JPH07712U - タイルカッター用回転刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイルを切断予定線から確実に切断すること
ができるタイルカッター用回転刃を提供する。 【構成】 基台１上方に架設したガイドレール４に案内
されて移動する操作レバー７を有するタイルカッターに
おいて、前記操作レバーの基部下端に設けられ、タイル
を押し割する前にタイル面に切れ目を入れる回転刃１２
であって、ベアリング体１３と環状切刃体１４からな
り、ベアリング体を構成する外輪外面中央に周溝を設
け、該周溝に切刃体を固着し、該切刃体周縁に断面Ｖ状
をなす両刃形の切刃１４ａを形設したことを特徴とする
タイルカッター用回転刃である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、建築用資材として壁や床などに張り付けて仕上げる陶磁器製のタ イルを切断するタイルカッターに設けられ、タイル面に切れ目を入れる回転刃に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

タイルを所定寸法に切断するタイルカッターとして、従来より、タイルが置か れる基台上方にガイドレールを架設し、該ガイドレールに案内されて移動自在に 操作レバーを設け、該操作レバーの基部下端にタイル面に切れ目を入れる回転刃 と、切れ目を境にしてタイルを押し割りする押圧板を設けたタイルカッターが実 用されている。

【０００３】 図２はこのタイルカッターの全体斜視図である。

【０００４】 図において、１は略長方形状をなす基台で、中央長手方向に突起条２を有し、 突起条２の両側に突起条２と略同じ高さで弾性シート３を貼着してタイル載置面 を形成している。

【０００５】 ４は基台１の前後部に立設した支持台５に支持され、突起条２の上方に位置し て架設したガイドレール、６はガイドレール４に移動自在に設けた移動台、７は 移動台６にヒンジ結合した操作レバー、８は操作レバー７の基部、９は操作レバ ー基部８の下端に設けられ、基台１上に置かれたタイル面に切れ目を入れる回転 刃、１０は同じく操作レバー基部８の下端に設けられ、基台１上に置かれたタイ ルを押し割りする押圧板で、回転刃９とは位置的に前後している。

【０００６】 前記回転刃９は、タングステンカーバイトなどの超硬合金で作られ、比較的肉 厚は薄く円板状をなし、周縁に断面Ｖ状をなす両刃形の切刃９ａを形設したもの で、操作レバー基部８への取り付けは、図３に示すように、中心孔９ｂに取り付 け軸１１を挿通してこの取り付け軸１１を操作レバー基部８に固定し、取り付け 軸１１回りに回転刃９を遊転するようにしている。

【０００７】 なお、押圧板１０は、その上面中央が操作レバー基部８に回動自在に枢着され ていて、回転刃９の使用時には、押圧板１０を上向きに回動させて基台１側から 離して高い位置に保持するようにしている。

【０００８】 上記構成からなるタイルカッターの使用は、基台１上に置かれたタイルの一方 の縁部からタイル面に回転刃９を押し当てて移動させて切れ目を入れる。回転刃 ９がタイルの他方の縁部に達すると、押圧板１０を使用位置に戻してタイル面を 押圧する。こうして、タイル面は突起条２両側で押圧されて切れ目を境にしてタ イルＴは２つに押し割りされる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記するタイルタッターにおいて、タイルの良好な切断（押し割り ）を実現するためには、タイルを押し割りする前にタイル面の切断予定線上に切 れ目が的確に入れることが必須の要件とされる。

【００１０】 しかし、タイル面に切れ目を入れる従来の回転刃では、比較的肉厚の薄い円板 状をなす回転刃の中心孔に取り付け軸が挿通され、取り付け軸回りに回転刃を遊 転させる構成になっているため、タイル面に回転刃が押し当てられて移動するに 際して多少なりとも回転刃のふら付きがあり、このふら付きが原因してタイル面 に入れられる切れ目はその縁部の崩れた幅広の浅い切れ目となり、押圧板による 押し割り時に切断予定線（切れ目）から逸脱した切断となることがある。

【００１１】 また、タイル面に対して回転刃を押し当てて移動させるに当たって、回転刃は 固定された取り付け軸回りに直接的に接触して回転するため、摩擦抵抗が大きく てスムーズな回転とならず、大きな操作力を必要とし、作業性に影響する。

【００１２】 この考案は上述の点に鑑みなされたものであって、タイルを切断予定線から確 実に切断することができるタイルカッター用回転刃を提供することを目的とする 。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するためのこの考案の要旨とするところは、基台上方に架設 したガイドレールに案内されて移動する操作レバーを有するタイルカッターにお いて、前記操作レバーの基部下端に設けられ、タイルを押し割する前にタイル面 に切れ目を入れる回転刃であって、ベアリング体と環状切刃体からなり、ベアリ ング体を構成する外輪外面中央に周溝を設け、該周溝に切刃体を固着し、該切刃 体周縁に断面Ｖ状をなす両刃形の切刃を形設したことを特徴とするタイルカッタ ー用回転刃にある。

【００１４】

【作用】

環状切刃体はベアリング体を介して回転するので、タイル面に押し進めてふら 付きがなく、また、回転摩擦も小さくしてスムーズに回転移動するので、タイル 面には幅の狭い深い目の確りした切れ目が入れられる。

【００１５】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面を参照しながら説明する。

【００１６】 図１はこの考案の回転刃の一部を切欠した正面図である。

【００１７】 図において、１２はこの考案に係る回転刃で、ベアリング体１３と環状切刃体 １４からなる。

【００１８】 ベアリング体１３は、外輪１３ａと内輪１３ｂを有し、両輪１３ａ，１３ｂの 間で両端寄りにそれぞれにボール装着部を設けて両方のボール装着部に多数のボ ール１３ｃを環状に配列して装着している。

【００１９】 環状切刃体１４は、ベアリング体１３の外輪外面に設けた周溝１５に固着した もので、切刃体１４の周縁には断面Ｖ状をなす両刃形の切刃１４ａを形設してい る。なお、この環状切刃体１４はタングステンカーバイトなどの超硬合金で作ら れる。

【００２０】 図中１６はベアリング体１３の周縁部に被着したカバーで、外輪１３ａおよび 内輪１３ｂの両側面に生じる隙間をカバーしている。

【００２１】 上記するこの考案の回転刃１２は、図２に示す従来の回転刃９に替えてタイル カッターに適用される。この考案の回転刃１２を操作レバー基部８へ取り付ける には、ベアリング体１３の内輪１３ｂの中心孔に取り付け軸１７をがた付きなく 挿入し、取り付け軸１７を操作レバー基部８に固定するに当たって、内輪１３ｂ 、すなわち、回転刃１２は取り付け軸１７上で移動不能に固定して定位置に保持 される。

【００２２】

【考案の効果】

上記構成からなるこの考案の回転刃によれば、次のような効果を奏する。

【００２３】 (１） タイル面に回転刃を押し進めて回転刃のふら付きがないので、タイル 面に入れられる切れ目は幅狭で深い目に入って、次工程において確実なタイルの 押し割りを可能にする。また、タイルの種類や厚み等に全く無関係に確りした切 れ目を入れることができる。

【００２４】 (２） 回転刃は取り付け軸回りにベアリング体を介して回転し、タイル面に 回転刃を押し進めるのに、回転摩擦抵抗を少なくしてスムーズに回転移動するの で、操作性がよく、作業者の勘や熟練度や作業上の巧拙に全く左右されずに簡単 に確りした切れ目が入れられて作業能率を向上できる。

【００２５】 (３) ベアリング体の内輪は取り付け軸上で移動不能に固定して定位置に保 持され、ベアリング体と取り付け軸との間では摩擦による損耗がないので、耐用 寿命が長く、メンテナンス性に優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の回転刃の一部を切欠した正面図で
ある。

【図２】 タイルカッターの全体斜視図である。

【図３】 従来の回転刃の断面図である。

【符号の説明】

１…基台 ４…ガイドレール ７…操作レバー １２…回転刃 １３…ベアリング体 １４…環状切刃体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台上方に架設したガイドレールに案内
   されて移動する操作レバーを有するタイルカッターにお
   いて、前記操作レバーの基部下端に設けられ、タイルを
   押し割する前にタイル面に切れ目を入れる回転刃であっ
   て、ベアリング体と環状切刃体からなり、ベアリング体
   を構成する外輪外面中央に周溝を設け、該周溝に切刃体
   を固着し、該切刃体周縁に断面Ｖ状をなす両刃形の切刃
   を形設したことを特徴とするタイルカッター用回転刃。