JPH0776251B2 - オレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造方法

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JPH0776251B2
JPH0776251B2 JP14890488A JP14890488A JPH0776251B2 JP H0776251 B2 JPH0776251 B2 JP H0776251B2 JP 14890488 A JP14890488 A JP 14890488A JP 14890488 A JP14890488 A JP 14890488A JP H0776251 B2 JPH0776251 B2 JP H0776251B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、オレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造
方法に関する。更に詳しくは、透明性に優れた高結晶性
のポリオレフィン製造用遷移金属化合物触媒成分として
好適なオレフィン重合用三塩化チタン組成物およびその
製造方法に関する。
〔従来の技術とその問題点] 結晶性ポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィンは、周
期律表のIV〜VI族の遷移金属化合物とI〜III族の金属
の有機金属化合物とからなる、いわゆるチーグラー・ナ
ッタ触媒によってオレフィンを重合することによって得
られることはよく知られており、なかでも、遷移金属化
合物触媒成分として、種々の三塩化チタン組成物が広く
使用されている。
それらの三塩化チタン組成物のうち、四塩化チタンを有
機アルミニウム化合物で還元後熱処理して得られるタイ
プのものは、得られるポリマーの形状が良好なことから
多くの改良された製法が検討されている。例えば、四塩
化チタンを有機アルミニウム化合物で還元して得られた
三塩化チタンを、電子供与体および四塩化チタンで処理
することにより触媒活性を上げ、かつ無定形重合体の生
成を少なくする方法(特公昭53−3,356号公報)等であ
る。
本出願人もこの分野において既に数多くの提案を行なっ
ており、なかでも、有機アルミニウム化合物と電子供与
体との反応生成物に四塩化チタンを反応させて得られる
固体に電子供与体と電気受容体とを反応させて得られた
三塩化チタン組成物を用いてポリオレフィンを製造する
方法(特公昭59−28,573号公報)や有機アルミニウム化
合物と電子供与体との反応生成物に四塩化チタンを反応
させて得られた固体を、α−オレフィンで重合処理した
後に、電子供与体と電子受容体とを反応させて得られた
三塩化チタン組成物を用いてポリオレフィンを製造する
方法(特開昭58−17,104号公報)において、従来の方法
に比べ、三塩化チタン組成物の保存安定性や、重合活性
および得られたポリオレフィンの結晶性等において大幅
な改善をした提案を行なっている。
しかしながらこれらの改良された方法は前述のような長
所があるものの、得られたポリオレフィンは半透明のも
のであり、用途分野においては商品価値を損なう場合が
あり、透明性の向上が望まれていた。
一方、ポリオレフィンの透明性を改良する試みもなされ
ており、たとえば、芳香族カルボン酸のアルミニウム塩
(特公昭40−1,652号公報)や、ベンジリデンソルビト
ール誘導体(特開昭51−22,740号公報等)等の造核剤を
ポリプロピンに添加する方法があるが、芳香族カルボン
酸のアルミニウム塩を使用した場合には、分散性が不良
なうえに、透明性の改良効果が不十分であり、また、ベ
ンジリデンソルビトール誘導体を使用した場合には、透
明性においては一定の改良が見られるものの、加工時に
臭気が強いことや、添加物のブリード現象(浮き出し)
が生じる等の問題点を有していた。
上述の造核剤添加時の問題点を改良するものとして、ビ
ニルシクロヘキサンの重合とプロピレンの重合を多段に
行なう方法(特開昭60−139,710号公報)が提案されて
いるが、本発明者等が該提案の方法に従って、ポリプロ
ピレンの製造を行なったところ、いずれの方法において
も重合活性が低下するのみならず、塊状のポリマーが生
成するので、工業的な長期間の連続重合法、特にオレフ
ィンの重合を気相で行なう気相重合法においては採用で
きない方法であった。更に、得られたポリプロピレンを
用いて製造したフィルムにはボイドが多数発生してお
り、商品価値を損なうものであった。
該ビニルシクロアルカンとプロピレンの多段共重合技術
の改良方法として、有機アルミニウム化合物を多段に使
い分ける方法(特開昭62−275,111号公報)やプロピレ
ンの少量重合を回分式にプロピレンの本重合前に行なう
方法(特開昭63−37,105号公報)が重合活性低下の抑制
および沸騰n−ヘプタン抽出残率の低下の抑制を目的と
して提案されているが、いずれの改良方法によっても塊
状ポリマーの生成およびフィルムのボイド発生は抑制で
きなかった。
更にまた同様な技術として、プロピレン重合用遷移金属
触媒成分の製造途中でビニルシクロアルカン重合体を添
加して得られた該触媒成分を用いてプロピレンを重合す
る方法(特開昭63−69,809号公報)が提案されている
が、該提案の方法は別途ビニルシクロアルカン重合体を
製造する工程が必要である為、工業上の不利を伴なうば
かりでなく、既述の先行技術と同様なフィルムのボイド
発生という問題点を有していた。
本発明者等は、透明性の改良されたポリオレフィンを製
造する際に、ビニルシクロアルカン重合体を利用した従
来技術の抱えている塊状ポリマーの生成や分散不良に起
因するフィルムのボイド発生といった問題点を解決する
方法について鋭意研究した。
その結果、特定の方法によってビニルシクロアルカン重
合体を含有せしめた三塩化チタン組成物の製造方法を見
出し、この三塩化チタン組成物を有機アルミニウム化合
物と組合わせた触媒を用いるときは、前述したような従
来技術のポリオレフィン製造上の問題点を解決し、かつ
分散性が良好でボイドの発生が極めて少ない、透明性お
よび結晶性に優れたポリオレフィンガが得られるばかり
でなく、該三塩化チタン組成物の35℃以上での高温にお
ける保存安定性や、該三塩化チタン組成物の大規模製造
時における製造装置内での耐摩砕性においても著しい効
果があることを知って本発明に至った。
本発明は、著しく高い生産性でもってボイドの発生が極
めて少ない、透明性および結晶性の著しく高いポリオレ
フィンを製造しうるオレフィン重合用三塩化チタン組成
物の製造方法を提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決する手段と発明の作用〕
本発明ほ以下の構成を有する。
(1)有機アルミニウム化合物、若しくは有機アルミニ
ウム化合物とエーテル類(B1)との反応生成物(I)に
四塩化チタンを反応させて得られた固体生成物(II)
を、ビニルシクロアルカンで重合処理し、更にエーテル
類(B2)と周期律表III〜VI族の元素のハロゲン化物と
を反応させて得られることを特徴とする、ビニルシクロ
アルカン重合体を0.01重量%〜99重量%含有せしめた、
オレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造方法。
(2)有機アルミニウム化合物として、一般式がA1R1 mR
2 m′3−(m+m′)(式中、R1、R2はアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基また
はアルコキシ基を、Xはハロゲンを表わし、またm、
m′はm+m′≦3の任意の数を表わす。)で表わされ
る有機アルミニウム化合物を用いる前記第1項に記載の
製造方法。
本発明のオレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造方
法は、特定の方法によってビニルシクロヘキサン重合体
を含有せしめた三塩化チタン組成物の製造方法である
が、以下に詳述する。
三塩化チタン組成物の製造はつぎのように行う。まず、
有機アルミニウム化合物とエーテル類(B1)とを反応さ
せて反応生成物(I)を得て、該反応生成物(I)若し
くは有機アルミニウム化合物と四塩化チタンとを反応さ
せて得られる固体生成物(II)を、ビニルシクロアルカ
ンで重合処理した後に、更にエーテル類(B2)と周期律
表III〜VI族の元素のハロゲン化物とを反応させて三塩
化チタン組成物を得る。
なお、本発明で「重合処理する」とは、ビニルシクロア
ルカンを重合可能な条件下に固体生成物(II)に接触せ
しめてビニルシクロアルカンを重合せしめることをい
う。この重合処理で固体生成物(II)は重合体で被覆さ
れた状態となる。
上述の有機アルミニウム化合物とエーテル類(B1)との
反応は、溶媒(D)中で−20℃〜200℃、好ましくは−1
0℃〜100℃で30秒〜5時間行なう。有機アルミニウム化
合物、(B1)、(D)の添加順序に制限はなく、使用す
る量比は有機アルミニウム化合物1モルに対しエーテル
類(B1)0.1モル〜8モル、好ましくは1〜4モル、溶
媒0.5L〜5L、好ましくは0.5L〜2Lである。
かくして反応生成物(I)が得られる。反応生成物
(I)は分離をしないで反応終了したままの液状態(反
応生成液(I)と言うことがある。)で次の反応に供す
ることができる。
この反応生成物(I)と四塩化チタンとを、若しくは有
機アルミニウム化合物と四塩化チタンとを反応させて得
られる固体生成物(II)をビニルシクロアルカンが重合
処理する方法としては、反応生成物(I)、若しくは
有機アルミニウム化合物と四塩化チタンとの反応の任意
の過程でビニルシクロアルカンを添加して固体生成物
(II)を重合処理する方法、反応生成物(I)、若し
くは有機アルミニウム化合物と四塩化チタンとの反応終
了後、ビニルシクロカルカンを添加して固体生成物(I
I)を重合処理する方法、および反応生成物(I)、
若しくは有機アルミニウム化合物と四塩化チタンとの反
応終了後、濾別またはデカンテーションにより液状部分
を分離除去した後、得られた固体性生物(II)を溶媒に
懸濁させ、更に有機アルミニウム化合物、ビニルシクロ
アルカンを添加し、重合処理する方法がある。
反応生成物(I)、若しくは有機アルミニウム化合物と
四塩化チタンとの反応は、反応の任意の過程でのビニル
シクロアルカンの添加の有無にかかわらず、−10℃〜20
0℃、好ましくは、0℃〜100℃で5分〜10時間行なう。
溶媒は用いない方が好ましいが、脂肪族または芳香族炭
化水素を用いることができる。(I)若しくは有機アル
ミニウム化合物、四塩化チタン、および溶媒の混合は任
意の順に行えば良く、ビニルシクロアルカンの添加も、
どの段階で行っても良い。(I)若しくは有機アルミニ
ウム化合物、四塩化チタンおよび溶媒の全量の混合は5
時間以内に終了するのが好ましく、混合中も反応が行な
われる。
全量混合後、更に5時間以内反応を継続することが好ま
しい。反応に用いるそれぞれの使用量は四塩化チタン1
モルに対し、溶媒は0〜3,000ml、反応生成物(I)若
しくは有機アルミニウム化合物中のA1原子数と四塩化チ
タン中のTi原子数の比(A1/Ti)で0.05〜10、好ましく
は0.06〜0.3である。
ビニルシクロアルカンによる重合処理は反応生成物
(I)若しくは有機アルミニウム化合物と四塩化チタン
との反応の任意の過程でビニルシクロアルカンを添加す
る場合および反応生成物(I)若しくは有機アルミニウ
ム化合物と四塩化チタンとの反応終了後、ビニルシクロ
アルカンを添加する場合は、反応温度0℃〜90℃で1分
〜10時間、反応圧力は大気圧〜10kgf/cm2Gの条件下で、
固体生成物(II)100g当り、0.01g〜50kgのビニルシク
ロアルカンを用いて、最終の三塩化チタン組成物中のビ
ニルシクロアルカン重合体の含量が0.01重量%〜99重量
%となる様に重合させる。
該ビニルシクロアルカン重合体の含量が0.01重量%未満
であると得られた三塩化チタン組成物を用いて製造した
ポリオレフィンの透明性および結晶性向上の効果が不十
分であり、また99重量%を超えると該向上効果が顕著で
なくなり経済的に不利となる。
ビニルシクロアルカンによる重合処理を、反応生成物
(I)若しくは有機アルミニウム化合物と四塩化チタン
との反応終了後、濾別またはデカンテーションにより液
状部分を分離除去した後、得られた固体生成物(II)を
溶媒に懸濁させてから行なう場合には固体生成物(II)
100gに対し、溶媒100ml〜5,000ml、有機アルミニウム化
合物0.5g〜5,000gを加え、反応温度0℃〜90℃で1分〜
10時間、反応圧力は大気圧〜10kgf/cm2Gの条件下で、固
体生成物(II)100g当り、0.01g〜50kgのビニルシクロ
アルカンを用いて、最終の三塩化チタン組成物中のポリ
ビニルシクロアルカンの含量が0.01重量%〜99重量%と
なる様に重合させる。溶媒は脂肪族炭化水素が好まし
く、有機アルミニウム化合物は反応生成物(I)を得る
際に用いたもの、若しくは電子供与体(B1)と反応させ
ることなく直接四塩化チタンとの反応に用いたものと同
じものであっても、異なったものでも良い。
反応終了後は、濾別またはデカンテーションにより液状
部分を分離除去した後、更に溶媒で洗浄を繰返した後、
得られた重合処理を施した固体生成物(以下固体生成物
(II−A)と言うことがある)を溶媒に懸濁状態のまま
次の工程に使用しても良く、更に乾燥して固形物として
取り出して使用しても良い。
固体性成物(II−A)は、ついで、これにエーテル類
(B2)と周期律表III〜VI族の元素のハロゲン化物
(F)とを反応させる。この反応は溶媒を用いないでも
行うことができるが、脂肪族炭化水素を用いる方が好ま
しい結果が得られる。使用する量は固体生成物(II−
A)100gに対して、(B2)0.1g〜1,000g、好ましくは0.
5g〜200g、(F)0.1g〜1,000g、好ましくは0.2g〜500
g、溶媒0〜3,000ml、好ましくは100〜1,000mlである。
反応方法としては、固体性成物(II−A)にエーテル
類(B2)および周期律表III〜VI族の元素のハロゲン化
物(F)を同時に反応させる方法、(II−A)に
(F)を反応させた後、(B2)を反応させる方法、
(II−A)に(B2)を反応させた後、(F)を反応させ
る方法、(B2)と(F)を反応させた後、(II−A)
を反応させる方法があるがいずれの方法でも良い。
反応条件は、上述の、の方法においては、40℃〜20
0℃、好ましくは50℃〜100℃で30秒〜5時間反応させる
ことが望ましく、の方法においては(II−A)と
(B2)の反応を0℃〜50℃で1分〜3時間反応させた
後、(F)とは前記、と同様な条件化で反応させ
る。
またの方法においては(B2)と(F)を10℃〜100℃
で30分〜2時間反応させた後40℃以下に冷却し、(II−
A)を添加した後、前記、と同様な条件下で反応さ
せる。
固体生成物(II−A)、(B2)および(F)の反応終了
後は濾別またはデカンテーションにより液状部分を分離
除去した後、更に溶媒で洗浄を繰返し、目的のビニルシ
クロアルカン重合体を含有するオレフィン重合用三塩化
チタンが得られる。
かくして得られた三塩化チタン組成物は、ビニルシクロ
アルカン重合体を0.01重量%〜99重量%含有しており、
オレフィン重合用遷移金属化合物触媒成分として、少な
くとも有機アルミニウム化合物と組合せてオレフィンの
重合に用いられる。
本発明の三塩化チタン組成物の製造に用いられる有機ア
ルミニウム化合物は、一般式がA1R1 mR2 m′
3−(m+m′)(式中、R1、R2はアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基等の炭化水素基またはアルコキ
シ基を、Xはハロゲンを表わし、またm、m′は0<m
+m′≦3の任意の数を表わす。)で表わされるもの
で、その具体例としては、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウ
ム、トリn−ブチルアルミニウム、トリi−ブチルアル
ミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリi−ヘ
キシルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニ
ウム、トリn−オクチルアルミニウム、トリn−デシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム類、ジエチ
ルアルミニウムモノクロライド、ジn−プロピルアルミ
ニウムモノクロライド、ジi−ブチルアルミニウムモノ
クロライド、ジエチルアルミニウムモノフルオライド、
ジエチルアルミニウムモノブロマイド、ジエチルアルミ
ニウムモノアイオダイド等のジアルキルアルミニウムモ
ノハライド類、ジエチルアルミニウムハイドライド等の
ジアルキルアルミニウムハイドライド類、メチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド等のアルキルアルミニウムセスキハライド類、
エチルアルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニ
ウムジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジハラ
イド類などがあげられ、他にモノエトキシジエチルアル
ミニウム、ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアル
コキシアルキルアルミニウム類を用いることもできる。
これらの有機アルミニウムは2種類以上を混合して用い
ることもできる。
本発明に用いる(B1)、(B2)としてはエーテル類であ
るが、他の電子供与体もエーテル類と共用できる。電子
供与体として用いられるものは、酸素、窒素、硫黄、燐
のいずれかの原子を有する有機化合物、すなわち、アル
コール類、エステル類、アルデヒド類、脂肪酸類、ケト
ン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、尿素又はチオ
尿素類、イソシアネート類、アゾ化合物、ホスフィン
類、ホスファイト類、ホスフィナイト類、硫化水素又は
チオエーテル類、チオアルコール類などである。エーテ
ル類ならびに他の電子供与体の具体例としては、ジエチ
ルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジn−ブチルエ
ーテル、ジイソアミルエーテル、ジn−ペンチルエーテ
ル、ジn−ヘキシルエーテル、ジi−ヘキシルエーテ
ル、ジn−オクチルエーテル、ジi−オクチルエーテ
ル、ジn−ドデシルエーテル、ジフェニルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オ
クタノール、フェノール、クレゾール、キシレノール、
エチルフェノール、ナフトール等のアルコール類、若し
くはフェノール類、メタクリル酸メチル、酢酸エチル、
ギ酸ブチル、酢酸アミル、酪酸ビニル、酢酸ビニル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸2−エチルヘキシル、トルイ
ル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸2−エチル
ヘキシル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アニス酸
プロピル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ酸メチル、ナフト
エ酸エチル、ナフトエ酸プロピル、ナフトエ酸ブチル、
ナフトエ酸2−エチルヘキシル、フェニル酢酸エチルな
どのエステル類、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド
などのアルデヒド類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、修酸、こはく酸、アクリル酸、マレイン酸などの脂
肪酸、安息香酸などの芳香族酸、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、ベンゾフェノンなどのケトン
類、アセトニトリル等のニトリル酸、メチルアミン、ジ
エチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、β(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、ピリジ
ン、キノリン、α−ピコリン、2,4,6−トリメチルピリ
ジン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、
アニリン、ジメチルアニリンなどのアミン類、ホルムア
ミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N,N′,N′,
N″−ペンタメチル−N′−β−ジメチルアミノメチル
リン酸トリアミド、オクタメチルピロホスホルアミド等
のアミド類、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素等の尿素
類、フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート
などのイソシアネート類、アゾベンゼンなどのアゾ化合
物、エチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリn
−ブチルホスフィン、トリn−オクチルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシ
ドなどのホスフィン類、ジメチルホスファイト、ジn−
オクチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ
n−ブチルホスファイト、トリフェニルホスファイトな
どのホスファイト類、エチルジエチルホスフィナイト、
エチルブチルホスフィナイト、フェニルジフェニルホス
フィナイトなどのホスフィナイト類、ジエチルチオエー
テル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチオエ
ーテル、エチレンサルファイド、プロピレンサルファイ
ドなどのチオエーテル、エチルチオアルコール、n−プ
ロピルチオアルコール、チオフェノールなどのチオアル
コール類などをあげることもできる。これらの電子供与
体は混合して使用することもできる。反応生成分(I)
を得るためのエーテル類(B1)、固体生成物(II−A)
に反応させる(B2)のそれぞれは同じであっても異なっ
ていてもよい。
本発明で使用する(F)は、周期律表III〜VI族の元素
のハロゲン化物である。具体例としては、無水塩化アル
ミニウム、四塩化ケイ素、塩化第一スズ、塩化第二ス
ズ、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、三塩化リン、
五塩化リン、四塩化バナジウム、五塩化アンチモンなど
があげられ、これらは混合して用いることもできる。最
も好ましいのは四塩化チタンである。
溶媒としてはつぎのものが用いられる。脂肪族炭化水素
としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、i−オクタン等が示され、また、脂
肪族炭化水素の代りに、またはそれと共に、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレ
ン、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素も用
いることができる。芳香俗化合物として、ナフタリン等
の芳香族炭化水素、及びその誘導体であるメシチレン、
デュレン、エチルベンゼン、イソプロピルエンゼン、2
−エチルナフタリン、1−フェニルナフタリン等のアル
キル置換体、モノクロルベンゼン、クロルトルエン、ク
ロルキシレン、クロルエチルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン、ブロムベンゼン等のハロゲン化物等が示される。
重合処理に用いられるビニルシクロアルカンの具体例と
しては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、
ビニルシクロペンタン、3−メチルビニルシクロペンタ
ン、ビニルシクロヘキサン、2−メチルビニルシクロヘ
キサン、3−メチルビニルシクロヘキサン、4−メチル
ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン等があげ
られる。これらのうち、炭素数7以上のビニルシクロア
ルカンが好ましく用いられる。
以上の様にして、本発明の方法によって得られた三塩化
チタン組成物は、少なくとも有機アルミニウム化合物と
組み合わせて触媒として常法に従って、オレフィンの重
合に用いるが、更に好ましくは、オレフィンを反応させ
て予備活性化した触媒としてオレフィンの重合に用い
る。オレフィンの重合に用いる有機アルミニウム化合物
は、前述した本発明の三塩化チタン組成物を製造した際
に用いたものと同様な有機アルミニウム化合物を使用す
ることができる。該有機アルミニウム化合物は、三塩化
チタン組成物を製造した際使用したものと同じであって
も異なっていても良い。また、予備活性化に用いられる
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1等の直
鎖モノオレフィン類、4−メチル−ペンテン−1、2−
メチル−ペンテン−1等の枝鎖モノオレフィン類等であ
る。
これらのオレフィンは、重合対象であるオレフィンと同
じであっても異なっていても良く、又2以上のオレフィ
ンを混合して用いることもできる。
上記の触媒を用いるオレフィンの重合形式は限定され
ず、スラリー重合、バルク重合の様な液相重合のほか、
気相重合でも好適に実施できる。
スラリー重合またはバルク重合には三塩化チタン組成物
と有機アルミニウム化合物を組み合せた触媒でも充分に
効果を表わすが、気相重合の場合は、オレフィンを反応
させて予備活性化したものが望ましい。スラリー重合ま
たはバルク重合に続いて気相重合を行う場合は、当初使
用する触媒が前者であっても、気相重合のときは既にオ
レフィンの反応が行われているから、後者の触媒と同じ
ものとなって優れた効果が得られる。
予備活性化は、三塩化チタン組成物1gに対し、有機アル
ミニウム化合物0.005g〜500g、溶媒0〜50、水素0〜
1,000ml及びオレフィン0.05g〜5,000g、好ましくは0.05
g〜3,000gを用いる。温度は0℃〜100℃で1分〜20時
間、オレフィンを反応させ、三塩化チタン組成物1g当り
0.01〜2,000g、好ましくは0.05〜200gのオレフィンを反
応させる事が望ましい。
予備活性化はプロパン、ブタン、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素溶媒中で行うこともでき、液化プロピレン、液化ブテ
ン−1などの液化オレフィン中でも、気体のエチレン、
プロピレン中でも行うことができ、また予備活性化の際
に水素を共存させても良い。
予備活性化の際にあらかじめスラリー重合又はバルク重
合又は気相重合によって得られた重合体粒子を共存させ
ることもできる。その重合体は、重合対象のオレフィン
重合体と同じであっても異なったものでも良い。共存さ
せ得る重合体粒子は、三塩化チタン組成物1gに対し、0
〜5,000gの範囲にある。
予備活性化の際に用いた溶媒又はオレフィンは、予備活
性化の途中で又は予備活性化終了後に減圧溜去又は濾別
等により、除くこともでき、又固体生成物を、その1g当
り80を越えない量の溶媒に懸濁させるために、溶媒を
加えることもできる。
予備活性化方法には、種々の態様があり、たとえば、 三塩化チタン組成物と有機アルミニウムを組み合わせ
た触媒にオレフィンを接触させてスラリー反応、バルク
反応又は気相反応させる方法、 オレフィンの共存下で三塩化チタン組成物と有機アル
ミニウムを組み合わせる方法、 ,の方法で、オレフィン重合体を共存させて行う
方法、 ,,の方法で水素を共存させて行う方法等があ
る。触媒をスラリー状態にするか粉粒体にするかは本質
的な差はない。
上記のようにして、組み合わせた三塩化チタン組成物と
有機アルミニウム化合物からなる触媒、又は更にオレフ
ィンで予備活性化した触媒は、オレフィン重合体の製造
に用いられるが、通常のオレフィン重合と同様に、立体
規則性向上の目的で電子供与体を触媒の第3成分とし
て、更に添加して重合に用いることも可能である。
各触媒成分の使用量は、通常のオレフィン重合と同様で
あるが具体的には三塩化チタン組成物1gに対し、有機ア
ルミニウム化合物0.05g〜500g、電子供与体0〜200gを
使用する。
オレフィンを重合させる重合形式としては、既述したよ
うにn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、ベンゼン若しくはトルエン等の炭化水素溶
媒中で行うスラリー重合、液化プロピレン、液化ブテ
ン−1等の液化オレフィンモノマー中で行うバルク重
合、エチレン、プロピレン等のオレフィンを気相で重
合させる気相重合若しくは、以上の〜の二以上を
段階的に組み合わせる方法がある。いずれの場合も重合
温度は室温(20℃)〜200℃、重合圧力は常圧(0kg/cm2
G)〜50kg/cm2Gで、通常5分〜20時間程度実施される。
重合の際、分子量制御のための適量の水素を添加するな
どは従来の重合方法と同じである。
重合に供せられるオレフィンは、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1のような
直鎖モノオレフィン類、4−メチルペンテン−1、2−
メチル−ペンテン−1などの枝鎖モノオレフィン類、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジオレフィ
ン類、スチレンなどであり、また、これ等の各々の単独
重合のみならず、相互に他のオレフィンと組合わせて、
例えばプロピレンとエチレン、ブテン−1とエチレン、
プロピレンとブテン−1の如く組合わせるかプロピレ
ン、エチレン、ブテン−1ように三成分を組合わせて共
重合を行うことも出来、また、多段重合でフィードする
オレフィンの種類を変えてブロック共重合を行うことも
できる。
[発明の効果] 本発明の主要な効果は、本発明によって得られた三塩化
チタン組成物をオレフィン重合用遷移金属化合物触媒成
分としてオレフィンの重合に使用した場合に、著しく高
い生産性でもってボイドの発生が極めて少ない、透明性
および結晶性の著しく高いポリオレフィンを製造できる
ことである。
本発明の効果を更に具体的に説明する。
本発明の第一の効果は、オレフィン重合に用いた場合、
得られたポリオレフィンの透明性と結晶性が共に向上
し、かつボイドの発生数が極めて少ないことである。
以下に示す実施例で明らかな様に、本発明の方法によっ
て得られた三塩化チタン組成物を用いて重合したポリオ
レフィンのプレスフィルムの内部ヘーズはビニルシクロ
アルカン重合処理をせずに得た三塩化チタン組成物を用
いて重合したポリオレフィンに比べ約1/7〜1/4となって
おり、著しく高い透明性を有する。また、結晶化温度も
約8℃〜12℃上昇しており、著しく結晶性が向上すると
共に、曲げ弾性率も著しく高くなっている(実施例1〜
9、比較例1,5〜10参照)。更にボイドの発生数におい
ても本発明以外の方法によってビニルシクロアルカン重
合体を導入しだポリオレフィンに比べて著しく少ないこ
とが明らかである(実施例1〜9、比較例3参照)。
本発明の第二の効果は、極めて高い重合活性でもって、
塊状ポリマーの生成も無く粒子形状が良好で高立体規則
性のポリオレフィンが得られることである。従って、触
媒除去工程やアタクチックポリマー除去工程を省略する
ことができ、気相重合法等のより簡略したプロセスによ
って、ポリオレフィンの長期間の連続重合法による製造
が可能であり、工業生産上極めて有利である。
本発明の第三の効果は、本発明の方法によって得られた
三塩化チタン組成物は、保存安定性および熱安定性に優
れる。長時間に亘り、外気温の高低にかかわらず安定に
保存できることは工業上極めて大切なことである。な
お、該保存は粉体状態でも不活性炭化水素溶剤に懸濁さ
せた状態でも行うことができる。
更に本発明の第四の効果は、本発明の方法によって得ら
れた三塩化チタン組成物は耐摩砕性に優れる。該三塩化
チタン組成物は、その使用時すなわちオレフィン重合体
製造過程のみならず触媒製造過程においても摩砕を受け
にくい。このことは、微粉触媒の生成を防ぎ、ひいては
微粉オレフィン重合体の生成を防ぐことを意味してい
る。この結果、気相重合プロセスにおけるライン閉塞ト
ラブルの防止、循環ガス中への微粉オレフィン重合体の
混入に起因するコンプレッサートラブルの防止等に極め
て効果的である。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比較
例において用いられている用語の定義、および測定方法
は次の通りである。
(1)TY:重合活性を示し、チタン1グラム原子当りの
重合体収量(単位:kg/グラム原子) (2)II:立体規則性を示し、沸騰n−ヘプタン抽出残
量(単位:重量%) (3)BD:かさ比重(単位:g/ml) (4)MFR:メトロフローインデックス ASTM D−1238
(L)による。(単位:g/10分) (5)内部ヘーズ:表面の影響を除いたフィルム内部の
ヘーズであり、プレス機を用いて温度200℃、圧力200kg
/cm2Gの条件下でポリオレフィンパウダーを厚さ150μの
フィルムとし、フィルムの両面に流動パラフィンを塗っ
た後、JIS K 7105に準拠してヘーズを測定した。
(6)結晶化温度:示差走査熱量計を用いて、10℃/分
の降温速度で測定した。(単位:℃) (7)曲げ弾性率:ポリオレフィンパウダー100重量部
に対して、テトラキス[メチレン−3−(3′−,5′−
ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン0.5重量部、およびステアリン酸カルシ
ウム0.5重量部を混合し、該混合物をスクリュー口径40m
mの押出造粒機を用いて造粒した。ついで該造粒物を射
出成形機で溶融樹脂温度230℃、金型温度50℃でJIS形の
テストピースを作成し、該テストピースについて湿度50
%、室温23℃の室内で72時間放置した後、JIS K 720
3に準拠して曲げ弾性率を測定した。(単位kgf/cm2) (8)ボイド:前項と同様にしてポリオレフィンの造粒
を行い、得られた造粒物をT−ダイ式製膜機を用い、溶
融樹脂温度250℃で押出し、20℃の冷却ロールで厚さ1mm
のシートを作成した。該シートを150℃の熱風で70秒間
加熱し、二軸延伸機を用いて、縦横方向に7倍づつ延伸
し、厚さ20μの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムを
光学顕微鏡にて観察し、直径が10μ以上のボイドの数を
測定し、1cm2当り20個未満を○、20個以上50個未満を
△、50個以上を×で示した。
実施例1 (1)三塩化チタン組成物の製造 n−ヘキサン6、ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モルを2
5℃で1分間混合し、5分間同温度で反応させて反応生
成液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比2.4)
を得た。窒素置換された反応器に四塩化チタン40モルを
入れ、35℃に加熱し、これに上記反応生成液(I)の全
量を180分間で滴下した後、同温度に60分間で滴下した
後、同温度に60分間保ち、80℃に昇温して更に1時間反
応させ、室温まで冷却し上澄液を除き、n−ヘキサン20
を加えてデカンテーションで上澄液を除く操作を4回
繰り返して固体生成物(II)を得た。
この(II)全量をn−ヘキサン30中に懸濁させ、ジエ
チルアルミニウムモノクロライド400gを加え、40℃でビ
ニルシクロヘキサン5.6kgを添加し、40℃で2時間重合
処理を行った。処理後50℃まで昇温し、上澄液を除きn
−ヘキサン30を加えてデカンテーションで上澄液を除
く操作を4回繰り返して、重合処理を施した固体生成物
(II−A)を得た。
この固体生成物の全量をn−ヘキサン9中に懸濁させ
た状態で、四塩化チタン3.5kgを室温にて約10分間で加
え、80℃にて30分間反応させた後、更にジイソアミルエ
ーテル1.6kgを加え、80℃で1時間反応させた。反応終
了後、上澄液をデカンテーションで除いた後、40のn
−ヘキサンを加え、10分間攪拌し、静置して上澄液を除
く操作を5回繰り返した後、減圧で乾燥させ、三塩化チ
タン組成物を得た。得られた三塩化チタン組成物中のポ
リビニルシクロヘキサン含量は60.0重量%、チタン含量
10.1重量%であった。
(2)予備活性化触媒の調製 内容積80の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガ
スで置換した後、n−ヘキサン40、ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド11.4g、(1)で得た三塩化チタン組
成物450gを室温で加えた後、30℃で2時間かけてエチレ
ンを0.9Nm3供給し、反応させた(三塩化チタン組成物1g
当り、エチレン2.0g反応)後、未反応エチレンを除去
し、n−ヘキサンで洗浄後、濾過、乾燥して予備活性化
触媒成分を得た。
(3)オレフィンの重合 窒素置換をした内容席80の撹拌機のついたL/D=3の
横型重合器にMFR2.0のポリプロピレンパウダー20kgを投
入後、上記予備活性化触媒をチタン原子換算で6.4ミリ
グラム原子/hr、ジエチルアルミニウムモノクロライド
の30重量%n−ヘキサン溶液をジエチルアルミニウムモ
ノクロライドとして3.9g/hrで連続的に供給した。
また気相中の濃度が1.0容積%を保つ水素を、全圧が23k
g/cm2Gを保つ様にプロピレンをそれぞれ供給して、プロ
ピレンの気相重合を70℃において、120時間連続して行
った。重合期間中は、重合器内のポリマーの保有レベル
が50容積%となるようにポリマーを重合器から連続的に
10kg/hrで抜き出した。抜き出されたポリマーは続いて
プロピレンオキサイドを0.2容積%含む窒素ガスによっ
て、95℃にて30分間接触処理された後、製品パウダーと
して得られた。
(4)熱安定性試験 上記(1)と同様にして得た三塩化チタン組成物を40℃
で4ヶ月間保存した後、(2)、(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。
(5)耐摩砕性試験 (2)で使用した反応器に循環ポンプを備えた循環配管
を接続した後、窒素雰囲気下において、n−ヘキサン20
および上記(1)と同様にして得た三塩化チタン組成
物450gを入れた。続いて循環ポンプを動かし循環ライン
を使用して反応器中の懸濁液を流速10/分、温度25℃
の条件下で4時間循環させた後、(2)、(3)と同様
にしてプロピレンの重合を行った。
比較例1 (1)実施例1の(1)において、固体生成物(II)を
ビニルシクロヘキサンで重合処理することなしに固体生
成物(II−A)相当物とすること以外は同様にして三塩
化チタン組成物を得た。
(2)実施例1の(2)において三塩化チタン組成物と
して、上記(1)で得られた三塩化チタン組成物450gを
用いる以外は同様にして予備活性化触媒の調製を行っ
た。
(3)実施例1の(3)において予備活性化触媒とし
て、上記(2)で得られた予備活性化触媒を用いる以外
は同様にしてプロピレンの重合を行った。
(4)実施例1の(4)において三塩化チタン組成物と
して、上記(1)と同様にして得られた三塩化チタン組
成物を用いる以外は同様にしてプロピレンの重合を行っ
た。
(5)実施例1の(5)において三塩化チタン組成物と
して、上記(1)と同様にして得られた三塩化チタン組
成物を用いる以外は同様にしてプロピレンの重合を行っ
た。
比較例2 (1)比較例1の(1)と同様にして三塩化チタン組成
物を得た。
(2)実施例1の(2)で使用した反応器にn−ヘキサ
ン20、ジエチルアルミニウムモノクロライド30g、お
よび上記(1)で得た三塩化チタン組成物180gを室温で
加えた後、ビニルシクロヘキサン450gを加え40℃にて2
時間反応させた(三塩化チタン組成物1g当り、ビニルシ
クロヘキサン1.5g反応)反応終了後はn−ヘキサンで洗
浄後濾過乾燥してビニルシクロヘキサンで予備活性化さ
れた触媒を得た。
(3)実施例1の(3)において、予備活性化触媒とし
て上記(2)で得たビニルシクロヘキサンで予備活性化
された触媒を用いる以外は同様にしてプロピレンの重合
を行ったところ、生成した塊状ポリマーが抜き出し配管
を閉塞してしまった為、重合を開始後3時間で製造を停
止しなければならなかった。
比較例3 (1)比較例1の(1)において、反応生成物(I)と
四塩化チタンを反応させる際に、別途比較例1の(1)
と同様にして得た三塩化チタン組成物500gとジエチルア
ルミニウムモノクロライド120gを触媒として用いて、n
−ヘキサン100中に3.6kg溶解させたビニルシクロヘキ
サンを60℃にて2時間重合した後、メタノール洗浄し、
乾燥させて得られたポリビニルシクロヘキサン2.85kgを
振動ミル中で5時間粉砕後、前記四塩化チタン中に懸濁
されたこと以外は同様にしてポリビニルシクロヘキサン
を60重量%含有した三塩化チタン組成物を得た。
(2)三塩化チタン組成物として上記(1)で得た三塩
化チタン組成物を用いる以外は実施例1の(2)と同様
にして予備活性化触媒を得た。
(3)実施例1の(3)において予備活性化触媒として
上記(2)で得た予備活性化触媒を全圧が23kg/cm2Gを
保つように供給すること以外は同様にしてプロピレンの
重合を行い、ポリプロピレンを得た。
比較例4および実施例2,3 実施例1の(1)において重合処理を用いたビニルシク
ロヘキサンの使用量を変化させて、ポリビニルシクロヘ
キサン含量がそれぞれ0.001重量%、4.8重量%、33.3重
量%の三塩化チタン組成物を得た。以後は実施例1の
(2)、(3)と同様にしてポリプロピレンを得た。
実施例4 n−ヘプタン4、ジエチルアルミニウムモノクロリド
5.0モル、ジイソアミルエーテル9.0モル ジn−ブチル
エーテル5.0モルを18℃で30分間反応させて得た反応液
を、四塩化チタン27.5モル中に40℃で300分間かかって
滴下した後、同温度に1.5時間保ち反応させた後、65℃
に昇温し、1時間反応させ、上澄液を除き、n−ヘキサ
ン20を加えデカンテーションで除く操作を6回繰り返
し、得られた固体生成物(II)1.8kgをn−ヘキサン40
中に懸濁させ、ジエチルアルミニウムモノクロライド
500gを加え、50℃でビニルシクロヘキサン4.2kgを加
え、1時間反応させ、重合処理を施した固体生成物(II
−A)を得た。
反応後、上澄液を除いた後、n−ヘキサン20を加えデ
カンテーションで除く操作を2回繰り返し、上記の重合
処理を施した固体生成物(II−A)をn−ヘキサン7
中に懸濁させ、四塩化チタン1.8kg、n−ブチルエーテ
ル1.8kgを加え、60℃で3時間反応させた。反応終了
後、上澄液をデカンテーションで除いた後、20のn−
ヘキサンを加えて5分間攪拌し静置して上澄液を除く操
作を3回繰り返した後、減圧で乾燥させ三塩化チタン組
成物を得て、実施例1の(2)、(3)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行った。
比較例5 実施例4においてビニルシクロヘキサンによる重合処理
をせずに固体生成物(II)を固体生成物(II−A)相当
物とすること以外は同様にして三塩化チタン組成物を得
て、プロピレンの重合を行った。
実施例5 ジエチルアルミニウムモノクロリド5.0モルを用いる代
りに、ジn−ブチルアルミニウムモノクロリド4.0モル
を用い反応生成液(I)を得て、四塩化チタンに45℃で
滴下すること、またビニルシクロヘキサン5.6kgを用い
る代りに3−メチルビニルシクロヘキサン4.0kgを用い
ること以外は、実施例1と同様にして三塩化チタン組成
物を得てプロピレンの重合を行った。
比較例6 実施例5において3−メチルビニルシクロヘキサンによ
る重合処理をせずに三塩化チタン組成物を得る以外は同
様にしてプロピレンの重合を行った。
実施例6 実施例1の(1)において、四塩化チタンの代りに四塩
化ケイ素1.8kgおよび四塩化チタン2.0kgの混合液を、
又、ジイソアミルエーテルの量を2.2kgとして固体生成
物(II−A)に反応させたこと以外は同様にして三塩化
チタン組成物を得た。
続いて内容積が200の2段タービン翼を備えた攪拌機
付重合器に上記三塩化チタン組成物をチタン原子換算で
10mg原子/hr、ジエチルアルミニウムモノクロライドの2
0重量%n−ヘキソン溶液をジエチルアルミニウムクロ
ライドとして6.0g/hr、およびn−ヘキサンを21kg/hrで
連続的に供給した。また気相中の濃度が1.5容積%を保
つ様に水素を、全圧が10kg/cm2Gを保つ様にプロピレン
をそれぞれ供給して、プロピレンのスラリー重合を70℃
において120時間連続して行った。重合期間中は、重合
器内のスラリーの保有レベルが75容積%となる様にスラ
リーを重合器から連続的に内容積50のフラッシュタン
クに抜き出した。
フラッシュタンクにおいて落圧された未反応プロピレン
が除去される一方、メタノールが1kg/hrで供給され70℃
にて接触処理された。続いてスラリーは遠心分離機によ
って溶媒を分離された後、乾燥機によって乾燥され、製
品パウダーが10kg/hrで得られた。
比較例7 実施例6においてビニルシクロヘキサンによる重合処理
をせずに固体生成物(II)を固体生成物(II−A)相当
物とすること以外は同様にして得られた三塩化チタン組
成物を用いて、実施例6と同様にプロピレンのスラリー
重合を行った。
実施例7 n−ヘキサン12に四塩化チタン27.0モルを加え、1℃
に冷却した後、更にジエチルアルミニウムモノクロライ
ド27.0モルを含むn−ヘキサン12.5を1℃にて4時間
かけて滴下した。滴下終了後15分間同温度に保ち反応さ
せた後、1時間かけて65℃に昇温し、更に同温度にて1
時間反応させた。次に上澄液を除きn−ヘキサン10を
加え、デカンテーションで除く操作を5回繰り返し、得
られた固体生成物(II)5.7kgのうち、1.8kgをn−ヘキ
サン50中に懸濁させ、ジエチルアルミニウムモノクロ
ライド350kgを加え、40℃でビニルシクロヘプタン11.0k
gを更に加えた後、40℃で2時間重合処理を行った。
重合処理後、上澄液を除いた後、n−ヘキサン30を加
えてデカンテーションで除く操作を2回繰り返した後、
得られた重合処理を施した固体生成物(II−A)の全量
をn−ヘキサン11中に懸濁し、これにジイソアミルエ
ーテル1.6を添加した。この懸濁液を35℃で1時間撹
拌後、n−ヘキサン3で5回洗浄し処理固体を得た。
得られた処理固体を四塩化チタン40容積%のn−ヘキサ
ン溶液6中に懸濁した。
この懸濁液を65℃に昇温し、同温度で2時間反応させ
た。反応終了後、1回にn−ヘキサン20を使用し、3
回得られた固体を洗浄した後、減圧で乾燥させて三塩化
チタン組成物を得た。得られた三塩化チタン組成物を用
いて実施例6と同様にしてプロピレンのスラリー重合を
行った。
比較例8 実施例7においてビニルシクロヘプタンによる重合処理
を省略して三塩化チタン組成物を得て、後は実施例7と
同様にしてプロピレンのスラリー重合を行った。
実施例8 実施例1の(1)において、ビニルシクロヘキサンの代
わりにビニルシクロペンタン11.0kg用いて、重合処理を
施した固体生成物(II−A)を得、続いてn−ヘプタン
10中に、四塩化チタン3.0kg加えた後、上記固体生成
物(II−A)を全量添加し、80℃で30分間反応させた。
反応終了後、更にジn−ペンチルエーテル2.8kgを添加
し、80℃で1時間反応させて三塩化チタン組成物を得
た。得られた三塩化チタン組成分を用いて後は実施例1
の(2)、(3)と同様にしてプロピレンの気相重合を
行った。
比較例9 実施例8においてビニルシクロペンタンによる重合処理
をせずに三塩化チタン組成物を得ること以外は同様にし
て、プロピレンの重合を行った。
実施例9 実施例6において三塩化チタン組成物を得る際にビニル
シクロヘキサンの使用量を3.7kg、又、プロピレン重合
時に、気相中の濃度が0.2容積%を保つ様にエチレンを
更に供給すること以外は実施例6と同様にしてプロピレ
ン−エチレン共重合を行った。
比較例10 実施例9においてビニルシクロヘキサンによる重合処理
をせずに三塩化チタン組成物を得ること以外は、同様に
してプロピレン−エチレン共重合を行った。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を説明するフローシートであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機アルミニウムの化合物、若しくは有機
    アルミニウム化合物とエーテル類(B1)との反応生成物
    (I)に四塩化チタンを反応させて得られた固体生成物
    (II)を、ビニルシクロアルカンで重合処理し、更にエ
    ーテル類(B2)と周期律表第III〜VI族の元素のハロゲ
    ン化物とを反応させて得られることを特徴とする、ビニ
    ルシクロアルカン重合体を0.01重量%〜99重量%含有せ
    しめた、オレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】有機アルミニウム化合物として、一般式が
    A1R1 mR2 m′3−(m+m′)(式中、R1、R2はアル
    キル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基
    またはアルコキシ基を、Xはハロゲンを表わし、また
    m、m′はm+m′≦3の任意の数を表わす。)で表わ
    される有機アルミニウム化合物を用いる特許請求の範囲
    第1項に記載の製造方法。
JP14890488A 1988-06-16 1988-06-16 オレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0776251B2 (ja)

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JP14890488A Expired - Lifetime JPH0776251B2 (ja) 1988-06-16 1988-06-16 オレフィン重合用三塩化チタン組成物の製造方法

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