JPH0775812A - 仕上げ圧延方法 - Google Patents

仕上げ圧延方法

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JPH0775812A
JPH0775812A JP5221839A JP22183993A JPH0775812A JP H0775812 A JPH0775812 A JP H0775812A JP 5221839 A JP5221839 A JP 5221839A JP 22183993 A JP22183993 A JP 22183993A JP H0775812 A JPH0775812 A JP H0775812A
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裕一郎 渡辺
Katsuhiro Takebayashi
克浩 竹林
Kunio Isobe
邦夫 磯辺
Junzo Nitta
純三 新田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 板クラウン、形状制御用のアクチュエーター
を有するタンデム圧延機を用いて仕上げ圧延するに当た
り、圧延中における板材の形状変化を、板材の幅端部か
ら50〜200 mmの領域内での伸び差率にて評価し、その評
価結果に基づいてタンデム圧延機の各スタンドにおいて
予め設定される板材の形状変化の許容値と、最終スタン
ド出側の目標板クラウンを考慮に入れながら各スタンド
のアクチュエーターを設定して圧延する。 【効果】 目標とする板クラウンを達成することができ
るだけでなく、形状の良好な板材を安定して得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム圧延機を用い
た板材の仕上げ圧延において、該板材を良好な形状に維
持しつつ、仕上げ圧延機の出側で目標とする板クラウン
を確保しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】板の形状を考慮しつつ、仕上げ圧延機の
出側において目標板クラウンを達成するように圧延する
方法としては、各スタンドでの板の形状 (伸び差率) を
許容値内に収めるとともに、最終スタンドで目標とする
板クラウンを得ることができるように各スタンドにおい
て目標クラウンを予め決定してアクチュエーターを設
定、調整するようにした、例えば特開昭61-42409号公報
等に開示されているような方法が知られている。
【0003】また、圧延に関する形状変化係数(ξ)
は、板材の厚さが薄くなるほど大きくなるものであっ
て、とくにタンデム圧延では前段のスタンドになるほど
クラウン比率の変化が形状に表れにくく、最終スタンド
出側で目標板クラウンが与えられいる場合、シートバー
から最終スタンド出側に至るまでに変更すべきクラウン
比率は仕上げ圧延の前段のスタンドで達成するように
し、一方、後段のスタンドではクラウン比率を一定にし
て板材の圧延を行うのが一般的であった。
【0004】ここに、板の形状は下記の(1) 式にて、ま
た、板クラウンは(2) 式にて定義される(板クラウンの
定義点はセンサーで測定可能な限り板端部に近い位置と
し、クラウンの品質管理もこの位置で行うのが一般的で
ある)。
【0005】Δεi =ξi (CRi −CRi-1) CRi = Ci / hi ---(1) Δε:伸び差率、ξ:形状変化係数、CR:クラウン比
率、C :板クラウン h :板厚、i:スタンドナンバー(i=0はシートバー
を表す) C=(hC −he)/ hC ---(2) hC :板中央部における板厚、he:板端部における板厚
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の方法
を含む従来の圧延方式においては、板材の形状をその幅
端部の一点の伸び差率にのみに着目して評価し、その他
の領域については全く考慮が払われていないため、以下
に述べるような不具合があった。
【0007】すなわち、板クラウンや形状を制御するた
めのアクチュエーターには、ロールベンダー、ロールシ
フト(ロールに各種のイニシャルクラウンを付与)、あ
るいはロールクロス等があるが、圧延しようとする板の
幅方向全域に着目した場合、これらのアクチュエーター
の板クラウンへの影響はそれぞれの領域で異なっている
こと、また、圧延サイクルが進むにつれてサーマルクラ
ウンが成長し、さらにはロールの摩耗が徐々に進行して
いくことから、同じアクチュエーターを用いた場合であ
っても板幅方向で異なって作用することである。
【0008】したがって、板幅の端部のみの伸び差率で
板の形状を評価してアクチュエーターの設定、調整を行
う場合には、板材の形状がどうしても乱れてしまうとい
う問題があった。
【0009】そこで本発明の目的は、タンデム圧延機を
用いた板材の仕上げ圧延において、圧延中における板材
の形状の乱れを防止するとともに、最終スタンドの出側
で目標とする板クラウンを達成するのに有利な仕上げ方
法を提案するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、板クラウン、
形状制御用のアクチュエーターを有するタンデム圧延機
を用いて仕上げ圧延するに当たり、圧延中における板材
の形状変化を、板材の幅端部から50〜200 mmの領域内で
の伸び差率にて評価(この領域は板材の形状を最も良く
評価することができる。)し、その評価結果に基づいて
タンデム圧延機の各スタンドにおいて予め設定される板
材の形状変化の許容値と最終スタンド出側の目標板クラ
ウンを考慮に入れながら各スタンドのアクチュエーター
を設定(評価点での板材の伸び差率に従う)して圧延す
ることを特徴とする仕上げ圧延方法である。
【0011】
【作用】板クラウンや形状を制御するアクチュエーター
を備えた7スタンド (F1 〜F 7 ) のタンデム圧延機に
て、板厚3.0 mm、板幅1250mm、最終スタンドでの目標板
クラウンを板端部から25mmの位置で30μm となるように
仕上げるべく、板材の形状評価点を板端部から100 mm
(形状評価点を板端部から100 mmとした場合には、最終
スタンド出側で板の端部から25mmの位置で板クラウンが
30μm となるように板の端部から100 mmの位置の目標板
クラウンを定めた。) 、および25 mm としてそれぞれ点
における板の伸び差率を用いて各アクチュエーターを設
定して仕上げ圧延を実施し、最終スタンド出側における
板材の幅方向における伸び差率分布について調査した。
上記アクチュエーターの設定は、板の端部から100 mmお
よび25mmのそれぞれの最終スタンドの目標板クラウンを
達成するため、圧延の前段のスタンドF1 〜F 4 ではシ
ートバーから最終スタンドまでに変更すべきクラウン比
率を各スタンドにおいて等分配し、後段のスタンドF5
〜F7 ではクラウン比率が一定になるように各スタンド
の目標板クラウンを定めて行った。
【0012】その結果を図1、図2に示す。また、図
3, 図4および図5に、板材の形状の評価点をその端部
から50mm、200 mmおよび300mm とした場合における伸び
差率分布についての調査結果をそれぞれ示す。
【0013】図1〜図5より、板材の圧延の際の形状評
価点を、その端部から25mm、300mmとし、ここで得られ
た伸び差率を基にしてアクチュエーターの設定を行った
場合は、板の端部から100 mm付近において伸び差率が大
きく変化しているのに対して、50〜200mm とした場合に
ついては板材の端部においてわずかに伸び差率が大きく
なるだけで、そこを除けば伸び差率に大きな変化はなく
良好な形状に維持できるのが明らかである。
【0014】本発明は、上記の結果を基づき、圧延中の
板材の形状を最も良く評価できる領域内 (板端部から幅
方向に沿う50〜200 mmの領域内) での伸び差率を用いて
各スタンド (タンデムミル) のアクチュエーターを設定
するようにしたので、圧延中に板の形状が劣化するよう
なことはなくなり、また、所望の板クラウンを有する板
に仕上げることができる。
【0015】板幅方向全域の形状を最も良く評価する点
として形状評価点を用いて設定計算を行う場合、板クラ
ウンの目標値は形状評価点に与える必要がある。しか
し、品質上のクラウンの目標値は品質管理点に与えられ
るため、品質管理点クラウンの目標値を達成するように
形状評価点のクラウンの目標値を決める必要がある。こ
れは、例えば、図7にフローを示すような方法で行う。
すなわち、品質保証点x 2 における最終スタンド出側の
目標値Cr2は与えられ、形状評価点x1 における最終ス
タンド出側の仮の目標値として任意の値Cr1max , Cr
1min (例えば, x 1 におけるクラウンの最大および最
小の品質限界値)を用いてそれぞれの場合について設定
計算を行い、x2 におけるクラウンCr2max , Cr2min
を求める。ここで、x2 において品質上のクラウンの目
標値Cr2を得るためのx1 におけるクラウンの目標値C
r1は(3) 式で求められる。
【数1】 1 における最終スタンドクラウン目標値Cr1を用いて
アクチュエーターの設定計算を行う。
【0016】
【実施例】板クラウン, 形状制御用のアクチュエーター
を有する7スタンドのタンデム圧延機を用いてSUS 304
仕上厚×板幅 4.5mm×1550mm 20本, 3.0×1250mm 65
本, 計85本の圧延サイクルで仕上げ圧延を行い、得られ
た各板材の伸び差率 (板幅方向全域) の最大値、最小値
について調査した。なお、各スタンドのアクチュエータ
ーは、形状評価点を板材の幅端部から100 mmおよび25mm
とし、その位置で、前段のスタンドF1 〜F4 ではシー
トバーから最終スタンドまでに変更すべきクラウン比率
を各スタンドに等配分し、後段のスタンドF5 〜F7
はクラウン比率が一定になるように各スタンドの目標ク
ラウンを定めて設定を行うようにした。
【0017】図6a, b にその結果を示す。この発明
に従って板材の仕上げ圧延を実施した場合 (板材の幅端
部から100 mmの位置で形状の評価を行う場合) において
は、最終スタンドの出側における板クラウンが目標板ク
ラウンに合致させることができるだけでなく、板幅方向
における伸び差率の変動割合が極めて小さく、サイクル
内のすべての板材を良好な形状に仕上げることできた。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
板クラウン、形状制御用のアクチュエーターを有するタ
ンデム圧延機を用いた仕上げ圧延において、目標とする
板クラウンを達成することができるだけでなく、形状の
良好な板材を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】形状評価点を板の端部から100 mmとしてアクチ
ュエーターの設定を行い、仕上げ圧延をした場合におけ
る板材の幅方向における伸び差率を示した図である。
【図2】形状評価点を板の端部から25mmとしてアクチュ
エーターの設定を行い、仕上げ圧延をした場合における
板材の幅方向における伸び差率を示した図である。
【図3】形状評価点を板の端部から50mmとしてアクチュ
エーターの設定を行い、仕上げ圧延をした場合における
板材の幅方向における伸び差率を示した図である。
【図4】形状評価点を板の端部から200mm としてアクチ
ュエーターの設定を行い、仕上げ圧延をした場合におけ
る板材の幅方向における伸び差率を示した図である。
【図5】形状評価点を板の端部から300mm としてアクチ
ュエーターの設定を行い、仕上げ圧延をした場合におけ
る板材の幅方向における伸び差率を示した図である。
【図6】aは形状評価点を板の端部から100mm として、
またbは形状評価点を板の端部から25mmとしてアクチュ
エーターの設定を行い、それぞれ仕上げ圧延をした場合
における板材の幅方向における伸び差率を示した図であ
る。
【図7】品質評価点におけるクラウンの目標値を達成す
るように、形状評価点のクラウンの目標値を設定するた
めの方法のフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 37/38 8315−4E B21B 37/00 116 M 8315−4E 116 P 8315−4E 117 B (72)発明者 磯辺 邦夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 新田 純三 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板クラウン、形状制御用のアクチュエー
    ターを有するタンデム圧延機を用いて仕上げ圧延するに
    当たり、 圧延中における板材の形状変化を、板材の幅端部から50
    〜200 mmの領域内での伸び差率にて評価し、その評価結
    果に基づいてタンデム圧延機の各スタンドにおいて予め
    設定される板材の形状変化の許容値と最終スタンド出側
    の目標板クラウンを考慮に入れながら各スタンドのアク
    チュエーターを設定して圧延することを特徴とする仕上
    げ圧延方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10258304A (ja) * 1996-12-23 1998-09-29 Sms Schloeman Siemag Ag ストリップを圧延するための方法および装置
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