JPH0780277B2 - 加工性に優れたポリエステル樹脂被覆金属板及びその製造方法 - Google Patents

加工性に優れたポリエステル樹脂被覆金属板及びその製造方法

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JPH0780277B2
JPH0780277B2 JP2154098A JP15409890A JPH0780277B2 JP H0780277 B2 JPH0780277 B2 JP H0780277B2 JP 2154098 A JP2154098 A JP 2154098A JP 15409890 A JP15409890 A JP 15409890A JP H0780277 B2 JPH0780277 B2 JP H0780277B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加工性に優れたポリエステル樹脂被覆金属及
びその製造方法に関するものであり、より詳細には、金
属板の片面あるいは両面に、特定のポリエステルフイル
ムを、特定の重合体を介して積層したもの及びその製造
方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、製缶工業においては、ぶりき、電解クロム酸処理
鋼板、アルミニウムなどの金属板に一回あるいは複数回
にわたり塗装を行っていた。このように複数回の塗装を
施すことは、焼付工程が煩雑であるばかりではなく、多
大な焼付時間を必要としていた。また、塗膜形成時に多
量の溶剤を排出するため、公害面からも排出溶剤を特別
の焼却炉に導き焼却しなければならないという欠点を有
していた。これらの欠点を解決するために熱可塑性樹脂
フイルムを金属板に積層しようとする試みがなされてき
た。
一例としては、ポリオレフィンフイルムを金属板に積層
したもの(特開昭53−141786号公報)、ポリエチレンテ
レフタレートフイルムに接着剤を用いることなく金属板
にラミネートしたもの(特公昭60−47103号公報、特開
昭60−168643号公報)、あるいは二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフイルムを接着剤を用いて金属板にラミ
ネートしたもの(特開昭61−20736号公報、特開昭61−1
49341号公報)などが開示されている。
また特開昭64−22530号公報には、二軸配向ポリエステ
ルフイルムであって、密度が1.385以上で面配向係数が
0.130以上、0.160未満である金属貼合せ用ポリエステル
フイルムが記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、ポリオレフィンフイルムをラミネートした金属
板を容器用材料として用いた場合、ポリオレフィンフイ
ルムは内容品に対してのバリヤー性がないため、容易に
腐食媒がポリオレフィンフイルム内を透過し金属板を腐
食させやすい欠点を有していた。また、ポリオレフィン
フイルムは、通常、融点が100〜170℃の範囲内にあるた
め、製缶工程で外面印刷などの後加熱工程(通常170〜2
10℃)を経た場合、ポリオレフィンフイルムは溶融状態
となり製缶工具に軟化接着しやすくなり作業性が著しく
低下する。
特公昭60−47103号公報、特開昭60−168643号公報に開
示されている接着剤を用いないでポリエチレンテレフタ
レートフイルムを金属板にラミネートしたものは、金属
板の界面近傍に生じた無定形、無配向ポリエチレンテレ
フタレート樹脂膜は金属板と良好な接着力を有している
ものの、製缶工程で後加熱処理を施すと、無定形、無配
向ポリエチレンテレフタレート樹脂層は、ランダムな球
晶となり、金属板との加工密着性が大幅に低下するとと
もに、長期に保存した場合、糸状腐食が出やすくなり外
観を著しく低下させる欠点を有している。
特開昭61−20736号公報、特開昭61−149341号公報に開
示されている二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイ
ルムを特定の接着剤を用いて金属板にラミネートしたも
のは、ポリエチレンテレフタレートフイルムが二軸に配
向しているため、バリヤー性に優れ各種内容物に対して
良好な防食効果を示す。
加えて、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム
と金属板の間には、良好な接着力を示す接着剤が介在し
ているため、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイ
ルムは金属板に強固に接着している。
また、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムの
融点以下の温度で金属板にラミネートしているため、特
公昭60−47103号公報、特開昭60−168643号公報にみら
れるような無配向、無定形ポリエチレンテレフタレート
樹脂が生成していないため、製缶工程で種々の後加熱工
程を経ても加工密着性、加工耐食は低下しない。
しかし、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム
は、タイトな配向結晶を有しているため分子の自由運動
が配向結晶領域により束縛されているため、厳しい加工
が要求される深絞り加工やイージーオープンエンドに要
求されるリベット加工などの厳しい加工を施した場合、
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムにクラッ
クが入りやすくなり加工性に限界があった。
特開昭64−22530号公報には、ポリエステルフイルムの
加工性を向上させるために、密度および面配向係数を前
述した特定の値に規制した特殊製膜によるポリエステル
フイルムを提案しているが、これでも高速深絞り加工あ
るいは高速折曲げ加工を施すとポリエステルフイルムに
全面クラックが発生して実用的でなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記の問題点を解決すべく種々検討した結
果、金属板の片面あるいは両面に、特定の重合体相を有
するポリエステルフイルムを連続的に高速でラミネート
したものであり、本発明の方法で得られたポリエステル
樹脂被覆金属板は加工密着性、加工耐食性、耐後加熱性
などの多くの優れた特性を有しているため、リベット加
工など厳しい加工を施した缶蓋、絞り缶、2回あるいは
複数回の絞り缶、あるいは絞りおよび軽しごきあるいは
ストレッチ加工を施した背高缶、王冠、キャップ類など
の外面印刷が要求される缶用素材として広く適用できる
ものである。
即ち、本発明は、金属板の片面あるいは両面に、エポキ
シ基、水酸基、アミド基、エステル基、カルボキシル
基、ウレタン基、アクリル基あるいはアミノ基1種以上
を分子内に有する重合体の単体あるいは混和体の層を介
して、結晶融解温度が210〜250℃で、ラミネート後のフ
イルムの厚み方向の屈折率が1.5100〜1.5600でしかもラ
ミネート後のフイルムの面内の全ての部位における屈折
率が1.5900〜1.6500であるポリエステル樹脂が被覆され
ていることを特徴とする加工性に優れたポリエステル樹
脂被覆金属板である。
本発明は更に、結晶融解温度が210〜250℃でフイルムの
厚み方向の屈折率が1.5050〜1.5500であり、フイルムの
面内の全ての部位における屈折率が1.6000〜1.660であ
るポリエステルフイルムの片面に、エポキシ基、水酸
基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、ウレタン
基、アクリル基、アミノ基の1種以上を分子内に有する
重合体の単体あるいは混和体を、乾燥重量で0.1〜5.0g/
m2塗布したポリエステルフイルムを、ポリエステル樹脂
フイルムの(結晶融解温度−50)℃〜(結晶融解温度+
50)℃の範囲内に加熱された金属板の片面あるいは両面
にラミネートすることを特徴とする加工性に優れたポリ
エステル樹脂被覆金属板の製造方法である。
本発明のポリエステル樹脂被覆金属板では、金属板の片
面あるいは両面に、特定の官能基を有する重合体の単体
あるいは混和体(プライマー)の層を介してポリエステ
ルフイルムが被覆されているが、このポリエステルフイ
ルムが210〜250℃の範囲の結晶融解温度を有すること、
及びラミネート後の状態で、1.5100〜1.5600の範囲の厚
み方向屈折率と、面内の全ての部位において1.5900〜1.
6500の面内方向屈折率とを有することが顕著な特徴であ
る。上記の範囲の屈折率を有するフイルムは、つぎに示
すように得られる。すなわち、押出機から排出される末
延伸状態のフィルムを、縦方向に80〜120℃の温度で2.5
〜3.3の倍率で延伸した後、横方向に2.7〜3.5倍に延伸
し、150〜220℃の温度で熱固定する。面内の全ての部位
における面内方向屈折率のバラツキを最小限に止めるに
は、できる限り低い延伸倍率で延伸することが好ましい
が、延伸倍率が低すぎるとフィルムの厚さが不均一とな
るので、両方の特性を満足するような範囲を選択すべき
である。
特開昭64−22530号公報等の被覆金属板に普通に使用さ
れている二軸延伸ポリエチレンテレフタレートは約255
℃の結晶融解温度を有するが、本発明では、この結晶融
解温度が210〜250℃の特定の範囲内にあるポリエステル
フイルムを使用する。ここでいう結晶融解温度とは、示
差走査熱量計(SS10、セイコー電子工業(株)製)によ
り、10℃/minの昇温速度で昇温した時、吸熱ピークが認
められるが、その吸熱ピークの最大ピーク深さを示す温
度をいう。
ポリエステル樹脂の結晶融解温度が250℃を越えると、
ポリエステルフイルム自体は非常に剛直となり加工性が
極端に乏しくなる。
一方、結晶融解温度が210℃よりも低くなるとポリエス
テルフイルム自体の耐熱性が低下し、製缶工程で後加熱
を施すと機械的強度が大幅に低下して実用的でない。
次に、ポリエステル被覆金属板の加工性や耐腐食性は、
当然のことながら、ラミネート前のフイルムの配向特性
ではなく、ラミネート後のフイルムの配向特性に大きく
依存する。このことは、ポリエステルフイルムのラミネ
ート時の加熱等により配向特性が変化することからも明
白である。本発明のポリエステル樹脂被覆金属板で、ポ
リエステルフイルムの配向特性(屈折率)をラミネート
後のフイルムの状態で規定しているのは、この理由によ
る。本発明の被覆金属板では、ラミネート後の状態で、
フイルムの厚み方向の屈折率が1.5100〜1.5600の範囲に
なければならず、またフイルムの面方向の屈折率が全て
の部位で1.5900〜1.6500の範囲になければならない。こ
のフイルムの厚み方向の屈折率が1.5100よりも低いと被
覆金属板の絞り成形性が低下し、1.5600を越えると被覆
金属板の耐腐食性が低下する。また、面内方向の屈折率
が1.6500を越えると、被覆金属板の成形性が低下し、1.
5900よりも低くなると、被覆金属板の耐腐食性が低下す
る。なお、ラミネート後のフイルムの屈折率を上記の範
囲となるようにラミネート前のフイルムの厚さ方向、お
よび面内の全ての部位の屈折率が上記の範囲内にある所
定の厚さのフイルムと所定の板厚の金属板を用い、金属
板の加熱温度、ラミネートロールの加熱温度、金属板の
走行スピードを制御するなどの予備作業を実施する。得
られたポリエステル樹脂フィルム被覆金属板フィルムの
厚さ方向、および面内方向の屈折率を測定し、好適範囲
をもたらした作業条件により、本生産を実施する。
特に、本発明の被覆金属板では、フイルムの面内方向の
屈折率が全ての部位で1.5900〜1.6500の範囲に入ってい
なければならないことの重要性が強調されねばならな
い。特開昭64−22530号公報に開示されている加工性に
優れたポリエステルフイルムは、ポリエステルフイルム
の加工性を面配向係数で定義しているが、ここで面配向
係数とは、フイルムの横及び縦方向の屈折率の平均値よ
り厚み方向の屈折率を差し引いた値で表わされ、斜め方
向に屈折率の異方性を有していても面配向係数としては
表わし得ない。通常ポリエステルフイルムは、縦、横二
方向に延伸されるため、広幅フイルムのセンター付近と
エッジ付近では特性が異なり、特にエッジ付近での斜め
方向に機械的強度の異方性、熱膨脹係数の異方性が出や
すい。
本発明のように、金属板上にラミネートされ、製缶用素
材として苛酷な加工を受ける場合、ポリエステルフイル
ムは、面内のどこの部位をとっても均一な機械的特性、
熱的特性、化学的特性を有していることが必須条件であ
るため、フイルムの加工性を面配向係数のみで定義する
のは好ましくなく、本発明では、面内方向の屈折率が全
ての部位で上記範囲内の値となるようにしたことによ
り、優れた加工性と耐腐食性とが達成されるものであ
る。
尚、ポリエステルフイルムの屈折率は、以下のように測
定する。アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライザー
を取り付け、単色光NaD線で、マウント液はヨウ化メチ
レンを用いて25℃の温度下で各々の屈折率を測定する。
本発明の被覆金属板は、ポリエステルフイルムに特定の
官能基を有する重合体(プライマー)を塗布し、この塗
布ポリエステルフイルムを特定の温度に加熱された金属
板にラミネートさせることにより製造されるが、このポ
リエステルフイルムがラミネート前の状態で、1.5050〜
1.5500、特に1.5100〜1.5500の厚み方向の屈折率と、フ
イルム面内の全ての部位で、1.6000〜1.6600の面内方向
の屈折率とを有することも重要な特徴である。即ち、厚
み方向の屈折率が1.5050を下廻るとフイルムのプライマ
ーに対する濡れ性が貧弱となって、一様なプライマー層
の形成が困難となる。
また厚み方向の屈折率が1.5500を越えると、フイルムを
金属板にラミネートする時、しわ等が発生し易くなり、
またプライマーの乾燥温度を高くすることが困難となっ
て、十分なフイルム密着性が得られなくなる傾向があ
る。また、面内方向の屈折率が1.6000よりも低いと、フ
イルムの金属板へのラミネート時にフイルムな切れ易い
という傾向があり、また1.6600を越えて高いと、ラミネ
ート時に金属板へのナジミが悪くなって気泡が入った
り、或いは強固な接着力を得るための温度範囲が狭くな
って、十分な密着が得られない傾向がある。
本発明の用いるポリエステルフイルムは、前記特開昭64
−22530号公報のフイルムに比して面内配向度の小さい
ものである。
本発明に用いるポリエステルフイルムは、210〜250℃の
結晶融解温度を有するが、このポリエステルはエステル
反復単位の75〜99%がエチレンテレフタレート単位から
なり、残りの1〜25%のエステル反復単位がエチレンテ
レフタレート単位以外のエステル単位からなる。テレフ
タル酸以外の酸成分としては、フタール酸、イソフター
ル酸、コハク酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸、ジフェニルカルボン酸、2,6ナ
フタレンジカルボン酸、1,4シクロヘキサンジカルボン
酸、無水トリメット酸の1種あるいは2種以上の酸成分
が挙げられ、エチレングリコール以外のアルコール成分
としては、1,4ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、
1,6ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、トリメチレングリコール、ト
レエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4
シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールの1種あるいは2種以上の飽
和多価アルコールが挙げられる。エチレンテレフタレー
ト単位以外のエステル単位は、酸成分及びアルコール成
分の何れか一方あるいは両方がテレフタル酸以外の酸成
分及びエチレングリコール以外の多価アルコールであれ
ばよく、上述した酸成分及び多価アルコール成分を用い
て共重合ポリエステルを得ることができる。
かかる共重合樹脂は、共重合成分からなるポリエステル
をポリエチレンテレフタレート樹脂にブレンド後、溶融
し、分配反応により共重合化する方法により得ることも
可能である。
さらに、必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、着色剤などを添加配合することは差
し支えない。
本発明のポリエステルフイルムは、無機系あるいは有機
系の滑剤、特に平均粒径が2.5μm以下の滑剤を含有す
ることが望ましい。無機系滑剤としては、シリカ、アル
ミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等
があり、有機系としてはシリコーン等を用いることがで
きる。ポリエステルフイルム中の滑剤の平均粒径が2.5
μmを越える場合は、金属板にラミネートされた後、深
絞り加工などの厳しい加工をうけた場合、ポリエステル
フイルムは、滑剤部分を中心としてピンホールが発生し
やすくなる傾向がある。
滑剤の量は、フイルム製造工程における巻取性、及び金
属板とのラミネート後の加工性によって決めるものであ
るが、一般に粒径の大なるものは少量、粒径の小なるの
もは多量添加した方が良い。例えば、平均粒径2.3μm
のシリカの場合は、0.001〜0.05重量%を添加し、平均
粒径0.3μmの二酸化チタンの場合は0.05〜5重量%添
加することが好ましい。
本発明に用いられる二軸配向ポリエステルフイルムは、
前記のポリエステル樹脂を加熱溶融した後、ダイより吐
出させフイルム状に成型し、その後、縦、横方向に延伸
させ熱固定させることにより得られ、フイルムの厚み方
向の屈折率が前述した1.5050〜1.5500で、フイルム面内
の全ての部位における屈折率が1.6000〜1.6600の範囲内
となるようにする。
本発明に用いるポリエステルフイルムを作るためには、
従来のポリエチレンテレフタテレートフイルムよりも、
低倍率で延伸することが必要で、例えば、縦倍率として
は、2.7〜3.7程度、横倍率で3.0〜3.8倍程度が好まし
く、延伸後の熱固定温度としては、150〜230℃の範囲が
好ましい。
ポリエステルフイルムの厚みとしては、特に制限するも
のではないが、経済性を考慮した場合、5〜50μmの範
囲内が好ましい。
つぎに、ポリエステルフイルムの片面に塗布される重合
体(プライマー)としては、分子内にエポキシ基、水酸
基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、ウレタン
基、アクリル基、アミノ基の1種以上を含んだものが好
ましい。これらの重合体の一例として、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、変
性ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アルリル樹脂、ユリヤ樹
脂などがあげられる。
かかる重合体の形態は、特に規制するものではないが、
ポリエステルフイルムの上に薄巻塗装するためには、ロ
ールコートあるいはスプレー塗装可能な溶液状態が好ま
しい。また、重合体を溶液状態で塗布後、ドライヤーオ
ーブンで乾燥後、重合体はタックフリーであることが好
ましい。
重合体のタックが大きい場合、フイルム巻取り作業は可
能であるが巻きほどく時に、重合体がポリエステルフイ
ルムの末塗布面に裏移りしやすくなり好ましくない。
ドライヤーオーブンでの重合体の乾燥温度も重要で、乾
燥温度が60〜150℃の範囲内が好ましい。乾燥温度が60
℃以下になると、溶剤離脱性が著しく低下し、重合体の
タックが大きくなり実用的でない。
一方、乾燥温度が150℃以上になると重合体の化学反応
が著しく進み、後述の金属板への密着性が著しく低下す
るとともに、フイルムの形状がくずれやすくなる。
重合体をポリエステルフイルムに塗布する場合の希釈溶
剤としては、水あるいは有機溶剤があげられるが、ドラ
イヤーオーブンにおいての乾燥性を考慮すると、低沸点
溶剤の方が好ましい。
重合体をポリエステルフイルムに塗布する工程は、上述
の内容で満足し得るものであるが、本発明に差し支えな
い範囲で、美観性を向上させるために顔料、染料を重合
体に添加配合してもよい。
つぎに、重合体の塗布重量は特に重要で乾燥重量とし
て、0.1〜5.0g/m2が好ましく、さらには、0.1〜2.0g/m2
が好ましい。
ここで塗布重量が0.1g/m2以下になると、重合体の連続
薄膜塗装性に難点が生じ均一塗布が困難となる。一方、
塗布重量が5.0g/m2となると、金属板とポリエステルフ
イルムを加熱一体化させた後、深絞り加工を施すと密着
力は大幅に低下する。
またポリエステルフイルム上の重合体のドライヤーオー
ブン中における溶剤離脱性も著しく低下し作業性も大き
く低下する。
重合体をポリエステルフイルム上に連続的に乾燥重量が
0.1〜5.0g/m2の範囲内に塗布することは比較的容易であ
るが、帯状金属板に連続的に均一塗布することは非常に
困難である。その理由としては、帯状金属板はポリエス
テルフイルムに比べて平坦性に欠けるため、薄膜塗布性
が著しく低下するためと、プラスチックフイルムのコー
ターに比べて帯状金属板のコーターは、設備費が嵩む欠
点を有しているためである。
つぎに、本発明に用いられる金属板としては、シート状
及びコイル状の鋼板、鋼箔及びアルミニウム板またはそ
れらの金属板に表面処理を施したものがあげられる。
特に、下層が金属クロム、上層がクロム水和酸化物の二
層構造を有する電解クロム酸処理鋼板、錫、ニッケル、
亜鉛、クロムの1種あるいは2種以上からなるめっき鋼
板及びこれらのめっき鋼板にクロム水和酸化物あるいは
上層がクロム水和酸化物、下層が金属クロム層からなる
二層構造を有した表面処理を施したもの、あるいは、リ
ン酸塩処理、クロム酸塩処理、クロム−クロメート処理
を施したアルミニウム板が重合体との密着性に優れてい
る。
つぎに、片面に重合体をあらかじめ塗布したポリエステ
ルフイルムを金属板にラミネートする工程においては、
ポリエステルフイルムを(結晶融解温度−50)℃〜(結
晶融解温度+50)℃の範囲の温度に加熱された金属板の
片面あるいは両面に重合体の塗布面が金属板表面に相接
するようにラミネートする。
本発明の特徴の1つとして、上記のプロセスを経て初め
てポリエステルフイルムは金属板と強固に接着するもの
であって、あらかじめ金属板に重合体を塗布し所定のラ
ミネート温度に迄金属板を加熱してもポリエステルフイ
ルムは金属板に対し強度な接着性を示さない。
ここで、ラミネート温度がポリエステルフイルムの(結
晶融解温度+50)℃以上になれば、ポリエステルフイル
ムは部分的に熱劣化しやすくなり、缶用材料として適用
した場合、内容品に対してバリヤー性がなくなり金属板
が腐食しやすくなる。
一方、ラミネート温度がポリエステルフイルムの(結晶
融解温度−50)℃以下になると、ポリエステルフイルム
と金属板の加工密着力が低下する傾向にあり、深絞り加
工を施すとポリエステルフイルムは金属板より剥離しや
すくなる。
ラミネート後は、急冷、徐冷いずれのプロセスを経ても
差支えないが、特に苛酷な加工を要求される分野におい
ては、ラミネート後、ポリエステル樹脂の結晶融解温度
〜(結晶融解温度−80)℃の温度範囲内で、5〜1000秒
後加熱を施した方が好ましい。
これは、後加熱処理を施すことにより、ラミネートされ
たポリエステルフイルムの残留応力が大幅に緩和される
ため、その後の苛酷な加工を受けても、ポリエステルフ
イルムが金属板より剥離したり、割れたりしなくなるも
のと考えられる。
金属板を加熱する方法としては、公知の熱風循環伝熱方
式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式、ヒートロール伝熱方
式などがあげられ、特に制限するものではないが、設備
費、設備の簡素化を考慮した場合、ヒートロール伝熱方
式が好ましい。
ポリエステルフイルムの金属板の片面あるいは両面にラ
ミネートするラミネートロールの材質は、特に、制限す
るものではないが、高速で美麗にラミネートする為に
は、ゴムロールが好ましい。
ゴムロールの材質については、特に制限するものではな
いが、耐熱性、耐薬品性などに優れたシリコーンゴムロ
ール、ふっ素ゴムロールなどが好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例にて詳細に説明する。
実施例1 二軸配向ポリエステルフイルム 25μm 結晶融解温度 229℃ 延伸条件 縦延伸倍率 3.7倍 横延伸倍率 3.9倍 熱固定温度 190℃ 重合体の乾燥重量 0.4g/m2 重合体:エポキシ樹脂80部とパラクレゾール型フェノー
ル樹脂20部 上記二軸配向ポリエステルフイルムを235℃に加熱され
た板厚0.21mmの電解クロム酸処理鋼板の両面にシリコー
ンゴムロールにより連続的にラミネートした後、215℃
で1分間、後加熱処理を施した後、20℃の水通中に急冷
することによりポリエステル樹脂被覆鋼板を得た。
実施例2 (1) 片面の二軸配向ポリエステル フイルム 25μm 結晶融解温度 229℃ 延伸条件 縦延伸倍率 3.0倍 横延伸倍率 3.1倍 熱固定温度 185℃ 重合体の乾燥宣言 0.7g/m2 重合体:エポキシ樹脂70部とパラクレゾール型フエノー
ル樹脂30部 (2) 片面の二軸配向ポリエステル フイルム 20μm 結晶融解温度 229℃ 延伸条件 縦延伸倍率 3.1倍 横延伸倍率 3.2倍 熱固定温度 180℃ 重合体の乾燥重合 1.1g/m2 重合体:エポキシ樹脂70部とパラクレゾール型フエノー
ル樹脂30部 上記二軸配向ポリエステルフイルムを218℃に加熱され
た板厚0.25mmのぶりきの両面にシリコーンゴムロールに
より連続的にラミネートした後、直ちに20℃の水中に急
冷することによりポリエステル樹脂被覆鋼板を得た。
実施例3 二軸配向ポリエステルフイルム 20μm 結晶融解温度 245℃ 延伸条件 縦延伸倍率 3.6倍 横延伸倍率 3.7倍 熱固定温度 205℃ 重合体の乾燥重量 0.9g/m2 重合体:エポキシ樹脂75部とパラクレゾール型フエノー
ル樹脂25部 上記二軸配向エポキシエステルフイルムを255℃に加熱
された板厚0.25mmのニッケルめっき鋼板の両面にシリコ
ーンゴムロールにより連続的にラミネートした後、220
℃で10秒後加熱処理を施した後、20℃の水中に急冷する
ことによりポリエステル樹脂被覆鋼板を得た。
実施例4 二軸配向ポリエステルフイルム 25μm 結晶融解温度 215℃ 延伸条件 縦延伸倍率 3.2倍 横延伸倍率 3.3倍 熱固定温度 160℃ 重合体の乾燥重量 0.5g/m2 重合体:エポキシ樹脂90部とメラミン樹脂10部 上記二軸配向ポリエステルフイルムを215℃に加熱され
た板厚0.30mmの電解クロム酸処理鋼板の両面にシリコー
ンゴムロールにより連続的にラミネートした後、直ちに
20℃の水中に急冷することによりポリエステル樹脂被覆
鋼板を得た。
比較例1 実施例1と同様の二軸配向ポリエステルフイルムを用い
て、285℃に加熱された板厚0.21mmの電解クロム酸処理
鋼板の両面にシリコーンゴムロールにより連続的にラミ
ネートした後、直ちに20℃の水中に急冷することにより
ポリエステル樹脂被覆鋼板を得た。
比較例2 結晶融解温度255℃、縦延伸倍率3.7倍、横延伸率倍3.9
倍で熱固定温度230℃で処理された二軸配向ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムに実施例1に記載された重合
体を塗布した後、実施例1と同様のラミネート方法でポ
リエステル樹脂被覆鋼板を得た。
得られらたポリエステル樹脂被覆金属板はつぎに示す試
験法で評価し、その結果を第1表に示したた。
(1) ポリエステル樹脂被覆金属板の絞り加工ポリエ
ステル樹脂被覆金属板を直径158mmの円板に打ち抜き、
絞り比2.92で円筒状カップに絞り加工を施し、ポリエス
テル樹脂の割れ程度を、割れおよび剥離なしを5点と
し、4点、3点、2点、1点になるにつれて、割れ、剥
離の程度が大になるように5段階に分けて評価した。
(2) ポリエステル樹脂被覆金属板の折曲げ加工ポリ
エステル樹脂被覆金属板を30mm×50mmに切断後、3mmRの
曲げ加工を施した後、2.3kgの荷重を30cmの高さより曲
げR部に落下させ、衝撃密着曲げ加工を施した。
ついで、曲げR部の先端部のポリエステルフイルムのク
ラック発生状況を顕微鏡で観察し、5点を全くクラック
なしとし、4点、3点、2点、1点になるにつれて、ク
ラックの程度が大になるように5段階に分けて評価し
た。
(3) ポリエステル樹脂被覆金属板の耐食性ポリエス
テル樹脂被覆金属を直径85mmの円板に打ち抜き、絞り比
2.15で円筒状カップに絞り 加工を施し、カップ内面にコカコーラを充填した後、カ
ップ上部をゴム栓で密封した後、20℃で3ケ月貯蔵した
後、コカコーラ中に溶出した鉄イオンを原子吸光法で求
めた。
実施例5 板厚0.21mm冷延鋼板を70g/の水酸化ナトリウム中で電
解脱脂し、100g/の硫酸溶液で酸洗し、水洗した後、
無水クロム酸60g/、フッ化ナトリウム3g/の溶液中
で、電流密度20A/dm2、電解液温度50℃の条件下で陰極
電解処理を行い、ただちに80℃の温水を用いて、湯洗し
乾燥した。このように処理された幅300mmの帯状電解ク
ロム酸処理鋼板の両面につぎに示す条件で処理されたポ
リエステルフイルムを、つぎに示す条件で連続的にラミ
ネートした。
二軸配向ポリエステルフイルム 25μm 結晶融解温度 229℃ 屈折率:厚み方向 1.5311 面内方向 最大 1.6411 最小 1.6210 滑剤:平均粒径2.0μmのSiO2 0.07重量% 重合体の乾燥重量 0.2g/m2 重合体:エポキシ樹脂80部とパラクレゾール型フェノー
ル樹脂20部 重合体の乾燥温度 100℃ ラミネート直前の鋼板温度 235℃ ラミネートロール シリコーンロール ラミネートロールの表面温度 140℃ ラミネート速度 120m/分 ラミネート後の冷却条件 急冷 実施例6 実施例5と同様の帯状鋼板の両面に、つぎに示す条件で
処理された2種類のポリエステルフイルムを、つぎに示
す条件で連続的にラミネートした。
片面のポリエステルフイルム 二軸配向ポリエステルフイルム 25μm 結晶融解温度 229℃ 屈折率:厚み方向 1.5405 面内方向 最大 1.6500 最小 1.6305 滑剤:平均粒径1.5μmのSiO2 0.12重量% 片面ポリエステルフイルム 二軸配向白色ポリエステルフイルム 20μm 結晶融解温度 229℃ 滑剤:平均粒径0.3μmの酸化チタン 15重量% 重合体の乾燥重量 1.1g/m2 重合体:エポキシ樹脂70部とパラクレゾール型フエノー
ル樹脂30部 重合体の乾燥温度 100℃ ラミネート直前の鋼板温度 230℃ ラミネートロール シリコーンロール ラミネート速度 100m/分 ラミネート後の冷却条件 急冷 実施例7 実施例5と同様の冷延鋼板を、実施例5と同様の前処理
を施した後、硫酸銅80g/、フェノールスルフォン酸
(60%水溶液)60g/、エトキシ化α−ナフトールスル
フォン酸5g/の電解液を用い、電流密度15A/dm2、電解
液温度40℃の条件で錫めっき後、リフロー処理を施し、
水洗し、ひき続き無水クロム酸30g/、硫酸0.3g/の
電解液を用いて電流密度40A/dm2、電解液温度50℃の条
件下でクロム酸処理を施し、水洗し乾燥した。
得られた幅300mmの帯状錫めっき鋼板の両面に、つぎに
示す条件で処理されたポリエステルフイルムを、つぎに
示す条件で連続的にラミネートした。
二軸配向ポリエステルフイルム 25μm 結晶融解温度 243℃ 屈折率:厚み方向 1.5218 面内方向 最大 1.6312 最小 1.6228 滑剤:平均粒径0.3μmのSiO2 0.81重量% 重合体の乾燥重量 1.2g/m2 重合体:エポキシ樹脂75部とパラクレゾール型フェノー
ル樹脂25部 重合体の乾燥温度 100℃ ラミネート直前の鋼板温度 224℃ ラミネートロール シリコーンロール ラミネート速度 80m/分 ラミネート後の冷却条件 急冷 実施例8 実施例5と同様の冷延鋼板を、実施例5と同様の前処理
を施した後、塩化ニッケル(6水塩)40g/、硫酸ニッ
ケル(6水塩)250g/、ホウ酸40g/からなるワット
浴を用いて電流密度10A/dm2、浴温45℃の条件で0.6g/m2
のニッケルめっきを施し、水洗後、重クロム酸ソーダ30
g/の浴液中で、電流密度10A/dm2、電解液温度45℃の
条件でクロメート処理を施し、水洗し乾燥した。
得られた幅300mmの帯状ニッケルめっき鋼板の両面に、
つぎに示す条件で処理されたポリエステルフイルムを、
つぎに示す条件で連続的にラミネートした。
二軸配向ポリエステルフイルム 25μm 結晶融解温度 215℃ 屈折率:厚み方向 1.5100 面内方向 最大 1.6211 最小 1.6110 滑剤:平均粒径0.3μmのTiO 0.52重量% 重合体の乾燥重量 0.6g/m2 重合体:エポキシ樹脂70部とパラクレゾーン型フェノー
ル樹脂30部 重合体の乾燥温度 100℃ ラミネート直前の鋼板温度 225℃ ラミネートロール シリコーンロール ラミネート速度 180m分 ラミネート後の冷却条件 急冷 比較例3 実施例5と同様の鋼板を用いて、ポリエステルフイルム
を除いて、他の条件は実施例5と同様の条件で連続的に
ラミネートした。
末延伸ポリエステルフイルム 40μm 結晶融解温度 245℃ 屈折率:厚み方向 1.5811 面内方向 最大 1.5831 最小 1.5795 滑剤:平均粒径2.0μmのSiO2を0.07重量% 重合体の乾燥重量 0.4g/m2 重合体:エポキシ樹脂80部とパラクレゾール型フエノー
ル樹脂20部 重合体の乾燥温度 100℃ 比較例4 実施例5と同様の鋼板を用いて、ポリエステルフイルム
を除いて、他の条件は実施例5と同様の条件で連続的に
ラミネートした。
二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルム 25μm 結晶融解温度 255℃ 屈折率:厚み方向 1.4972 面内方向 最大 1.6775 最小 1.6541 滑剤:平均粒径2.0μmのSiO2を0.07重量%添加 比較例5 実施例5を用いた鋼板およびポリエステルフイルムを用
いて、ラミネート直前の温度を175℃にした他は実施例
に5に記載の条件ポリエステルフイルムをラミネートし
た。
実施例5〜8および比較例3〜5に記載されたラミネー
ト適性は、つぎに示す試験法で評価し、その結果を第2
表に示した。
(1) ポリエステルエフイルムへのプライマー塗装
性。
(a) プライマーの均一の塗装性 プライマーの塗装済のポリエステルフイルムを10cm×10
cmに切断後、メチルバイオレット試薬に25℃で10分間浸
漬する。浸漬後、風乾したのち目視にてメチルバイオレ
ットの染色状況を評価した。
塗装斑点が0〜5ケ/10cm×10cmを良好とし、5〜15ケ/
10cm×10cmを可とし、15ケ以上/10cm×10cmを不可とし
た。
(b) ポリエステルフイルムの収縮性 プライマー塗装時のポリエステルフイルムの幅方向へ収
縮した長さを実測した。
(2) ラミネート性 ラミネート時のポリエステルフイルムのしわ、切断の状
況ならびにラミネート時の気泡発生について目視にて評
価した、 (3) ポリエステル樹脂被覆金属板の絞り加工性ポリ
エステル樹脂金属被覆金属板を直径158mmの円板に打ち
抜き、絞り比2.92で円筒状カップに絞り加工を施した
後、125℃で30分間熱水処理を施した後、カップ内面の
ポリエステル樹脂の割れ程度を、割れおよび剥離なしを
5点とし、4点、3点、2点、1点になるにつれて、割
れ、剥離の程度が大になるように5段階に分けて評価し
た。
(4) ポリエステル樹脂被覆金属板の耐食性ポリエス
テル樹脂被覆金属板を直径85mmの円板に打ち抜き、絞り
比2.15で円筒状カップに絞り加工を施し、カップ内面に
コカコーラを充填した後カップ上部をゴム栓で密封した
後、20℃で3ケ月貯蔵し、コカコーラ中に溶出した鉄イ
オンを原子吸光法で求めた。
〔発明の効果〕 かくして得られた片面あるいは両面にポリエステルフイ
ルムをラミネートした金属板は、加工耐食性に優れるた
め、リベット加工などの厳しい加工を施したイージーオ
ープン蓋、深絞り缶あるいは軽しごき缶、王冠、キャッ
プ類などの容器用素材として広く適用できるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−149341(JP,A) 特開 昭64−22530(JP,A) 特開 昭58−82717(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板の片面あるいは両面に、エポキシ
    基、水酸基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、
    ウレタン基、アルリル基あるいはアミノ基の1種以上を
    分子内に有する重合体の単体あるいは混和体の層を介し
    て、結晶融解温度が210〜250℃で、ラミネート後のフイ
    ルムの厚みの方向の屈折率が1.5100〜1.5600でしかもラ
    ミネート後のフイルムの面内の全ての部位における屈折
    率が1.5900〜1.6500であるポリエステル樹脂が被覆され
    ていることを特徴とする加工性に優れたポリエステル樹
    脂被覆金属板。
  2. 【請求項2】金属板の片面は、請求項1記載の特性を有
    したポリエステル樹脂が被覆され、他の片面は、結晶融
    解温度が210〜250℃で着色顔料を2〜20重量部含有した
    ポリエステル樹脂が被覆されていることを特徴とする請
    求項1記載の加工性に優れたポリエステル樹脂被覆金属
    板。
  3. 【請求項3】結晶融解温度が210〜250℃でフイルムの厚
    み方向の屈折率が1.5050〜1.5500であり、フイルムの面
    内の全ての部位における屈折率が1.6000〜1.6600である
    ポリエステルフイルムの片面に、エポキシ基、水酸基、
    アミド基、エステル基、カルボキシル基、ウレタン基、
    アクリル基、アミノ基の1種以上を分子内に有する重合
    体の単体あるいは混和体を、乾燥重量で0.1〜5.0g/m2
    布したポリエステルフイルムを、ポリエステル樹脂フイ
    ルムの(結晶融解温度−50)℃〜(結晶融解温度+50)
    ℃の範囲内に加熱された金属板の片面あるいは両面にラ
    ミネートすることを特徴とする加工性に優れたポリエス
    テル樹脂被覆金属板の製造方法。
  4. 【請求項4】金属板の片面が、結晶融解温度が210〜250
    ℃であり、着色顔料を2〜20重量部含有したポリエステ
    ル樹脂層からなる請求項3記載の加工性に優れたポリエ
    ステル樹脂被覆金属板の製造方法。
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