JP2840956B2 - 光学活性パントラクトンの製造方法 - Google Patents
光学活性パントラクトンの製造方法Info
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- JP2840956B2 JP2840956B2 JP6076389A JP6076389A JP2840956B2 JP 2840956 B2 JP2840956 B2 JP 2840956B2 JP 6076389 A JP6076389 A JP 6076389A JP 6076389 A JP6076389 A JP 6076389A JP 2840956 B2 JP2840956 B2 JP 2840956B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光学活性パントラクトンの製造方法に関す
る。
る。
[背景技術] 光学活性パントラクトンはパントテン酸カルシウムの
原料として重要な化合物であり、従来、その製造方法と
しては、ラセミ体パントラクトンに光学分割剤として光
学活性1−エチルベンジルアミンを作用させて得る方法
(特開昭63−203673参照)あるいは同ラセミ体に光学分
割剤としてデヒドロアビエチルアミンを作用させて得る
方法(米国特許3884966参照)などが知られている。
原料として重要な化合物であり、従来、その製造方法と
しては、ラセミ体パントラクトンに光学分割剤として光
学活性1−エチルベンジルアミンを作用させて得る方法
(特開昭63−203673参照)あるいは同ラセミ体に光学分
割剤としてデヒドロアビエチルアミンを作用させて得る
方法(米国特許3884966参照)などが知られている。
しかしながら、光学分割剤として1−エチルベンジル
アミンを用いる方法では光学活性1−エチルベンジルア
ミンを光学分割する工程が必要であり、デヒドロアビエ
チルアミンを用いる方法では生成する難溶性ジアステレ
オマー塩からは必要なD−(−)−パントラクトンが得
られないため液を濃縮して得られる易溶性塩を分解し
てD−(−)−パントラクトンを得るという問題点を有
していた。
アミンを用いる方法では光学活性1−エチルベンジルア
ミンを光学分割する工程が必要であり、デヒドロアビエ
チルアミンを用いる方法では生成する難溶性ジアステレ
オマー塩からは必要なD−(−)−パントラクトンが得
られないため液を濃縮して得られる易溶性塩を分解し
てD−(−)−パントラクトンを得るという問題点を有
していた。
本発明者らは工業的に、より効率的に光学活性パント
ラクトンを製造する方法について鋭意研究を重ねた結
果、光学分割剤として光学活性2−ベンジルアミノ−1
−フエニルエタノールを用いてDL−パントラクトンを光
学分割すると極めて簡単な操作で容易に、かつ高い光学
純度で目的物が得られることを見い出した。本発明は、
かかる知見に基づいてなされたものである。
ラクトンを製造する方法について鋭意研究を重ねた結
果、光学分割剤として光学活性2−ベンジルアミノ−1
−フエニルエタノールを用いてDL−パントラクトンを光
学分割すると極めて簡単な操作で容易に、かつ高い光学
純度で目的物が得られることを見い出した。本発明は、
かかる知見に基づいてなされたものである。
[発明の開示] 本発明は、DL−パントラクトンを光学分割して光学活
性パントラクトンを製造する方法において、DL−パント
ラクトンに光学活性な2−ベンジルアミノ−1−フエニ
ルエタノールを溶媒中で反応させ、生成するジアステレ
オマー塩の溶解度差を利用して分割することを特徴とす
る光学活性パントラクトンの製造方法を提供するもので
ある。
性パントラクトンを製造する方法において、DL−パント
ラクトンに光学活性な2−ベンジルアミノ−1−フエニ
ルエタノールを溶媒中で反応させ、生成するジアステレ
オマー塩の溶解度差を利用して分割することを特徴とす
る光学活性パントラクトンの製造方法を提供するもので
ある。
本発明方法において原料として用いるDL−パントラク
トンは、パント酸またはそのアルカリ金属塩、たとえば
パント酸ナトリウムの状態であつてもよい。
トンは、パント酸またはそのアルカリ金属塩、たとえば
パント酸ナトリウムの状態であつてもよい。
光学分割剤として用いる光学活性2−ベンジルアミノ
−1−フエニルエタノールは、先に、本発明者らにより
提供された方法、すなわち、N−ベンジルフエナシルア
ミン塩酸塩を不斉水素化し、遊離化した後、再結晶する
という方法により容易に、光学分割の手段によることな
く製造することができる(特開平1−216963参照)。こ
の方法によれば、2−ベンジルアミノ−1−フエニルエ
タノールのR−体、あるいはS−体のいずれも任意に製
造することができるが、そのいずれも光学分割剤として
使用することができる。
−1−フエニルエタノールは、先に、本発明者らにより
提供された方法、すなわち、N−ベンジルフエナシルア
ミン塩酸塩を不斉水素化し、遊離化した後、再結晶する
という方法により容易に、光学分割の手段によることな
く製造することができる(特開平1−216963参照)。こ
の方法によれば、2−ベンジルアミノ−1−フエニルエ
タノールのR−体、あるいはS−体のいずれも任意に製
造することができるが、そのいずれも光学分割剤として
使用することができる。
DL−パントラクトンに対するこの光学分割剤の使用量
は通常、ほぼ、等モル量の範囲であるが、その使用量は
0.5モル程度まで削減してもよい。
は通常、ほぼ、等モル量の範囲であるが、その使用量は
0.5モル程度まで削減してもよい。
本発明方法においては、通常、原料として用いるDL−
パントラクトンが、パントラクトンの形態又は遊離のパ
ント酸の形態である場合には、使用する光学活性2−ベ
ンジルアミノ−1−フエニルエタノールは遊離のもので
よく、DL−パントラクトンがパント酸のアルカリ金属塩
の形態である場合には、使用する光学活性2−ベンジル
アミノ−1−フエニルエタノールは鉱酸塩の形態として
使用される。
パントラクトンが、パントラクトンの形態又は遊離のパ
ント酸の形態である場合には、使用する光学活性2−ベ
ンジルアミノ−1−フエニルエタノールは遊離のもので
よく、DL−パントラクトンがパント酸のアルカリ金属塩
の形態である場合には、使用する光学活性2−ベンジル
アミノ−1−フエニルエタノールは鉱酸塩の形態として
使用される。
被分割物質がパントラクトンの形態である場合は、水
または含水有機溶媒中にそのパントラクトンと遊離の光
学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノールを
入れ加温することによりラクトン環を開き造塩すること
ができる。
または含水有機溶媒中にそのパントラクトンと遊離の光
学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノールを
入れ加温することによりラクトン環を開き造塩すること
ができる。
また、パントラクトンをアルカリ水溶液中で加温する
ことによつてパント酸アルカリ金属塩とし、これを冷却
下、鉱酸で中和して遊離のパント酸とした後、遊離の光
学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノールを
加え造塩するか、光学活性2−ベンジルアミノ−1−フ
エニルエタノール鉱酸塩を加え造塩することができる。
ことによつてパント酸アルカリ金属塩とし、これを冷却
下、鉱酸で中和して遊離のパント酸とした後、遊離の光
学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノールを
加え造塩するか、光学活性2−ベンジルアミノ−1−フ
エニルエタノール鉱酸塩を加え造塩することができる。
造塩後、水分を留去してからアセトン、メチルエチル
ケトン、エタノール、イソプロパノール、トルエン等の
有機溶媒を加えパント酸・2−ベンジルアミノ−1−フ
エニルエタノール塩を溶解、無機塩等の不溶物があれば
これを除いた後この溶液を冷却するか又は必要に応じ濃
縮することにより難溶性のパント酸・2−ベンジルアミ
ノ−1−フエニルエタノール塩を選択的に晶出させ固液
分離する。
ケトン、エタノール、イソプロパノール、トルエン等の
有機溶媒を加えパント酸・2−ベンジルアミノ−1−フ
エニルエタノール塩を溶解、無機塩等の不溶物があれば
これを除いた後この溶液を冷却するか又は必要に応じ濃
縮することにより難溶性のパント酸・2−ベンジルアミ
ノ−1−フエニルエタノール塩を選択的に晶出させ固液
分離する。
光学分割剤として(S)−2−ベンジルアミノ−1−
フエニルエタノールを用いる場合にはD−パント酸の塩
が難溶性ジアステレオマーとして得られ、(R)−2−
ベンジルアミノ−1−フエニルエタノールを用いる場合
にはL−パント酸の塩が難溶性ジアステレオマーとして
得られる。
フエニルエタノールを用いる場合にはD−パント酸の塩
が難溶性ジアステレオマーとして得られ、(R)−2−
ベンジルアミノ−1−フエニルエタノールを用いる場合
にはL−パント酸の塩が難溶性ジアステレオマーとして
得られる。
かくして得られたジアステレオマーは、以下の如くし
て処理され、目的とする光学活性パントラクトンを得る
ことができる。
て処理され、目的とする光学活性パントラクトンを得る
ことができる。
たとえば、得られたジアステレオマーを、水酸化ナト
リウムなどのアルカリを使用して分解し、次いで、使用
した光学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノ
ールを有機溶媒、たとえば、ジエチルエーテル、トルエ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどを用いて
抽出、回収した後、水層中に存在するD−パント酸又は
L−パント酸を、鉱酸、たとえば、塩酸、硫酸等を用い
て、水層を酸性とし、加温することにより、ラクトン化
し、次いで有機溶媒を用いてこれを抽出し、その有機溶
媒層から高純度の光学活性パントラクトンを得ることが
できる。
リウムなどのアルカリを使用して分解し、次いで、使用
した光学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノ
ールを有機溶媒、たとえば、ジエチルエーテル、トルエ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどを用いて
抽出、回収した後、水層中に存在するD−パント酸又は
L−パント酸を、鉱酸、たとえば、塩酸、硫酸等を用い
て、水層を酸性とし、加温することにより、ラクトン化
し、次いで有機溶媒を用いてこれを抽出し、その有機溶
媒層から高純度の光学活性パントラクトンを得ることが
できる。
また、本発明により、光学活性2−ベンジルアミノ−
1−フエニルエタノールの製造方法が提供される。
1−フエニルエタノールの製造方法が提供される。
すなわち、上述した光学活性パントラクトンの製法
は、その被分割物質と光学分割剤の役割を逆にすること
によつて、光学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニル
エタノールを製造する方法に転換することができる。た
とえば、L−パントラクトンを光学分割剤として使用
し、(±)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノ
ールを光学分割し、(R)−2−ベンジルアミノ−1−
フエニルエタノールを得ることができる。
は、その被分割物質と光学分割剤の役割を逆にすること
によつて、光学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニル
エタノールを製造する方法に転換することができる。た
とえば、L−パントラクトンを光学分割剤として使用
し、(±)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノ
ールを光学分割し、(R)−2−ベンジルアミノ−1−
フエニルエタノールを得ることができる。
本発明方法を行うにあたり、中間段階で生成する光学
活性パント酸と光学活性2−ベンジルアミノ−1−フエ
ニルエタノールとの塩は、いずれも新規物質であり、本
発明者らによつて初めて、創製されたものである。これ
らの塩は、以下のとおりにして製造される。すなわち、
後記実施例1に記載されているとおり、D−パント酸・
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩は、たとえば、DL−パントラクトンを水に溶解し、こ
れに、(S)−(+)−2−ベンジルアミノ−1−フエ
ニルエタノールを加え、加熱、還流煮沸することにより
得ることができる。また、参考例に記載されているとお
り、L−パント酸・(R)−2−ベンジルアミノ−1−
フエニルエタノール塩は、たとえば、L−パントラクト
ンを水に溶解し、これに、(±)−2−ベンジルアミノ
−1−フエニルエタノールを加え、加熱、還流煮沸する
ことにより、得ることができる。
活性パント酸と光学活性2−ベンジルアミノ−1−フエ
ニルエタノールとの塩は、いずれも新規物質であり、本
発明者らによつて初めて、創製されたものである。これ
らの塩は、以下のとおりにして製造される。すなわち、
後記実施例1に記載されているとおり、D−パント酸・
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩は、たとえば、DL−パントラクトンを水に溶解し、こ
れに、(S)−(+)−2−ベンジルアミノ−1−フエ
ニルエタノールを加え、加熱、還流煮沸することにより
得ることができる。また、参考例に記載されているとお
り、L−パント酸・(R)−2−ベンジルアミノ−1−
フエニルエタノール塩は、たとえば、L−パントラクト
ンを水に溶解し、これに、(±)−2−ベンジルアミノ
−1−フエニルエタノールを加え、加熱、還流煮沸する
ことにより、得ることができる。
本発明の方法は従来の光学活性パントラクトンの製造
法に比し、得られる光学活性パントラクトンの純度、収
率の両面において遥かに優れ、しかも操作が容易である
ことから特に工業的製造法として有用である。
法に比し、得られる光学活性パントラクトンの純度、収
率の両面において遥かに優れ、しかも操作が容易である
ことから特に工業的製造法として有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 DL−パントラクトン(13.0g)を水(200ml)に溶解
し、これに、(S)−(+)−2−ベンジルアミノ−1
−フエニルエタノール(22.7g)を加え、2時間、加
熱、還流煮沸を行つた。反応液を減圧濃縮した後、これ
にエタノール(75ml)を加えて、加温溶解し、次いで、
5℃になるまでゆつくりと5時間かかつて冷却した。析
出した結晶を取し、乾燥することにより、粗製D−パ
ント酸・(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエ
タノール塩(15.9g)を得た。▲[α]20 D▼+37.4゜
(c1,メタノール)。
し、これに、(S)−(+)−2−ベンジルアミノ−1
−フエニルエタノール(22.7g)を加え、2時間、加
熱、還流煮沸を行つた。反応液を減圧濃縮した後、これ
にエタノール(75ml)を加えて、加温溶解し、次いで、
5℃になるまでゆつくりと5時間かかつて冷却した。析
出した結晶を取し、乾燥することにより、粗製D−パ
ント酸・(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエ
タノール塩(15.9g)を得た。▲[α]20 D▼+37.4゜
(c1,メタノール)。
この塩15.5gにエタノール(50ml)を加え、50℃で30
分間攪拌した後、5℃になるまで冷却した。析出した結
晶を取し、乾燥することにより、精製D−パント酸・
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩(12.6g)を得た。
分間攪拌した後、5℃になるまで冷却した。析出した結
晶を取し、乾燥することにより、精製D−パント酸・
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩(12.6g)を得た。
▲[α]20 D▼+39.6℃(c1,メタノール)。融点:135
〜137℃ この塩12.0gを1N−苛性ソーダ水溶液(46.5ml)中に
入れ、ジエチルエーテル(50ml)で2回抽出して、
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
を回収した。水層を、6N−塩酸で、pH1.5とした後、1
時間、攪拌還流煮沸した。室温になるまで冷却した後、
ジエチルエーテル(50ml)で4回抽出した。有機層を、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固するこ
とにより、D−パントラクトンの結晶3.84gを得た。
〜137℃ この塩12.0gを1N−苛性ソーダ水溶液(46.5ml)中に
入れ、ジエチルエーテル(50ml)で2回抽出して、
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
を回収した。水層を、6N−塩酸で、pH1.5とした後、1
時間、攪拌還流煮沸した。室温になるまで冷却した後、
ジエチルエーテル(50ml)で4回抽出した。有機層を、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固するこ
とにより、D−パントラクトンの結晶3.84gを得た。
[α]D−49.2゜(c1,水)。
実施例2 DL−パントラクトン(13.0g)を水(100ml)に溶解
し、苛性ソーダ(4.2g)を加え、50℃で1時間攪拌し
た。反応液を冷却した後、6N−塩酸でpH2.8に調整し
た。これに、(S)−2−ベンジルアミノ−1フエニル
エタノール(22.7g)、エタノール(100ml)を加え、減
圧濃縮した後、メチルエチルケトン(200ml)を加え、5
0℃に加温した。次いで、不溶物を去した。液を5
℃になるまでゆつくりと5時間かかつて冷却した。析出
した結晶を取し、乾燥すると、粗製D−パント酸・
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩(15.9g)が得られた。これを、1N−苛性ソーダ水溶
液(46.5ml)中に入れジエチルエーテル(50ml)で2回
抽出して、(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニル
エタノールを回収した。水層を、6N−塩酸でpH1.5とし
た後、1時間、攪拌還流煮沸した。室温になるまで、冷
却した後、ジエチルエーテル(50ml)で4回抽出した。
有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、
乾固して、D−パントラクトンの結晶5.07gを得た。
し、苛性ソーダ(4.2g)を加え、50℃で1時間攪拌し
た。反応液を冷却した後、6N−塩酸でpH2.8に調整し
た。これに、(S)−2−ベンジルアミノ−1フエニル
エタノール(22.7g)、エタノール(100ml)を加え、減
圧濃縮した後、メチルエチルケトン(200ml)を加え、5
0℃に加温した。次いで、不溶物を去した。液を5
℃になるまでゆつくりと5時間かかつて冷却した。析出
した結晶を取し、乾燥すると、粗製D−パント酸・
(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩(15.9g)が得られた。これを、1N−苛性ソーダ水溶
液(46.5ml)中に入れジエチルエーテル(50ml)で2回
抽出して、(S)−2−ベンジルアミノ−1−フエニル
エタノールを回収した。水層を、6N−塩酸でpH1.5とし
た後、1時間、攪拌還流煮沸した。室温になるまで、冷
却した後、ジエチルエーテル(50ml)で4回抽出した。
有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、
乾固して、D−パントラクトンの結晶5.07gを得た。
[α]D−44.2゜(c1,水)。
実施例3 DL−パントラクトン(13.0g)を、水(100ml)に溶解
し、これに、苛性ソーダ(4.2g)を加え50℃で1時間攪
拌した。反応液を冷却した後、6N−塩酸を用いて、pHを
8.5に調整した後、これに、(R)−(−)−2−ベン
ジルアミノ−1−フエニルエタノール塩酸塩(26.4g)
を加え減圧濃縮した後、メチルエチルケトン(100ml)
を加え、50℃に加温した。次いで、不溶物を去した。
液を、5℃になるまでゆつくりと5時間かかつて冷却
した。析出した結晶を取し、乾燥して、L−パント酸
・(R)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノー
ル塩(15.9g)を得た。これを、1N−苛性ソーダ水溶液
(46.5ml)中に入れ、ジエチルエーテル(50ml)で2回
抽出することにより(R)−2−ベンジルアミノ−1−
フェニルエタノールを回収した。水層を6N−塩酸を用い
てpHを1.5とした後、1時間、攪拌還流煮沸した。得ら
れた液を室温になるまで、冷却した後、ジエチルエーテ
ル(50ml)で4回抽出した。有機層を、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、濃縮、乾固してL−パントラクト
ンの結晶5.07gを得た。
し、これに、苛性ソーダ(4.2g)を加え50℃で1時間攪
拌した。反応液を冷却した後、6N−塩酸を用いて、pHを
8.5に調整した後、これに、(R)−(−)−2−ベン
ジルアミノ−1−フエニルエタノール塩酸塩(26.4g)
を加え減圧濃縮した後、メチルエチルケトン(100ml)
を加え、50℃に加温した。次いで、不溶物を去した。
液を、5℃になるまでゆつくりと5時間かかつて冷却
した。析出した結晶を取し、乾燥して、L−パント酸
・(R)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノー
ル塩(15.9g)を得た。これを、1N−苛性ソーダ水溶液
(46.5ml)中に入れ、ジエチルエーテル(50ml)で2回
抽出することにより(R)−2−ベンジルアミノ−1−
フェニルエタノールを回収した。水層を6N−塩酸を用い
てpHを1.5とした後、1時間、攪拌還流煮沸した。得ら
れた液を室温になるまで、冷却した後、ジエチルエーテ
ル(50ml)で4回抽出した。有機層を、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、濃縮、乾固してL−パントラクト
ンの結晶5.07gを得た。
[α]D+44.2゜(c1,水)。
次いで、L−パント酸・(R)−2−ベンジルアミノ
−1−フエニルエタノール塩を別した液を減圧濃縮
した後、1N−苛性ソーダ水溶液(46.5ml)を加え、ジエ
チルエーテル(50ml)で2回抽出して(R)−2−ベン
ジルアミノ−1−フエニルエタノールを回収した。水層
を、6N−塩酸でpHを1.5とした後、1時間攪拌還流煮沸
した。室温になるまで冷却した後、ジエチルエーテル
(50ml)で4回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、濃縮、乾固して、D−パントラクトン
の結晶5.07gを得た。
−1−フエニルエタノール塩を別した液を減圧濃縮
した後、1N−苛性ソーダ水溶液(46.5ml)を加え、ジエ
チルエーテル(50ml)で2回抽出して(R)−2−ベン
ジルアミノ−1−フエニルエタノールを回収した。水層
を、6N−塩酸でpHを1.5とした後、1時間攪拌還流煮沸
した。室温になるまで冷却した後、ジエチルエーテル
(50ml)で4回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、濃縮、乾固して、D−パントラクトン
の結晶5.07gを得た。
[α]D−29.3゜(c1,水)。
参考例 この例は、L−パントラクトンを光学分割剤として用
いて、(±)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタ
ノールの光学分割を行つた例である。
いて、(±)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタ
ノールの光学分割を行つた例である。
L−パントラクトン(13.0g)を、水(200ml)に溶解
し、これに、(±)−2−ベンジルアミノ−1−フエニ
ルエタノール(22.7g)を加え、2時間、加熱、還流煮
沸を行つた。この反応液を、減圧濃縮した後、これにエ
タノール(75ml)を加え加温溶解した。次いで、5℃に
なるまでゆつくりと5時間かかつて冷却した。析出した
結晶を取、乾燥して粗製L−パント酸・(R)−2−
ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール塩(15.9g)
を得た。
し、これに、(±)−2−ベンジルアミノ−1−フエニ
ルエタノール(22.7g)を加え、2時間、加熱、還流煮
沸を行つた。この反応液を、減圧濃縮した後、これにエ
タノール(75ml)を加え加温溶解した。次いで、5℃に
なるまでゆつくりと5時間かかつて冷却した。析出した
結晶を取、乾燥して粗製L−パント酸・(R)−2−
ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール塩(15.9g)
を得た。
▲[α]20 D▼−37.6゜(c1,メタノール)。
この塩15.7gにエタノール(50ml)を加え、50℃で30
分間攪拌した後、5℃になるまで冷却した。析出した結
晶を取、乾燥することにより、精製L−パント酸・
(R)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩(12.7g)を得た。
分間攪拌した後、5℃になるまで冷却した。析出した結
晶を取、乾燥することにより、精製L−パント酸・
(R)−2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノール
塩(12.7g)を得た。
▲[α]20 D▼(c1,メタノール)、融点135〜137℃。
この塩12.0gを、1N−苛性ソーダ水溶液(46.5ml)中
に入れジエチルエーテル(50ml)で2回抽出した。有機
層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固
することにより(R)−2−ベンジルアミノ−1−フエ
ニルエタノールの結晶6.55gを得た。
に入れジエチルエーテル(50ml)で2回抽出した。有機
層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固
することにより(R)−2−ベンジルアミノ−1−フエ
ニルエタノールの結晶6.55gを得た。
[α]D−36.4゜(c2,メタノール)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−203673(JP,A) 特開 昭63−139179(JP,A) 特開 昭57−128683(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 307/32 C07B 57/00
Claims (2)
- 【請求項1】DL−パントラクトンを光学分割して光学活
性パントラクトンを製造する方法において、DL−パント
ラクトンに光学活性な2−ベンジルアミノ−1−フエニ
ルエタノールを溶媒中で反応させ、生成するジアステレ
オマー塩の溶解度差を利用して分割することを特徴とす
る光学活性パントラクトンを製造する方法。 - 【請求項2】DL−パントラクトンを光学分割して光学活
性パントラクトンを製造する方法において使用される光
学活性2−ベンジルアミノ−1−フエニルエタノールよ
りなる光学分割剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6076389A JP2840956B2 (ja) | 1989-03-15 | 1989-03-15 | 光学活性パントラクトンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6076389A JP2840956B2 (ja) | 1989-03-15 | 1989-03-15 | 光学活性パントラクトンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02240073A JPH02240073A (ja) | 1990-09-25 |
JP2840956B2 true JP2840956B2 (ja) | 1998-12-24 |
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ID=13151642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP6076389A Expired - Fee Related JP2840956B2 (ja) | 1989-03-15 | 1989-03-15 | 光学活性パントラクトンの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2840956B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19980059286A (ko) * | 1996-12-31 | 1998-10-07 | 박영구 | D-(-)-판토락톤의 제조방법 |
-
1989
- 1989-03-15 JP JP6076389A patent/JP2840956B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02240073A (ja) | 1990-09-25 |
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