JPS6014030Y2 - フロ−テイングキヤリパ型デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフローティングキャリパ型ディスクブレーキに
関し、特にインナ部とアウタ部とにより回転可能なディ
スクを跨ぎ、インチ部の内側に備えられたピストンによ
り可動するインナパッドを設けるとともに、アウタ部の
内側にアウタパッドを固定したフローティングキャリパ
型ディスクブレーキに関するものである。

従来、この程のディスクブレーキにおいては、車両走行
時及びブレーキ作動時等にパッドが振動することを防止
するために、パッドスプリングがパッドをディスク半径
方向下方へ押圧するように設けられている。

更に、ブレーキ作動時に発生する鳴きを防止するために
アウタパッドとこれを押圧するキャリパのアウタ部との
間にシム板が介在されている。

このシム板はアウタ部あるいはアウタパッドのいずれか
に取着される構造が知られている。

このようにディスクブレーキにおいては、パッドの振動
やブレーキ鳴きを防止するためにパッドスプリングとシ
ム板が設けられているが、パッドスプリングとシム板と
は別体であることから、部品点数が多く、それだけ組付
に手間どるとともに、製作コストが嵩む等の問題がある
。

本考案はかかる実情を背景にしてなされたもので前記フ
ローティングキャリパ型ディスクブレーキにおいて、イ
ンナパッドの上部を圧接するディスク軸方向に延出した
パッド押圧部を有するシム板をアウタ部とアウタパッド
の裏板との間に挾持し、複数本のボルトにより前記アウ
タパッドとシム板をアウタ部に一体に締付固定したこと
を特徴としている。

そして本考案の目的は、シム板に一体形成したパッド押
圧部によりインナパッドをディスク軸中心方向に押圧し
、これによりパッドスプリングを不要とし、部品点数が
削減され、かつ組付が容易であるとともに、パッド押圧
部を有するシム板を複数のボルトによりアウタ部に締付
固定し、パッド押圧部から影響を受けてシム部が傾斜し
これによりアウタパッドが偏摩耗することがないととも
に、パッドの振動とブレーキ鳴きを抑制することを目的
とする。

以下本考案の一実施例を図面について説明すると、１は
車輪と一体回転するディスク、２はボルト孔２ａ、２ａ
に挿通したボルトにより車体に固定されるブラケットで
、ピン孔２ｂ、２ｂを車軸と同方向に形成する。

３はアーム部３ａ、３ａを有するキャリパで、インナ部
４とアウタ部５とにより一体成形され、このインナ部４
とアウタ部５によって車輪と一体回転するディスク１を
跨いでいる。

６はキャリパ支持ピンで、ブラケット２に形成したビン
孔２ｂに螺着固定されるとともに、ブツシュ７を介して
キャリパ３のアーム部３ａに形成したビン孔３ｂに摺動
可能に挿入され、キャリパ３を移動可能に支持する。

８，８′はキャリパ３のアーム部３ａの両端部でアーム
部３ａとブツシュ７間に設けたブーツである。

９はインチ部４に形成したシリンダ１０内に摺動可能に
設けられたピストン、１１はインナパッドで、該パッド
１１の裏板１２およびシム板１３を介してピストン９の
先端部に当接され、ピストン９の作用により可動する。

１４はシリンダ１０に設けられたシール、１５はピスト
ン９とシリンダ１０間に設けられたブーツである。

１６はシム板で、シム部１６ｂの中央部にはインナパッ
ド１１の上部に圧接するディスク軸方向に延出するパッ
ド押圧部１６ａが延長屈曲して一体成形されている。

そして、シム部１６ｂをアウタ部５とアウタパッド１７
の裏板１８の間に挾持し、アウタ部５から挿通した２本
の締付ボルト１９をシム部１６ｂに形成したボルト孔１
６ｃ、１６ｃに挿通する。

このボルト１９を裏板１８に螺着固定してシム部１６ｂ
をアウタパッド１７とともにアウタ部５に固定し、パッ
ド押圧部１６ａによりインナパッド１１の上部をディス
ク軸中心方向に圧接する。

尚シム板１６のパッド押圧部１６ａに断面を図示の如く
湾曲して凹状１６ｄを形成すると一層押力を持たせるこ
とができる。

またシム板１６のシム部１６ｂを固定する締付ボルト１
９は上記実施例では２本用いているが、２本以上用いて
もよいことは勿論である。

次に上記の作用を説明すると、液圧がシリンダ１０内に
加わると、ピストン９が摺動してインナパッド１１を押
すから、このパッド１１はディスク１に摩擦係合し、こ
の圧接により反力によってキャリパ３がピストン９の作
動方向と反対方向にキャリパ支持ピン６．６に設けたブ
ツシュ７上をスライドして、アウタ部５によってアウタ
パッド１７は押されディスク１に摩擦係合して制動作用
が行なわれる。

この制動の際のインチ側のブレーキトルクはインナハツ
ト１１の裏板１２およびシム板１３を介して直接ブラケ
ット２で受け、アウタ側のブレーキトルクはアウタパッ
ド１７の裏板１８、シム板１６のシム部１６ ｂを介し
てアウタ部５に伝わり更にキャリパ３のアーム部３ａ？
３１．キャリパ支持ピン６．６を介してブラケット２で
受ける。

従ってキャリパ支持ピン６にアウタ側のトルクが伝達さ
れるため、該ピン６のブーツは２つニ分割して、２個所
（ブーツ８． ８’）に設ける。

このブレーキ作動時に生ずるブレーキ鳴きは、シム板１
３およびパッド押圧部１６ａを有するシム板１６で軽減
され、また同様にブレーキ作動時あるいは走行時に生じ
るインナパッド１１の振動はパッド押圧部１６ａで抑え
られる。

本考案は前記の如く、シム板に一体形成したパッド押圧
部によりインナパッドをディスク軸中心方向へ押圧した
から、これによりパッドの振動が抑えられてパッドスプ
リングが不要となり、部品点数が削減され、かつ組付の
手間が省かれるとともに、複数の締付ボルトによりアウ
タ部とアウタパッドとの間にパッド押圧部を有するシム
板を挾み締付固定したので、パッド押圧部の影響を受け
てアウタパッドが傾斜することがなく、パッドの偏摩耗
は生じない。

また、シム板はシム部の中央部から単一のパッド押圧部
がディスク軸方向へ延出したものであるから、構造簡単
で製作コストのダウンが図られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は正面図、
第２図は一部切断背面図、第３図は第１図の■−■断面
図、第４図は同じ＜ ＩＶ−ＩＶ断面図、第５図はパッ
ド押圧部を有するシム板の斜視図である。 １はディスク、２はブラケット、３はキャリパ、４はイ
ンナ部、５はアウタ部、６はキャリパ支持ピン、９はピ
ストン、１１はインナパッド、１６はシム板、１７はア
ウタパッド、１９は締付ボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一体に成形したインナ部とアウタ部とにより回転可能な
   ディスクを跨ぎ、インナ部の内側に備えられたピストン
   により可動するインナパッドを設けるとともに、アウタ
   部の内側にアウタパッドを固定したフローティングキャ
   リパ型ディスクブレーキにおいて、インナパッドの上部
   を圧接するディスク軸方向に延出したパッド押圧部を有
   するシム板をアウタ部とアウタパッドの裏板との間に挾
   持し、複数本のボルトにより前記アウタパッドとシム板
   をアウタ部に一体に締付固定したことを特徴とするフロ
   ーティングキャリパ型ディスクブレーキ。