JPH0773589B2 - 義歯アタッチメントの吸引力の調整方法 - Google Patents
義歯アタッチメントの吸引力の調整方法Info
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- JPH0773589B2 JPH0773589B2 JP2182138A JP18213890A JPH0773589B2 JP H0773589 B2 JPH0773589 B2 JP H0773589B2 JP 2182138 A JP2182138 A JP 2182138A JP 18213890 A JP18213890 A JP 18213890A JP H0773589 B2 JPH0773589 B2 JP H0773589B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気吸引力を利用した義歯アタッチメントの吸
引力の調整方法に係り、詳しくは歯根部に埋設される根
面板上面に接着された軟磁性合金からなる保持板と義歯
床内に埋設される磁性体とからなる義歯アタッチメント
の吸引力の調整方法に関する。
引力の調整方法に係り、詳しくは歯根部に埋設される根
面板上面に接着された軟磁性合金からなる保持板と義歯
床内に埋設される磁性体とからなる義歯アタッチメント
の吸引力の調整方法に関する。
[従来の技術] 従来、磁気吸引力を利用した義歯としては、例えば第8
図および第9図に示されるものが提案されている(特開
昭62−231653号公報)。この義歯は、歯槽91内の根92に
埋設した磁性材料からなる根面板93に対向するように、
義歯部95を設けたものである。しかして、この義歯部95
は、下方にプラスチック等からなる義歯床94を有し、該
義歯床94内には前記根面板93に対向する位置に磁性体8
を有している。
図および第9図に示されるものが提案されている(特開
昭62−231653号公報)。この義歯は、歯槽91内の根92に
埋設した磁性材料からなる根面板93に対向するように、
義歯部95を設けたものである。しかして、この義歯部95
は、下方にプラスチック等からなる義歯床94を有し、該
義歯床94内には前記根面板93に対向する位置に磁性体8
を有している。
該磁性体8は第9図に示すごとく、上方部に突起83を有
するステンレス鋼製ケース81の中に磁石82を配置したも
のである。しかして、上記磁石82としては、強力な磁力
を有するSm(サマリウム)−Co(コバルト)系の希土類
磁石が用いられている。
するステンレス鋼製ケース81の中に磁石82を配置したも
のである。しかして、上記磁石82としては、強力な磁力
を有するSm(サマリウム)−Co(コバルト)系の希土類
磁石が用いられている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の磁石は、いずれもその磁石吸引力
が200g〜300g程度と低い。この吸引力は、旧来より多用
されている生歯間にバネで機械的に保持する場合の500g
以上の力に対して低い。
が200g〜300g程度と低い。この吸引力は、旧来より多用
されている生歯間にバネで機械的に保持する場合の500g
以上の力に対して低い。
また、磁石は口腔内で腐食し易いため、希土類磁石が口
腔内に露出している場合には、磁石が錆びて急速な吸引
力の減衰と共に安全上も問題があった。また、防錆のた
めに前記公報のごとく、ステンレス鋼等の非磁性合金の
ケースで磁石体全体を被覆した場合には、磁石と根面板
との間に非磁性合金が介在するため、吸引力が低下して
しまう。
腔内に露出している場合には、磁石が錆びて急速な吸引
力の減衰と共に安全上も問題があった。また、防錆のた
めに前記公報のごとく、ステンレス鋼等の非磁性合金の
ケースで磁石体全体を被覆した場合には、磁石と根面板
との間に非磁性合金が介在するため、吸引力が低下して
しまう。
かかる問題点に鑑み、発明者等は先に、根面板に対して
垂直な一対のヨークの間に希土類磁石の磁石を配置し、
かつ該磁石の下面に非磁性合金のスペーサを配置し、ヨ
ークとスペーサの根面板側を除いてキャップで被冠した
磁性体とからなる義歯アタッチメントを提案した。
垂直な一対のヨークの間に希土類磁石の磁石を配置し、
かつ該磁石の下面に非磁性合金のスペーサを配置し、ヨ
ークとスペーサの根面板側を除いてキャップで被冠した
磁性体とからなる義歯アタッチメントを提案した。
発明者等の前記提案に係る義歯アタッチメントは、一対
のヨークには軟磁性合金を用いているので、2つのヨー
クと根面板の間に磁気回路が形成され、大きな吸引力を
発生することができる。また、スペーサおよびキャップ
はヨークと根面板の間に介在せず、かつ非磁性合金によ
り構成しているので、強い吸引力に確保できる。また、
根面板の上面に13Cr−2Mo、17Cr−2Mo等の軟磁性合金か
らなる保持板を接着すれば、さらに吸引力を向上でき
る。
のヨークには軟磁性合金を用いているので、2つのヨー
クと根面板の間に磁気回路が形成され、大きな吸引力を
発生することができる。また、スペーサおよびキャップ
はヨークと根面板の間に介在せず、かつ非磁性合金によ
り構成しているので、強い吸引力に確保できる。また、
根面板の上面に13Cr−2Mo、17Cr−2Mo等の軟磁性合金か
らなる保持板を接着すれば、さらに吸引力を向上でき
る。
ところで、義歯を設計する場合において、歯根の状態や
義歯の形状から義歯アタッチメントの吸引力が調整でき
ることが好ましい。然るに、前記提案における義歯アタ
ッチメントは極めて優れた吸引力を有するのであるが、
吸引力の調整をすることができないという問題点があ
る。
義歯の形状から義歯アタッチメントの吸引力が調整でき
ることが好ましい。然るに、前記提案における義歯アタ
ッチメントは極めて優れた吸引力を有するのであるが、
吸引力の調整をすることができないという問題点があ
る。
また、従来においては、根面板側におけるキャップとヨ
ークおよひスペーサとの境界面およびヨークとスペーサ
の境界面はろう付けによるか接着剤また樹脂により接着
するものであった。
ークおよひスペーサとの境界面およびヨークとスペーサ
の境界面はろう付けによるか接着剤また樹脂により接着
するものであった。
境界面をろう付けにより接着する場合は、電食によって
ヨークが腐食するおそれがあり、各部材との密着性が不
安定でろう材が剥離することがある。また、ろう流れの
不良により隙間が残りシールが不完全になることがあ
り、そのためその隙間から腐食が進行する。さらに、ろ
う材は強度が弱いため、強い外部応力が作用すると接合
部が剥離することがある。
ヨークが腐食するおそれがあり、各部材との密着性が不
安定でろう材が剥離することがある。また、ろう流れの
不良により隙間が残りシールが不完全になることがあ
り、そのためその隙間から腐食が進行する。さらに、ろ
う材は強度が弱いため、強い外部応力が作用すると接合
部が剥離することがある。
接着剤、例えばコンポジット系レジン(通称:パナビ
ア)、スーパーボンドまた樹脂を用いて境界面を接合す
る場合は、接合部そのものが耐久性に劣り、長期に亙る
唾液の侵入を完全に防ぐことができない。
ア)、スーパーボンドまた樹脂を用いて境界面を接合す
る場合は、接合部そのものが耐久性に劣り、長期に亙る
唾液の侵入を完全に防ぐことができない。
一方、キャップを無しにしてアタッチメント全体を金、
銀またはニッケルめっきをするという方策があるが、こ
の方策ではめっきが剥離しやすく、長期間に亙って防食
作用を維持することが困難である。
銀またはニッケルめっきをするという方策があるが、こ
の方策ではめっきが剥離しやすく、長期間に亙って防食
作用を維持することが困難である。
本発明は、根面板と根面板に対して垂直な一対のヨーク
の間に希土類磁石の磁石体を配置し、かつ該磁石体の下
面に非磁性合金のスペーサを配置し、ヨークとスペーサ
の根面板側を除いてキャップで被冠した磁性体とからな
る義歯アタッチメントにおける、吸引力の調整およびキ
ャップとヨークおよびスペーサとの接合部、ヨークとス
ペーサの接合部における前記のごとき問題点に鑑みてな
されたものであって、小型で高吸引力を有し唾液による
腐食から完全にシールするとともに、強度および耐久力
に優れ、根面板と磁性体の吸引力が容易に調整できる義
歯アタッチメントの吸引力の調整方法を提供することを
目的とする。
の間に希土類磁石の磁石体を配置し、かつ該磁石体の下
面に非磁性合金のスペーサを配置し、ヨークとスペーサ
の根面板側を除いてキャップで被冠した磁性体とからな
る義歯アタッチメントにおける、吸引力の調整およびキ
ャップとヨークおよびスペーサとの接合部、ヨークとス
ペーサの接合部における前記のごとき問題点に鑑みてな
されたものであって、小型で高吸引力を有し唾液による
腐食から完全にシールするとともに、強度および耐久力
に優れ、根面板と磁性体の吸引力が容易に調整できる義
歯アタッチメントの吸引力の調整方法を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 発明者等は前記問題を解決するため、根面板に取り付け
た保持板と磁性体の吸引力の変化と各部材との関連につ
いて鋭意研究を重ねた。その結果、吸引力と保持板厚さ
との間に第3図に示すような比例関係のあることを見出
だした。これに基づき根面板に接着する保持板の厚さを
調整することにより、根面板と磁性体の吸引力を調整で
きるという新たな知見を得て本発明を完成した。
た保持板と磁性体の吸引力の変化と各部材との関連につ
いて鋭意研究を重ねた。その結果、吸引力と保持板厚さ
との間に第3図に示すような比例関係のあることを見出
だした。これに基づき根面板に接着する保持板の厚さを
調整することにより、根面板と磁性体の吸引力を調整で
きるという新たな知見を得て本発明を完成した。
本発明の義歯アタッチメントの調整方法は、根面板に対
向するよう義歯床内に埋設される磁性体であって、根面
板側に設けた耐食非磁性合金からなるスペーサと、前記
スペーサを挟持して前記根面板側に向けて立設した耐食
軟磁性合金からなる一対のヨークと、前記スペーサの反
根面側にS極とN極を前記両ヨークに対向させて設けた
磁石と、前記磁石と前記一対のヨークおよび前記スペー
サの根面板側を除いて被冠したキャップとよりなる磁性
体と、 前記磁性体との吸引力を調整できるように歯根部に埋設
した根面板の磁性体側に接着した軟磁性合金からなる保
持板とからなる義歯アタッチメントの前記根面板と前記
磁性体の吸引力の調整方法であって、 前記保持板の厚さを変化させることにより、前記根面板
と前記磁性体の吸引力を調整することを要旨とする。
向するよう義歯床内に埋設される磁性体であって、根面
板側に設けた耐食非磁性合金からなるスペーサと、前記
スペーサを挟持して前記根面板側に向けて立設した耐食
軟磁性合金からなる一対のヨークと、前記スペーサの反
根面側にS極とN極を前記両ヨークに対向させて設けた
磁石と、前記磁石と前記一対のヨークおよび前記スペー
サの根面板側を除いて被冠したキャップとよりなる磁性
体と、 前記磁性体との吸引力を調整できるように歯根部に埋設
した根面板の磁性体側に接着した軟磁性合金からなる保
持板とからなる義歯アタッチメントの前記根面板と前記
磁性体の吸引力の調整方法であって、 前記保持板の厚さを変化させることにより、前記根面板
と前記磁性体の吸引力を調整することを要旨とする。
磁性体に用いる磁石としては、最大エネルギー積が20MG
Oe(メガ・ガウス・エルステッド)以上である希土類磁
石を用いることが好ましい。これにより、約500g以上の
吸引力を有する義歯アタッチメントとすることができ
る。かかる希土類磁石としては、Sm Co5、Sm Co17など
のSm−Co系合金、Nb−Fe−B系合金などがある。
Oe(メガ・ガウス・エルステッド)以上である希土類磁
石を用いることが好ましい。これにより、約500g以上の
吸引力を有する義歯アタッチメントとすることができ
る。かかる希土類磁石としては、Sm Co5、Sm Co17など
のSm−Co系合金、Nb−Fe−B系合金などがある。
また、ヨークおよび保持板の軟磁性合金としては、飽和
磁束密度13000G以上、透磁率3000以上のものを用いるこ
とが好ましい。かかる特性を有するヨークおよび保持板
の軟磁性合金としては、純鉄、13Cr−2Mo鋼、17Cr−2Mo
鋼などがある。また、ヨークおよび保持板の軟磁性合金
の飽和磁束密度が20000G以上の場合には、更に吸引が増
大する。かかる軟磁性合金としては純鉄がある。なお、
第4図および第5図に飽和磁束密度および最大エネルギ
ー積と吸引力の関係を示した。
磁束密度13000G以上、透磁率3000以上のものを用いるこ
とが好ましい。かかる特性を有するヨークおよび保持板
の軟磁性合金としては、純鉄、13Cr−2Mo鋼、17Cr−2Mo
鋼などがある。また、ヨークおよび保持板の軟磁性合金
の飽和磁束密度が20000G以上の場合には、更に吸引が増
大する。かかる軟磁性合金としては純鉄がある。なお、
第4図および第5図に飽和磁束密度および最大エネルギ
ー積と吸引力の関係を示した。
保持板の厚さの調節は、0.3mm以上の範囲とすることが
望ましい。0.3mm未満であると義歯を維持できる吸引力
が得られないからである。
望ましい。0.3mm未満であると義歯を維持できる吸引力
が得られないからである。
また、本発明の義歯アタッチメントにおいては、接合部
の溶接はレーザ溶接または電子ビーム溶接を用いること
ができるが、溶接による溶け込み深さが0.02mm以上であ
って、スペーサの高さ以下とすることが好ましい。接合
部の溶接の溶け込み深さが0.02mm以下であると、接合部
の充分な強度が得られず、また唾液に対するシール性が
確保できないからである。逆に、接合部の溶接の溶け込
み深さがスペーサの高さ以上になると、磁石対に溶接の
熱影響が及び磁性体の磁気特性を劣化するからである。
の溶接はレーザ溶接または電子ビーム溶接を用いること
ができるが、溶接による溶け込み深さが0.02mm以上であ
って、スペーサの高さ以下とすることが好ましい。接合
部の溶接の溶け込み深さが0.02mm以下であると、接合部
の充分な強度が得られず、また唾液に対するシール性が
確保できないからである。逆に、接合部の溶接の溶け込
み深さがスペーサの高さ以上になると、磁石対に溶接の
熱影響が及び磁性体の磁気特性を劣化するからである。
なお、本発明においては、スペーサ高さは0.05〜1.0mm
とすることが好ましい。スペーサ高さが0.05mm以下であ
ると充分な耐摩耗性を確保することが困難であり、従っ
てシール性および接合部の充分な強度も得られない。し
かし、スペーサ高さが1.0mmを超えると、磁気吸引力が
充分でなくなる。
とすることが好ましい。スペーサ高さが0.05mm以下であ
ると充分な耐摩耗性を確保することが困難であり、従っ
てシール性および接合部の充分な強度も得られない。し
かし、スペーサ高さが1.0mmを超えると、磁気吸引力が
充分でなくなる。
また、接合部の耐食性を向上させるため、ヨークには重
量比でC;0.03%以下、Cr;11〜30%、Mo;4%以下の耐食
軟磁性合金を用い、スペーサおよびキャップにはTiまた
はTi合金もしくはC;0.03%以下の非磁性ステンレス鋼を
用いることが好ましい。なお、耐食軟磁性合金には必要
に応じてNbまたはTiを添加することも可能である。
量比でC;0.03%以下、Cr;11〜30%、Mo;4%以下の耐食
軟磁性合金を用い、スペーサおよびキャップにはTiまた
はTi合金もしくはC;0.03%以下の非磁性ステンレス鋼を
用いることが好ましい。なお、耐食軟磁性合金には必要
に応じてNbまたはTiを添加することも可能である。
[作用] 本発明の義歯アタッチメントの吸引力調整方法は、根面
板に接合した保持板の厚さを変化することによって、吸
引力を容易に調整することができ、義歯の設計および施
工が非常に効率的にできる。
板に接合した保持板の厚さを変化することによって、吸
引力を容易に調整することができ、義歯の設計および施
工が非常に効率的にできる。
[実施例] 本発明の実施例について従来例と共に説明し、本発明の
効果を明らかにする。
効果を明らかにする。
先ず、本発明が適用される義歯アタッチメントの構造に
ついて説明する。第1図は本発明が適用される義歯アタ
ッチメントの断面図、第2図は磁性体の分解斜視図であ
る。スペーサ13は耐食非磁性合金からなり、磁性体10の
根面板側の中央を横断するように配置され、その両側に
は耐食軟磁性合金からなる一対のヨーク11、11が根面板
93に向けて立設され、スペーサ13を挟持する形となって
いる。磁石12は一対のヨーク11、11の間に嵌挿され、一
方のヨーク11にN極が、他方のヨーク11にS極が相接す
るようにしてスペーサ13の上に配置されている。キャッ
プ14は耐食非磁性合金からなり、スペーサ13、ヨーク1
1、11および磁石12が組み合わされて一体となったもの
を、根面板に対面する下面を除いて全周面を覆ってい
る。また、根面板93の磁性体側には保持板96が鋳接によ
り接着されている。以上の構成からなる義歯アタッチメ
ントについて、本発明例として第1表〜第3表に示すよ
うに、各部品の寸法、磁気特性および材料を3通り選ん
で、レーザ溶接により接合した。
ついて説明する。第1図は本発明が適用される義歯アタ
ッチメントの断面図、第2図は磁性体の分解斜視図であ
る。スペーサ13は耐食非磁性合金からなり、磁性体10の
根面板側の中央を横断するように配置され、その両側に
は耐食軟磁性合金からなる一対のヨーク11、11が根面板
93に向けて立設され、スペーサ13を挟持する形となって
いる。磁石12は一対のヨーク11、11の間に嵌挿され、一
方のヨーク11にN極が、他方のヨーク11にS極が相接す
るようにしてスペーサ13の上に配置されている。キャッ
プ14は耐食非磁性合金からなり、スペーサ13、ヨーク1
1、11および磁石12が組み合わされて一体となったもの
を、根面板に対面する下面を除いて全周面を覆ってい
る。また、根面板93の磁性体側には保持板96が鋳接によ
り接着されている。以上の構成からなる義歯アタッチメ
ントについて、本発明例として第1表〜第3表に示すよ
うに、各部品の寸法、磁気特性および材料を3通り選ん
で、レーザ溶接により接合した。
さらに、従来例として、構造および材質の異なる義歯ア
タッチメント(従来例DおよびE)についても、第4表
および第5表に示す各部材の寸法、磁気特性および材料
により、歯科用接着剤により接着した。なお、従来例D
の義歯アタッチメントの磁性体は第6図に示すごとく、
断面逆U字のヨーク71と、その中に上下方向にS極とN
極と配した磁石72とよりなる。磁石72は保持板96を接着
した根面板93と直接接触する状態にある。また、従来例
Eの義歯アタッチメントは第7図に示すごとく、前記従
来例Dと同じ構造の磁性体に保持板96と対向する部分全
面に、非磁性箔73を配設したものである。
タッチメント(従来例DおよびE)についても、第4表
および第5表に示す各部材の寸法、磁気特性および材料
により、歯科用接着剤により接着した。なお、従来例D
の義歯アタッチメントの磁性体は第6図に示すごとく、
断面逆U字のヨーク71と、その中に上下方向にS極とN
極と配した磁石72とよりなる。磁石72は保持板96を接着
した根面板93と直接接触する状態にある。また、従来例
Eの義歯アタッチメントは第7図に示すごとく、前記従
来例Dと同じ構造の磁性体に保持板96と対向する部分全
面に、非磁性箔73を配設したものである。
以上のようにして調製した本発明例および従来例の義歯
アタッチメントについて、耐食性、耐摩耗性および吸引
力について測定し、測定結果を第6表に示した。
アタッチメントについて、耐食性、耐摩耗性および吸引
力について測定し、測定結果を第6表に示した。
耐食性については、磁性体を37℃の人口唾液中に、1000
時間浸漬した後の変色度で評価し、変色しなかったもの
についてはO、変色が見られたものは×で示した。
時間浸漬した後の変色度で評価し、変色しなかったもの
についてはO、変色が見られたものは×で示した。
耐摩耗性については、根面板と磁性体とを500gの荷重で
1000回擦った後のアタッチメント側表面の状態を以て評
価し、耐摩耗性が優秀で変化のなかったものについては
Oで、欠けた部分の見られたものについては×で示し
た。
1000回擦った後のアタッチメント側表面の状態を以て評
価し、耐摩耗性が優秀で変化のなかったものについては
Oで、欠けた部分の見られたものについては×で示し
た。
吸引力については、磁性体の根面板との間の磁気級引力
(g)を測定した。
(g)を測定した。
第6表の測定結果に示したように、第4表の従来例Dお
よび第5表の従来例Eは、吸引力が200〜300gと低く、
接合部が共に接着剤付けであるため、耐食性、耐摩耗性
が共に劣る。
よび第5表の従来例Eは、吸引力が200〜300gと低く、
接合部が共に接着剤付けであるため、耐食性、耐摩耗性
が共に劣る。
これに対して本発明例である第1表〜第3表の発明例A
〜Cは、キャップ、ヨークおよびスペーサの根面板側の
境界面を溶接したことにより、耐食性および耐摩耗性が
いずれも優れており、吸引力も520〜900gと優れてお
り、保持板の厚さを変えることにより吸引力が調製でき
ることが判明し、本発明の効果が確認できた。
〜Cは、キャップ、ヨークおよびスペーサの根面板側の
境界面を溶接したことにより、耐食性および耐摩耗性が
いずれも優れており、吸引力も520〜900gと優れてお
り、保持板の厚さを変えることにより吸引力が調製でき
ることが判明し、本発明の効果が確認できた。
[発明の効果] 本発明の義歯アタッチメントの吸引力の調製方法、根面
板に接着した保持板と根面板に対して垂直な一対のヨー
クの間に希土類磁石の磁石体を配置し、かつ該磁石体の
下面に非磁性合金のスペーサを配置し、ヨークとスペー
サの根面板側を除いてキャップで被冠した磁性体とから
なる義歯アタッチメントにおいて、前記保持板の厚さを
変化させることにより、根面板と磁性体の吸引力を調整
することができる。
板に接着した保持板と根面板に対して垂直な一対のヨー
クの間に希土類磁石の磁石体を配置し、かつ該磁石体の
下面に非磁性合金のスペーサを配置し、ヨークとスペー
サの根面板側を除いてキャップで被冠した磁性体とから
なる義歯アタッチメントにおいて、前記保持板の厚さを
変化させることにより、根面板と磁性体の吸引力を調整
することができる。
第1図は本発明が適用される義歯アタッチメントの断面
図、第2図は第1図の磁性体の分解斜視図、第3図は保
持板の厚さと吸引力の関係を示す線図、第4図および第
5図は飽和磁束密度および最大エルネギー積と吸引力と
の関係を示す線図、第6図および第7図は従来の義歯ア
タッチメントの基本構造を説明する断面図、第8図は従
来の義歯の断面図、第9図は従来の義歯アタッチメント
の磁性体の断面図である。 1……義歯アタッチメント、10……磁性体、11……ヨー
ク、12……磁石、13……スペーサ、14……キャップ、91
……歯槽、93……根面板、94……義歯床、95……義歯
部、96……保持板、8……従来の義歯アタッチメントの
磁性体
図、第2図は第1図の磁性体の分解斜視図、第3図は保
持板の厚さと吸引力の関係を示す線図、第4図および第
5図は飽和磁束密度および最大エルネギー積と吸引力と
の関係を示す線図、第6図および第7図は従来の義歯ア
タッチメントの基本構造を説明する断面図、第8図は従
来の義歯の断面図、第9図は従来の義歯アタッチメント
の磁性体の断面図である。 1……義歯アタッチメント、10……磁性体、11……ヨー
ク、12……磁石、13……スペーサ、14……キャップ、91
……歯槽、93……根面板、94……義歯床、95……義歯
部、96……保持板、8……従来の義歯アタッチメントの
磁性体
Claims (1)
- 【請求項1】根面板に対向するよう義歯床内に埋設され
る磁性体であって、根面板側に設けた耐食非磁性合金か
らなるスペーサと、前記スペーサを挟持して前記根面板
側に向けて立設した耐食軟磁性合金からなる一対のヨー
クと、前記スペーサの反根面側にS極とN極を前記両ヨ
ークに対向させて設けた磁石と、前記磁石と前記一対の
ヨークおよび前記スペーサの根面板側を除いて被冠した
キャップとよりなる磁性体と、 前記磁性体との吸引力を調整できるように歯根部に埋設
した根面板の磁性体側に接着した軟磁性合金からなる保
持板とからなる義歯アタッチメントの前記根面板と前記
磁性体の吸引力の調整方法であって、 前記保持板の厚さを変化させることにより、前記根面板
と前記磁性体の吸引力を調整することを特徴とする義歯
アタッチメントの吸引力の調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2182138A JPH0773589B2 (ja) | 1990-07-10 | 1990-07-10 | 義歯アタッチメントの吸引力の調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2182138A JPH0773589B2 (ja) | 1990-07-10 | 1990-07-10 | 義歯アタッチメントの吸引力の調整方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0471550A JPH0471550A (ja) | 1992-03-06 |
JPH0773589B2 true JPH0773589B2 (ja) | 1995-08-09 |
Family
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-
1990
- 1990-07-10 JP JP2182138A patent/JPH0773589B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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JPH0471550A (ja) | 1992-03-06 |
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