JPH077123Y2 - 携帯用電動鉋における安全カバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、携帯用電動鉋における安全カバー装置に関す
る。

〔従来の技術〕

携帯用電動鉋においては、定盤面を上向きとしてスタン
ドに取付けて使用する場合がある。

従来、このようにスタンドに取付けて使用される携帯用
電動鉋としては、第３図に示した如く、安全カバーａの
みをスタンドｂに取付けてなるもの、又、第４図に示し
た如く、定盤ｃに移動調整可能に取付けられたサイドプ
レートｆと、定盤ｃを挟んで該サイドプレートｆに対向
して安全カバーａをスタンドｂに設置してなるものが知
られいる。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で述べたものは何れも、通常は安全カバーａ
で定盤ｃの鉋刃露出開口部ｄを覆っており、切削時、安
全カバーａが被切削材にて押圧されることで図示の矢印
ｅ方向へ回動することにより、上記開口部ｄが開かれる
構成である。

しかし、第３図に示したものは、鉋本体ｇのサイドプレ
ートを取付ける側に安全カバーａを設置されているの
で、サイドプレートの取付けが困難となり、該サイドプ
レートがない状態で使用するので、被切削材を案内でき
ない問題点があり、又、第４図に示したものは、サイド
プレートｆを有するものの、該サイドプレートｆと安全
カバーａは、定盤ｃの横幅方向において、該定盤ｃを挟
んで対向して設置してある為、該サイドプレートｆと安
全カバーａとの間で被切削材を切削加工しなければなら
ないので、幅の広い被切削材の切削加工ができないだけ
でなく、安全カバーａが邪魔して木材の端面を加工する
相ジャクリ加工ができない等の問題点を有している。

尚、第３図、第４図において、ｇは鉋本体を示す。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、被切
削材を案内するサイドプレートを取付けた携帯用電動鉋
において、安全に狭幅から拡幅の被切削材まで切削加工
でき、かつ相ジャクリ加工もでき、また、安全に切削加
工作業ができる使用範囲の広い携帯用電動鉋における安
全カバー装置を提供しようとするものである。

〔課題を解決する為の手段〕

上記目的を達成する為に、本考案における携帯用電動鉋
における安全カバー装置は、一側端に被切削材の案内面
を設けたサイドプレートを定盤に対して横幅方向へ移動
調整可能なるよう当該サイドプレートから突設したガイ
ドバーを鉋本体に穿設したガイド孔にスライド自在に挿
通して、かつネジにて位置決め固定可能に取付け、上記
サイドプレートの案内面基部に設けた窓孔に挿通して安
全カバーを定盤の鉋刃露出開口部を開閉する方向へ回動
可能に、かつ脱着可能なるよう上記サイドプレートに枢
着すると共に、該安全カバーを、上記開口部を覆う方向
へバネにて付勢せしめてなるものである。

〔作用〕

サイドプレートは、そのガイドバーを鉋本体の定盤横幅
方向へ長く穿設したガイド孔に挿通することにより、そ
の案内面を定盤面上で横幅方向へ移動調整自在に取付け
られる。尚、サイドプレートは、ネジにてガイドバーを
締着することにより所望位置に位置決め固定される。

安全カバーは、上記サイドプレートに枢着したので、該
サイドプレートの移動に伴って鉋刃露出開口部上を移動
する。更に、介在したバネにより付勢されて被切削時は
定盤の鉋刃露出開口部を覆っているが、被切削材を定盤
上に載置し、案内面に沿って前進させることで、該被切
削材により安全カバーはバネ力に抗して回動し、サイド
プレートの窓孔に没入し、定盤面上から退避する。

被切削材が通過し、押圧力が解かれると、安全カバーは
バネ力にて自動的に復帰し、上記開口部を覆う。

安全カバーは、その枢軸によってサイドプレートに対し
て脱着可能であり、該安全カバーを取外すことで、定盤
面を下向きとして使用する通常のサイドプレート付き携
帯用電動鉋として使用できる。サイドプレートの移動に
より、上記安全カバーが覆うことが出来なくなったとこ
ろの該サイドプレートの案内面の背後にある鉋刃露出開
口部は当該サイドプレートの延出部が覆う。

〔実施例〕

以下本考案の実施例について図面を参照して説明する。

第１図、第２図において、サイドプレート１は横断面略
Ｌ字形状にして、その基板部1aの一側端に垂直に曲成し
た起立板部1bの外側面を被切削材の案内面ｉに形成して
あり、該案内面ｉは定盤２の長手方向へ長く設けられて
いる。

上記サイドプレート１は、その基板部1aの長手方向にお
ける両端部近傍と略中央部から定盤２の横幅方向におい
て、上記案内面ｉの背後方向へ延出部1c、1c、1dが夫々
水平に設けてあり、該両延出部1c、1cの各端部に有する
ボス部1e、1eに一端を固定して夫々ガイドバー1f、1f
が、上記延出部1c、1cと上下方向に適当な間隔を有して
平行に突設させてある。

鉋本体３は、図示しないモーターを内装させてあると共
に、該モーターによって駆動回転される図示しない鉋胴
が回転自在に軸支されてあり、該鉋胴に脱着自在に固定
される図示しない鉋刃が、上記定盤２に開設した開口部
2aから露出されていることにより、被切削材を切削加工
するよう形成されていることは従来のこの種電動鉋と同
様である。

上記鉋本体３には、その側面に開口して、定盤２の横幅
方向へガイド孔3a、3aが定盤面2bと平行に形成されてい
る。

上記両ガイド孔3a、3aに、上記ガイドバー1f、1fをスラ
イド自在に挿通して、上記サイドプレート１は定盤面2b
上に、その横幅方向へ移動調整可能に配置されている。

又、上記鉋本体３には、上記ガイド孔3aと略直角に連通
するネジ孔3bが貫通してあり、該ネジ孔3bにネジ４を螺
合し、該ネジ４を締、緩することで上記ガイドバー1fの
固定及び固定解除を行ない、サイドプレート１を定盤２
の横幅方向、つまり第１図中矢印ｈｈ′で示した方向
に対して移動可能に、かつ位置決め固定可能としてあ
る。

又、上記サイドプレート１の中間部の延出部1dは、サイ
ドプレート１を矢印ｈ方向へ移動した時、上記サイドプ
レート１の案内面ｉの背後にある鉋刃露出開口部2aを覆
うよう設けられている。

更に、上記サイドプレート１における案内面1iの、上記
鉋刃露出開口部2aと対応する基部には窓孔1gが、当該サ
イドプレート１の長手方向へ長く開設させてある。

安全カバー５は、平板状にして、平面略扇形状に形成さ
せてある。この安全カバー５は上記サイドプレート１の
窓孔1gに摺動自在に挿通し、その基板部1a上に重ね合わ
せた状態で扇形状の要部5aに相当する部分をネジ等の支
点軸６にて枢着してあり、該支点軸６を中心として水平
面上で第１図に示す矢印ＧＧ′方向、つまり、上記鉋
刃露出開口部2aを開閉する方向へ回動可能としてある。

こゝで、上記支点軸６は、サイドプレート１における起
立板部1bの背面から突設した舌状片1hを貫通して、基板
部1aに穿設した図示しないネジ孔に螺着することにより
上記安全カバー５をサイドプレート１に対して、支点軸
６の脱着により容易に脱着できるよう取付けてある。

又、上記安全カバー５は、一端を同安全カバー５に、他
端を上記サイドプレート１の適所に夫々掛止して上記支
点軸６に外装したバネ７により上記鉋刃露出開口部2aを
覆う方向、つまり第１図の矢印Ｇ′方向へ回動力を付勢
させてあり、被切削時、第１図中実線で示した如く、上
記開口部2aを覆った状態に保持されるようにしてあり、
切削時、図示しない被切削材が定盤上を矢印Ｋ方向へ前
進されることで、該被切削材の前端面にて押圧され、バ
ネ力に抗して矢印Ｇ方向へ回動し、第１図中二点破線で
示したように案内面ｉの背後方向へ退避し、又被切削材
による押圧が解かれることで自動的に復帰し、鉋刃露出
開口部2aを覆うようにしてある。

又、上述したように退避した際、安全カバー５の一側端
縁5bは上記窓孔1g内に没入して案内面ｉから突出しない
ように、又上記一側端縁5bが窓孔1gの開口縁1iに当接
し、バネ力に抗して当該安全カバー５は鉋刃露出開口部
2aを覆った状態に保持されるようにしてある。

携帯用電動鉋は、第２図のように定盤面2bを下向きとし
た状態で使用されるが、第１図のように定盤面2bを上向
きとして使用する場合は図示しないスタンドに固定され
る。

尚、第２図において、８は鉋本体３に設けた把手、９は
切削量調整摘みを夫々示す。〔考案の効果〕 本考案は、以上説明したように構成されているので、安
全カバー５が、定盤面2b上を移動調整自在に取付けられ
たサイドプレート１に回動可能に取付けられていること
により、切削できる被切削材の幅方向の大きさが該安全
カバー５により制限されることなく、安全に、狭幅被切
削材はもとより広幅被切削材の切削加工が可能である。
また、定盤２を挟んでサイドプレート１に対向する側に
は安全カバー５がないので、被切削材の端面を切削加工
する相ジャクリ加工を行うのに邪魔となるものがないの
で、安全カバー５が取付けられているにもかかわらず相
ジャクリ加工ができるという効果がある。かつ安全カバ
ー５はサイドプレート１に対して支点軸６を脱着するだ
けの極めて容易な操作によって簡単に脱着できるから、
安全カバー５を取外し、当該携帯用電動鉋の定盤面を下
向きとする通常の使用状態への切換えも容易にして短時
間に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る携帯用電動鉋における安全カバー
装置の実施例を示す斜視図、第２図は同安全カバーを備
えた携帯用電動鉋を一部切欠して示す側面図、第３図、
第４図は従来の携帯用電動鉋の安全カバー装置を夫々示
す各斜視図である。 １……サイドプレート、1f、1f……ガイドバー 1g……窓孔、２……定盤 2a……鉋刃露出開口部、３……鉋本体 3a、3a……ガイド孔、４……ネジ ５……安全カバー、７……バネ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一側端に被切削材の案内面ｉを設けたサイ
   ドプレート１を定盤２に対して横幅方向へ移動調整可能
   なるよう当該サイドプレートから突設したガイドバー1
   f、1fを鉋本体３に穿設したガイド孔3a、3aにスライド
   自在に挿通して、かつネジ４にて位置決め固定可能に取
   付け、上記サイドプレートの案内面基部に設けた窓孔1g
   に挿通して安全カバー５を定盤の鉋刃露出開口部2aを開
   閉する方向へ回動可能に、かつ脱着可能なるよう上記サ
   イドプレートに枢着すると共に、該安全カバーを、上記
   開口部を覆う方向へバネ７にて付勢せしめてなることを
   特徴とする携帯用電動鉋における安全カバー装置。