JPH0773539B2 - 机 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、いわゆるOA機器類を載置して使用するのに好
適な机に関するものである。

［従来の技術］ 机の天板上にOA機器類を載置して使用する場合には、床
から立ち上げた電力線や通信線等をその機器類にまで導
く必要があり、その配線の処理が問題となる。

従来、この種机では、フロントパネルとその内側に配設
したインナーパネルとの間にダクト空間を形成するとと
もに、天板の先端部分に配線通過用のスリットを設けて
おき、床等から導出させた配線をそのダクト空間内に導
き、そのダクト空間内から配線通過用のスリットを通し
て天板上に案内するようにしている。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、このような構成のものでは、机のフロント部
分を必ず２重壁構造にしなければならないため、構造の
簡略化や軽量化が難しいという問題がある。また、この
ようなものでは、配線の余長部分の多少や、コンセント
その他の配線付属機器の配置状態等に無関係に、ダクト
空間が一定に定められているため、空間の有効利用に難
点がある。

本発明は、以上のような課題を解消することを目的とし
ている。

［目的を達成するための手段］ 本発明は、このような目的を達成するために、次のよう
な構成を採用したものである。

すなわち、本発明に係る机は、天板を左右のサイドパネ
ルにより支持するとともに、それら両サイドパネルの先
端縁部間をフロントパネルにより連結し、そのフロント
パネルの上縁と天板との間に配線通過用のスリットを形
成し、前記フロントパネルの内面側に上方に開口した受
枠を複数段に突設しておき、それら受枠に配線保持用の
樋を選択的に装着し得るように構成した机であって、前
記樋を、基端に横断面ハの字に拡開する弾性片を有して
いるとともに、基端近傍部の下面に係止片を備えてなる
ものにし、前記弾性片をフロントパネルの内面に押し付
けて弾性変形させつつその係止片を前記受枠内に挿入さ
せることによって、該樋をフロントパネルの内面側に装
着するようにしたことを特徴とする。

床から立ち上げた配線を目立たないようにして樋上に導
くには、配線保持用の樋の端部とサイドパネルの内面と
の間に配線挿通用の隙間を形成しておくのがよい。

配線の余長部分の処理をうまく行うには、受枠に配線掛
止用のフックを着脱可能に装着し得るように構成してお
くのが望ましい。

［作用］ このような構成によれば、床から立ち上げた配線は、サ
イドパネルと樋との間の隙間等、適宜な経路を通して該
樋上に導かれ保持される。そして、この樋上から上方に
引き出された配線は、配線通過用のスリットを通して天
板上に案内される。

しかして、配線が単純で余長部分などがあまり存在しな
い場合には、樋を高位置に設けた受枠に装着し、その樋
の下方空間を、配線以外の用途に利用することが可能と
なる。一方、配線の種類や余長部分が多い場合等には、
樋を低位置に設けた受枠に装着し、樋の上方空間を全て
配線用として利用すればよい。いずれの場合も、配線
は、樋によりフロントパネルの内面近傍に保持されるこ
とになり、必ずしも２重壁構造を採用することなしに、
配線を乱れないようにして、天板上に案内することが可
能となる。

しかも、樋を前述したようなものにすれば、フロントパ
ネルの内面に弾接させた弾性片の反発力によって該樋の
係止片が受枠の内面に常時押し付けられることになる。
そのため、樋をがたつきなく確実に受枠に保持させてお
くことができるる。また、前記弾性片がフロントパネル
に密着することになるので、この樋とフロントパネルと
の間に隙間が生じるのを防止することができ、細い配線
類が隙間に落ち込むのを防止することができる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を第１図から第８図を参照して
説明する。

この椅子は、第１図〜第３図に示すように、天板１を左
右のサイドパネル２により支持するとともに、それら両
サイドパネル２の先端縁部2s間をフロントパネル３によ
り連結し、そのフロントパネル３の上縁3jと前記天板１
の先端縁1sとの間に配線通過用のスリット４を設けてな
る。

天板１は、第１図〜第３図、及び、第５図に示すよう
に、構造板11の上面に化粧板12を添設するとともに、下
面に補強用の横桟13を複数本平行に固設したもので、そ
の横桟13をサイドパネル２のブラケット21にボルト14を
用いて止着してある。

サイドパネル２は、第５図、及び、第６図に示すよう
に、アジャスタ22を介して床Ｆ上に載置されるベース部
23と、このベース部23の先端側すなわち反使用端側の上
面に立設した胴部24と、この胴部24の上端から使用両側
に延出させたアーム部25とを具備してなるもので、全体
として天板１を支える脚としての役割を担っている。そ
して、このサイドパネル２の先端近傍部2kに、第４図，
及び、第６図に示すように、内面2n側へ開口する凹溝26
を該サイドパネル２の下端部から上端部に亘って形成し
ている。詳述すれば、前記胴部24は、第５図に示すよう
に、表面板材24aを偏平筒状に成形して、その両端縁24
b、24cを該サイドパネル２の内面2n側に位置させてい
る。そして、その表面板材24aの内部に、両端縁24b、24
cを内側から補強し得るようにして補強枠材24d、24eを
固着するとともに、それら両補強枠材24d、24e同士を連
結枠材24fにより剛結し、それら両端縁24b、24c間に凹
溝26を形成している。しかして、この凹溝26は、胴部24
の下端から上端に亘って形成してある。そして、この凹
溝26に、カバー27を着脱可能に蓋着している。カバー27
は、合成樹脂製の押出成形品であり、凹溝26を閉塞する
面板27aと、凹溝26内に挿入される側片27bとを一体に備
えている。そして、その側片27bの外面に、前記端縁24
b、24cに係合する爪27cを設けている。カバー27の下端2
7uは、凹溝26の下端を閉塞するベース部23に当接させて
あるが、このカバー27の下端27uには逆Ｕ字状の配線通
過口28を開口させてある。すなわち、この配線通過口28
は、カバー27の面板27aの下端中央を切除することによ
り形成してある。カバー27の上端27jは、凹溝26の上端
部26jよりも下方に位置させてあり、凹溝26の上端部26j
を内方に向けて開放してある。なお、このカバー27の一
側縁には、一端内方に突出した後、机の反使用面側へ延
出する延出片27dが一体に形成してある。

フロントパネル３は、板金素材を偏平筐形に折曲成形し
てなるもので、内方に折曲げた左右の側片31を、上下に
配したボルト32を用いて前記各サイドパネル２の先端縁
部2sにそれぞれ止着している。すなわち、前記サイドパ
ネル２の先端縁部2sの上端近傍部及び下端近傍部にはナ
ット33が埋設固定してあり、そのナット33に螺合させた
ボルト32で、フロントパネル３の側片31をサイドパネル
２の内面2nに緊締固着するようにしている。そして、第
１図、第２図、及び、第５図〜第７図に示すように、こ
のフロントパネル３の上端近傍部3k及び下端3uに、内面
側へ横断面Ｌ字形に突出する受枠34、35を設けており、
これら受枠34、35のいずれかに、配線保持用の樋６を着
脱可能に装着し得るようにしている。すなわち、樋36
は、例えば、合成樹脂製の押出成形品であり、その基端
に横断面ハの字に拡開する弾性片36aを有しているとと
もに、基端近傍部の下面に係止片36bを備えている。そ
して、その弾性片36aをフロントパネル３の内面3nに押
し付けて弾性変形させつつその係止片36bを前記受枠3
4、35内に押入させることによって、該樋36をフロント
パネル３の内面3n側に装着することができる。しかし
て、上部の受枠34に装着した場合の樋36は、第５図に実
線で示すように、カバー27の上端27jの近傍に位置し、
下部の受枠35に装着した場合の樋36は、第５図に想像線
で示すように、配線通過口28の中間高さに位置するよう
になっている。なお、この樋36の長手方向寸法は、サイ
ドパネル２の内面2n間の距離よりも小さく設定してあ
り、これによって、この樋３の端部36tとサイドパネル
２との間に配線Ａを通過させるための隙間ｃを形成して
ある。

また、このフロントパネル３の上縁3jに設けた上枠37に
は、合成樹脂製の化粧材38が装着してあり、その化粧材
38と、天板１との間にスリット４が形成してある。そし
て、このスリット４に蓋体41を開閉可能に蓋着してあ
る。蓋体41は、硬質合成樹脂製の本体41aと、軟質合成
樹脂製のヒンジ部41bを介して前記本体41aと一体に押出
成形された取付部41cとを具備してなるもので、その取
付部41cを前記化粧材38に形成した上向溝38aに弾性押入
して蝶持されている。なお、前記化粧材38に対向する天
板１の先端面には、アンダカット部15aを有した先端部
材15を設けるとともに、前記蓋体41における本体41aの
下面に、弾性爪41d、41eを一体に突設している。そし
て、蓋体41を閉止した場合に、使用端側の弾性爪41dが
天板１のアンダカット部15aに弾性係合するとともに、
先端側の弾性爪41eが化粧材38の下面38bに弾性係合し
て、この蓋体41を閉止位置に保持し得るようにしてあ
る。なお、左右の蓋体41間には、第３図に示すように、
該蓋体41と同様な横断面形状をなす補助蓋体42が配設し
てある。そして、これら各蓋体41、42は、各別に開閉さ
せ得るようにしてある。

このような構成によれば、床Ｆから立ち上げた配線Ａ
は、樋36上に導かれ保持される。そして、この樋36上か
ら上方に引き出された配線Ａは、配線通過用のスリット
１を通して天板１上に案内される。

しかして、配線Ａが単純で余長部分などがあまり存在し
ない場合には、第１図、及び、第５図に実線で示すよう
に、樋36を高位置に設けた受枠34に装着し、その樋36の
下方空間を、配線以外の用途、すなわち、足下空間を広
く使用したり、配線以外の他の機器類を配置する等。種
々の用途に利用することが可能となる。

一方、配線の種類や余長部分が多い場合等には、第２
図、及び、第５図の想像線に示すように、樋36を低位置
に設けた受枠35に装着し、樋36の上方空間を全て配線用
として利用すればよい。この場合には、第２図、及び、
第８図に示すように、上段側の受枠34に配線掛止用のフ
ック39を装着するのが望ましい。すなわち、上段側の受
枠34には、左右に細長い透孔34cが穿設してある。一
方、フック39は、１本の弾性線材を屈曲させて掛止部39
aと、対をなす脚部39bとを形成したもので、部材の弾性
変形を利用してその脚部39bを前記透孔34cの上面側開口
縁に係止させ得るようになっている。そして、このフッ
ク39に、例えば、第２図に示すように、配線Ａの余長部
分を掛止させておくことができる。

そして、いずれの場合も、配線Ａは、樋36によりフロン
トパネル３の内面近傍に保持されることになり、このフ
ロントパネル部分を２重壁構造にすることなしに、配線
Ａを乱れないようにして、天板１上に案内することが可
能となる。したがって、構造の簡略化、及び、軽量化を
図ることもできる。また、前記樋36は、その基端に設け
た弾性片36aの弾性変形を利用して所望の受枠34、35に
装脱することができるため、樋36の位置変更作業を容易
に行うことができる。その上、このような構成のもので
あれば、フロントパネル３の内面3nに弾接させた弾性片
36aの反発力によって該樋36の係止片36bが受枠34,35の
内面に常時押し付けられることになる。そのため、樋36
をがたつきなく確実に受枠34、35に保持させておくこと
ができる。また、前記弾性片36aがフロントパネル３に
密着することになるので、この樋36とフロントパネル３
との間に隙間が生じるのを防止することができる。

なお、以上説明した実施例では、フロントパネル部分に
保持させる配線Ａとして、途中にコンセントａを介在さ
せた電力線ｂを図示したが、通信線等の配線類も前記樋
を利用して床から天板上に導くことができるのは勿論で
ある。

［発明の効果］ 本発明は、以上のような構成であるから、構造の簡略化
並びに軽量化を図ることが可能であり、しかも、配線の
ための専有領域を配線の種類や余長等に応じて適宜変更
することによって、空間の有効利用を図ることができる
机を提供できるものである。しかも、配線のための専有
領域の変更を、部材の弾性変形を利用した樋の取付位置
変更により実現することができるため、その変更作業を
簡単かつ迅速に行うことができる。そして、前記樋の構
造を前述したようなものにしておけば、装着状態におい
てがたつきが発生したり、フロントパネルとの間に隙間
ができて配線類の落ち込みを招くような不具合を招くこ
ともなくなる。

そして、受枠にフックを設けておけば、配線の余長部分
の処理を適切に行うことが可能となり、樋の上方に形成
される配線空間を特に有効に利用することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本発明の一実施例を示し、第１図、及
び、第２図は正面図、第３図は平面図、第４図は第１図
におけるIV−IV線に沿う拡大断面図、第５図は第１図に
おけるＶ−Ｖ線に沿う拡大断面図、第６図、及び、第７
図は天板を省略して内部を示す斜視図である。第８図は
本発明の他の実施例を示す斜視図である。 １…天板、２…サイドパネル 2k…先端近傍部、2s…先端縁部 ３…フロントパネル、４…配線用のスリット 34、35…受枠、36…樋 39…フック

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】天板を左右のサイドパネルにより支持する
   とともに、それら両サイドパネルの先端縁部間をフロン
   トパネルにより連結し、そのフロントパネルの上縁と天
   板との間に配線通過用のスリットを形成し、前記フロン
   トパネルの内面側に上方に開口した受枠を複数段に突設
   しておき、それら受枠に配線保持用の樋を選択的に装着
   し得るように構成した机であって、前記樋を、基端に横
   断面ハの字に拡開する弾性片を有しているとともに、基
   端近傍部の下面に係止片を備えてなるものにし、前記弾
   性片をフロントパネルの内面に押し付けて弾性変形させ
   つつその係止片を前記受枠内に押入させることによっ
   て、該樋をフロントパネルの内面側に装着するようにし
   たことを特徴とする机。
2. 【請求項２】配線保持用の樋の端部とサイドパネルの内
   面との間に配線挿通用の隙間を形成していることを特徴
   とする請求項１記載の机。
3. 【請求項３】受枠に配線掛止用のフックを着脱可能に装
   着し得るように構成したことを特徴とする請求項１又は
   ２記載の机。