JPH0779718B2 - α−アミラ−ゼの活性測定法 - Google Patents

α−アミラ−ゼの活性測定法

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JPH0779718B2
JPH0779718B2 JP11989187A JP11989187A JPH0779718B2 JP H0779718 B2 JPH0779718 B2 JP H0779718B2 JP 11989187 A JP11989187 A JP 11989187A JP 11989187 A JP11989187 A JP 11989187A JP H0779718 B2 JPH0779718 B2 JP H0779718B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なα‐アミラーゼ基質を用いたα‐アミラ
ーゼの活性測定法に関する。
(従来の技術) 膵液や尿などの体液に含有されるα‐アミラーゼの活性
を測定することにより、各種疾患の診断が行われてい
る。α‐アミラーゼの活性測定法には、例えばマルトオ
リゴ糖(マルトテトラオース、マルトペンタオース、マ
ルトヘサキオースなど)を基質とする方法がある。この
方法では、α‐アミラーゼ含有試料に該マルトオリゴ糖
とα‐グルコシダーゼとを作用させて基質からグルコー
スを遊離させ、グルコースの量を測定することにより、
α‐アミラーゼの活性値を知る。マルトオリゴ糖として
マルトペンタオースを用いた例を次に示す。
生成したグルコースは、例えば、グルコースオキシダー
ゼ/パーオキシダーゼ/色素系を利用する定量法;ヘキ
ソキナーゼ/ホスフオグルコムターゼ/グルコース‐6-
ホスフエートデヒドロゲナーゼ/NADH系を利用する測定
法などにより測定される。α‐グルコシダーゼはマルト
ペンタオースなどの四糖以上のオリゴ糖に作用しにくく
マルトースやマルトトリオースなどの三糖以下のオリゴ
糖に良好に作用するため、上記基質を使用してグルコー
スを測定することによりα‐アミラーゼの活性を測定す
ることができる。しかし、α‐グルコシダーゼはわずか
ではあるが基質であるマルトペンタオースに作用するた
め、測定のブランク値が上昇し、その結果、測定値の誤
差が大きくなるという欠点がある。α‐グルコシダーゼ
の基質分解作用のため、α‐グルコシダーゼと基質とを
一液化することは、試薬としての安定性が損なわれるた
め好ましくない。
マルトオリゴ糖の還元性末端にフエニル基、ナフチル
基、またはそれらの誘導体をアグリコンとして結合させ
た基質を用いる方法も提案されている。例えば、基質と
してp-ニトロフエニルマルトペンタオシド(特公昭57-5
3079号公報)、p-ニトロフエニルマルトヘキサオシド
(特公昭57-53079号公報)、p-ニトロフエニルマルトヘ
プタオシド(特開昭54-51892号公報)、2,4-ジクロロフ
エニルマルトペンタオシド(特開昭56-35998号公報)な
どが利用されている。これらの基質を用いると、アグリ
コンが遊離し、遊離したアグリコン、例えばp-ニトロフ
エノールを光学的に測定することにより、α‐アミラー
ゼの活性を容易に測定することができる。
代表的な基質を用いた場合の反応式を次に示す。
(1)p-ニトロフエニル‐α‐マルトペンタオシドを基
質とする場合 (2)2,4-ジクロロフエニル‐β‐マルトペンタオシド
を基質とする場合 上記(1)および(2)のいずれの方法においても、α
‐グルコシダーゼがわずかではあるが基質に作用するた
め、フランク値が上昇する欠点がある。α‐グルコシダ
ーゼの基質分解作用のため、前記グルコースを測定する
方法と同様にα‐グルコシダーゼと基質とを一液化する
ことは難しい。
このような欠点を解消するため、マルトオリゴ糖の非還
元性末端のグルコースの6位のヒドロキシル基が修飾さ
れたタイプの基質を用いる方法が提案されている。例え
ば、特開昭60-237998号公報には非還元性末端のグルコ
ースの6位のOH基を例えば、ハロゲン原子、‐OR、‐OC
OR、‐OSO2R、‐NHR(Rはアルキル、フエニル、ピリジ
ルなど)で置換し、還元性末端のグルコースに置換また
は未置換のフエニル基がアグリコンとして結合したマル
トオリコシドが基質として開示されている。非還元性末
端グルコースの6位のOH基が置換されているとα‐グル
コシダーゼによる基質の分解が起こらない。
しかし、このように6位のみに置換基が導入された基質
は、合成が困難であり、収率も悪いという欠点がある。
また特開昭60-54395号公報には非還元性末端のグルコー
スの4位および6位のOH基をアルキル基又はアルコイル
基又はフエニル基で置換し、還元性末端のグルコースに
アグリコンを結合させたマルトオリゴシドを基質として
用いることが開示されている。非還元性末端グルコース
の4位および6位のOH基が置換されているとα‐グルコ
シダーゼによる基質の分解が生じ難い。しかし、このよ
うな基質は、2つのOH基が置換されているため、水溶性
が悪く高濃度溶液の調製が不可能であり、α−アミラー
ゼ活性測定に十分な濃度を溶解することができないとい
う欠点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解消しようとするものであ
り、その目的とするところは、基質と追随酵素の一液化
条件において、α‐グルコシダーゼ等の追随酵素の作用
を受けず、合成が容易であり、かつ水溶性に優れた基質
を用いて体液中のα−アミラーゼ活性を精度よく簡単な
操作で測定する方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明は、非還元性末端グルコースの4位および6位の
ヒドロキシル基が修飾されたα‐フエニルマルトオリゴ
シドおよび/または非還元性末端グルコースの4位およ
び6位のヒドロキシル基が修飾されたβ‐フエニルマル
トオリゴシドである次式(I)で示される基質に、α‐
グルコシダーゼおよび/またはグルコアミラーゼおよび
必要によりβ‐グルコシダーゼの共存下でα‐アミラー
ゼ含有試料を作用させ、遊離するフエノール系化合物を
測定することを特徴とするα‐アミラーゼの活性測定法
である。
(式中、R1およびR2の少なくとも一方は水酸基、カルボ
キシル基又はスルホン酸基を有する炭素数1〜6の置換
アルキル基あるいは水酸基、ヒドロキシル基、又はスル
ホン酸基を有する置換フエニル基を示し、残された基は
水素、炭素数1〜6のアルキル基あるいはフエニル基を
示す。R3は置換又は未置換のフエニル基を示す。n=1
〜8である。) 本発明に用いる基質の骨格となるマルトオリゴ糖は3〜
10個の糖(式(I)のn=1〜8に相当)から形成され
る。マルトオリゴ糖としては、マルトトリオース、マル
トテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオ
ース、マルトヘプタオースなどがある。特にマルトテト
ラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、
マルトヘプタオースが好適である。
マルトオリゴ糖の非還元性末端グルコースの置換基であ
るR1およびR2は同一の基であつても異なる基であつても
よい。R1およびR2の少なくとも一方は水酸基、カルボキ
シル基又はスルホン酸基を有する炭素数1〜6の置換ア
ルキル基あるいは水酸基、ヒドロキシル基、又はスルホ
ン酸基を有する置換フエニル基であり、残された基は水
素、炭素数1〜6のアルキル基あるいはフエニル基を示
す。水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基は同一のア
ルキル基、又はフエニル基に置換してもよく、また複数
個置換してもよい。
このような置換アルキル基としては、ヒドロキシメチ
ル、スルホメチル、カルボキシメチル、ヒドロキシエチ
ル、スルホエチル、カルボキシエチル、ヒドロキシプロ
ピル、スルホプロピル、ヒドロキシブチル、スルホブチ
ル、カルボキシブチルなどがある。
置換フエニル基としては、4-ヒドロキシフエニル、4-ス
ルホフエニル、4-カルボキシフエニル、3-ヒドロキシフ
エニル、3-スルホフエニル、3-カルボキシフエニル、2-
ヒドロキシフエニル、2-スルホフエニル、2-カルボキシ
フエニル、2,4-ジヒドロキシフエニル、2,4-ジカルボキ
シフエニル、2,4-ジスルホフエニル、2-ヒドロキシ‐4-
カルボキシフエニル、2-ヒドロキシ‐スルホフエニル、
3,5-ジヒドロキシフエニル、3,5-ジカルボキシフエニ
ル、3,5-ジスルホフエニル、2,4,6-トリヒドロキシフエ
ニル、4-ヒドロキシメチルフエニル、4-スルホメチルフ
エニル、4-カルボキシメチルフエニル、4-ヒドロキシエ
チルフエニル、4-スルホエチルフエニル、4-カルボキシ
エチルフエニル、4-ヒドロキシプロピルフエニル、4-ス
ルホプロピルフエニル、4-カルボキシプロピルフエニ
ル、4-(2-ヒドロキシプロピル)フエニル、4-(2-スル
ホプロピル)フエニル、4-(2-カルボキシプロピル)フ
エニル、4-(2-ヒドロキシ‐3-スルホプロピル)フエニ
ル、4-(2-ヒドロキシ‐3-カルボキシプロピル)フエニ
ル、3-ヒドロキシメチルフエニル、3-スルホメチルフエ
ニル、3-カルボキシメチルフエニル、3-ヒドロキシエチ
ルフエニル、3-スルホエチルフエニル、3-カルボキシエ
チルフエニル、3-ヒドロキシプロピルフエニル、3-スル
ホプロピルフエニル、3-カルボキシプロピルフエニル、
3-(2-ヒドロキシプロピル)フエニル、3-(2-スルホプ
ロピル)フエニル、3-(2-カルボキシプロピル)フエニ
ル、3-(2-ヒドロキシ‐3-スルホプロピル)フエニル、
3-(2-ヒドロキシ‐3-カルボキシプロピル)フエニルな
どがある。
修飾マルトオリゴシドのアグリコンに相当するR3は置換
または未置換のフエニル基である。R3は還元性末端のグ
ルコースの1位のOH基にα型で結合していてもよく、β
型で結合していてもよい。
置換フエニル基とは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭
素原子数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基、ニトロ基などを有するフエニル基であ
る。このような基を形成しうる置換フエノール類として
は、例えばクロロフエノール、ジクロロフエノール、ヒ
ドロキシフエノール、アルキルフエノール、アルコキシ
フエノール、ヒドロキシ安息香酸、ニトロフエノール、
ハロゲン化ニトロフエノール、アルキル化ニトロフエノ
ール、アルコキシ化ニトロフエノール、ニトロ化ヒドロ
キシ安息香酸、ジニトロフエノールなどが挙げられる。
特に少なくとも1個のニトロ基を有するフエノール類、
例えば4-ニトロフエノール、2-クロロ‐4-ニトロフエノ
ール、2,6-ジクロロ‐4-ニトロフエノール、2,6-ジブロ
モ‐4-ニトロフエノール、2-ブロモ‐4-ニトロフエノー
ル、2-ニトロフエノール、2-ヒドロキシ‐4-ニトロフエ
ノール、3-ヒドロキシ‐4-ニトロフエノールなどが好適
である。
上記修飾α‐(またはβ‐)フエニルマルトオリゴシド
は新規化合物である。このような化合物としては、例え
ば次の化合物がある。〔 〕内は略称である。
(1)2-クロロ‐4-ニトロフエニル 4,6-0-{4-スルホ
ベンジリデン}‐0-α‐D-グルコピラノシル‐{(1→
4)‐0-α‐D-グルコピラノシル‐}3‐0-β‐D-グル
コピラノシド 〔4-スルホベンジリデン 2-クロロ‐4-ニトロフエニル
‐β‐マルトペンタオシド〕 (2)4-ニトロフエニル 4,6-0-{3,5-ジヒドロキシベ
ンジリデン}‐0-α‐D-グルコピラノシル‐{(1→
4)‐0-α‐D-グルコピラノシル‐}5‐0-α‐D-グル
コピラノシド 〔3,5-ジヒドロキシベンジリデン 4-ニトロフエニル‐
α‐マルトヘプタオシド〕 (3)2-クロロ‐4-ニトロフエニル 4,6-0-ヒドロキシ
イソプロピリデン‐0-α‐D-グルコピラノシル‐{(1
→4)‐0-α‐D-グルコピラノシル‐}3‐0-α‐D-グ
ルコピラノシド 〔ヒドロキシイソプロピリデン 2-クロロ‐4-ニトロフ
エニル‐α‐マルトペンタオシド〕 (4)2-クロロ‐4-ニトロフエニル 4,6-0-{3-ヒドロ
キシ‐4-カルボキシベンジリデン}‐0-α‐D-グルコピ
ラノシル‐{(1→4)‐0-α‐D-グルコピラノシル
‐}3‐0-α‐D-グルコピラノシド 〔3-ヒドロキシ‐4-カルボキシベンジリデン 2-クロロ
‐4-ニトロフエニル‐α‐マルトペンタオシド〕 (5)2-クロロ‐4-ニトロフエニル 4,6-0-{2-ヒドロ
キシ‐4-スルホベンジリデン}‐0-α‐D-グルコピラノ
シル‐{(1→4)‐0-α‐D-グルコピラノシル}‐0-
α‐D-グルコピラノシド 〔2-ヒドロキシ‐4-スルホベンジリデン 2-クロロ‐4-
ニトロフエニル‐α‐マルトペンタオシド〕 本発明の基質(I)は新規な化合物であり、化合物(I
I)にカルボニル化合物またはそのアセタール(III)を
反応させることによつて製造することができる。
上記反応は一般に非反応性溶媒中で行なわれ該非反応性
溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キサイド、エチレングリコールジメチルエーテル等が例
示され、必要により上記化合物(III)自体を溶媒とし
て用いる場合もある。反応温度は特に制限されないが、
通常0℃から溶媒の沸点までの範囲で行なうことが推奨
され、更に好ましい範囲は40〜100℃である。更に減圧
下還流加熱したり、あるいは副生アルコール類を蒸発除
去しながら反応させるのも効果的である。反応の促進の
ために触媒たとえば少量の純硫酸、塩酸ガス、p-トルエ
ンスルホン酸あるいは無水塩化亜鉛などが用いられるこ
ともある。
前記製造方法によれば、マルトオリゴ糖の非還元性末端
グルコース残基に環状アセタール保護基を選択的に結合
させることが可能である。長谷川らの糖環状アセタール
に関する研究報告〔Carbohyd.Res 29 209(1973)〕及
びその他の研究報告によれば単糖類のグルコースの4位
および6位のOH基に対し選択的に環状アセタールを結合
させる方法が発表されている。しかしより高分子量の該
置換フエニルマルトオリゴサイドについて非還元性末端
グルコース残基の4位又は6位のOH基に環状アセタール
を選択的に結合させる方法は全く新規な発明であつてそ
の有用性は大きい。
原料物質である核置換フエニルマルトオリゴシド(II)
は、核置換芳香族化合物とマルトオリゴ糖を通常の方法
に従つて合成する。化学的にはマルトオリゴ糖をアセチ
ル化し、このアセチル化マルトオリゴ糖と核置換芳香族
化合物を結合させた後、脱アセチル化することにより合
成できる(実験化学講座第24巻第304頁、1958年参
照)。生化学的にはサイクロデキストリン、グリコシル
トランスフエラーゼル置換芳香族化合物と可溶性デンプ
ン(またはα‐サイクロデキストリンまたは白色デキス
トリン)を反応させて、核置換フエニルマルトオリゴシ
ドを合成することができる。例えば、4-スルホベンジリ
デン 2-クロロ‐4-ニトロフエニル‐β‐マルトペンタ
オシドは2-クロロ‐4-ニトロフエニルマルトペンタオシ
ドに4-スルホベンズアルデヒドを作用させて得られる。
本発明に用いられるα‐グルコシダーゼの起源は、特に
限定されない。動物、植物、微生物などから得られるα
‐グルコシダーゼが利用され得る。特に、酵母起源のα
‐グルコシダーゼは、マルトトリオシド以下のグルコシ
ドによく作用し、かつマルトテトラオシド以上のグルコ
シドには作用しにくい点、およびアグリコンの特異性が
広い点から好適に利用されうる。
β‐グルコシダーゼおよびグルコアミラーゼの起源も特
に限定されない。例えば、アーモンドから得られるβ‐
グルコシダーゼやリゾプスデレマーから得られるグルコ
アミラーゼが好適に利用されうる。
本発明方法によりα‐アミラーゼの活性を測定するに
は、上記基質、α‐グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ
およびβ‐グルコシダーゼを適宜組み合わせた酵素系
(追随酵素系)、および必要に応じてその他の添加物を
含有する試薬にα‐アミラーゼを含む試料を作用させ
る。例えば、アグリコンがα型に結合した基質(α型基
質)を用いる場合には、追随酵素系としてはα‐グルコ
シダーゼおよび/またはグルコアミラーゼが使用され
る。アグリコンがβ型に結合した基質(β型基質)を用
いる場合には、追随酵素系としては、α‐グルコシダー
ゼおよび/またはグルコアミラーゼおよびβ‐グルコシ
ダーゼが使用される。
本発明方法による基質分解の反応式を4-スルホ‐ベンジ
リデン 2-クロロ‐4-ニトロフエニル‐α(またはβ)
‐マルトペンタオシドを例に挙げて説明する。
(1)4-スルホベンジリデン 2-クロロ‐4-ニトロフエ
ニル‐α‐マルトペンタオシドを基質とする場合 (2)4-スルホベンジリデン 2-クロロ‐4-ニトロフエ
ニル‐β‐マルトペンタオシドを基質とする場合 上記反応にて遊離したフエノール系化合物(上記例にお
いては2-クロロ‐4-ニトロフエノール)を適当な手段に
より測定することにより、α‐アミラーゼの活性を測定
することができる。遊離するフエノール系化合物が基質
とは異なるスペクトル吸収を示す場合には、反応混合物
のスペクトルを直接測定する。基質から遊離したフエノ
ール系化合物が基質とほぼ同じスペクトル吸収を示す場
合には、該フエノール化合物を呈色試薬、例えば4-アミ
ノアンチピリンなどの色原体と過酸化水素とをペルオキ
シダーゼの存在下に酸化縮合させ、その発色強度を測定
する。
フエノール系化合物の測定方法としては、α‐アミラー
ゼの反応を連続的に追跡するレート法又は一定時間反応
させた後、反応を止めて測定するエンドポイント法のい
ずれもが使用されうる。
本発明方法における酵素反応時には、グルコアミラーゼ
はα‐グルコシダーゼとほぼ同等の働きを有する。ただ
し、α‐グルコシダーゼがマルトトリオシド以下の低分
子グルコシドにはよく作用するが、マルトテトラオシド
以上のグルコシドには作用しにくいのに対して、グルコ
アミラーゼはマルトテトラオシド以上のグルコシドにも
作用する。例えば、基質としてマルトヘプタオシド以上
の高分子グルコシドを用いると、α‐アミラーゼの作用
によりマルトテトラオシド以上のグルコシドが生成する
ことがある。このようなマルトテトラオシド以上のグル
コシドは、α‐グルコシダーゼでは分解されにくいが、
グルコアミラーゼを用いるとグルコース単位にまで容易
に分解される。そのため測定系の感度が上昇する。α‐
グルコシダーゼおよびグルコアミラーゼを共存させた追
随酵素系が好適に利用される。
本発明方法によれば非還元性末端グルコースの4位およ
び6位のOH基が修飾されたα‐又はβ‐マルトオリゴシ
ドを基質として利用するため、α‐グルコシダーゼやグ
ルコアミラーゼなどの追随酵素系と基質を一液化した試
薬を調製、保存してもこれらの酵素が基質を分解するこ
とがほとんどない。そのため、試薬ブランク値の上昇が
抑制され、精度よくα‐アミラーゼ活性を測定すること
ができる。
本発明の基質は、式(I)で示される化合物のR1および
R2が水溶性基であり、水に対する溶解性が優れている。
また合成が容易であるため安価に提供され得る。本発明
方法は自動分析機を用いての連続測定も可能であり、簡
便かつ安価にα‐アミラーゼ活性の測定がなされうる。
(実施例) 以下に本発明を実施例で説明する。
実施例1および比較例1-1〜1-2 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml β‐グルコシダーゼ 10U/ml 基質(表1参照) 2mM 試薬調製直後、10分後、20分後および30分後にこの試薬
の400nmにおける吸光度を測定した(試薬3ml;37℃)。
吸光度の変化(ブランク値の経時変化)を表1に示す。
表1から、本発明方法に用いられる非還元性末端が修飾
された基質を含有する試薬は、非還元性末端が修飾され
ていない基質を含有する試薬に比べてブランク値が低
く、その経時的な上昇の度合も極めて小さいことがわか
る。
実施例2-1 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml グルコアミラーゼ 10U/ml 基質(表2参照) 2mM この試薬を用い、実施例1と同様に吸光度の変化を測定
した。次に、上記試薬3mlを試料血清50μlに添加し、3
7℃にて5〜6分間放置した後、400nmにおける吸光度の
変化を測定し、1分間あたりの吸光度の変化(アミラー
ゼ活性の指標となる)を算出した。試薬ブランク値の経
時変化および1分間あたりの吸光度の変化を表2に示
す。
実施例2-2 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml 基質(表2参照) 2mM この試薬を用い、実施例2-1と同様に操作を繰り返し
た。その結果を表2に示す。
比較例2 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml グルコアミラーゼ 10U/ml 基質(表2参照) 2mM この試薬を用い、実施例2-1と同様に操作を繰りかえし
た。その結果を表2に示す。
表2から、本発明試薬(実施例2-1、2-2)は非還元性末
端が修飾されていない基質を含有する試薬(比較例3)
に比べてブランク値が低く、その経時的上昇の度合も極
めて小さい。実施例2-1においてはグルコアミラーゼが
試薬中に含有されているため、実施例2-2に比べて測定
感度が高くなつているのが確認される。
実施例3-1〜3-3,および比較例3 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMPIPESバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml 基質(表3参照) 2mM この試薬を用い、実施例2-1と同様に操作を繰りかえし
た。その結果を表3に示す。
表3から、本発明試薬(実施例3-1〜3-3)は、非還元性
末端が修飾されていない基質を含有する試薬(比較例
3)に比べてブランク値が低く、その経時的な上昇の度
合も極めて小さい。
実施例4および比較例4-1〜4-2 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml β‐グルコシダーゼ 10U/ml 基質(表3参照) 2mM 試薬調製直後、10分後、20分後および30分後にこの試薬
の400nmにおける吸光度を測定した(試薬3ml:37℃)。
吸光度の変化(ブランク値の経時変化)を表4に示す。
表4から、本発明方法に用いられる非還元性末端が修飾
された基質を含有する試薬は、非還元性末端が修飾され
ていない基質を含有する試薬に比べてブランク値が低
く、その経時的な上昇の度合も極めて小さいことがわか
る。
実施例5-1 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml グルコアミラーゼ 10U/ml 基質(表4参照) 2mM この試薬を用い、実施例1と同様に吸光度の変化を測定
した。次に、上記試薬3mlを試料血清50μlに添加し、3
7℃にて5〜6分間放置した後、400nmにおける吸光度の
変化を測定し、1分間あたりの吸光度の変化(アミラー
ゼ活性の指標となる)を算出した。試薬ブランク値の経
時変化および1分間あたりの吸光度の変化を表5に示
す。
実施例5-2 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml 基質(表5参照) 2mM この試薬を用い、実施例2-1と同様に操作を繰り返し
た。その結果を表5に示す。
比較例5 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMグツドバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml グルコアミラーゼ 10U/ml 基質(表4参照) 2mM この試薬を用い、実施例2-1と同様に操作を繰り返し
た。その結果を表5に示す。
表5から、本発明試薬(実施例5-1〜5-2)は、非還元性
末端が修飾されていない基質を含有する試薬(比較例
5)に比べてブランク値が低く、その経時的な上昇の度
合も極めて小さい。実施例5-1においてはグルコアミラ
ーゼが試薬中に含有されるため、実施例5-2に比べて、
測定感度が高くなつているのが確認される。
実施例6-1〜6-3,および比較例3 下記組成の試薬を調製した。
試薬組成: 50mMPIPESバツフアー(pH7.0) α‐グルコシダーゼ 80U/ml 基質(表6参照) 2mM この試薬を用い、実施例2-1と同様に操作を繰りかえし
た。その結果を表6に示す。
表6から、本発明試薬(実施例6-1〜6-3)は、非還元性
末端が修飾されていない基質を含有する試薬(比較例
6)に比べてブランク値が低く、その経時的な上昇の度
合も極めて小さい。
(発明の効果) 本発明によれば、このように、特定の構造を有するα‐
フエニルマルトオリゴシドを基質として簡便かつ精度良
くα‐アミラーゼの測定が行われる。本発明に使用され
る基質は、水溶性が高く、追随酵素による分解を受けな
いのでα‐アミラーゼの測定が安定して、精度高く測定
できる。本発明方法を用いた体液中のα‐アミラーゼの
測定は、各種疾患の診断などに利用されうる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非還元性末端グルコースの4位および6位
    のヒドロキシル基が修飾されたα‐フエニルマルトオリ
    ゴシドおよび/または非還元性末端グルコースの4位お
    よび6位のヒドロキシル基が修飾されたβ‐フエニルマ
    ルトオリゴシドである次式(I)で示される基質に、α
    ‐グルコシダーゼおよび/またはグルコアミラーゼおよ
    び必要によりβ‐グルコシダーゼの共存下でα‐アミラ
    ーゼ含有試料を作用させ、遊離するフエノール系化合物
    を測定することを特徴とするα‐アミラーゼ活性測定
    法。 (式中、R1およびR2の少なくとも一方は水酸基、カルボ
    キシル基又はスルホン酸基を有する炭素数1〜6の置換
    アルキル基あるいは水酸基、ヒドロキシル基、又はスル
    ホン酸基を有する置換フエニル基を示し、残された基は
    水素、炭素数1〜6のアルキル基あるいはフエニル基を
    示す。R3は置換又は未置換のフエニル基を示す。n=1
    〜8である。)
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