JPH0776518A - 腫瘍検査用貼付剤及びそれを用いる検査方法 - Google Patents

腫瘍検査用貼付剤及びそれを用いる検査方法

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JPH0776518A
JPH0776518A JP5246457A JP24645793A JPH0776518A JP H0776518 A JPH0776518 A JP H0776518A JP 5246457 A JP5246457 A JP 5246457A JP 24645793 A JP24645793 A JP 24645793A JP H0776518 A JPH0776518 A JP H0776518A
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晃 岡山
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信親 平島
Shuhei Imayama
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Abstract

(57)【要約】 【構成】支持体層と、前記支持体層上に設けられた生体
組織、細胞またはその他の物質を剥離及び固定するため
の粘着層とを有する腫瘍検査用貼付剤。さらに、前記粘
着層によって剥離及び固定された生体組織等から分泌さ
れる物質またはその他の物質を吸着固定するための担体
を有する前記腫瘍検査用貼付剤。前記腫瘍検査用貼付剤
により剥離固定または吸着固定された生体組織等を免疫
学的方法または化学的方法により測定することを含む腫
瘍の検査方法。 【効果】本発明の検査用貼付剤を用いれば、皮膚表面の
外科的な切除または穿刺吸引を必要とせず、患者に痛み
を与えずに極めて容易に試料を採取することができる。
また、判断が困難な極初期の腫瘍についても腫瘍関連抗
原、腫瘍関連マーカーまたはその他の腫瘍関連物質の有
無を確認することができ、腫瘍の早期診断が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検査用貼付剤及びそれ
を用いる検査方法に関する。より詳しく言うと、本発明
は、腫瘍の検査に使用され得る検査用貼付剤及びそれを
用いる検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、病気の診断には種々の方法が
使用されている。例えば、血液生化学検査法では、浸襲
的に採血して、血液成分、各種診断マーカー、細胞等を
分析することにより診断し、病理検査法では、浸襲的に
癌組織等の生体組織検査を行ったり、細胞レベルの異常
の有無を検討し、また、採尿、採便、蓄唾等により採取
した尿、便、唾液等を分析することによる検査が行われ
ている。これらの方法は、医師、看護婦、臨床検査技師
が注射器で血液等を採取したり、鋭利なメスにて生体組
織を切り取ったり、また特殊容器等に患者の協力を得て
尿等を採取しているのが現状である。
【0003】尚、腫瘍、特に悪性黒色腫は、予後が極め
て悪く、浸潤破壊能及び転移能とも極めて高い疾病であ
り、一旦転移または再発すると、その治療は困難を極め
るため、新しい治療手段の開発が待たれている。この悪
性黒色腫の確定診断は、外科的に切除した組織中のメラ
ノーマ細胞等の腫瘍マーカーの存在の有無を検査するこ
とにより行われている。その検査方法としては、手術直
後に病巣割面より作成したスタンプ・スメアを用いるス
タンプ蛍光法及び病巣組織を用いた免疫染色法が用いら
れている。組織染色には、各種のメラノーママーカー抗
体(抗メラノーマ抗体)が使用されている。
【0004】しかしながら、このように組織を外科的に
切除することは、患者に痛みや恐怖心を与えるばかり
か、腫瘍の転移の危険性を増すこととなるので望ましく
ない。また、試料の採取は、特定の場所において、熟練
した医師により行われなければならないため、集団検診
等でのスクリ−ニング法には適していない。尚、血清中
及び尿中の5−S−システイニルドーパ等のドーパや腫
瘍マーカー等を測定する方法も検討されてはいるが、こ
れらのいずれの方法も症状が悪化した段階における疾病
の進行度や転移の有無等の病状の指標とはなるものの、
早期診断法としては適当でない。このような状況下にお
いて、従来の腫瘍の検査において必要とされていた高度
の熟練と経験をさほど必要とせず、しかも安全に、早期
に腫瘍を診断することができる方法の開発が待たれてい
る。
【0005】一方、従来より、貼付剤として、サリチル
酸系の消炎鎮痛剤やニトログリセリン等の狭心症治療剤
等の医薬品を含有する医療用貼付剤、刺激性試験のため
のパッチテスト及びアレルギー性皮膚炎等の感作物質を
特定するためのアレルゲン検出用貼付剤が知られてい
る。特開昭63−106558号公報には、粘着性物質
に皮膚角質層を付着せしめた後、固着剤を塗布した透明
板に張り付け、次いで有機溶媒に浸漬して前記粘着物質
を溶解して除去することにより、前記角質層を前記透明
板に固定することからなる角質層標本の作成方法が開示
されている。また、同じ出願人による特開昭63−11
3358号には、前記角質層標本を使用して角質層の状
態を検査する方法が開示されており、そこで実施されて
いる検査は主に角質層の物性を測定する検査である。さ
らに、同じ出願人による特開平4−121664号に
は、角質層を粘着性フィルムにより剥離、転写し、次い
で有機溶媒により洗浄して、角質層中に含まれる脂質を
抽出し、その脂質を分析する方法が開示されている。
【0006】しかしながら、前記特開昭63−1065
58号及び同63−113358号による方法では、剥
離された角質細胞を固定するために、有機溶媒等で粘着
層を溶解する必要があるため、有機溶媒に対し不安定な
物質については検査することができず、また、角質層の
脂質等のように有機溶媒により抽出されるものは角質層
標本中に存在しないことになり、角質層を皮膚に存在し
ていた状態と同じ状態で検査することは不可能である。
また、前記特開平4−121664号の方法では、有機
溶媒により抽出されないものは分析することが不可能で
ある。尚、粘着性テープ等で剥離固定した組織、細胞若
しくはその他の物質または担体に吸着固定された組織若
しくは細胞から分泌される物質等を、例えば免疫学的方
法等で測定して病気を診断する例は今まで存在していな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の欠点を解消した、即ち、腫瘍、特に悪性黒
色腫の初期段階において、組織等の外科的切除を必要と
せず、しかも患者に痛み、恐怖心、不快感等を与えるこ
となく生体組織、細胞等を採取して、迅速に腫瘍を診断
することができる方法及びその方法の実施のために必要
な貼付剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、腫瘍の診断に貼付剤を用いる方法
について鋭意研究した結果、(1)支持体層と、その上
に設けられた生体組織、細胞またはその他の物質を剥離
及び固定するための粘着層とを有する検査用貼付剤、ま
たは、(2)さらに、剥離及び固定された前記生体組織
若しくは前記細胞から分泌される物質または前記その他
の部質を吸着及び固定するための担体を有する検査用貼
付剤を用いて、その貼付剤に剥離固定または吸着固定さ
れた腫瘍関連抗原、腫瘍マーカーまたは腫瘍関連物質を
免疫学的方法または化学的方法等により測定することに
より、従来技術の欠点を解消することができることを見
出し、本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、支持体層と、その上に設
けられた生体組織、細胞またはその他の物質を剥離及び
固定するための粘着層とを有する腫瘍検査用貼付剤から
なる。本発明はさらに、前記粘着層により剥離及び固定
された生体組織若しくは細胞から分泌される物質または
その他の物質を吸着固定するための担体を有する前記腫
瘍検査用貼付剤からなる。本発明はさらに、前記の腫瘍
検査用貼付剤により剥離固定または吸着固定された生体
組織、細胞またはその他の物質を免疫学的方法または化
学的方法により測定することを含む検査方法からなる。
【0010】本発明の検査用貼付剤において使用される
支持体層は、特に限定されないが、紙、スフ、綿布等の
織物や不織布、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコ
ール、塩化ビニリデンポリアミド及びエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等のプラスチック性フイルムまたはアルミ
ニウム等の金属箔等が好適に使用される。支持体層の厚
さは、特に限定されないが、約1μm〜5000μm、特
に約10μm〜600μmであることが好ましい。
【0011】また、本発明の検査用貼付剤の粘着層を構
成する粘着剤の主成分としては、例えば、天然ゴムまた
はその誘導体、SBR系ゴム、NBR系ゴム、ブチルゴ
ム、ポリイソブチレン、ポリアルキルアクリレート、ポ
リアルキルビニルエーテル、シリコーンゴム、SIS系
ゴム、合成イソプレン等の弾性体の1種またはそれ以上
の混合物を使用することができるが、これらに限定され
ない。また粘着剤の成分として、粘着付与剤を使用する
こともでき、この粘着付与剤としては、例えば、ロジ
ン、水素添加ロジン及びそれらのエステル、ポリテルペ
ン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等が好適に使
用される。さらに、粘着剤の成分として、ポリブテン、
液状ポリイソブチレン、流動パラフィン及び動植物油等
の軟化剤の他、酸化亜鉛及び結晶硫酸カルシウム等の充
填剤並びに酸化防止剤等を使用することもできる。上記
の弾性体、粘着付与剤等の成分の配合比率を変化させる
ことによって、本発明の貼付剤の粘着剤の粘着力を変化
させることができる。
【0012】本発明の貼付剤において使用される粘着剤
は、前記支持体層上に塗布されて粘着層を形成すること
ができる。この場合、塗布の方法は、公知のいずれの方
法によってもよい。粘着層の厚さは、特に限定されない
が、約0.1μm〜5000μm、特に約10μm〜400
μmであることが好ましい。尚、前記粘着層は、水、ア
ルコール、ホルムアルデヒド等の有機溶媒に対しても安
定で、溶解しないものであることが望ましい。
【0013】さらに、本発明の貼布剤においては、担体
を使用することもできる。担体は、例えば、粘着層内に
分散させて用いることができ、粘着層により剥離固定さ
れた組織若しくは細胞から分泌される物質またはその他
の物質を吸着固定することができるものであることが好
ましい。これらの担体が粘着層内に分散される量は、粘
着層全体の容量に対して、10%以下、特に3〜5%で
あることが好ましい。本発明の貼布剤において使用され
ることができる担体は、粘着層と同様に、水、アルコー
ル、ホルムアルデヒド等の有機溶媒に対して安定で、溶
解しないものであることが望ましい。担体は、これらに
限定されないが、例えば、セルロース、ニトロセルロー
ス等のセルロース誘導体、紙、布、ガラス繊維、多孔質
ゲル、多孔質繊維マトリックス、澱粉ベース物質、セラ
ミック、ポリエチレンフリット等が好適に使用される。
また、担体は、フィルム状の形態として、本発明の粘着
剤中に存在することもできる。
【0014】尚、前記支持体、前記粘着層及び前記担体
の1またはそれ以上、特に、それら全ては、固定された
生体組織、細胞等の観察を容易にするために、透明また
は半透明であることが好ましい。本発明の検査用貼付剤
の形態は、いずれの形態であってもよく、例えば、長方
形、丸形、楕円形、正方形、ハート形、ヒシ形等を挙げ
ることができるが、これらに限定されない。また、大き
さ、色も実用性を伴うものであれば特に限定されない。
【0015】複数の本発明の腫瘍検査用貼付剤を用い
て、生体組織、細胞等を数回にわたって剥離して、生体
組織、細胞等を何層にもわたって採取することもでき
る。その場合、各貼付剤表面に番号または記号等を印
刷、刻印、着色等の手段により付与しておくと、剥離の
回数が識別でき、好都合である。また、本発明の貼布剤
を複数枚積層して用いることもできる。その場合に、貼
付剤と貼付剤の間に適当な隔離シートを設けて、1回の
剥離が終了したら、隔離シートを除去して、次の貼付剤
により剥離を行うという操作を繰り返すこともできる。
さらに、1または複数の本発明の腫瘍検査用貼付剤を手
で握ることができる程度の大きさの多面体に接着、固定
させて用いることもできる。その場合にも、剥離回数を
識別するために、貼付剤表面に番号または記号等を印刷
または刻印、着色等の手段により付与しておくことがで
きる。
【0016】次に、本発明による検査方法について説明
する。本発明の検査用貼付剤により、剥離固定または吸
着固定される生体組織、細胞の他、皮膚表面に存在する
その他の物質は、腫瘍関連抗原、腫瘍マーカーまたはそ
の他の腫瘍関連物質であり、これらを免疫学的方法また
は化学的方法により測定することにより、腫瘍の診断が
可能となる。本発明の貼布剤及び検査方法により検出す
ることができる腫瘍の例としては、皮膚癌、口腔癌及び
直腸癌等を挙げることができる。皮膚癌の例としては、
悪性黒色腫、基底細胞癌、偏平上皮癌等を挙げることが
でき、口腔癌の例としては、舌癌、頬粘膜癌、喉頭癌等
を挙げることができる。
【0017】また、上記の腫瘍関連抗原、腫瘍マーカー
またはその他の腫瘍関連物質は、メラノーマ細胞、メラ
ノーママーカー(NKI/C3)、メラノーママーカー
(PAL/M1)、メラノーママーカー(S−100α
及びβ)、癌胎児性抗原(CEA)、神経芽腫(CE
7)、神経芽腫(AD2)、マリグニン、α−胎児性蛋
白(AFP)、ペプシノーゲン、塩基性胎児蛋白(BF
P)、膵癌胎児性抗原(POA)、胎児性プレアルブミ
ン(EPA)、炭水化物抗原(CA19−9)、膵癌関
連抗原(CA50)、癌抗原(CSLEX−1)、膵癌
関連抗原(シアリルSSEA−1)、膵癌関連抗原(D
u−pan−2)、癌抗原(NCC−ST−439)、
炭水化物抗原(シアリルTn)、癌抗原(CA72−
4)、癌抗原(KM−01)、膵癌関連抗原(Span
−1)、炭水化物抗原(CA125)、癌抗原(CA1
5−3)、偏平細胞癌(SCC)、セミノ蛋白(γ−S
n)、前立腺特異抗原(PA)、フェリチン、組織ポリ
ペプチド抗原(TPA)、免疫酸性蛋白(IAP)、免
疫抑制酸性蛋白、前立腺酸性蛋白(PAP)、ニューロ
ン特異的エノラーゼ(NSE)、酵素、アミノ酸(特
に、Ala、Glu)、ムコ多糖類を含む粘液、ドーパ、ドー
パミン及びホルモン類等から選択されることができる。
【0018】メラノーママーカーの検出には、特異性や
感度を考慮して、各種のメラノーマ抗体を用いることが
できる。メラノーマ抗体としては、悪性黒色腫特異性の
高い抗体であればいずれのものであってもよい。病変部
に貼付することによって、組織、細胞等を剥離固定また
は吸着固定した本発明の検査用貼付剤は、前記抗体を用
いたEIA法、各種標識粒子(ラテックス、金コロイド
等)を用いた免疫測定法及び蛍光または発光免疫測定法
を用いることにより、組織、細胞中の腫瘍マーカーの有
無を細胞染色の形で検出することができる。また、5−
S−システイニルドーパの場合、本発明の検査用貼付剤
をホルムアルデヒドガスで処理した後、蛍光顕微鏡を用
いる蛍光の有無により検出することができる。その場
合、判定は、染色された細胞の色の濃さ及びその数によ
り定性的に行うことができる。また、上記の方法以外の
いずれの公知の検出方法を用いても、本発明の貼布剤に
より剥離固定または吸着固定された組織、細胞等を測定
することができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 実施例1 幅21cm×長さ29.7cm厚さ100μmの塩化ビニルフ
ィルムを支持体層とし、その上に、合成スチレンイソプ
レン共重合ゴム、ロジン及び流動パラフィンを100:
170:50の比率で常法により配合して得られた粘着
剤を約90μmの厚さで塗布して粘着層とし、本発明の
検査用貼付剤を作成した。
【0020】実施例2 実施例1と同じ粘着剤中に、その全体の容量に基づいて
5%の割合でニトロセルロースを配合して、それを実施
例1と同じ支持体層上に約90μmの厚さで塗布し、本
発明の検査用貼付剤を作成した。
【0021】実施例3 粘着層の厚さ並びに合成スチレンイソプレン共重合ゴム
(A)、ロジン(B)及び流動パラフィン(C)の比率
を、下記表1に示すように変化させることによって粘着
力を変えること以外は、実施例1と同じ方法により本発
明の検査用貼付剤を作成した。
【0022】
【表1】 粘着層 比率 の厚さ −−−−−−−−−−−−−−− (μm) (A) (B) (C) 粘着力の比率* −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較対照 90 100 170 50 1 貼付剤1 100 100 200 50 4.3 貼付剤2 150 100 200 50 5.5 貼付剤3 200 100 200 50 6.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *比較対照(有効成分としてサリチル酸系消炎剤を含有)の粘着力、400g/ 18mm(180度剥離試験)を1とした場合の各貼付剤の粘着力の相対比
【0023】実施例4 実施例3において作成された検査用貼付剤(それぞれ
1.5×2.5cm長方形としたもの)を用いて、健常人の
足底部(3名)と前腕内側部(4名)に貼布し、角質層
を剥離した。この操作を、前記貼付剤をそれぞれ3枚ず
つ使用して3回繰り返した。各貼布剤に剥離された角質
層の重量を測定した。結果を下記表2に示す。
【0024】
【表2】 角質層剥離重量(mg/1.5×2.5cm) −−−−−−−−−−−−−−−− 足底部(N=3) 前腕内側部(N=4) −−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−− 1回目 2回目 3回目 1回目 2回目 3回目 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較対照 160(N=1)170(N=1)180(N=1) 80(N=1)80(N=1) 0(N=1) 貼付剤1 610± 30 440± 38 290±15 228±15 208±14 185±21 貼付剤2 663±113 453± 32 347±43 240±30 155±25 198±16 貼付剤3 530±174 360±105 273±46 218±17 190±19 185± 7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0025】表2に示される結果から明らかであるよう
に、貼付剤1以降において粘着力が増加しても、剥離さ
れる角質層の重量の差はわずかであった。剥離時の皮膚
の痛み等を考慮すると、粘着力は貼付剤1で十分である
と考えられる。
【0026】実施例5 実施例3において作成された検査用貼付剤1を、健常な
24〜39歳の成人男性5名の掌及び前腕部に貼付し、
角質層組織を剥離した。この操作を各人に対して、それ
ぞれ5枚の上記貼付剤1を用いて5回行い、5層の組織
を採取した。尚、剥離用貼付層の形状は、直径1.5×
3.0cmの楕円形とした。剥離した試料におけるメラノ
ーマ細胞及びメラノーママーカーの存在を、ペルオキシ
ダーゼ標識免疫染色法により検査した。また、剥離時の
痛みについて質問した。結果を表3に示す。
【0027】
【表3】 健常人において剥離された細胞の有無及び剥離時の痛み 細胞の染色性 被験者 −−−−−− 5層目剥離 イニシャル 1層目 2層目 3層目 4層目 5層目 時の痛み −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− A.O. − − − − − わずか Y.S. − − − − − 少し H.O. − − − − − わずか K.Y. − − − − − わずか S.O. − − − − − 少し −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0028】表3に示される結果から明らかであるよう
に、5人の被験者の剥離組織からはメラノーマ細胞また
はメラノーママーカーは検出できなかった。また、本貼
付剤による5回目の剥離時の痛みは弱いものであった。
尚、貼付剤の粘着力を種々に変化させて、同様の剥離試
験を行ったところ、痛みの軽減を図ることが可能であっ
た。
【0029】実施例6 実施例3に記載の貼布剤1の粘着剤を、透明の100μ
m厚のポリプロピレンフィルム上に塗布して、概ね透明
の検査用貼布剤を作成した。
【0030】実施例7 実施例6において作成された検査用貼付剤に、ヒト正常
角化細胞及び癌化細胞HMV−1を固定した。この貼付
剤をBSAによりブロッキング処理した後、抗ヒトメラ
ノーママーカー抗体(PAL−M1及びS−100α・
β、マウスIgG1、1μg/ml)を1時間反応させ
た。その後、ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体
(ウサギ、1000倍)を1時間反応させた。発色は、
1.25mg/mlのアミノエチルカルバゾールのエタノー
ル溶液及び0.0086%の過酸化水素溶液を1:9の
割合で添加することにより行った。60分後に1%の硫
酸溶液を添加して、反応を停止し、顕微鏡により細胞レ
ベルでの染色性を観察した。その結果、ヒトメラノーマ
由来細胞株(MHV−1)では赤褐色に濃く染まった
が、正常人角化細胞(NHEK)では染まらなかった。
【0031】実施例8 実施例6において作成された検査用貼付剤を、悪性黒色
腫患者及び良性腫瘍患者の患部皮膚にそれぞれ貼付し、
病変部組織試料を採取した。比較対照として、健常人の
足の裏及び手に貼付剤を貼付し、角質層試料を採取し
た。これらの試料を、相対湿度60%の容器中におい
て、飽和ホルムアルデヒドガスと反応させた。反応は、
試料を入れた容器を80℃の恒温層に10分間静置する
ことにより行った。反応後、蛍光顕微鏡により検査用貼
付剤に固定された組織の蛍光を観察した。その結果、メ
ラノーマ患者患部組織では、良性腫瘍及び健常人に比較
して、強い蛍光が認められ、本発明の検査用貼付剤が、
悪性黒色腫診断に有用であることが確認された。
【0032】
【発明の効果】本発明により提供される検査用貼付剤
は、腫瘍の診断に有用である。本発明の検査用貼付剤を
使用すると、皮膚表面の外科的な切除または穿刺吸引を
必要とせず、患者に痛みを与えずに極めて容易に試料を
採取することができる。そのため、皮膚癌、口腔癌及び
直腸癌等の腫瘍の集団検診も可能となる。さらに、外科
的処置等に起因すると考えられる再発例を減少させるこ
とができる。また、本発明の検査用貼付剤を用いること
により、判断が困難な極初期の腫瘍についても腫瘍関連
抗原、腫瘍関連マーカーまたはその他の腫瘍関連物質の
有無を確認することができ、腫瘍の早期診断が可能とな
る。さらに、本発明の検査用貼付剤によれば、皮膚表面
の組織等を貼付剤に直接剥離固定、またはそのような組
織等から分泌される物質またはその他の物質を担体に吸
着固定して、それを直接試料として使用することができ
るので、従来技術に比べて、迅速かつ容易に腫瘍の診断
を行うことができ、経済的にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平島 信親 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 今山 修平 福岡県福岡市西区小戸5丁目7番1−51

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体層と、前記支持体層上に設けられ
    た生体組織、細胞またはその他の物質を剥離及び固定す
    るための粘着層とを有することを特徴とする腫瘍検査用
    貼付剤。
  2. 【請求項2】 さらに、前記粘着層によって剥離及び固
    定された前記生体組織若しくは前記細胞から分泌される
    物質または前記その他の物質を吸着固定するための担体
    を有することを特徴とする請求項1に記載の腫瘍検査用
    貼付剤。
  3. 【請求項3】 前記支持体層、前記粘着層及び前記担体
    の1またはそれ以上が、透明または半透明であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の腫瘍検査用貼付
    剤。
  4. 【請求項4】 前記生体組織、前記細胞または前記その
    他の物質が、腫瘍関連抗原、腫瘍マーカーまたはその他
    の腫瘍関連物質であることを特徴とする請求項1に記載
    の腫瘍検査用貼付剤。
  5. 【請求項5】 前記生体組織若しくは前記細胞から分泌
    される前記物質または前記その他の物質が、腫瘍関連抗
    原、腫瘍マーカーまたはその他の腫瘍関連物質であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の腫瘍検査用貼付剤。
  6. 【請求項6】 前記腫瘍関連抗原、前記腫瘍マーカーま
    たは前記その他の腫瘍関連物質が、メラノーマ細胞、メ
    ラノーママーカー(NKI/C3)、メラノーママーカ
    ー(PAL/M1)、メラノーママーカー(S−100
    α及びβ)、癌胎児性抗原(CEA)、神経芽腫(CE
    7)、神経芽腫(AD2)、マリグニン、α−胎児性蛋
    白(AFP)、ペプシノーゲン、塩基性胎児蛋白(BF
    P)、膵癌胎児性抗原(POA)、胎児性プレアルブミ
    ン(EPA)、炭水化物抗原(CA19−9)、膵癌関
    連抗原(CA50)、癌抗原(CSLEX−1)、膵癌
    関連抗原(シアリルSSEA−1)、膵癌関連抗原(D
    u−pan−2)、癌抗原(NCC−ST−439)、
    炭水化物抗原(シアリルTn)、癌抗原(CA72−
    4)、癌抗原(KM−01)、膵癌関連抗原(Span
    −1)、炭水化物抗原(CA125)、癌抗原(CA1
    5−3)、偏平細胞癌(SCC)、セミノ蛋白(γ−S
    n)、前立腺特異抗原(PA)、フェリチン、組織ポリ
    ペプチド抗原(TPA)、免疫酸性蛋白(IAP)、免
    疫抑制酸性蛋白、前立腺酸性蛋白(PAP)、ニューロ
    ン特異的エノラーゼ(NSE)、酵素、アミノ酸、ムコ
    多糖類を含む粘液、ドーパ、ドーパミン及びホルモン類
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項4ま
    たは5に記載の腫瘍検査用貼付剤。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の腫瘍検査用貼付剤によ
    り剥離固定された生体組織、細胞またはその他の物質を
    免疫学的方法または化学的方法により測定することを含
    むことを特徴とする腫瘍の検査方法。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の検査用貼付剤の担体に
    より吸着固定された生体組織若しくは細胞から分泌され
    る物質またはその他の物質を免疫学的方法または化学的
    方法により測定することを含むことを特徴とする腫瘍の
    検査方法。
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