JPH077147B2 - 小型のズ−ムレンズ - Google Patents

小型のズ−ムレンズ

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JPH077147B2
JPH077147B2 JP60280057A JP28005785A JPH077147B2 JP H077147 B2 JPH077147 B2 JP H077147B2 JP 60280057 A JP60280057 A JP 60280057A JP 28005785 A JP28005785 A JP 28005785A JP H077147 B2 JPH077147 B2 JP H077147B2
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博喜 中山
望 北岸
繁幸 須田
純 服部
昭永 堀内
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は小型のズームレンズに関し、特に光軸方向にお
ける内部屈折率が序々に変化する所謂屈折率分布型の所
定形状のレンズをレンズ系の一部に用いることにより光
学性能を向上を図つたレンズシヤツターカメラ、ビデオ
カメラ等において有効なレンズ全長(物体側の第1レン
ズ面から結像面までの距離)の短い小型のズームレンズ
に関するものである。
(従来の技術) 近年レンズシヤツターカメラ、ビデオカメラ等、カメラ
の小型化に伴いレンズ全長の短い小型のズームレンズが
要望されている。又レンズシヤツターカメラ等のレンズ
交換を行なわない小型カメラの分野でも最近ズームレン
ズの装着が望まれるようになつており、従来用いられて
いた単焦点レンズと同程度のレンズ全長の短い小型のズ
ームレンズが要望されている。
通常レンズシヤツターカメラ等で多用されている標準画
角(撮影画角2ω=47度で35mmスチールカメラに換算す
ると焦点距離f=50mm程度)を含むズームレンズは例え
ば特公昭49−29146号公報をはじめ多数提案されてい
る。この種のズームレンズは物体側より順に負の屈折力
の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群の2つのレ
ンズ群より成り、両レンズ群の間隔を変えて変倍するも
ので屈折力配置が負と正の順となつている。この為バツ
クフオーカスが長くなり、一眼レフレツクスカメラとし
ては好ましいが、レンズシヤツターカメラとしてはレン
ズ全長が長すぎる傾向があった。
そこで本出願人は先に特開昭57−201213号公報において
物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力
の第2レンズ群の2つのレンズ群を有し、両レンズ群の
間隔を変えて変倍するズームレンズを提案した。同公報
では物体側より順に正、負の屈折力配置を採用すること
によりバツクフオーカスの短いしかもレンズ全長の短い
ズームレンズを開示している。
このズームレンズにおいて第1、第2レンズ群双方の屈
折力を強めれば変倍における角レンズ群の移動量が少な
くなり、更にレンズ全長の短縮化が可能となる。しかし
ながらレンズ群の屈折力を強めると変倍に伴う収差変動
が大きくなり、これを良好に補正するのが困難となつて
くる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は物体側より順に正と負の屈折力の少なくとも2
つのレンズ群を有し、両レンズ群の間隔を変えて変倍を
行う際、各レンズ群の屈折力、特に第1、第2レンズ群
の屈折力を強めたときの変倍における収差変動、特に球
面収差変動を屈折率分布型のレンズを用いて良好に補正
しレンズ全長の短縮化を図つた小型のズームレンズの提
供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力
の第2レンズ群の少なくとも2つのレンズ群を有し、広
角側から望遠側への変倍を両レンズ群の間隔を減少させ
るようにして行い、前記第1レンズ群は少なくとも1つ
の負の屈折力のレンズNと該レンズNの物体側に物体側
に凸面を向けた正の屈折力のレンズPF、若しくは該レン
ズNの像面側に像面側に凸面を向けた正の屈折力のレン
ズPRを有しており、前記レンズPF若しくはレンズPRのう
ち少なくとも一方のレンズLの内部屈折率を該レンズL
の凸面の頂点から光軸上に沿って屈折率が徐々に小さく
なり、前記レンズLの凸面の頂点を基準とし、光軸方向
の長さをx、屈折率をN、広角端における全系の焦点距
離をfW、前記レンズLの凸面の曲率半径をRAとしたとき 0.25<|RA|/fW<1.5 ……(2) この他本発明の特徴は実施例において記載されている。
(実施例) 第1図、第2図は各々本発明の数値実施例1,2のレンズ
断面図である。図中Iは正の屈折力の第1レンズ群、II
は負の屈折力の第2レンズ群であり、広角端から望遠端
への変倍に際して、両レンズ群をその間隔を減少させな
がら物体側へ移動させている。本実施例ではこのような
屈折力配置及びズームタイプを採用することにより、特
に広角側でのレンズ全長の短縮化を図つている。
そして第1レンズ群中の負の屈折力のレンズの物体側若
しくは像面側の少なくとも一方に前述の要件を有する屈
折率分布型レンズを用いることにより第1レンズ群の屈
折力を強めレンズ全長の短縮化を図り、そのときに生ず
る変倍の際の収差変動、特に球面収差変動を良好に補正
している。
本実施例における屈折率分布型レンズの屈折率分布はレ
ンズLの凸面の頂点より光軸方向へ序々に屈折率を小さ
くしている。
このような形状とすることにより該凸面における球面収
差を補正不足傾向とし、特に凸面の周辺部で屈折率を低
くし全体的にバランス良く補正することを可能としてい
る。
いま凸面の屈折力の絶対値をφ、凸面の曲率半径をr、
光軸方向にx軸をとつたときの屈折率をN(x)とする
となる。即ち光軸より離れるに従い屈折率N(x)を小
さくし凸面の屈折力を弱くしている。
特に本実施例では屈折率分布型レンズの凸面の頂点から
光軸方向の距離xに対するレンズ内の屈折率N(x)の
変化、即ちdN/dxを適切に保ち全体的に良好なる収差補
正を行つている。
次に本実施例における屈折率分布型レンズの光学的特徴
について述べる。本実施例では変倍に伴い移動させる正
の屈折力の第1レンズ群中にまず負の屈折力のレンズN
を設け、変倍に伴う球面収差等の諸収差を第1レンズ群
内で補正している。又これと共に第1レンズ群に所定の
強さの正の屈折力を付与しレンズ全長の短縮化を図つて
いる。このとき負の屈折力のレンズNの物体側若しくは
像面側に凸面をレンズNに対して逆方向に向けた少なく
とも1つのレンズLを設け、このレンズLの屈折力とレ
ンズNとの屈折力との関係を適切に保ち変倍に伴う収差
変動を少なくしている。
しかしながら本実施例において更にレンズLの凸面の屈
折力を強め、第1レンズ群の屈折力を強めてレンズ全長
の短縮化を図ろうとすると、レンズLの凸面で諸収差特
に球面収差が多く発生してくる。これを第1レンズ群中
で良好に補正するのは大変難しい。そこで本実施例では
レンズLを前述の要件を有する屈折率分布型レンズより
構成し、このときの諸収差を良好に補正するようにして
いる。
次に球面収差を例にとり屈折率分布型レンズの3次収差
における作用について述べる。
屈折率分布型レンズの3次収差係数に関してはP.J.Sand
s(米国光学学会誌J.O.S.A 60巻,11号,1970年,P1436)
により報告されているが、ここでは松居の「レンズ設計
法」(共立出版)の表示記号に基づいて書き表わす。球
面系で均質媒質での3次収差係数をIν、屈折率分布型
レンズにおける屈折項をI▲ ν▼、屈折率分布型レン
ズ転送項をI▲ ν▼とすると I▲ ν▼=h▲ ν▼ΨiN,ν ……(A2) となる。ここでIνは媒質を均一媒質としたとき発生す
る屈折項、I▲ ν▼は媒質に屈折率分布がある為にレ
ンズ表面に屈折率分布が付き均質レンズと異つた屈折作
用を受ける為に表われる屈折項、I▲ ν▼は屈折率分
布型レンズの内部を光が通過するときに屈折されて発生
する収差の転送項である。
屈折項は光軸方向に屈折率分布があるときは屈折力Ψ
iN,νとなる。光軸方向の屈折率分布を凸面の頂点を原点とす
ると N(x)=N0+N1x+N2x2+N3x3+ ……(A6) で表わされる。又dN/dxは dN/dx=N1+2N2x+3N3x2+ ……(A7) となる。
屈折率分布型レンズの前方若しくは後方が均質媒質のと
きは(A7)式は(A2),(A3)式に導入される。凸面の
頂点ではx=0であるからdN0ν/dx=N1、レンズLの
射出面ではレンズLの厚さをdとすると(A7)式にx=
dを代入したものとなる(但し広角端の焦点距離を1に
正規化したときの値)。
これより となる。
(A8)式は屈折率分布型レンズの入射側若しくは射出側
のレンズ面での屈折率の傾きの差となり、均質媒質の分
布の傾きは0であるから、入射側では 射出側では となる。
(A9),(A10)式より入射側の傾きN1が負の値を有す
れば球面収差は補正過剰傾向となり、射出側の傾きが負
の値、即ち射出面でのレンズ内部方向への傾きが負であ
れば球面収差は補正過剰傾向となる。
従つて正の屈折力を強めた際に球面収差が補正不足傾向
となる第1レンズ群において、凹レンズに対して前述の
屈折率分布型レンズを適用すれば、変倍における球面収
差変動を任意に制御することができ、この結果レンズ全
長の短縮化を図つた小型のズームレンズを容易に達成す
ることが可能となる。
特に本実施例において屈折率分布型レンズの屈折率分布
を条件式(1)の如く設定するのが収差補正上好まし
い。
条件式(1)の上限値を越えてレンズ内の屈折率差が大
きくなつてくると球面収差を正の方向へ補正するのは容
易となるが、他の諸収差の変動、特に非点隔差が大きく
なつてくるので好ましくない。
又条件式(1)の下限値を越えて屈折率差が少なくなる
と球面収差を正の方向へ補正するのが不十分となつてく
る。
又本実施例においてレンズLの凸面の曲率半径を条件式
(2)の如く設定するのが凸面に効率的に屈折率差を付
与することができるので好ましい。
条件式(2)の下限値を越えて凸面の曲率が強くなつて
くると、凸面上での屈折率差が大きくなり球面収差は良
好に補正されるがコマ収差等の他の収差が多く発生して
くるので良くない。逆に上限値を越えると凸面上での屈
折率差が少なくなり球面収差を良好に補正するのが難し
くなつてくる。
次に本発明の数値実施例を示す。数値実施例においてRi
は物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、Diは
物体側より第i番目のレンズ厚及び空気間隔、Niとνi
は各々物体側より順に第i番目のレンズのガラスの屈折
率とアツベ数である。
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、
光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、a1,a2,…a5,b
1,b2,…b4を各々非球面係数としたとき なる式で表わしている。
又例えば「D−0X」の表示は「10-x」を意味する。
又屈折率分布型レンズの屈折率変化は光軸方向にx軸を
とつたとき N(x)=N0+N1x+N2x2+N3x3+… なる式で表わしている。
数値実施例1 数値実施例2 数値実施例1,2では第1レンズ群を正、負そして正の屈
折力の3つのレンズより、第2レンズ群を正と負の屈折
力の2つのレンズより構成し、第1レンズ群の物体側か
らの第3レンズを屈折率分布型レンズとし特に広角側か
ら中間のズーム位置での球面収差を良好に補正してい
る。
尚本実施例において第2レンズ群の後方に変倍中、固定
若しくは移動する複数のレンズ群を設けて3つ以上のレ
ンズ群でズームレンズを構成しても良い。
(発明の効果) 本発明によればズームレンズを構成するレンズ群中に所
定形状の屈折率分布型レンズを設けることにより、各レ
ンズ群の屈折力を強めることができ、この結果レンズ全
長の短縮化を図ることが出来、更に変倍に伴う収差変
動、特に球面収差変動の少ない高い光学性能を有した小
型のズームレンズを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は各々本発明の数値実施例1,2のレンズ
断面図、第3図,第4図は各々本発明の数値実施例1,2
の諸収差図である。収差図において(A),(B),
(C)は各々広角端、中間、望遠端での収差である。図
中I,IIは各々第1、第2レンズ群、fは焦点距離であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 純 神奈川県川崎市高津区下野毛770番地 キ ヤノン株式会社玉川事業所内 (72)発明者 堀内 昭永 神奈川県川崎市高津区下野毛770番地 キ ヤノン株式会社玉川事業所内 (56)参考文献 特開 昭59−149312(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群
    と負の屈折力の第2レンズ群の少なくとも2つのレンズ
    群を有し、広角側から望遠側への変倍を両レンズ群の間
    隔を減少させるようにして行い、前記第1レンズ群は少
    なくとも1つの負の屈折力のレンズNと該レンズNの物
    体側に物体側に凸面を向けた正の屈折力のレンズPF若し
    くは該レンズNの像面側に像面側に凸面を向けた正の屈
    折力のレンズPRを有しており、前記レンズPF若しくはレ
    ンズPRのうち少なくとも一方のレンズLの内部屈折率を
    該レンズLの凸面の頂点から光軸上に沿って屈折率が徐
    々に小さくなり、前記レンズLの凸面の頂点を基準と
    し、光軸方向の長さをx、屈折率をN、広角端における
    全系の焦点距離をfW、前記レンズLの凸面の曲率半径を
    RAとしたとき 0.25<|RA|/fW<1.5 なる条件を満足することを特徴とする小型のズームレン
    ズ。
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