JPH0777104A - エンジンの水冷却装置 - Google Patents

エンジンの水冷却装置

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JPH0777104A
JPH0777104A JP24393593A JP24393593A JPH0777104A JP H0777104 A JPH0777104 A JP H0777104A JP 24393593 A JP24393593 A JP 24393593A JP 24393593 A JP24393593 A JP 24393593A JP H0777104 A JPH0777104 A JP H0777104A
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JP
Japan
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cooling water
passage
cylinder
engine
water
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Application number
JP24393593A
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English (en)
Inventor
Akihiko Okubo
明彦 大久保
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダブロックやシリンダヘッドに形成し
た冷却水通路に冷却水を流入させて上記シリンダブロッ
クやシリンダヘッドを水冷却させる場合において、シリ
ンダブロックやシリンダヘッドの一部に過冷却が生じな
いようにして、シリンダ孔の熱変形を防止し、もって、
このシリンダ孔に対するピストンの円滑な摺動を確保す
る。 【構成】 シリンダ孔96の周りのシリンダブロック9
5の周壁と、シリンダヘッド104の少なくともいずれ
かに冷却水通路147を形成する。この冷却水通路14
7に冷却水63を流入させる水入口148を設ける。上
記水入口148に対面する冷却水通路147の内壁面1
47aに肉盛部146を一体成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダブロックや
シリンダヘッドに冷却水通路を備えた自動車用等のエン
ジンの水冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記エンジンの水冷却装置には、従来、
次のように構成されたものがある。
【0003】即ち、シリンダブロックの頂部にシリンダ
ヘッドが取り付けられ、シリンダ孔の周りの上記シリン
ダブロックの周壁と、上記シリンダヘッドとに冷却水通
路が形成されている。また、この冷却水通路に冷却水を
流入させる水入口と、同上冷却水通路から冷却水を流出
させる水出口とが設けられている。
【0004】そして、エンジンの駆動時には、水ポンプ
からの冷却水が上記水入口を通って冷却水通路に流入
し、この冷却水は、上記各冷却水通路を通って上記水出
口側に流れ、この際、燃焼熱によって加熱されたシリン
ダブロックとシリンダヘッドとが上記冷却水により冷却
されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷却水通路
における冷却水は水出口に向うに従い、シリンダブロッ
クやシリンダヘッドから熱を受けて高温となるのであっ
て、水入口を通り上記冷却水通路に流入した時点では温
度が最も低い状態である。
【0006】このため、上記水入口に近いシリンダブロ
ックやシリンダヘッドの部分が、他の部分に比べて過冷
却されるおそれがあり、このように部分的な過冷却が生
じると、シリンダ孔が熱変形して、このシリンダ孔に対
するピストンの円滑な摺動が阻害されるという問題を生
じる。
【0007】また、上記冷却水通路とこれを流れる冷却
水とにより、単に上記シリンダブロックとシリンダヘッ
ドとを冷却させると、冷却水の流れに不均衡が生じ、流
れにくいところが冷却不足になり、流れ易いところは過
冷却になる。
【0008】このため、特に多気筒の場合には、上記水
入口に近い気筒やシリンダヘッドが過冷却となり、もっ
とも遠い気筒が冷却不足となり、シリンダ孔の熱変形が
気筒毎で大きな差が生じてしまうという問題がある。
【0009】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、シリンダブロックやシリンダヘッド
に形成した冷却水通路に冷却水を流入させて上記シリン
ダブロックやシリンダヘッドを水冷却させる場合におい
て、シリンダブロックやシリンダヘッドの一部に過冷却
が生じないようにして、シリンダ孔の熱変形を防止し、
もって、このシリンダ孔に対するピストンの円滑な摺動
を確保させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、シリンダブロックの
頂部にシリンダヘッドを取り付け、シリンダ孔の周りの
上記シリンダブロックの周壁と、上記シリンダヘッドの
少なくともいずれかに冷却水通路を形成し、この冷却水
通路に冷却水を流入させる水入口を設けたエンジンの水
冷却装置において、上記水入口に対面する冷却水通路の
内壁面に肉盛部を一体成形した点にある。
【0011】上記の場合、水入口から冷却水通路へ流入
する冷却水を、上記冷却水通路の所定方向へ肉盛部が案
内するようにしてもよい。
【0012】一方、シリンダブロックの頂部にガスケッ
トを介してシリンダヘッドを取り付け、上記シリンダブ
ロックとシリンダヘッドとにそれぞれ冷却水通路を形成
すると共に、これら両冷却水通路を互いに連通させる通
過孔を上記ガスケットに形成し、上記シリンダブロック
の冷却水通路に冷却水を流入させる水入口を設ける一
方、シリンダヘッドの冷却水通路から冷却水を流出させ
る水出口を設けたエンジンの水冷却装置において、上記
通過孔を複数形成し、これら通過孔のうち、水入口に近
い側の通過孔の開口面積を水出口に近い側の通過孔の開
口面積よりも小さくしてもよい。
【0013】上記の場合、エンジンは、燃焼室内に向っ
て燃料を噴射して燃焼させる筒内燃料噴射式2サイクル
エンジンであってもよい。
【0014】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0015】シリンダ孔96の周りのシリンダブロック
95の周壁と、シリンダヘッド104の少なくともいず
れかに冷却水通路147を形成し、この冷却水通路14
7に冷却水63を流入させる水入口148を設けた場
合、上記冷却水通路147における冷却水63は、水入
口148を通り上記冷却水通路147に流入した時点で
温度が最も低いことから、上記水入口148に対面する
冷却水通路147の内壁面147aを過冷却させるおそ
れがある。
【0016】そこで、この発明では、特に図1で示すよ
うに、上記水入口148に対面する冷却水通路147の
内壁面147aに肉盛部146を一体成形してある。
【0017】このため、上記肉盛部146によって、上
記内壁面147aが過冷却されることが防止され、シリ
ンダブロック95やシリンダヘッド104がより均一に
冷却される。
【0018】上記の場合、同上図1で示すように、水入
口148から冷却水通路147へ流入する冷却水63
を、上記冷却水通路147の所定方向へ肉盛部146が
案内するようにしてもよい。
【0019】このようにした場合において、シリンダブ
ロック95に排気通路140を成形した部分は特に高温
となり易いため、上記排気通路140側に向ってより多
くの冷却水63が流れるように、この冷却水63を上記
肉盛部146によって案内させれば、上記排気通路14
0を成形した部分の冷却が効果的に行われ、つまり、他
の部分の過冷却が防止されて、上記シリンダブロック9
5やシリンダヘッド104がより均一に冷却される。
【0020】また、上記の場合、内壁面147aの過冷
却を防止するための肉盛部146が冷却水63の案内に
兼用されたのであり、その分、簡単な構成で、上記均一
な冷却が行われる。
【0021】一方、シリンダブロック95とシリンダヘ
ッド104とを比べた場合には、シリンダブロック95
の方が燃焼熱により熱変形を起して、ピストン97の摺
動を阻害させ易い。
【0022】そこで、図15で示すように、シリンダブ
ロック95とシリンダヘッド104とにそれぞれ冷却水
通路147を形成すると共に、これら両冷却水通路14
7を互いに連通させる通過孔103aをガスケット10
3に形成し、上記シリンダブロック95の冷却水通路1
47に水入口148を設ける一方、シリンダヘッド10
4の冷却水通路147に水出口145を設けた場合にお
いて、上記通過孔103aを複数形成し、これら通過孔
103aのうち、水入口148に近い側の通過孔103
aの開口面積を水出口145に近い側の通過孔103a
の開口面積よりも小さくしてある。
【0023】このため、水入口148を通りシリンダブ
ロック95の冷却水通路147に流入した冷却水63
が、通過孔103aを通りいきなりシリンダヘッド10
4の冷却水通路147に流入するということは抑制され
る。そして、上記冷却水63は上記シリンダブロック9
5の冷却水通路147を十分に通りながら、水出口14
5に近づくに従い徐々に通過孔103aを通り、シリン
ダヘッド104の冷却水通路147に流入して、上記水
出口145から排出される。
【0024】よって、シリンダヘッド104よりも高温
となり易いシリンダブロック95が十分に冷却されるこ
とから、上記シリンダブロック95とシリンダヘッド1
04とが全体的にみて、均一に冷却される。
【0025】また、上記の場合、エンジン7は、燃焼室
105内に向って燃料31を噴射して燃焼させる筒内燃
料噴射式2サイクルエンジンであってもよい。
【0026】即ち、エンジン7が上記した筒内燃料噴射
式の2サイクルである場合には、4サイクルエンジンに
比べ、掃気通路138がシリンダブロック95に余分に
形成されるため、シリンダ孔96は熱変形し易いものと
なっている。
【0027】また、上記エンジン7では、燃料31は燃
焼室105に供給されるだけであって、クランクケース
80には供給されないことから、この燃料31による上
記クランクケース80の冷却はなされず、これに影響さ
れてシリンダブロック95やシリンダヘッド104やピ
ストン97が高温になり易くなっている。このため、エ
ンジン7が上記した筒内燃料噴射式の2サイクルである
場合に、特にシリンダブロック95やシリンダヘッド1
04の一部が過冷却されると、熱歪が大きくなって、シ
リンダ孔96が容易に熱変形するおそれがある。
【0028】よって、上記したエンジン7であっても、
これに前記した過冷却を防止するための構成を適用すれ
ば、シリンダ孔96の熱変形が効果的に防止される。
【0029】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0030】図2から図9において、図中符号1は自動
車で、この自動車1は車体2、車体フレーム3、左右前
輪4,4および左右後輪5,5を有している。なお、図
中矢印Frは自動車1の前方を示し、下記する左右と
は、上記前方に向っての方向をいうものとする。
【0031】上記車体2の前部にはエンジン7が配設さ
れ、このエンジン7は前後ブラケット8,9や、その他
のブラケットにより上記車体フレーム3に支持されてい
る。上記エンジン7は第1〜第3気筒10〜12を備え
た並列3気筒の予圧縮式2サイクルエンジンである。上
記エンジン7の左端には動力伝達装置13が連設され、
上記エンジン7の動力は上記動力伝達装置13を介し上
記前輪4と後輪5の少なくとも一方に伝達されて、自動
車1が走行可能とされている。
【0032】上記エンジン7の後面に吸気マニホールド
15が突設され、この吸気マニホールド15の突出端に
スロットル弁16が取り付けられている。一方、上記エ
ンジン7の左側上方にエアクリーナ17が配設され、こ
のエアクリーナ17から前方に向って第1吸気管18が
延出し、上記スロットル弁16とエアクリーナ17とが
第2吸気管19で連結されている。
【0033】上記第2吸気管19には空圧センサー20
が介設されている。
【0034】上記エンジン7の前面に排気マニホールド
21が突設されている。この排気マニホールド21の突
出端に第1排気管22の前端が連結され、この第1排気
管22の後端側は上記エンジン7の下方を通って後方に
延びている。この第1排気管22の後端に触媒管23、
第1マフラ24、および第2マフラ25,25が順次連
結されている。更に、上記第2マフラ25の後端に第2
排気管26と第3マフラ27とが順次連結されている。
また、上記第2排気管26の前後中途部から左側方に向
って分岐管28が突設されている。
【0035】上記の場合、第1排気管22の内面には触
媒が担持されている。また、上記触媒管23には温度セ
ンサー29が取り付けられている。
【0036】上記エンジン7に燃料31を供給する燃料
供給装置32が設けられている。この燃料供給装置32
は車体2の後部に設けられる燃料タンク33を備え、こ
の燃料タンク33内に電動式の燃料ポンプ34が設置さ
れている。一方、上記第1〜第3気筒10〜12にそれ
ぞれ燃料噴射弁36が取り付けられている。上記燃料ポ
ンプ34から吐出される燃料31を上記燃料噴射弁36
に順次供給する燃料供給管39が設けられ、この燃料供
給管39の中途部に燃料フィルタ40が介設されてい
る。上記燃料噴射弁36に供給した後の残りの燃料31
を上記燃料タンク33に戻す燃料戻し管41が設けら
れ、この燃料戻し管41の中途部に差圧レギレータ42
が介設されている。
【0037】上記エンジン7の右側にエアーポンプ45
が設けられている。このエアーポンプ45の吸入口に上
記エアクリーナ17が空気吸入管46によって連結さ
れ、この空気吸入管46の中途部にサイレンサ47が介
設されている。上記エアーポンプ45から吐出される圧
縮空気48を上記燃料噴射弁36に順次供給する空気吐
出管49が設けられている。また、上記第1〜第3燃料
噴射弁36〜38に供給した後の残りの圧縮空気48を
前記第1排気管22の後端内に戻す空気戻し管50が設
けられ、この空気戻し管50の中途部に上記差圧レギレ
ータ42が介設されている。
【0038】上記第1〜第3気筒10〜12にはそれぞ
れ点火プラグ53が設けられている。
【0039】上記エンジン7に潤滑油55を供給する潤
滑装置56が設けられている。この潤滑装置56は、潤
滑油55を所定部位に供給する油ポンプ装置57と、潤
滑油55を貯留してこの潤滑油55を上記油ポンプ装置
57に供給する油タンク58とを有している。
【0040】図8と図9において、上記エンジン7を水
冷却する水冷却装置が設けられている。この水冷却装置
は上記エンジン7の後面側に取り付けられる水ポンプ6
2を有し、この水ポンプ62は上記エンジン7によって
駆動させられる。上記水ポンプ62の吐出口から吐出さ
れる冷却水63はエンジン7内を通ってこのエンジン7
を冷却する。この後、同上冷却水63はサーモスタット
64と水送り管65を介しラジエータ66に送り込ま
れ、ここで空冷された後、水戻し管67を通り、上記水
ポンプ62の吸入口に戻され、上記したように再び吐出
される。上記水冷却装置については、後に詳述する。
【0041】特に、図3と図5において、上記エンジン
7が駆動すれば、空気60が前記第1吸気管18、エア
クリーナ17、第2吸気管19、スロットル弁16、お
よび吸気マニホールド15を順次通ってエンジン7に吸
入される。一方、各燃料噴射弁36により、燃料31が
圧縮空気48と共にエンジン7内に噴射され、これが点
火プラグ53により点火されて、燃焼に供される。この
燃焼により生じた排気68は上記排気マニホールド2
1、第1排気管22、触媒管23、第1マフラ24、第
2マフラ25、第2排気管26、および第3マフラ27
を順次通って排出される。
【0042】上記の場合、エアーポンプ45による圧縮
空気48の生成には、上記エアクリーナ17により濾過
された後の空気60の一部が用いられる。また、各燃料
噴射弁36により噴射される燃料31と、圧縮空気48
の各圧力とは前記差圧レギレータ42により適正に調整
される。
【0043】図6から図8において、上記エンジン7の
右側にはパワーステアリング用の油ポンプ70、ブレー
キ用の真空ポンプ71、および空調用のコンプレッサ7
2が設けられ、これら、および前記エアーポンプ45は
ベルト動伝機構73を介し上記エンジン7により駆動さ
れ、その各回転方向は図中一点鎖線矢印の方向である。
74はアイドラーである。
【0044】図8において、上記エンジン7の後面側に
上記真空ポンプ71に連動するオルタネータ76が設け
られている。また、77はスタータモータである。
【0045】図10から図15において、前記エンジン
7はクランクケース80を有し、このクランクケース8
0は上ケース81と下ケース82とに上下二分割され
て、互いに着脱自在に締結されている。上記クランクケ
ース80内のクランク室83には左右ほぼ水平に延びる
クランク軸85が収容されている。このクランク軸85
の右端は前記ベルト動伝機構73を介し油ポンプ70や
真空ポンプ71等に連結されている。
【0046】上記クランク軸85はクランク主軸86、
三対のクランクアーム87、各一対のクランクアーム8
7にそれぞれ架設されるクランクピン88とで構成さ
れ、上記クランク主軸86が第1〜第4軸受90〜93
により上記上ケース81と下ケース82の互いの接合面
間に支承されている。
【0047】前記第1〜第3気筒10〜12に対応し
て、上記上ケース81から上方に向って左右三つのシリ
ンダブロック95が互いに一体的に突設され、上記各シ
リンダブロック95にそれぞれシリンダ孔96が形成さ
れている。上記各シリンダ孔96にそれぞれピストン9
7が上下摺動自在に嵌入され、これら各ピストン97
と、これに対応するクランクピン88との間にそれぞれ
連接棒98が介設されている。この連接棒98の大端部
99は上記クランクピン88に連結され、同上連接棒9
8の小端部101はピストンピン102を介して上記ピ
ストン97に連結されている。
【0048】上記シリンダブロック95の頂部たる上端
には、ガスケット103を介してシリンダヘッド104
が取り付けられ、このシリンダヘッド104、上記シリ
ンダブロック95、およびピストン97で囲まれた空間
が燃焼室105となっている。前記燃料噴射弁36と点
火プラグ53とは上記シリンダヘッド104に着脱自在
に取り付けられ、特に、図11で示すように上記燃料噴
射弁36のノズル106と、点火プラグ53の放電部1
07とが上記燃焼室105に臨んでいる。
【0049】図10と図11において、上記下ケース8
2の下面側を覆うバランサケース110が設けられ、こ
のバランサケース110は上記下ケース82に着脱自在
に締結されている。
【0050】上記下ケース82とバランサケース110
との間の空間がバランサ室111であり、このバランサ
室111には左右にほぼ水平に延びるバランサ軸112
が収容され、このバランサ軸112は前記クランク軸8
5の下方で、このクランク軸85と平行に延びている。
このバランサ軸112は左軸受113と右軸受114に
よって上記下ケース82とバランサケース110の互い
の接合面間に支承されている。上記クランクケース8
0、シリンダブロック95、およびバランサケース11
0の各右側壁を外方から覆うサイドカバー116が設け
られ、このサイドカバー116内がギヤ室117とされ
ている。
【0051】上記クランク軸85の右端に駆動歯車11
8が取り付けられている。一方、上記バランサ軸112
の右端に従動歯車119が取り付けられ、これら駆動歯
車118と従動歯車119は上記ギヤ室117に収容さ
れて互いに噛合している。そして、上記バランサ軸11
2は上記駆動歯車118と従動歯車119を介し、上記
クランク軸85に連動する。
【0052】上記の場合、従動歯車119は上記バラン
サ軸112の右端に固定される基部120と、上記駆動
歯車118に噛合する歯車本体121と、これら基部1
20と歯車本体121との間に介在するゴム製の円環状
緩衝体122と、この緩衝体122を基部120に支持
させるピン123とで構成されている。
【0053】上記ギヤ室117側とクランク室83側と
の間で潤滑油55が流動することを阻止するクランク軸
シール124と、同上ギヤ室117側とバランサ室11
1側とを仕切るバランサ軸シール125とが設けられて
いる。
【0054】図7、図8、および図10において、上記
クランク軸85の左端にはフライホイール126が締結
され、上記クランク軸85の動力は上記フライホイール
126を介し前記動力伝達装置13の入力側に伝えられ
るようになっている。
【0055】上記動力伝達装置13のミッションケース
128と、上記サイドカバー116とは、それぞれ上記
クランクケース80の上ケース81と下ケース82、シ
リンダブロック95、およびバランサケース110に跨
って締結されている。このため、これらの剛性が互いに
高められ、これにより、振動と騒音が低減させられてい
る。
【0056】図11と図12において、上記クランクケ
ース80の後壁には第1〜第3気筒10〜12にそれぞ
れ対応させて吸気ポート129が形成され、こられ各吸
気ポート129の開口縁に前記吸気マニホールド15の
前端がボルト130により着脱自在に締結されている。
上記各吸気ポート129にそれぞれリード弁131が設
けられている。
【0057】上記リード弁131は上記クランクケース
80の後壁と、吸気マニホールド15の前端との間に挟
まれて上記クランクケース80に締結されるフランジ1
32と、このフランジ132からクランク室83に向っ
て一体的に突出する弁本体133とを備えている。この
弁本体133は平面断面が三角形をなし、上下に長く延
びている。この弁本体133の左右側壁にそれぞれ上下
三つの弁孔134が形成されている。また、これら弁孔
134を開閉させる薄板の弾性リード135が設けら
れ、このリード135は上記弁本体133に片持支持さ
れ、このリード135は自由状態で上記各弁孔134を
弾性的に閉じている。
【0058】図12から図14において、上記各シリン
ダ孔96の周りで、クランク室83から燃焼室105に
向って延びる三つの掃気通路138がシリンダブロック
95に形成されている。
【0059】上記各燃焼室105からシリンダブロック
95の前方に向って貫通する排気通路140が形成され
ている。一方、前記排気マニホールド21は第1〜第3
気筒10〜12に対応して設けられる第1〜第3短管1
41〜143を有し、これら第1〜第3短管141〜1
43の各後端はこれらに対応する各排気通路140の開
口縁に締結されている。また、同上第1〜第3短管14
1〜143の各前端は前下方に向って側面視円弧状に折
り曲げられ、かつ、集合管144に連結されて互いに集
合させられている。そして、この集合管144に前記第
1排気管22の前端が連結されている。
【0060】エンジン7の駆動時において、ピストン9
7の下死点の状態から、ピストン97がシリンダ孔96
を上昇するときが吸入、圧縮過程であり、この過程で
は、クランク室83が負圧になって、リード135が撓
むことによりリード弁131が開弁する。すると、上記
第2吸気管19、スロットル弁16、吸気マニホールド
15、およびリード弁131を順次通して空気60がク
ランク室83に吸入され、一方、これと同時に、燃焼室
105内に予め吸入されていた空気60が、上昇するピ
ストン97によって圧縮される。
【0061】図11で示すピストン97の上死点の手前
で、上記燃焼室105内で圧縮された空気60に対し、
燃料噴射弁36により燃料31と圧縮空気48とが噴射
され、燃焼室105内に混合気が生成される。次に、ピ
ストン97の上死点の直前で、点火プラグ53の放電に
より上記混合気の燃焼が開始されて気体が膨張し、上記
ピストン97が下降させられる。
【0062】上記ピストン97の下降で、前記したよう
にクランク室83に吸入されていた空気60が圧縮さ
れ、リード弁131が閉動作する。そして、上記ピスト
ン97が更に下降することで、上記クランク室83の空
気60が更に圧縮され、つまり、予圧縮される。
【0063】上記ピストン97が下降する途中で、ま
ず、排気通路140が開き、これを通って、上記燃焼に
よる燃焼ガスが排気68として排出される。即ち、これ
が排気過程である。ここから更にピストン97が下降す
ると、各掃気通路138が開く。すると、上記したよう
にクランク室83で予圧縮された空気60が掃気通路1
38を通って燃焼室105に流入する。即ち、これが掃
気過程である。そして、この空気60が上記燃焼室10
5に残留している上記燃焼ガスの一部を排気通路140
へ押し出す。また、これと共に、上記空気60が上記燃
焼室105に充満し、前記ピストン97の下死点の状態
に戻る。
【0064】ここから、上記ピストン97が再び上昇
し、以下、前記した各過程が繰り返されて、クランク軸
85が各図中矢印で示す方向に回転し、このクランク軸
85を通してエンジン7が動力を出力する。
【0065】図1、図9、および図10から図15にお
いて、前記したように水ポンプ62、冷却水63、およ
びサーモスタット64等で構成された前記水冷却装置に
つき詳述する。
【0066】上記水冷却装置は、シリンダ孔96の周り
のシリンダブロック95の周壁と、シリンダヘッド10
4とにそれぞれ形成される冷却水通路147,147を
有している。また、前記ガスケット103には図15で
示すように複数の通過孔103aが形成され、これら各
通過孔103aは上記両冷却水通路147,147を互
いに連通させている。
【0067】前記第1気筒10におけるシリンダブロッ
ク95の後壁には、このシリンダブロック95の冷却水
通路147内に連通する水入口148が形成され、この
水入口148に前記水ポンプ62の吐出口が吐出管62
aにより連結されている。一方、前記第3気筒12にお
けるシリンダヘッド104の前後ほぼ中央で左側壁に前
記水送り管65に連通する水出口145が形成され、こ
の水出口145はシリンダヘッド104の冷却水通路1
47に連通している。
【0068】そして、前記したようにエンジン7が駆動
するとき、これに連動する水ポンプ62により、冷却水
63が、まず、上記水入口148を通りシリンダブロッ
ク95の冷却水通路147に流入させられ、次いで、各
通過孔103aを通してシリンダヘッド104の冷却水
通路147に流入させられて、上記シリンダブロック9
5やシリンダヘッド104が冷却される。そして、この
後、冷却水63は水出口145を通って冷却水通路14
7から流出させられ、前記サーモスタット64や水送り
管65を通してラジエータ66に送られる。また、上記
冷却水63の一部は分岐されて、エアーポンプ45の冷
却も行う。
【0069】図1において、水入口148に対面する冷
却水通路147の内壁面147aに肉盛部146が一体
成形されて、ここが厚肉とされている。また、この肉盛
部146は内壁面147aの上下全長に対応して上下に
十分長く形成されている。
【0070】ところで、上記冷却水通路147における
冷却水63は、水入口148を通り上記冷却水通路14
7に流入した時点で温度が最も低いことから、上記水入
口148に対面する冷却水通路147の内壁面147a
が過冷却されるおそれがある。
【0071】しかし、上記したように上記水入口148
に対面する冷却水通路147の内壁面147aに肉盛部
146を一体成形してある。
【0072】このため、上記肉盛部146によって、上
記内壁面147aが過冷却されることが防止され、シリ
ンダブロック95やシリンダヘッド104がより均一に
冷却される。よって、シリンダ孔96の熱変形が防止さ
れる。
【0073】図1において、上記肉盛部146は、水入
口148から冷却水通路147へ流入する冷却水63
を、吸気ポート129側よりも、高温となり易い排気通
路140側に向ってより多く案内する形状とされてい
る。
【0074】具体的には、水入口148から流入する冷
却水63が、吸気ポート129側である左方の冷却水通
路147内に流入するよりも、右方の冷却水通路147
内により多く流れて排気通路140を成形したシリンダ
ブロック95の部分をより効果的に冷却させる。また、
左方の冷却水通路147の幅寸法wよりも、右方の冷却
水通路147の幅寸法Wの方が大きくされており、これ
によっても、冷却水63は右方の冷却水通路147内に
より多く流れて、排気通路140を成形したシリンダブ
ロック95の部分がより効果的に冷却されるようになっ
ている。
【0075】図15において、上記シリンダブロック9
5とシリンダヘッド104とを比べた場合には、シリン
ダブロック95の方が燃焼熱により熱変形を起して、ピ
ストン97の摺動を阻害させ易い。
【0076】そこで、同上図15で示すように前記通過
孔103aのうち、水入口148に近い側の通過孔10
3aの開口面積を水出口145に近い側の通過孔103
aの開口面積よりも小さくしてある。
【0077】このため、水入口148を通りシリンダブ
ロック95の冷却水通路147に流入した冷却水63
が、通過孔103aを通りいきなりシリンダヘッド10
4の冷却水通路147に流入するということは抑制され
る。そして、上記冷却水63は上記シリンダブロック9
5の冷却水通路147を十分に通りながら、水出口14
5に近づくに従い徐々に通過孔103aを通り、シリン
ダヘッド104の冷却水通路147に流入して、上記水
出口145から排出される。
【0078】このようにして、シリンダヘッド104よ
りも熱変形し易いシリンダブロック95が十分に冷却さ
れ、上記シリンダブロック95とシリンダヘッド104
とが全体的にみて、均一に冷却され、しかも、各々の気
筒10〜12が全体的にみて、均一に冷却されることと
なっている。
【0079】ところで、上記エンジン7は筒内燃料噴射
式の2サイクルであって、4サイクルエンジンに比べ、
掃気通路138がシリンダブロック95に余分に形成さ
れるため、シリンダ孔96は熱変形し易いものとなって
いる。
【0080】また、上記エンジン7では、燃料31は燃
焼室105に供給されるだけであってクランクケース8
0には供給されないことから、この燃料31による上記
クランクケース80の冷却はなされず、これに影響され
てシリンダブロック95やシリンダヘッド104やピス
トン97が高温になり易くなっている。このため、エン
ジン7が上記した筒内燃料噴射式の2サイクルである場
合には、特にシリンダブロック95やシリンダヘッド1
04の一部が過冷却されると、熱歪が大きくなって、シ
リンダ孔96が容易に熱変形するおそれがある。
【0081】よって、上記したエンジン7であっても、
これに前記した過冷却を防止するための構成を適用した
ことから、シリンダ孔96の熱変形が効果的に防止され
る。
【0082】図7、図12、および図13において、シ
リンダ孔96に開口する前記各排気通路140の排気ポ
ート149の上縁位置を上下可変として、排気時期を調
整する排気バルブ150が設けられている。
【0083】この排気バルブ150につき説明すると、
上記シリンダブロック95の外部から上記排気ポート1
49の上部に向って貫通する弁孔151がシリンダブロ
ック95に形成されている。上記弁孔151に弁体15
2がその軸心回りに回転自在に支承されている。この弁
体152において上記排気ポート149に臨む部分は断
面が半円形とされている。
【0084】上記弁体152にはプーリー153が取り
付けられ、このプーリー153はワイヤー154により
サーボモータに連結されている。
【0085】そして、エンジン7の低、中速回転時に
は、これを検出したセンサーの信号に基づき、制御装置
を介して上記サーボモータが駆動させられ、これによ
り、図13で示すようにワイヤー154とプーリー15
3を介し弁体152が回転させられる。すると、上記排
気ポート149の上縁位置が下方に変位させられて、そ
の分、排気時期が遅延させられる。
【0086】一方、エンジン7の高速回転時には、同上
サーボモータ等により、図13中実線で示すように弁体
152が回転させられる。すると、上記とは逆の作用に
より、排気ポート149の上縁位置が上方に変位させら
れて、その分、排気時期が早められる。
【0087】このようにして、エンジン7の回転速度に
見合うよう排気時期が調整され、これにより、エンジン
性能が高められている。
【0088】図1、図5、図10、図11、および図1
4において、前記潤滑装置56についてより詳しく説明
する。
【0089】上記潤滑装置56の前記油ポンプ装置57
の吐出口は第1油路160により前記シリンダブロック
95とピストン97との摺接部に連通し、この摺接部に
油タンク58の潤滑油55がそれぞれ供給される。
【0090】また、同上油ポンプ装置57の吐出口は第
2油路163により前記第2〜第4軸受91〜93に連
通し、これら軸受に油タンク58の潤滑油55がそれぞ
れ供給される。
【0091】図10で示すように、上記各第2油路16
3は、上記第2〜第4軸受91〜93と、クランク軸8
5に形成された第3油路164とを通し、クランクピン
88と連接棒98の大端部99との連結部に連通し、こ
の連結部にも潤滑油55が供給される。
【0092】図11において、前記潤滑装置56は、次
の構成をも有している。
【0093】即ち、上記潤滑装置56は、下ケース82
に形成される第5油路172を有し、この第5油路17
2の一端はクランク室83の底部に開口し、他端は後下
方に延びて、同上下ケース82の後面に開口している。
また、この開口に一端が連結され他端が吸気マニホール
ド15の前端を貫通して上方に延出する油管173が設
けられている。この油管173の延出端はリード弁13
1よりも空気60の上流側で、同上リード弁131の上
部に対応するよう配設されている。
【0094】そして、上記クランク室83の底部に溜っ
た潤滑油55が、このクランク室83と吸気マニホール
ド15内との差圧により、第5油路172と油管173
とを介し上記リード弁131の上部に吸引されて供給さ
れる。また、上記潤滑油55は、リード弁131を通り
クランク室83に吸入されたとき、飛散してピストン9
7と連接棒98の連結部をも潤滑する。
【0095】図6、図8、図10、および図11におい
て、前記バランサ室111の後側に油室176が形成さ
れ、この油室176の右端は前記ギヤ室117に隣接し
て互いに連通している。上記油室176とギヤ室117
の各底部には互いに流入可能にギヤ油175が溜めら
れ、このギヤ油175に従動歯車119の下部が油浴さ
せられている。そして、上記従動歯車119が回転する
とき、この従動歯車119にギヤ油175が掻き上げら
れて、上記駆動歯車118と従動歯車119の噛合部が
潤滑させられる。
【0096】また、上記従動歯車119と駆動歯車11
8により、順次掻き上げられたギヤ油175の一部が前
記第1軸受90と、右軸受114とに供給されて、これ
が潤滑させられる。
【0097】図6と図11とで示すように、エンジン7
の後側にギヤ式の電動油ポンプ180が設けられてい
る。この電動油ポンプ180の吸入口に吸入油管181
を介して上記油室176の底部が連結されている。同上
電動油ポンプ180の吐出口は吐出油管182を介して
前記真空ポンプ71に連結され、この真空ポンプ71に
油室176のギヤ油175が供給されて同上真空ポンプ
71が潤滑される。
【0098】なお、以上は図示の例によるが、エンジン
7は単気筒であってもよく、4サイクルであってもよ
い。また、水入口148をシリンダヘッド104に設け
てもよく、水出口145をシリンダブロック95に設け
てもよい。
【0099】
【発明の効果】この発明によれば、次の効果がある。即
ち、シリンダ孔の周りのシリンダブロックの周壁と、シ
リンダヘッドの少なくともいずれかに冷却水通路を形成
し、この冷却水通路に冷却水を流入させる水入口を設け
た場合、冷却水通路における冷却水は、水入口を通り上
記冷却水通路に流入した時点で温度が最も低いことか
ら、上記水入口に対面する冷却水通路の内壁面を過冷却
させるおそれがある。
【0100】そこで、この発明では、上記水入口に対面
する冷却水通路の内壁面に肉盛部を一体成形してある。
【0101】このため、上記肉盛部によって、上記内壁
面が過冷却されることが防止され、シリンダブロックや
シリンダヘッドがより均一に冷却される。よって、シリ
ンダ孔の熱変形が防止され、このシリンダ孔に対するピ
ストンの円滑な摺動が確保される。
【0102】上記の場合、水入口から冷却水通路へ流入
する冷却水を、上記冷却水通路の所定方向へ肉盛部が案
内するようにしてもよい。
【0103】このようにした場合において、シリンダブ
ロックに排気通路を成形した部分は特に高温となり易い
ため、上記排気通路側に向ってより多くの冷却水が流れ
るように、この冷却水を上記肉盛部によって案内させれ
ば、上記排気通路を成形した部分の冷却が効果的に行わ
れ、つまり、他の部分の過冷却が防止されて、上記シリ
ンダブロックやシリンダヘッドがより均一に冷却され
る。
【0104】よって、この点でも、シリンダ孔の熱変形
が防止される。
【0105】また、上記の場合、内壁面の過冷却を防止
するための肉盛部が冷却水の案内に兼用されたのであ
り、その分、簡単な構成で、上記均一な冷却が行われ
て、シリンダ孔の熱変形が防止される。
【0106】一方、シリンダブロックとシリンダヘッド
とを比べた場合には、シリンダブロックの方が燃焼熱に
より熱変形を起して、ピストンの摺動を阻害させ易い。
【0107】そこで、シリンダブロックとシリンダヘッ
ドとにそれぞれ冷却水通路を形成すると共に、これら両
冷却水通路を互いに連通させる通過孔をガスケットに形
成し、上記シリンダブロックの冷却水通路に水入口を設
ける一方、シリンダヘッドの冷却水通路に水出口を設け
た場合において、上記通過孔を複数形成し、これら通過
孔のうち、水入口に近い側の通過孔の開口面積を水出口
に近い側の通過孔の開口面積よりも小さくしてある。
【0108】このため、水入口を通りシリンダブロック
の冷却水通路に流入した冷却水が、通過孔を通りいきな
りシリンダヘッドの冷却水通路に流入するということは
抑制される。そして、上記冷却水は上記シリンダブロッ
クの冷却水通路を十分に通りながら、水出口に近づくに
従い徐々に通過孔を通り、シリンダヘッドの冷却水通路
に流入して、上記水出口から排出される。
【0109】よって、シリンダヘッドよりも高温となり
易いシリンダブロックが十分に冷却されることから、上
記シリンダブロックとシリンダヘッドとが全体的にみ
て、均一に冷却され、即ち、これらシリンダブロックと
シリンダヘッドとの一部が過冷却されることが防止され
て、シリンダ孔の熱変形が防止される。
【0110】また、上記の場合、エンジンは、燃焼室内
の空気に燃料を噴射して燃焼させる筒内燃料噴射式2サ
イクルエンジンであってもよい。
【0111】即ち、エンジンが上記した筒内燃料噴射式
の2サイクルである場合には、4サイクルエンジンに比
べ、掃気通路がシリンダブロックに余分に形成されるた
め、シリンダ孔は熱変形し易いものとなっている。
【0112】また、上記エンジンでは、燃料は燃焼室に
供給されるだけであって、クランクケースには供給され
ないことから、この燃料による上記クランクケースの冷
却はなされず、これに影響されてシリンダブロックやシ
リンダヘッドが高温になり易くなっている。このため、
エンジンが上記した筒内燃料噴射式の2サイクルである
場合には、特にシリンダブロックやシリンダヘッドの一
部が過冷却されると、熱歪が大きくなって、シリンダブ
ロックが容易に熱変形するおそれがある。
【0113】よって、上記したようにシリンダブロック
やシリンダヘッドが高温になり易いエンジンであって
も、これに前記した過冷却を防止するための構成を適用
すれば、シリンダ孔の熱変形が効果的に防止されて、こ
のシリンダ孔に対するピストンの円滑な摺動が確保され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図12に相当する拡大断面図である。
【図2】自動車の全体右側面図である。
【図3】自動車の全体平面図である。
【図4】自動車の全体正面図である。
【図5】図3の部分拡大図である。
【図6】図2の部分拡大図である。
【図7】図4の部分拡大図である。
【図8】エンジンの背面図である。
【図9】エンジンの左側面部分破断図である。
【図10】図7の縦断面図である。
【図11】図10の11‐11線矢視断面図である。
【図12】図11の12‐12線矢視断面図である。
【図13】図12の13‐13線矢視断面図である。
【図14】図12の14‐14線矢視断面図である。
【図15】エンジンの斜視簡略線図である。
【符号の説明】
7 エンジン 31 燃料 60 空気 62 水ポンプ 63 冷却水 80 クランクケース 95 シリンダブロック 96 シリンダ孔 97 ピストン 103 ガスケット 103a 通過孔 104 シリンダヘッド 105 燃焼室 129 吸気ポート 138 掃気通路 140 排気通路 145 水出口 146 肉盛部 147 冷却水通路 147a 内壁面 148 水入口 149 排気ポート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックの頂部にシリンダヘッ
    ドを取り付け、シリンダ孔の周りの上記シリンダブロッ
    クの周壁と、上記シリンダヘッドの少なくともいずれか
    に冷却水通路を形成し、この冷却水通路に冷却水を流入
    させる水入口を設けたエンジンの水冷却装置において、 上記水入口に対面する冷却水通路の内壁面に肉盛部を一
    体成形したエンジンの水冷却装置。
  2. 【請求項2】 水入口から冷却水通路へ流入する冷却水
    を、上記冷却水通路の所定方向へ肉盛部が案内するよう
    にした請求項1に記載のエンジンの水冷却装置。
  3. 【請求項3】 シリンダブロックの頂部にガスケットを
    介してシリンダヘッドを取り付け、上記シリンダブロッ
    クとシリンダヘッドとにそれぞれ冷却水通路を形成する
    と共に、これら両冷却水通路を互いに連通させる通過孔
    を上記ガスケットに形成し、上記シリンダブロックの冷
    却水通路に冷却水を流入させる水入口を設ける一方、シ
    リンダヘッドの冷却水通路から冷却水を流出させる水出
    口を設けたエンジンの水冷却装置において、 上記通過孔を複数形成し、これら通過孔のうち、水入口
    に近い側の通過孔の開口面積を水出口に近い側の通過孔
    の開口面積よりも小さくしたエンジンの水冷却装置。
  4. 【請求項4】 エンジンが、燃焼室内に向って燃料を噴
    射して燃焼させる筒内燃料噴射式2サイクルエンジンで
    ある請求項1から請求項3のうちいずれか一つに記載の
    エンジンの水冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115182824A (zh) * 2022-07-13 2022-10-14 隆鑫通用动力股份有限公司 具有分体式水冷套的多缸发动机
CN115182824B (zh) * 2022-07-13 2024-02-27 隆鑫通用动力股份有限公司 具有分体式水冷套的多缸发动机

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