JPH0776553B2 - 複連形油回転真空ポンプ - Google Patents

複連形油回転真空ポンプ

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JPH0776553B2
JPH0776553B2 JP61031684A JP3168486A JPH0776553B2 JP H0776553 B2 JPH0776553 B2 JP H0776553B2 JP 61031684 A JP61031684 A JP 61031684A JP 3168486 A JP3168486 A JP 3168486A JP H0776553 B2 JPH0776553 B2 JP H0776553B2
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正昭 松野
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は真空機器分野等において利用可能な複連形油回
転真空ポンプに関するものである。
[従来の技術] 従来の油回転真空ポンプは、一定量の油を貯留したオイ
ルケース内に排気機能を営むポンプ本体を配設してお
き、このポンプ本体内にオイルケース内の油を少量ずつ
供給して循環させるようにしている。
すなわち、かかる油回転真空ポンプのポンプ本体は、例
えば、ポンプフレーム内の偏心位置にベーン付の回転子
を収容したものであり、そのポンプフレームと回転子と
の間に排気機能を営むポンプ室を形成している。そし
て、そのポンプ室内にオイルケース内の油を少量ずつ供
給することによって、いわゆるオイルバラスト効果、潤
滑効果ならびにシール効果を発揮させ得るようになって
おり、そのポンプ室内に導入された油は、排気弁を設け
たポンプ本体の排気口から気体とともに逐次オイルケー
ス内に放出され循環するようにしてある。
複連形の油回転真空ポンプでは、ポンプ本体内に直列に
2つ以上のポンプ室を設けて、一方のポンプ室から排出
された気体が、更に他方のポンプ室へ導入され、しかる
後に、オイルケース内の空間を通してオイルケース外へ
放出されるようになっている。しかして、このようなも
のでは、ポンプの運転開始時等のように非排気容器等の
気体の密度が高く、前段側のポンプ室から排出される気
体のすべてを容積の小さな後段側のポンプ室へ導入する
ことが困難な場合に、その気体の一部を中間排気口等に
設けられたリリーフ弁を通してオイルケース内の空間に
直接排出させるようにしているのが普通である。
ところが、リリーフ弁を通して中間排気口からオイルケ
ース内に排出される気体は流量が大きく、かつ前段側の
ポンプ室内で圧縮されて吸気時よりも高い運動エネルギ
ーを有しているため、該気体中に供給された油滴あるい
はリリーフ弁等の周囲に溜っている油を勢いよくオイル
ケース内の空間へ飛散させる。そのため油滴がオイルケ
ース内に充満し、気体と完全に分離されないままオイル
ケース外へ放出されるという不具合がある。しかも、気
体がポンプ室から勢いよく排出される際には比較的大き
な排出音を排気弁を通して排気口からオイルケース内に
排出される気体においても、流量は中間排気口からのも
のより少ないながら同様の不具合が生じる。
このような不具合を防止するための方策としては、排気
弁やリリーフ弁に近接対向させて波板等を設けたり、あ
るいは排気弁やリリーフ弁の周囲を円筒体状のもので包
囲して排出時の気体を減勢し得るように工夫した例もあ
る。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、ポンプ室内で圧縮されて流速を増した気
体は勢いよくポンプ室外へ排出されるため、前記波板等
では排出時の気体や該気体中の油滴を十分に沈静させる
には至っていない。すなわち、前記波板等の側方はオイ
ルケース内で開放された状態にあるため、該開放部分か
ら排出音を供なった気体が十分に減勢されないまま油滴
とともにオイルケース内へ拡散し、このような状態でポ
ンプ外へ放出されてしまう。
本発明は、このような問題を効果的に解消することを目
的としている。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、かかる目的を達成するために、油を貯留した
オイルケース内に排気機能を営むポンプ本体を配設し、
該ポンプ本体内に直列に接続された複数のポンプ室を設
け、前段側ポンプ室と後段側ポンプ室をつなぐ中間排気
通路にリリーフ弁を介して中間排気口を設けてなる複連
形油回転真空ポンプにおいて、前記中間排気口の開口端
面に5面を塞ぐ壁を設けて中間排気口を包囲する排気貯
留室を形成するとともに、この貯留室の一面に該貯留室
内で減勢された排気を前記オイルケース内に流出させる
狭路を設けたことを特徴とする。
[作用] このような構成によると、中間排気口から排出された気
体は、前記中間排気口を5つの壁面で包囲する排気貯留
室に導びかれる。そして、この排気貯留室内で各壁に幾
度となく衝突して減勢された気体は、混入している油滴
と分離された後、排気貯留室の一面に設けられた狭路か
らオイルケース内に流出することになる。また、排気貯
留室は略密閉状態にあるため、消音室としての作用をも
営むことになり、排気口から排出される気体の排出音を
抑制する。
[実施例] 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明に係る複連形油回転真空ポンプの構成を
示す縦断面図であり、第2図はそのII−II線に沿う横断
面図である。
図において1は本発明に係る複連形油回転真空ポンプを
示し、該ポンプ1のオイルケース2内に一定量の油3を
貯留して、その油面下にポンプ本体4を配設してある。
このポンプ本体4は大小2つの円筒体状のポンプフレー
ム5、6を具備しており、フロント側に第Iポンプフレ
ーム5を、リヤ側に該ポンプフレーム5より小さい第II
ポンプフレーム6を配設するとともに、両ポンプフレー
ム5、6間に中間壁7を配置して各々の開口部を同時に
閉鎖している。また、第Iポンプフレーム5のフロント
側開口部に前壁8を、第IIポンプフレーム6のリヤ側開
口部には後壁9を各々蓋着している。そして上記各々の
ポンプフレーム5、6内の偏心位置に排気機能を営むベ
ーン10、11付きの回転子12、13を収容し、該回転子12、
13の回転に伴なって容積が変化する第Iポンプ室14およ
び該ポンプ室14より小さい第IIポンプ室15を形成してい
る。
一方、前記回転子12、13に駆動力を伝達する入力軸16に
回転子12の一端12aを連結するとともに、この回転子12
の他端12bと前記回転子13の一端13aとをカップリング
(図示せず)を介して一体回転可能に連結している。ま
た前記回転子13の他端13bに後壁9で軸支された回転軸1
8を突設している。
そして、前記第Iポンプ室14の容積が増加する吸気側A
に吸気管19の内方端を接続するとともに、該吸気管19の
外方端をオイルケース2の上壁2a上に突出させてある。
また、ポンプ室14の容積が減少する排気側Bと前記第II
ポンプ室15の吸気側Cとを連通して中間排気通路20を設
けてある。また、第IIポンプ室15の排気側Dを排気弁21
を付設した排気通路22を介してオイルケース2内の空間
23に連通させ、更に、前記オイルケース2の上壁2aを外
部に開口して排気管24を設けてある。
一方、前記排気弁21の上方に近接する位置に該排気弁21
を覆う仕切板25を横方向に設けてある。この仕切板25
は、前記中間壁7の上端と後壁9の上端にネジ26で取付
けられ、その下面25aには前記排気弁21の弁体21aを弁座
21b方向に付勢するためのコイルスプリング21cを保持し
た芯体21dの基端が固着されている。
そして、第Iポンプフレーム5の上部に、前記中間排気
通路20の始端側開口部20aに一端を開口するとともに他
端側を該ポンプフレーム5外周の上端面5aにリリーフ弁
27、28を介して開口する中間排気口29、30を形成し、更
に、その排気口開口端面5aに該端面5aを底面とする排気
貯留室31を形成してある。すなわち、この排気貯留室31
は、排気開口端面5a上に5面を塞ぐ前壁32、上壁33、両
側壁34、35および後壁36を設けることにより構成された
ものである。その前壁32、上壁33および両側壁34、35
は、前記中間排気口29、30の開口端面5aに一体化されて
おり、また、その後壁36は、前記中間壁7の突出部7b
と、該突出部7b上で上方に屈曲した前記仕切板25の一端
25bと、オイルケース2の上壁2aとで形成されている。
そして、オイルケース2の上壁2aの下面2bと、仕切板25
の先端25cとの間に、オイルケース2の上壁2aに形成さ
れた鉛直面2cに近接対向するスリット状の狭路37が設け
られており、この狭路37を介して前記排気貯留室31内と
オイルケース2内とが連通している。
また、この排気貯留室31の上壁33に前記中間排気口29、
30に対向する開口部38、39を設け、これら開口部38、39
に上蓋40の下面40aに固着された前記リリーフ弁27、28
の芯体27a、28aを嵌挿するとともに、該上蓋40をネジ41
で固着して前記開口部38、39の隙間を閉じている。リリ
ーフ弁27、28は、上記芯体27a、28aの先端にコイルスプ
リング27b、28bを装着し、このコイルスプリンク27b、2
8bによって弁体27c、28cを弁座27d、28d方向に付勢し得
るように構成したものである。しかして、上記各々のコ
イルスプリング27b、28bは第Iポンプ室14から第IIポン
プ室15に排出される気体の圧力が一定値以上になると前
記中間排気口29、30を開くように設定されている。
このような構成のものであれば、外力により入力軸16が
回転すると、これに伴って回転子12、13が前記入力軸16
と一体に回転する。これにより吸気管19から第Iポンプ
室14の吸気側Aへ導入された気体は、第3図に示すよう
に排気側Bから中間排気通路20を通して第IIポンプ室15
の吸気側Cへ導かれる。そして、該ポンプ室15の排気側
Dから排気通路22および排気弁21を介してオイルケース
2内の空間23へ導出された後、排気管24を経てケース2
外へ放出されることになる。
また、ポンプの運転初期等において、気体の密度が高い
大気圧もしくは大気圧に近い圧力の場合、第Iポンプ室
14から第IIポンプ室15に導入困難な気体は、中間排気通
路20の始端開口部20aに連通する中間排気口29、30から
排気貯留室31に導かれることになる。その際に、該排気
口29、30を開閉するリリーフ弁27、28の弁座27d、28d付
近に溜った油や気体中に混入された油滴を排気貯留室31
内に飛散させるが、この排気貯留室31は、排気開口端面
5aにより閉塞される底面以外の5面も、前述した前壁3
2、上壁33および両側壁34、35によりそれぞれ覆われて
いる。そのため、上記中間排気口29、30から勢いよく噴
き出した油滴を含む気体は、該排気貯留室3内で膨張す
るとともにそれら各壁32、33、34、35、36に幾度となく
衝突することになり減勢される。その過程で、この気体
から油滴が分離され、油滴を多量に含まない気体が狭路
37を通ってオイルケース2内に流出することになる。ま
た、この気体は前記狭路37に近接する鉛直面2cに当って
更に減勢された後、排気管24からオイルケース2外へ導
出されることになる。したがって、このようなものであ
れば、オイルケース2内の油3が排気とともに外部に多
量に放出されるという不具合を効果的に抑制することが
できる。よって、油3の外部散逸による周囲環境の汚染
を有効に防止することができるとともに、油3の消費量
を適正な値に抑えることができる。また、この排気貯留
室31は、前述したように噴出する気体の勢いを減じる機
能を有しているため、消音室的な作用をも営むことにな
る。そのため、排気音を無理なく有効に低減させること
ができるという効果も得られる。
さらに、このような実施例によると、中間排気口29、30
を通して第Iポンプ室14から排出される気体を減勢する
排気貯留室31は、その後壁36を除き第Iポンプ室14と一
体に形成されるので部品点数の増加や耐久性の低下等の
不都合を招くこともない。また上記排気貯留室31の後壁
36を形成する仕切板25の一端25bの長さを変えることに
より、狭路37の最適な開口面積を容易に設定し得る。し
かも、上記狭路37は上壁2aの鉛直面2cに向けて開口させ
てあるため、排気貯留室31で減勢された気体を更に該鉛
直面2cで沈静させて気体中の油滴を分離させることがで
きる。
なお、本発明は、上記実施例に限定されないのは勿論で
ある。例えば、排気貯留室31の前壁32や側壁34、35等は
第Iポンプフレーム5と一体に形成せずに実施すること
も可能であり、あるいは、排気貯留室31の後壁36は中間
壁7の上方の突出部7bのみで形成することも可能であ
る。
また、第IIポンプフレーム6の排気弁21を包囲する排気
貯留室を付加することも可能であり、このようにすれば
油滴の飛散をより効果的に抑制することができるととも
に、気体排出時の騒音をさらに低減させることができ
る。
さらに、本発明は、ポンプ本体内に3以上のポンプ室を
設けたものにも同様に適用が可能である。
[発明の効果] 本発明は以上のような構成であるから、ポンプ外への油
滴の飛散および排出音を効果的に抑制することのできる
複連形油回転真空ポンプを提供することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す複連形油回転真空ポ
ンプの概略縦断面図、第2図は第1図におけるII−II線
断面図、第3図は同実施例の作動説明図である。 1……複連形油回転真空ポンプ 2……オイルケース、3……油 5……第Iポンプフレーム 6……第IIポンプフレーム 12、13……回転子、14……第Iポンプ室(前段側ポンプ
室) 15……第IIポンプ室(後段側ポンプ室)、16……入力軸 20……中間排気通路、25……仕切板 27、28……リリーフ弁 29、30……排気口(中間排気口) 31……排気貯留室 32、33、34、35、36……壁 37……狭路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油を貯留したオイルケース内に排気機能を
    営むポンプ本体を配設し、該ポンプ本体内に直列に接続
    された複数のポンプ室を設け、前段側ポンプ室と後段側
    ポンプ室をつなぐ中間排気通路にリリーフ弁を介して中
    間排気口を設けてなる複連形油回転真空ポンプにおい
    て、前記中間排気口の開口端面に5面を塞ぐ壁を設けて
    中間排気口を包囲する排気貯留室を形成するとともに、
    この排気貯留室の一面に該排気貯留室内で減勢された排
    気を前記オイルケース内に流出させる狭路を設けたこと
    を特徴とする複連形油回転真空ポンプ。
JP61031684A 1986-02-14 1986-02-14 複連形油回転真空ポンプ Expired - Fee Related JPH0776553B2 (ja)

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JP2017523339A (ja) * 2014-06-27 2017-08-17 アテリエ ビスク ソシエテ アノニムAtelier Busch SA 真空ポンプシステムの圧送方法および真空ポンプシステム

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