JPH0778169B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物の製造方法Info
- Publication number
- JPH0778169B2 JPH0778169B2 JP32342088A JP32342088A JPH0778169B2 JP H0778169 B2 JPH0778169 B2 JP H0778169B2 JP 32342088 A JP32342088 A JP 32342088A JP 32342088 A JP32342088 A JP 32342088A JP H0778169 B2 JPH0778169 B2 JP H0778169B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoplastic resin
- component
- resin composition
- producing
- rubber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関す
る。詳しくは、熱可塑性樹脂と特定の不飽和ゴム状物質
との混合物を、特定の架橋剤を用いて動的に熱処理する
ことにより、剛性、耐衝撃特性および成形加工性などの
バランスにすぐれ、あるいは柔軟性および成形加工性の
バランスにすぐれた熱可塑性樹脂組成物を製造する方法
に関する。
る。詳しくは、熱可塑性樹脂と特定の不飽和ゴム状物質
との混合物を、特定の架橋剤を用いて動的に熱処理する
ことにより、剛性、耐衝撃特性および成形加工性などの
バランスにすぐれ、あるいは柔軟性および成形加工性の
バランスにすぐれた熱可塑性樹脂組成物を製造する方法
に関する。
熱可塑性樹脂は、成形性にすぐれた材料として広範な作
業分野で利用されているが、さらにゴム状物質とブレン
ドして改質するとによりその利用分野が拡大されてき
た。またこのようにして得られた混合物を動的に熱処理
することにより、上記ブレンドの効果、たとえば耐衝撃
性の改良やゴム的性質の増大を促進することも公知であ
る。動的な熱処理を利用する方法としては、熱可塑性樹
脂とゴム状物質の両者に作用する架橋剤を使用するもの
(従来法A)および主としてゴム物質のみに作用する架
橋剤を使用するもの(従来法B)が現在までに公知であ
るが、従来の方法によつて得られる組成物に関しては、
以下に述べるような点で改良が望まれていた。
業分野で利用されているが、さらにゴム状物質とブレン
ドして改質するとによりその利用分野が拡大されてき
た。またこのようにして得られた混合物を動的に熱処理
することにより、上記ブレンドの効果、たとえば耐衝撃
性の改良やゴム的性質の増大を促進することも公知であ
る。動的な熱処理を利用する方法としては、熱可塑性樹
脂とゴム状物質の両者に作用する架橋剤を使用するもの
(従来法A)および主としてゴム物質のみに作用する架
橋剤を使用するもの(従来法B)が現在までに公知であ
るが、従来の方法によつて得られる組成物に関しては、
以下に述べるような点で改良が望まれていた。
(従来法A)この方法は有機過酸化物を代表とするフリ
ーラジカル発生剤を使用するもので、特公昭53−34210
号公報(US3,806,558)にその例が示されている。熱可
塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂のように有機過酸化物
非架橋型樹脂である場合は、射出成形時の流動性の良好
な組成物は得られるが、組成物中に残存する有機過酸化
物が熱安定性および耐候性を劣化させ、かつ有機過酸化
物の熱分解が急激に生じる結果分子切断反応が避けられ
ず、このため引張降伏強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率など
の機械的特性の低下が生じる。また該組成物を押出、中
空成形に使用した場合には耐ドローダウン性の劣化、パ
リソンの肌荒れおよび伸びの不足が問題とされており、
射出成形に際しても光沢が悪化し、商品の美観に影響を
与える場合のあることが指摘されていた。なおこの方法
はポリエチレン系樹脂のような有機過酸化物架橋型樹脂
に対しては組成物の流動特性が著しく低下するために使
用できなかつた。さらにこの製造方法を使用した場合に
は、フリーラジカル発生剤の貯蔵時・動的処理時の安定
性、安全性、加熱された加工機内壁への付着による熱分
解ロスなども必ず付随する問題として解決が望まれてい
た。
ーラジカル発生剤を使用するもので、特公昭53−34210
号公報(US3,806,558)にその例が示されている。熱可
塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂のように有機過酸化物
非架橋型樹脂である場合は、射出成形時の流動性の良好
な組成物は得られるが、組成物中に残存する有機過酸化
物が熱安定性および耐候性を劣化させ、かつ有機過酸化
物の熱分解が急激に生じる結果分子切断反応が避けられ
ず、このため引張降伏強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率など
の機械的特性の低下が生じる。また該組成物を押出、中
空成形に使用した場合には耐ドローダウン性の劣化、パ
リソンの肌荒れおよび伸びの不足が問題とされており、
射出成形に際しても光沢が悪化し、商品の美観に影響を
与える場合のあることが指摘されていた。なおこの方法
はポリエチレン系樹脂のような有機過酸化物架橋型樹脂
に対しては組成物の流動特性が著しく低下するために使
用できなかつた。さらにこの製造方法を使用した場合に
は、フリーラジカル発生剤の貯蔵時・動的処理時の安定
性、安全性、加熱された加工機内壁への付着による熱分
解ロスなども必ず付随する問題として解決が望まれてい
た。
(従来法B)この方法は上記特公昭53−34210号公報中
にも示唆されているが、詳細は以下の公報中に見られ
る: 第1の方法は硫黄系架橋剤を使用するもので、特公昭55
−18448号公報(US 4,130,535)に提案されている。し
かしながら、硫黄ラジカルの発生を伴う硫黄系架橋剤を
添加して動的に熱処理したものは、通常の混練温度にお
いて極度に悪臭を発生するのみならず、得られた組成物
も悪臭を放つ。この組成物の悪臭は成形加工時に可塑化
工程で再発生して、著しく商品価値を低下させる。また
この組成物は濃黄赤色に帯色するため、組成物の着色の
自由度が制限され、さらに長期使用中に硫黄系化合物の
ブリードにより変色を生ずることもあるため、使用分野
が制限される。
にも示唆されているが、詳細は以下の公報中に見られ
る: 第1の方法は硫黄系架橋剤を使用するもので、特公昭55
−18448号公報(US 4,130,535)に提案されている。し
かしながら、硫黄ラジカルの発生を伴う硫黄系架橋剤を
添加して動的に熱処理したものは、通常の混練温度にお
いて極度に悪臭を発生するのみならず、得られた組成物
も悪臭を放つ。この組成物の悪臭は成形加工時に可塑化
工程で再発生して、著しく商品価値を低下させる。また
この組成物は濃黄赤色に帯色するため、組成物の着色の
自由度が制限され、さらに長期使用中に硫黄系化合物の
ブリードにより変色を生ずることもあるため、使用分野
が制限される。
第2の方法としては、特公昭58−46138号公報(US 4,31
1,628)および特公昭54−19421号公報に、ハロゲン化フ
エノール樹脂またはフエノールホルムアルデヒド樹脂に
ハロゲン化物を添加した架橋剤が提案されているが、活
性ハロゲンが架橋反応時に遊離するため、組成物は黒色
に変色して着色の自由度が失われる。またこれらの架橋
剤を使用した場合に得られる組成物の流動性は良好とは
いい難い。
1,628)および特公昭54−19421号公報に、ハロゲン化フ
エノール樹脂またはフエノールホルムアルデヒド樹脂に
ハロゲン化物を添加した架橋剤が提案されているが、活
性ハロゲンが架橋反応時に遊離するため、組成物は黒色
に変色して着色の自由度が失われる。またこれらの架橋
剤を使用した場合に得られる組成物の流動性は良好とは
いい難い。
第3の方法として、上述の特公昭54−19421号公報には
キノンジオキシム系化合物による架橋も提案されている
が、キノンジオキシム類は暗紫色であるため組成物の着
色の自由度が大きく制限され、また動的熱処理時に刺激
臭を発生する問題がある。またこの方法で得られた組成
物も成形加工時の流動特性は良好とはいい難い。
キノンジオキシム系化合物による架橋も提案されている
が、キノンジオキシム類は暗紫色であるため組成物の着
色の自由度が大きく制限され、また動的熱処理時に刺激
臭を発生する問題がある。またこの方法で得られた組成
物も成形加工時の流動特性は良好とはいい難い。
第4の方法としては、特公昭55−46661号公報(US 4,10
4,210)および特公昭55−18448号公告(US 4,130,535)
にビスマレイミド系化合物またはこれとチアゾール系化
合物との併用の例が示されている。前者においては高不
飽和ジエンゴムに対してN,N′−m−フエニレンビスマ
レイミドを使用しているが、所定の架橋効果を得るため
に多量の添加を要し、このため組成物の着色、未反応分
のブリードなどの問題があつた。また後者では、ポリプ
ロピレン/EPDM系において同じくN,N′−m−フエニレン
ビスマレイミドを使用しているが、動的熱処理による改
質効果については極めて不十分な結果を報告している。
なおビスマレイミド系化合物は一般に高価であり、多量
の添加はコスト高の原因となる。
4,210)および特公昭55−18448号公告(US 4,130,535)
にビスマレイミド系化合物またはこれとチアゾール系化
合物との併用の例が示されている。前者においては高不
飽和ジエンゴムに対してN,N′−m−フエニレンビスマ
レイミドを使用しているが、所定の架橋効果を得るため
に多量の添加を要し、このため組成物の着色、未反応分
のブリードなどの問題があつた。また後者では、ポリプ
ロピレン/EPDM系において同じくN,N′−m−フエニレン
ビスマレイミドを使用しているが、動的熱処理による改
質効果については極めて不十分な結果を報告している。
なおビスマレイミド系化合物は一般に高価であり、多量
の添加はコスト高の原因となる。
上記のように、従来の架橋剤による不飽和ゴム状物質の
架橋方法においては、架橋剤が動的熱処理時に分解、副
反応、悪臭発生、着色などの原因となり、あるいは比較
的多量の添加を必要とするなどの欠点を示すため、いず
れの方法も実用上十分に満足できるものとはいえず、よ
りすぐれた架橋剤の発見およびこれによる熱可塑性樹脂
組成物の製造方法の改良が望まれていた。
架橋方法においては、架橋剤が動的熱処理時に分解、副
反応、悪臭発生、着色などの原因となり、あるいは比較
的多量の添加を必要とするなどの欠点を示すため、いず
れの方法も実用上十分に満足できるものとはいえず、よ
りすぐれた架橋剤の発見およびこれによる熱可塑性樹脂
組成物の製造方法の改良が望まれていた。
本発明は上記の点に鑑み、従来の架橋剤の欠点ができる
だけ抑制され、かつ少量の添加で高い架橋反応性が得ら
れる不飽和ゴム状物質の架橋剤を見いだし、これを用い
て熱可塑性樹脂およびゴム状物質の混合物の架橋を行う
ことにより改良された熱可塑性樹脂組成物の製造方法を
提供することを目的とする。
だけ抑制され、かつ少量の添加で高い架橋反応性が得ら
れる不飽和ゴム状物質の架橋剤を見いだし、これを用い
て熱可塑性樹脂およびゴム状物質の混合物の架橋を行う
ことにより改良された熱可塑性樹脂組成物の製造方法を
提供することを目的とする。
本発明者らは上記の目的に沿つて鋭意検討した結果、飽
和熱可塑性樹脂と不飽和ゴム状物質との混合物の架橋に
際し、特定のゴム状物質に対し、架橋剤としてジヒドロ
芳香族化合物を用いることにより従来の架橋剤による場
合に比較して著しくすぐれた結果が得られることを見い
だし、これに基づいて本発明に到達した。
和熱可塑性樹脂と不飽和ゴム状物質との混合物の架橋に
際し、特定のゴム状物質に対し、架橋剤としてジヒドロ
芳香族化合物を用いることにより従来の架橋剤による場
合に比較して著しくすぐれた結果が得られることを見い
だし、これに基づいて本発明に到達した。
すなわち本発明は、実質的に炭素−炭素不飽和結合を含
まない熱可塑性樹脂(A)および炭素−炭素不飽和結合
を有するゴム状物質からなる混合物を、架橋剤の存在下
で動的に熱処理して熱可塑性樹脂組成物を製造するに際
し、ゴム状物質(B)としてスチレン−ブタジエン−ス
チレン・ブロツク共重合体(SBS)、スチレン−イソプ
レン−スチレン・ブロツク共重合体(SIS)、1,2−ポリ
ブタジエンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエン・
ランダム共重合体(EPDM)からなる群から選ばれた少な
くとも1種を用い、架橋剤としてジヒドロ芳香族化合物
またはその重合体(a)を用いることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物の製造方法を提供するものである。以
下、本発明について詳細に説明する。
まない熱可塑性樹脂(A)および炭素−炭素不飽和結合
を有するゴム状物質からなる混合物を、架橋剤の存在下
で動的に熱処理して熱可塑性樹脂組成物を製造するに際
し、ゴム状物質(B)としてスチレン−ブタジエン−ス
チレン・ブロツク共重合体(SBS)、スチレン−イソプ
レン−スチレン・ブロツク共重合体(SIS)、1,2−ポリ
ブタジエンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエン・
ランダム共重合体(EPDM)からなる群から選ばれた少な
くとも1種を用い、架橋剤としてジヒドロ芳香族化合物
またはその重合体(a)を用いることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物の製造方法を提供するものである。以
下、本発明について詳細に説明する。
まず本発明に用いられる成分(A)は、オレフイン性の
炭素−炭素不飽和化合物を実質的に含まない樹脂から広
く選ばれるものであり、具体例としては結晶性ポリプロ
ピレン、プロピレン・α−オレフイン・ランダム共重合
体、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレン(UL
DPE)、エチレン・α−オレフイン共重合体ゴム、エチ
レン−不飽和カルボン酸エステル共重合体などのポリオ
レフイン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリルニ
トリル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂ま
たはこれらの混合物が挙げられる。これらのうちでも、
後述するゴム状物質との相溶性の点および得られる組成
物の特性の点から、ポリオレフイン系樹脂またはポリス
チレン系樹脂からなるものであることが好ましい。
炭素−炭素不飽和化合物を実質的に含まない樹脂から広
く選ばれるものであり、具体例としては結晶性ポリプロ
ピレン、プロピレン・α−オレフイン・ランダム共重合
体、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレン(UL
DPE)、エチレン・α−オレフイン共重合体ゴム、エチ
レン−不飽和カルボン酸エステル共重合体などのポリオ
レフイン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリルニ
トリル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂ま
たはこれらの混合物が挙げられる。これらのうちでも、
後述するゴム状物質との相溶性の点および得られる組成
物の特性の点から、ポリオレフイン系樹脂またはポリス
チレン系樹脂からなるものであることが好ましい。
なお上に述べた極低密度ポリエチレン(ULDPE)とは、
密度が0.910g/cm3以下であり、かつ直鎖状低密度ポリエ
チレンとエチレン・α−オレフイン共重合体ゴムとの中
間の性状を示すポリエチレン系樹脂を指す。
密度が0.910g/cm3以下であり、かつ直鎖状低密度ポリエ
チレンとエチレン・α−オレフイン共重合体ゴムとの中
間の性状を示すポリエチレン系樹脂を指す。
たとえば密度0.860〜0.910g/cm3、示差走査熱量測定法
(DSC)による最大ピーク温度(Tm)100℃以上および沸
騰n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状を有する特定
のエチレン・α−オレフイン共重合体は、マグネシウム
およびチタンを含有する固体触媒成分と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒を用いて重合されるが、直鎖状
低密度ポリエチレンが示す高結晶部分とエチレン・α−
オレフイン共重合体ゴムが示す非晶性部分とを併せもつ
樹脂であつて、前者の特長である機械的強度、耐熱性、
耐油性などと、後者の特長であるゴム状弾性、耐低温衝
撃性などがバランスよく共存しており、本発明に用いる
ときは、後述するように広範囲にすぐれた性能を有する
熱可塑性樹脂組成物が得られるため極めて有用である。
(DSC)による最大ピーク温度(Tm)100℃以上および沸
騰n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状を有する特定
のエチレン・α−オレフイン共重合体は、マグネシウム
およびチタンを含有する固体触媒成分と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒を用いて重合されるが、直鎖状
低密度ポリエチレンが示す高結晶部分とエチレン・α−
オレフイン共重合体ゴムが示す非晶性部分とを併せもつ
樹脂であつて、前者の特長である機械的強度、耐熱性、
耐油性などと、後者の特長であるゴム状弾性、耐低温衝
撃性などがバランスよく共存しており、本発明に用いる
ときは、後述するように広範囲にすぐれた性能を有する
熱可塑性樹脂組成物が得られるため極めて有用である。
上記の性状において、密度が0.860g/cm3未満のものを使
用すると熱可塑性樹脂組成物が軟らかすぎ剛性不足とな
るおそれがある。またDSCによるTmは結晶形態と相関す
る値であり、これが100℃未満であると成形品表面にベ
タつきが生じ、耐熱性および引張強度が不足する傾向を
しめす。沸騰n−ヘキサン不溶分は非結晶部分および低
分子量成分の含有割合の目安となるものであり、同不溶
分が10重量%未満であるときは非晶質部分および低分子
量成分が多すぎて、同様に熱可塑性樹脂組成物の強度低
下を招き、かつ表面にベタつきを生じて外観が不良とな
る場合もある。
用すると熱可塑性樹脂組成物が軟らかすぎ剛性不足とな
るおそれがある。またDSCによるTmは結晶形態と相関す
る値であり、これが100℃未満であると成形品表面にベ
タつきが生じ、耐熱性および引張強度が不足する傾向を
しめす。沸騰n−ヘキサン不溶分は非結晶部分および低
分子量成分の含有割合の目安となるものであり、同不溶
分が10重量%未満であるときは非晶質部分および低分子
量成分が多すぎて、同様に熱可塑性樹脂組成物の強度低
下を招き、かつ表面にベタつきを生じて外観が不良とな
る場合もある。
次に成分(B)は炭素−炭素不飽和結合を有するゴム状
物質のうちスチレン−ブタジエン−スチレン・ブロツク
共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン・
ブロツク共重合体(SIS)、1,2−ポリブタジエンゴムお
よびエチレン−プロピレン−ジエン・ランダム共重合体
(EPDM)が選ばれる。一般に炭素−炭素不飽和結合を有
するゴム状物質としては、上記の他に天然ゴム、イソプ
レンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン・ラ
ンダム共重合体ゴム(SBR)、クロプレンゴム、ニトリ
ルゴム、ブチルゴム等のゴム類も含まれるが、本発明に
おいては上述の4種類が選ばれる。その理由の第1は、
これらのゴム状物質が他のゴム状物質に比べて熱可塑性
にすぐれており、溶融混練による分散が容易であるこに
よる。第2の理由としては、SBSおよびSISは不飽和結合
が局所的に存在し、1,2−ポリブテンおよびEPDMも不飽
和結合が側鎖部に局在するため、いずれも架橋在と反応
しやすいことが挙げられる。第3の利用としては、これ
ら4種のゴムがSBR、イソプレンゴム、ニトリルゴムあ
るいはブタジエンゴムなどと比較して独特の臭気を有し
ない点、あるいはペレツト状で入手できるために、配合
する際の計量や取扱いが容易であり、かつ組成物製造装
置の形式についても選択の自由度が大きくなることなど
操作上の利点を有することが挙げられる。その他、とく
にSBRおよびブタジエンゴムの場合においては、ビスマ
レイミド系化合物などによる架橋反応が進行し難く、ま
た得られた組成物の射出成形時に流動性が乏しいなどの
欠点を示す。
物質のうちスチレン−ブタジエン−スチレン・ブロツク
共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン・
ブロツク共重合体(SIS)、1,2−ポリブタジエンゴムお
よびエチレン−プロピレン−ジエン・ランダム共重合体
(EPDM)が選ばれる。一般に炭素−炭素不飽和結合を有
するゴム状物質としては、上記の他に天然ゴム、イソプ
レンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン・ラ
ンダム共重合体ゴム(SBR)、クロプレンゴム、ニトリ
ルゴム、ブチルゴム等のゴム類も含まれるが、本発明に
おいては上述の4種類が選ばれる。その理由の第1は、
これらのゴム状物質が他のゴム状物質に比べて熱可塑性
にすぐれており、溶融混練による分散が容易であるこに
よる。第2の理由としては、SBSおよびSISは不飽和結合
が局所的に存在し、1,2−ポリブテンおよびEPDMも不飽
和結合が側鎖部に局在するため、いずれも架橋在と反応
しやすいことが挙げられる。第3の利用としては、これ
ら4種のゴムがSBR、イソプレンゴム、ニトリルゴムあ
るいはブタジエンゴムなどと比較して独特の臭気を有し
ない点、あるいはペレツト状で入手できるために、配合
する際の計量や取扱いが容易であり、かつ組成物製造装
置の形式についても選択の自由度が大きくなることなど
操作上の利点を有することが挙げられる。その他、とく
にSBRおよびブタジエンゴムの場合においては、ビスマ
レイミド系化合物などによる架橋反応が進行し難く、ま
た得られた組成物の射出成形時に流動性が乏しいなどの
欠点を示す。
なおこれらのゴム状物質は、単独で使用するだけでな
く、必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
く、必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で使用する上記4種のゴムの中では、とくにEPDM
が成分(A)の各樹脂に対する改質効果が大きく、適用
される樹脂の種類も広く、かつ高い溶融混練温度におい
て安定であり、得られる組成物の耐熱性・耐候性の大き
い点などから好ましい。EPDM中に含まれるジエン成分に
ついてはとくに制限はなく、現在入手しうるエチリデン
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−シクロヘ
キサジエンなどいずれも使用できる。
が成分(A)の各樹脂に対する改質効果が大きく、適用
される樹脂の種類も広く、かつ高い溶融混練温度におい
て安定であり、得られる組成物の耐熱性・耐候性の大き
い点などから好ましい。EPDM中に含まれるジエン成分に
ついてはとくに制限はなく、現在入手しうるエチリデン
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−シクロヘ
キサジエンなどいずれも使用できる。
成分(A)および(B)の組合せの中では、ポリプロピ
レン系樹脂からなる組成物とEPDMとの組合せが、加工性
・低温時の耐衝撃性のバランスの点でとくに好ましい。
レン系樹脂からなる組成物とEPDMとの組合せが、加工性
・低温時の耐衝撃性のバランスの点でとくに好ましい。
成分(A)および(B)の配合割合は、(A)が98〜68
重量%、好ましくは95〜65重量%、(B)が2〜40重量
%、好ましくは5〜35重量%である。成分(B)が2重
量%より少ないと耐衝撃特性の改良効果または柔軟性が
不十分であり、40重量%を越えると剛性が低下し、ある
いは耐熱性、柔軟性および引張強さのバランスが悪化す
る。
重量%、好ましくは95〜65重量%、(B)が2〜40重量
%、好ましくは5〜35重量%である。成分(B)が2重
量%より少ないと耐衝撃特性の改良効果または柔軟性が
不十分であり、40重量%を越えると剛性が低下し、ある
いは耐熱性、柔軟性および引張強さのバランスが悪化す
る。
本発明の方法は、成分(A)の種類を変化させることに
より、各種特性を有する広範囲の架橋系熱可塑性樹脂組
成物の製造に用いることができる。たとえば成分(A)
が結晶性ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂などである場合には、耐熱
性、剛性および成形加工性を十分高い値に保持しつつ、
耐衝撃性および伸びなどの点ですぐれた性能を示す熱可
塑性樹脂組成物が得られる。また成分(A)として前記
特定のエチレン・α−オレフイン共重合体からなるULDP
Eを用いる場合には、柔軟性とくに低温柔軟性および成
形加工性を十分高い値に保持しつつ、引張強さ、耐熱
性、耐摩耗性などの点ですぐれた性能を示す熱可塑性エ
ラストマーが得られる。
より、各種特性を有する広範囲の架橋系熱可塑性樹脂組
成物の製造に用いることができる。たとえば成分(A)
が結晶性ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂などである場合には、耐熱
性、剛性および成形加工性を十分高い値に保持しつつ、
耐衝撃性および伸びなどの点ですぐれた性能を示す熱可
塑性樹脂組成物が得られる。また成分(A)として前記
特定のエチレン・α−オレフイン共重合体からなるULDP
Eを用いる場合には、柔軟性とくに低温柔軟性および成
形加工性を十分高い値に保持しつつ、引張強さ、耐熱
性、耐摩耗性などの点ですぐれた性能を示す熱可塑性エ
ラストマーが得られる。
また本発明に使用する架橋剤は、後述するように主とし
て成分(B)の架橋反応に関与し実質的に成分(A)を
変化させないので、成分(A)に任意の組合せを用いる
ことにより、それらの性質をそのまま組成物に付与する
ことが可能である。これらの中でも結晶性ポリプロピレ
ンとULDPEとくに前記特定のエチレン・α−オレフイン
共重合体との組合せの場合に著しくすぐれた性質を得る
ことができる。たとえば結晶性ポリプロピレンとEPDMと
からなる架橋組成物について柔軟性を増加させたい場合
に、軟化剤の添加、EPDMの増量あるいは低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレンなどの添加ではいずれ
も耐熱性、機械的強度の低下その他の問題が避けられな
いが、上記のエチレン・α−オレフイン共重合体を添加
した場合にはこれらの問題は生じない。たとえ生じたと
してもわずかであり、低温時の耐衝撃特性、パリソンの
伸びあるいは耐ドローダウン性の問題などが改善され
る。
て成分(B)の架橋反応に関与し実質的に成分(A)を
変化させないので、成分(A)に任意の組合せを用いる
ことにより、それらの性質をそのまま組成物に付与する
ことが可能である。これらの中でも結晶性ポリプロピレ
ンとULDPEとくに前記特定のエチレン・α−オレフイン
共重合体との組合せの場合に著しくすぐれた性質を得る
ことができる。たとえば結晶性ポリプロピレンとEPDMと
からなる架橋組成物について柔軟性を増加させたい場合
に、軟化剤の添加、EPDMの増量あるいは低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレンなどの添加ではいずれ
も耐熱性、機械的強度の低下その他の問題が避けられな
いが、上記のエチレン・α−オレフイン共重合体を添加
した場合にはこれらの問題は生じない。たとえ生じたと
してもわずかであり、低温時の耐衝撃特性、パリソンの
伸びあるいは耐ドローダウン性の問題などが改善され
る。
本発明において架橋剤として用いられるジヒドロ芳香族
化合物とは、1個以上の芳香族環を含む化合物であつて
少なくとも1つの芳香族環がジヒドロ化されたものをい
う。なおここでいう芳香族環とは、芳香属性の定義(た
とえば後藤俊夫訳「有機化学の基礎」105〜106頁、
(株)東京化学同人(1976)〔Richard S.Monson & Jo
hnC.Shelton;Fundamentals of Organic Chemistry,MacG
rau−Hill,Inc.(1974)〕に示されるπ−電子の数が4n
+2(nは整数)個である環構造を指し、たとえばピリ
ジン、キノリンなども含まれる。したがつて本発明で用
いるジヒドロ芳香族化合物はキノリンのジヒドロ誘導体
も含む。また本発明で用いるジヒドロ芳香族化合物には
置換基があつてもよく、アルキル基による置換体その他
各種の元素、官能基による置換誘導体が使用される。こ
のようなジヒドロ芳香族化合物は公知の化学反応を応用
することにより任意に合成しうるが、現在入手しうるも
のを例示すれば、1,2−ジヒドロベンゼン、cis−1,2−
ジヒドロカテコール、1,2−ジヒドロナフタレン、9,10
−ジヒドロフエナントレ等の他、6−デシル−2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等の1,2−ジヒドロ
キノリン系化物物が挙げられる。またこれらの化合物の
重合体であつてもよい。
化合物とは、1個以上の芳香族環を含む化合物であつて
少なくとも1つの芳香族環がジヒドロ化されたものをい
う。なおここでいう芳香族環とは、芳香属性の定義(た
とえば後藤俊夫訳「有機化学の基礎」105〜106頁、
(株)東京化学同人(1976)〔Richard S.Monson & Jo
hnC.Shelton;Fundamentals of Organic Chemistry,MacG
rau−Hill,Inc.(1974)〕に示されるπ−電子の数が4n
+2(nは整数)個である環構造を指し、たとえばピリ
ジン、キノリンなども含まれる。したがつて本発明で用
いるジヒドロ芳香族化合物はキノリンのジヒドロ誘導体
も含む。また本発明で用いるジヒドロ芳香族化合物には
置換基があつてもよく、アルキル基による置換体その他
各種の元素、官能基による置換誘導体が使用される。こ
のようなジヒドロ芳香族化合物は公知の化学反応を応用
することにより任意に合成しうるが、現在入手しうるも
のを例示すれば、1,2−ジヒドロベンゼン、cis−1,2−
ジヒドロカテコール、1,2−ジヒドロナフタレン、9,10
−ジヒドロフエナントレ等の他、6−デシル−2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等の1,2−ジヒドロ
キノリン系化物物が挙げられる。またこれらの化合物の
重合体であつてもよい。
本発明で使用する成分(a)の中には、従来からゴム状
物質の老化防止剤として知られているものがあるが(た
とえば前記特公昭55−46661号公報)、架橋剤として用
いた例はなく、他の架橋剤たとえば硫黄系化合物、キノ
ンジオキシム系化合物、フエノール樹脂系化合物、有機
過酸化物などとともに使用されているので、本発明の方
法による効果を得るに至つていない。
物質の老化防止剤として知られているものがあるが(た
とえば前記特公昭55−46661号公報)、架橋剤として用
いた例はなく、他の架橋剤たとえば硫黄系化合物、キノ
ンジオキシム系化合物、フエノール樹脂系化合物、有機
過酸化物などとともに使用されているので、本発明の方
法による効果を得るに至つていない。
架橋剤として用いる成分(a)は、成分(B)などの不
飽和結合に作用して炭素ラジカルを生成させ、自身はラ
ジカルを放出した後共鳴構造を示して安定化されるもの
と考えられる。ここで生じた炭素ラジカルは、前述の有
機過酸化物の開裂によつて生ずる酸素ラジカルに比べて
通常の炭素−水素結合からの水素引抜き能力が弱いた
め、主として成分(B)中のアリル位置の水素を引き抜
いて成分(B)のみで架橋が進行し、成分(A)は実質
的に変化しないものと思われる。
飽和結合に作用して炭素ラジカルを生成させ、自身はラ
ジカルを放出した後共鳴構造を示して安定化されるもの
と考えられる。ここで生じた炭素ラジカルは、前述の有
機過酸化物の開裂によつて生ずる酸素ラジカルに比べて
通常の炭素−水素結合からの水素引抜き能力が弱いた
め、主として成分(B)中のアリル位置の水素を引き抜
いて成分(B)のみで架橋が進行し、成分(A)は実質
的に変化しないものと思われる。
なお成分(a)は、上記のようにそのものを添加しても
よいが、また溶融混練する間に反応により成分(a)が
合成されるような方法を用いてもよい。これに用いる反
応は任意に選択しうるが、触媒等の添加を避けるために
熱によつて容易に反応する化合物から出発するのが好ま
しく、とくにDiels−Alder反応で生成するようにするの
が望ましい。たとえばSBSとジビニルベンゼンとを溶融
混練すると、SBS中の不飽和結合とジビニルベンゼンと
の反応およびジビニルベンゼンの分子間反応によつてジ
ヒドロ芳香族化合物を生成すると考えられる。ただしこ
の場合はジヒドロ芳香族化合物の形で加えるほうが好ま
しい。
よいが、また溶融混練する間に反応により成分(a)が
合成されるような方法を用いてもよい。これに用いる反
応は任意に選択しうるが、触媒等の添加を避けるために
熱によつて容易に反応する化合物から出発するのが好ま
しく、とくにDiels−Alder反応で生成するようにするの
が望ましい。たとえばSBSとジビニルベンゼンとを溶融
混練すると、SBS中の不飽和結合とジビニルベンゼンと
の反応およびジビニルベンゼンの分子間反応によつてジ
ヒドロ芳香族化合物を生成すると考えられる。ただしこ
の場合はジヒドロ芳香族化合物の形で加えるほうが好ま
しい。
本発明における架橋剤としては、上記の成分(a)にさ
らに他の多官能性モノマーを併用してもよい。具体例と
してはトリメチロールプロパントリメタクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレートに代表されるメタク
リル酸の高級エステル類、ジビニルベンゼン、トリアリ
ルイソシアヌレート、ジアリルフタレートに代表される
多官能性ビニルモノマー類、N,N′−m−フエニレンビ
スマレイミド、N,N′−エチレンビスマレイミドに代表
されるビスマレイミド類などが挙げられる。これら併用
する架橋剤としては、ビスマレイミド類が後述の動的熱
処理の効果を高める点で好ましい。これらは2種以上組
み合わせて併用してもよい。またその添加効果を高める
ため活性化剤として、必要に応じベンゾチアゾール形化
合物またはベンゾチアゾリルスルフエンアミド形化合物
を添加してもよい。
らに他の多官能性モノマーを併用してもよい。具体例と
してはトリメチロールプロパントリメタクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレートに代表されるメタク
リル酸の高級エステル類、ジビニルベンゼン、トリアリ
ルイソシアヌレート、ジアリルフタレートに代表される
多官能性ビニルモノマー類、N,N′−m−フエニレンビ
スマレイミド、N,N′−エチレンビスマレイミドに代表
されるビスマレイミド類などが挙げられる。これら併用
する架橋剤としては、ビスマレイミド類が後述の動的熱
処理の効果を高める点で好ましい。これらは2種以上組
み合わせて併用してもよい。またその添加効果を高める
ため活性化剤として、必要に応じベンゾチアゾール形化
合物またはベンゾチアゾリルスルフエンアミド形化合物
を添加してもよい。
本発明においては、上記のようにして得られた3種以上
の成分からなる混合物を、動的に熱処理して樹脂組成物
とする。動的に熱処理するとは、該混合物を溶融混練し
て混練後の組成物中における沸騰キシレン不溶分を混練
前の値に比べて増加させることをいう。この熱処理によ
つて本発明の効果が達成されるのであり、一般に沸騰キ
シレン不溶分が増大するほど耐衝撃性をはじめとする各
種効果の向上が大きい。該キシレン不溶分を示差走査熱
量測定法で測定すると、成分(A)のピークは小さく、
主成分は成分(B)であることがわかる。またキシレン
不溶分は実質的に成分(B)の添加量を越えることはな
い。これらの事実から、本発明でいう動的熱処理とは成
分(B)の加橋を行うことと見なすことができる。
の成分からなる混合物を、動的に熱処理して樹脂組成物
とする。動的に熱処理するとは、該混合物を溶融混練し
て混練後の組成物中における沸騰キシレン不溶分を混練
前の値に比べて増加させることをいう。この熱処理によ
つて本発明の効果が達成されるのであり、一般に沸騰キ
シレン不溶分が増大するほど耐衝撃性をはじめとする各
種効果の向上が大きい。該キシレン不溶分を示差走査熱
量測定法で測定すると、成分(A)のピークは小さく、
主成分は成分(B)であることがわかる。またキシレン
不溶分は実質的に成分(B)の添加量を越えることはな
い。これらの事実から、本発明でいう動的熱処理とは成
分(B)の加橋を行うことと見なすことができる。
動的熱処理の温度は成分(A)の融点または軟化点以
上、かつ分解点以下の温度範囲内とする。また溶融混練
に当たつては高せん断速度を与える混合機を用いて、混
合物中にラジカルが発生しやすくすることが好ましい。
上、かつ分解点以下の温度範囲内とする。また溶融混練
に当たつては高せん断速度を与える混合機を用いて、混
合物中にラジカルが発生しやすくすることが好ましい。
沸騰キシレン不溶分を増加させる主因子は上記の各種架
橋剤の添加量であるが、これらの添加量は任意に選択で
きる。すなわち架橋剤・活性化剤の種類または溶融混練
の装置・条件により適切な添加量が用いられる。過剰に
添加すると、添加成分のブリード、組成物の帯色あるい
はコストの増大等を招くため、これらの兼ね合いで添加
量を制限すればよい。実際的な添加量は通常いずれの架
橋剤・活性化剤も成分(B)の量を100重量部として0.0
1〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
橋剤の添加量であるが、これらの添加量は任意に選択で
きる。すなわち架橋剤・活性化剤の種類または溶融混練
の装置・条件により適切な添加量が用いられる。過剰に
添加すると、添加成分のブリード、組成物の帯色あるい
はコストの増大等を招くため、これらの兼ね合いで添加
量を制限すればよい。実際的な添加量は通常いずれの架
橋剤・活性化剤も成分(B)の量を100重量部として0.0
1〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
動的熱処理の効果を高めるためには、架橋反応が開始す
る前に成分(A)および(B)をあらかじめ溶融混練し
て、できるだけ良好に分散させておくことが好ましい。
る前に成分(A)および(B)をあらかじめ溶融混練し
て、できるだけ良好に分散させておくことが好ましい。
動的熱処理を行う溶融混練装置としては、開放型のミキ
シングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出
機、ニーダー、二軸押出機等従来公知のものを使用する
ことができる。前記の配合組成により本発明を実施する
場合の条件は、混練温度120〜350℃、熱処理時間20sec
〜20minの範囲が好ましい。
シングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出
機、ニーダー、二軸押出機等従来公知のものを使用する
ことができる。前記の配合組成により本発明を実施する
場合の条件は、混練温度120〜350℃、熱処理時間20sec
〜20minの範囲が好ましい。
また本発明においては、成形性、柔軟性の改善を図るた
め軟化剤を加えてもよい。鉱物油系の軟化剤としては、
ゴムの加工の際に加工性の改善、増量効果あるいは充て
ん材の分散性の改善などを主目的として使用されている
通称エキステンダー油と同じものが用いられる。これら
は高沸点の石油成分であつて、パラフイン系、ナフテン
系および芳香族系に分類されている。本発明ではこれら
の石油留分に限らず、液状ポリイソブテンのような合成
油も使用できる。配合量は、成分(B)100重量部に対
して5〜300重量部、好ましくは20〜150重量部である。
配合量が5重量部未満では効果が得られず、300重量部
を超えると強度と耐熱性の低下が著しい。また添加時期
はとくに制限されないが、成分(A)および(B)を溶
融混練する際に配合するのが好ましい。
め軟化剤を加えてもよい。鉱物油系の軟化剤としては、
ゴムの加工の際に加工性の改善、増量効果あるいは充て
ん材の分散性の改善などを主目的として使用されている
通称エキステンダー油と同じものが用いられる。これら
は高沸点の石油成分であつて、パラフイン系、ナフテン
系および芳香族系に分類されている。本発明ではこれら
の石油留分に限らず、液状ポリイソブテンのような合成
油も使用できる。配合量は、成分(B)100重量部に対
して5〜300重量部、好ましくは20〜150重量部である。
配合量が5重量部未満では効果が得られず、300重量部
を超えると強度と耐熱性の低下が著しい。また添加時期
はとくに制限されないが、成分(A)および(B)を溶
融混練する際に配合するのが好ましい。
また本発明の組成物に必要に応じて安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃
剤、可塑剤、染料、顔料等の外、タルク、炭酸カルシウ
ム、カーボンブラツク、マイカ、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド樹脂、アスベスト等の各種充てん材等を適
宜配合することができる。
剤、紫外線吸収剤、滑剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃
剤、可塑剤、染料、顔料等の外、タルク、炭酸カルシウ
ム、カーボンブラツク、マイカ、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド樹脂、アスベスト等の各種充てん材等を適
宜配合することができる。
本発明により、従来の架橋剤における悪臭、着色、分解
などの欠点を有さず、かつ比較的少量の添加で高い架橋
性反応を示す不飽和ゴム用の架橋剤が見いだされ、これ
を用いることにより熱可塑性樹脂組成物および不飽和ゴ
ム状物質の混合物の架橋を著しく改善することができ
た。
などの欠点を有さず、かつ比較的少量の添加で高い架橋
性反応を示す不飽和ゴム用の架橋剤が見いだされ、これ
を用いることにより熱可塑性樹脂組成物および不飽和ゴ
ム状物質の混合物の架橋を著しく改善することができ
た。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれらによつて限定されるものではない。
明はこれらによつて限定されるものではない。
実施例1〜29,比較例1〜24. 成分(A)としてポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエ
チレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂
またはポリエステル系樹脂を65〜90重量%(成分(A)
および(B)の合計量を100重量%とする。以下同
じ。)使用した。試験片はとくに記載のないかぎり、射
出成形によつて得られたものをアニーリング処理して使
用した。
チレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂
またはポリエステル系樹脂を65〜90重量%(成分(A)
および(B)の合計量を100重量%とする。以下同
じ。)使用した。試験片はとくに記載のないかぎり、射
出成形によつて得られたものをアニーリング処理して使
用した。
組成物の製造方法、射出成形による試験片の製作条件お
よび試験方法は以下のとおりである: 組成物の製造法 1)成分(A)および(B)を所定の配合割合に調合
し、ヘンシエルミキサーで混合した。
よび試験方法は以下のとおりである: 組成物の製造法 1)成分(A)および(B)を所定の配合割合に調合
し、ヘンシエルミキサーで混合した。
2)上で得られた混合物を二軸連続混練押出機(30mm
φ、プラスチツク工学研究所(株)製)を用いて、樹脂
温度180〜260℃、回転数200rpmで溶融混練した。
φ、プラスチツク工学研究所(株)製)を用いて、樹脂
温度180〜260℃、回転数200rpmで溶融混練した。
3)上で得られた混合物に所定量の架橋剤を加え、ヘン
シエルミキサーでかくはん混合した。
シエルミキサーでかくはん混合した。
4)上で得られた混合物2)で使用した二軸連続混練押
出機により溶融混練して動的熱処理を行つた。この際、
押出機出口の組成物温度と押出機内の滞留時間を測定・
制御して条件の調整を行つた。この時の組成物温度およ
び滞留時間を熱処理条件として表2〜4に示す。なお組
成物温度は押出機に装着した樹脂温度計で測定した。
出機により溶融混練して動的熱処理を行つた。この際、
押出機出口の組成物温度と押出機内の滞留時間を測定・
制御して条件の調整を行つた。この時の組成物温度およ
び滞留時間を熱処理条件として表2〜4に示す。なお組
成物温度は押出機に装着した樹脂温度計で測定した。
射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 1,000kg/cm2 成形温度 180〜260℃ 金型温度 50℃ 試験・測定方法 (MFR) JIS K6760、JIS K6758、JIS K7210による。
(引張降伏強さ)および(引張破壊伸び) JIS K6760、JIS K6758、JIS K7113による。
(曲げ弾性率) JIS K6758、JIS K7203による。
(ビカツト軟化温度) JIS K6760、JIS K6758、JIS K7206による。
(アイゾツト衝撃値) JIS K6758、JIS K7110による。
(沸騰キシレン不溶分) 20mm×50mm×0.2mmのフイルムをプレス成形し、120メツ
シユの金網に入れて沸騰キシレン中に5hr浸せきした。
浸せき前後の重量を測定し、以下の式から沸騰キシレン
不溶分を求めた: (結晶化温度) 射出成形時のサイクル時間の指標として測定した。結晶
化温度が高いほど結晶化速度が速いため、射出成形にお
いてサイクル時間が短縮できると考えてよい。測定には
示差走査熱量計(SSC/580型、セイコー電子工業(株)
製)を用い、試料約10mgを210℃で5min間保持した後、
冷却速度10℃/minで降温したときに得られる発熱曲線の
極大を示す温度を結晶化温度とした。
シユの金網に入れて沸騰キシレン中に5hr浸せきした。
浸せき前後の重量を測定し、以下の式から沸騰キシレン
不溶分を求めた: (結晶化温度) 射出成形時のサイクル時間の指標として測定した。結晶
化温度が高いほど結晶化速度が速いため、射出成形にお
いてサイクル時間が短縮できると考えてよい。測定には
示差走査熱量計(SSC/580型、セイコー電子工業(株)
製)を用い、試料約10mgを210℃で5min間保持した後、
冷却速度10℃/minで降温したときに得られる発熱曲線の
極大を示す温度を結晶化温度とした。
成分(A)として下記のものを、成分(B)および架橋
剤としては表1に掲げた中から表2〜4に記載したもの
を用い、表2〜4に示す配合割合および熱処理条件で処
理して組成物を製造した。さらに射出成形を行つて試験
片を作製し試験を知つた。結果を表2〜4に示す。
剤としては表1に掲げた中から表2〜4に記載したもの
を用い、表2〜4に示す配合割合および熱処理条件で処
理して組成物を製造した。さらに射出成形を行つて試験
片を作製し試験を知つた。結果を表2〜4に示す。
成分(A): (A1)ポリプロピレン(1) (商品名:日石ポリプロ J620G,日本石油化学(株)
製) (A2)ポリプロピレン(2) (商品名:日石ポリプロ J120G,日本石油化学(株)
製) (A3)ポリプロピレン(3) (商品名:日石ポリプロ J871G,日本石油化学(株)
製) (A4)ポリプロピレン(4) (商品名:日石ポリプロ J650G,日本石油化学(株)
製) (A5)高密度ポリエチレン (MFR 0.3g/10min(190℃)、密度0.961g/cm3;商品名:
日石スタフレンE703、日石石油化学(株)製) (A6)ポリスチレン (商品名:トーポレツクス525、三井東圧化学(株)
製) (A7)ナイロン−6 (商品名:アミランCM1021、東レ(株)製) (A8)ポリブチレンテレフタレート (商品名:PBT310、東レ(株)製) なお表2〜4における各架橋剤の配合割合は、成分
(A)および(B)の合計量を100重量部とした値であ
る(以下各表において同じ。)。
製) (A2)ポリプロピレン(2) (商品名:日石ポリプロ J120G,日本石油化学(株)
製) (A3)ポリプロピレン(3) (商品名:日石ポリプロ J871G,日本石油化学(株)
製) (A4)ポリプロピレン(4) (商品名:日石ポリプロ J650G,日本石油化学(株)
製) (A5)高密度ポリエチレン (MFR 0.3g/10min(190℃)、密度0.961g/cm3;商品名:
日石スタフレンE703、日石石油化学(株)製) (A6)ポリスチレン (商品名:トーポレツクス525、三井東圧化学(株)
製) (A7)ナイロン−6 (商品名:アミランCM1021、東レ(株)製) (A8)ポリブチレンテレフタレート (商品名:PBT310、東レ(株)製) なお表2〜4における各架橋剤の配合割合は、成分
(A)および(B)の合計量を100重量部とした値であ
る(以下各表において同じ。)。
実施例30〜37,比較例25〜31. 成分(A)として極低密度ポリエチレンを70〜90重量%
使用した。試験片はとくに記載のないかぎり、射出成形
によつて得られた100mm×200mm×2mmの平板から所定の
寸法のものを打ち抜いて使用した。組成物の製造方法は
前記と同様であるが、製造方法の2)の溶融混練工程に
おいて、樹脂温度は150〜220℃の範囲を用い、また必要
な場合にはベント口に連結した往復動定量ポンプから鉱
物油系または合成油系軟化剤を添加した。
使用した。試験片はとくに記載のないかぎり、射出成形
によつて得られた100mm×200mm×2mmの平板から所定の
寸法のものを打ち抜いて使用した。組成物の製造方法は
前記と同様であるが、製造方法の2)の溶融混練工程に
おいて、樹脂温度は150〜220℃の範囲を用い、また必要
な場合にはベント口に連結した往復動定量ポンプから鉱
物油系または合成油系軟化剤を添加した。
射出成形による試験片の製作条件および新たに追加する
試験方法は以下のとおりである: 射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 500〜1,000kg/cm2 成形温度 180〜230℃ 金型温度 30〜50℃ 追加する試験・測定方法 (高荷重MFR) JIS K7210による。温度230℃,荷重10kg使用。
試験方法は以下のとおりである: 射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 500〜1,000kg/cm2 成形温度 180〜230℃ 金型温度 30〜50℃ 追加する試験・測定方法 (高荷重MFR) JIS K7210による。温度230℃,荷重10kg使用。
(引張破壊強さ)および(引張破壊伸び) JIS K6301に準ずる。引張速度200mm/min。
(デユロメータ硬さ,HDA) ISO 868による。
(永久伸び) JIS K6301に準ずる。100%伸張、3号型ダンベル使
用。
用。
(ビカツト軟化温度) JIS K7206に準ずる。荷重250g使用。
(ぜい化温度) JIS K6760、JIS K7216による。
(耐摩耗性) JIS K7204(テーバー形摩耗試験機使用)による。荷重
1,000g,連続1,000回転。
1,000g,連続1,000回転。
(示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度(T
m)の測定方法) 極低密度ポリエチレンの融点として測定した。熱プレス
成形した厚さ100μmのフイルムから約5mgの試験を精秤
し、これをDSC装置にセツトし、170℃に昇温して同温度
で15min保持した後、降温速度2.5℃/minで0℃まで冷却
する。次にこの状態から昇温速度10℃/minで170℃まで
昇温を行い、0℃から170℃まで昇温する間に現れたピ
ークのうち最大のものの頂点の位置の温度をTmとする。
m)の測定方法) 極低密度ポリエチレンの融点として測定した。熱プレス
成形した厚さ100μmのフイルムから約5mgの試験を精秤
し、これをDSC装置にセツトし、170℃に昇温して同温度
で15min保持した後、降温速度2.5℃/minで0℃まで冷却
する。次にこの状態から昇温速度10℃/minで170℃まで
昇温を行い、0℃から170℃まで昇温する間に現れたピ
ークのうち最大のものの頂点の位置の温度をTmとする。
(沸騰n−ヘキサン不溶分の測定法) 熱プレスを用いて厚さ200μmのシートを成形し、これ
から20mm×30mmのシートを3枚切り取り、それらについ
て二重管式ソツクスレー抽出器を用い沸騰n−ヘキサン
で5hr抽出を行う。n−ヘキサン不溶物を取り出し、真
空乾燥(7hr,50℃)後、次式により沸騰n−ヘキサン不
溶分を算出する: 成分(A)として下記のものを、成分(B)および架橋
剤としては表1に掲げた中から表5に記載したものを用
い、表5に示す配合割合および熱処理条件で処理して組
成物を製造した。さらに射出成形を行つて試験片を作製
し試験行つた。結果を表5に示す。
から20mm×30mmのシートを3枚切り取り、それらについ
て二重管式ソツクスレー抽出器を用い沸騰n−ヘキサン
で5hr抽出を行う。n−ヘキサン不溶物を取り出し、真
空乾燥(7hr,50℃)後、次式により沸騰n−ヘキサン不
溶分を算出する: 成分(A)として下記のものを、成分(B)および架橋
剤としては表1に掲げた中から表5に記載したものを用
い、表5に示す配合割合および熱処理条件で処理して組
成物を製造した。さらに射出成形を行つて試験片を作製
し試験行つた。結果を表5に示す。
成分(A): (A1)極低密度ポリエチレン 実質的に無水の塩化マグネシウム、1,2−ジクロロエタ
ンおよび四塩化チタンから得られた固体触媒成分とトリ
エチルアルミニウムからなる触媒を用いてエチレンと1
−ブテンとを共重合させ、エチレン・1−ブテン共重合
体を得た。このエチレン・1−ブテン共重合体の1−ブ
テン含量は12モル%であり、性状は次のとおりであつ
た: 密度 0.896g/cm3 DSCによるTm 120℃ 沸騰n−ヘキサン不溶分 74wt% MFR 0.9g/10min なお表5における軟化剤の配合割合は、成分(A)およ
び(B)の合計量を100重量部とした値である(以下各
表において同じ)。
ンおよび四塩化チタンから得られた固体触媒成分とトリ
エチルアルミニウムからなる触媒を用いてエチレンと1
−ブテンとを共重合させ、エチレン・1−ブテン共重合
体を得た。このエチレン・1−ブテン共重合体の1−ブ
テン含量は12モル%であり、性状は次のとおりであつ
た: 密度 0.896g/cm3 DSCによるTm 120℃ 沸騰n−ヘキサン不溶分 74wt% MFR 0.9g/10min なお表5における軟化剤の配合割合は、成分(A)およ
び(B)の合計量を100重量部とした値である(以下各
表において同じ)。
実施例38〜44,比較例32,33. 成分(A)として、ポリプロピレン系樹脂のみを67重量
%、またはポリプロピレン系樹脂(40〜67重量%)と極
低密度ポリエチレン(10〜30重量%)との混合物を70〜
75重量%使用した。組成物の製造方法ならびに試験片の
作製方法および射出成形による試験片の製作条件は上記
実施例30〜37と同様である。
%、またはポリプロピレン系樹脂(40〜67重量%)と極
低密度ポリエチレン(10〜30重量%)との混合物を70〜
75重量%使用した。組成物の製造方法ならびに試験片の
作製方法および射出成形による試験片の製作条件は上記
実施例30〜37と同様である。
新たに追加する試験方法は以下のとおりである: 追加する試験・測定方法 (スパイラルフロー) 一定のスパイラルのキヤビテイーをもつ金型に、次に示
す成形条件で試料を射出成形し、成形されたスパイラル
の長さを測定して試料の溶融流れ性を試験した。
す成形条件で試料を射出成形し、成形されたスパイラル
の長さを測定して試料の溶融流れ性を試験した。
射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 1,000kg/cm2 成形温度 230℃ ストローク 25mm 射出時間 15sec キユアリング時間 10sec インターバル時間 3sec 金型 アルキメデス型,温度50℃ (曲げ強さ) JIS K6758、JIS K7203による。
(デユロメータ硬さ、HDD) JIS K6760、JIS K7215による。
(パリソンの肌荒れ、伸び) 前記と同様に中空成形用押出機でパリソンを成形し、そ
の表面および伸びの状態を目視して評価した。
の表面および伸びの状態を目視して評価した。
評価は次の三段階とした: ◎極めて良好、○良好、×不良。
成分(A)として下記のものを、成分(B)および架橋
剤としては表1に掲げた中から表7に記載したものを用
い、表6に示す配合割合および熱処理条件で処理して組
成物を製造した。さらに射出成形を行つて試験片を作製
し試験を行つた。結果を表6に示す。
剤としては表1に掲げた中から表7に記載したものを用
い、表6に示す配合割合および熱処理条件で処理して組
成物を製造した。さらに射出成形を行つて試験片を作製
し試験を行つた。結果を表6に示す。
成分(A): (A1)ポリプロピレン(1) (商品名:日石ポリプロ E110G,日本石油化学(株)
製) (A2)ポリプロピレン(2) (商品名:日石ポリプロ E610G,日本石油化学(株)
製) (A3)ポリプロピレン(3) (商品名:日石ポリプロ J650G,日本石油化学(株)
製) (A4)極低密度ポリエチレン(1) 実施例30〜37で使用した(A1)と同様の方法を用いてエ
チレンと1−ブテンとを共重合させ、エチレン・1−ブ
テン共重合体を得た。得られた共重合体の1−ブテン含
量は9.5モル%であり、性状は次のとおりであつた: 密度 0.901g/cm3 DSCによるTm 120℃ 沸騰n−ヘキサン不溶分 80wt% MFR 0.5g/10min (A5)極低密度ポリエチレン(2) 実施例30〜37および上記と同様の方法を用いてエチレン
・1−ブテン共重合体を得た。得られた共重合体の1−
ブテン含量は8モル%であり、性状は次のとおりであつ
た: 密度 0.906g/cm3 DSCによるTm 121℃ 沸騰n−ヘキサン不溶分 82wt% MFR 5g/10min
製) (A2)ポリプロピレン(2) (商品名:日石ポリプロ E610G,日本石油化学(株)
製) (A3)ポリプロピレン(3) (商品名:日石ポリプロ J650G,日本石油化学(株)
製) (A4)極低密度ポリエチレン(1) 実施例30〜37で使用した(A1)と同様の方法を用いてエ
チレンと1−ブテンとを共重合させ、エチレン・1−ブ
テン共重合体を得た。得られた共重合体の1−ブテン含
量は9.5モル%であり、性状は次のとおりであつた: 密度 0.901g/cm3 DSCによるTm 120℃ 沸騰n−ヘキサン不溶分 80wt% MFR 0.5g/10min (A5)極低密度ポリエチレン(2) 実施例30〜37および上記と同様の方法を用いてエチレン
・1−ブテン共重合体を得た。得られた共重合体の1−
ブテン含量は8モル%であり、性状は次のとおりであつ
た: 密度 0.906g/cm3 DSCによるTm 121℃ 沸騰n−ヘキサン不溶分 82wt% MFR 5g/10min
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/02 LCN 53/00 LLX
Claims (7)
- 【請求項1】実質的に炭素−炭素不飽和結合を含まない
熱可塑性樹脂(A)および炭素−炭素不飽和結合を有す
るゴム状物質からなる混合物を、架橋剤の存在下で動的
に熱処理して熱可塑性樹脂組成物を製造するに際し、該
ゴム状物質(B)としてスチレン−ブタジエン−スチレ
ン・ブロツク共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン
−スチレン・ブロツク共重合体(SIS)、1,2−ポリブタ
ジエンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエン・ラン
ダム共重合体(EPDM)からなる群から選ばれた少なくと
も1種を用い、架橋剤としてジヒドロ芳香族化合物また
はその重合体(a)を用いることを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項2】架橋剤が1,2−ジヒドロキノリン系化合物
またはその重合体およびビスマレイミド系化合物からな
る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項3】成分(A)がポリオレフイン系樹脂または
ポリスチレン系樹脂からなる請求項1または2記載の熱
可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項4】ポリオレフイン系樹脂が密度0.860〜0.910
g/cm3、示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温
度(Tm)100℃以上および沸騰n−ヘキサン不溶分10重
量%以上の性状を有するエチレン・α−オレフイン共重
合体である請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方
法。 - 【請求項5】成分(A)がポリオレフイン系樹脂であ
り、成分(B)がEPDMである請求項1または2記載の熱
可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項6】成分(A)が結晶性ポリプロピレンおよび
/または請求項4記載のエチレン・α−オレフイン共重
合体からなり、成分(B)がEPDMである請求項2記載の
熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項7】前記成分以外に鉱物油系または合成油系軟
化剤を成分(B)100重量部当り300重量部以下配合する
請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32342088A JPH0778169B2 (ja) | 1987-12-28 | 1988-12-23 | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62-332359 | 1987-12-28 | ||
JP33235987 | 1987-12-28 | ||
JP8528088 | 1988-04-08 | ||
JP63-85280 | 1988-04-08 | ||
JP32342088A JPH0778169B2 (ja) | 1987-12-28 | 1988-12-23 | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0249065A JPH0249065A (ja) | 1990-02-19 |
JPH0778169B2 true JPH0778169B2 (ja) | 1995-08-23 |
Family
ID=27304808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32342088A Expired - Lifetime JPH0778169B2 (ja) | 1987-12-28 | 1988-12-23 | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0778169B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0493811A3 (en) * | 1990-12-29 | 1993-04-07 | Nippon Petrochemicals Company, Limited | Improved thermoplastic resin composition and method for producing the same |
JP2004059636A (ja) * | 2002-07-25 | 2004-02-26 | Kuraray Co Ltd | 熱可塑性重合体組成物 |
-
1988
- 1988-12-23 JP JP32342088A patent/JPH0778169B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0249065A (ja) | 1990-02-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR970008597B1 (ko) | 열가소성수지 조성물의 제조방법 | |
US5248729A (en) | Process for preparing thermoplastic resin composition | |
KR100333563B1 (ko) | 열가소성엘라스토머조성물 | |
JPH0358381B2 (ja) | ||
JP4030664B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物およびその製造方法 | |
JPH0311291B2 (ja) | ||
JP2654356B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2654830B2 (ja) | 成形用熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2001059049A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3330464B2 (ja) | 低クリープ性及び低温耐衝撃性を有する熱可塑性エラストマー | |
JPH09151295A (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物及び該組成物の製造方法 | |
JPH0778169B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 | |
JP2524249B2 (ja) | 押出成形材料 | |
JP3290814B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー | |
JPH06212035A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2019163347A (ja) | 射出成形用プロピレン系樹脂組成物および成形体 | |
JP2000327846A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP4184206B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPH0725939A (ja) | 熱可塑性エラストマーの製造方法 | |
JPH0827316A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 | |
JPH0778168B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2003277520A (ja) | 動架橋水添共重合体 | |
JPH01289846A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3460306B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物及びその製造法 | |
JP3493742B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物の製造方法 |