JP3479711B2 - 電力系統状態決定装置 - Google Patents

電力系統状態決定装置

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JP3479711B2
JP3479711B2 JP04981698A JP4981698A JP3479711B2 JP 3479711 B2 JP3479711 B2 JP 3479711B2 JP 04981698 A JP04981698 A JP 04981698A JP 4981698 A JP4981698 A JP 4981698A JP 3479711 B2 JP3479711 B2 JP 3479711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統状態決定
装置に係り、特に、電力系統から収集したデータを用い
て電力系統全体の物理量の状態を決定する計算を高速化
するとともに、誤りデータを検出する性能を向上させる
手段に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統の規模が増大するとともに、電
源と負荷との偏在が顕著になり、電力系統の制御は、ま
すます複雑になりつつある。このように複雑になりつつ
ある電力系統の制御/運用に関して、さまざまな形式の
大規模制御システムが導入されている。これらの大規模
制御システムでは、大規模化して複雑化した電力系統に
ついて、現実に最も近いと推定される系統状態を常時確
実に把握することが重要である。
【0003】現実に最も近い状態を推定する計算を実行
するには、系統中のインピーダンスのばらつきによる系
統状態の推定精度の低下を防止しなければならない。そ
れには、対象系統をある程度分割して推定計算を実行
し、推定精度そのものを上げることが提案されている。
【0004】対象となる系統を分割し状態推定計算を実
行する従来例としては、特開昭63−056128号公報、草野
正教, 岩本伸一『高速二次法を用いた階層的状態推定
法』電気学会論文誌B,10(1987),477−484、西谷健一,
長谷川淳『階層構造を持つ電力系統状態推定(そのIV)
− モデル協調法と目的協調法−』昭和60年電気学会全
国大会,(1985),1269などに記載された方法がある。
【0005】これらは、分割した各部分系統間で設定し
た協調変数を収束演算で求める方法であり、小規模系統
を対象とする場合には、有効性が確認されている。しか
し、実規模の電力系統では、分割した部分系統間で誤差
が生じるので、何らかの方法で推定結果を整合させる必
要がある。
【0006】また、設備増強に伴うオンラインテレメー
タ情報の増大に伴って、確率的には誤りデータの発生も
増大する。誤りデータの検出/排除性能を向上させる従
来例としては、特開昭61−231837号公報や特開昭61−27
3130号公報に記載された方法などがある。
【0007】これらは、推定誤差を用いて、重み付け最
小二乗法により実計測値に含まれる計測誤差を推定し、
誤りデータを検出して排除し、電力系統の状態量に関す
る推定値を補正し、演算処理時間を短縮しようとするも
のである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】部分系統を分割して状
態を推定する従来の方法を実規模の電力系統に適用する
ことを考えると、分割した部分系統間で誤差が生じるの
で、各部分系統それぞれの状態推定計算に加えて、部分
系統間で整合させる収束計算を必要とする。
【0009】また、誤りデータを検出する従来の方法を
実規模の電力系統に適用する場合、ある確率で誤りデー
タが発生した際に、誤りデータが発生した数だけ状態再
推定計算を実行する必要がある。
【0010】状態再推定計算の結果に基づいて誤りデー
タを検出し排除した状態でも、分割した部分系統間で、
大量の収束計算を再度実行することになるので、状態推
定計算にかかる時間が長くなって、大規模電力系統のオ
ンライン制御システムに十分には対応できなかった。
【0011】本発明の目的は、誤りデータが発生しても
分割した部分系統間の誤差を迅速に推定して整合でき、
大規模電力系統のオンライン制御システムに適用可能な
電力系統状態決定装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、任意のサンプリング時点における電力系
統の物理量の計測値を収集するデータ収集装置と、電力
系統の設備データと計測値データとを格納するデータベ
ースと、設備データおよび計測値データに基づきサンプ
リング時点における電力系統の設備の接続状況を決定す
る系統構成生成装置と、決定された接続状況と計測値デ
ータとに基づき分割後の各部分系統の少なくとも一部の
計測点の設備が他の部分系統の計測点の設備と重複する
ようにサンプリング時点における全体系統を複数の部分
系統に分割する系統分割装置と、分割された各部分系統
ごとに状態決定計算を実行し各部分系統およびそれに接
続される隣接系統で重複する計測値がどちらの部分系統
でも同じ推定結果になるように修正計算を実施し整合さ
せる状態決定装置とからなる電力系統状態決定装置にお
いて、前記状態決定装置が、状態決定計算に際して重複
する計測値に他の計測値と比較して大きな重みを設定す
る手段を備えた電力系統状態決定装置を提案する。
【0013】系統分割装置は、重複する計測点の設備を
複数含む部分系統を少なくとも一つ作る手段であること
が望ましい。
【0014】本発明は、また、任意のサンプリング時点
における電力系統の物理量の計測値を収集するデータ収
集装置と、電力系統の設備データと計測値データとを格
納するデータベースと、設備データおよび計測値データ
に基づきサンプリング時点における電力系統の設備の接
続状況を決定する系統構成生成装置と、決定された接続
状況と計測値データとに基づき分割後の各部分系統の少
なくとも一部の計測点の設備が他の部分系統の計測点の
設備と重複するようにサンプリング時点における全体系
統を複数の部分系統に分割する系統分割装置と、分割さ
れた各部分系統ごとに状態決定計算を実行し各部分系統
およびそれに接続される隣接系統で重複する計測値がど
ちらの部分系統でも同じ推定結果になるように修正計算
を実施し整合させる状態決定装置とからなる電力系統状
態決定装置において、前記状態決定装置が、高圧系統の
状態を決定する場合は、一まとめに統合した低圧系統の
計測値に基づき高圧系統の状態を決定し、逆に、低圧系
統の状態を決定する場合は、一まとめに統合した高圧系
統の計測値に基づき低圧系統の状態を決定する手段であ
る電力系統状態決定装置を提案する。
【0015】この場合も、系統分割装置は、重複する計
測点の設備を複数含む部分系統を少なくとも一つ作る手
段であることが望ましい。
【0016】本発明は、さらに、任意のサンプリング時
点における電力系統の物理量の計測値を収集するデータ
収集装置と、電力系統の設備データと計測値データとを
格納するデータベースと、設備データおよび計測値デー
タに基づきサンプリング時点における電力系統の設備の
接続状況を決定する系統構成生成装置と、決定された接
続状況と計測値データとに基づき分割後の各部分系統の
少なくとも一部の計測点の設備が他の部分系統の計測点
の設備と重複するようにサンプリング時点における全体
系統を複数の部分系統に分割する系統分割装置と、分割
された各部分系統ごとに状態決定計算を実行し各部分系
統およびそれに接続される隣接系統で重複する計測値が
どちらの部分系統でも同じ推定結果になるように修正計
算を実施し整合させる状態決定装置とからなる電力系統
状態決定装置において、前記系統分割装置が、重複する
計測点の設備を複数含む部分系統を少なくとも一つ作る
手段であり、前記状態決定装置が、状態決定計算に際し
て重複する計測値に他の計測値と比較して大きな重みを
設定する手段を備え、前記状態決定装置が、高圧系統の
状態を決定する場合は、一まとめに統合した低圧系統の
計測値に基づき高圧系統の状態を決定し、逆に、低圧系
統の状態を決定する場合は、一まとめに統合した高圧系
統の計測値に基づき低圧系統の状態を決定する手段であ
る電力系統状態決定装置を提案する。
【0017】本発明においては、対象とする電力系統を
所定の規則に従い分割する際、各部分系統間での収束計
算を実行する従来の方法に代え、各部分系統間を接続す
る複数の変電所母線などの設備における計測値を重複さ
せた部分系統に分割し、各部分系統毎の状態推定計算の
近似解を求める。次に、各部分系統における推定結果に
基づき、全体系統で整合させる必要がある状態変数を各
部分系統ごとに補正する。全体系統で整合させる必要が
ある状態変数には、電圧の位相角などがある。従来は、
一括系統を対象とした状態推定計算結果と、対象系統を
分割した場合の状態推定計算結果とは、なかなか一致し
なかったが、本発明の方法では、計測値が各部分系統に
重複して取り込まれて、しかも大きな重みを付けられる
ので、従来のような大量の収束計算を繰り返さなくて
も、ほぼ近似解を得ることが期待される。したがって、
各部分系統間の状態推定計算結果を迅速に整合させなが
ら、電力系統状態決定を高速化できる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図7を参照して、本
発明による電力系統状態決定装置の実施例を説明する。
【0019】図1は、本発明による電力系統状態決定装
置の一実施例の系統構成を示すブロック図である。デー
タ収集装置102は、電力系統101の設備に設置され
ている計測器から任意のサンプル時点における電力系統
101の物理量データを収集する。データ収集装置10
2は、収集したデータをデータベース103に送り格納
させるとともに、系統構成生成装置104にも送る。系
統構成生成装置104は、収集した計測値データとデー
タベース103に格納されている設備データとに基づ
き、系統構成のトポロジーすなわち接続状態を決定す
る。系統分割装置105は、電力系統についての状態決
定計算を高速化し信頼性を上げるため、決定された系統
構成の情報とデータベース103に格納されている電力
系統の物理量の計測値とに基づき、対象となる電力系統
を適切な規模の複数の系統に分割する。状態決定装置1
06は、複数に分割された各系統についてそれぞれの状
態量を決定し、各系統間の境界部分の整合性を維持する
ために、補正計算を実行する。
【0020】図2は、データベース103内のデータの
格納形式の一例を示す図である。データ収集装置102
は、電力系統の各設備に設置されている計測器で計測さ
れた各設備の特徴を表す物理量、例えば電流,電圧など
を通信線を介してまたは無線通信で収集する。データベ
ース103は、例えば図2に示す形式でデータを格納す
る。ファイル201は、対象とする電力系統の設備に関
するデータを格納し、ファイル202は、電力系統の各
発電機の発電量,各設備毎の負荷量,各変電所の母線電
圧の計測値の有無と計測値とを格納している。系統構成
生成装置104は、収集したデータおよびデータベース
103に格納されているデータに基づいて、特に、収集
したデータ中の開閉器の開閉状態の情報により、系統構
成のトポロジーを決定する。
【0021】系統分割装置105は、作成した系統構成
情報とデータベース103中に格納されている電力系統
の物理量の計測値とに基づいて、対象系統を複数の部分
系統に分割する。系統分割装置105では、分割された
部分系統で状態を決定する際に、隣接する部分系統との
境界で、所定数以上の計測値が重複するように、系統を
分割する。
【0022】状態決定装置106は、分割された各部分
系統ごとに、状態決定計算を実行する。このときに、各
部分系統とそれに接続される隣接系統とで重複する計測
値が、どちらの系統でも同じ推定結果になるように、他
の計測値と比較して大きな重みを設定する。各部分系統
での状態決定計算が終了した後、全体系統で整合させる
必要がある状態変数、例えば電圧の位相角に関する変数
が、すべての電力系統で整合性を維持するように、修正
計算を実施する。得られた状態決定計算結果をディスプ
レイなどの出力装置に送るとともに、データベース10
3に格納する。
【0023】図3は、本発明に特徴的な系統分割装置に
おける処理手順の一例を示すフローチャートである。こ
こでは、話を単純にするために、各分割部分系統毎に重
複する設備を高圧系の変電所一個所であると仮定する。
重複する変電所には、少なくとも低圧側母線と、高圧側
母線と、変圧器タップとがあるものとする。
【0024】ステップ301:まず、対象系統のすべて
の変電所母線またはフロートノードすなわち発電機も負
荷も接続していない母線について、フラグを0に設定し
て初期化する。 ステップ302:系統を分割するグループ番号を設定
し、以下の系統分割のステップに移る。 ステップ303:系統を分割するための開始地点となる
探索開始ノードの候補を決定する。本実施例では、最も
電圧階級の高い変電所の高圧側の母線を仮定する。 ステップ304:ステップ303で決定した探索開始ノ
ードの候補の中から、一つのノードを抽出する。一般的
に知られている二分木探索法を用いて、このノードに接
続するノードを探索する。 ステップ305:たどったノードのフラグに変数Fの値
を設定していく。 ステップ306:次のノードを探索する。 ステップ307:探索を続けていった結果、開始した探
索開始ノードに戻ってこなかった場合は、ステップ30
5に戻り探索手順を繰り返す。一方、探索を続けていっ
た結果、探索開始ノードに戻ったと判定した場合は、そ
れまでにたどってきたノードの集合を、分割された一つ
の部分系統と見なす。
【0025】ステップ309:次の部分系統を探索する
ために、変数Fのグループ番号を変更する。 ステップ310:ステップ309終了後、次の部分系統
を探索するために、ステップ303で決定した候補の中
から、まだフラグが0であるものを探す。 ステップ311:候補となるべき探索開始ノードがまだ
ある場合は、ステップ304に戻り、系統分割を繰り返
す。一方、候補となるべき探索開始ノードがないと判定
した場合は、対象系統の分割が終了したと判断する。 ステップ312:これだけでは、高圧系統間を接続する
送電線が状態決定の範囲に入っていないので、これらの
設備の状態を決定するため、高圧系統の変電所だけから
なる部分系統を定義する。この処理が終了すると、系統
分割手順は、終了する。
【0026】図4は、系統分割装置により系統分割され
る電力系統の一例を示す系統図である。状態決定の対象
となる系統400は、高圧系統の変電所が401,40
2,403と、その下位に接続される低圧系統411,
412,413とを含んでいる。図3のステップ303
の系統探索開始ノードには、高圧系統の変電所401,
402,403が設定される。ステップ304で、候補
となるべき探索開始ノードとして、高圧系統の変電所4
01が選択されたとすると、ステップ305〜307で
は、低圧系統411を探索し、ステップ307で、高圧
系統の変電所のノード401に戻ってきたとする。この
ときには、ステップ307からステップ309に進み、
ステップ310では、ノード402を選択する。その後
は、これまでと同様の処理を繰り返す。
【0027】図3の処理手順で系統を分割した結果が、
系統410である。この系統410において、部分系統
431,441,451,461に分割しただけでは、
変電所ノード401と402とを接続する送電線、また
は、変電所ノード402と403とを接続する送電線の
状態決定が不可能であるため、新たに高圧系統のみの部
分系統421を定義する。このようにすると、対象とす
る電力系統のすべての設備について、部分系統が分割さ
れる。
【0028】本発明においては、高圧変電所とステップ
303で定義した各変電所ノードとは、フラグを2種類
持っている。分割する際には、系統410に示すよう
に、変電所401は、部分系統421と431とで重複
し、変電所402は、部分系統421と441とで重複
し、変電所403は、部分系統421と451とで重複
している。このように、本発明では、単一のノードすな
わち変電所母線だけではなく、変電所全体を重複して分
割する点に特徴がある。このように重複する設備をでき
るだけ多く含む部分系統を作ると、精度を高めることが
容易になるとともに、全体の精度を平準化できる。
【0029】図5は、状態決定装置106における状態
決定の処理手順の一例を示すフローチャートであり、図
6は、図5の処理手順により状態決定すべき対象となる
電力系統の構成の一例を示す系統である。
【0030】ステップ501:状態決定装置106は、
系統分割装置105による対象系統の分割結果を取り込
み、各ノードに設定された図3のフラグ変数を参照し、
分割した系統の境界部の重複変電所を検出する。 ステップ502:検出結果に基づいて、部分系統421
に相当する高圧系統の状態決定を実行する。具体的に
は、図2の形式で格納されている計測値のデータに基づ
き、例えば、重み付け最小二乗法を用いて、状態決定を
実行する。重み付け最小二乗法には、上記従来例の他
に、Lars Holten, Andres Gjelsvik, SverreAdam, F.
F. Wu, and Wen−Hsiung E. Liu,“ Comparison of Dif
fernt Methods for State Estimation.”IEEE Trans. P
WRS, 3(1988),1798−1806などに記載された方法があ
る。状態決定のための式の一例を数式1として示す。
【0031】
【数1】
【0032】ステップ503:高圧系統421の状態決
定結果で、系統分割装置105により重複して分割され
た変電所401〜403に相当する計測値を、ステップ
502の状態決定結果に置き換え、低圧系統411〜4
13の状態決定入力データとして設定する。 ステップ504:下位系統431〜451の状態決定時
に、この置き換えた状態決定結果に基づく入力データに
対する計測値の重みを、他の計測値と比較してN倍に設
定する。ここでのNの値は、100〜1000に設定す
ることが望ましい。 ステップ505:この重複した変電所の計測値に相当す
る高圧系統421の状態決定値を用い、低圧系統411
〜413の状態決定計算を実施する。 ステップ506:これらの結果を用いて、全体系統で整
合性を必要とする状態変数、例えば電圧の位相角に対す
る変数を修正する計算を実行する。すなわち、高圧系統
の基準ノードの移相角を基準とした加減算により、電圧
の移相角を修正する。 ステップ507:修正の結果を図2のデータベースファ
イル202に格納するとともに、図7に示す監視画面の
ように表示する。
【0033】図7は、電力系統状態決定装置の監視画面
の表示の一例を示す図である。図7において、701,
702は、発電機であり、703,704は、負荷であ
り、705,706は、調相設備であり、711,71
2は、各発電機に関する計測値と状態決定値であり、7
13,714は、各負荷に関する計測値と状態決定値で
あり、715,716は、各調相設備に関する計測値と
状態決定値である。
【0034】図6は、図5の処理手順により状態決定す
べき対象となる電力系統の構成の一例を示す系統であ
る。変電所401を部分系統421と431とに重複し
て状態決定を実行する場合、高圧系統421での推定の
場合の変電所の計測値についての取り扱いを651に示
し、下位系統431に対して状態決定を実行する場合の
計測値についての取り扱いを661に示す。系統を分割
する前は、計測値601,602,603,612,6
13,614を用いて状態決定を実行するが、高圧系統
に対して状態決定を実行する場合は、計測値612,6
13,614を計測値603に統合し、低圧系統を一ま
とめにして、状態決定を実行する。逆に、低圧系統の状
態決定の場合は、高圧系統の状態決定結果で得られた値
を601,602に設定し、これらを計測値611に統
合して、状態決定を実行する。
【0035】以上の実施例では、高圧系統の部分系統に
対して先に状態決定計算を実行し、その結果を用いて低
圧系統の状態決定計算を実行した。もちろん、先に低圧
系統の状態決定計算を行い、その結果を用いて高圧系統
の状態決定計算を実行することも可能である。このよう
に、重み付最小二乗法を用いた状態決定の計算におい
て、重複して状態決定を実行する計測値の重み係数を大
きく設定すると、従来行われていたような各部分系統間
で状態決定値を整合させるための大量の収束計算が不必
要となる。また、対象系統を部分系統に分割すると、全
体系統で一括して状態決定計算を実行する場合と比べ
て、計算実行速度が大幅に上がる。さらに、誤りデータ
の検出を各部分系統で実行すると、検出精度が平準化さ
れ向上する。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、決定された接続状況と
計測値データとに基づき分割後の各部分系統の少なくと
も一部の計測点の設備が他の部分系統の計測点の設備と
重複するようにサンプリング時点における全体系統を複
数の部分系統に分割する系統分割装置と、分割された各
部分系統ごとに状態決定計算を実行し各部分系統および
それに接続される隣接系統で重複する計測値がどちらの
部分系統でも同じ推定結果になるように修正計算を実施
し整合させる状態決定装置とを備えた電力系統状態決定
装置が提供されるので、従来行われていたような各部分
系統間で状態決定値を整合させるための大量の収束計算
が不必要となる。また、対象系統を部分系統に分割する
と、全体系統で一括して状態決定計算を実行する場合と
比べて、計算実行速度が大幅に上がる。さらに、誤りデ
ータの検出を各部分系統で実行すると、検出精度が平準
化され向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電力系統状態決定装置の一実施例
の系統構成を示すブロック図である。
【図2】データベース内のデータの格納形式の一例を示
す図である。
【図3】本発明に特徴的な系統分割装置における処理手
順の一例を示すフローチャートである。
【図4】系統分割装置により系統分割される電力系統の
一例を示す系統図である。
【図5】状態決定装置による状態決定の処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図6】図5の処理手順により状態決定すべき対象とな
る電力系統の構成の一例を示す系統である。
【図7】電力系統状態決定装置の監視画面の表示の一例
を示す図である。
【符号の説明】
101 制御対象となる電力系統 102 データ収集装置 103 データベース 104 系統構成生成装置 105 系統分割装置 106 状態決定装置 201 設備データベースファイルの一例 202 物理量データベースファイルの一例 211 計測値の種類 212 計測値の計測の有無 213 計測値 301,302 初期設定処理 303 系統探索開始ノード候補決定処理 304 探索開始個所決定処理 305 系統探索開始ノード決定処理 306 探索処理 307 判定処理 309 代入処理 310 探索開始ノード設定処理 311 判定処理 312 部分系統生成処理 400 初期状態系統 401〜403 高圧系統変電所 410 分割後系統 411〜413 低圧系統 421〜451 部分系統 501 重複変電所検出処理 502 高圧系統状態決定処理 503 計測値設定処理 504 重み設定処理 505 状態決定計算処理 506 出力装置 601〜603 計測器 611〜614 計測器 651 高圧系統推定時の変電所計測値の様子 661 低圧系統推定時の変電所計測値の様子 701,702 発電機 703,704 負荷 705,706 調相設備 711,712 発電機に関する計測値と状態決定値の
表示例 713,714 負荷に関する計測値と状態決定値の表
示例 715,716 調相設備に関する計測値と状態決定値
の表示例
フロントページの続き (72)発明者 紺野 伸一 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 早野 博彦 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部 電力株式会社内 (72)発明者 甲斐 靜治 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部 電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−183235(JP,A) 特開 昭57−68621(JP,A) 特開 昭63−56128(JP,A) 特開 昭61−231837(JP,A) 特開 昭61−273130(JP,A) 西谷健一、長谷川淳,目的協調法に基 づく電力系統の階層形動的状態推定,電 気学会論文誌B 電力・エネルギー部門 誌,日本,社団法人電気学会,1991年 8月20日,第111巻第8号,p.887− 895 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意のサンプリング時点における電力系
    統の物理量の計測値を収集するデータ収集装置と、前記
    電力系統の設備データと前記計測値データとを格納する
    データベースと、前記設備データおよび計測値データに
    基づき前記サンプリング時点における前記電力系統の設
    備の接続状況を決定する系統構成生成装置と、決定され
    た前記接続状況と前記計測値データとに基づき分割後の
    各部分系統の少なくとも一部の計測点の設備が他の部分
    系統の計測点の設備と重複するように前記サンプリング
    時点における全体系統を複数の部分系統に分割する系統
    分割装置と、分割された各部分系統ごとに状態決定計算
    を実行し各部分系統およびそれに接続される隣接系統で
    重複する計測値がどちらの部分系統でも同じ推定結果に
    なるように修正計算を実施し整合させる状態決定装置と
    からなる電力系統状態決定装置において、 前記状態決定装置が、前記状態決定計算に際して前記重
    複する計測値に他の計測値と比較して大きな重みを設定
    する手段を備えたことを特徴とする電力系統状態決定装
    置。
  2. 【請求項2】 任意のサンプリング時点における電力系
    統の物理量の計測値を収集するデータ収集装置と、前記
    電力系統の設備データと前記計測値データとを格納する
    データベースと、前記設備データおよび計測値データに
    基づき前記サンプリング時点における前記電力系統の設
    備の接続状況を決定する系統構成生成装置と、決定され
    た前記接続状況と前記計測値データとに基づき分割後の
    各部分系統の少なくとも一部の計測点の設備が他の部分
    系統の計測点の設備と重複するように前記サンプリング
    時点における全体系統を複数の部分系統に分割する系統
    分割装置と、分割された各部分系統ごとに状態決定計算
    を実行し各部分系統およびそれに接続される隣接系統で
    重複する計測値がどちらの部分系統でも同じ推定結果に
    なるように修正計算を実施し整合させる状態決定装置と
    からなる電力系統状態決定装置において、 前記状態決定装置が、高圧系統の状態を決定する場合
    は、一まとめに統合した低圧系統の計測値に基づき高圧
    系統の状態を決定し、逆に、低圧系統の状態を決定する
    場合は、一まとめに統合した高圧系統の計測値に基づき
    低圧系統の状態を 決定する手段であることを特徴とする
    電力系統状態決定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の電力系統状態
    決定装置において、 前記系統分割装置が、前記重複する計測点の設備を複数
    含む部分系統を少なくとも一つ作る手段であることを特
    徴とする電力系統状態決定装置。
  4. 【請求項4】 任意のサンプリング時点における電力系
    統の物理量の計測値を収集するデータ収集装置と、前記
    電力系統の設備データと前記計測値データとを格納する
    データベースと、前記設備データおよび計測値データに
    基づき前記サンプリング時点における前記電力系統の設
    備の接続状況を決定する系統構成生成装置と、決定され
    た前記接続状況と前記計測値データとに基づき分割後の
    各部分系統の少なくとも一部の計測点の設備が他の部分
    系統の計測点の設備と重複するように前記サンプリング
    時点における全体系統を複数の部分系統に分割する系統
    分割装置と、分割された各部分系統ごとに状態決定計算
    を実行し各部分系統およびそれに接続される隣接系統で
    重複する計測値がどちらの部分系統でも同じ推定結果に
    なるように修正計算を実施し整合させる状態決定装置と
    からなる電力系統状態決定装置において、 前記系統分割装置が、前記重複する計測点の設備を複数
    含む部分系統を少なくとも一つ作る手段であり、 前記状態決定装置が、前記状態決定計算に際して前記重
    複する計測値に他の計測値と比較して大きな重みを設定
    する手段を備え、 前記状態決定装置が、高圧系統の状態を決定する場合
    は、一まとめに統合した低圧系統の計測値に基づき高圧
    系統の状態を決定し、逆に、低圧系統の状態を決定する
    場合は、一まとめに統合した高圧系統の計測値に基づき
    低圧系統の状態を決定する手段であることを特徴とする
    電力系統状態決定装置。
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西谷健一、長谷川淳,目的協調法に基づく電力系統の階層形動的状態推定,電気学会論文誌B 電力・エネルギー部門誌,日本,社団法人電気学会,1991年 8月20日,第111巻第8号,p.887−895

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