JP2004228555A - 反射防止層を有する発光ダイオードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射防止層を有する発光ダイオード(LED)とその製造方法とが開示される。
【解決手段】本発明は、LEDのウィンドウ層の上に反射防止層を形成し、それによってLEDの発生させる光子がウィンドウ層と空気との間の界面で全反射する機会を減少させることを特徴とする。反射防止層を形成するために使用されるプロセスは、プラズマCVD(PECVD)、スパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着などのようなものであり得る。さらに上記反射防止層の屈折率は3と1.5の間にあり、反射防止層を形成する材料はSi3N4またはZnSeなどであり得る。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明は、LEDのウィンドウ層の上に反射防止層を形成し、それによってLEDの発生させる光子がウィンドウ層と空気との間の界面で全反射する機会を減少させることを特徴とする。反射防止層を形成するために使用されるプロセスは、プラズマCVD(PECVD)、スパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着などのようなものであり得る。さらに上記反射防止層の屈折率は3と1.5の間にあり、反射防止層を形成する材料はSi3N4またはZnSeなどであり得る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード(LED)の構造およびそれを製造する方法に関し、とくに反射防止層を有するLEDおよびそれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のAlGaInPのLEDの素子構造は、図1に示すようなものであり、図1に示す構造は、下記のプロセスによって製造できる。まず初めに、基板10(n型GaAs材料製)の上に、上部エピタキシャル・バッファ層20(n型GaAs材料製)と、閉じ込め層30(広いエネルギー・ギャップを有するn型AlGaInP材料製)と、活性層40(狭いエネルギー・ギャップまたは多重量子井戸(MQW)を有するAlGaInP材料製)と、閉じ込め層50(広いエネルギー・ギャップを有するp型AlGaInP材料製)と、ウィンドウ層60(p型GaP材料製)とが形成される。次いで、ウィンドウ層60の一部分の上と基板10の下面に、p型オーミック金属電極70とn型オーミック金属電極80とがそれぞれ順番に堆積される。
【0003】
上述のように、主としてAlGaInP系材料を利用する従来のLEDでは、ウィンドウ層60を形成する材料として、GaPがしばしば使用される。しかしながら、GaPの屈折率は、約3であって空気の屈折率とは大きな差があるので、活性層40で発生する光子の大部分は、LEDがパッケージされる前にウィンドウ層60と空気との間の界面で全反射し、それによって光子はLEDによって吸収されるであろう。さらに、上記LEDは一般にエポキシ樹脂材料を使用してパッケージされるが、エポキシ樹脂材料の屈折率は約1.5であって、ウィンドウ層60を形成するGaP材料の屈折率とは依然として大きな差がある。したがって、上記欠点を克服する必要性が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のAlGaInPのLEDの上記欠点を考慮して、本発明の一つの目的は、反射防止層を有するLEDとそれを製造する方法とを提供し、それによってLEDの生成する光子がウィンドウ層と空気との間の界面で全反射する機会を減らすことである。
【0005】
本発明の他の目的は、エポキシ・パッケージング方法を使用しないチップに関して反射防止層の追加によってLEDの表面で反射される光を減らすことのできる、反射防止層を有するLEDとそれを製造する方法とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的に従って本発明は、
第1の電気特性を有する第1のオーミック金属電極と、前記第1の電気特性を有する前記第1のオーミック金属電極の上に配置された基板と、前記基板の上に配置された半導体エピタキシャル構造と、前記半導体エピタキシャル構造の上に配置されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層の一部分の上に配置された、第2の電気特性を有する第2のオーミック金属電極と、前記ウィンドウ層の少なくともその他の部分の上に配置された反射防止層と、をそなえる発光ダイオード、
を提供する。さらに、本発明の製造方法では、上記反射防止層は、プラズマCVD(PECVD)、スパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着などによって形成できる。さらに上記反射防止層の屈折率は、1.5と3との間にあり、この反射防止層を形成する材料は、Si3N4、ZnSeのようなもの、あるいはその他の材料であり得る。
【0007】
本発明の上記態様とそれに伴う利点の多くが、付属の図面と共に下記の詳細な説明を参照することによってさらによく理解される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、反射防止層を有するLEDの構造とそのLEDを製造する方法とに関する。LEDが基板の異なる面にそれぞれ正電極と負電極とを形成することを特徴とする限り、これらのLEDは本発明の適用範囲に含まれ、また本発明は、主としてAlGaInP系の材料を利用するLEDに限定されるものではない。
【0009】
図2を参照すると、この図は、本発明の好適な実施形態による、反射防止層を有するLEDの構造を示す断面図である。図2に示す構造は、下記のプロセスにしたがって製造できる。まず初めに、基板110が用意され、この基板110は、第1の電気特性を有するGaAs材料で作ることができる。その後、この基板110の上にバッファ層120が形成されるが、このバッファ層120を形成する材料は第1の電気特性を有するGaAs材料のようなものでよい。次いで、バッファ層120の上に、第1の電気特性を有する閉じ込め層130が形成され、この閉じ込め層130を形成する材料は、広いエネルギー・ギャップを持った第1の電気特性を有するAlGaInP材料のようなものであり得る。その後、第1の電気特性を有する閉じ込め層130の上に活性層140が形成され、この活性層140を形成する材料は、狭いエネルギー・ギャップあるいは多重量子井戸を有するAlGaInP材料のようなものであり得る。次いで、この活性層140の上に第2の電気特性を有する閉じ込め層150が形成され、この閉じ込め層150を形成する材料は、広いエネルギー・ギャップを持った第2の電気特性を有するAlGaInP材料のようなものであり得る。その後、この第2の電気特性を有する閉じ込め層150の上にウィンドウ層160が形成され、このウィンドウ層160を形成する材料は、第2の電気特性を有するGaP材料のようなものであり得る。続いて、基板110の下面とウィンドウ層160の一部分の上にそれぞれ、第1の電気特性を有するオーミック金属電極180と第2の電気特性を有するオーミック金属電極170とが堆積される。
【0010】
その後、ウィンドウ層160のその他の部分をカバーするために、反射防止層190が形成される。さらに、この反射防止層190は、図2に示すような第2の電気特性を有するオーミック金属電極170の一部分をカバーすることもできる。さらに、上記反射防止層190は、プラズマCVD(プラズマ強化化学蒸着)、スパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着などによって形成でき、上記反射防止層190の屈折率は1.5と3の間にあり、この反射防止層190を形成する材料は、Si3N4(その屈折率は約2である)、ZnSeまたはその他の材料であり得る。Si3N4およびZnSeは、両者とも良好な熱伝導率を持っているので、これらに注入される電流の許容値は増加させることができ、波長が413.3nmの場合、Si3N4の屈折率は2.066であり、熱伝導率は15Wm−1K−1である。上記第1の電気特性はポジ型、ネガ型いずれでも可能であり、第2の電気特性は第1の電気特性の反対であるということは留意に値する。
【0011】
図3を参照すると、この図は、p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとしてSi3N4反射防止層の厚さを変化させることによって得られた透過率と波長との関係を示す図であって、その横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表す。p型GaPウィンドウ層の厚さが8μmで、Si3N4反射防止層の厚さが種々の値に変化すると、透過率は、Si3N4反射防止層の厚さが四分の一光学厚さ(QWOT)と呼ばれる、波長の1/4、すなわち70.27nmに等しいときに最大になることが、理論計算(波長570nm)の後に図3から判る。
【0012】
図4を参照すると、この図は、p型GaPウィンドウ層の厚さを変化させてSi3N4反射防止層の厚さを波長の1/4に固定することによって得られた透過率と波長との関係を示す図であって、その横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表す。Si3N4反射防止層の厚さを波長の1/4、すなわち70.27nmに固定して、p型GaPウィンドウ層の厚さをそれぞれ8μm、8.5μm、9μm、10μmに変化させると、透過率はp型GaPウィンドウ層の厚さの変化によって影響されることが、理論計算(波長570nm)の後に図4から判る。
【0013】
図5を参照すると、この図は、p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとして反射防止層を形成する材料を変化させることによって得られた透過率と波長との関係を示す図であって、その横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表す。p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとして、反射防止層を形成する材料をそれぞれSi3N4、SiO2、ITO、ZnS、ZnSeと変化させると、反射防止層の厚さが波長の1/4のとき、Si3N4で作られた反射防止層が最大の透過率を持つということが、理論計算(波長570nm)の後に図5から判る。
【0014】
図6を参照すると、この図は、本発明による反射防止層を有するLEDに関する注入電流と輝度との比較関係を示す図であって、この図の横軸はLEDに注入される電流を表し、縦軸は輝度を表す。図6は、従来のLEDとSi3N4反射防止層を有するLEDとの間の光出力の比較を示し、この場合、使用されたチップ・サイズは40mil×40mil、Si3N4反射防止層の厚さは波長の1/4である。図6に示すように、注入電流を500mAに増加させることによって、629nmの発光波長を有する従来のLED(Si3N4反射防止層を持たない)と比較して、Si3N4反射防止層と629nmの発光波長とを有する本発明のLEDは、29.46%大きい光出力を持つ。同様に、注入電流を500mAに増加させることによって、590nmの発光波長を有する従来のLED(Si3N4反射防止層を持たない)と比較して、Si3N4反射防止層と590nmの発光波長とを有する本発明のLEDは、21.23%大きい光出力を持つ。
【0015】
要約すれば、ウィンドウ層と反射防止層との全透過率は、LEDのウィンドウ層の上に、Si3N4などで作られた反射防止層を形成することによって大幅に増進され、それによってLEDの輝度を増加させることができる。したがって、本発明の一つの利点は、LEDによって生成される光子がウィンドウ層と空気との間の界面で全反射する機会が大幅に減少するように、反射防止層を有するLEDとその製造方法とを提供することである。
【0016】
本発明の他の利点は、エポキシ・パッケージング方法を使用しないチップに関して、LEDの表面で反射する光が反射防止層の追加によって減少するように、反射防止層を有するLEDとその製造方法とを提供することである。
【0017】
当業者が理解するように、本発明の上記好適な実施形態は、本発明を限定するものではなく本発明を例示するものである。付属の請求項の精神と範囲内に含まれる種々の修正と類似構成とをカバーすることが意図されており、その範囲にはこのような修正と類似構成のすべてを包含するような最も広い解釈が与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のAlGaInP製のLEDの構造を示す断面図。
【図2】本発明の好適な実施形態による反射防止層を有するLEDの構造を示す断面図。
【図3】p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとしてSi3N4反射防止層の厚さを変化させることによって得られた、透過率と波長との関係を示す図。
【図4】p型GaPウィンドウ層の厚さを変化させてSi3N4反射防止層の厚さを波長の1/4に固定することによって得られた、透過率と波長との関係を示す図。
【図5】p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとして反射防止層を形成する材料を変化させることによって得られた、透過率と波長との関係を示す図。
【図6】本発明による反射防止層を有するLEDに関する注入電流と輝度との比較関係を示す図。
【符号の説明】
10 基板
20 上部エピタキシャル・バッファ層
30,130 閉じ込め層
40,140 活性層
50,150 閉じ込め層
60,160 ウィンドウ層
70,80,170,180 オーミック金属電極
110 基板
120 バッファ層
190 反射防止層
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード(LED)の構造およびそれを製造する方法に関し、とくに反射防止層を有するLEDおよびそれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のAlGaInPのLEDの素子構造は、図1に示すようなものであり、図1に示す構造は、下記のプロセスによって製造できる。まず初めに、基板10(n型GaAs材料製)の上に、上部エピタキシャル・バッファ層20(n型GaAs材料製)と、閉じ込め層30(広いエネルギー・ギャップを有するn型AlGaInP材料製)と、活性層40(狭いエネルギー・ギャップまたは多重量子井戸(MQW)を有するAlGaInP材料製)と、閉じ込め層50(広いエネルギー・ギャップを有するp型AlGaInP材料製)と、ウィンドウ層60(p型GaP材料製)とが形成される。次いで、ウィンドウ層60の一部分の上と基板10の下面に、p型オーミック金属電極70とn型オーミック金属電極80とがそれぞれ順番に堆積される。
【0003】
上述のように、主としてAlGaInP系材料を利用する従来のLEDでは、ウィンドウ層60を形成する材料として、GaPがしばしば使用される。しかしながら、GaPの屈折率は、約3であって空気の屈折率とは大きな差があるので、活性層40で発生する光子の大部分は、LEDがパッケージされる前にウィンドウ層60と空気との間の界面で全反射し、それによって光子はLEDによって吸収されるであろう。さらに、上記LEDは一般にエポキシ樹脂材料を使用してパッケージされるが、エポキシ樹脂材料の屈折率は約1.5であって、ウィンドウ層60を形成するGaP材料の屈折率とは依然として大きな差がある。したがって、上記欠点を克服する必要性が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のAlGaInPのLEDの上記欠点を考慮して、本発明の一つの目的は、反射防止層を有するLEDとそれを製造する方法とを提供し、それによってLEDの生成する光子がウィンドウ層と空気との間の界面で全反射する機会を減らすことである。
【0005】
本発明の他の目的は、エポキシ・パッケージング方法を使用しないチップに関して反射防止層の追加によってLEDの表面で反射される光を減らすことのできる、反射防止層を有するLEDとそれを製造する方法とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的に従って本発明は、
第1の電気特性を有する第1のオーミック金属電極と、前記第1の電気特性を有する前記第1のオーミック金属電極の上に配置された基板と、前記基板の上に配置された半導体エピタキシャル構造と、前記半導体エピタキシャル構造の上に配置されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層の一部分の上に配置された、第2の電気特性を有する第2のオーミック金属電極と、前記ウィンドウ層の少なくともその他の部分の上に配置された反射防止層と、をそなえる発光ダイオード、
を提供する。さらに、本発明の製造方法では、上記反射防止層は、プラズマCVD(PECVD)、スパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着などによって形成できる。さらに上記反射防止層の屈折率は、1.5と3との間にあり、この反射防止層を形成する材料は、Si3N4、ZnSeのようなもの、あるいはその他の材料であり得る。
【0007】
本発明の上記態様とそれに伴う利点の多くが、付属の図面と共に下記の詳細な説明を参照することによってさらによく理解される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、反射防止層を有するLEDの構造とそのLEDを製造する方法とに関する。LEDが基板の異なる面にそれぞれ正電極と負電極とを形成することを特徴とする限り、これらのLEDは本発明の適用範囲に含まれ、また本発明は、主としてAlGaInP系の材料を利用するLEDに限定されるものではない。
【0009】
図2を参照すると、この図は、本発明の好適な実施形態による、反射防止層を有するLEDの構造を示す断面図である。図2に示す構造は、下記のプロセスにしたがって製造できる。まず初めに、基板110が用意され、この基板110は、第1の電気特性を有するGaAs材料で作ることができる。その後、この基板110の上にバッファ層120が形成されるが、このバッファ層120を形成する材料は第1の電気特性を有するGaAs材料のようなものでよい。次いで、バッファ層120の上に、第1の電気特性を有する閉じ込め層130が形成され、この閉じ込め層130を形成する材料は、広いエネルギー・ギャップを持った第1の電気特性を有するAlGaInP材料のようなものであり得る。その後、第1の電気特性を有する閉じ込め層130の上に活性層140が形成され、この活性層140を形成する材料は、狭いエネルギー・ギャップあるいは多重量子井戸を有するAlGaInP材料のようなものであり得る。次いで、この活性層140の上に第2の電気特性を有する閉じ込め層150が形成され、この閉じ込め層150を形成する材料は、広いエネルギー・ギャップを持った第2の電気特性を有するAlGaInP材料のようなものであり得る。その後、この第2の電気特性を有する閉じ込め層150の上にウィンドウ層160が形成され、このウィンドウ層160を形成する材料は、第2の電気特性を有するGaP材料のようなものであり得る。続いて、基板110の下面とウィンドウ層160の一部分の上にそれぞれ、第1の電気特性を有するオーミック金属電極180と第2の電気特性を有するオーミック金属電極170とが堆積される。
【0010】
その後、ウィンドウ層160のその他の部分をカバーするために、反射防止層190が形成される。さらに、この反射防止層190は、図2に示すような第2の電気特性を有するオーミック金属電極170の一部分をカバーすることもできる。さらに、上記反射防止層190は、プラズマCVD(プラズマ強化化学蒸着)、スパッタリング、熱蒸着、電子ビーム蒸着などによって形成でき、上記反射防止層190の屈折率は1.5と3の間にあり、この反射防止層190を形成する材料は、Si3N4(その屈折率は約2である)、ZnSeまたはその他の材料であり得る。Si3N4およびZnSeは、両者とも良好な熱伝導率を持っているので、これらに注入される電流の許容値は増加させることができ、波長が413.3nmの場合、Si3N4の屈折率は2.066であり、熱伝導率は15Wm−1K−1である。上記第1の電気特性はポジ型、ネガ型いずれでも可能であり、第2の電気特性は第1の電気特性の反対であるということは留意に値する。
【0011】
図3を参照すると、この図は、p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとしてSi3N4反射防止層の厚さを変化させることによって得られた透過率と波長との関係を示す図であって、その横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表す。p型GaPウィンドウ層の厚さが8μmで、Si3N4反射防止層の厚さが種々の値に変化すると、透過率は、Si3N4反射防止層の厚さが四分の一光学厚さ(QWOT)と呼ばれる、波長の1/4、すなわち70.27nmに等しいときに最大になることが、理論計算(波長570nm)の後に図3から判る。
【0012】
図4を参照すると、この図は、p型GaPウィンドウ層の厚さを変化させてSi3N4反射防止層の厚さを波長の1/4に固定することによって得られた透過率と波長との関係を示す図であって、その横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表す。Si3N4反射防止層の厚さを波長の1/4、すなわち70.27nmに固定して、p型GaPウィンドウ層の厚さをそれぞれ8μm、8.5μm、9μm、10μmに変化させると、透過率はp型GaPウィンドウ層の厚さの変化によって影響されることが、理論計算(波長570nm)の後に図4から判る。
【0013】
図5を参照すると、この図は、p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとして反射防止層を形成する材料を変化させることによって得られた透過率と波長との関係を示す図であって、その横軸は波長を表し、縦軸は透過率を表す。p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとして、反射防止層を形成する材料をそれぞれSi3N4、SiO2、ITO、ZnS、ZnSeと変化させると、反射防止層の厚さが波長の1/4のとき、Si3N4で作られた反射防止層が最大の透過率を持つということが、理論計算(波長570nm)の後に図5から判る。
【0014】
図6を参照すると、この図は、本発明による反射防止層を有するLEDに関する注入電流と輝度との比較関係を示す図であって、この図の横軸はLEDに注入される電流を表し、縦軸は輝度を表す。図6は、従来のLEDとSi3N4反射防止層を有するLEDとの間の光出力の比較を示し、この場合、使用されたチップ・サイズは40mil×40mil、Si3N4反射防止層の厚さは波長の1/4である。図6に示すように、注入電流を500mAに増加させることによって、629nmの発光波長を有する従来のLED(Si3N4反射防止層を持たない)と比較して、Si3N4反射防止層と629nmの発光波長とを有する本発明のLEDは、29.46%大きい光出力を持つ。同様に、注入電流を500mAに増加させることによって、590nmの発光波長を有する従来のLED(Si3N4反射防止層を持たない)と比較して、Si3N4反射防止層と590nmの発光波長とを有する本発明のLEDは、21.23%大きい光出力を持つ。
【0015】
要約すれば、ウィンドウ層と反射防止層との全透過率は、LEDのウィンドウ層の上に、Si3N4などで作られた反射防止層を形成することによって大幅に増進され、それによってLEDの輝度を増加させることができる。したがって、本発明の一つの利点は、LEDによって生成される光子がウィンドウ層と空気との間の界面で全反射する機会が大幅に減少するように、反射防止層を有するLEDとその製造方法とを提供することである。
【0016】
本発明の他の利点は、エポキシ・パッケージング方法を使用しないチップに関して、LEDの表面で反射する光が反射防止層の追加によって減少するように、反射防止層を有するLEDとその製造方法とを提供することである。
【0017】
当業者が理解するように、本発明の上記好適な実施形態は、本発明を限定するものではなく本発明を例示するものである。付属の請求項の精神と範囲内に含まれる種々の修正と類似構成とをカバーすることが意図されており、その範囲にはこのような修正と類似構成のすべてを包含するような最も広い解釈が与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のAlGaInP製のLEDの構造を示す断面図。
【図2】本発明の好適な実施形態による反射防止層を有するLEDの構造を示す断面図。
【図3】p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとしてSi3N4反射防止層の厚さを変化させることによって得られた、透過率と波長との関係を示す図。
【図4】p型GaPウィンドウ層の厚さを変化させてSi3N4反射防止層の厚さを波長の1/4に固定することによって得られた、透過率と波長との関係を示す図。
【図5】p型GaPウィンドウ層の厚さを8μmとして反射防止層を形成する材料を変化させることによって得られた、透過率と波長との関係を示す図。
【図6】本発明による反射防止層を有するLEDに関する注入電流と輝度との比較関係を示す図。
【符号の説明】
10 基板
20 上部エピタキシャル・バッファ層
30,130 閉じ込め層
40,140 活性層
50,150 閉じ込め層
60,160 ウィンドウ層
70,80,170,180 オーミック金属電極
110 基板
120 バッファ層
190 反射防止層
Claims (2)
- 第1の電気特性を有する第1のオーミック金属電極と、
前記第1の電気特性を有する前記第1のオーミック金属電極の上に配置された基板と、
前記基板の上に配置された半導体エピタキシャル構造と、
前記半導体エピタキシャル構造の上に配置されたウィンドウ層と、
前記ウィンドウ層の一部分の上に配置された、第2の電気特性を有する第2のオーミック金属電極と、
前記ウィンドウ層の少なくともその他の部分の上に配置された反射防止層と、をそなえる発光ダイオード。 - 基板を設けるステップと、
前記基板の上に半導体エピタキシャル構造を形成するステップと、
前記半導体エピタキシャル構造の上にウィンドウ層を形成するステップと、
第1の電気特性を有する第1のオーミック金属電極と第2の電気特性を有する第2のオーミック金属電極とを前記基板の下面と前記ウィンドウ層の一部分の上にそれぞれ形成するステップと、
反射防止層を形成するステップを含む方法であって、
前記反射防止層は、少なくとも前記ウィンドウ層のその他の部分に配置される、LEDを製造する方法。
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