JPH07750Y2 - ブレーキシュー支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、車両のブレーキ装置におけるブレーキシュー
の支持装置に関するものである。

〈従来の技術〉 フローテイングシュー方式のドラムブレーキ装置は第１
図で示すように、バックプレート１に固着されたアンカ
プレート２より突設したシューホールドダウンピン４
と、このシューホールドダウンピン４に嵌合したシュー
ホールドダウンワッシャ4aとによって拡、縮揺動可能に
支持された２個のブレーキシュー３と、この２個ブレー
キシュー３の両端間にそれぞれ配置した２個のホイール
シリンダ６とを備えた構造である。

〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、上記ブレーキシュー３の揺動の際に軸方向に
余分な倒れが生じ、径方向の摺動を阻害するため、この
倒れを防止するためにアンカプレート２に支持ボルト７
を突設し、第２図で示すように、ブレーキシュー３をシ
ューホールドダウンワッシャ4aに対し適度な隙間Ａを有
して対面させている。

しかしながら、ブレーキ全体に衝撃が加わった場合、前
記隙間Ａによりガタツキが発生し、支持ボルト７にブレ
ーキシュー３が当って打音が生じ、これがバックプレー
ト１に伝播し、さらにアクスルサスペンションを伝って
車体に共鳴して不快音を出すことがある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記従来の不具合を解消したブレーキシュー支
持装置を提供するものであり、その構成要旨は、アンカ
プレートより突設したシューホールドダウンピンと、こ
のシューホールドダウンピンに嵌合したシューホールド
ダウンワッシャとによって拡、縮揺動可能に支持された
２個のブレーキシューと、この２個ブレーキシューの両
端間にそれぞれ配置した２個のホイールシリンダとを備
えたドラムブレーキ装置において、前記シューホールド
ダウンピンの近傍のアンカプレートに緩衝部材を介して
前記ブレーキシューに当接し、ブレーキシューを前記シ
ューホールドダウンワッシャに押圧する支持ボルトを固
設したものである。

〈作用〉 上記の構成により、支持ボルトによってブレーキシュー
の倒れを防止すると共に、ブレーキシューの軸方向のガ
タツキを阻止し、またガタツキが生じても緩衝部材にて
吸収し、かつ打音を緩和する。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第２図
において、１はバックプレート、２はアンカプレート、
３はブレーキシュー、４はシューホールドダウンピン、
4aはシューホールドダウンワッシャ、4bはナット、５は
長穴、７は支持ボルトである。

本考案は、先端にゴム等の緩衝部材８を嵌着した支持ボ
ルト７を上記シューホールドダウンピン４の近傍のアン
カプレート２に固設したものである。

第３図は他の実施例であり、支持ボルト７に中空穴９を
設け、この中空穴９内にスプリング11とゴム又は樹脂等
の緩衝部材10を挿入した構造である。

これら緩衝部材８、10はブレーキシュー３に当接し、か
つブレーキシュー３を常にシューホールドダウンワッシ
ャ4a側へ押圧してシューホールドダウンワッシャ4aとブ
レーキシュー３との隙間Ａを詰めている。

本考案は上記の通りの構造であるから、支持ボルト７は
ブレーキシュー３の倒れを防止すると共に、ブレーキ全
体に衝撃が加わってブレーキシュー３がシューホールド
ボルト４の軸方向へガタツキが発生したとき、第２図の
構造では緩衝部材８の圧縮変形により、また第３図構造
では緩衝部材10とスプリング11との圧縮の相乗作用によ
って支持ボルト７の端面への当りを緩衝し打音の発生を
抑制する。

また、ブレーキシュー３に設けられているライニングは
ブレーキドラムに対し平面対接する直角度が制動効果に
おいて重要である。しかしながら、ライニングの新品時
や交換時には直角度が出ていない場合があり、また、使
用により偏摩耗して直角度が出ていない場合がある。

そこで、このような場合に、ブレーキドラムに対するラ
イニングの対接角度（直角度）を支持ボルト７によって
適正に調整することができる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、フローテイングシュー方
式のドラムブレーキ装置において、支持ボルトにブレー
キシューの軸方向への倒れを防止し、かつブレーキドラ
ムに対するライニングの対接角度（直角度）の調整を可
能とすると共に、支持ボルトに設けた緩衝部材によって
ブレーキシューをシューホールドダウンワッシャ側へ押
圧しているため、共振等によるブレーキシューのガタツ
キを吸収し、ガタツキが生じても支持ボルトへの当りを
緩衝し、不快な打音の発生を防止する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はブレーキ装置の正面図、第２図は本考案の要部
断面図、第３図は本考案の他の実施例を示す要部断面図
である。 １……バックプレート、２……アンカプレート、３……
ブレーキシュー、４……シューホールドダウンピン、4a
……シューホールドダウンワッシャ、７……支持ボル
ト、８……緩衝部材、９……中空穴、10……緩衝部材、
11……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アンカプレートより突設したシューホール
   ドダウンピンと、このシューホールドダウンピンに嵌合
   したシューホールドダウンワッシャとによって拡、縮揺
   動可能に支持された２個のブレーキシューと、この２個
   ブレーキシューの両端間にそれぞれ配置した２個のホイ
   ールシリンダとを備えたドラムブレーキ装置において、
   前記シューホールドダウンピンの近傍のアンカプレート
   に緩衝部材を介して前記ブレーキシューに当接し、ブレ
   ーキシューを前記シューホールドダウンワッシャに押圧
   する支持ボルトを固設したことを特徴とするブレーキシ
   ュー支持装置。