JPH0779524A - マトリックス演算を使った系統保護装置 - Google Patents

マトリックス演算を使った系統保護装置

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JPH0779524A
JPH0779524A JP5258825A JP25882593A JPH0779524A JP H0779524 A JPH0779524 A JP H0779524A JP 5258825 A JP5258825 A JP 5258825A JP 25882593 A JP25882593 A JP 25882593A JP H0779524 A JPH0779524 A JP H0779524A
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accident
matrix
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accident point
equation
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Koichi Tsuji
浩一 辻
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 この発明は電力系統の事故時の電圧・電流
の関係をキルヒホッフの第1、第2法則で定式化し、こ
の非線形連立方程式をコンパクトなマトリックスに変換
し、事故地点と事故点抵抗をニュートン・ラフソン法に
よって求めるデイジタル形系統保護装置に関するもので
ある。 【構 成】 送電線の片端子又は各端子に取り付けられ
た電圧・電流を検出する変成器PT、変流器CTと非検
出端ノードの発電機・負荷の事前値を送る情報伝送装置
と、更にそれらの検出データをもとに事故点と事故点抵
抗を演算する演算処理装置から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、送電線、配電線、変
電所などの電力系統ならびに、需要家構内の電気設備に
事故が発生した場合に事故地点と事故点抵抗を高速に特
定し、事故区間を切断すると共に、事故原因を推定し事
故復旧の迅速化と保守の省力化に寄与するための系統保
護装置に関する。
【従来の技術】系統保護用として、従来のメカ形リレー
をデイジタル化した装置が実用に供されており、それら
の方式には次のようなものもある。 ア)電流差動方式 イ)方向比較方式 ウ)距離継電方式 エ)回線選択継電方式 オ)過電流継電方式 カ)電流差動母線保護方式 キ)変圧器用比率差動方式 これらの動作原理はノードの電流和が零となるキルヒホ
ッフの第1法則か、あるいは電圧降下の関係を表すキル
ヒホッフの第2法則かのいずれか一方によっている。適
用する保護方式は対象とする電力系統によって様々であ
り、運用・保守も方式に左右されている。更にまた、保
護リレーは事故区間判定を目的としており、事故復旧操
作や保守に必要な事故地点と事故原因の推定は別に設け
たフォルトロケーターに依存している。
【従来の課題】 (1)保護方式の種類が多く高価である。 送電線の保護リレーの種類が多く、適用する電力系統の
電圧階級、中性点接地方式などによって方式が異なり、
大量生産による価格低減効果が少ない。又方式によって
運用・保守も異なり、人間系の対応も複雑となってい
る。 (2)保護精度の不足 動作原理から保護上、誤動作誤不動作を許容しなければ
ならない例に次のようなものがある。 ア)2回線またがり事故 イ)微地絡事故 ウ)零相循環電流 エ)距離リレーの進み相オーバーリーチ (3)保護しゃ断時間 事故地点検出の誤差が保護区間の15%程度は避けられ
ず、直列しゃ断となるケースがあり、瞬時電圧低下継続
時間が長くなる。 (4)再閉路の失敗 送電線事故の90%は自動再閉路で送電が成功するた
め、一律に実施されている。しかしながら、ギャロッピ
ング現象や他物接触など失敗することもあり、この時無
用な衝撃を電力系統に与えている。 (5)系統事故が発生した場合、事故区間の切断だけで
はすまず、停電を早期に復旧する操作や保守があとに続
いている。事故地点を特定するために、リレーと同様な
PT、CT情報を利用するフォルトロケーターが別に設
けられており、リレーとロケーターの一体化が求められ
ている。
【課題を解決するための手段】本発明による系統保護装
置は、事故に関係するなるべく多くの情報を活用するこ
とを意図し、遠隔端子の発電機出力、負荷のテレメータ
ー値と送配電線の電圧・電流データを収集し、事前の系
統状態を等価回路で定式化する。次に各線の線路定数を
使い、事故区間と健全区間にキルヒホッフの第1、第2
法則を適用し、事故現象を定式化する。この非線形連立
方程式の演算を高速化するため、変数を適切に組合せ、
マトリックス要素を定数とし、事故点の位置と抵抗だけ
を変数とするコンパクトなマトリックスに変換し、ニュ
ートン・ラフソン法によって、方程式を解いている。定
数マトリックスは事前に定周期で計算し、記憶してお
き、事故時はPT、CTの値に関係する部分だけの演算
処理を行う。
【作 用】
1.従来の保護継電方式は適用する電力系統の電圧階級
や中性点接地方式によって動作原理が異なっていたが、
各線の事故現象をキルヒホッフの第1、第2法則で定式
化し、マトリックス演算することによりアルゴリズムを
統一できる。 2.従来、事故特定の誤差原因となっていた事故点抵抗
を事故地点と同時に求めることにより、保護リレー、フ
ォルトロケーター、事故区間判定の機能を一体化した装
置の製作が可能である。 3.事故前の発電機や負荷の状態を入力し、事故に関係
するノード、ブランチを厳密に定式化することによっ
て、事故特定の精度が向上するため、従来、問題のあっ
た多端子送電線、重負荷送電線、併架多回線送電線等の
保護に適用できる。 4.非線形連立方程式をコンパクトなマトリックスに変
換することによって、演算時間を5msec程度に短縮
できるので、事故しゃ断の高速化が図られる。 5.2回線にまたがる多相事故を送電線の片端情報から
特定でき、また事故原因の推定から無用な再閉路失敗を
回避できるなど、新しい機能が期待できる。 6.新しく実現した機能としては、次のものがある。 1) 中性点抵抗接地系の1回線1線地絡事故に対し、
事故点を特定できる。 2) 保護区間外の遠隔地点の事故点を特定できるので
リモートバックアップの機能を持つことができる。 3) 事故点の抵抗を検出することによって、事故原因
を推定できるので、再閉路の制御を行うことができる。
【実施例】
1.事故様相の定式化 事故様相特定の理論はキルヒホッフの第一、第二法則を
使って事故現象を定式化し、この非線形方程式から事故
点の位置と事故点の抵抗値を求めるものであるが,この
理論が広い分野で一般的に適用できるようマトリックス
の表現と解法にいくつかの工夫をしている。図1は三相
交流2回線送電線の3端子系統構成を示したもので理解
しやすいように、以下この系統構成を対象に記述する。
送電線の接続点から接続点までを区間と呼び、図1は3
区間で構成されているとする。送電線の亘長上におい
て、短絡・地絡などの事故が発生したときに、事故区間
と事故点と事故点抵抗を算出する。電気所の母線には発
電機、負荷が接続されるが送電線の分岐点には接続され
ない。本例では区間1の母線1側の情報を取り込むよう
PT、CTが配置されている。事故様相特定理論では複
数地点の同時事故は考慮せず(両端計測方式では解ける
が地点多重事故は極めて少ない)、いずれかの区間の一
ヶ所とする。分岐点の近くで事故が発生した場合事故区
間を判定できないことがあるので、各区間で事故がある
と仮想し事故点の位置をそれぞれ求めることとする。 <1・1> 事故区間におけるキルヒホッフの式 一つの区間を各相毎に表示したのが図2である。1号
線、2号線にまたがる事故が発生するので、相をNO1
〜NO6により表示する。送電線の送受端子の電圧、電
流に添え字S、Rを付け表示してある。kは事故点まで
の距離で全長を1とおいた割合によって示してあり、S
端子至近端事故のときk=0である。Rf(1)〜 R
f(6)は、各相の事故点抵抗であり、Uは鉄塔の電
位で、Zは塔脚インピーダンスである。Zij送電線
の相互インピーダンスである。これらの諸元で事故区間
の電圧、電流の関係を定式化すると(1)〜(5)とな
る。ここで変数V、I、Zij、Zは複素数で、k、
は実数である。 事故地点の各線の電圧Vf(i)は(3)式となる。 各線の対地充電容量をπ型等価回路でY(i)するとキ
ルヒホッフの第一法則から(6)〜(8)式が成立す
る。 Is(i)= Hs(i)+ Y(i)s(1) ・・・・・・(6) IR(i)= HR(i)+ Y(i)R(i) ・・・・・・(7) If(i)= Hs(i)+ HR(i) ・・・・・・(8) 以上の(1)〜(8)の式を変数を共通にしてマトリッ
クス表現すると(9)式となる。これを更に対角行列に
変換すると(10)式となる。(10)式で送電線の両
端電流Is(i)、IR(i)が、両端の電圧V
s(i)、VR(i)と事故点電流If(i)の関数と
して表せることがわかる。マトリックスの要素に変数を
入れないように(1−k)IをI−kIに分割す
ると、F、Fの部分の式は(11)式となる。区間
毎の線路インピーダンスと対地充電容量が与えられる
と、(11)式は一義的に決まるものである。 <1・2> 発電機と負荷の模擬 各ノードにキルヒホッフの第一法則を適用するため、事
故前のテレメーター値あるいは推定値を使い発電機と負
荷を等価回路で定式化する。 (1)事前潮流計算 図1で発電機出力と負荷の値がそれぞれW、Wで与
えられ、計測端の電圧、電流が与えられた場合、遠隔端
子のノード電圧は三相潮流計算で求めることができる。
さらに、この電圧W、Wとから、負荷と発電機の等
価回路を次のように求める。 (2)発電機の等価回路 発電機を3相対象内部誘起電圧(E,E,E)と
直列インピーダンスZで表すと、発電機端子電圧(V
,V,V)と相電流(I,I,I)の関係
は(12)式の通りとなる。 ここでY=1/Zまたa,b,c相は3相平衡であ
るとする。(12)式の内部誘起電圧Eとインピーダ
ンスZは次の2点を満足するように設定する。 ・事故前の発電機出力がW= P+jQであるこ
と ・発電機の至近端事故での故障電流が発電機の次過渡リ
アクタンスで短絡されたものに等しいこと。 一般に事故前の端子電圧をVG0とすると内部誘起電圧
G0発電機の次過渡リアクタンスは運転状態に関係ないので
=1/jXd”は一定で(12)式の第2項は定数
マトリックスに組み込むことができる。第1項は事故前
に(14)式で計算する。 (3)負荷の等価回路 負荷の電圧特性は通常定インピーダンス特性、定電流特
性、定電力特性に分類されている。全国的調査結果によ
ると定電力特性60%、定インピーダンス特性40%の
割合であることがわかっており、ここではその中間の定
電流特性を採用することとする。事故前の負荷をW
電圧をVL0とすると、負荷Iは、 で表される。各相の電流は(17)式となる。 <1・3>各区間マトリックスの統合 図1の3端子送電線を例にしてマトリックスを統合し、
全系の電圧・電流の関係を定式化する。 (イ)キルヒホッフの第2法則 (11)式を各区間に適用すると(18)式のF
2−ndの部分となる。 (ロ)キルヒホッフの第1法則 ノード1は計測端であるので除き、その他のノードにつ
いてキルヒホッフの第一法則を適用するとF1−st
部分の式となる。右辺のI、Iは前節の式から求め
るもので運用状態によって変化する可変部分である。 (ハ)電圧等式 送電線の分岐点あるいは電気所の母線で送電線は接続さ
れる。一方ここでは送電線の両端電圧は区間毎、個別の
変数として扱っているので区間接続の式が必要になる。
(18)式のFVEQの部分となる。 (ニ)PT、CT計測値の式 図1で母線の電圧はPTで送電線の電流はCTで計測さ
れる。この計測値をもとにして事故様相を特定する。
(18)式のFPCTの部分がそれで、片端、両端計測
それぞれについて、変数と計測値を対応させる。右辺の
定数マトリックスは適用する送電線毎にあらかじめ計算
され、計測値を代入すると1列ベクトルとなる。 <1・4>K〜Iマトリックスの作成 (18)式を対角化すると(19)式となる。この左辺
のDAマトリックス、右辺定数DBマトリックスはこの
あとの処理の基本式となるものである。最終的に事故点
の位置kと事故点抵抗Rを求めたいわけであるが、状
態変数を減らして方程式をコンパクトにするための手順
を順次説明する。(19)式で事故点電流Iを表すマ
トリックスDはDAの対角化で一度に計算されている
が、仮想する事故区間によって対象とする一つが選択さ
れる。母線電圧までを対角化の対象とすると、残ったマ
トリックスDfk(NS)は事故点の位置kと事故点電
流の関係を表すコンパクトな式となる。片端計測力式の
場合、表1に示すように変数が式の数より多くこの方程
式だけでは解が得られないので、事故点の式が必要とな
る。 <1・5>連立方程式の作成 事故様相特定に関係する式を縮約したわけであるが、残
ったのはk〜Iの関係を表すDfkマトリックスと事
故点の抵抗RとIの関係を表す(10)式のF
分である。Fの式にはV、Vが入っており、これ
に(19)式を代入することによってI、Rの関係
式が作成できる。これが(20)式である。(20)式
の(1−k)V、kVを消去したあとの式を(2
1)式とする。この式が事故様相を表す最終の式で系統
構成が決まればマトリックスの要素が決定されるので一
度計算し保存すればいつでも使用できる。 2.連立方程式の解法 (21)式は事故前の系統状態と事故中の計測端の情報
をすべて含んでおり、この連立方程式を解いて事故点の
位置kと事故点の抵抗Rを求める。方程式の数と変数
の数の差を冗長性と呼ぶと、片端計測方式と両端計測方
式では表1の通りとなる。ただし、複素数の式と変数は
2倍した値である。片端計測方式は系統構成の式だけで
は冗長性が−1であり事故地点の式を併用して解く必要
があるが、両端計測方式は前者だけでとくことができ
る。それぞれについて解法を述べる。 <2・1>片端計測方式 (21)式の右辺定数マトリックスにPT,CTの計測
値ならびに、事前の発電機、負荷電流(I、I)計
算値を代入し、列ベクトルB,BR1, BR2を作
成する。次に塔脚電圧Uを(5)式からZで表
し左辺をIの積の形に変形する。 6次の単位行列をEとし、単位列ベクトルをIとする
と(21)式は(23)、(24)式となる。 (kD+E)I=B ・・・・・・(23) (k+kD+D−R+Z)I =(kBR1+BR2 ・・・・・・(24) (23)式より I=(kD+E)−1 ・・・・・・(25) (24)式のIに(25)式を代入すると(26)式となる。 D≡k+kD+D−R+Z(kD+E)−1−(kBR1+BR2)=0 ・・・・・・(26) (26)式の非形連立方程式をニュートン・ラフソン法
で解きk,R,Zを求める。(26)式は6本の複
素方程式である。繰り返し計算時の誤差をΔEとする
とk,R,Zの修正量Δk,ΔR,ΔZは(2
7)式の連立方程式から求まる。 [(2KD+D)(KD+E)−1・B +D{kD+E)−1}’B−BR1]Δk −ΔR(kD+E)−1 +D(kD+E)−1ΔZ=ΔE ・・・・・(27) なお{(kD+E)−1}’は(kD+E)−1
偏微分マトリックスである。(27)式におけるΔk,
ΔR,ΔZの定数マトリックスを効率的に求めるた
め、次の変換を行う。6次の単位列ベクトルをI、6
次対角化マトリックスをAして、ΔRの係数マトリ
ックスを(28)式で表現する。 A=(kD+E)−1 ・・・・・・(28) Aの逆行列A −1を両辺に乗ずるとΔRの定数が
消えてΔk,ΔZの係数マトリックス(6次の列ベク
トル)は次の通りとなる。 A=[A −1(2kD+D)A +D・{(kD+E)−1}’B=BR1] ・・・・・・(29) A=A −1 ・・・・・・(30) AΔk−ΔR+AΔZ=A −1ΔE ・・・・・・(31) (31)式は6本の複素数方程式でこれを実数部と虚数
部にわけると12本の方程式となる。塔脚インピーダン
スをRとjXに分けると(34)式のマトリックス
となる。 ただし、B={A −1ΔEreal ・・・・・・(32) B={A −1ΔEimage ・・・・・・(33) 虚数部の式はΔk,ΔXの関数となる。変数3に対し
式の数が6で冗長性があり最小二乗法からΔ,Δ
,ΔXを求める。これを実数部の式に代入し、Δ
を求める。新しい推定値はここで求めたΔ,ΔR
,Δを修正したものであり、これを使って(26)
式から(34)式までの計算を繰り返し、修正量がある
限昇値(ex Δk≦0.001)以内におさまったと
き、解が求まったことになる。事故点抵抗の時間的変化
はkとZを固定定数として、(35)式から求める。
ただし、時刻tにおける事故点抵抗Rf(t)は6次の
列マトリックスとする。 Rf(t)=[A −1{Dkz−(kBR1 +BR2)}]real ・・・・・・(35) ただし、Dkz≡k+kD+D+Z ・・・・・・(36) Dkzは時系列的に変化しないマトリックスである。以
上をまとめた計算の手順は次の通りである。 1)(21)式にPT,CTの入力データならびに
、Iを入れてDBK,DBR,DBRKマトリッ
クスを演算し、定数ベクトルB,BR1,BR2を算
出する。 2)K,R,Zの初期値を設定し(ex k=0.
5、R=0.01PU、Z=0.01+0.01
PU)(26)式から、各式の推定誤差ΔEを求め
る。 3)修正量Δk、ΔR、ΔZを決定するためニュー
トン・ラフソンの式の定数を求め(34)式の実数部、
虚数部の連立方程式を作成する。 4)この方程式を解き修正量を求める。修正量が限界値
を越えれば2)〜4)の演算を繰り返す。 5)事故点抵抗の時系列的変化は当初k,Zを決定し
たあとPT,CTデータををもとに1)のB
R1,BR2を計算し、これを(35)式に代入して
求める。 <2・2>両端計測方式 式の数が変数に比較し余裕がある場合(19)式からk
を解くことは容易である。(19)式を単位化し、(3
7)式の通りkIf(i)とIf(i)を右辺定数で表
し、その比からkが求める。なお右辺DBkは固定マト
リックスで事前に設定されており、事故時入力データで
列ベクトルBが計算される。 kは各線毎に求まり、その平均値kavを事故点の位置
とする。 事故点抵抗Rは前節(35)式により計算する。
【発明の効果】本発明のマトリックス演算形の系統保護
装置はコンピューターの演算処理能力を最大限に発揮す
るもので以下のような効果を期待することができる。 (1)従来の保護継電方式は、適用する電力系統の電圧
階級や中性点接地方式によって動作原理が異なっていた
が事故現象をキルヒホッフの第1、第2法則で定式化す
ることにより統一の可能性がある。 (2)従来誤差要因となっていた事故色抵抗と事故地点
を同時に求めることにより保護継電装置、故障点標定装
置、事故区間判定装置の機能を併せ持つ装置の出現が可
能となる。 (3)事故前の系統状態を入力することにより事故点標
定誤差が約0.1%と高精度になり、またマトリックス
処理で変数を消去することにより演算時間が5msec
と高速応動が可能となる。 (4)2回線にまたがる多相事故を送電線の片端情報で
確実に判定でき、また事故原因の推定から失敗する可能
性が高い送電線再閉路を阻止できる。 (5)従来不可能とされた、抵抗接地系における1回戦
送電線の1線地絡事故や遠隔地点の事故を標定できるな
ど新しい機能が期待できる。 以上の新しい機能の出現により、電力系統における事故
しゃ断の高速化、事故復旧操作の迅速化さらには保守の
省力化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3端子送電線の場合の本発明による電力系統
の事故様相特定のシステム構成図である。
【図2】 2回線送電線を対象とする事故区間の等価回
路である。
【表1】 2回線送電線を対象とした連立方程式の冗長性を表して
いる以下の数式番号は明細書における実施例のマトリッ
クスを表している。
【(9)式】
【(10)式】
【(11)式】
【(18)式】
【(19)式】
【(20)式】
【(21)式】
【(34)式】
【(37)式】
【符号の説明】
PT 計器用変圧器 CT 計器用変流器 CB 線路用しゃ断器 W 発電機出力計量装置 W 変電所負荷計量装置 1L 1号線 2L 2号線 Vs(1)〜Vs(6) S側端子の各相電圧 Is(1)〜Is(6) S側端子の各相電流 IR(1)〜IR(6) R側端子の各相電流 Hs(1)〜Hs(6) 事故点のS側各相電流 HR(1)〜HR(6) 事故点のR側各相電流 Vf(1)〜Vf(6) 事故点の各相電圧 If(1)〜If(6) 事故点の各相電流 R(1)〜R(6) 事故点の各相抵抗 I 塔脚電流 U 鉄塔の電流 Z 塔脚インピーダンス Y(1)〜Y(6)) 送電線の各相静電容量 K 事故点の位置で区間亘長を1.0とし
た相対値
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 3端子送電線の場合の本発明による電力系統
の事故様相特定のシステム構成図である。
【図2】 2回線送電線を対象とする事故区間の等価回
路である。
【符号の説明】 PT 計器用変圧器 CT 計器用変流器 CB 線路用しゃ断器 W 発電機出力計量装置 W 変電所負荷計量装置 1L 1号線 2L 2号線 VS(1)〜VS(6) S側端子の各相電圧 IS(1)〜IS(6) S側端子の各相電流 IR(1)〜IR(6) R側端子の各相電流 HS(1)〜HS(6) 事故点のS側各相電流 HR(1)〜HR(6) 事故点のR側各相電流 Vf(1)〜Vf(6) 事故点の各相電圧 If(1)〜If(6) 事故点の各相電流 R(1)〜R(6) 事故点の各相抵抗 I 塔脚電流 U 鉄塔の電流 Z 塔脚インピーダンス Y(1)〜Y(6) 送電線の各相静電容量 K 事故点の位置で区間亘長を1.0とし
た相対値

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の要所毎に設置したテレメータ
    ーと計器用変圧器、変流器により電力系統の時系列デー
    タを収集し、事故時の電圧、電流の関係をキルヒホッフ
    の第1、第2法則で定式化し、この非線形連立方程式を
    コンパクトなマトリックスに変換し、事故地点と事故点
    抵抗を高速に解き、事故区間をしゃ断するとともに事故
    地点と事故原因を特定して迅速な復旧を図る系統保護装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1においてマトリックスの要素を
    定数となるように変数を定義し、マトリックスを対角化
    することによって、事故点電流Iと事故地点Kを変数
    とするI−Kマトリックスならびに、事故地点Kと事
    故点抵抗R、塔脚インピーダンスZを変数とするR
    −Kマトリックスを作成し、高速に事故地点と事故点
    抵抗を求める系統保護装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記マトリックスを
    実数部と虚数部にわけ、非線形連立方程式にニュートン
    ・ラフソン法を適用し、事故点の位置K、事故点抵抗R
    塔脚インピーダンスZを算出する系統保護装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2において、事故時の演算時
    間を短縮するために事故前に計算できるマトリックスは
    その結果を記憶しておき、事故時はPT、CTの入力デ
    ータに影響される演算だけにしぼり込む系統保護装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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