JPH0774383B2 - 耐水素誘起割れ性に優れた鋼板の製造方法 - Google Patents

耐水素誘起割れ性に優れた鋼板の製造方法

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JPH0774383B2
JPH0774383B2 JP61181496A JP18149686A JPH0774383B2 JP H0774383 B2 JPH0774383 B2 JP H0774383B2 JP 61181496 A JP61181496 A JP 61181496A JP 18149686 A JP18149686 A JP 18149686A JP H0774383 B2 JPH0774383 B2 JP H0774383B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、H2Sを含んだ原油、天然ガスの輸送に用いる
ラインパイプ用として有用な、耐水素誘起割れ性に優れ
かつ、低降伏比を特徴とする鋼板の製造方法、特に、二
段冷却法を採用して微細かつ均一なベイナイト+フェラ
イト組織とした耐水素誘起割れ性に優れかつ、低降伏比
を特徴とする鋼板の製造方法に関する。
(従来の技術) 水素誘起割れ(HIC)は、湿潤H2S環境下で鋼が腐食した
ときに発生する水素が、鋼中に侵入することによって起
こる水素脆化現象である。
HIC感受性が最も高い部分は、板厚中心部であり、スラ
ブの中心偏析に起因する部分である。
従来、HICを防止する手段としては、次の方法等がとら
れている。
スラブソーキングによる偏析の軽減 Pの低減による偏析の軽減 Ca、REMによる非金属介在物の形態を制御して、HICの
起点となる介在物を減らす。
しかし、これらの手段のうち、は非常なコスト上昇
を招く。また、に至っては効果があいまいである。
そこで、最近、圧延後加速水冷することによって、合金
元素の濃化を防止し、均一・微細な組織にして、偏析部
の低温変態組織の生成を抑えた鋼の製造が試みられてい
る。例えば、特開昭54−118325号、同57−85928号、同5
8−77530号、および60−33310号参照。
そのような加速水冷を利用した耐水素誘起割れ性鋼(以
下、耐HIC鋼という)の製造方法はおおよそ、Ar3点以上
で仕上圧延を終了し、Ar3−30℃以上から水冷して、組
織を微細なフェライト+パーライト組織あるいはフェラ
イト+ベイナイト混合組織にして耐HIC性を向上させる
というものである。
つまり、水冷条件としては、ある温度範囲をある一定の
冷却速度で均等に冷却するというものである。また、そ
の冶金学的組織もフェライト+パーライト組織あるいは
フェライト+ベイナイト組織である。
しかしながら、水冷条件が適当でないと、マルテンサイ
トのような低温変態組織が生成したり、硬度の高いベイ
ナイトが生成したりして、かえって耐HIC性が低下す
る。
また、圧延−水冷条件が適当であっても、ある成分系に
おいては耐HIC性の余り良好でない鋼が得られたりす
る。
一方、万一、HICが発生してもそれが破裂のような重大
事故につながらないよう、低降伏比(低YR)型高強度鋼
が求められるようになっている。つまり、YR(YS/TS
比)が低ければ、HICが発生して割れ部に応力が集中し
て一部降伏現象が発生しても破断には至らないと考えら
れる。その場合のYRはおよそ85%以下と考えられてい
る。
ところで、そのような低YR型鋼を製造するには、Cはで
きるだけ高いのが望ましいが、Cはスラブの中心偏析を
助長するので、単純水冷だけでは十分な耐HIC性を得る
のが困難になる。一方、C量が低い場合(0.05〜0.10%
程度)、低YRを水冷によって得るには比較的早い水冷速
度(10〜40℃/S)で350〜300℃以下まで冷却せねばなら
ず、それはマルテンサイトの生成をもたらすから、耐HI
C性が劣化するのは免れない。
ここに、第1図および第2図は、従来法の代表的水冷パ
ターンを示すものであり、それらにそれぞれ示すよう
に、いずれの場合にあっても一定の温度範囲を均等に冷
却することが特徴となっている。
すなわち、第1図の場合、熱間圧延終了後、Ar3点以上
で水冷を開始し、650〜550℃の温度範囲まで3〜20℃/S
の冷却速度で冷却し、その後、放冷を行うのである。第
2図の場合は、Ar3−30℃以上から水冷を開始し、550〜
350℃の温度範囲まで10〜40℃/Sの冷却速度で冷却し、
その後第1図の場合と同様に放冷するのである。
第3図は、後述する第1表の鋼Aに相当する組成の鋼に
ついての従来法における水冷停止温度とYRおよびHIC感
受性、つまりCLR(%)との関係を示すグラフである。
このグラフからは、耐HIC性は水冷停止温度がほゞ375℃
以上でなければならないが、一方、低YRとするには水冷
停止温度は375℃以下でなければならないことが分か
る。
したがって、従来の水冷法では、特に低C材(0.05%程
度)で低YR(YR<85%)かつ耐HIC性に優れた鋼板を得
るのが困難であることが分かる。
(発明が解決しようとする問題点) したがって、本発明の目的とするところは、低YR、かつ
耐HIC性にすぐれた鋼板の製造方法を提供することであ
る。
さらに本発明の目的は、低C材にあってマルテンサイト
の生成、ベイナイトの硬度上昇を阻止した水冷法によ
る、低YR(85%以下)、かつ耐HIC性にすぐれた鋼板の
製造方法を提供することである。
本発明のなお別の目的は、湿潤H2環境下において問題と
なるHICに優れた抵抗性を有し、かつ、経済的なライン
パイプ用の低YR型鋼板の製造方法を提供することであ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、耐HIC性を損なうことなく、ラインパイプ用
低YR型高張力鋼を製造することを目的とした発明であ
る。
本発明者らが加速水冷鋼の耐HIC性を、圧延−水冷条件
との関係において、詳しく検討した結果、次の事実が判
明した。
フェライト+パーライトのバンド状組織あるいは、パ
ーライトが残存する組織を有する鋼板は耐HIC性が劣
る。
硬度が250以下のベイナイトとフェライトから成る混
合組織は耐HIC性に優れる。
硬度が250以上のベイナイト、あるいはマルテンサイ
トを含む組織を有する鋼は耐HIC性に劣る。
つまり、圧延後の冷却速度を適当に選択し、パーライト
の生成を抑える一方、ベイナイト変態を起こさせ、しか
も、マルテンサイトが生成しないようにすれば、耐HIC
性が向上する。
また、低YR鋼を得るには、ポリゴナルフェライト組織あ
るいは針状のアシキュラー・フェライト組織、またはフ
ェライトとベイナイトの混合組織が望ましい。このよう
な組織を有する鋼は、引張試験において降伏点伸びを示
さないS−S曲線を示し、低降伏比(約85%以下)を特
徴とする。
本発明の重要性は、単に低降伏比現象のみならず、この
低降伏比化と耐HIC性の向上という2つの重要な要素を
(L/P用鋼にとって)組み合わせた条件を見出したこと
である。
すなわち、均一かつ微細なフェライト−ベイナイト組織
を水冷によって得て、低降伏比化をはかり、また耐HIC
性をそこなう中心偏析部の低温変態組織やパーライトバ
ンド組織をなくすことにより耐HIC性の向上をはかる。
なお、このとき、合金元素の濃化も同時に可及的に抑
え、中心偏析も軽減されるように合金組成も調整する。
よって、本願発明の要旨とするところは、重量%で、 C:0.01〜0.20%、Si:0.03〜0.80%、Mn:0.40〜1.80%、 P:0.025%以下、S:0.002%以下、Ti:0.008〜0.15%、 sol.Al:0.01〜0.10% ならびに Cu:0.05〜0.50%および/または、Ca:0.0005〜0.0050%
およびREM:0.0005〜0.01%のうちの1種以上、 そして所望により、 Ni:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50
%、 Nb:0.01〜0.15%、およびV:0.01〜0.15%のうちの1種
以上 残部不可避不純物および鉄 から成る組成のCCスラブを加熱し、Ar3+150℃以下、Ar
3点以上の温度域で少なくとも50%以上の熱間圧延を行
い、Ar3点以上、850℃未満で該熱間圧延を終了し、Ar3
−30℃以上の温度域から、650℃以下、550℃以上の温度
域まで冷却速度15〜30℃/Sの範囲で加速水冷し、続いて
550℃以下、400℃以上の温度域まで、前記冷却速度より
小さい冷却速度3〜15℃/Sの範囲で加速水冷し、水冷停
止後放冷することを特徴とする、耐水素誘起割れ性に優
れかつ、低降伏比を特徴とする鋼板の製造方法である。
このようにして得た鋼板に、500℃以上、Ac1点以下の温
度域まで加熱し焼戻しを行ってもよい。
本発明はいわば2段水冷法とも言うべく、第1段の急水
冷(>Ar3−30℃→650〜550℃、15〜30℃/S)は、非常
に微細かつ均一にベイナイト変態が起こるように初析フ
ェライトの生成および成長を抑えるもので、第2段の緩
水冷(650〜550℃→550〜400℃、3〜15℃/S)は、パー
ライトの生成を防止し、かつ硬度が上昇し過ぎないよう
にベイナイト変態を続けて進行させ、その後、放冷して
マルテンサイトの生成を防止するものである。
(作用) 本発明において鋼組成を上述のように限定した理由は次
の通りである。
C: 鋼の強度確保のために0.01%以上を必要とし、また、鋼
の靱性確保および溶接低温割れの防止のため0.20%以下
とする。
Si: 鋼の強度確保および脱酸のために0.03%以上を必要と
し、また、鋼の靱性確保および焼戻脆化の防止のため0.
80%以下とする。
Mn: 鋼の強度および靱性の確保のため0.40%以上を必要と
し、またMnの増加によって偏析部の合金元素濃度が増加
するが、1.80%以下までは許容できる。
P: 少ないほど偏析部の合金元素濃度は減少し、耐HIC性に
優れるが、低P化することは製造コストを上昇させるの
で、本発明に悪影響を与えない範囲で可及的に高含有量
である0.025%を上限とする。しかし、少なければ少な
い程好ましいのは言うまでもない。
S: Sは0.002%超になると、Caによる形態制御が不能なMnS
が生成し、HICの起点となる。したがって、本発明にあ
ってSは0.002%以下に制限する。
Ti: TiNにより圧延組織の細粒化をはかり、第1段水冷時の
非常に微細かつ均一なベイナイト変態を起こすのを助長
する。TiNおよびTiCによる水素のトラップ効果で耐HIC
性を向上させるため0.008%以上を必要とし、一方、0.1
5%超になると靱性が著しく損なわれるため、上限を0.1
5%とする。
sol.Al: 鋼の脱酸のため0.01%以上を必要とし、また、清浄度を
確保するため0.10%以下とする。
本発明にあっては、その他、耐食性付与元素として、C
u、CaおよびREMの少なくとも1種を添加する。
Cu: 耐食性付与のため0.05%以上を添加する。
しかし、0.50%を超えると溶接性を損なう。
Ca: 鋼中介在物であるMnSの形態を制御し、耐HIC性を向上さ
せるために0.0005%以上を添加する。しかし、0.0050%
を超えると、Ca系介在物が逆に耐HIC性、耐SSCC性を劣
化させる。
REM: Caの場合と同様にMnSの形態の制御のため0.0005%以上
添加するが、0.01%を超えると、清浄度が損なわれ、耐
HIC性、耐SSCC性が低下する。
本発明にあっては、所望により、さらに強度調整元素と
して、Ni、Cr、Mo、Nb、Vの少なくとも1種を添加す
る。
Ni: 鋼の強度、靱性確保のため0.05%以上を必要とし、0.50
%を超えると耐SSCC性が劣化する。
Cr、Mo: いずれも鋼の強度、あるいは靱性確保のためそれぞれ0.
05%以上、0.50%以下を添加する。
Nb、V: いずれも鋼の強度、あるいは靱性確保のためそれぞれ0.
01%以上、0.15%以下を必要とする。
このような組成のCCスラブを、次に、本発明によって
は、熱間圧延そして2段加速水冷するが、第4図はこの
ときの水冷パターンを示すものである。
すなわち、熱間圧延を行う適宜温度に加熱してからAr3
+150℃以下、Ar3点以上の温度域で少なくとも50%以上
の熱間圧延を行い、Ar3点以上、850℃未満の仕上げ温度
で制御熱間圧延を行い、次いで、(Ar3点〜Ar3−30℃)
以上の範囲の温度から15〜30℃/Sの冷却速度で第1段加
速水冷を行なう。この第1段急水冷は650〜550℃の温度
範囲で停止し、次いで550〜400℃の範囲の温度にまで前
記冷却速度よりは小さい3〜15℃/Sの冷却速度で第2段
緩水冷を行い、その後放冷する。
本発明において熱間圧延条件ならびに前記急水冷および
緩水冷の水冷条件を上述のように限定した理由は次の通
りである。
まず、熱間圧延に当っては以下の熱間圧延が可能な温度
にまで加熱する。
熱間圧延はAr3〜Ar3+150℃の温度域で少なくとも50%
以上の熱間圧延を行うが、これはオーステナイト領域で
十分な圧延を行うためである。仕上温度はAr3点以上、8
50℃未満とするが、850℃以上の温度で圧延を終了する
と、十分な細粒とならず、高強度、高靱性が得られな
い。また、Ar3点未満で終了すると、所定の水冷開始温
度が得られない。
圧下率は、50%未満ではオーステナイト粒が十分な細粒
とならず、加速冷却しても均一な組織とならない。
水冷開始温度は、Ar3−30℃より低い温度では初析フェ
ライトの成長に伴い、偏析部に合金元素が濃化し水冷時
に低温変態組織が生成するので、耐HIC性が低下する。
より好ましくはAr3点以上が良い。
第1段水冷冷却速度は、下限を15℃/Sとし、これより小
では初析フェライトが多量に生成してしまうので均一か
つ微細なベイナイト変態が起こらず、低YRかつ耐HIC性
を満足しない。また、30℃/S超では、水冷停止温度のコ
ントロールが難しくなる。好ましくは18〜25℃/Sであ
る。
第1段水冷における水冷停止温度は、上限を650℃と
し、これより高い温度では水冷の効果がなく、初析フェ
ライトが成長し、一方、550℃未満ではベイナイトの硬
度上昇を招く。
第2段水冷冷却速度は、第1段水冷冷却速度より小と
し、下限を3℃/Sとし、これ未満では一部パーライトが
生成する。また、15℃/S超では、ベイナイトの硬度上昇
を引き起こし、ある成分系においてはマルテンサイトの
生成を招く。好ましくは、5〜10℃/Sである。
第2段水冷における水冷停止温度は、上限を550℃と
し、これを超えると放冷時にパーライトが生成してしま
う。また、400℃未満では水冷時にマルテンサイトが生
成してしまう。
第5図は、本発明の範囲内の後述する第1表の鋼Aに相
当する0.05%C材を830℃の仕上げ温度で熱間圧延を行
い、770℃から冷却速度25℃/Sで水冷を開始し、次いで6
00℃まで冷却してから第2段水冷を8℃/Sの冷却速度で
行い、放冷したときの第2段水冷停止温度とYR(%)さ
らにCLR(%)との関係を示すグラフである。第2段水
冷停止温度を400〜550℃とすることによりYR、CLRとも
に満足する範囲にくることが分かる。
さらに、本発明の好適態様にあっては、上述のように製
造された鋼板に焼戻し処理をするが、焼戻温度がAc1
超では再結晶が起きてしまう。一方、500℃未満では、
焼戻による効果が得られない。
次に、本発明を実施例によってさらに説明する。
実施例 第1表に示す組成の供試鋼を使い、慣用法によりCCスラ
ブを製造し、これを第2表および第3表に示す条件下で
熱間圧延そして加速冷却を行った。
得られた熱間圧延材の機械的特性および耐HIC性につい
て同じく第2表および第3表にまとめて示す。
第2表は、0.05%C材における従来水冷法、本発明法そ
れぞれによって製造した鋼のYRおよび耐HIC性の比較を
示す。
第2表に示す結果からも明らかなように、従来の水冷法
でも水冷条件によっては耐HIC性を満足するが、YRは必
ずしも85%以下にならない。また、YRを85%以下にしよ
うと思えば、水冷停止温度を下げねばならず、耐HIC性
を損なう。この点、本発明方法では、耐HIC性も、YR85
%以下も両方とも満足する鋼板が得られている。
第3表は、第1表に示した各鋼種B〜Fによる同様な実
施例についてその製造条件および機械的特性そしてYRお
よび耐HIC性をまとめて示すものである。
第3表に示す結果からも明らかなように、本発明による
ものはYRおよび耐HIC性のいずれも所要条件を満足す
る。しかし、F鋼は、Tiを含んでいないので、耐HIC性
または低YRのいずれかを満足しない。
第6図(a)ないし(f)は本例により製造された各種
鋼板の顕微鏡組織写真を示す。
第6図(a)は第2表のA9の顕微鏡組織写真(×100)
を、第6図(b)は同じく拡大したもの(×500)を示
す。均一、微細なフェライト+ベイナイト組織になって
いるのがわかる。
第6図(c)は、第1表のB鋼を仕上げ温度910℃で熱
間圧延を行い、次いでこれを840℃から540℃まで25℃/S
の冷却速度で急冷したときの鋼組織(×100)を示すも
ので、マルテンサイトが生成しているのが分かる。第6
図(d)は同じ×500の顕微鏡組織写真である。
第6図(e)は第2表のAlの顕微鏡組織写真(×100)
を示すものである。これは、従来の一段冷却によるもの
であり、冷却速度は12℃/Sと遅いためパーライトが生成
しているのが分かる。第6図(f)は同じ×500の顕微
鏡組織の写真を示すものである。
なお、耐HIC性の試験は第7図および第8図に示す要領
で行った。
すなわち、HIC試験には、第7図に示すように鋼板より
表裏面2mm切削した厚さで、幅100mm、長さ100mmの板状
試験片を全幅にわたって採取し、同じく長さ方向にも数
ヶ所採取した。これらの試験片は、600メッシュエメリ
ー研磨した後、アセトン脱脂した。HIC試験に用いた試
験液は、NACE液と呼ばれるもので0.5%酢酸(CH3CO2H)
−5%食塩(NaCl)水溶液で試験中はH2Sを通気し、飽
和状態にした。温度は25℃で100時間試験した。
第8図に、HIC試験後の試験片端面を示すが、このとき
観察されるHICを板幅方向の割れの長さ(aij)で測定
し、断面幅に対するこのaijの総和の比を割れ長さ率
(%)(C.L.R.)とした。そして、耐HIC適中率は、次
式で表す。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、従来法の代表的水冷パターンを
示す線図; 第3図は、従来法における水冷停止温度とYR(%)およ
びCLR(%)との関係を示すグラフ; 第4図は、本発明方法の水冷パターンを示す線図、 第5図は、本発明方法における第2段水冷停止温度とYR
(%)およびCLR(%)との関係を示すグラフ;および 第6図(a)ないし(f)は実施例により製造された鋼
板を比較例のそれとともに示す顕微鏡金属組織写真; 第7図および第8図は、HIC試験および耐HIC性評価要領
を示す略式説明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.01〜0.20%、Si:0.03〜0.80%、Mn:0.40〜1.80%、 P:0.025%以下、S:0.002%以下、Ti:0.008〜0.15%、 sol.Al:0.01〜0.10% ならびに Ca:0.0005〜0.0050%、およびREM:0.0005〜0.01%のう
    ちの1種以上、 残部不可避不純物および鉄 から成る組成のCCスラブを加熱し、Ar3+150℃以下、Ar
    3点以上の温度域で、少なくとも50%以上の熱間圧延を
    行い、Ar3点以上、850℃未満で該熱間圧延を終了し、Ar
    3−30℃以上の温度域から、650℃以下、550℃以上の温
    度域まで冷却速度15〜30℃/Sの範囲で加速水冷し、続い
    て550℃以下、400℃以上の温度域まで、前記冷却速度よ
    り小さい冷却速度3〜15℃/Sの範囲で加速水冷し、水冷
    停止後放冷することを特徴とする、耐水素誘起割れ性に
    優れかつ、低降伏比を特徴とする鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】重量%で、 C:0.01〜0.20%、Si:0.03〜0.80%、Mn:0.40〜1.80%、 P:0.025%以下、S:0.002%以下、Ti:0.008〜0.15%、 sol.Al:0.01〜0.10% ならびに Ca:0.0005〜0.0050%、およびREM:0.0005〜0.01%のう
    ちの1種以上、 および Ni:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50
    %、Nb:0.01〜0.15%、およびV:0.01〜0.15%のうちの
    1種以上 残部不可避不純物および鉄 から成る組成のCCスラブを加熱し、Ar3+150℃以下、Ar
    3点以上の温度域で、少なくとも50%以上の熱間圧延を
    行い、Ar3点以上、850℃未満で該熱間圧延を終了し、Ar
    3−30℃以上の温度域から、650℃以下、550℃以上の温
    度域まで冷却速度15〜30℃/Sの範囲で加速水冷し、続い
    て550℃以下、400℃以上の温度域まで、前記冷却速度よ
    り小さい冷却速度3〜15℃/Sの範囲で加速水冷し、水冷
    停止後放冷することを特徴とする、耐水素誘起割れ性に
    優れかつ、低降伏比を特徴とする鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】重量%で、 C:0.01〜0.20%、Si:0.03〜0.80%、Mn:0.40〜1.80%、 P:0.025%以下、S:0.002%以下、Ti:0.008〜0.15%、 sol.Al:0.01〜0.10%、Cu:0.05〜0.50%、 ならびに Ca:0.0005〜0.0050%、およびREM:0.0005〜0.01%のう
    ちの1種以上、 残部不可避不純物および鉄 から成る組成のCCスラブを加熱し、Ar3+150℃以下、Ar
    3点以上の温度域で、少なくとも50%以上の熱間圧延を
    行い、Ar3点以上、850℃未満で該熱間圧延を終了し、Ar
    3−30℃以上の温度域から、650℃以下、550℃以上の温
    度域まで冷却速度15〜30℃/Sの範囲で加速水冷し、続い
    て550℃以下、400℃以上の温度域まで、前記冷却速度よ
    り小さい冷却速度3〜15℃/Sの範囲で加速水冷し、水冷
    停止後放冷することを特徴とする、耐水素誘起割れ性に
    優れかつ、低降伏比を特徴とする鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】重量%で、 C:0.01〜0.20%、Si:0.03〜0.80%、Mn:0.40〜1.80%、 P:0.025%以下、S:0.002%以下、Ti:0.008〜0.15%、 sol.Al:0.01〜0.10%、Cu:0.05〜0.50%、 ならびに Ca:0.0005〜0.0050%、およびREM:0.0005〜0.01%のう
    ちの1種以上、 および Ni:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50
    %、Nb:0.01〜0.15%、 およびV:0.01〜0.15%のうちの1種以上 残部不可避不純物および鉄 から成る組成のCCスラブを加熱し、Ar3+150℃以下、Ar
    3点以上の温度域で、少なくとも50%以上の熱間圧延を
    行い、Ar3点以上、850℃未満で該熱間圧延を終了し、Ar
    3−30℃以上の温度域から、650℃以下、550℃以上の温
    度域まで冷却速度15〜30℃/Sの範囲で加速水冷し、続い
    て550℃以下、400℃以上の温度域まで、前記冷却速度よ
    り小さい冷却速度3〜15℃/Sの範囲で加速水冷し、水冷
    停止後放冷することを特徴とする、耐水素誘起割れ性に
    優れかつ、低降伏比を特徴とする鋼板の製造方法。
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