JPH0780551B2 - 物品の仕分装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンドレスのループ状の走行路と、該走行路
上に配設した左右に２つのパンを夫々独立して傾動可能
に設けた多数の走行台車とからなる物品の仕分装置に関
するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

従来小包や書状等の物品をその送り先その他の区分を行
う装置においては、エンドレスのループ状の走行路を設
け、この走行路の任意個所に移載シュートと仕分シュー
トを設置し、移載シュートから仕分けする物品を走行路
上を走行する多数の走行台車のパンに移載し、走行台車
が所定の仕分シュートの位置に達したとき、走行台車の
パンから物品をその仕分シュートに降ろすことにより、
物品の仕分を行うようにしている。

ところで、この種の装置においては、走行路をエンドレ
スのループ状に配置し、走行路の一方側に移載シュート
及び仕分シュートを設けて物品の仕分を行っているた
め、物品の仕分能力を向上するには、走行台車の走行速
度を高めなければならず、これにより騒音が大きくなっ
たり、移載時及ぶ荷降ろし時の物品の傷みが大きくなる
などの欠点を有していた。

本発明は、走行台車の走行速度を高めたり、物品の仕分
作業を煩雑にすることなく、物品の仕分能力を向上する
ことができる物品の仕分装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的と達成するため、本第１発明は、エンドレスの
ループ状の走行路と、該走行路上に配設した左右に２つ
のパンを夫々独立して傾動可能に設けた多数の走行台車
とからなる物品の仕分装置において、走行路の内外周の
両側に多数の仕分シュートを配設し、この走行路の一方
側に配設した仕分シュートの各々にこの仕分シュートに
対応する走行路に他方側に配設した仕分シュートを合流
させて物品を走行路の一方側に導き出す合流シュートを
設けたことを要旨とする。

また、本第２発明は、エンドレスのループ状の走行路
と、該走行路上に配設した左右に２つのパンを夫々独立
して傾動可能に設けた多数の走行台車とからなる物品の
仕分装置において、走行路の内外周の両側に多数の仕分
シュートを配設し、この走行路の一方側に配設した仕分
シュートの各々にこの仕分シュートに対応する走行路の
他方側に配設した仕分シュートを合流させて物品を走行
路の一方側に導き出す合流シュートを設けるとともに、
前記走行路を交叉させ、この交叉部を挟んで走行路の一
方側に移載コンベアを配設したことを要旨とする。

〔作用〕

本第１発明の物品の仕分装置は、左右に２つのパンを夫
々独立して傾動可能に設けた走行台車を用いることによ
り、走行台車の走行速度を高めることなく、１つのパン
を設けた走行台車を用いた場合との比較において、物品
の仕分能力を約２倍に向上することができる。さらに、
走行路の内外周の両側に多数の仕分シュートを配設し、
この走行路の一方側に配設した仕分シュートの各々にこ
の仕分シュートに対応する走行路の他方側に配設した仕
分シュートを合流させて物品を走行路の一方側に導き出
す合流シュートを設けたので、物品を左右いずれのパン
に移載しても、同じ仕分先の物品は１個所に集積され、
物品の仕分作業が煩雑になることがない。

また、本第２発明の物品の仕分装置は、上記本第１発明
の物品の仕分装置の作用に加え、走行路を交叉させ、こ
の交叉部を挟んで走行路の一方側に移載コンベアを配設
したので、仕分けする物品を移載コンベアに搬送するの
に手間がかからず、物品の仕分作業が煩雑になることが
ない。

〔実施例〕

以下、本発明の物品の仕分装置を図示の実施例に基づい
て説明する。

図において、１はエンドレスのループ状をなした走行路
で、これは走行レール1aの下部を所要間隔をおいて配設
する架台1bにて支持するとともに、走行レール1aの両端
部1Wにおいて屈曲し、この両端部1W,1Wの間の往路1Yと
復路1Zをほぼ直線路となるようにし、かつその一部で往
路と復路とがＸ字状に交叉し、この交叉部1X以外の往復
両路の直線路1Y,1Zは平行になるよう配設して形成して
いる。

この往路1Y及び復路1Zにおいて、その両側に物品を仕分
けるための仕分シュート２（2a,2b…2n）を隣接配設
し、またその直線路である往復両路1Y,1Zの一部におい
て、仕分けする物品を走行台車のパン上に移載する位
置、すなわち走行レールの交叉部1Xを挟んだ直線路で、
かつ往路の一方側に２組の移載コンベア41（41a,41b…4
1n）,42（42a,42b…42n）を配設する。この移載コンベ
ア41,42は往路側の一側面に隣接されているが、走行レ
ールの交叉部1Xを挟んで配設されるため、移載コンベア
41より後述の左右に２つのパンを夫々独立して傾動可能
に設けた走行台車のいずれか一方のパン上に、他方の移
載コンベア42より他方のパン上に仕分けする物品それぞ
れ載荷するようになっている。これは、交叉部1Xを挟む
ことによって、走行路の同一方向に移載コンベア41,42
を配設しても異なるので左右の２つのパンに仕分けする
物品を移載することができるものである。

このループ状の走行路１にはその全長に亘って多数の走
行台車3,3…が配設され、隣接する走行台車3,3間を揺動
可能にして連結し、全走行台車3,3…は同時に走行す
る。この走行台車３の走行は走行路１に適当な間隔をお
いて配設した数台のリニアモータ６にて行われ、このリ
ニアモータ６にて走行路１上の多数の走行台車3,3…を
同時に走行させる。

なお、走行台車3,3…の走行速度及び制動等はこのリニ
アモータ６の制御にて行うものである。また、このリニ
アモータ６にて走行台車の駆動をより効率的に行うた
め、第３図に示すように走行台車３の下面に垂設される
リアクションプレート32の両側面に夫々対向するように
リニアモータ６を配設し、この２台一組としたリニアモ
ータ６をこのリアクションプレート32の両側面より同時
に推力を与えるようになす。またリニアモータ６は走行
路１のフレームに固定される。

走行台車３は第３図乃至第５図に詳示する。予め定めた
大きさの台車本体30の下部に該台車３の走行方向に沿う
ようにしてリアクションプレート32を垂設し、上部にパ
ン支持ブラケット30Bに支持された軸30Sにヒンジ30Hを
設け、このヒンジ30Hを介してあるいは軸30Sに直接パン
31R,31Lを揺動傾起自在にしかも左右に隣接して設けて
なる。この２つのパン31R.31LはＶ字形あるいは偏平な
るＶ字形状をして物品が各パン31R,31L上に確実に移載
できるようになす。このパン31R,31LはＬ字形に屈曲さ
れ、パン31R,31L上の載荷物が妄りに移動しないように
なす。リアクションプレート32の下端にはフレーム33を
固定し、このフレームの下部に走行路１のレール1R上を
走行可能なようにホイール30Wを配設するとともにこの
ホイール30Wにて走行台車３の全荷重を支持せしめ、さ
らにフレーム33の前後両端位置に２つの水平ガイドロー
ラ30Gを設け、この水平ガイドローラ30Gにて走行路のレ
ール1Rの両端に対向して設けたガイドレール1Gにて挟む
ようにしリアクションプレート32の下部が走行方向に対
して左右方向に傾動するのを防止し、リアクションプレ
ート32とリニアモータ６との空隙を一定に保持できるよ
うにする。またレール1Rには上部レール1Uを設け、前記
フレームに垂直方向に設けた垂直ガイドローラ30Rを前
記上部レール1Uの下面に当接して走行台車が走行時リニ
アモータ６により与えられる推力により走行路より浮き
上がるのを防止する。また２つのパン31R,31Lの背面側
ではブラケット3B,3Bが突設され、このブラケット3B,3B
の下端が本体30に可動式に設けた支持ローラ34に当接さ
れるようにし、この支持ローラ34にてブラケット3Bが当
接支持されることによりパン31R、又は31Lの傾動を阻止
し、第３図実線位置にパンが位置するようになす。この
支持ローラ34は本体30に支持された軸35にローラ支持軸
34Sを突設し、該軸34Sに回動自在に支持されるとともに
この軸35には復元用のばね35Sが附設され、軸端にレバ
ー35Lを設け、このレバー35Lを押すことにより軸35、ロ
ーラ支持軸を介して支持ローラ34を傾起させ、該支持ロ
ーラ34を傾動したときブラケット3Bとの当接が解除され
パン31R、又は31Lが自由に傾動可能となす。このとき、
すなわちパン傾動時所定角にて停止するようパン背面を
当接させて支持するショックアブソーバ36を本体30に設
ける。

本体30の走行方向前後端に連結ブラケット37,37を突設
し、この連結ブラケット37に縦方向に貫通支持する連結
軸37Sに上部ガイドローラ37Gを回動自在に支持するとと
もにターンバックル式の連結ロッド38の端部を係止す
る。この連結ロッド38の端部と連結軸37Sとの係着はボ
ールジョイント式とし、これにより隣接する前後の走行
台車が夫々異なる方向に揺動してもこのボールジョイン
ト部分でその揺動を吸収し、走行台車は互いに連結され
て円滑に走行できるようになす。

走行台車３の上部には傾動可能にして設けられるパンは
移載コンベア41,42で物品の積荷を行い、仕分シュート
２の定位置にて傾動し、物品の積降しが迅速確実に行え
るようになっているが、これは従来用いられている装置
が採用される。

上述の如く構成される走行台車にて物品の仕分けする場
合、走行台車を第３図実線に示す如くパン31R,31Lを載
荷可能状態として走行路上を走行させる。そして移載コ
ンベア41の位置で左側のパン31L上に物品を移載し、該
台車が走行路端部で方向変換した後、移載コンベア42位
置で、同一走行台車の右側のパン31R上に物品を移載す
る。そして走行台車を走行させ仕分シュート位置にきた
とき、予め区分された所定シュート位置でパン31R又は3
1Lを傾動させ、第３図鎖線位置のように傾斜させること
によりパン上の物品はシュート上に脱荷されるものであ
る。

同じ仕分先のシュートを走行台車の左右のパン毎に走行
路の側方左右に配設すると、一旦該当する仕分シュート
に仕分して、さらに同一仕分毎に物品を集める必要があ
り、このため仕分能率が低下する問題がある。

この問題を解決するため、第６図に示す如く、左右のパ
ンで独立して仕分された同一仕分先の物品が１個所に集
積されるように、同一仕分先の左右のシートは１個所に
合流するように構成されている。

すなわち、走行路１の一方側に配設した仕分シュート21
の各々にこの仕分シュートに対応する走行路の他方側に
配設した同一仕分先の仕分シュート22を合流させて物品
を走行路の一方側に導き出す合流シュート23を設けるよ
うにしている。

したがって、一台の走行台車で２つの物品を同時に独立
して載荷し、仕分できるため、走行台車の速度を高める
ことなく、簡単な構成でもって仕分能力を約２倍に向上
させることができる。

また、左右のパンを独立して傾動するため、パンの物品
載荷時の傾斜角をゆるやかにすることができるので、仕
分シュートでの脱荷時に仕分シュートとの落差を少なく
できるので物品にショック及びいたみを与えることが少
なくなる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、左右に２つのパンを夫々独立して傾動
可能に設けた走行台車を用いることにより、走行台車の
走行速度を高めることなく、１つのパンを設けた走行台
車を用いた場合との比較において、物品の仕分能力を約
２倍に向上することができる。また、走行路の内外周の
両側に多数の仕分シュートを配設し、この走行路一方側
に配設した仕分シュートの各々にこの仕分シュートに対
応する走行路に他方側に配設した仕分シュートを合流さ
せて物品を走行路の一方側に導き出す合流シュートを設
けたので、物品を左右いずれのパンに移載しても、同じ
仕分先の物品は１個所に集積され、物品の仕分作業が煩
雑になることがない。

さらに、本第２発明によれば、これに加え、走行路を交
叉させ、この交叉部を挟んで走行路の一方側に移載コン
ベアを配設したので、仕分けする物品を移載コンベアに
搬送するのに手間がかからず、物品の仕分作業が煩雑に
なることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の物品の仕分装置の概略平面図、第２図
は同正面図、第３図は走行台車の側面断面図、第４図は
走行台車の正面図、第５図はその平面図、第６図は仕分
シュート部の説明図である。 １は走行路、２は仕分シュート、３は走行台車、31R,31
Lはパン、41,42は移載コンベア

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−104375（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−145966（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−157636（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−12773（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−1113（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エンドレスのループ状の走行路と、該走行
   路上に配設した左右に２つのパンを夫々独立して傾動可
   能に設けた多数の走行台車とからなる物品の仕分装置に
   おいて、走行路の内外周の両側に多数の仕分シュートを
   配設し、この走行路の一方側に配設した仕分シュートの
   各々にこの仕分シュートに対応する走行路の他方側に配
   設した仕分シュートを合流させて物品を走行路の一方側
   に導き出す合流シュートを設けたことを特徴とする物品
   の仕分装置。
2. 【請求項２】エンドレスのループ状の走行路と、該走行
   路上に配設した左右に２つのパンを夫々独立して傾動可
   能に設けた多数の走行台車とからなる物品の仕分装置に
   おいて、走行路の内外周の両側に多数の仕分シュートを
   配設し、この走行路の一方側に配設した仕分シュートの
   各々にこの仕分シュートに対応する走行路の他方側に配
   設した仕分シュートを合流させて物品を走行路の一方側
   に導き出す合流シュートを設けるとともに、前記走行路
   を交叉させ、この交叉部を挟んで走行路の一方側に移載
   コンベヤを配設したことを特徴とする物品の仕分装置。