JPH0775532A - 耐水性を付与した板海苔及びその製造方法 - Google Patents

耐水性を付与した板海苔及びその製造方法

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JPH0775532A
JPH0775532A JP5225864A JP22586493A JPH0775532A JP H0775532 A JPH0775532 A JP H0775532A JP 5225864 A JP5225864 A JP 5225864A JP 22586493 A JP22586493 A JP 22586493A JP H0775532 A JPH0775532 A JP H0775532A
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JP
Japan
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laver
sheet
chitosan
water resistance
seaweed
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Application number
JP5225864A
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English (en)
Inventor
Hironobu Nagashima
博伸 長嶋
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Daiichi Seimo Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Seimo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 生海苔をキトサン溶液に浸漬、抄製、乾燥す
るか、通常の板海苔にキトサン溶液を塗布又は噴霧もし
くは含浸し、乾燥することにより得られる耐水性を付与
した板海苔及びその製造方法。 【効果】 通常の板海苔と異なり耐水性に優れ、液状食
品やおにぎり、寿司などに使用して、元の形状、風味を
保ち、べたつくことがない。従来の板海苔では使用でき
なかった茶碗蒸しなど、多様な食材として使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐水性に優れた板海苔及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、板海苔は摘採した生海苔を細
断、抄製、乾燥して製品としている。通常の板海苔は海
苔自体が持つ粘質多糖類の影響で、乾燥時には葉片同士
の強固な結着がみられるが、水溶性が高い多糖であるた
め、再び水に入れると崩壊して抄製前と同じミンチ状と
なる。
【0003】板海苔を液状食品又は高湿度固形食品と共
に食してその香りと味覚を楽しむことも多いが、その際
に再び液状食品中に葉片状に浮遊したり、ミンチ状に固
まって、乾燥した海苔がもつ香味や風味が失われること
が多い。そこで液状食品に加えたり、高湿度固形食品に
加えても元の形を保持し、乾燥状態の海苔の香味や風味
を保つことが求められている。
【0004】これまでに、高湿度状態でも崩壊しない板
海苔をつくる手段として、又その効果が期待されるもの
として、海苔にゼラチンの皮膜をもたせたり(特開昭6
1−96973号公報)、板海苔とプルランシートを積
層させたり(特開昭61−280252号公報)、板海
苔の表面にジェランガムを付着させた乾燥海苔(特開昭
63−169970号公報)、海苔の表面にグアーガ
ム、ローカストビーンガム、タラガムの各分解物から選
ばれた水溶性食物繊維を塗布させた吸湿を防止し、光沢
を付与した加工海苔(特開平5−115263号公報)
等が提案されている。しかし十分な耐水性が得られなか
ったり、粘性が高いために抄製後の水切りが悪く、乾燥
に時間がかかり品質の低下につながるとか、海苔スナッ
クなど特殊用途を目指すものであったりして、前期の要
望の十分な解決策となっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、板海
苔を液状あるいは高湿度食品と共に食する場合にも崩壊
せず、そのままの形状を保持すると共に乾燥状態と同様
の香味や風味を有する板海苔とその製造方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究を行った結果、細断した生海
苔をキトサン溶液に浸漬し、抄製、乾燥を行って板海苔
を製造するか、もしくは通常の板海苔にキトサン溶液を
塗布又は噴霧するか、あるいは含浸させて、乾燥するこ
とにより、海苔の表面にキトサンの薄膜を存在させるこ
とによって目的の物質が得られることを見いだし本発明
を完成した。
【0007】即ち本発明は次の通りである。 (1) 葉表面にキトサンの薄膜を有する板海苔。
【0008】(2) 生海苔をキトサン溶液に浸漬し、
抄製、乾燥させてなる板海苔。
【0009】(3) 通常の板海苔にキトサン溶液を塗
布又は噴霧或いは含浸させた後乾燥させてなる板海苔。
【0010】(4) 生海苔をキトサン溶液に浸漬し、
抄製、乾燥させることを特徴とする板海苔の製造方法。
【0011】(5) 通常の板海苔にキトサン溶液を塗
布するか、噴霧するか、或いは含浸させた後、乾燥する
ことを特徴とする板海苔の製造方法。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。キチンは
アミノ糖から成る多糖類の一種で、アミノ基のアセチル
化されたD‐グルコサミンがβ‐1,4で結合した直鎖
分子からなる。化学構造、性質がセルロースに類似し、
生物的にも同様にカニ又はエビ等の無セキ柱動物の甲カ
クなどにおける主要な構造多糖類である。キトサンは、
このキチンの脱アセチル化物で、キチンを濃アルカリと
加熱して得られる白色無定形粉末で、グルコサミン(2
‐アミノ‐D‐グルコース)からなる塩基性多糖類であ
って、遊離のものは水に溶けないが、酸の存在で塩をつ
くって溶ける。なお、脱アセチル化度40〜60%でラ
ンダムに脱アセチル化した水溶性部分的脱アセチルキチ
ンも、酸がなくても水に溶解するという利点があるの
で、脱アセチル化度40%以上全てについて本願ではキ
トサンとして扱うものとする。
【0013】本発明で用いるキトサンは有機酸可溶性も
しくは、塩となって水溶性のもので、脱アセチル化度4
0%以上、分子量5000以上、好ましくは脱アセチル
化度70%以上、分子量50,000以上のものが望ま
しい。更に、抄き水に添加するキトサン濃度は50ppm
以上、好ましくは100ppm以上で、通常の板海苔に塗
布、噴霧或いは含浸させる場合のキトサン濃度は500
ppm以上、好ましくは1000ppm以上が望ましい。
【0014】尚、キトサンを使用する場合には、乳酸、
酢酸などの有機酸に溶解し、場合によっては水酸化ナト
リウムなどでpHを中性付近として使用することができ
る。水溶性キトサンの場合には、そのまま水に溶解して
使用してもよい。
【0015】キトサン処理した板海苔は、焙焼して焼海
苔とすることもでき、糖類、アミノ酸、調味液、香辛料
などを用い味付海苔とするか、これらをキトサン溶液に
溶解して味付海苔とすることもできる。
【0016】
【作用】本発明者らの知見によると、キトサン処理を行
った板海苔は(ポリカチオンである)キトサンが、海苔
に含まれるポリガラクタン硫酸(ポリアニオン)とイオ
ン結合で水不溶性の高分子電解質複合対を形成するた
め、耐水性に優れているものと思われる。
【0017】
【実施例】以下に実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定され
るものではない。 (実施例1)キトサンを乳酸溶解後、水酸化ナトリウム
でpH6とした。このキトサンは分子量270,00
0、脱アセチル化度95%以上のものである。このキト
サンの10、50、100、500、1,000ppm溶
液に、ミンチ状にした生海苔を約1分間浸漬、混合後、
抄製、乾燥して板海苔を製造した。その耐水性の評価を
表1に示す。
【0018】(実施例2)分子量270,000、脱ア
セチル化度42、49、60、69、79、90%のキ
トサン100ppm溶液を用い、実施例1と同様にして板
海苔を製造した。その耐水性の評価を表1に示す。
【0019】(実施例3)脱アセチル化度95%以上、
分子量1,800、5,000、17,000、51,
000、83,000、170,000のキトサン10
0ppm溶液を用い、実施例1と同様にして板海苔を製造
した。その耐水性の評価を表1に示す。
【0020】(比較例1)キトサンを添加しない水を用
い、実施例1と同様にして板海苔を製造した。その耐水
性の評価を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(評価方法)実施例1〜4及び比較例1で
製造した板海苔の切片数枚に熱湯を注ぎ、スターラーで
5分間撹拌して崩壊の有無を調べた。その評価基準は次
の通りである。その結果は表1の通りで、キトサン処理
を行った板海苔は、耐水性に優れていた。 ◎:5分後全く崩壊なし。 ○:5分後殆ど崩壊なし。 △:5分後少し崩壊。 ×:5分後全て崩壊。
【0023】(実施例4)分子量170,000、脱ア
セチル化度95%以上のキトサン10,000、5,0
00、1,000、500ppm溶液を、通常の板海苔に
含浸させた後、乾燥させた。評価方法、評価基準は実施
例1〜3と同様にして耐水性を調べた。その結果を表2
に示す。
【0024】(比較例2)実施例4のキトサン溶液の代
わりに水を用いて同様の処理を行った。その結果を表2
に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示すとおり、キトサン処理を行うこ
とで耐水性が良くなった。ただ、実施例1〜3に示す抄
製前にキトサン浸漬処理を行った板海苔より、若干耐水
性が劣った。
【0027】
【発明の効果】本発明の板海苔は、通常の板海苔と異な
り耐水性に優れ、ラーメン、吸物、味噌汁、スープ、お
茶漬けなどの液状食品に加えても元の形状を保持し、細
かく崩れず、海苔のテクスチャーを保有する。従って、
海苔本来の香味や風味を保持する。また本発明の板海苔
葉は、おにぎり、巻寿司に使用した場合にも、海苔葉片
の離脱がなく、通常の板海苔のように手に付着すること
もなく、風味を保ち、衛生的である。更に、通常の板海
苔では使用し得なかった食品、例えば茶碗蒸し、サラダ
などに使用することが出来るし、3倍酢などでそのまま
食することもでき、その他多様な食材として使用が可能
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 葉表面にキトサンの薄膜を有する板海
    苔。
  2. 【請求項2】 生海苔をキトサン溶液に浸漬し、抄製、
    乾燥させてなる板海苔。
  3. 【請求項3】 通常の板海苔にキトサン溶液を塗布又は
    噴霧或いは含浸させた後乾燥させてなる板海苔。
  4. 【請求項4】 生海苔をキトサン溶液に浸漬し、抄製、
    乾燥させることを特徴とする板海苔の製造方法。
  5. 【請求項5】 通常の板海苔にキトサン溶液を塗布する
    か、噴霧するか、或いは含浸させた後、乾燥することを
    特徴とする板海苔の製造方法。
JP5225864A 1993-09-10 1993-09-10 耐水性を付与した板海苔及びその製造方法 Pending JPH0775532A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100245998B1 (ko) * 1997-12-09 2000-03-02 허경만 키토산을 함유한 김의 제조방법
KR20010110977A (ko) * 2001-01-19 2001-12-15 주식회사 소윤식품 기능성 조미김의 제조방법
KR20010111062A (ko) * 2001-10-17 2001-12-15 이영순 기능성 김 및 그 제조방법
KR100475242B1 (ko) * 1998-02-27 2005-07-28 황철 신규한김밥용김의제조방법

Cited By (4)

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KR100245998B1 (ko) * 1997-12-09 2000-03-02 허경만 키토산을 함유한 김의 제조방법
KR100475242B1 (ko) * 1998-02-27 2005-07-28 황철 신규한김밥용김의제조방법
KR20010110977A (ko) * 2001-01-19 2001-12-15 주식회사 소윤식품 기능성 조미김의 제조방법
KR20010111062A (ko) * 2001-10-17 2001-12-15 이영순 기능성 김 및 그 제조방법

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