JPH0770604A - 貴金属造形用粘土 - Google Patents
貴金属造形用粘土Info
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- JPH0770604A JPH0770604A JP24598993A JP24598993A JPH0770604A JP H0770604 A JPH0770604 A JP H0770604A JP 24598993 A JP24598993 A JP 24598993A JP 24598993 A JP24598993 A JP 24598993A JP H0770604 A JPH0770604 A JP H0770604A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 美術工芸品、装飾品などを歩留りよく製造す
ることのできる貴金属造形用粘土を提供する。 【構成】 重量%で、貴金属粉末:25〜90%、セル
ローズ系水溶性バインダー:8.5〜25%、界面活性
剤:0.03〜3%を含有し、残部:水および不可避不
純物からなり、上記貴金属粉末は、平均粒径:5〜20
μmでかつ90%の累積粒径が50μm以下の貴金属造
形用粘土。
ることのできる貴金属造形用粘土を提供する。 【構成】 重量%で、貴金属粉末:25〜90%、セル
ローズ系水溶性バインダー:8.5〜25%、界面活性
剤:0.03〜3%を含有し、残部:水および不可避不
純物からなり、上記貴金属粉末は、平均粒径:5〜20
μmでかつ90%の累積粒径が50μm以下の貴金属造
形用粘土。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、貴金属からなる美術
工芸品、装飾品等の造形物(以下、貴金属造形物とい
う)を製造するための貴金属造形用粘土に関するもので
ある。
工芸品、装飾品等の造形物(以下、貴金属造形物とい
う)を製造するための貴金属造形用粘土に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、貴金属造形物は、貴金属と溶解鋳
造または鍛造することにより作製されていたが、近年、
貴金属造形物を貴金属造形用粘土の成形体と焼成するこ
とにより作製する方法が提案されている(特開平4−2
6707号公報参照)。
造または鍛造することにより作製されていたが、近年、
貴金属造形物を貴金属造形用粘土の成形体と焼成するこ
とにより作製する方法が提案されている(特開平4−2
6707号公報参照)。
【0003】上記貴金属造形用粘土は、貴金属粉末:5
0〜90重量%、セルローズ系水溶性バインダー:0.
8〜8重量%、界面活性剤:0.03〜3重量%、油
脂:0.1〜3重量%を含有し、残りが水および不可避
不純物からなる組成を有し、上記貴金属粉末は、平均粒
径:200μm以下としていた。
0〜90重量%、セルローズ系水溶性バインダー:0.
8〜8重量%、界面活性剤:0.03〜3重量%、油
脂:0.1〜3重量%を含有し、残りが水および不可避
不純物からなる組成を有し、上記貴金属粉末は、平均粒
径:200μm以下としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記貴金属造
形用粘土は、成形時の伸びが小さく、さらに上記貴金属
造形用粘土の成形体を焼結して得られた貴金属造形物に
は微細な割れが生じるなどの課題があった。
形用粘土は、成形時の伸びが小さく、さらに上記貴金属
造形用粘土の成形体を焼結して得られた貴金属造形物に
は微細な割れが生じるなどの課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる課題を解決するべく研究を行った結果、従来の貴
金属造形用粘土のように油脂を添加することなくセルロ
ーズ系水溶性バインダーの添加量を8.5〜25重量%
に増加し、さらに貴金属粉末の粒度を平均粒径:5〜2
0μmでかつ90%の累積粒径を50μm以下に制限す
ることにより上記課題を解決することができるという知
見を得たのである。
かかる課題を解決するべく研究を行った結果、従来の貴
金属造形用粘土のように油脂を添加することなくセルロ
ーズ系水溶性バインダーの添加量を8.5〜25重量%
に増加し、さらに貴金属粉末の粒度を平均粒径:5〜2
0μmでかつ90%の累積粒径を50μm以下に制限す
ることにより上記課題を解決することができるという知
見を得たのである。
【0006】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、重量%で、貴金属粉末:25〜90
%、セルローズ系水溶性バインダー:8.5〜25%、
界面活性剤:0.03〜3%を含有し、残部:水および
不可避不純物からなり、上記貴金属粉末は、平均粒径:
5〜20μmでかつ90%の累積粒径が50μm以下の
貴金属造形用粘土に特徴を有するものである。
れたものであって、重量%で、貴金属粉末:25〜90
%、セルローズ系水溶性バインダー:8.5〜25%、
界面活性剤:0.03〜3%を含有し、残部:水および
不可避不純物からなり、上記貴金属粉末は、平均粒径:
5〜20μmでかつ90%の累積粒径が50μm以下の
貴金属造形用粘土に特徴を有するものである。
【0007】この発明の貴金属造形用粘土に用いる原料
の配合組成および貴金属粉末の粒度を上記の如く限定し
た理由を説明する。
の配合組成および貴金属粉末の粒度を上記の如く限定し
た理由を説明する。
【0008】(a) 貴金属粉末 貴金属造形用粘土を構成する主成分であるが、その含有
量が25重量%未満では貴金属光沢を示すに十分な効果
が得られず、一方、90重量%を越えて含有すると、得
られた貴金属造形用粘土の伸びおよび強度が低下するよ
うになるので好ましくない。したがって、貴金属造形用
粘土に含まれる貴金属粉末の含有量は25〜90重量%
に定めた。
量が25重量%未満では貴金属光沢を示すに十分な効果
が得られず、一方、90重量%を越えて含有すると、得
られた貴金属造形用粘土の伸びおよび強度が低下するよ
うになるので好ましくない。したがって、貴金属造形用
粘土に含まれる貴金属粉末の含有量は25〜90重量%
に定めた。
【0009】上記貴金属粉末は、粘土中25〜90重量
%含有されていて、しかも、その平均粒径は5〜20μ
mでかつ90%の累積粒径が50μm以下であることが
必要であり、この範囲から外れると焼結して得られた貴
金属造形物に微細なひび割れが発生し、光沢も減少する
ので好ましくない。
%含有されていて、しかも、その平均粒径は5〜20μ
mでかつ90%の累積粒径が50μm以下であることが
必要であり、この範囲から外れると焼結して得られた貴
金属造形物に微細なひび割れが発生し、光沢も減少する
ので好ましくない。
【0010】(b) セルローズ系水溶性バインダー セルローズ系水溶性バインダーは、加熱すると速やかに
ゲル化して固化し、造形物の形状保持を容易にするが、
その添加量が9重量%未満では焼結して得られた貴金属
造形物に微細なひび割れが発生するので好ましくなく、
一方、25重量%を越えて含有すると貴金属造形用粘土
の弾性が大きくなって成形が困難となるので好ましくな
い。したがってセルローズ系水溶性バインダーの含有量
は8.5〜25重量%に定めた。
ゲル化して固化し、造形物の形状保持を容易にするが、
その添加量が9重量%未満では焼結して得られた貴金属
造形物に微細なひび割れが発生するので好ましくなく、
一方、25重量%を越えて含有すると貴金属造形用粘土
の弾性が大きくなって成形が困難となるので好ましくな
い。したがってセルローズ系水溶性バインダーの含有量
は8.5〜25重量%に定めた。
【0011】(c) 界面活性剤 界面活性剤を添加して混合することにより、バインダー
と水の反応により生じた固形物を粉砕し、また貴金属粉
末とバインダーとの混合性を良くする作用を有するが、
添加する界面活性剤の量が0.03重量%未満では、そ
の効果が十分でなく、一方、界面活性剤を3重量%より
も多く添加すると、得られた貴金属造形用粘土の粘性度
が低下し、流動性を増して成形することが難しくなるの
で好ましくない。したがって、界面活性剤の添加量は、
0.03〜3重量%に定めた。
と水の反応により生じた固形物を粉砕し、また貴金属粉
末とバインダーとの混合性を良くする作用を有するが、
添加する界面活性剤の量が0.03重量%未満では、そ
の効果が十分でなく、一方、界面活性剤を3重量%より
も多く添加すると、得られた貴金属造形用粘土の粘性度
が低下し、流動性を増して成形することが難しくなるの
で好ましくない。したがって、界面活性剤の添加量は、
0.03〜3重量%に定めた。
【0012】
【実施例】表1〜2に示される平均粒径および90%の
累積粒径を有するAu粉末、セルローズ系水溶性バイン
ダーとしてのエチルセルローズ、界面活性剤、およびフ
タル酸−n−ジブチルを用意し、これらを表1〜2に示
される割合に配合し混練することにより本発明貴金属造
形用粘土(以下、本発明粘土という)1〜10、比較貴
金属造形用粘土(以下、比較粘土という)1〜9および
従来貴金属造形用粘土(以下、従来粘土という)を作製
した。
累積粒径を有するAu粉末、セルローズ系水溶性バイン
ダーとしてのエチルセルローズ、界面活性剤、およびフ
タル酸−n−ジブチルを用意し、これらを表1〜2に示
される割合に配合し混練することにより本発明貴金属造
形用粘土(以下、本発明粘土という)1〜10、比較貴
金属造形用粘土(以下、比較粘土という)1〜9および
従来貴金属造形用粘土(以下、従来粘土という)を作製
した。
【0013】これら本発明粘土1〜10、比較粘土1〜
9および従来粘土を用い、外径:20mm、内径:14m
m、幅:3mmの寸法を有するリング形状の成形体をそれ
ぞれ3個づつ成形し、この成形体を電気炉に装入し、温
度:1000℃に2時間保持することにより貴金属造形
物のサンプルを作製した。これらサンプルの内ひび割れ
が発生したサンプルの個数を数え、その結果を表1〜2
に示した。
9および従来粘土を用い、外径:20mm、内径:14m
m、幅:3mmの寸法を有するリング形状の成形体をそれ
ぞれ3個づつ成形し、この成形体を電気炉に装入し、温
度:1000℃に2時間保持することにより貴金属造形
物のサンプルを作製した。これらサンプルの内ひび割れ
が発生したサンプルの個数を数え、その結果を表1〜2
に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】表1〜2に示される結果から、本発明粘
土1〜10により作製した貴金属造形物のサンプルは3
個のうちいずれもひび割れは発生しなかったが、従来粘
土および比較粘土1〜9で作製したサンプルには3個の
うち少なくとも1個にひび割れが発生し、さらにこの発
明の範囲から外れた粒度のAu粉末を用いた比較粘土3
〜5を用いて作製したサンプルは光沢が不足するなどの
欠陥を生じていることがわかる。
土1〜10により作製した貴金属造形物のサンプルは3
個のうちいずれもひび割れは発生しなかったが、従来粘
土および比較粘土1〜9で作製したサンプルには3個の
うち少なくとも1個にひび割れが発生し、さらにこの発
明の範囲から外れた粒度のAu粉末を用いた比較粘土3
〜5を用いて作製したサンプルは光沢が不足するなどの
欠陥を生じていることがわかる。
【0017】上述のように、この発明の貴金属造形用粘
土は、従来よりも美術工芸品、装飾品などを歩留りよく
製造することができるという優れた効果がある。
土は、従来よりも美術工芸品、装飾品などを歩留りよく
製造することができるという優れた効果がある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、貴金属からなる美術
工芸品、装飾品等の造形物(以下、貴金属造形物とい
う)を製造するための貴金属造形用粘土に関するもので
ある。
工芸品、装飾品等の造形物(以下、貴金属造形物とい
う)を製造するための貴金属造形用粘土に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、貴金属造形物は、貴金属と溶解鋳
造または鍛造することにより作製されていたが、近年、
貴金属造形物を貴金属造形用粘土の成形体と焼成するこ
とにより作製する方法が提案されている(特開平4−2
6707号公報参照)。
造または鍛造することにより作製されていたが、近年、
貴金属造形物を貴金属造形用粘土の成形体と焼成するこ
とにより作製する方法が提案されている(特開平4−2
6707号公報参照)。
【0003】上記貴金属造形用粘土は、貴金属粉末:5
0〜90重量%、セルローズ系水溶性バインダー:0.
8〜8重量%、界面活性剤:0.03〜3重量%、油
脂:0.1〜3重量%を含有し、残りが水および不可避
不純物からなる組成を有し、上記貴金属粉末は、平均粒
径:200μm以下としていた。
0〜90重量%、セルローズ系水溶性バインダー:0.
8〜8重量%、界面活性剤:0.03〜3重量%、油
脂:0.1〜3重量%を含有し、残りが水および不可避
不純物からなる組成を有し、上記貴金属粉末は、平均粒
径:200μm以下としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記貴金属造
形用粘土は、成形時の伸びが小さく、さらに上記貴金属
造形用粘土の成形体を焼結して得られた貴金属造形物に
は微細な割れが生じるなどの課題があった。
形用粘土は、成形時の伸びが小さく、さらに上記貴金属
造形用粘土の成形体を焼結して得られた貴金属造形物に
は微細な割れが生じるなどの課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる課題を解決するべく研究を行った結果、従来の貴
金属造形用粘土のように油脂を添加することなくセルロ
ーズ系水溶性バインダーの添加量を8.5〜25重量%
に増加し、さらに貴金属粉末の粒度を平均粒径:5〜2
0μmでかつ90%の累積粒径を50μm以下に制限す
ることにより上記課題を解決することができるという知
見を得たのである。
かかる課題を解決するべく研究を行った結果、従来の貴
金属造形用粘土のように油脂を添加することなくセルロ
ーズ系水溶性バインダーの添加量を8.5〜25重量%
に増加し、さらに貴金属粉末の粒度を平均粒径:5〜2
0μmでかつ90%の累積粒径を50μm以下に制限す
ることにより上記課題を解決することができるという知
見を得たのである。
【0006】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、重量%で、貴金属粉末:25〜90
%、セルローズ系水溶性バインダー:8.5〜25%、
界面活性剤:0.03〜3%を含有し、残部:水および
不可避不純物からなり、上記貴金属粉末は、平均粒径:
5〜20μmでかつ90%の累積粒径が50μm以下の
貴金属造形用粘土に特徴を有するものである。
れたものであって、重量%で、貴金属粉末:25〜90
%、セルローズ系水溶性バインダー:8.5〜25%、
界面活性剤:0.03〜3%を含有し、残部:水および
不可避不純物からなり、上記貴金属粉末は、平均粒径:
5〜20μmでかつ90%の累積粒径が50μm以下の
貴金属造形用粘土に特徴を有するものである。
【0007】この発明の貴金属造形用粘土に用いる原料
の配合組成および貴金属粉末の粒度を上記の如く限定し
た理由を説明する。
の配合組成および貴金属粉末の粒度を上記の如く限定し
た理由を説明する。
【0008】(a) 貴金属粉末 貴金属造形用粘土を構成する主成分であるが、その含有
量が25重量%未満では貴金属光沢を示すに十分な効果
が得られず、一方、90重量%を越えて含有すると、得
られた貴金属造形用粘土の伸びおよび強度が低下するよ
うになるので好ましくない。したがって、貴金属造形用
粘土に含まれる貴金属粉末の含有量は25〜90重量%
に定めた。
量が25重量%未満では貴金属光沢を示すに十分な効果
が得られず、一方、90重量%を越えて含有すると、得
られた貴金属造形用粘土の伸びおよび強度が低下するよ
うになるので好ましくない。したがって、貴金属造形用
粘土に含まれる貴金属粉末の含有量は25〜90重量%
に定めた。
【0009】上記貴金属粉末は、粘土中25〜90重量
%含有されていて、しかも、その平均粒径は5〜20μ
mでかつ90%の累積粒径が50μm以下であることが
必要であり、この範囲から外れると焼結して得られた貴
金属造形物に微細なひび割れが発生し、光沢も減少する
ので好ましくない。
%含有されていて、しかも、その平均粒径は5〜20μ
mでかつ90%の累積粒径が50μm以下であることが
必要であり、この範囲から外れると焼結して得られた貴
金属造形物に微細なひび割れが発生し、光沢も減少する
ので好ましくない。
【0010】(b) セルローズ系水溶性バインダー セルローズ系水溶性バインダーは、加熱すると速やかに
ゲル化して固化し、造形物の形状保持を容易にするが、
その添加量が9重量%未満では焼結して得られた貴金属
造形物に微細なひび割れが発生するので好ましくなく、
一方、25重量%を越えて含有すると貴金属造形用粘土
の弾性が大きくなって成形が困難となるので好ましくな
い。したがってセルローズ系水溶性バインダーの含有量
は8.5〜25重量%に定めた。
ゲル化して固化し、造形物の形状保持を容易にするが、
その添加量が9重量%未満では焼結して得られた貴金属
造形物に微細なひび割れが発生するので好ましくなく、
一方、25重量%を越えて含有すると貴金属造形用粘土
の弾性が大きくなって成形が困難となるので好ましくな
い。したがってセルローズ系水溶性バインダーの含有量
は8.5〜25重量%に定めた。
【0011】(c) 界面活性剤 界面活性剤を添加して混合することにより、バインダー
と水の反応により生じた固形物を粉砕し、また貴金属粉
末とバインダーとの混合性を良くする作用を有するが、
添加する界面活性剤の量が0.03重量%未満では、そ
の効果が十分でなく、一方、界面活性剤を3重量%より
も多く添加すると、得られた貴金属造形用粘土の粘性度
が低下し、流動性を増して成形することが難しくなるの
で好ましくない。したがって、界面活性剤の添加量は、
0.03〜3重量%に定めた。
と水の反応により生じた固形物を粉砕し、また貴金属粉
末とバインダーとの混合性を良くする作用を有するが、
添加する界面活性剤の量が0.03重量%未満では、そ
の効果が十分でなく、一方、界面活性剤を3重量%より
も多く添加すると、得られた貴金属造形用粘土の粘性度
が低下し、流動性を増して成形することが難しくなるの
で好ましくない。したがって、界面活性剤の添加量は、
0.03〜3重量%に定めた。
【0012】
【実施例】 実施例1 表1〜2に示される平均粒径および90%の累積粒径を
有するAu粉末、セルローズ系水溶性バインダーとして
のエチルセルローズ、界面活性剤、およびフタル酸−n
−ジブチルを用意し、これらを表1〜2に示される割合
に配合し混練することにより本発明貴金属造形用粘土
(以下、本発明粘土という)1〜10、比較貴金属造形
用粘土(以下、比較粘土という)1〜9および従来貴金
属造形用粘土(以下、従来粘土という)を作製した。
有するAu粉末、セルローズ系水溶性バインダーとして
のエチルセルローズ、界面活性剤、およびフタル酸−n
−ジブチルを用意し、これらを表1〜2に示される割合
に配合し混練することにより本発明貴金属造形用粘土
(以下、本発明粘土という)1〜10、比較貴金属造形
用粘土(以下、比較粘土という)1〜9および従来貴金
属造形用粘土(以下、従来粘土という)を作製した。
【0013】これら本発明粘土1〜10、比較粘土1〜
9および従来粘土を用い、外径:20mm、内径:14m
m、幅:3mmの寸法を有するリング形状の成形体をそれ
ぞれ3個づつ成形し、この成形体を電気炉に装入し、温
度:1000℃に2時間保持することにより貴金属造形
物のサンプルを作製した。これらサンプルの内ひび割れ
が発生したサンプルの個数を数え、その結果を表1〜2
に示した。
9および従来粘土を用い、外径:20mm、内径:14m
m、幅:3mmの寸法を有するリング形状の成形体をそれ
ぞれ3個づつ成形し、この成形体を電気炉に装入し、温
度:1000℃に2時間保持することにより貴金属造形
物のサンプルを作製した。これらサンプルの内ひび割れ
が発生したサンプルの個数を数え、その結果を表1〜2
に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表1〜2に示される結果から、本発明粘土
1〜10により作製した貴金属造形物のサンプルは3個
のうちいずれもひび割れは発生しなかったが、従来粘土
および比較粘土1〜9で作製したサンプルには3個のう
ち少なくとも1個にひび割れが発生し、さらにこの発明
の範囲から外れた粒度のAu粉末を用いた比較粘土3〜
5を用いて作製したサンプルは光沢が不足するなどの欠
陥を生じていることがわかる。
1〜10により作製した貴金属造形物のサンプルは3個
のうちいずれもひび割れは発生しなかったが、従来粘土
および比較粘土1〜9で作製したサンプルには3個のう
ち少なくとも1個にひび割れが発生し、さらにこの発明
の範囲から外れた粒度のAu粉末を用いた比較粘土3〜
5を用いて作製したサンプルは光沢が不足するなどの欠
陥を生じていることがわかる。
【0017】実施例2 表3に示される平均粒径、90%の累積粒径、成分組成
および色調を有するK18粉末A〜Fを用意した。
および色調を有するK18粉末A〜Fを用意した。
【0018】
【表3】
【0019】さらに、セルローズ系水溶性バインダーと
してのエチルセルローズ、および界面活性剤を用意し、
色調の異なったK18粉末と共に表4に示される割合に
配合し、混練することによりK18粉末とほぼ同じ色調
の本発明粘土11〜13および比較粘土10〜12を作
製した。
してのエチルセルローズ、および界面活性剤を用意し、
色調の異なったK18粉末と共に表4に示される割合に
配合し、混練することによりK18粉末とほぼ同じ色調
の本発明粘土11〜13および比較粘土10〜12を作
製した。
【0020】これら3種類の色調を有する本発明粘土1
1〜13を各々30gづつ練り込み、雲流形模様のワイ
ングラス形成形体を作製した。さらに比較粘土10〜1
2を各々30gづつ練り込み、同様にして雲流形模様の
ワイングラス形成形体を作製した。これらワイングラス
形成形体を電気炉に装入し、温度:500℃で脱バイン
ダーしたのち、還元雰囲気中、温度:880℃に2時間
保持することにより、成形体とほぼ同じ雲流形模様を有
する2個のワイングラス形貴金属焼結体を得た。これら
貴金属焼結体の表面を観察したところ、本発明粘土11
〜13で作製した貴金属焼結体にはひび割れが発生しな
かったが、比較粘土10〜12で作製した貴金属焼結体
にはひび割れが5個発見された。
1〜13を各々30gづつ練り込み、雲流形模様のワイ
ングラス形成形体を作製した。さらに比較粘土10〜1
2を各々30gづつ練り込み、同様にして雲流形模様の
ワイングラス形成形体を作製した。これらワイングラス
形成形体を電気炉に装入し、温度:500℃で脱バイン
ダーしたのち、還元雰囲気中、温度:880℃に2時間
保持することにより、成形体とほぼ同じ雲流形模様を有
する2個のワイングラス形貴金属焼結体を得た。これら
貴金属焼結体の表面を観察したところ、本発明粘土11
〜13で作製した貴金属焼結体にはひび割れが発生しな
かったが、比較粘土10〜12で作製した貴金属焼結体
にはひび割れが5個発見された。
【0021】
【表4】
【0022】実施例3 表5に示される平均粒径および90%の累積粒径を有す
るAg粉末およびAu粉末、セルローズ系水溶性バイン
ダーとしてのエチルセルローズ、並びに界面活性剤を用
意し、これらを表5に示される割合に配合し混練するこ
とにより本発明粘土14〜15および比較粘土13〜1
4を作製した。これら粘土のうち、Ag粉末含有の本発
明粘土14および比較粘土13を用い、酒杯形の成形体
を作製し、これらを電気炉に装入し、大気中、温度:9
00℃、2時間保持のすることによりAg製酒杯を得
た。
るAg粉末およびAu粉末、セルローズ系水溶性バイン
ダーとしてのエチルセルローズ、並びに界面活性剤を用
意し、これらを表5に示される割合に配合し混練するこ
とにより本発明粘土14〜15および比較粘土13〜1
4を作製した。これら粘土のうち、Ag粉末含有の本発
明粘土14および比較粘土13を用い、酒杯形の成形体
を作製し、これらを電気炉に装入し、大気中、温度:9
00℃、2時間保持のすることによりAg製酒杯を得
た。
【0023】得られたAg製酒杯の表面に、Au粉末を
含む本発明粘土15および比較粘土14を用いて漢字の
「寿」形を造形し貼付けたのち、再度電気炉に装入し、
大気中、温度:900℃、2時間保持することにより、
表面に「寿」の文字の入った酒杯を得た。これら酒杯の
表面を観察したところ、本発明粘土14および15で作
製した酒杯にはひび割れは見られなかったが、比較粘土
13および14で作製した酒杯には「寿」文字と酒杯本
体の境界にひび割れが4個発生しているのが確認でき
た。
含む本発明粘土15および比較粘土14を用いて漢字の
「寿」形を造形し貼付けたのち、再度電気炉に装入し、
大気中、温度:900℃、2時間保持することにより、
表面に「寿」の文字の入った酒杯を得た。これら酒杯の
表面を観察したところ、本発明粘土14および15で作
製した酒杯にはひび割れは見られなかったが、比較粘土
13および14で作製した酒杯には「寿」文字と酒杯本
体の境界にひび割れが4個発生しているのが確認でき
た。
【0024】
【表5】
【0025】実施例4 従来例2で作製した3種類の色調を有する本発明粘土1
1〜13および比較粘土10〜12を用いて格子模様を
有するブローチ形成形体を作製し、このブローチ形成形
体を実施例2と同一条件で焼結することにより貴金属ブ
ローチ焼結体を得た。この貴金属ブローチ焼結体の表面
を観察したところ、本発明粘土11〜13で作製した貴
金属ブローチ焼結体にはひび割れは認められなかった
が、比較粘土10〜12で作製した貴金属ブローチ焼結
体には格子模様の接合部分に5個のひび割れが見られ
た。また、本発明粘土11〜13で作製した貴金属ブロ
ーチ焼結体は気孔率が20%あり、液体香料を含浸させ
ることにより長時間芳香性を保持することができた。
1〜13および比較粘土10〜12を用いて格子模様を
有するブローチ形成形体を作製し、このブローチ形成形
体を実施例2と同一条件で焼結することにより貴金属ブ
ローチ焼結体を得た。この貴金属ブローチ焼結体の表面
を観察したところ、本発明粘土11〜13で作製した貴
金属ブローチ焼結体にはひび割れは認められなかった
が、比較粘土10〜12で作製した貴金属ブローチ焼結
体には格子模様の接合部分に5個のひび割れが見られ
た。また、本発明粘土11〜13で作製した貴金属ブロ
ーチ焼結体は気孔率が20%あり、液体香料を含浸させ
ることにより長時間芳香性を保持することができた。
【0026】
【発明の効果】実施例1〜4の記載から明らかなよう
に、この発明の貴金属造形用粘土を用いると、ひび割れ
のない貴金属焼結体を得ることができるので、従来より
も歩留りよく美術工芸品、装飾品などを製造することが
できるという優れた効果がある。
に、この発明の貴金属造形用粘土を用いると、ひび割れ
のない貴金属焼結体を得ることができるので、従来より
も歩留りよく美術工芸品、装飾品などを製造することが
できるという優れた効果がある。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、貴金属粉末:25〜90%、
セルローズ系水溶性バインダー:8.5〜25%、界面
活性剤:0.03〜3%を含有し、残部:水および不可
避不純物からなり、上記貴金属粉末は、平均粒径:5〜
20μmでかつ90%の累積粒径が50μm以下である
ことを特徴とする貴金属造形用粘土。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24598993A JPH0770604A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 貴金属造形用粘土 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24598993A JPH0770604A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 貴金属造形用粘土 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0770604A true JPH0770604A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=17141819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24598993A Pending JPH0770604A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 貴金属造形用粘土 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0770604A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100489630B1 (ko) * | 2002-10-31 | 2005-05-17 | 류수연 | 귀금속 공예용 귀금속 점토 조성물 및 그 제조방법 |
US7153559B2 (en) | 2000-09-08 | 2006-12-26 | Nippon Steel Corporation | Ceramic-metal composite body, composite structure for transporting oxide ion, and composite body having sealing property |
-
1993
- 1993-09-06 JP JP24598993A patent/JPH0770604A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7153559B2 (en) | 2000-09-08 | 2006-12-26 | Nippon Steel Corporation | Ceramic-metal composite body, composite structure for transporting oxide ion, and composite body having sealing property |
KR100489630B1 (ko) * | 2002-10-31 | 2005-05-17 | 류수연 | 귀금속 공예용 귀금속 점토 조성물 및 그 제조방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010814 |