JPH0779700A - 揚げ油製剤及びその使用方法 - Google Patents

揚げ油製剤及びその使用方法

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JPH0779700A
JPH0779700A JP6165619A JP16561994A JPH0779700A JP H0779700 A JPH0779700 A JP H0779700A JP 6165619 A JP6165619 A JP 6165619A JP 16561994 A JP16561994 A JP 16561994A JP H0779700 A JPH0779700 A JP H0779700A
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frying oil
oil
frying
fried
calcium
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JP6165619A
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Gendo Sawada
玄道 澤田
Takuji Asada
拓司 浅田
Hirohide Sakaguchi
博英 坂口
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Nippon Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shinyaku Co Ltd
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  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主に、揚げ物(油ちょう食品)の味や食感等
を維持しつつ調味料等の使用量を少なくすることができ
ると共に、揚げ物等の二次汚染を少なくすることができ
る揚げ油製剤を提供することにある。 【構成】 本発明の一つは、揚げ油に実質的に溶けず、
かつ揚げ油中で実質的に分解しない平均粒子径0.1 〜50
μmの食品添加物を含有することを特徴とする揚げ油製
剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揚げ油に実質的に溶け
ず、かつ揚げ油中で実質的に分解しない平均粒子径0.1
〜50μmの食品添加物を含有することを特徴とする揚げ
油製剤に関するものである。
【0002】ここで「揚げ油」とは、いわゆる揚げ種
(揚げる前の食品)を揚げる際に用いる食用油をいう。
「揚げ油製剤」とは、基本的には揚げ種を揚げる際に、
揚げ油に対して又は直接揚げ種を揚げるのに用いる製剤
をいう。「揚げ物」とは、揚げ油で揚げ種を揚げた後の
食品をいう。
【0003】
【従来の技術】フライ又はてんぷら等の揚げ物(油ちょ
う食品)は、味又は保存性等を向上させるため、揚げ種
のバッター(衣)やいわゆる種物(バッターで覆う食
品)に調味料や保存料、日持向上剤、酸味料等を含ませ
て作られる。しかし、この方法では、揚げ種中の調味料
等が揚げ種に含まれている水分と共に油中に一部漏出す
る。従って、従来の方法で例えば味を確保するために
は、漏出する分を前もって見込んだ上で多い目に調味料
等を含ませておかなければならない。
【0004】また適度な味や保存性等を得るためには、
揚げ物の表面に適当な量の調味料や保存料等が存在すれ
ばよい。たとえ揚げ物の内部に多くの調味料や保存料等
が存在していても、直接舌に触れる表面に存在する量が
少ないと一般に味を感じにくく、また油切り、冷却、包
装等といった二次加工の工程における二次汚染に対して
弱い。従来の方法では、上述のように特に表面に存在す
る調味料等が油中に漏出するので、揚げ物の表面のみに
適当な量の調味料や保存料等を含ませることが困難であ
る。従って、従来の方法で適度な味や保存性等を得るた
めには、必要以上に調味料等を含ませておかなければな
らないことになる。
【0005】以上のように、従来の方法で得られる揚げ
物は、不必要に調味料等を含んでいると考えられるの
で、健康上決して好ましいものとはいえない。例えば、
塩分の摂りすぎとなる危険性がある。
【0006】一方、従来から食用油にビタミンE等の酸
化防止剤やシリコン等の消泡剤等を含ませることがあ
る。しかし、酸化防止剤や消泡剤等を食用油に含ませる
のは、食用油の酸化防止等のためであり、決して揚げ物
の改質のためではない。また、ビタミンE等は短時間の
間に揚げ油中で熱によって分解してしまうので、食用油
にビタミンE等を添加されていても揚げ物のためである
ということはできない。
【0007】ところで最近、揚げ工程を終了した揚げ物
に対して、保存性を高めるためにエチルアルコールを噴
霧したり、エチルアルコールに溶ける成分(例えば、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルな
ど)を配合したエチルアルコール製剤を噴霧したりする
工夫が見られる。しかし、これらの方法で得られた揚げ
物は、衣の命ともいえる「クリスピィ」がなくなった
り、アルコール臭が残って味が悪くなったりしている。
保存性も十分なものではない。また、茹麺類、特に茹中
華麺類において、一本一本の麺が付着していわゆる団子
状態になることを防ぐために、麺類に食用油を練り混ん
だり、麺類の表面に食用油を噴霧したり、数秒間麺類を
食用油に浸漬したりする方法がとられている。そして、
これらの麺類についても保存性が悪いので、保存性を高
めるために揚げ物と同じようにエチルアルコールやその
製剤を噴霧することが行われている。しかし、麺類にエ
チルアルコールを噴霧することによって麺類中の蛋白質
が変性し、テクスチャーを悪くし、味も悪くしている。
保存性の向上も十分なものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
揚げ物(油ちょう食品)の味や食感等を維持しつつ調味
料や保存料等の使用量を少なくすることができると共
に、揚げ物等の二次汚染を少なくすることができる揚げ
油製剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、調味料や保存料等の食品添加物の微小な粒子を
揚げ油に含ませることによって、上記目的を達成しうる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0010】本発明は、揚げ油に実質的に溶けず、かつ
揚げ油中で実質的に分解しない平均粒子径0.1 〜50μm
(メジアン径)の食品添加物を含有する揚げ油製剤(以
下「本発明製剤」という)、及びこれを用いる揚げ物
(油ちょう食品)の製造方法等である。
【0011】本発明の要点は、実質的に揚げ油に溶け
ず、かつ揚げ油中で実質的に分解しない食品添加物を揚
げ油の方に添加すること、及びその食品添加物が微小な
粒子であるところにある。
【0012】以下、本発明を詳述する。本発明に係る食
品添加物としては、例えばわが国食品衛生法でいう食品
添加物、又は食塩のように添加物的に使われる食品を挙
げることができ、そのうち実質的に揚げ油に溶けず、か
つ揚げ油中で実質的に分解しない物であれば特に制限が
ない。実質的に揚げ油に溶ける物、又は揚げ油中で実質
的に分解する物は、一般的に揚げ油の劣化を促進するの
で好ましくない。本発明にかかる上記食品添加物として
は、例えば、調味料、酸味料、日持向上剤、pH調整剤、
栄養強化剤、保存料、甘味料、酸化防止剤、製造用剤な
どの中、130 ℃以上で実質的に揚げ油に溶けず、かつ12
時間経過しても実質的に揚げ油中で分解しない食品添加
物が適当であり、好ましくは180 ℃以上、より好ましく
は250 ℃以上で実質的に揚げ油に溶けず、かつ12時間経
過しても実質的に揚げ油中で分解しない食品添加物であ
る。
【0013】具体的には、フマル酸一ナトリウム、酢酸
ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリ
ウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウム、第二
リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、アスコルビ
ン酸ナトリウム、食塩、リジン塩酸塩、塩化カリウム、
塩化カルシウム、炭酸カルシウム、焼成カルシウム、プ
ロピオン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カル
シウム、硫酸カルシウム、ε−ポリリジン、鉄類(例え
ば、塩化第二鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二
鉄、乳酸鉄等)などを挙げることができる。
【0014】本発明に係る食品添加物は、食品添加物の
種類にもよるが、できる限り微小な粒子であることが望
ましい。具体的には平均粒子径0.1 〜50μmの粒子が適
当でり、好ましくは平均粒子径0.5 〜20μmの粒子、よ
り好ましくは平均粒子径1〜5μmの粒子である。平均
粒子径が0.1 μmより小さくても本発明の目的を十分に
達成することができる。平均粒子径が50μmより大きい
ものは、食品添加物が揚げ油中でうまく分散されず沈殿
したり、揚げ物に均一に固着しなかったりするおそれが
あり、また揚げ物の見栄えが悪かったり、揚げ物を食べ
る際に異物感を感じたりするおそれがあるので好ましく
ない。
【0015】本発明製剤としては、本発明に係る食品添
加物が食用油に分散しているもの(懸濁製剤)、本発明
に係る食品添加物を適当な揚げ油中で溶解又は崩壊する
もので包んだもの(封入製剤)、本発明に係る食品添加
物を適当に固めたもの(錠剤)、微粉砕された本発明に
係る食品添加物そのもの又は適当な賦形剤を混ぜたもの
(粉末製剤)などを挙げることができる。
【0016】本発明に係る懸濁製剤について説明する。
この懸濁製剤中の食品添加物の濃度には特に制限がな
い。具体的には0.01〜60(w/w)%が適当であり、好まし
くは10〜40(w/w)%、より好ましくは15〜30(w/w)%で
ある。0.01(w/w)%より少ないものを揚げ油としてその
まま用いても濃度が薄すぎるために本発明の効果が十分
に得られないおそれがある。60(w/w)%より多い場合
は、同一又は異なる食用油で薄めれば十分に使用するこ
とができる。
【0017】食用油としては、一般に揚げ物用として油
ちょう食品の製造に使用されているものであれば特に制
限はない。具体的には、大豆油、菜種油、コーン油、オ
リーブ油、綿実油、胡麻油、落花生油、カラシ油、パー
ム油、米糠油等を挙げることができる。これら二種以上
の食用油が混ざっている油であってもよい。十分に本発
明の目的を達成することができる。
【0018】本発明に係る懸濁製剤は、食品添加物を食
用油とともに湿式法にて前記平均粒子径になるまで粉砕
することによって得ることができる。粉砕は、一般的な
媒体攪拌粉砕法、衝撃剪断粉砕法等による機械を用いて
行うことができる。湿式粉砕を行う場合の食用油に対す
る食品添加物の濃度については特に制限はないが、0.01
〜60(w/w)%が適当であり、好ましくは15〜30(w/w)%
である。0.01(w/w)%より少なくても製造することはで
きるが、得られた製剤を揚げ油としてそのまま用いて揚
げ物を揚げても、濃度が薄すぎるために本発明の効果が
十分に得られないおそれがある。60(w/w)%より多いと
流動性が低すぎて粉砕が困難となるおそれがある。粉砕
された食品添加物の粒子径は、レーザー回折/散乱法等
により測定することができる。
【0019】上記湿式粉砕の結果得られるそのものが本
発明製剤であり、また、これを同一又は異なる食用油で
適当に薄めたものも本発明製剤に含めることができる。
また、本発明に係る懸濁製剤は、ジェット粉砕法等によ
る機械を用いて食品添加物を前記平均粒子径になるまで
乾式粉砕し、これを食用油に分散又は懸濁させて製造す
ることができる。また、ジェット粉砕法等による機械を
用いて食品添加物を適当なところまで乾式粉砕し、これ
を食用油に分散又は懸濁させ、その後食品添加物を前記
平均粒子径になるまで湿式粉砕して製造することもでき
る。
【0020】本発明に係る懸濁製剤は、そのまま又は適
当に同一又は異なる食用油で薄めて使用することができ
る。その際、必要であれば攪拌機等で攪拌することがで
きる。
【0021】本発明に係る封入製剤は、上記湿式粉砕、
又は乾式粉砕して得られた本発明に係る食品添加物をそ
のまま、又は適当な賦形剤と共にゼラチン等のカプセル
に封入して製造することができる。
【0022】本発明に係る錠剤は、上記乾式粉砕して得
られた本発明に係る食品添加物を常法により製造するこ
とができる。
【0023】本発明に係る封入製剤、錠剤、粉末製剤
は、揚げ種を揚げる前に、又は揚げている途中に入れて
使用することができる。なお、本発明に係る封入製剤、
錠剤、粉末剤を揚げ油に添加する際、必要に応じてプロ
ペラ型攪拌機、タービン型攪拌機、櫂型攪拌機等の攪拌
機で攪拌することができる。攪拌は、これらの製剤が揚
げ油中で分散しにくい場合に有効である。
【0024】本発明製剤は、チキンナゲット、コロッ
ケ、ドーナツ、カツ、てんぷら、唐揚げ、揚げ菓子、揚
げパン等の揚げ物(油ちょう食品)、茹中華麺類等の茹
麺などに用いることができる。
【0025】本発明製剤は、そのまま若しくは本発明製
剤に用いられている食用油と同一若しくは異なる食用油
で適当に希釈して又は揚げ油に投入分散して通常の方法
で揚げ種を揚げ、上記揚げ物を製造することができる。
かかる場合、揚げ油に対する食品添加物の量は、揚げ物
の種類、食品添加物の種類、揚げ油の種類、揚げ油製剤
の形態、食品添加物の平均粒子径等により異なるが、揚
げ油に対して0.01〜5(w/w)%が適当である。好ましく
は0.01〜1(w/w)%、より好ましくは0.01〜0.5 (w/w)
%である。0.01(w/w)%より少ない濃度で揚げ物を揚げ
ても、濃度が薄すぎるために本発明の効果が十分に得ら
れないおそれがある。5%より多いと、味、食感ともに
悪くなるおそれがある。
【0026】また本発明製剤は、そのまま若しくは本発
明製剤に用いられている食用油と同一若しくは異なる食
用油で適当に希釈したもの又は食用油に投入分散したも
のに茹麺を浸漬することができる。これにより、茹麺の
保存性を向上させることができると共に、茹麺のいわゆ
る団子状態を防止することができる。かかる場合、食用
油に対する食品添加物の量は、茹麺の種類、食品添加物
の種類、食用油の種類、揚げ油製剤の形態、食品添加物
の平均粒子径等により異なるが、食用油に対して0.01〜
10(w/w)%が適当である。好ましくは0.1 〜5.0 (w/w)
%、より好ましくは0.5 〜1.0 (w/w)%である。0.01
(w/w)%より少ない濃度のもので茹麺を浸漬しても、濃
度が薄すぎるために本発明の効果が十分に得られないお
それがある。
【0027】更に本発明製剤は、そのまま若しくは本発
明製剤に用いられている食用油と同一若しくは異なる食
用油で適当に希釈したもの又は本発明製剤を食用油に分
散させたものを、揚げた後の揚げ物又は茹麺の表面に適
当な方法で噴霧することができる。これによっても本発
明の効果を十分に得ることができる。かかる場合、食用
油に対する食品添加物の量は、揚げ物や茹麺の種類、食
品添加物の種類、食用油の種類、揚げ油製剤の形態、食
品添加物の平均粒子径等により異なるが、食用油に対し
て0.01〜10(w/w)%が適当である。好ましくは0.1 〜5.
0 (w/w)%、より好ましくは0.5 〜1.0 (w/w)%であ
る。0.01(w/w)%より少ない濃度のものを揚げ物や茹麺
に噴霧しても、濃度が薄すぎるために本発明の効果が十
分に得られないおそれがある。10%より多いと、味、食
感ともに悪くなるおそれがある。
【0028】
【発明の効果】上記のように本発明製剤を用いると、揚
げ物の表面や茹麺の表面を本発明に係る食品添加物の微
粒子でほぼ均一に覆うことができる。従って、従来より
も少ない量の食品添加物で従来と同等の味や保存性等を
確保することができる。また茹麺においては、同時にい
わゆる団子状態も防ぐことができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例、比較例及び試験例に
より更に詳しく説明する。以下の%表示は、すべて重量
(w/w)%を示し、平均粒子径はメジアン径で示した。
【0030】実施例1 下記に示す処方1のうち、大豆油とコーン油とをまず混
合し、そこへフマル酸一ナトリウム(平均粒子径230 μ
m )を分散させた。その混合物を媒体攪拌粉砕機(コボ
ールミル(Coball Mill )MS−18型 神鋼パンテッ
ク社製)を用いてフマル酸一ナトリウムの平均粒子径が
3μm (10μm 以下の粒子数が99.9% 以上)になるまで
粉砕処理し、本発明製剤を得た。なお、フマル酸一ナト
リウムの粒度については、株式会社堀場製作所製の「レ
ーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−700」で確
認した。
【0031】 処方1 フマル酸一ナトリウム 20% (平均粒子径230 μm →3μm ) 大豆油 65% コーン油 15%
【0032】実施例2 下記に示す処方2のうち、大豆油とコーン油とをまず混
合し、そこへ食塩(平均粒子径300 μm )を分散させ
た。その混合物を媒体攪拌粉砕機(コボールミル(Coba
ll Mill )MS−18型 神鋼パンテック社製)を用い
て食塩の平均粒子径が3μm (10μm 以下の粒子数が9
9.9% 以上)になるまで粉砕処理し、本発明製剤を得
た。なお、食塩の粒度については、株式会社堀場製作所
製の「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−70
0」で確認した。
【0033】 処方2 食塩 30% (平均粒子径300 μm →3μm ) 大豆油 60% コーン油 10%
【0034】実施例3 フマル酸一ナトリウム(平均粒子径230 μm )を超音速
ジェット粉砕機(P.J.M.-NC 型 日本ニューマチック工
業社製)を用いて10μm 以下の粒子数が99.9%以上でか
つ平均粒子径が3μm になるまで粉砕した。そして、そ
の粉砕物を大豆油とコーン油との混合油中に分散し、本
発明製剤を得た。なお、フマル酸一ナトリウムの粒度に
ついては、株式会社堀場製作所製の「レーザ回折/散乱
式粒度分布測定装置LA−700」で確認した。
【0035】 処方3 フマル酸一ナトリウム 20% (平均粒子径230 μm →3μm ) 大豆油 65% コーン油 15%
【0036】実施例4 食塩(平均粒子径300 μm )を超音速ジェット粉砕機
(P.J.M.-NC 型 日本ニューマチック工業社製)を用い
て10μm 以下の粒子数が99.9% 以上でかつ平均粒子径が
3μm になるまで粉砕した。そして、その粉砕物を大豆
油とコーン油との混合油中に分散し、本発明製剤を得
た。なお、食塩の粒度については、株式会社堀場製作所
製の「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−70
0」で確認した。
【0037】 処方4 食塩 30% (平均粒子径300 μm →3μm ) 大豆油 60% コーン油 10%
【0038】実施例5 実施例1の本発明製剤を、天ぷら鍋に入れた揚げ油(サ
ラダ油)に対して0.5%添加し、攪拌した。そして、揚げ
油の温度を160 ℃にし、下記に示すチキンナゲットを5
分間かけて揚げた。 (油ちょう前のチキンナゲット処方) バッター(衣) 種物 水 58% 鳥むね肉ミンチ 100% 薄力粉 16% 強力粉 14% 卵白 12% 種物 30g バッター 5g
【0039】実施例6 実施例2の本発明製剤を、天ぷら鍋に入れた揚げ油(サ
ラダ油)に対して1.0%添加し、攪拌した。そして、実施
例5と同様にチキンナゲットを揚げた。
【0040】実施例7 実施例3の本発明製剤を、天ぷら鍋に入れた揚げ油(サ
ラダ油)に対して0.5%添加し、攪拌した。そして、実施
例5と同様にチキンナゲットを揚げた。
【0041】実施例8 実施例4の本発明製剤を、天ぷら鍋に入れた揚げ油(サ
ラダ油)に対して1.0%添加し、攪拌した。そして、実施
例5と同様にチキンナゲットを揚げた。
【0042】実施例9 実施例3に示したフマル酸一ナトリウムの粉砕物を、天
ぷら鍋に入れた揚げ油(サラダ油)に対して0.1%添加
し、攪拌した。そして、実施例5と同様にチキンナゲッ
トを揚げた。
【0043】実施例10 実施例4に示した食塩の粉砕物を、天ぷら鍋に入れた揚
げ油(サラダ油)に対して0.3%添加し、攪拌した。そし
て、実施例5と同様にチキンナゲットを揚げた。
【0044】実施例11 平均粒子径 300μm の酢酸ナトリウム(無水)、平均粒
子径 300μm のグリシン、及び平均粒子径 300μm のメ
タリン酸ナトリウムを大豆油に分散し、その混合物を媒
体攪拌粉砕機(コボールミル(Coball Mill )MS−1
8型 神鋼パンテック社製)を用いて酢酸ナトリウム、
グリシン及びメタリン酸ナトリウムの平均粒子径が3μ
m (10μm 以下の粒子数が99.9% 以上)になるまで粉砕
処理し、本発明製剤を得た。なお、酢酸ナトリウム、グ
リシン及びメタリン酸ナトリウムの粒度については、株
式会社堀場製作所製の「レーザ回折/散乱式粒度分布測
定装置LA−700」で確認した。
【0045】 処方1 酢酸ナトリウム 17.5% (平均粒子径300 μm →3μm ) グリシン 5.9% (平均粒子径300 μm →3μm ) メタリン酸ナトリウム 5.9% (平均粒子径300 μm →3μm ) 大豆油 70.7%
【0046】比較例1 対照A 実施例5に示すチキンナゲット処方のバッター(衣)中
に実施例1の本発明製剤を5%添加し、そのバッターで
種物(鳥むね肉ミンチ)を覆い、160 ℃の揚げ油(サラ
ダ油)で5分間揚げ、その後常法に基づき油切りを行
い、チキンナゲット(対照A)を得た。
【0047】比較例2 対照B 実施例5に示すチキンナゲット処方のバッター(衣)中
に実施例1に示した処方中のフマル酸一ナトリウム(平
均粒子径230 μm )を1%添加し、そのバッターで種物
(鳥むね肉ミンチ)を覆い、160 ℃の揚げ油(サラダ
油)で5分間揚げ、その後常法に基づき油切りを行い、
チキンナゲット(対照B)を得た。
【0048】比較例3 対照C 実施例5に示すチキンナゲット処方のバッター(衣)中
に実施例2の本発明製剤を4%添加し、そのバッターで
種物(鳥むね肉ミンチ)を覆い、160 ℃にした揚げ油
(サラダ油)で5分間揚げ、その後常法に基づき油切り
を行い、チキンナゲット(対照C)を得た。
【0049】比較例4 対照D 実施例5に示すチキンナゲット処方のバッター(衣)中
に実施例4に示した処方中の食塩(平均粒子径300 μm
)を1.2 %添加し、そのバッターで種物(鳥むね肉ミ
ンチ)を覆い、160 ℃にした揚げ油(サラダ油)で5分
間揚げ、その後常法に基づき油切りを行い、チキンナゲ
ット(対照D)を得た。
【0050】試験例1 pHの比較 本発明方法で得られた実施例5のチキンナゲットと対照
A及びBのチキンナゲットの表面及び全体のpHを測定
した。試験は、実施例5、対照A及び対照Bのチキンナ
ゲット各1個をそれぞれ315gの蒸留水の中に入れ、1分
後に取り出しその水のpHを測定することによって行っ
た。この時のpHを便宜的に表面pHとした。続いて各
チキンナゲットを蒸留水中に戻し、砕いて均一な懸濁液
とし、そのpHを測定した。この時のpHを便宜的に全
体pHとした。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】対照A、対照BのチキンナゲットのpH
は、実施例5のチキンナゲットのpHと比較すると、全
体pHは低いにも関わらず、表面pHは高くなってい
る。このことは、対照A、対照Bの表面にあるフマル酸
一ナトリウムが油ちょう工程中に、揚げ油に漏出したも
のと考えられる。一方、実施例5のチキンナゲットの表
面には、フマル酸一ナトリウムが局在していると考えら
れる。
【0053】試験例2 保存性試験(1) 無添加、実施例5、対照A、及び対照Bの各チキンナゲ
ットを油切り後、3時間調理室に放置し、直ちに各チキ
ンナゲットを常法に基づき一般生菌数を測定した。これ
を初発の一般生菌数とした。また、3時間調理室に放置
した各チキンナゲットのその後の経時的な一般生菌数を
求めるため、それらをそれぞれ無菌シャーレに入れ、30
℃の恒温器(柳本製作所社製、B-2A)に保存した。そし
て常法に基づき経時的に一般生菌数を測定した。結果を
表2に示す
【0054】
【表2】
【0055】それぞれ、調理室に3時間放置させること
によって二次汚染が生じ、無添加のチキンナゲットでは
36時間で腐敗臭が発生した。一方、実施例5のチキンナ
ゲットは、72時間後でも菌数は2.3 ×105(CFU/g)と低
く、十分に食することができた。従来の方法で保存効果
を持たせた対照Bのチキンナゲットは、48時間で腐敗臭
が発生し、食することができない状態となった。対照A
のチキンナゲットについても表2に示す如く、対照Bの
チキンナゲットと同様の結果であった。これらの結果は
試験例1のチキンナゲットの表面pHからも裏付けられ
る。
【0056】試験例3 塩味の強度比較(1) 本発明方法で得られた実施例6のチキンナゲット及び対
照Cのチキンナゲットに関し、塩味の強度比較をパネル
20名で実施した。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】表3から明らかなように、実施例6のチキ
ンナゲットは、対照Cのチキンナゲットより十分塩味を
示すことが判明した。
【0059】試験例4 塩味の強度比較(2) 本発明方法で得られた実施例6のチキンナゲット及び対
照Dのチキンナゲットに関し、塩味の強度比較をパネル
20名で実施した。結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】表4から明らかなように、実施例6のチキ
ンナゲットは、対照Dのチキンナゲットより十分塩味を
示すことが判明した。
【0062】試験例5 保存性試験(2) 下記の麺処方で「混合工程→圧延工程→切り出し工程→
茹で工程」というように常法に基づき作った茹麺に、実
施例11の本発明製剤を大豆油に10%分散したものを30
秒間噴霧した。そして、対照F、Gとともに常法に基づ
き一般生菌数を経時的に追求した。その結果を表5に示
す。
【0063】 (麺の処方) 小麦粉(強力粉) 43.0% 小麦粉(薄力粉) 26.0% 全卵 18.6% 食塩 2.0% 水 10.4% 対照F:茹麺に大豆油のみを30秒間噴霧したもの。 対照G:茹麺に70%エチルアルコールを30秒間噴霧した
もの。
【0064】
【表5】
【0065】表5から明らかなように、本発明製剤を茹
麺に噴霧したものは、対照F又はGを噴霧したものより
も1/100程度一般生菌数が抑えられた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揚げ油に実質的に溶けず、かつ揚げ油中
    で実質的に分解しない平均粒子径0.1 〜50μmの食品添
    加物を含有することを特徴とする揚げ油製剤。
  2. 【請求項2】 食品添加物が、調味料、酸味料、日持向
    上剤、pH調整剤、栄養強化剤、保存料、甘味料、酸化防
    止剤及び製造用剤からなる群から選択される一つ以上で
    ある請求項1記載の揚げ油製剤。
  3. 【請求項3】 食品添加物が、フマル酸一ナトリウム、
    酢酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナ
    トリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウ
    ム、、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、
    アスコルビン酸ナトリウム、食塩、リジン塩酸塩、塩化
    カリウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、焼成カル
    シウム、プロピオン酸カルシウム、クエン酸カルシウ
    ム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、、塩化第二鉄、
    ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、ε−ポリリジン
    及び乳酸鉄からなる群から選択される一つ以上である請
    求項1記載の揚げ油製剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の揚げ油製剤をその
    まま又は希釈して揚げ種を揚げることを特徴とする揚げ
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 揚げ物又は茹麺に請求項1乃至3記載の
    揚げ油製剤を噴霧することを特徴とする請求項1乃至3
    記載の揚げ油製剤の使用方法。
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