JPH0778588B2 - 光偏向装置 - Google Patents

光偏向装置

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JPH0778588B2
JPH0778588B2 JP63130015A JP13001588A JPH0778588B2 JP H0778588 B2 JPH0778588 B2 JP H0778588B2 JP 63130015 A JP63130015 A JP 63130015A JP 13001588 A JP13001588 A JP 13001588A JP H0778588 B2 JPH0778588 B2 JP H0778588B2
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acoustic wave
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optical
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/29Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection
    • G02F1/33Acousto-optical deflection devices
    • G02F1/335Acousto-optical deflection devices having an optical waveguide structure

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光導波路に表面弾性波を発生させ、この表面
弾性波の回折作用によって導波光を偏向させるようにし
た光偏向装置、特に詳細には導波光を複数の表面弾性波
によって複数回偏向させることにより、広偏向角範囲が
得られるようにした光偏向装置に関するものである。
(従来の技術) 従来より例えば特開昭61-183626号公報に示されるよう
に、表面弾性波が伝播可能な材料から形成された光導波
路に光を入射させ、この光導波路内を進行する導波光と
交わる方向に表面弾性波を発生させて該表面弾性波によ
って導波光をブラッグ回折させ、そして上記表面弾性波
の周波数を連続的に変化させることにより導波光の回折
角(偏向角)を連続的に変化させるようにした光偏向装
置が公知となっている。このような光偏向装置は、例え
ばガルバノメータミラーやポリゴンミラー等の機械式光
偏向器や、EOD(電気光学光偏向器)やAOD(音響光学光
偏向器)等の光偏向素子を用いる光偏向器に比べると、
小形軽量化が可能で、また機械的動作部分を持たないの
で信頼性も高い、といった特長を有している。
ところが上述のような光偏向装置には、偏向角を大きく
とることが困難であるという問題がある。つまりこの光
導波路を用いた光偏向装置においては、光偏向角は表面
弾性波の周波数にほぼ比例するので、大きな偏向角を得
ようとすれば必然的に表面弾性波の周波数を極めて高い
値まで変化させることが必要となる。またこのような表
面弾性波の周波数を広い帯域に亘って変化させるのみな
らず、ブラッグ条件を満たすために、表面弾性波の進行
方向を連続的に変化(ステアリング)させて導波光の表
面弾性波への入射角を制御する必要がある。
上記のような要求に応えるため、例えば前記特開昭61-1
83626号公報にも示されるように、互いに異なる帯域で
周波数が変化する表面弾性波を発生する複数の交叉くし
形電極対(IDT:Inter Digital Transducer)をそれぞれ
表面弾性波発生方向が異なるように配置し、各IDTをス
イッチング作動させるようにした光偏向装置が提案され
ている。
しかし上記構成の光偏向装置は、各IDTが発する表面弾
性波のクロスオーバー周波数を中心にして回折効率が落
ち込むので、偏向された光ビームの光量が、偏向角に応
じて変動してしまうという問題が生じる。
また上記の構成にしても、結局偏向角の高い部分を受け
持つIDTは、極めて高い周波数の表面弾性波を発生しう
るように構成されなければならない。以下、この点につ
いて、具体例を挙げて説明する。表面弾性波の進行方向
に対する導波光の入射角をθとすると、表面弾性波と導
波光との音響光学相互作用による導波光の偏向角δは、
δ=2θである。そして導波光の波長、実効屈折率を
λ、Neとし、表面弾性波の波長、周波数、速度をそれぞ
れΛ、f、vとすれば、 2θ=2sin-1(λ/2Ne・Λ) λ/Ne・Λ =λ・f/Ne・v ……(1) である。したがって偏向角範囲Δ(2θ)は、 Δ(2θ)=Δf・λ/Ne・v となる。ここで例えばλ=0.78μm、Ne=2.2、v=350
0m/sとして偏向角範囲Δ(2θ)=10°を得ようとすれ
ば、表面弾性波の周波数範囲すなわちIDTに印加する高
周波の周波数帯域Δf=1.72GHzが必要となる。この周
波数帯域Δf=1.72GHzが必要となる。この周波数帯域
を、2次回折光の影響を受けないように1オクターブと
すれば、中心周波数f0=2.57GHz、最大周波数f2=3.43G
Hzとなる。この最大周波数f2を得るIDTの周期Λ=1.02
μmとなり、IDT電極指の線幅W=Λ/4=0.255μmとな
る。
IDTを形成する技術として一般的なフォトリソ法、電子
ビーム描画法においては、現在のところ線幅限界がそれ
ぞれ0.8μm、0.5μm程度であり、したがって上記のよ
うに極めて小さい線幅を有するIDTは実現困難である。
またこのように精細なIDTが将来形成できたとしても、
3.43GHz程度の高周波を生成するドライバーは、製造困
難でかつ極めて高価なものとなるし、このように精細な
IDTには高電圧を印加することが難しくなる。さらに、
上記のように表面弾性波の周波数を高めれば、当然その
波長が短くなるので該表面弾性波が光導波路に吸収され
やすくなり、回折効率が低下することになる。
一方文献IEEE Transactions on Circuits and Systems,
vol.CAS-26,No.12,p1072[Guided-Wave Acoustooptic B
ragg Modulators for Wide-Band Integrated Optic Com
munications and Signal Processing]by C.S.TSAIに
は、前述のように複数のIDTをスイッチング作動させ
ず、1つのIDTを電極指線幅が連続的に変化しかつ各電
極指が円弧状をなす湾曲指IDTとして構成し、この1つ
のIDTによって表面弾性波の周波数および進行方向を広
範囲に亘って連続的に変化させるようにした光偏向装置
が示されている。このような構成においては、前述のよ
うに光ビームの光量が偏向角に応じて変動してしまうと
いう問題は解消できるが、表面弾性波の周波数を極めて
高く設定しなければならない点はそのままであり、それ
により前述と全く同様の問題が生じる。
そこで本出願人は、以上述べた光ビームの光量変動を招
かず、また表面弾性波の周波数を著しく高く設定しなく
ても広偏向角範囲が得られる光偏向装置を既に提案した
(特願昭61-283646号)。この光偏向装置は、前述のよ
うに表面弾性波が伝播可能な材料から形成された光導波
路内に導波光を進行させ、この導波光を表面弾性波によ
って回折、偏向させるようにした光偏向装置において、 上記導波光の光路に交わる方向に進行して該導波光を回
折、偏向させる第1の表面弾性波を光導波路において発
生させる第1の表面弾性波発生手段と、 上記のように回折された導波光の光路に交わる方向に進
行して該導波光を、上記回折による偏向をさらに増幅さ
せる方向に回折、偏向させる第2の表面弾性波を光導波
路において発生させる第2の表面弾性波発生手段とを設
け、 そしてこれら第1、第2の表面弾性波発生手段を、第1
の表面弾性波によって回折される前、後の導波光の波数
ベクトルをそれぞれ 第2の表面弾性波によって回折された導波光の波数ベク
トルを 第1、第2の表面弾性波の波数ベクトルを としたとき、 なる条件を満たしながらそれぞれ第1、第2の表面弾性
波の周波数および進行方向を連続的に変化させるように
形成したことを特徴とするものである。
上記のような第1、第2の表面弾性波発生手段は、例え
ば電極指間隔が段階的に変化しかつ各電極指の向きが段
階的に変化する傾斜指チャープ交叉くし形電極対(Tile
d-Finger Chirped IDT)と、この電極対に周波数が連続
的に変化する交番電圧を印加するドライバーとの組合せ
等によって形成することができる。
上記の構成においては、第1の表面弾性波によって偏向
された導波光が第2の表面弾性波よって再度偏向される
から、第1、第2の表面弾性波それぞそれの周波数帯域
をさほど広く設定しなくても、全体として広偏向角範囲
が得られるようになる。
なお、1つの光導波路に3つ以上の表面弾性波を伝播さ
せて、導波光を3回以上回折、偏向させるようにしても
よい。その場合には、隣り合う2つの表面弾性波につい
てすべて、上述の第1、第2の表面弾性波による作用と
同じ作用が得られるようにしておけばよい。そうすれば
当然、2回回折の場合よりもより広い偏向角範囲を得る
ことが可能となる。
(発明が解決しようとする課題) 上記のような表面弾性波を発生させる手段としては一般
に、先に述べたようなIDTと、そこに周波数掃引された
交番電圧を印加するドライバー(高周波アンプと周波数
掃引用スイーパー等から構成される)とが用いられる
が、そうした場合には、発生した表面弾性波に周期的な
強度変動(ゆらぎ)が発生しやすいことが認められてい
る。すなわち上述の目的で使用されるIDTや高周波アン
プは、高帯域に設計されるので、インピーダンスが通常
の高周波系のインピーダンス(50Ω)から大きくずれて
いる。そこで高周波ケーブルとIDTの間で大きな反射が
生じ、反射波が高周波アンプに戻るようになる。このア
ンプも上記の通り高帯域設計のものであるから、数%〜
数十%の高周波電力が反射し、再度IDT側へ伝播するよ
うになる。そこでこのIDTへ向かう反射波と、元来高周
波アンプから出力される高周波(進行波)とが干渉し
て、高周波強度が変動するようになる。高周波ケーブル
長は一定であるから、上記の変動は、高周波周波数を掃
引するにつれて周期的に山と谷を繰り返すものとなる。
このようにしてIDTに入力される高周波強度が変動する
と、IDTから発せられる表面弾性波の強度が同様に変動
して、表面弾性波による導波光の回折効率が変動してし
まう。そうなると、回折光量、つまり偏向された光ビー
ムの強度が変動してしまう。そしてIDTを複数有する前
述の光偏向装置にあっては、導波光が表面弾性波によっ
て回折される度に回折効率変動が増幅される形となっ
て、偏向ビームの強度が大きく変動しがちになる。
そこで本発明は、上述の問題を解決することができる光
偏向装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明による光偏向装置は、前述したように光導波路に
おいてn個のIDTを設け、これらの各IDTから発せられた
表面弾性波によって導波光を次々とn回回折させるよう
にした光偏向装置において、 IDTに高周波の交番電圧を印加するドライバーを、それ
ぞれのIDTから発せられる表面弾性波に生じる周期的な
強度変動が互いに増幅し合わないように、周波数が互い
にずれた交番電圧を印加するように構成したことを特徴
とするものである。
表面弾性波のゆらぎによる偏向ビームの光量変動を最も
少なくするには、それぞれのゆらぎによる影響が互いに
打ち消し合うようにすればよく、そうするためには例え
ば、各ゆらぎの周期を互いに等しくて、かつ互いにほぼ
1/n周期(nは表面弾性波の数)ずつずれるようにドラ
イバーを構成すればよい。
(実施例) 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
第1図は本発明の一実施例による光偏向装置10を示すも
のである。この光偏向装置10は、基板11上に形成された
光導波路12と、この光導波路12上に形成された光ビーム
入射用集光性回折格子(Focusing Grating Coupler、以
下FGCと称する)13と、光ビーム出射用FGC14と、これら
のFGC13、14の間を進行する導波光の光路に交わる方向
に進行する表面弾性波15、16をそれぞれ発生させる第
1、第2の傾斜指チャープ交叉くし形電極対(Tilted-F
inger Chirped Inter Digital Transducer、以下傾斜指
チャープIDT、あるいは単にIDTと称する)17、18と、上
記表面弾性波15、16を発生させるために傾斜指チャープ
IDT17に高周波の交番電圧を印加する高周波アンプ19
と、上記電圧の周波数を連続的に変化(掃引)させるス
イーパー20と、同様にIDT18に対して設けられた高周波
アンプ19′およびスイーパー20′とを有している。
本実施例においては一例として、基板11にLiNbO3ウェハ
を用い、このウェハの表面にTi拡散膜を設けることによ
り光導波路12を形成している。なお基板11としてその他
サファイア、Si等からなる結晶性基板が用いられてもよ
い。また光導波路12も上記のTi拡散に限らず、基板11上
のその他の材料をスパッタ、蒸着する等して形成するこ
ともできる。なお光導波路については、例えばティー
タミール(T.Tamir)編「インテグレイテッド オプテ
ィクス(Integrated Opics)」(トピックス イン ア
プライド フィジックス(Topics in Applied Physic
s)第7巻)スプリンガー フェアラーグ(Springer-Ve
rlag)刊(1975);西原、春名、栖原共著「光集積回
路」オーム社刊(1985)等の成著に詳細な記述があり、
本発明では光導波路12としてこれら公知の光導波路のい
ずれをも使用できる。ただし、この光導波路12は、上記
Ti拡散膜等、後述する表面弾性波が伝播可能な材料から
形成されなければならない。また光導波路は2層以上の
積層構造を有していてもよい。
傾斜指チャープIDT17、18は、例えば光導波路12の表面
にポジ型電子線レジストを塗布し、さらにその上にAu導
電用薄膜を蒸着し、電極パターンを電子線描画し、Au薄
膜を剥離後現像を行ない、次いでCr薄膜、Al薄膜を蒸着
後、有機溶媒中でリフトオフを行なうことによって形成
することができる。なお傾斜指チャープIDT17、18は、
基板11や光導波路12が圧電性を有する材料からなる場合
には、直接光導波路12内あるいは基板11上に設置しても
表面弾性波15、16を発生させることができるが、そうで
ない場合には基板11あるいは光導波路12の一部に例えば
ZnO等からなる圧電性薄膜を蒸着、スパッタ等によって
形成し、そこにIDT17、18を設置すればよい。
偏向される光ビームLは、例えば半導体レーザ等の光源
21から、FGC13に向けて射出される。この光ビームL
(発散ビーム)は、FGC13によって平行ビームとされた
上で光導波路12内に取り込まれ、該光導波路12内を導波
する。この導波光L1は、第1の傾斜指チャープIDT17か
ら発せられた第1の表面弾性波15との音響光学相互作用
により、図示のように回折(Bragg回折)する。こうし
て回折、偏向した導波光L2は、第2の傾斜指チャープID
T18から発せられた第2の表面弾性波16との音響光学相
互作用により、上記偏向をさらに増幅させる方向に回折
する。そして前述のように、第1の傾斜指チャープIDT1
7に印加される交番電圧の周波数が連続的に変化するの
で、第1の表面弾性波15の周波数が連続的に変化する。
前述の第(1)式から明らかなように、表面弾性波15に
よって回折した導波光L2の偏向角は表面弾性波15の周波
数にほぼ比例するので、上記のように表面弾性波15の周
波数が変化することにより、導波光L2は矢印Aで示すよ
うに連続的に偏向する。この導波光L2は次に第2の表面
弾性波16によって偏向されるが、この第2の表面弾性波
16も第1の表面弾性波15と同様に周波数が連続的に変化
するので、第2の表面弾性波16を通過した後の導波光L3
は、矢印Bで示すように連続的に大きく偏向する。この
導波光L3はFGC14によって光導波路12外に出射せしめら
れ、またその集光作用によって1点に集束される。
次に、導波光L3の偏向角範囲Δδについて、第2図を参
照して説明する。この第2図は、第1の傾斜指チャープ
IDT17および第2の傾斜指チャープIDT18の詳細な形状と
配置状態を示している。図示されるように第1の傾斜指
チャープIDT17および第2の傾斜指チャープIDT18はそれ
ぞれ、電極指の間隔が変化率一定で段階的に変化すると
ともに、各電極指の向きも変化率一定で段階的に変化す
るように形成されている。第1の傾斜指チャープIDT17
は、電極指の間隔が狭い方(図中上端部)が導波光側に
位置するように配置され、前述のように印加電圧の周波
数が掃引されることにより、この上端部が最大周波数
f2、そして下端部が最小周波数f1の表面弾性波15を発生
するようになっている。第2の傾斜指チャープIDT18も
同様で、最大周波数f2′、最小周波数f1′の表面弾性波
16を発生する。
第1の傾斜指チャープIDT17、第2の傾斜指チャープIDT
18からそれぞれ最大周波数f2、f2′の表面弾性波15、16
が発せられたときの光ビームの回折状態は第2図ので
示す状態となる。つまりこの場合は、最大周波数f2の表
面弾性波15に対して導波光L1が入射角θで入射し、この
角度はブラッグ条件を満足している。すなわち導波光
L1、回折後の導波光L2の波数ベクトルをそれぞれ 表面弾性波15の波数ベクトルを とすると、第3図(1)に示すように となっている。つまり回折された導波光L2の進行方向
は、ベクトル の向きとなる。またこのとき、最大周波数f2′の表面弾
性波16に対する導波光L2の入射角はθ′で、ブラッグ条
件を満足している。すなわち表面弾性波16による回折後
の導波光L3の波数ベクトルを 表面弾性波16の波数ベクトルを とすると、第3図(1)に示すように となっている。この場合、2回の回折による合計の偏向
角δ2=2θ+2θ′である。
上記の状態から表面弾性波15,16の周波数がそれぞれ最
小周波数f1、f1′まで次第に下げられる。表面弾性波1
5,16の周波数がそれぞれf1、f1′の場合の波数ベクトル および は、第3図(2)に示すものとなり、この場合も、前述
の関係が成立している。このときの2回回折による合計
の偏向角は第3図(2)に示すδ1となる。
そして表面弾性波15,16の周波数が上記のようにそれぞ
れ最大周波数f2、f2′から最小周波数f1、f1′に変化す
る間、常に前述の(2)式の関係が成り立ち、導波光L1
と表面弾性波15とのブラッグ条件、導波光L2と表面弾性
波16とのブラッグ条件が常に満たされる。
以上の説明から明らかなように、表面弾性波15、16の周
波数が最大周波数、最小周波数のとき、2回回折した導
波光L3の進行方向はそれぞれ第3図(1)のベクトル 第3図(2)のベクトル の向き(第2図に,′で示す向き)であり、その差
つまり偏向角範囲Δδ=δ2−δ1となる。例えば、第1
の表面弾性波15のみで光ビームを偏向して、その最大周
波数f2を最小周波数f1の2倍とする場合は、偏向角範囲
はほぼθであるから、それと比べて上記の値Δδは極め
て大きいものとなりうる。
次に、前述した表面弾性波のゆらぎによる偏向ビームの
光量変動を抑える点について説明する。高周波アンプ19
からIDT17までの高周波ケーブル25の長さと、高周波ア
ンプ19′からIDT18までの高周波ケーブル25′の長さが
ともにlであるとし、また高周波の周波数をf、波長を
λR、真空中の光速をc、ケーブル25、25′の比誘導率
をεrとすると、 (mはケーブル間に存在する定在波の数) のとき、定在波の中心レベルに相当する高周波電力がID
T17に加わる。この状態から高周波周波数がΔfだけ変
化して定在波の数mが1つだけ増え、あるいは減るとき
(mの変化量Δm=1)、LDT17に加わる高周波電力
は、上記定在波の中心に相当するレベルから増減して再
度このレベルに戻るので、この間に1周期のゆらぎが生
じる。上記の式と、c=fλR、Δm=1より、 となるから、例えばεr=2のテフロンケーブル25、2
5′を1m継ぐと、Δf=106MHzとなる。したがってこの
場合、IDT17と18に印加される高周波の周波数が各時点
で互いにΔf/2=53MHzだけずれていれば、第1の表面弾
性波15と第2の表面弾性波16におけるゆらぎ(これらは
上記構成により同一周期のものとなる)が互いに半周期
分ずつずれるようになる。そこで本例では、第1のIDT1
7に印加する高周波電圧の周波数(これは表面弾性波15
の周波数となる)をf2=1000MHzからf1=500MHzまで変
化させ、このとき第2のIDT18に印加する高周波電圧の
周波数をf2′=1053MHzからf1′=553MHzまで変化させ
る。こうしたとき、表面弾性波15のゆらぎと表面弾性波
16のゆらぎは、各時点で互いに半周期分ずつずれるよう
になる。表面弾性波15、16による導波光の回折効率は上
記ゆらぎに対応して、それぞれ第4図(1)、(2)に
示すように周期的に変動するが、表面弾性波15と16のゆ
らぎが互いに上述のようにずれているから、両表面弾性
波15、16による総合的な回折効率は、上記変動を互いに
打ち消し合って、第4図(3)に示すように本質的に一
定になる。
ここで、上記ゆらぎの減少について具体的に述べる。第
4図(1)、(2)に示すように、表面弾性波15、16に
よる個々の回折効率の変動幅Dが、最大回折効率の20%
あるとする。そして上記変動の中心の回折効率をそれぞ
れA、B(A=B)とすれば、表面弾性波15による回折
効率ηA、表面弾性波16による回折効率ηBはそれぞれ、
変動の周期を2πとして、 ηA=A+Dsin x ηB=B+D(sisn x+π) =B+(−D)sin x =A−Dsin x となる。よって2回回折による総合的な回折効率は、 となる。最大回折効率を1とすれば、A=0.9、D=0.2
であり、 となる。
したがって一定レベル に対するゆらぎ成分 の比は、 となる。つまり本例では、表面弾性波15、16の個々に関
しては20%存在する回折効率の変動が、2回回折により
総合的には2.5%に減少されることになる。
以上説明した例では、IDT17と18とにそれぞれ専用の高
周波アンプとスイーパーを設けているが、第5図に示す
ように1つのスイーパー20の出力を分配器31によって分
配してそれぞれ高周波アンプ19、19′に入力するように
し、一方のIDT18に対してはローカル発振器30を設け、
この発振器30の出力をミキサー32によってスイーパー20
の出力と加算することによって、両IDT17、18が発する
表面弾性波の周波数を互いにずらすこともできる。また
第6図に示すように、IDT17、18に対して高周波アンプ1
9も共用するようにしてもよい。
また以上説明した実施例は、導波光を2回回折させるも
のであるが、導波光を3回以上回折させる場合において
も本発明は適用可能である。例えば導波光を3つの表面
弾性波によって3回回折させる場合は、表面弾性波のゆ
らぎが同じ周期でかつ互いにこの周期の1/3ずつずれる
ように各表面弾性波の周波数を設定すればよい。そうす
れば第7図に示すように、3つの表面弾性波による総合
的な回折効率が一定化する。以下この効果について前述
と同様にして説明する。第1、第2、第3の表面弾性波
による回折効率ηA、ηB、ηCはそれぞれ、 となる。3回回折による総合的な回折効率η3はη3=η
A・ηB・ηCであり、ここでもA=B=Cとすると、上
記3つの式より、 η3=ηA・ηB・ηC =A3+0.5×0.5×AD2 sin2 x+0.57×0.87×AD2
cos2 x となる。前述のようにD=0.2とすると、 であり、A=0.9とすれば、 η3=0.9{(0.81+0.005+0.01)−0.015cos2 α} したがって、一定レベル(0.81+0.005+0.01)=0.825
に対するゆらぎ成分の比は、 0.015/0.825=0.018 となる。すなわち本例では、個々の3つの表面弾性波に
関して20%存在する回折効率の変動が、1.8%に減少す
ることになる。
一般的に、n個の表面弾性波によって導波光をn回回折
させる場合、以上説明のようにして表面弾性波のゆらぎ
を補正するには、各表面弾性波のゆらぎの周期が等しく
なるようにした上で、それぞれ互いに1/n周期ずつずれ
るように各表面弾性波の周波数をシフトさせればよい。
なお上記のように各表面弾性波の周波数をシフトさせれ
ば、最も効率良く表面弾性波のゆらぎが補正されるが、
この周波数のシフト量は、以上述べたのと若干ずれてい
てもよい。そうなっていても、表面弾性波の周波数が互
いに一致していて上記ゆらぎによる回折効率の変動が次
々と増幅されてしまうことに比べれば、著しい回折効率
安定化の効果が得られる。
また例えば4つの表面弾性波によって導波光を4回回折
させるような場合は、第1と第2の表面弾性波の周波数
は共通にし、また第3と第4の表面弾性波の周波数も共
通にした上で、第1および第2の表面弾性波のゆらぎの
周期と、第3および第4の表面弾性波のゆらぎの周期と
が該周期の1/2だけ互いにずれるように各周波数を設定
してもよい。
また本発明装置においては、以上説明した傾斜指チャー
プIDT17、18に代えて、電極指間隔が段階的に変化しか
つ各電極指が円弧状をなすいわゆる湾曲指IDTを使用し
て、第1、第2の表面弾性波の周波数および進行方向を
連続的に変化させるようにしてもよい。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明の光偏向装置において
は、複数のIDTに印加する交番電圧の周波数を互いにず
らすようにドライバーを構成したことにより、各IDTか
ら発生される表面弾性波の強度変動を互いに補正し合っ
て、これらの表面弾性波による総合的な導波光回折効率
をほぼ一定に維持させることができる。したがって本装
置によれば、偏向ビームの光量変動を抑えて、精密走査
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例装置を示す概略斜視図、 第2図は上記実施例装置の一部を拡大して示す平面図、 第3図は上記実施例の装置における光ビーム偏向の仕組
みを説明する説明図、 第4図は本発明における回折効率一定化の効果を説明す
る説明図、 第5図は第6図はそれぞれ、本発明において用いられる
電極対駆動回路の別の例を示す回路図、 第7図は本発明における回折効率一定化の効果を説明す
る説明図である。 10……光偏向装置、11……基板 12……光導波路 13……光ビーム入射用FGC 14……光ビーム出射用FGC 15……表面弾性波、16……表面弾性波 17……第1の傾斜指チャープIDT 18……第2の傾斜指チャープIDT 19、19′……高周波アンプ 20、20′……スイーパー、21……光源 25、25′……高周波ケーブル、30……ローカル発振器 31……分配器、32……ミキサー L1……第1の表面弾性波に入射する前の導波光 L2……第1の表面弾性波を通過した導波光 L3……第2の表面弾性波を通過した導波光

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面弾性波が伝播可能な材料から形成され
    た光導波路と、 この光導波路内を進行する導波光の光路に交わる方向に
    進行して該導波光を回折、偏向させる表面弾性波をそれ
    ぞれ前記光導波路において発生させるn個(n≧2)の
    表面弾性波発生手段とを有し、 これらの表面弾性波発生手段から発せられた表面弾性波
    によって前記導波光を、前記回折による偏向を次々と増
    幅させるようにn回回折させるようにした光偏向装置に
    おいて、 前記n個の表面弾性波発生手段がそれぞれ、電極指間隔
    が段階的に変化する交叉くし形電極対と、該電極対に周
    波数が連続的に変化する高周波の交番電圧を印加するド
    ライバーとから構成され、 前記ドライバーが各交叉くし形電極対に対して、それぞ
    れの電極対から発せられる表面弾性波に生じる周期的な
    強度変動が互いに増幅し合わないように、周波数が互い
    にずれた交番電圧を印加することを特徴とする光偏向装
    置。
  2. 【請求項2】前記n個の表面弾性波の強度変動の周期
    が、互いにほぼ等しくてかつ互いにほぼ1/n周期ずつず
    れるように各表面弾性波発生手段が構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の光偏向装置。
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