき、あるいは離型フィルム上にロール・ツー・ロール方式で連続的に被転写膜を積層するときに、生産性向上が図られる。
一方、基材フィルムを比較的薄膜とし、1つの巻き取りロールの最大長さを長尺にすると、巻き取りロールの下巻き部には強い圧力がかかるので、離型フィルムの離型層や離型層上に積層された感光性導電層は、離型フィルムの反対面の影響を強く受けるようになるが、離型フィルムの反対面の表面粗さSRa(B)を20nm未満とすることによって上記影響力は軽減される。
つまり、離型フィルムは、基材フィルムを比較的薄膜とし、1つの巻き取りロールの最大長さを長尺にして生産性向上を図る上で有益である。上記観点から、1つの巻き取りロールの最大長さは、例えば、3,000m以上が好ましく、5,000m以上がより好ましく、10,000m以上が特に好ましい。上限は30,000m程度である。また、巻き取りロールの幅方向長さは特に限定されないが、300〜3,000mm程度が適当であり、500〜2,000mmの範囲が好ましく、700〜1,700mmの範囲が特に好ましい。
基材フィルムは、ポリエステルフィルムが好ましく、特に、二軸延伸されたポリエステルフィルムが好ましい。上記ポリエステルフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
ここで、ポリエステルとは、少なくとも70モル%以上が、芳香族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルであることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、などであり、とくにはテレフタル酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、イソフタル酸など他の芳香族ジカルボン酸、あるいは脂肪酸を一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、などを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
ポリエステルとして、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を挙げることができ、とくに、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジオール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させることによって製造する方法などが採用できる。この際、必要に応じて、反応触媒として従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることもできる。
離型フィルムにおいて、離型層の表面粗さSRa(A)を20nm未満に制御するという観点から、基材フィルムの離型層が設けられる面の表面粗さSRa(1)は、20nm未満であることが好ましく、15nm未満であることがより好ましく、10nm未満であることが特に好ましい。下限の表面粗さSRa(1)は0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましく、2nm以上が特に好ましい。
また、離型フィルムの反対面のSRa(B)を20nm未満に制御するという観点から、基材フィルムの離型層が設けられる面とは反対面のSRa(2)は、20nm未満であることが好ましく、15nm未満であることがより好ましく、10nm未満であることが特に好ましい。下限の表面粗さSRa(1)は0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましく、2nm以上が特に好ましい。
ここで、離型フィルムの反対面が基材フィルム自体で構成される場合、つまり、離型フィルムの反対面には離型層や塗布層が設けられない場合、基材フィルムの反対面の表面粗さSRa(2)が、離型フィルムの反対面の表面粗さSRa(B)となる。
離型フィルムは、ヘイズ値が1.5%未満であることが好ましいことは前述した通りであり、これを実現するには、基材フィルムのヘイズ値は1.5%未満であることが好ましい。このようなヘイズ値の低い基材フィルムを用いることによって、離型フィルムのヘイズ値を低く抑えることができる。基材フィルムのヘイズ値は、さらに1.3%未満が好ましく、1.0%未満がより好ましく、0.8%未満が特に好ましい。下限のヘイズ値は特に限定されないが、0.1%程度である。
上記したような、表面粗さSRaが比較的小さく、かつ低ヘイズの基材フィルムを得るには、基材フィルム中に含有する粒子などによる光線透過の阻害を抑制し、さらに基材フィルムの表面粗さを抑制することが好ましい。このためには、基材フィルム中に含有する粒子の平均粒子径を小さくし、含有量を少なくすることが有効である。一方、基材フィルム表面が平滑化し過ぎると、搬送性や巻き取り性などの加工性が低下することがあるので、加工性を維持しながらヘイズ値の上昇を抑制することが好ましい。
上記観点から、基材フィルムは、三層積層構造とし、表層に平均粒子径が0.2〜0.7μmの粒子を、表層の固形分総量100質量%に対して0.01〜0.1質量%の範囲で含有させることが好ましい。
ここで、三層積層構造とは、A層/B層/A層またはA層/B層/C層からなるものが好ましく、表層であるA層およびC層に含有する粒子種、平均粒子径、含有量は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
A層/B層/A層の構成においては、両側の2つのA層は、厚みや組成が同一であってもよいし、異なっていてもよいが、厚みおよび組成とも同一であることが好ましく、これによって、生産設備の簡易化や生産性向上が図られる。
上記の三層積層構造を採用するに際し、B層には実質的に粒子を含有せず、A層に粒子を含有することが好ましい。A層あるいはC層の厚みは0.1〜2.0μmの範囲が好ましく、0.2〜1.0μmの範囲がより好ましく、0.4〜0.8μmの範囲が特に好ましい。B層の厚みは、基材フィルムの総厚みに応じて適宜設定することができる
表層(A層あるいはC層)に含有する粒子としては、無機粒子や有機粒子を用いることができる。例えば、酸化珪素、炭酸カルシウム、アルミナ、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、硫酸バリウムなどの無機粒子、ポリイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂などの有機粒子を挙げることができる。
上記粒子の中でも、粒子形状が球状に近く、さらに、ポリエステルとの屈折率の差が比較的小さい粒子好ましく、例えば、コロイダルシリカ、シリコーン粒子、架橋ポリスチレン粒子などが好ましく用いられる。中でも、乳化重合で調製された、ビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子は粒子形状が真球に近く、粒径分布が均一であることから、特に好ましく用いられる。
さらに、三層積層構造の表層(A層あるいはC層)には、上記粒子とともに、凝集アルミナを含有することが好ましい。ここで、凝集アルミナは平均一次粒子径が5〜30nm、好ましくは8〜15nmの平均一次粒子径が数個から数百個凝集したものであり、無水塩化アルミニウムを原料として火焔加水分解法、あるいはアルコシドアルミナの加水分解などによって製造されたものが採用できる。これらの結晶型としてδ型、θ型、γ型などが知られているが、とくにδ型アルミナが好適に使用できる。これらの凝集アルミナについて、ポリエステル樹脂の場合は、ポリエステル重合時に添加することで使用に供せるが、例えば、ポリエステル重合時の原料の一部であるエチレングリコールのスラリーとして、サンドグラインダーなどの粉砕、分散を行い、精密濾過を行うことによって、平均二次粒子径が0.01〜0.2μmの凝集アルミナを得ることができる。このようにして得られた凝集アルミナを基材フィルム中に添加した場合、二軸延伸によって、面方向に配置され、実質的突起を形成せず、表面粗さへの影響が少なく、また、光透過性が良いため、ヘイズ値の上昇を抑制できる。
また、表層(A層あるいはC層)に凝集アルミナを含有させることにより、基材フィルム表面の地肌補強効果が大きく、耐摩耗性が向上する。
表層(A層あるいはC層)における凝集アルミナの含有量は、表層の固形分総量100質量%に対して0.1〜1質量%の範囲が好ましく、0.2〜0.9質量%の範囲がより好ましく、0.6〜0.8質量%の範囲が特に好ましい。
次に、基材フィルムとして特に好適な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法について説明する。
ポリエステルに粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに粒子を所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、例えば3μm以上の粗大粒子を95%以上捕集できる高精度濾過を行った後、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、粗大突起の発生を抑制できるので好ましい。また粒子の水スラリーを直接、所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も有効である。
このようにして準備した、粒子含有マスターペレットと粒子などを実質的に含有しないペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給し、ポリマーをフィルターにより濾過する。
続いて、スリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを製造する。即ち、1から3台の押出機、1から3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば矩形合流部を有する合流ブロック)を用いて必要に応じて積層し、口金からシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを製造する。この場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
延伸方法は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。逐次延伸の場合、最初の長手方向の延伸が重要であり延伸温度は90〜130℃、好ましくは105〜120℃である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなる恐れがある。また、延伸ムラ、およびキズを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、トータル倍率は長さ方向に3〜4.5倍、好ましくは3.2〜4.2倍であり、幅方向に3.2〜5倍、好ましくは3.9〜4.5倍である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいはフィルム破断などの問題を引き起こし、適切な基材フィルムが得られにくくなる恐れがある。再縦または横延伸した後、200〜230℃、好ましくは210〜230℃で0.5〜20秒、好ましくは1〜15秒熱固定を行う。とくに熱固定温度が200℃よりも低くなるとフィルムの結晶化が進まないために構造が安定せず、目標とする熱収縮率などの特性が得られない恐れがある。その後、長手及び/又は幅方向に0.5〜7.0%の弛緩処理を施すことが好ましい。
延伸過程では、フィルムとロールの接触が避けられず、ロールの周速とフィルムの速度差を極力抑えるようにするとともに、延伸ロールとしては、表面の粗さなどを制御しやすい非粘着性のシリコーンロールが好ましい。従来技術のようにセラミックスやテフロン(登録商標)さらには金属のロールを用いても可能であるが、フィルム表面のみが局所的に加熱されて粘着が発生し、フィルム表面に傷を発生する恐れがある。
離型フィルムは、基材フィルム上に離型層を積層することによって製造される。離型層は、上述した離型剤、バインダー樹脂、架橋剤などを溶媒に溶解あるいは分散した塗布液を基材フィルム上にウェットコーティング法により塗布し、乾燥および必要に応じて硬化させることによって形成される。
ウェットコーティング法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
離型フィルムにおける離型層は、剥離力が比較的小さいことが好ましい。具体的には、4N/50mm以下が好ましく、3N/50mm以下がより好ましく、2N/50mm以下が特に好ましい。これによって、離型層上に積層された感光性導電層の被着体への転写性が良好となる。
一方、離型層の剥離力が小さくなり過ぎると、感光性導電層の塗布性が低下したり、感光性導電層が本来の剥離工程以外で剥離することがあるので、下限の剥離力は、0.05N/50mm以上が好ましく、0.1N/50mm以上が特に好ましい。
ここで、離型層表面の剥離力は、粘着テープとの剥離力である。つまり、離型フィルムの離型層表面に粘着テープを貼り合せ、粘着テープ側を180°に引き剥したときの剥離力である。
前述したように、離型フィルムを構成する基材フィルムの厚みは比較的小さいことが好ましい。具体的には、30μm未満が好ましく、25μm未満がより好ましく、20μm未満が特に好ましい。このように、基材フィルムを比較的薄膜とすることにより、離型フィルムの曲げ剛性が小さくなり、被転写膜から離型フィルムを剥離するときの剥離力が相対的に小さくなることから好ましい。
感光性導電層は、感光性導電ペーストを離型フィルムの離型層上に塗布することによって形成することができる。感光性導電ペーストは、感光性樹脂組成物中に導電性フィラーを分散させたものである。
感光性樹脂組成物の基本組成として、例えば、熱可塑性重合体、分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマー、光重合開始剤を必須成分とするものが用いられる。
上記熱可塑性重合体は、使用する現像液に可溶であるかまたは膨潤するものであれば種々のものが使用できる。例えば、アルカリ水溶液を現像液とする場合は、例えばノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリアクリル酸樹脂等が使用できる。また、上記熱可塑性重合体には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を併用することもできる。
分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチルジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマー等が挙げられる。
上記の多官能性モノマーと共に単官能性モノマーを適当量併用することもできる。単官能性モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーの配合割合は、熱可塑性重合体と上記架橋性モノマーとの総質量100質量%に対して5〜90質量%の範囲が好ましく、20〜80質量%の範囲がより好ましく、40〜60質量%の範囲が特に好ましい。
光重合開始剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ジベンジル、ジアセチル、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、アクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、9,10−フェナントラキノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベゾスパロン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、トリブロモフェニルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホン、ベンジルジメチルケタール等があげられ、これらは1種または2種以上を併用できる。
光重合開始剤の含有量としては、感光性樹脂層の固形分総量100質量%に対して、0.1〜10質量%の範囲が好ましく、1〜8質量%の範囲がより好ましく、2〜5質量%の範囲が特に好ましい。
感光性樹脂組成物中に分散させる導電性フィラーとしてはAg、Au、Cu、Pt、Pb、Sn、Ni、Al、W、Mo、酸化ルテニウム、Cr、Ti、およびインジウムの少なくとも1種を含むことが好ましく、これらの導電フィラーを単独、合金、あるいは混合粉末として用いることができる。中でも導電性の観点からAg、CuおよびAuが好ましく、コスト、安定性の観点からAgがより好ましい。
導電フィラーの体積平均粒子径は0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。 導電フィラーの添加量としては感光性導電ペースト中の全固形分に対し、70〜95重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは80〜90重量%である。
感光性導電ペーストは、さらに、必要に応じてその他の添加剤として、熱重合禁止剤、可塑剤、染料、変色剤、密着促進剤、酸化防止剤、溶剤、表面張力改質剤、安定剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤等の添加剤を適宜添加することができる。
感光性導電ペーストは溶剤を含有してもよい。溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。溶剤は1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。溶剤はペースト作製後、粘度調整を目的に後から添加してもかまわない。
感光性導電ペーストは分散機、混練機などを用いて作製される。これらの具体例としては三本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
感光性導電ペーストはウェットコーティング法により塗布し、乾燥させることによって形成することができる。ウェットコーティング法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
感光性導電層の厚みは、0.3〜20μmの範囲が好ましく、0.5〜15μmの範囲がより好ましく、1.0〜10μmの範囲が特に好ましい。
離型フィルムの離型層上に感光性導電層が積層された感光性導電層積層フィルムを用いた導電パターンの作製は、一般的に次の(1)の方法または(2)の方法で行われる。
(1)の方法は以下の工程で行われる。
i)感光性導電層積層フィルムの感光性導電層の表面と、被着体(例えば、セラミック、ガラス、PETフィルム、ITOフィルムなど)とが密着するようにラミネートする工程。
ii)次に、導体回路パターンを焼き付けたフォトマスクを、感光性導電層積層フィルム上に置き、その上から紫外線(例えば、365nmにピークを有するI線、405nmにピークを有するH線)を照射して、露光する工程。
iii)フォトマスクおよび感光性導電層積層フィルムの離型フィルムを剥離した後、感光性導電層を現像して感光性導電層をパターン化する工程。
(2)の方法は以下の工程で行われる。
i)感光性導電層積層フィルムの感光性導電層の表面に導体回路パターンを焼き付けたフォトマスクを置き、その上から紫外線(例えば、365nmにピークを有するI線、405nmにピークを有するH線)を照射して、露光する工程。
ii)感光性導電層積層フィルムの感光性導電層を現像して感光性導電層をパターン化する工程。
iii)感光性導電層積層フィルムのパターン化された感光性導電層を被着体(例えば、ITOフィルム、PETフィルムなど)に密着するようにラミネートする工程。
上述した導電パターンの作製工程において、離型フィルムは紫外線を効率的に透過できることが要求される。これにより、導電パターン解像度が向上する。特に、近年では、IT機器など小型化、軽量化などに伴い、透明性に優れ、ヘイズが低く、高解像化を達成できる離型フィルムが要求されている。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法および評価方法]
(1)表面自由エネルギーの測定
表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)の値が既知の3種の液体として、水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレンを用い、23℃、65%RH下で、接触角計DropMasterDM501(協和界面科学(株)製)にて、各液体の離型層上での接触角を測定する。1つの測定面に対し5回測定を行いその平均値を接触角(θ)とする。この接触角(θ)の値および各液体の既知の値(Panzerによる方法IV(日本接着協会誌第15巻、第3号、第96頁に記載)の数値から、北崎・畑の式より導入される下記式を用いて各成分の値を計算する。
(γSd・γLd)1/2+(γSp・γLp)1/2+(γSh・γLh)1/2=γL(1+cosθ)/2
ここで、γLd、γLp、γLhは、それぞれ測定液の分散力、極性力、水素結合力の各成分を表し、θは測定面上での測定液の接触角を表し、また、γSd、γSp、γShは、それぞれ積層膜表面の分散力、極性力、水素結合力の各成分の値を表し、γLは各液体の表面エネルギーを表す。既知の値およびθを上記の式に代入して得られた連立方程式を解くことにより、測定面(離型層表面)の3成分の値を求める。
下記式の通り、求められた分散力成分の値と極性力成分の値と水素結合力成分の値の和を、表面自由エネルギー(E)の値とする。
E=γSd+γSp+γSh
(2)表面粗さSRaの測定
離型フィルムあるいは基材フィルムの表面粗さSRaは、光干渉型顕微鏡((株)菱化システム社製、VertScan2.0、型式:R5300 GL−Lite−AC)を用いて、観察モード=Waveモード、面補正=4次、フィルター=530nmWhite、対物レンズ=50倍、測定領域=252.69×189.53μmにて表面形態観察し、求めた。測定は1水準につき10回行い、その平均値から求めた。
(3)離型フィルムおよび基材フィルムのヘイズ値の測定
JIS K7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−4000」を用いて離型フィルムのヘイズ値を測定した。測定に際し、離型フィルムの離型層表面に光が入射するように配置する。
また、基材フィルムのヘイズ値もJIS K7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−4000」を用いて測定した。
(4)剥離力の測定
離型フィルムの離型層表面にアクリル系粘着テープ(日東電工(株)製の「No.31B」)の粘着面を自重5kgのゴムローラーで押さえながら一往復させて貼り合わせ、室温(23±2℃)で24時間放置後、引張り試験機((株)島津製作所製の小型卓上試験機「EZ−20NSX」)にて、300mm/minの速度で、粘着テープ側を180°に引き剥したときの剥離力を測定した。
(5)各層の厚み
離型フィルムの断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、断面観察用サンプルの断面を観察し、基材フィルムおよび離型層の厚みを測定した。
(6)基材フィルムに含有する粒子の平均粒子径の測定
基材フィルムの断面を電子顕微鏡(約2万〜5万倍)で観察し、その断面写真から、
無作為に選択した30個の粒子のそれぞれの最大長さを計測し、それらを平均した値を粒子の平均粒子径とした。
(7)感光性導電ペーストの塗布性評価
<感光性導電ペーストの塗布>
実施例および比較例で作製した離型フィルム(A4サイズの離型フィルム)を用意した。これらのシートサンプルの離型層上に、下記の感光性導電ペーストを乾燥膜厚が6μmとなるようにワイヤーバーで塗布し、100℃で乾燥して感光性導電層を得た。
<感光性導電ペースト>
反応容器にエポキシアクリレート化合物(共栄社化学(株)製の「エポキシエステル3000A」、分子量:476.7、ビスフェノールA骨格を有する)を200g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、カルボキシル基を有するジオール化合物としてジヒドロキシプロピオン酸(分子量:106.1)を75g加え、45℃に昇温させた。この溶液にヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168.2)を84.1g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。この溶液にグリシジルメタクリレート(分子量:142.2)を165g添加後、95℃に昇温し、6時間反応させて、ウレタン結合を含むエポキシアクリレート51.2重量%の感光性樹脂溶液を得た。
100mlのクリーンボトルに上記感光性樹脂溶液を10.0g、光重合開始剤(IRGACURE(登録商標)369;チバジャパン(株)製)を1.0g、“あわとり錬太郎”(登録商標)ARE−310((株)シンキー製)で混合し、感光性樹脂組成物11.0g(全固形分55.6重量%)を得た。
上記で得られた感光性樹脂組成物11.0gと体積平均粒子径2μmのAg粒子を40.9g混ぜ合わせ、3本ローラーEXAKT M−50(EXAKT社製)を用いて混練し、51.9gの感光性導電ペーストを得た。
<感光性導電ペーストの塗布性評価]
上記のようにして作製したサンプルの中央部をサイズ15cm×20cmに切り抜いて評価サンプルとした。評価サンプルの反対面から1000ルクスの光を当て、塗布性評価としてピンホールの発生状況を観察した。3枚の評価サンプルのピンホールを合計し、以下の基準で評価した。
○;ピンホールの発生がない。
△;ピンホールが1〜2個認められる。
×;ピンホールが3個以上認められる。
(8)パターン化された感光性導電層の解像度の評価
上記(7)で離型フィルム上に感光性導電層が積層された感光性導電層積層フィルムについて、以下のようにして感光性導電層をパターン化し、その解像度を評価した。
(i)感光性導電層積層フィルムの感光性導電層の面上に、クロム金属でパターニングされたフォトマスクを配置し、そのフォトマスク上からI線ステッパーを用いて露光する。
(ii)感光性導電層をアルカリ現像液で現像し、水で洗浄して、パターン化された感光性導電層を得る。
(iii)得られた感光性導電層パターンのL/S(μm)(Line and Space)の状態を、走査型電子顕微鏡SEMを用いて1000倍率で観察する。パターンの解像度の評価は、以下の基準に従った。
○:L/S=10/10μmであることが明確に確認できる。
△:L/S=10/10μmであることは明確に確認できないが、L/S=15/15μmであることは明確に確認できる。
×:L/S=15/15μmであることが明確に確認できない。
(9)感光性導電層の転写性の評価
上記(7)の方法で作製した感光性導電層積層フィルムをL/S=3/3mm、ライン長さ10mmでラインが10本になるように上記(8)の方法でパターン化した。
次に、感光性導電層積層フィルムのパターン化された感光性導電層の面と、被着体(厚み100μmの東レ(株)のポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”U48)をラミネート装置MRK−600型((株)エム・シーケー)を用いてロール温度80℃設定、搬送速度1m/minで貼り合わせた。
23℃×65%の環境下で24時間静置後、引張り試験機((株)島津製作所製の小型卓上試験機「EZ−20NSX」)にて、300mm/minの速度で、離型フィルム側を180°に引き剥して、パターン化された感光性導電層を被着体に転写した。
被着体に転写された感光性導電層のパターン(10本のライン)について、それぞれパターンの両端部に絶縁抵抗計DG6(三和電気計器(株))の端子を当てて、10本のラインの導電性(抵抗値)をそれぞれ測定した。抵抗値が100Ω/□未満の場合を転写性が良好であるとした。ラインの転写性が不良であるとラインが途中で破断したり、細くなって抵抗値が100Ω/□以上となる恐れがある。
上記方法で測定された10本のラインの抵抗値の測定結果に基づいて以下の基準で転写性を評価した。
○:10本全てラインが100Ω/□未満である。
△:10本中6〜9本のラインが100Ω/□未満である。
×:10本中、100Ω/□未満のラインが5本以下である。
[基材フィルム]
下記ポリエステルフィルム1〜3を使用した。
<ポリエステルフィルム1>
東レ(株)のポリエステルフィルム(FB40)を用いた。このポリエステルフィルムは、総厚みが16μm、表面粗さSRa(1)およびSRa(2)はそれぞれ2.9nm、0、8nm、ヘイズ値が0.6%であった。
<ポリエステルフィルム2>
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” T60)を用いた。このポリエステルフィルムは、総厚みが50μm、表面粗さSRa(1)およびSRa(2)はそれぞれ15nm、ヘイズ値が1.2%であった。
<ポリエステルフィルム3>
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” S10)を用いた。このポリエステルフィルムは、総厚みが25μm、表面粗さSRa(1)およびSRa(2)はそれぞれ23nm、19nm、ヘイズ値が5.7%であった。
[実施例1]
ポリエステルフィルム1の一方の面(表面粗さSRa(1)の面)に、下記の離型層塗工液p1を塗布し、160℃で加熱乾燥し、離型層を形成して離型フィルムを作製した。離型層の厚みは700nmであった。
<離型層塗工液p1>
・離型剤;長鎖アルキル基含有アルキド樹脂(日立化成(株)の「テスファイン」303)を固形分換算で10質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(日立化成(株)の「ドライヤー」900)を固形分換算で0.12質量部
・溶媒;トルエンを45質量部
[実施例2]
離型層の厚みを350nmに変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
[実施例3]
下記の離型層塗工液p2に変更する以外は、実施例2と同様にして離型フィルムを作製した。
<離型層塗工液p2>
・離型剤1;メチル化メラミン(三羽研究所(株)の「ATOM BOND」RP−50)を固形分換算で10質量部
・離型剤2;長鎖アルキル基含有アルキド樹脂(日立化成(株)の「テスファイン」303)を固形分換算で1.0質量部
・酸触媒1;イソシアネート化合物(和信化学工業(株)の「プラスコートST」DEPクリヤー)を固形分換算で2.0質量部
・酸触媒2;p−トルエンスルホン酸(日立化成(株)の「ドライヤー」900)を固形分換算で0.013質量部
・溶媒;トルエンを78質量部、シクロヘキサノンを63質量部、メタノールを16質量部
[実施例4]
下記の離型層塗工液p3に変更する以外は、実施例2と同様にして離型フィルムを作製した。
<離型層塗工液p3>
・離型剤;側鎖に長鎖アルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル共重合体(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」HT)を固形分換算で10質量部
・架橋剤;メラミン系架橋剤(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で2.5質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−700)を固形分換算で1.8質量部
・溶媒;トルエンを400質量部、メチルエチルケトンを130質量部
[実施例5]
実施例1において、ポリエステルフィルム1をポリエステルフィルム2に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
[比較例1]
下記の離型層塗工液p4に変更する以外は、実施例2と同様にして離型フィルムを作製した。
<離型層塗工液p4>
・離型剤1;メチル化メラミン(三羽研究所(株)の「ATOM BOND」RP−50)を固形分換算で10質量部
・酸触媒1;イソシアネート化合物(和信化学工業(株)の「プラスコートST」DEPクリヤー)を固形分換算で2.0質量部
・溶媒;トルエンを78質量部、シクロヘキサノンを63質量部、メタノールを16質量部
[比較例2]
下記の離型層塗工液p5に変更する以外は、実施例2と同様にして離型フィルムを作製した。
<離型層塗工液p5>
付加反応型の硬化性シリコーン樹脂であるKS847H(信越化学工業(株)製)4質量部、硬化剤であるPL−50T(信越化学工業(株)製)0.04質量部をトルエン50質量部、n−ヘプタン50質量部に混合した。
[比較例3]
比較例1において、ポリエステルフィルム1をポリエステルフィルム3に変更する以外は、比較例1と同様にして離型フィルムを作製した。
[評価]
上記で作製した実施例および比較例の離型フィルムについて、上述の測定方法および評価方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006892300
本発明は、積層型電子部品の製造において感光性導電層を転写するために用いられる感光性導電層転写用離型フィルムとして広く利用可能である。

Claims (7)

  1. 基材フィルム上に離型層を備え、該離型層上に感光性導電層を積層するために用いられる感光性導電層転写用離型フィルムであって、前記離型層の表面自由エネルギーが25〜43mJ/mの範囲であり、ヘイズ値が1.5%未満であることを特徴とする、感光性導電層転写用離型フィルム。
  2. 前記離型層表面の表面粗さSRa(A)が20nm未満である、請求項1に記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
  3. 前記離型フィルムの離型層を有する面とは反対面の表面粗さSRa(B)が20nm未満である、請求項1または2に記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
  4. 前記離型層が非シリコーン系化合物を主成分として含有する、請求項1〜のいずれかに記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
  5. 前記非シリコーン系化合物が、長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂、長鎖アルキル基含有アクリル樹脂、長鎖アルキル基含有ポリエステル樹脂、長鎖アルキル基含有エーテル化合物、長鎖アルキル基含有アミン化合物または長鎖アルキル基含有アルキド樹脂からなる長鎖アルキル化合物である、請求項に記載の離型フィルム。
  6. 前記長鎖アルキル化合物が長鎖アルキル基含有アルキド樹脂である、請求項に記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
  7. 前記離型層表面の粘着テープ剥離力が4N/50mm以下である、請求項1〜のいずれかに記載の感光性導電層転写用離型フィルム。
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