JPH0778053B2 - Dl−パントラクトンの光学分割法 - Google Patents

Dl−パントラクトンの光学分割法

Info

Publication number
JPH0778053B2
JPH0778053B2 JP3534087A JP3534087A JPH0778053B2 JP H0778053 B2 JPH0778053 B2 JP H0778053B2 JP 3534087 A JP3534087 A JP 3534087A JP 3534087 A JP3534087 A JP 3534087A JP H0778053 B2 JPH0778053 B2 JP H0778053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pantolactone
added
salt
eba
extracted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3534087A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63203673A (ja
Inventor
博之 野平
慎一 吉田
美紗子 野平
和夫 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP3534087A priority Critical patent/JPH0778053B2/ja
Publication of JPS63203673A publication Critical patent/JPS63203673A/ja
Publication of JPH0778053B2 publication Critical patent/JPH0778053B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は式 で示されるDL−パントラクトンの光学分割に関するもの
である。パントラクトンはパントテン酸カルシウムの原
料となる化合物であり、パントテン酸カルシウムは飼料
用添加物、食品添加物及び医薬品としての用途を持って
いる。そして医薬品としては、パントテン酸カルシウム
欠乏症の予防及び治療、動脈硬化症、ストレプトマイシ
ンやカナマイシンの副作用の予防に用いられ、又総合ビ
タミン剤にも使われている。このような医薬品として用
いられる場合には光学活性体が要求されることから、大
量の光学活性パントラクトンの製造法が望まれている。
(従来技術及びその問題点) 光学活性パントラクトンを光学分割により取得する方法
としては、今までに種々の方法が提案されている。例え
ば1)パントラクトンをアンモニウム塩として優先晶析
法にり光学分割する方法(特公昭50−21,448)、2)DL
−パント酸の微生物発酵による不斉分解(特公昭47−1
9,745)、3)デヒドロアビエチルアミン等を分割剤と
して作用させる化学的光学分割法(米国特許第3,884,96
6)等である。しかし1)の方法は一回の生産量が極め
て少なく、工業的には大規模な装置を必要とし、設備に
費用がかかるという欠点がある。又、2)の方法は微生
物発酵であるため分割物の分離濃縮の面で工業的に不利
である。3)の方法は分割剤として用いるデヒドロアビ
エチルアミンが天然物からの誘導体であり、生成する難
溶性ジアステレオマー塩からは必要なD−(−)−パン
トラクトンが得られないため、ろ液を濃縮して得られる
易容性塩を分解してD−(−)−体を得ているという点
が不利である。
(問題を解決するための手段) 我々は工業的にも経済的にも有利なDL−パントラクトン
の光学分割法について鋭意検討した結果、DL−パントラ
クトンに工業的に両活性体が入手可能な光学活性な1−
エチルベンジルアミン(以下、EBAと略記する)を作用
させることにより、高光学純度且つ高収率で光学分割で
きることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明はDL
−パントラクトンに光学活性なEBAを分割剤として作用
させて2種類のジアステレオマー塩を生成させ、これら
の塩の溶媒に対する溶解度差を利用して光学分割する方
法である。特に本発明の分割方法を具体的に述べる。ま
ずDL−ペントラクトンをアルカリ水溶液中で加熱してラ
クトン環を開き、そこへ光学活性なEBAの塩酸水溶液を
加え、加熱して反応を行わせる。反応終了後、減圧下に
水分を留去してからアセトン、メチルエチルケトン、ト
ルエン等の有機溶媒を加え、食塩等の不溶物を除いた後
この溶液を冷却するか又は必要に応じて濃縮することに
より難溶性のパント酸・EBA塩を選択的に晶析させ固液
分離する。晶析に際しては特に種を加える必要はない
が、晶析を速やかにするために難溶性塩の微量を種とし
て加えてもよい。ここで使用する有機溶媒としては、難
溶性及び易溶性塩が溶解し、冷却、濃縮により難溶性塩
が析出し又同時に食塩を分離しやすい様なものであれば
特に制限はないが、工業的にはトルエン、メチルエチル
ケトン等が好ましい。DL−パントラクトンに対して用い
る光学活性EBAのモル比は0.5〜1.2倍モル用いられる
が、好ましくは当モル用いれば効率よく分割が行われ
る。この様にして得られた光学活性塩が光学的に未だ純
粋でない場合は必要に応じて再結晶すると容易に純粋な
塩にすることができる。この塩にアルカリを加えて塩を
分解し、有機溶媒でEBAを抽出除去し、水層の方に塩酸
を加えてから有機溶媒で抽出、溶媒留去すれば光学活性
パントラクトンの結晶が得られる。この結晶を必要とあ
れば再結晶することにより光学純度の高いパントラクト
ンを得ることができる。又、有機溶媒により抽出された
光学活性EBAは、溶媒を減圧除去することにより容易に
回収され、再利用が可能である。
(発明の効果) 本発明によりD−パントラクトンを工業的有利に製造す
る方法を提供する事ができた。即ち、本発明で用いる光
学分割剤EBAは、工業的に容易に入手出来るものであり
従来技術で示した天然物由来のものに比べ有利である。
又、分割効率といった点でも本発明の方法は極めて効率
的に実施することが可能である。次に実施例をあげて本
発明を更に詳細に説明する。
実施例1 水酸化ナトリウム1.12gを含む水溶液12.5mlにDL−パン
トラクトン3.25g(25mmol)を加え約80℃の湯浴上で20
分間加熱した。この水溶液を2規定塩酸にてpH8.5に調
整しこの水溶液に(−)−1−エチルベンジルアミン
(以下EBAと略記)3.38g(25mmol)を2規定塩酸12.5ml
に溶解したものを加え湯浴上で5分間加熱した。減圧下
に水分を留去してから、メチルケトン(以下MEKと略
記)を加え湯欲上で加熱し不溶物を除いた。溶媒を留去
し、新たにMEK5mlを加え放置すると結晶が析出したので
これをろ別した。得られた粗製D−パント酸・(−)EB
A塩2.64gをMEK11mlで再結晶することにより、精製D−
パント酸・EBA塩1.98g(6.99mmol)を得た。m.p.122〜1
25℃、▲[α]20 D▼+24.6゜(c1、メタノノール)。
この塩に1規定水酸化ナトリウム8.4mlを加え、エーテ
ルでEBAを抽出した。抽出母液に2規定塩酸4.6mlを加え
エーテルで抽出しエーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。次いでその溶媒を留去してD−パントラクトン
の結晶0.83g(6.38mmol)を得た。m.p.83〜85℃、▲
[α]20 D▼−45.4゜(c1,H2O)、光学純度89.5%。
実施例2 水酸化ナトリウム2.24gを含む水溶液25mlにDL−パント
ラクトン6.50g(50mmol)を加え約80℃の湯浴上で20分
間加熱した。この水溶液を2規定塩酸にてpH8.5に調整
し、この水溶液に(−)EBA6.76g(50mmol)を2規定塩
酸25mlに溶解したものを加え湯浴上で5分間加熱した。
減圧下に水分を留去してからメチルエチルケトン(以下
MEKと略記)60mlを加え、熱ろ過し不溶物を除いた。溶
媒を留去し新たにMEK10mlを加え放置すると結晶が析出
したのでこれをろ別しD−パント酸・(−)EBA塩4.27g
(15.1mmol)を得た。m.p.123〜125℃、▲[α]21 D
+22.2゜(c1,メタノール)。この塩に1規定水酸化ナ
トリウム18mlを加えエーテルで抽出した。この抽出母液
に2規定塩酸10mlを加え減圧下に水分を留去しエーテル
で抽出してエーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。次いでその溶媒を留去してD−パントラクトンの結
晶1.82g(14.0mmol)を得た。
▲[α]25 D▼−40.7゜(C1,H2O)、光学純度80.3%。
次いでパント酸・(−)EBA塩をろ別した母液の溶媒を
留去し1規定水酸化ナトリウム42mlを加えエーテルで抽
出した。この抽出母液を2規定塩酸にてpH8.5調整し、
この水溶液に(+)EBA4.72g(34.9mmol)を2規定塩酸
17.5mlに溶解したものを加え湯浴上で5分間加熱した。
減圧下に水分を留去しトルエン10mlを加え再び減圧下に
溶媒を留去してからMEK42mlを加えろ過し不溶物を除い
た。この溶液を放置すると結晶が析出したのでこれをろ
別しL−パント酸・(+)EBA塩4.54g(16.0mmol)を得
た。m.p.125〜127℃、▲[α]25 D▼−25.3゜(c1,メタ
ノール)、この塩に1規定水酸化ナトリウム19.2mlを加
え、エーテルで抽出した。この抽出母液に2規定塩酸1
0.6mlを加え減圧下に水分を留去しエーテルで抽出して
エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いでそ
の溶媒を留去してL−パントラクトンの結晶1.96g(15.
1mmol)を得た。
▲[α]24 D▼+47.8゜(C1,H2O)、光学純度95.4%。
実施例3 水酸化ナトリウム0.38gを含む水溶液4mlにDL−パントラ
クトン1.04g(8mmol)を加え、約80℃の湯浴上で20分間
加熱した。この水溶液を2規定塩酸にてpH8.5に調整し
この水溶液に(+)EBA1.05g(7.8mmol)を2規定塩酸
3.9mlに溶解したものを加え湯浴上で5分間加熱した。
減圧下に水分を留去してからアセトンで抽出し不溶物を
除いた。溶媒を一部留去して放置すると結晶が析出した
のでこれをろ別した。得られた粗L−パント酸・(+)
−EBA塩0.67gをアセトン6mlで再結晶することにより精
L−パント酸・(+)EBA塩0.44g(1.66mmol)を得た。
mp123〜125℃▲[α]27 D▼−23.6゜(c1,メタノール)
この塩に1規定水酸化ナトリウム2mlを加えエーテルで
抽出した。この抽出母液に2規定塩酸1.1mlを加えエー
テルで抽出しエーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。次いでその溶媒を留去してL−パントラクトンの結
晶0.15g(1.1mol)を得た。
▲[α]26 D▼+40.9゜(C2,H2O)、光学純度81.6%。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】DL−パントラクトンに分割剤として光学活
    性な1−エチルベンジルアミンを溶媒中で反応させ、生
    成するジアステレオマー塩の溶解度差を利用して分割す
    ることを特徴とするDL−パントラクトンの光学分割法。
JP3534087A 1987-02-18 1987-02-18 Dl−パントラクトンの光学分割法 Expired - Lifetime JPH0778053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3534087A JPH0778053B2 (ja) 1987-02-18 1987-02-18 Dl−パントラクトンの光学分割法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3534087A JPH0778053B2 (ja) 1987-02-18 1987-02-18 Dl−パントラクトンの光学分割法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63203673A JPS63203673A (ja) 1988-08-23
JPH0778053B2 true JPH0778053B2 (ja) 1995-08-23

Family

ID=12439124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3534087A Expired - Lifetime JPH0778053B2 (ja) 1987-02-18 1987-02-18 Dl−パントラクトンの光学分割法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0778053B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63203673A (ja) 1988-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0024210B1 (en) Process for the production of optically active threo-3-(3,4-dihydroxyphenyl) serine, and product thus produced
KR960004185B1 (ko) 새로운 레보도파 합성방법
CA1108181A (en) Process for separating a mixture of an optically active fenylglycine amide and an optically active fenylglycine
JPH0778053B2 (ja) Dl−パントラクトンの光学分割法
US3579530A (en) Process for the resolution of racemic tetramisole
JP2555244B2 (ja) 新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法
EP0382506B1 (en) Optically active diastereomer salts of tetrahydro-2-furoic acid
JP3291987B2 (ja) O,s−ジメチル−n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法
JPH07330732A (ja) 光学活性な3−アミノ−1−ベンジルピペリジン誘導体
JP2576598B2 (ja) 光学活性1−メチル−3−フェニルプロピルアミンの製法
JPH0778052B2 (ja) Dl−パントラクトンの光学分割法
JPH0784433B2 (ja) N−カルバモイルメチオニンの光学分割法
JPH0143731B2 (ja)
US4187244A (en) Process for the resolution of racemic alpha-aminonitriles
JP2884703B2 (ja) 光学活性2―メチルピペラジンの製造法
JPS61172846A (ja) (±)−2−クロロプロピオン酸の光学分割法
JP2551216B2 (ja) 光学活性1―(p―クロルフェニル)―1―(2―ピリジル)―3―ジメチルアミノプロパンの製法
JP2819800B2 (ja) 光学活性1―(p―クロルフェニル)―1―(2―ピリジル)―3―ジメチルアミノプロパンの製造法
JPH0413659A (ja) 光学活性1―ベンジル―3―ヒドロキシピロリジンの製造方法
JP2840956B2 (ja) 光学活性パントラクトンの製造方法
JP2537204B2 (ja) ヒダントイン類の製造方法
JP3284605B2 (ja) 光学活性1−(1−ナフチル)エチルアミンの製造法
JP2689600B2 (ja) α―イソプロピル―p―クロロフェニル酢酸の光学分割法
EP0009722B1 (en) Optically active complex, alanine.ring-substituted mandelic acid, and the method for producing the same
JP2917464B2 (ja) 光学活性1―メチル―3―フェニルプロピルアミンの製法