JPH0776584A - 内皮細胞障害抑制剤 - Google Patents

内皮細胞障害抑制剤

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JPH0776584A
JPH0776584A JP22181393A JP22181393A JPH0776584A JP H0776584 A JPH0776584 A JP H0776584A JP 22181393 A JP22181393 A JP 22181393A JP 22181393 A JP22181393 A JP 22181393A JP H0776584 A JPH0776584 A JP H0776584A
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JP
Japan
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suppressor
active ingredient
formula
endothelial cell
salt
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JP22181393A
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English (en)
Inventor
Masao Kimura
征夫 木村
Yoshinobu Yasuda
好信 保田
Takeshi Tani
武司 谷
Yutaka Matsumoto
豊 松本
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な内皮細胞障害抑制剤を提供する。 【構成】 一般式(1)で示されるカルボスチリル誘導体
またはその塩、ことに6−[4−(1−シクロヘキシル−
1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,
4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を有効成分と
する内皮細胞障害抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内皮細胞障害抑制剤、さ
らに詳しくは、一般式(1)
【化2】 [式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル
基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結
合または2重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘
導体またはその塩、好ましくは、6−[4−(1−シクロ
ヘキシル−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブト
キシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を
有効成分とする内皮細胞障害抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】上記
一般式(1)で示されるカルボスチリル誘導体およびその
製法は、特公昭63−20235号公報に記載されてお
り、それらが血小板凝集抑制剤として有用であることも
知られている。一方、内皮細胞障害抑制剤として適した
薬物の開発について従来より種々研究がなされており、
すでにある種の化合物、例えばホスホジエステラーゼ
(PDE)の非選択的阻害剤である3−イソブチル−1
−メチルキサンチン(IBMX)などが用いられている
が、なお、新しい内皮細胞障害抑制剤の開発が望まれて
いる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
を重ねるうちに、PDE III型阻害剤(cGMP−i
nhibited)である前記一般式(1)で示されるカルボスチ
リル誘導体、なかんずく、6−[4−(1−シクロヘキシ
ル−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]
−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩がすぐ
れた内皮細胞障害抑制剤として有用であることを見い出
し、本発明を完成するに至った。これまで、PDE I
II型阻害剤を内皮細胞阻害抑制剤として用いた例はな
く、本発明者による上記新知見に基づき、初めてPDE
III型阻害剤である前記一般式(1)で示されるカル
ボスチリル誘導体またはその塩を有効成分とするより有
効で安全性の高い内皮細胞障害抑制剤が提供される。本
発明の内皮細胞障害抑制剤は、特定の器官や部署に限定
されることなく、内皮細胞の障害を抑制するが、特に血
管内皮細胞の障害を顕著に抑制する。そのような内皮細
胞障害を抑制することにより、成人呼吸窮迫症候群(A
RDS)等の患者に対して顕著な効果を示す。
【0004】前記一般式(1)における低級アルキレン基
としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラ
メチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−メチ
ル−トリメチレンなどの炭素数1〜6のアルキレン基が
挙げられ、とくにテトラメチレンが好ましい。シクロア
ルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シク
ロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙
げられ、とくにシクロヘキシルが好ましい。
【0005】本発明の内皮細胞障害抑制剤は、前記一般
式(1)で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩を
一般的な医薬製剤の形態に調製される。そのような製剤
は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩
壊剤、表面活性剤、滑沢剤などの希釈剤あるいは賦形剤
を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形態
が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして
錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプ
セル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)などが挙げられ
る。
【0006】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸などの賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シ
ロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カル
ボキシメチルセルロース、セラミック、メチルセルロー
ス、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合
剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン
末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、
ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリ
ド、デンプン、乳糖などの崩壊剤、白糖、ステアリン、
カオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤、第四級アン
モニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進
剤、グリセリン、デンプンなどの保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸などの
吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホン酸末、ポリ
エチレングリコールなどの滑沢剤などが例示できる。さ
らに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば
糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコーティ
ング剤あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0007】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例え
ば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物
油、カオリン、タルクなどの賦形剤、アラビアゴム末、
トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結合剤、ラ
ミナラン、カンテンなどの崩壊剤などが例示できる。坐
剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知の
ものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、
カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル
類、ゼラチン、半合成グリセライドなどを挙げることが
できる。
【0008】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
して従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレ
ングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコ
ールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライドなど
を挙げることができる。
【0009】注射剤としては、液剤、乳剤および懸濁剤
の形で用いられ、それらは殺菌され、かつ血液と等張で
あるのが好ましい。これら液剤、乳剤および懸濁剤の形
態に成形するのに際しては、希釈剤としてこの分野にお
いて慣用されているものをすべて使用でき、例えば水、
エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化
イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリ
ルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル類などを挙げることができる。なお、この場合等
張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖ある
いはグリセリンを該治療剤中に含有せしめてもよく、ま
た通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤などを、更に必
要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤など
や他の医薬品を該治療剤中に含有せしめてもよい。
【0010】本発明の内皮細胞障害抑制剤中に含有され
るべきカルボスチリル誘導体(I)またはその塩の量はと
くに限定されず広範囲に選択されるが、通常全組成物中
1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0011】本発明の内皮細胞障害抑制剤の投与方法に
はとくに制限はなく、各種製剤形態、患者の年令、性別
その他の条件、疾患の程度などに応じた方法で投与され
る。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤お
よびカプセル剤の場合には経口投与される。また注射剤
の場合には単独であるいはブドウ糖、アミノ酸などの通
常の補液と混合して静脈内投与され、さらには必要に応
じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され
る。坐剤の場合には直腸内投与される。
【0012】本発明の内皮細胞障害抑制剤の投与量は用
法、患者の年令、性別その他の条件、疾患の程度などに
より適宜選択されるが、通常カルボスチリル誘導体(I)
またはその塩の量の1日当り体重1kg当り0.6〜50
mgとするのがよい。また、投与単位形態中に有効成分を
10〜1000mg含有せしめるのがよい。
【0013】
【実施例】つぎに製剤例および薬理実験例を挙げて本発
明の内皮細胞障害抑制剤をさらに具体的に説明する。
【0014】製剤例1 6−[4−(1−シクロヘキシル−1,2,3,4− テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150g アビセル(商品名,旭化成(株)製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g メタノール 40g 本発明の活性化合物、アビセル、コーンスターチおよび
ステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油およびメタノールからなるフイルムコーテ
ィング剤で被覆を行いフイルムコーティング錠を製造す
る。
【0015】製剤例2 6−[4−(1−シクロヘキシル−1,2,3,4− テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール (カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール (カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ラウリル硫酸ナトリウム 3.0g 乾燥ステアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適 量 本発明の活性化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二
カルシウム、プルロニックF−68およびラウリル硫酸
ナトリウムを混合する。上記混合物をNo.60スクリ
ーンでふるい、ポリビニルピロリドン、カルボワックス
1500および6000を含むアルコール性溶液で湿式
粒状化する。必要に応じてアルコールを添加して粉末を
ペースト状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な
粒子が形成されるまで混合を続ける。No.10スクリ
ーンを通過させ、トレイに入れ100℃のオープンで1
2〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリー
ンでふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウムおよび乾燥ス
テアリン酸マグネシウムを加え混合し、打錠機で所望の
形状に圧縮する。上記の芯部をワニスで処理し、タルク
を散布し湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層
を被覆する。内服用のために十分な回数のワニス被覆を
行う。錠剤を完全に丸くかつ滑らかにするためにさらに
下塗層および平滑被覆が適用される。所望の色合が得ら
れるまで着色被覆を行う。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均
一な光沢の錠剤にする。
【0016】製剤例3 6−[4−(1−シクロヘキシル−1,2,3,4− テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4− ジヒドロカルボスチリル 5g ポリエチレングリコール (分子量:4000) 0.3g 塩化ナトリウム 0.9g ポリオキシエチレンソルビタン モノオレエート 0.4g メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1g メチル−パラベン 0.18g プロピル−パラベン 0.02g 注射用蒸留水 10.0ml 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび塩化ナ
トリウムを撹拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水
に溶解する。得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明
の活性化合物、つぎにポリエチレングリコールおよびポ
リオキシエチレンソルビタンモノオレエートをその溶液
中に溶解した。次にその溶液に注射用蒸留水を加えて最
終の容量に調製し、適当なフィルターペーパーを用いて
滅菌濾過することにより滅菌して、注射剤を調製する。
【0017】薬理試験 シロスタゾール[6−[4−(1−シクロヘキシル−1,
2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4
−ジヒドロカルボスチリルの一般名]の血管内皮細胞障
害に対する作用:本試験ではリポポリサッカライド(L
PS)による血管内皮細胞障害に対するシロスタゾール
の作用を検討した。
【0018】方法:I、in vitro 試験;ヒト臍帯静脈
より採取した内皮細胞を24穴プレートにコンフルエン
トに培養し、培地にLPS1μg/mlを加え24時間後
に培地中に放出された乳酸脱水素(LDH)活性を測定
し、内皮細胞障害の指標とした。シロスタゾールはLP
Sと同時に培地に添加した。 II、in vivo 試験;ラットの全身性トロンボモジュリ
ン活性を測定し、内皮細胞の統合性(integrity)の指
標とした。すなわち、雄性Wister系ラットの股静脈よ
りトロンビン(1U/kg/min)を20分間持続注入し
た後、採血を行い血漿中の活性化プロテインC(AP
C)活性を測定し、全身性トロンボモジュリン活性とし
た。LPSはトロンビン注入の2日前に皮下投与した。
シロスタゾールは100mg/kgの用量でLPS投与日よ
り1日2回およびトロンビン注入の2時間前に経口投与
した(計5回)。
【0019】結果:I、LPSにより培養血管内皮細胞
からのLDHの放出が増加したが、シロスタゾールの添
加によりこの増加が濃度依存的に(10μMで21%、
30μMで58%)抑制された。 II、トロンビン持続注入により血漿中APC活性は約
2倍に増加した。LPS非投与ラットではシロスタゾー
ルの投与はAPC活性には影響を及ぼさなかった。これ
に対し、LPS投与による血漿中APC活性の低下がシ
ロスタゾールの投与により有意に改善された。LPS投
与ラットでのAPC活性の低下は血管内皮細胞の障害に
よるトロンボモジュリン活性の低下によるものと考えら
れた。シロスタゾールは、LPS非投与ラットではAP
C活性には影響を与えなかったことよりトロンボモジュ
リンの発現の促進ではなく、in vitro 試験で認められ
たような内皮細胞障害抑制作用によりAPC活性の低下
を抑制したと考えられる。本試験の結果よりシロスタゾ
ールが血管内皮細胞保護作用を有することが示唆され
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 257:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、
    カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結合ま
    たは2重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体
    またはその塩を有効成分とする内皮細胞障害抑制剤。
  2. 【請求項2】 有効成分が6−[4−(1−シクロヘキシ
    ル−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]
    −3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩である
    請求項1に記載の薬剤。
JP22181393A 1993-09-07 1993-09-07 内皮細胞障害抑制剤 Pending JPH0776584A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030083108A (ko) * 2002-04-19 2003-10-30 오츠카 세이야쿠 가부시키가이샤 활성 산소 스캐빈저
US7825130B2 (en) 2003-02-25 2010-11-02 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. PTEN inhibitor or Maxi-K channels opener

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JPH05194226A (ja) * 1991-07-17 1993-08-03 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 内膜肥厚の予防、治療剤

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