JPH077225A - 反射鏡 - Google Patents

反射鏡

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JPH077225A
JPH077225A JP5145999A JP14599993A JPH077225A JP H077225 A JPH077225 A JP H077225A JP 5145999 A JP5145999 A JP 5145999A JP 14599993 A JP14599993 A JP 14599993A JP H077225 A JPH077225 A JP H077225A
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light emitting
reflecting mirror
film
oxide
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JP5145999A
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Ayumi Tsujimura
歩 辻村
Kazuhiro Okawa
和宏 大川
Shigeo Yoshii
重雄 吉井
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視短波長領域で動作するII-VI 族化合物半
導体発光素子の光出力の有効な取り出しに不可欠な、光
出射面の低反射率反射鏡を提供する。 【構成】 ZnSe系レーザーダイオード7のへき開し
た端面に、それぞれ発振波長の1/2倍、1/4倍およ
び1/4倍の光学厚さであるAl2 3 膜8、MgO膜
9およびAl2 3 膜10を順に設けた反射鏡を形成
し、端面反射率4%を得た。前記積層構造の反射鏡は、
高周波マグネトロンスパッタリングを用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オプトエレクトロニク
ス材料として期待されるII−VI族化合物半導体を用いた
可視短波長半導体発光素子の光出射面に設ける低反射率
の反射鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】可視短波長領域で発振するII-VI 族化合
物半導体レーザーは、アプライド・フィジクス・レター
ズ第59巻第1272頁(Appl.Phys.Lett.Vol59(1991)1
272)に記載されているように、ZnCdSe/ZnSe
系単一量子井戸構造を用いて、世界で初めて、77Kに
おける490nm(青緑色)のパルス発振が報告された
ことに始まる。ここでは、レーザーの光共振器を構成す
る反射鏡は、結晶をへき開することによって得られるへ
き開面をそのまま利用している。端面での反射率は20
%程度で、発振のしきい値電流は74mAである。
【0003】また、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・
アプライド・フィジクス第30巻第3873頁(Jpn.J.
Appl.Phys.Vol30(1991)3873)に記載されているようなZ
nSeのp−n接合発光ダイオードがある。ここでは、
n型ZnSe基板を用いており、室温で465nm(青
色)の発光をp型側表面からも基板裏面からも取り出す
ことができるが、いずれの表面にも反射率を制御するた
めの層は設けられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反射鏡としてII−VI族
化合物半導体素子の表面やへき開面をそのまま用いる
と、素子を構成する半導体材料の屈折率に応じた反射率
しか得られず、レーザー出力や発光ダイオードの光出力
を有効に取り出すことができない。そのため、素子表面
または端面の光出射面に誘電体からなる反射鏡を形成
し、反射率を最適化する必要がある。つまり光出力の取
り出しを行なおうとする面には低反射率の反射鏡を、そ
れ以外の面には高反射率の反射鏡を形成することが望ま
しい。
【0005】反射鏡を構成する材料としては、III-V 族
化合物半導体レーザーなどに用いられている反射鏡の材
料をII−VI族化合物半導体発光素子に適用することが考
えられるが、発光波長領域が異なること、半導体材料の
屈折率が異なることから、そのまま適用することはでき
ない。例えば、アモルファスSiを用いると、500n
mにおいて複素屈折率の虚数部が実数部と同程度にまで
大きくなり、放出光を吸収してしまうため、レーザー光
による素子端面での光学損傷をひきおこす原因となる。
【0006】さらに、反射鏡材料の素子との熱膨張係数
差、素子に対する付着性、結晶性、熱伝導率、硬度、耐
湿性、安定性などは、素子の活性層に対する歪、光損失
の原因としてレーザー動作に影響を与える因子であり、
実用上の観点からも重要である。そのため、これらの因
子を最適化できる材料を見いだすことが必要である。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、可視短波長領域で使用されるII−VI族化合物半導体
発光素子の最適な動作に不可欠な光出射面に設ける低反
射率の反射鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の反射鏡は、II-VI 族化合物半導
体からなる発光素子の光出射面に、酸化アルミニウム
(Al2 3 )、フッ化セリウム(CeF3 )、酸化マ
グネシウム(MgO)、酸化ガドリニウム(Gd
23 )及び酸化スカンジウム(Sc2 3 )から選ば
れる少なくとも1種類の誘電体の層を設けたという構成
を備えたものである。
【0009】前記構成においては、誘電体の層の厚さ
が、素子の発光波長の1/4、3/4または5/4倍の
光学厚さであることが好ましい。次に本発明の第2番目
の反射鏡は、II-VI 族化合物半導体からなる発光素子の
光出射面に、屈折率の異なる誘電体からなる2層構造の
誘電体層を設けたという構成を備えたものである。
【0010】前記構成においては、2層構造の誘電体層
が、II−VI族化合物半導体の表面側から順に酸化チタン
(TiO2 )と二酸化珪素(SiO2 )の組合せ、酸化
ハフニウム(HfO2 )とフッ化マグネシウム(MgF
2 )の組合せ、Gd2 3 とSiO2 の組合せ、MgO
とAl2 3 の組合せ、または酸化ジルコニウム(Zr
2 )とMgF2 の組合せの中から選ばれる少なくとも
1種類の組合せであることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、2層構造の誘電
体層の各々の層の厚さが、素子の発光波長の1/4倍の
光学厚さであることが好ましい。次に本発明の第3番目
の反射鏡は、II-VI 族化合物半導体からなる発光素子の
光出射面に、層の厚さが素子の発光波長の1/2倍の光
学厚さであるSiO2 またはAl2 3 の層を設け、そ
の表面に各々の層の厚さが素子の発光波長の1/4倍の
光学厚さであるTiO2 とSiO2 の組合せ、HfO2
とMgF2 の組合せ、Gd2 3 とSiO2 の組合せ、
MgOとAl2 3 の組合せ、またはZrO2 とMgF
2 の組合せの中から選ばれる少なくとも1種類の組合せ
からなる誘電体層を設けて3層構造にしたという構成を
備えたものである。
【0012】前記第1〜3番目の反射鏡の構成において
は、II−VI族化合物半導体が、硫化亜鉛(ZnS)、セ
レン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、
硫化カドミウム(CdS)またはセレン化カドミウム
(CdSe)の群から選ばれる1種類以上の単体または
これらの単体の混晶であることが好ましい。
【0013】また前記第1〜3番目の反射鏡の構成にお
いては、II−VI族化合物半導体からなる発光素子が、端
面発光型または面発光型であるレーザーダイオードまた
は発光ダイオードであることが好ましい。
【0014】
【作用】誘電体は、一般に、可視領域で光吸収がなく、
透明である。そのため、発光波長が可視短波長領域に存
在するII-VI 族化合物半導体発光素子に対する低反射率
の反射鏡として用いると、反射鏡を設けない場合よりも
反射率を低くすることができ、小さな電流で大きな光出
力を取り出すことができる。特に、レーザーダイオード
に適用した場合、レーザー光を吸収しないため、光出射
面の熱的な破壊や光電界による損傷を受け難く、より大
きなレーザー出力を取り出すことができる。
【0015】誘電体の膜が反射鏡として作用する理由
は、次の通りである。光が媒質中を伝搬する際、媒質に
変化があると、その界面では反射が起こる。屈折率n0
とn2の媒質の間に屈折率n1 で厚さd1 の薄膜がある
と、これに入射した波長λの光は膜の両界面で反射を繰
り返して多重干渉を起こす。その結果、合成振幅反射係
数r12は、それぞれの界面でのフレネル反射係数を
1 、r2 として、下記式(数1)と表わせる。ここ
で、fは薄膜内を往復する際の位相の遅れで、垂直入射
の場合、(数2)のように表わせる。
【0016】
【数1】
【0017】
【数2】
【0018】また、r1 、r2 はそれぞれ(数3)およ
び(数4)と表わされ、これらから膜表面でのエネルギ
ー反射率R1 は(数5)のように求められる。
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】
【数5】
【0022】反射による位相変化は、低屈折率側から高
屈折率側に入射した場合はπ、その逆では0である。し
たがってf=π、すなわち垂直入射光に対して光学厚さ
11 がλ/4である膜は、n0 >n1 >n2 の場合
は両界面からの反射光が逆位相となり、反射減少効果を
もたらす。
【0023】このことから、単層膜の場合、II-VI 族化
合物半導体の屈折率をn0 、誘電体膜の屈折率をn1
すると、誘電体膜の厚さがλ/4n1 で、n1 が(数
6)を満たすとき、反射率が0%になる。
【0024】
【数6】
【0025】n0 は2.5〜3.5であるので、n1
1.6〜1.9となる。このような誘電体のうち、II-V
I 族化合物半導体との熱膨張係数差、付着性、結晶性、
熱伝導率、硬度、耐湿性、安定性などを考慮すると、A
2 3 、CeF3 、MgO、Gd2 3 またはSc2
3 が反射鏡材料として適用できることがわかった。実
用上、厳密に反射率が0%である必要はないので、ま
た、レーザーダイオードでは発振波長が周囲温度によっ
て変化するので、誘電体膜の厚さがλ/4n1 である必
要はない。また、厚さがλ/4n1 では誘電体膜の強度
や信頼性が確保できない場合、3λ/4n1 や5λ/4
1 の厚さを用いてもよい。
【0026】また、2層膜の場合、2種類の誘電体の屈
折率をn1 、n2 とする(半導体表面側をn1 とする)
と、誘電体層の各々の層の厚さが発光波長の1/4倍の
光学厚さで、n1 が(数7)または(数8)のいずれか
を満たすとき、反射率が0になる。
【0027】
【数7】
【0028】
【数8】
【0029】これらの関係を満たす誘電体のうち、II-V
I 族化合物半導体との熱膨張係数差、付着性、結晶性、
熱伝導率、硬度、耐湿性、安定性などを考慮すると、半
導体の表面側から順にTiO2 とSiO2 の組合せ、H
fO2 とMgF2 の組合せ、Gd2 3 とSiO2 の組
合せ、MgOとAl2 3 の組合せ、またはZrO2
MgF2 の組合せが反射鏡材料として適用できることが
わかった。実用上、反射率が厳密に0%である必要はな
く、それぞれの膜の厚さを発光波長の1/4倍の光学厚
さ以外の適当な厚さに選ぶことで所望の分光特性の反射
面を得ることができる。
【0030】また、2層膜の下に発光波長の1/2倍の
光学厚さであるSiO2 またはAl 2 3 の層を設けた
3層構成とすると、この低屈折率層により、レーザー損
傷の原因となる半導体と膜の界面での不純物などによる
微小吸収を低減することができる。
【0031】
【実施例】反射鏡の形成方法については、真空槽内で、
半導体発光素子の光出射面に誘電体膜を蒸着することに
より、高品質な反射鏡を得ることができる。ここでいう
高品質とは、作製方法に依存して種々の光損失の原因と
なる、組成・密度の変動や不純物の混入やクラックの発
生が少なく、均質で清浄、平滑であることを指す。蒸着
する方法としては、電子ビーム加熱や抵抗加熱などの真
空蒸着法、高周波(RF)スパッタリング法、低圧プラ
ズマ重合法などを用いることができる。
【0032】以下、具体的実施例を挙げて本発明をより
詳細に説明する。 実施例1 図1は、本発明の一実施例の構成を示す斜視図である。
活性層をZnCdSe、導波層をZnSe、クラッド層
をZnSSeとするII-VI 族化合物半導体レーザーダイ
オード1の片側の出射端面に、発振波長の3/4倍の光
学厚さのCeF 3 膜2を設けた反射鏡を形成した。
【0033】本実施例では、RFマグネトロンスパッタ
リング装置を用いてCeF3 の蒸着を行なった。スパッ
タ源はCeF3 焼結ターゲットである。用いたZnSe
系レーザーダイオードは、300Kでの発振波長が52
0nmであり、この波長での等価屈折率は2.60であ
る。
【0034】スパッタリングガスには、流量2sccm
のアルゴンを用い、ガス圧は1.0Pa、基板温度は1
10℃、CeF3 ターゲットへの印加電力は100Wと
した。この条件で得られるCeF3 膜の発振波長領域に
おける屈折率は1.61である。
【0035】ZnSe系レーザーダイオード1のへき開
した端面に、発振波長の3/4倍の光学厚さ、すなわち
242nmの膜厚のCeF3 膜2を蒸着した。反射鏡を
形成した端面の反射率を測定した結果、520nmにお
いて最小反射率2%が得られ、480〜550nmの広
い波長範囲で、反射率4%以下が得られた。一方、誘電
体膜を蒸着していないへき開しただけの面では、520
nmにおいて反射率は20%であった。
【0036】なお、CeF3 膜の厚さを、発振波長の1
/4倍または5/4倍の光学厚さ、すなわち81nmま
たは404nmとした場合でも同様の効果が得られた。
また、CeF3 の代わりに、Al2 3 、MgO、Gd
2 3 またはSc2 3 の膜を用いた構成とした場合で
も、本質的に同様の効果が得られた。ただし、Gd2
3 またはSc2 3 を用いた場合、膜厚は信頼性の観点
から、発振波長の3/4倍または5/4倍の光学厚さが
好ましかった。
【0037】実施例2 図2は、本発明の一実施例の構成を示す斜視図である。
ZnSe系発光ダイオード3の表面に、TiO2 膜4と
SiO2 膜5をそれぞれ発光波長の1/4倍の光学厚さ
で設けた反射鏡を形成した。
【0038】本実施例では、RFマグネトロンスパッタ
リング装置を用いた。スパッタ源はSiO2 ガラスター
ゲットとTiO2 ターゲットとで構成した。サンプルホ
ルダーはこれに直結した回転軸により、SiO2 ターゲ
ットまたはTiO2 ターゲットのいずれかのターゲット
上方に持ってくることができる。サンプルホルダーの位
置とターゲット上方での滞在時間とは、コンピュータで
制御されている。蒸着中のコンタミネーションを防ぐた
め、各ターゲットにシールド板を設けている。フォトリ
ソグラフィーにより反射鏡のパターンを形成した発光ダ
イオード3を、反射鏡を形成すべき表面を上にしてサン
プルホルダーに固定する。本実施例で用いたZnSe発
光ダイオードは、300Kでの発光波長が505nm
で、この波長領域での屈折率が2.64のものである。
スパッタリングガスには流量2sccmのアルゴンと
0.3sccmの酸素を用い、ガス圧は1.0Pa、基
板温度は110℃、SiO2 ターゲットおよびTiO2
ターゲットへの印加電力は100Wとした。この条件で
得られるSiO2 膜、TiO2 膜の発光波長領域におけ
る屈折率は、それぞれ1.45、2.35である。
【0039】まず、サンプルホルダーをTiO2 ターゲ
ットの上で350秒間滞在させて、膜厚49nmのTi
2 膜を発光ダイオード表面に蒸着させた。次にサンプ
ルホルダーを回転させ、SiO2 ターゲットの上で28
0秒間滞在させて、TiO2膜の上に、膜厚80nmの
SiO2 膜を蒸着させた。
【0040】その後、リフトオフとフォトリソグラフィ
ーを繰り返し、反射鏡以外の部分にリング状の電極6を
形成し、低反射率反射鏡つき発光ダイオードを作製し
た。反射率を測定した結果、反射鏡のない発光ダイオー
ド表面の反射率は465nmにおいて20%であったの
に対し、反射鏡つき発光ダイオードでは3%であった。
このため同じ条件で動作させたときの発光ダイオードの
光出力は反射鏡なしのものに比べて、反射鏡つきの場合
は1.2倍に増加した。
【0041】なお、2層構造の誘電体層をTiO2 とS
iO2 の組合せの代わりに、HfO 2 とMgF2 の組合
せ、Gd2 3 とSiO2 の組合せ、MgOとAl2
3 の組合せまたはZrO2 とMgF2 の組合せを用いた
構成とした場合でも、同様の効果が得られた。
【0042】実施例3 図3は、本発明の一実施例の構成を示す斜視図である。
ZnSe系レーザーダイオード7のへき開した端面に、
それぞれ発振波長の1/2倍、1/4倍および1/4倍
の光学厚さであるAl2 3 膜8、MgO膜9およびA
2 3 膜10を順に設けた反射鏡を形成した。
【0043】本実施例では、RFマグネトロンスパッタ
リング装置を用いた。スパッタ源はAl2 3 ターゲッ
トとMgOターゲットとで構成した。用いたZnSe系
レーザーダイオードは、300Kでの発振波長が520
nmであり、この波長での等価屈折率は2.60であ
る。
【0044】スパッタリングガスには、流量2sccm
のアルゴンを用い、ガス圧は1.0Pa、基板温度は1
10℃、Al2 3 ターゲットおよびMgOターゲット
への印加電力は100Wとした。この条件で得られるA
2 3 膜、MgO膜の発振波長領域における屈折率
は、それぞれ1.55、1.68である。
【0045】まず、サンプルホルダーをAl2 3 ター
ゲットの上で840秒間滞在させて、膜厚168nmの
Al2 3 膜を発光ダイオード表面に蒸着させた。次に
サンプルホルダーを回転させ、MgOターゲットの上で
250秒間滞在させて、Al 2 3 膜の上に、膜厚77
nmのMgO膜を蒸着させた。さらにサンプルホルダー
を回転させ、Al2 3 ターゲットの上で420秒間滞
在させて、MgO膜の上に、膜厚84nmのAl2 3
膜を蒸着させた。反射鏡を形成した端面の反射率は、5
20nmにおいて4%であった。
【0046】さらに、このレーザーダイオードの他方の
端面に、発振波長の1/4倍の光学厚さであるSiO2
膜とTiO2 膜を交互に5層ずつ蒸着して、反射率99
%の高反射鏡を得た。
【0047】このレーザーダイオードを300Kでパル
ス駆動したところ、反射率4%の端面からのレーザー出
力は、注入電流150mAのとき、10mWに達した。
一方、両端面ともへき開をしただけで誘電体の反射鏡を
形成していないレーザーダイオードに150mAの電流
を注入したときの光出力は5mWであった。
【0048】なお、半導体表面側の発振波長の1/2倍
の光学厚さであるAl2 3 膜の代わりに、発振波長の
1/2倍の光学厚さであるSiO2 膜を用いた構成とし
た場合でも、またその上に設ける2層構造の誘電体層を
MgOとAl2 3 の組合せの代わりに、HfO2 とM
gF2 の組合せ、Gd2 3 とSiO2 の組合せ、Ti
2 とSiO2 の組合せまたはZrO2 とMgF2 の組
合せを用いた構成とした場合でも、同様の効果が得られ
た。
【0049】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明は、II-V
I 族化合物半導体に対して、屈折率の関係、熱膨張係数
差、付着性、結晶性、熱伝導率、硬度、耐湿性、安定性
などを最適化した、1層、2層、または3層からなる誘
電体の低反射率反射鏡材料およびその構成を見いだし
た。これによれば、II-VI 族化合物半導体発光素子から
の光出力を有効に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構成を示す斜視図
【図2】本発明の実施例2の構成を示す斜視図
【図3】本発明の実施例3の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 ZnSe系レーザーダイオード 2 CeF3 膜 3 ZnSe系発光ダイオード 4 TiO2 膜 5 SiO2 膜 6 電極 7 ZnSe系レーザーダイオード 8 Al2 3 膜 9 MgO膜 10 Al2 3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三露 常男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 II-VI 族化合物半導体からなる発光素子
    の光出射面に、酸化アルミニウム(Al2 3 )、フッ
    化セリウム(CeF3 )、酸化マグネシウム(Mg
    O)、酸化ガドリニウム(Gd2 3 )及び酸化スカン
    ジウム(Sc2 3)から選ばれる少なくとも1種類の
    誘電体の層を設けた反射鏡。
  2. 【請求項2】 誘電体の層の厚さが、素子の発光波長の
    1/4、3/4または5/4倍の光学厚さである請求項
    1に記載の反射鏡。
  3. 【請求項3】 II-VI 族化合物半導体からなる発光素子
    の光出射面に、屈折率の異なる誘電体からなる2層構造
    の誘電体層を設けた反射鏡。
  4. 【請求項4】 2層構造の誘電体層が、II−VI族化合物
    半導体の表面側から順に酸化チタン(TiO2 )と二酸
    化珪素(SiO2 )の組合せ、酸化ハフニウム(HfO
    2 )とフッ化マグネシウム(MgF2 )の組合せ、Gd
    2 3 とSiO 2 の組合せ、MgOとAl2 3 の組合
    せ、または酸化ジルコニウム(ZrO2)とMgF2
    組合せの中から選ばれる少なくとも1種類の組合せであ
    る請求項3に記載の反射鏡。
  5. 【請求項5】 2層構造の誘電体層の各々の層の厚さ
    が、素子の発光波長の1/4倍の光学厚さである請求項
    4に記載の反射鏡。
  6. 【請求項6】 II-VI 族化合物半導体からなる発光素子
    の光出射面に、層の厚さが素子の発光波長の1/2倍の
    光学厚さであるSiO2 またはAl2 3 の層を設け、
    その表面に各々の層の厚さが素子の発光波長の1/4倍
    の光学厚さであるTiO2 とSiO2 の組合せ、HfO
    2 とMgF2 の組合せ、Gd2 3 とSiO2 の組合
    せ、MgOとAl2 3 の組合せ、またはZrO2 とM
    gF2 の組合せの中から選ばれる少なくとも1種類の組
    合せからなる誘電体層を設けて3層構造にした反射鏡。
  7. 【請求項7】 II−VI族化合物半導体が、硫化亜鉛(Z
    nS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(Z
    nTe)、硫化カドミウム(CdS)またはセレン化カ
    ドミウム(CdSe)の群から選ばれる1種類以上の単
    体またはこれらの単体の混晶である請求項1、4または
    6に記載の反射鏡。
  8. 【請求項8】 II−VI族化合物半導体からなる発光素子
    が、端面発光型または面発光型であるレーザーダイオー
    ドまたは発光ダイオードである請求項1、4または6に
    記載の反射鏡。
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