JPH0777828A - 画像形成装置用トナー - Google Patents

画像形成装置用トナー

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Publication number
JPH0777828A
JPH0777828A JP5223023A JP22302393A JPH0777828A JP H0777828 A JPH0777828 A JP H0777828A JP 5223023 A JP5223023 A JP 5223023A JP 22302393 A JP22302393 A JP 22302393A JP H0777828 A JPH0777828 A JP H0777828A
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JP
Japan
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toner
flash
carbon
less
thermal diffusivity
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Application number
JP5223023A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ogino
健 荻野
Yuzo Horikoshi
裕三 堀越
Yoshimichi Katagiri
善道 片桐
Hiromi Tamura
ひろみ 田邨
Takashi Yamamoto
隆志 山本
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】閃光照射によって定着させるのに適したフラッ
シュ定着用トナーに関し、低エネルギの閃光によって優
れたフラッシュ定着性を示し、かつトナーの貯蔵安定性
が高く、現像機内でブロッキングを起こしにくいトナー
を提供し、さらに、現像機内で融着しにくく、粗大トナ
ーなどの融着物を発生しにくく、装置の稼働環境(温
度、湿度)の変化によりトナーの特性が変化しにくい画
像形成装置用トナーを提供することを目的とする。 【構成】10wt%以上の含有量のカーボンと、トナー
の飽和磁化を5emu/g(10キロエルステッド)以
上にする磁性粉からなる無機フィラーとを含有し、熱拡
散率が1×10-72/s以上であるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は画像形成装置用トナー
に関し、特に、閃光照射によって定着させるのに適した
フラッシュ定着用トナーに関する。
【0002】フラッシュ定着は、記録媒体に対して非接
触なので、記録画像の解像度を劣化させることがなく、
また電源投入後の待ち時間が不要でクイックスタートが
可能である等の長所がある。
【0003】フラッシュ定着を行うことによって、トナ
ーが記録媒体に固着する過程は次の通りである。トナー
画像を記録媒体に転写した時は、トナーは、粉末のまま
記録媒体に付着して画像を形成している。そこへ、例え
ばキセノンフラッシュランプなどの放電管の閃光を照射
すると、トナーは閃光の光エネルギを吸収する。
【0004】そして、吸収した光エネルギを熱エネルギ
に変換して、その熱エネルギを熱拡散によってトナー内
部に伝達することにより、トナー内部から底面部に至る
温度が上昇して、トナーが軟化溶融し、記録媒体に溶
着、浸透する。閃光が終わった後は、トナーは温度が下
がって固化し、定着画像となって定着を完了する。
【0005】したがって、フラッシュ定着において重要
なのは、トナーが溶融して記録媒体にしっかりと密着す
ることであり、そのためにトナーは、閃光から吸収した
熱エネルギを効率良くトナー内部に伝達し、トナー内部
から底面部に至る温度が上昇することにより十分に溶融
しなければならない。
【0006】
【従来の技術】上述のように、フラッシュ定着用トナー
の重要な特性の一つとして、トナーがフラッシュ光を効
率良く吸収し、光エネルギを熱エネルギに変換する必要
がある。
【0007】そのような特性を得るために、黒度の高い
材料、例えばカーボンブラック、染料等を分散させたト
ナーが広く用いられている。しかし、これらの材料はト
ナーの導電性及び帯電性に与える影響が大きいので、現
像プロセスに応じた、限られた範囲内の濃度でしか用い
ることができない。
【0008】例えば、磁性キャリアを用いた二成分現像
プロセスで、染料とカーボンを含むトナーは、通常、こ
れらの含有量が概ね10wt(重量)%以下、導電率に
して1×10-14〜1×10-12S/cmである。
【0009】カーボンまたは染料、特にカーボンを多く
加えると、記録媒体の地汚れ(かぶり)を生じ易くな
り、上述の範囲を越える領域、すなわち1×10-12
/cm以上の導電率を示す領域では、現像プロセス条件
を最適化したとしてもかぶりの発生を防止することはで
きなかった。
【0010】染料とカーボンの含有量が、例えば10w
t%を越えるトナーを用いる二成分現像プロセスにおい
て、このような問題点が起こる理由の一つは、トナーの
導電性の増加により帯電電荷の抜けが起こるからであ
る。導電性の高いトナーは、特に現像部において、現像
バイアスの影響を受けて帯電量が低くなってしまう。
【0011】したがって、光エネルギ吸収効率が高く、
かつ光エネルギ/熱変換効率の高いトナーにするために
は、カーボン量を増やすことによってトナー帯電量が低
くなっても、かぶりが発生しないトナーを開発する必要
がある。
【0012】次に、トナー表面近傍で吸収した熱を、効
率良くトナー底面まで伝達する必要がある。トナーに熱
伝導性のよい物質を加えることにより、トナーの熱伝導
性を良くし、熱を効率よく底面に伝達する方法が、例え
ば特開平2−22668号に記載されている。
【0013】そこでは、熱伝導率が2×10-2Cal・
sec・℃以上の物質、すなわち、アルミナ、窒化アル
ミ、窒化ボロン、ベリリアなどの無機フィラーがトナー
に加えられている。
【0014】熱伝導率は、熱の伝え易さを示す特性値で
あり、熱伝導の駆動力は温度差である。一方、フィラー
添加の目的はトナー底面に熱を伝えて融解温度まで上昇
させることにある。
【0015】したがって、例えばフィラーの比熱が大き
い場合には、トナー表面で受け取った熱によるフィラー
温度の上昇は小さく、底面のトナーとの温度差が小さい
ので熱伝導の効率は悪くなる。従って、単にフィラーの
熱伝導率のみでトナーの特性を規定するのは不適当であ
る。
【0016】また、フラッシュ定着用トナーの重要な特
性の一つとして、トナーを構成するバインダ樹脂が、紙
等への定着過程においてすばやく溶融し、冷えて固まっ
た後においては良好な定着性を示す必要がある。
【0017】このようなトナー特性を得るために、溶融
粘度の低い低分子量の、一般にオリゴマと称される低重
合高分子(例えば、数平均分子量Mnが1500未満、
重量平均分子量Mwが1万以下)が広く用いられてい
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
オリゴマは分子量が小さいためガラス転移点が低く、 トナーの貯蔵安定性が低い、 現像機内でブロッキングを起こし易い、 現像機内で融着し易い、また融着物(粗大トナーな
ど)を発生し易い、 装置の稼働環境(温度、湿度)の変化によりトナーの
特性が変化し易い などの問題がある。
【0019】低分子量のオリゴマを用いるとこのような
問題点が生じる理由としては、バインダの融点を低くす
るために分子量を小さくするとガラス転移点も低くな
り、その多くが常温程度になってしまうためである。
【0020】このため、良好なフラッシュ定着性を示
し、かつ、前述のような問題点を解決する手段として
は、トナーに用いるバインダの融点とガラス転移点を最
適化する必要があり、低融点であり、かつ高ガラス転移
点であるバインダを用いたトナーを開発する必要があ
る。
【0021】そこで本発明は、低エネルギの閃光によっ
て優れたフラッシュ定着性を示し、かつトナーの貯蔵安
定性が高く、現像機内でブロッキングを起こしにくいト
ナーを提供し、さらに、現像機内で融着しにくく、粗大
トナーなどの融着物を発生しにくく、装置の稼働環境
(温度、湿度)の変化によりトナーの特性が変化しにく
い画像形成装置用トナーを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の画像形成装置用トナーは、図1に示される
ように、10wt%以上の含有量のカーボンAと、トナ
ーの飽和磁化を5emu/g(10キロエルステッド)
以上にする磁性粉からなる無機フィラーBとを含有し、
熱拡散率が1×10-72/s以上であることを特徴と
する。
【0023】なお、バインダとして、数平均分子量Mn
が6000以下、重量平均分子量Mwが2万以下であ
り、且つフローテスタ軟化温度が130℃以下の無定形
ポリマを含有するとよい。
【0024】また上記トナーを、電気抵抗が1×106
Ωcm以上の磁性キャリアと混合して二成分現像剤26を
形成したとき、そのトナー濃度が20wt%以下(実用
的に2wt%以上)であるのがよい。
【0025】
【作用】本発明のトナーは、カーボンを10wt%以上
含有することにより、フラッシュ定着のための光エネル
ギを非常に良好に吸収して熱エネルギに変換する。そし
て、熱拡散率を1×10-72/s以上にしたことによ
り、トナー表面付近の熱が効率良くトナー底面まで伝達
される。
【0026】熱を効率よく伝えるトナーは、添加するフ
ィラーの熱伝導率によって規定できないことを上述した
が、これはトナー自身の熱伝導率を使っても同じであ
る。つまり、比熱や比重によっては、トナー底面の温度
上昇があまり大きくならない可能性があるので、これら
の物性値も考慮したものでなくてはならない。すなわ
ち、この場合、温度の空間伝達速度の係数に当たる物性
値が必要とされる。そのため、本発明においては物性値
として熱拡散率を採用している。
【0027】カーボンブラックは、熱拡散率が8×10
-5〔m2/s〕とバインダ樹脂に比べて非常に高い値を
有するので、トナー表面において光エネルギから変換さ
れた熱エネルギを効率良く、トナー内部から底面部に伝
達することができ、熱拡散率の向上にも寄与する。
【0028】このような光エネルギ吸収効率および熱拡
散率の高いトナーを用いることにより、例えばキセノン
フラッシュランプを用いた定着において、少ない定着エ
ネルギでトナーを溶融させることができる。
【0029】ただし、カーボンの含有量があまり大きい
と、トナーの電気抵抗が低くなってトナーの比電荷が小
さくなる結果、トナーを磁性化してもかぶりの発生を防
止できなくなる。したがって、カーボンの含有量は20
wt%を上限とする。
【0030】フラッシュ定着用トナーとして、上述のよ
うなカーボンブラックの含有量の多い導電性トナーと磁
性キャリア、例えばフェライト、マグネタイト、鉄粉等
を用いて、二成分現像プロセスに適用した場合、現像剤
の電気抵抗が低すぎ、現像の際に、印字背景部にかぶり
を生じることになる。
【0031】そのようなかぶりの発生を防止するには、
トナーを磁性化することが最も有効である。これは、非
磁性トナーは静電的引力によりキャリア表面に付着して
いるのに対して、磁性トナーは静電的引力と磁気的引力
によりキャリア表面に付着しているので、現像バイアス
の影響によって磁性トナーの帯電が低下しても、磁気的
引力によってトナーがキャリア表面に保持されて、印字
背景部に付着しないからである。
【0032】かぶりを防止する能力は磁性トナーの飽和
磁化σsにより決まり、上述の導電性トナーの場合、飽
和磁化σsを5emu/g(10キロエルステッド〔k
Oe〕)以上にすることにより、トナーの導電率が1×
10-12S/cm 以上でも、かぶりの発生を防止すること
ができる。ただし、飽和磁化があまり大きいと磁気力が
現像の静電気力に勝って現像不能になるので、飽和磁化
の上限は25emu/gとする。
【0033】トナーを磁性化するためには、例えばフェ
ライト粉、マグネタイト粉、鉄粉等の強磁性粉からなる
無機フィラーをトナー中に分散させればよい。トナーの
飽和磁化が5emu/g以上となるのは、トナーに分散
させる磁性粉の飽和磁化にもよるが、その含有率を概ね
10wt%以上とする必要がある。
【0034】また、そのような磁性粉は、トナーバイン
ダにくらべてはるかに高い熱拡散率(バインダの数百倍
程度)を持っているので、フラッシュ定着性の向上とい
う副次的効果も期待できる。ただし、上述の磁性粉を用
いた場合には、現像特性に与える影響が大きいので、限
られた範囲内でしか使用できない。
【0035】さらに熱伝導性の上昇、つまり定着率向上
を図りたい場合、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、チタニア、鉄粉、銅粉、アルミニウム粉等を使用す
ることができる。これら非磁性体フィラーの熱拡散率は
バインダの概ね200〜2000倍であり、大きな定着
率の向上が期待できる。これらの非磁性体フィラーは現
像特性に大きな影響を与えないため、比較的広い範囲で
添加量を調節することができる。
【0036】さらにバインダとして、数平均分子量Mn
が6000以下(ただし望ましくは1000以上)、重
量平均分子量Mwが2万以下(ただし望ましくは300
0以上)であり、且つフローテスタ軟化温度が130℃
以下の無定形ポリマを含有させることにより、フラッシ
ュ定着用トナーの融点(90〜150℃)にした場合に
おいても、室温よりかなり高いガラス転移点(55℃以
上)にすることができ、非常に少ない定着エネルギで溶
融させることができる。
【0037】また、ガラス転移温度が室温よりかなり高
いので熱安定性がよく、したがって、トナーの貯蔵安
定性がよく、現像機内でブロッキングを起こし難く、
現像機内で融着し難く、また融着物(粗大トナーな
ど)を発生し難く、装置の稼働環境(温度、湿度)の
変化によってもトナーの特性が変化し難いなどの特性が
得られる。
【0038】そのような無定形ポリマは、単独でトナー
バインダとして用いることができるが、必要に応じて他
のバインダとの併用も可能である。その場合、ブレンド
するバインダは従来からトナー用に用いられているもの
を使用することができ、例えば、エポキシ、スチレン、
スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド等などを用いるこ
とができる。
【0039】ただし、他のバインダと併用する場合に
は、無定形ポリマの含有量を結着樹脂総量の50重量%
以上とする。50重量%未満では、無形定ポリマの有す
る優れたフラッシュ定着性が失われるためである。
【0040】
【実施例】図面を参照して実施例を説明する。ただし、
本発明はこれによって限定されるものではない。
【0041】図2は、本発明のトナーが用いられる電子
写真方式のプリンタの一例を示している。ただし本発明
のトナーは、それ以外の各種の画像形成装置に用いるこ
とができる。
【0042】21は、装置フレームに回転自在に支えら
れて矢印方向に回転駆動される感光ドラム(像搬送体)
であり、有機感光体、セレン感光体又はa−Si感光体
などを用いることができる。また、円筒状のものに限ら
ず、感光体をシート状に形成したものでもよい。
【0043】22は、感光ドラム1の表面を一様に帯電
させるための帯電器であり、図に示されるスコロトロン
の他、コロトロン、ブラシ帯電器またはローラ帯電器な
どを用いることができる。
【0044】23は、一様に帯電された感光ドラム1の
表面に画像光を照射して静電潜像を形成するための露光
光源であり、LEDアレイ、液晶シャッタアレイまたは
半導体レーザを光源とした光学系などを用いることがで
きる。
【0045】24は、感光ドラム1の表面に形成された
静電潜像をトナーによって現像するための現像器であ
り、回転駆動される現像ローラ25によって、現像器2
0の内部に貯留された現像剤10が感光ドラム21側に
搬送される。この現像器24としては、現像剤26とし
て磁性トナーと磁性キャリアとを混合して用いるいわゆ
る二成分現像方式のものが用いられる。
【0046】27は、現像によって感光ドラム21の表
面に形成されたトナー像を記録紙100に転写するため
の転写器であり、図示されるローラ転写器の他、コロン
トロン転写器などを用いることができる。
【0047】記録紙100は、用紙カセット28からく
り出されて用紙搬送ローラ29によって転写部へ送られ
た後、フラッシュ定着器30に対向する位置を通るよう
に搬送され、そこで例えばキセノンランプから照射され
る閃光による光エネルギを受ける。
【0048】その光エネルギは、記録紙100上のトナ
ーに吸収されて熱エネルギに変換され、それによってト
ナーが溶融して記録紙100にトナー像が定着される。
そして記録紙100は、搬出ローラ32によってスタッ
カ33に排出される。
【0049】34は、転写が済んだ感光ドラム21の表
面を、帯電させる前に除電するための接触型除電器であ
り、図示されるような導電性弾性ローラからなる除電ロ
ーラの他、導電性ブラシなどを用いてもよい。
【0050】次に、各種のトナーを試作して、トナー像
をフラッシュ定着させる実験を行った。ここで用いるト
ナーは、従来公知の方法で製造することができる。すな
わち、必須構成成分の結着樹脂、着色剤(カーボン、染
料)、無機フィラー、および必要なら帯電制御剤、導電
性制御剤、光吸収剤、表面張力低減剤、粘性調整剤など
を、例えば加圧ニーダ、ロールミル、エクストルーダな
どにより溶融混練して、均一分散する。そして、粉砕
機、例えばジェットミルなどにより微粉末化し、分級
機、例えば風力分級機などにより分級して、所望のトナ
ーを得ることができる。
【0051】なお、諸物性は、以下の測定法を用いて計
測したものである。融点は、フローテスタ(島津フロー
テスタCFT−500:島津製作所)を用いて昇温フロ
ーテストを行い、4mmプランジャーが降下した時の温
度である。昇温フローテストの条件は、以下の通りであ
る。
【0052】ダイ 1mm×1mmφ 昇温
速度 6℃/分 サンプル 1.5g ペレット 荷重 20k
gf 予熱温度 60℃ 予熱時間 300秒。
【0053】ガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC
−20:セイコー電子)を用いて測定した。昇温速度5
℃/分の昇温吸熱曲線から求めた。トナーの導電率は、
誘電体損測定装置(TR−10C、WBG−9、BDA
−9、SE−43、TO−10:安藤電気)を用いて測
定した。測定条件は以下の通りである。
【0054】印加電圧 200V 電極
面積 2.2cm2 周波数 1000Hz サンプル 0.07g(500kg重/cm2下でタブ
レット成形)。
【0055】熱拡散率は、トナーを錠剤成形器によりタ
ブレットに成形し、レーザフラッシュ熱定数測定装置
(LF/TCM−FA8510B:理学電機)を用いて
測定した。その測定条件は以下の通りである。
【0056】レーザ印加電圧 3.2kV サンプル 0.07g(300kg重/cm2
でタブレット成形) 測定法 t1/2法。
【0057】次に実験結果について説明する。トナーバ
インダとして、ビスフェノールAのジエチレンオキサイ
ドとテレフタール酸からなる結晶性ポリエステルA(T
m138℃、Tg51℃)と、無機フィラーとして酸化
アルミニウムを用い、図3に示す組成でトナー1〜3を
試作した。
【0058】すなわち、図3に示す組成で、バインダ、
ニグロシン染料(オイルブラックBY:オリエント化
学)、カーボン(ブラックパールズL:キャボット)お
よび酸化アルミニウムを予備混合し、加圧ニーダにより
140℃、30分溶融混練し、トナー塊を得た。そし
て、冷却したトナー塊をロートプレックス粉砕機により
粒径約2mmの粗粉砕トナーとした。
【0059】次いで、粗粉砕トナーをジェットミル(P
JM粉砕機:日本ニュウマチック)を用いて微粉砕し、
粉砕物を風力分級機(アピネル)により分級し、酸化ア
ルミニウムの含有量の異なる5〜20μmのトナー1〜
3を得た。
【0060】また、トナーバインダとしてトナー1〜3
で用いたポリエステルAと、無機フィラーとして酸化マ
グネシウム、マグネタイト、フェライトを用い、図4,
5及び6に示す組成で、各々無機フィラーの含有量の異
なるトナー4〜6(図4)、7〜9(図5)、10〜1
2(図6)を、上記と同様にしてそれぞれ試作した。
【0061】磁性の無機フィラーを用いたトナー7〜9
とトナー10〜12のうち、無機フィラーの含有率が1
0wt%のトナー8とトナー11は、各々飽和磁化σs
が5emu/g(10キロエルステッド)であり、含有
率が5wt%のトナー7とトナー10は飽和磁化σsが
その約半分、20wt%のトナー9とトナー12は、飽
和磁化σsが約2倍である。
【0062】実験の結果、図3ないし図6に示されるよ
うに、無機フィラーの磁性、非磁性にかかわらず、無機
フィラーの添加量がある値を越えるとトナーの熱拡散率
が大きくなることがわかる。
【0063】さらに、図7に示されるように、無機フィ
ラーとして酸化アルミニウムとマグネタイト粉の両方を
混合して用いて、上述のトナーと同様な方法でトナー1
3を得た。
【0064】また、トナーバインダとしてビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド20モル%、1,2−プロピ
レングリコール30モル%、テレフタール酸50モル%
からなる無定形ポリエステルB(Tm121℃、Tg6
3℃)を用い、図7に示す組成で、上記と同様にしてト
ナー14を得た。この無定形ポリエステルBの数平均分
子量(Mn)は4600、重量平均分子量(Mw)は1
8000、フローテスタ軟化温度は115℃である。
【0065】以上のトナー1〜14のそれぞれについ
て、トナー5重量部と磁性キャリアとして不定形鉄粉
(TSV100−200:パウダテック)95重量部を
用い、現像剤とした。
【0066】まず、低エネルギ閃光によるフラッシュ定
着性を評価するために、フラッシュ定着方式を採用して
いるレーザプリンタ(FACOM−6715D)を用い
て、5mm角のベタ画像を印字し、テープ剥離試験を行
った。
【0067】この時、閃光条件は、容量160μFのコ
ンデンサを用い、充電電圧2050Vと従来より低くし
た。また、記録媒体上のベタ画像のトナー層厚は約15
μmにした。
【0068】テープ剥離試験は、ベタ画像部に粘着テー
プ(スコッチメンディングテープ、住友3M)を軽く貼
り、直径100mm、厚さ20mmの鉄製円柱ブロック
を円周方向に一定速度でテープ上をころがし、その後、
テープを記録媒体から引き剥がした。
【0069】テープ剥離前後の光学画像濃度(ID)の
比率(百分率)の大きさを、定着性の指標とし、この比
率が80%以上のものを定着性良好とした。光学画像濃
度はPCMメータ(マクベス)を用いて測定した。ま
た、トナーのかぶりの程度は印字背景部(白地の部分)
の光学画像濃度の大きさから判定し、この値が0.1以
下の場合を良好とした。
【0070】トナーの貯蔵安定性とブロッキング性は、
トナー20gをポリビンに詰めて、55℃、30%RH
環境中に12時間暴露し、取り出したトナーから200
メッシュ(75μm)以下のトナーを除去し、残ったト
ナー重量の大きさから貯蔵安定性とブロッキング性を評
価した。そして、残ったトナー重量が10wt%以下の
場合を良好とした。
【0071】装置の稼働環境(温度、湿度)の変化によ
るトナー特性の安定性は、定着性の評価で用いた現像剤
10gを50ccポリビンに詰め、常温、常湿環境(2
5℃、40%RH)と高温、高湿環境(35℃、80%
RH)中に1時間暴露し、その後、それぞれの環境中で
10分間、ボールミル攪拌(200rpm)して、取り
出した現像剤の帯電量を速やかに測定した。
【0072】そして、常温、常湿環境中における帯電量
に対する、高温、高湿環境中における帯電量の比率(百
分率)を評価値とし、この比率が、70%以上の場合を
良好とした。
【0073】その結果、図3ないし図7に○印(良好)
及び×印(不良)で示されるように、トナーの熱拡散率
が1×10-72/s以上のトナー3,6,9,12は
フラッシュ定着性に優れる。
【0074】このうち、非磁性の酸化アルミニウムと酸
化マグネシウムを用いて熱拡散率を高めたトナー3,6
はかぶりが発生するのに対し、磁性体のマグネタイトと
フェライトを用いて、飽和磁化σsを5emu/g以上
にしたうえで熱拡散率を高めたトナー8,9,12はか
ぶりが発生しない。
【0075】また、ベタ画像の印刷能力はトナー3,6
では満足のゆくものであるが、トナー8,9,12では
不満足であった。非磁性の酸化アルミニウムとマグネタ
イト粉を用いたトナー13はかぶりが発生しておらず、
また、ベタ画像の印刷能力も満足のゆくものであった。
さらに、トナーのバインダに無定形ポリマを用いたトナ
ー14の場合、フラッシュ定着性に極めて優れるのみな
らず、ブロッキング性、環境特性にも優れる。
【0076】次に、トナー14を、電気抵抗が1×10
4及び1×106Ωcmの2種類のマグネタイトキャリア
と別々に混合して、各々トナー濃度5〜30wt%の現
像剤とし、上記と同様に評価した。
【0077】その結果、図8に示されるように、キャリ
アの電気抵抗によってかぶり量が変化する。キャリア電
気抵抗を1×104Ωcmにすると、かぶりの発生を抑
えられない。電気抵抗が1×106Ωcmのキャリアを
用いた場合でも、トナー濃度30wt%ではかぶりが発
生したが、トナー濃度20wt%以下ではかぶりは発生
しなかった。
【0078】なお、トナー濃度があまり低いと、トナー
の比電荷が高くなって画像の濃度が低下し、また高速で
ベタ画像を印刷する場合に、トナーが必要量に対して不
足してしまい、トナー供給および帯電が間にあわなくな
る。したがって、トナー濃度は5wt%を下限とする。 〔比較例〕試作したトナー14について、熱ロール定着
方式を用いている小型卓上レーザプリンタ(M372
2、富士通製)を用いて、定着性とオフセット性の調査
をした。
【0079】図9はその結果を示しており、低温度でも
優れた定着性を示すが、オフセット発生温度も低く、良
好な定着ウインドは得られなかった。
【0080】
【発明の効果】本発明の画像形成装置用トナーによれ
ば、光エネルギの吸収性が良くてそれが熱エネルギに変
換され、その熱がトナー内部から記録媒体に触れている
トナー底面まで効率よく伝達されるので、低エネルギの
閃光によって優れた定着性が得られる。
【0081】また、高いガラス転移点を有することか
ら、熱安定性が良いので、貯蔵安定性が高く、現像機内
でブロッキングや融着を起こしにくく、粗大トナーなど
の融着物を発生しにくく、装置の稼働環境の変化によっ
てトナーの特性が変化しにくい等の優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの構成を示す図表である。
【図2】実施例装置の構成図である。
【図3】実施例の実験結果を示す図表である。
【図4】実施例の実験結果を示す図表である。
【図5】実施例の実験結果を示す図表である。
【図6】実施例の実験結果を示す図表である。
【図7】実施例の実験結果を示す図表である。
【図8】実施例の実験結果を示す図表である。
【図9】比較例の実験結果を示す図表である。
【符号の説明】
A カーボン B 無機フィラー 26 二成分現像剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 G03G 9/08 361 391 (72)発明者 田邨 ひろみ 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 山本 隆志 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10wt%以上の含有量のカーボン(A)
    と、 トナーの飽和磁化を5emu/g(10キロエルステッ
    ド)以上にする磁性粉からなる無機フィラー(B)とを
    含有し、 熱拡散率が1×10-72/s以上であることを特徴と
    する画像形成装置用トナー。
  2. 【請求項2】バインダとして、数平均分子量(Mn)が
    6000以下、重量平均分子量(Mw)が2万以下であ
    り、且つフローテスタ軟化温度が130℃以下の無定形
    ポリマを含有する請求項1記載の画像形成装置用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】上記トナーが、電気抵抗が1×106Ωcm
    以上の磁性キャリアと混合されて二成分現像剤(26)
    を形成しており、そのトナー濃度が20wt%以下であ
    る請求項1又は2記載の画像形成装置用トナー。
JP5223023A 1993-09-08 1993-09-08 画像形成装置用トナー Pending JPH0777828A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1207433A2 (en) 2000-11-20 2002-05-22 Ricoh Company, Ltd. Toner for developing latent electrostatic images, and image forming method and device
US7687216B2 (en) 2004-06-18 2010-03-30 Sharp Kabushiki Kaisha Two-component developer and two-component developing apparatus using the same

Cited By (3)

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EP1207433A2 (en) 2000-11-20 2002-05-22 Ricoh Company, Ltd. Toner for developing latent electrostatic images, and image forming method and device
EP1207433B2 (en) 2000-11-20 2013-06-12 Ricoh Company, Ltd. Toner for developing latent electrostatic images, and image forming method and device
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