JPH0718302A - 貴金属造形用可塑性組成物 - Google Patents

貴金属造形用可塑性組成物

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JPH0718302A
JPH0718302A JP5187144A JP18714493A JPH0718302A JP H0718302 A JPH0718302 A JP H0718302A JP 5187144 A JP5187144 A JP 5187144A JP 18714493 A JP18714493 A JP 18714493A JP H0718302 A JPH0718302 A JP H0718302A
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noble metal
weight
metal powder
powder
plastic composition
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JP5187144A
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Masaki Morikawa
正樹 森川
Juichi Hirasawa
寿一 平澤
Toshinori Ishii
利昇 石井
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 造形した造形物を焼成して得られた貴金属物
品の色調を様々に変化させることができる貴金属造形用
可塑性組成物を提供する。 【構成】 貴金属粉末を50〜90重量%、セルローズ
系水溶性バインダーを0.8〜8重量%、界面活性剤を
0.03〜3重量%、油脂を0.1〜3重量%含有し、
残部が水及び不可避不純物からなる組成を有し、前記貴
金属粉末は、平均粒径が1〜200μmの範囲で互いに
異なる複数の粉体群の混合物であり、かつ、それぞれの
粉体群の粒径の範囲が互いに重ならない範囲に設定した
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塑像などの美術工芸
品、装飾品などを製造するための素材として用いて好適
な貴金属造形用可塑性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、美術工芸品、装飾品、容器等を製
造するための造形用可塑性組成物としては、粘土、陶
土、磁土等が知られており、これら粘土、陶土、磁土等
を所望の形状に造形し、乾燥し、窯で焼いて硬化させ、
美術工芸品、装飾品、容器等の陶磁器を製造していた。
しかしながら、これらの陶磁器は硬くかつ脆いため、機
械加工が容易ではない。そこで、最近、金属粉末に少量
のベントナイト及び水を混合して得られた造形用可塑性
組成物が提案されており、該造形用可塑性組成物に上記
の粘土等の技法を適用することにより、金属製品を製造
する方法が知られている。また、従来から、金属粉末に
セルローズ系水溶性バインダー及び水を添加してスラリ
ー(造形用可塑性組成物)とし、このスラリーをドクタ
ーブレード法により成形してグリーンシートとし、該グ
リーンシートを脱脂、焼成して薄板状の金属製品を製造
する方法も知られている。
【0003】しかし、上記金属粉末に少量のベントナイ
ト及び水を混合して得られた造形用可塑性組成物を上記
粘土と同じ技法で手で造形すると、上記金属粉末及びベ
ントナイトが手に付着して不快感を与えることとなり、
また、特に該造形用可塑性組成物に貴金属粉末が含まれ
るような場合、手に付着した該造形用可塑性組成物を洗
い流す際に高価な貴金属粉末も同時に流れてしまい、不
経済である。また、該造形用可塑性組成物を用いて造形
物を作製した場合、自然乾燥により乾燥させる必要があ
り、時間がかかりすぎるという欠点がある。さらに、焼
成して得られた金属製品には少量ではあるがベントナイ
トが含まれているために、金属特有の光沢が失われ易い
という欠点がある。なかでも、金、銀、白金等の貴金属
製品においては、光沢の減少が製品としての価値を低下
させるという大きな問題があった。一方、ドクターブレ
ード法において用いるスラリーは流動性が大きく、手で
所望の形状に造形することができない。
【0004】そこで、最近、上記の欠点や問題を解決し
た造形用可塑性組成物として、次のような貴金属造形用
可塑性組成物が提案されている(特開平4−26707
号公報参照)。この貴金属造形用可塑性組成物は、貴金
属粉末を50〜90重量%、セルローズ系水溶性バイン
ダーを0.8〜8重量%、界面活性剤を0.03〜3重
量%、油脂を0.1〜3重量%含有し、残部が水及び不
可避不純物からなる組成を有するもので、前記貴金属粉
末の平均粒径は200μm以下である。この貴金属造形
用可塑性組成物によれば、従来の粘土と同様に手で造形
しても手に付着する量が極めて少なく、得られた造形物
を乾燥することなく電気炉等で焼成した貴金属物品には
クラック等が発生することがない等の優れた特徴を有す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、該貴金属造
形用可塑性組成物においては、造形性を高めるために、
粒径の揃った貴金属粉末を用いて貴金属造形用可塑性組
成物を作製していた。しかし、この貴金属造形用可塑性
組成物を用いて造形した場合、該造形物を焼成した貴金
属物品は単一の色調のものしか得られず、特に、美術工
芸品や装飾品等のように色調を様々に変化させたい場合
に対応できないという問題があった。
【0006】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、造形した造形物を焼成して得られた貴金
属物品の色調を様々に変化させることができる貴金属造
形用可塑性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は次の様な貴金属造形用可塑性組成物を採
用した。すなわち、この発明の請求項1記載の貴金属造
形用可塑性組成物は、貴金属粉末を50〜90重量%、
セルローズ系水溶性バインダーを0.8〜8重量%、界
面活性剤を0.03〜3重量%、油脂を0.1〜3重量
%含有し、残部が水及び不可避不純物からなる組成を有
し、前記貴金属粉末は、平均粒径が1〜200μmの範
囲で互いに異なる複数の粉体群の混合物であり、かつ、
それぞれの粉体群の粒径の範囲が互いに重ならない範囲
に設定したことを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の貴金属造形用可塑性
組成物は、貴金属粉末を50〜90重量%、セルローズ
系水溶性バインダーを0.8〜8重量%、界面活性剤を
0.03〜3重量%、油脂を0.1〜3重量%含有し、
残部が水及び不可避不純物からなる組成を有し、前記貴
金属粉末は、平均粒径が100μm〜200μm、20
μm〜50μm、1μm〜5μmのいずれか1種、もし
くは、これらから選択された2種以上の粉体群の混合物
であり、前記粉体群の粒径の範囲は互いに重ならない範
囲に設定したことを特徴としている。
【0009】ここで、貴金属造形用可塑性組成物の組成
を上記の様に定めた理由を説明する。 (a) 貴金属粉末 この貴金属粉末は、貴金属造形用可塑性組成物を構成す
る主成分であり、製品の色調を決定する重要な要素でも
ある。前記貴金属としては、金、銀、銅、白金、ルテニ
ウム、リジウム、パラジウム、イリジウム、及びこれら
の合金等が好適に用いられる。この貴金属粉末は、その
含有量が50重量%未満ではその効果がなく、また、9
0重量%を越えると貴金属造形用可塑性組成物の伸び及
び強度が低下するので好ましくない。したがって、貴金
属粉末の含有量は、50〜90重量%の範囲が好まし
い。
【0010】また、この貴金属粉末は、その平均粒径が
200μmを越えると貴金属造形用可塑性組成物の伸び
及び強度が低下し、該貴金属造形用可塑性組成物を焼成
する際に非常に時間がかかるばかりか焼成後の強度が十
分でなく脆くなり取扱いが困難となるので好ましくな
く、また、1μm未満では微粉になりすぎるために成形
性が悪く、焼成時に割れが生じるので好ましくない。し
たがって、貴金属粉末の平均粒径は、1〜200μmの
範囲が好ましい。
【0011】この貴金属粉末の色調は、その平均粒径が
1μmから200μmまで変化するにしたがって、その
色調が様々に変化する。したがって、1〜200μmの
平均粒径の範囲を複数の範囲に分割し、これら各範囲に
おいて平均粒径の範囲を選択し、これら選択された範囲
の平均粒径の粉体をそれぞれ単独、もしくはこれらを所
定の混合比率で混合することにより、焼成後の造形物の
色調を様々に変化させることができる。
【0012】ここで、貴金属粉末の具体例について説明
する。例えば、純金粉の場合、焼成後の造形物の色調を
図1に示すように、「白黄色」から「暗黄色」まで7段
階に分類すると、平均粒径の範囲が100μm〜200
μmでは「白黄色」(色調グレード1)、20μm〜5
0μmでは「黄金色」(色調グレード4)、1μm〜5
μmでは「暗黄色」(色調グレード7)となる。したが
って、これら3種類の平均粒径の粉体をそれぞれ単独、
もしくはこれらを所定の混合比率で混合することによ
り、焼成後の造形物の色調を「白黄色」(色調グレード
1)から「暗黄色」(色調グレード7)まて連続的に変
化させることができる。
【0013】例えば、100μm〜200μmを50
%、20μm〜50μmを30%、1μm〜5μmを2
0%の混合比率で混合すると「黄金色」(色調グレード
3)が、100μm〜200μmを20%、20μm〜
50μmを30%、1μm〜5μmを50%の混合比率
で混合すると「暗黄色」(色調グレード5)が、100
μm〜200μmを20%、20μm〜50μmを20
%、1μm〜5μmを60%の混合比率で混合すると
「暗黄色」(色調グレード6)が得られる。
【0014】また、白金粉の場合、焼成後の造形物の色
調を図2に示すように、「黒色」から「白色」まで7段
階に分類すると、平均粒径の範囲が1μm〜5μmでは
「黒色」(色調グレード1)、100μm〜200μm
では「灰色」(色調グレード4)、20μm〜50μm
では「白色」(色調グレード7)となる。したがって、
これら3種類の平均粒径の粉体をそれぞれ単独、もしく
はこれらを所定の混合比率で混合することにより、焼成
後の造形物の色調を「黒色」(色調グレード1)から
「白色」(色調グレード7)まて連続的に変化させるこ
とができる。
【0015】例えば、100μm〜200μmを50
%、1μm〜5μmを50%の混合比率で混合すると
「黒色」(色調グレード2)が、100μm〜200μ
mを50%、20μm〜50μmを30%、1μm〜5
μmを20%の混合比率で混合すると「灰色」(色調グ
レード5)が、100μm〜200μmを50%、20
μm〜50μmを50%の混合比率で混合すると「白
色」(色調グレード6)が得られる。
【0016】また、銀、銅、ルテニウム、リジウム、パ
ラジウム、イリジウムについても、上記純金及び白金と
全く同様に、焼成後の造形物の色調を連続的に変化させ
ることができる。
【0017】したがって、図3に示すように、平均粒径
の範囲が100μm〜200μmの領域をA領域、平均
粒径の範囲が20μm〜50μmの領域をB領域、平均
粒径の範囲が1μm〜5μmの領域をC領域とすれば、
これらの領域A〜C各々から所定の平均粒径の粉体を選
択し、これらの粉体をそれぞれ単独、もしくはこれらを
所定の混合比率で混合することにより、焼成後の造形物
の色調を連続的に変化させることができる。
【0018】(b) セルローズ系水溶性バインダー セルローズ系水溶性バインダーは、メチルセルローズ、
エチルセルローズ等を水に溶解したもので、加熱すると
速やかにゲル化して固化し、前記造形用可塑性組成物の
形状を良好に保持するものである。このセルローズ系水
溶性バインダーの添加量が0.8重量%未満ではバイン
ダーとしての効果が得られず前記造形用可塑性組成物に
可塑性を付与することができず、また、8重量%より多
いと粘性が大きくなりすぎて造形することができなくな
るので好ましくない。したがって、セルローズ系水溶性
バインダーの添加量は、0.8〜8重量%の範囲が好ま
しい。
【0019】(c) 界面活性剤 界面活性剤は、貴金属粉末とセルローズ系水溶性バイン
ダーとの親和性を高め、両者の混合を容易にするもので
ある。界面活性剤の添加量が0.03重量%未満ではそ
の効果が十分でなく、また、3重量%より多いと得られ
た造形用可塑性組成物の粘性が低下し流動性が増して造
形することができなくなるので好ましくない。したがっ
て、界面活性剤の添加量は、0.03〜3重量%の範囲
が好ましい。界面活性剤としては、例えば、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン等の陰イオン界面
活性剤が好適に用いられる。
【0020】(d) 油脂またはアルコール類 油脂またはアルコール類は、少量添加することにより造
形用可塑性組成物に滑性を付与するもので、貴金属粉末
とセルローズ系水溶性バインダーとの滑りを良くし、造
形性を高めるものである。油脂の添加量が0.1重量%
未満ではその効果が得られず、また、3重量%より多い
と得られた造形用可塑性組成物が油っぽく滑り易くな
り、造形時の作業性が悪くなるので好ましくない。した
がって、油脂の添加量は、0.1〜3重量%の範囲が好
ましい。
【0021】油脂としては、例えば、フタル酸ージー2
ーエチルヘキシル、フタル酸ージーnーオクチル、フタ
ル酸ーnージブチル、フタル酸ーnーオクチル、フタル
酸イソオクチル、等の高級有機酸エステルが好適に用い
られ、またアルコール類としては、例えば、ポリビニル
アルコール等の高級アルコール、ポリエチレングリコー
ル等の高級多価アルコール等が好適に用いられ、2種以
上の油脂およびアルコール類を同時に添加しても同等の
効果が得られる。
【0022】
【実施例】この発明の貴金属造形用可塑性組成物につい
て、各実施例に基づいて具体的に説明する。 (実施例1)この実施例では、平均粒径の範囲が100
μm〜200μm、20μm〜50μm、1μm〜5μ
mの3種類の純金の粉体を作製し、表1に示すように、
これらの粉体をそれぞれ単独、もしくはこれらを所定の
混合比率で混合することにより8種類(No.1〜8)
の純金粉(貴金属粉末)を作製した。
【0023】
【表1】
【0024】次いで、これらの純金粉を用いて8種類
(No.1〜8)の純金造形用可塑性組成物を作製し
た。まず、セルローズ系水溶性バインダーとしてエチル
セルローズを用い、これを水に所定量投入し、攪拌しな
がらしばらくの間加熱し、エチルセルローズを9重量%
含む寒天状の透明なバインダー溶液を得た。次に、該バ
インダー溶液に界面活性剤を所定量添加し乳鉢にて混合
し、次いで、所定の純金粉を所定量添加し再度乳鉢にて
混合した。次いで、この混合体に、油脂としてフタル酸
−n−ジブチルを所定量添加し再度乳鉢にて混合した。
このようにして、純金粉を85重量%、エチルセルロー
ズを2重量%、界面活性剤を0.5重量%、フタル酸−
n−ジブチルを0.5重量%含有する純金造形用可塑性
組成物を得た。
【0025】次いで、これらの試料(No.1〜8)か
らそれぞれ18gずつ取り出して型押し成形し、外径3
5mm、厚み3mmの成形体とした。次いで、これらの
成形体を乾燥せずに電気炉に装入し、昇温速度3℃/mi
nで加熱し、大気中において温度1000℃で2時間焼
成し、得られた焼結体にクラックが発生していないこと
を確認した後にそれぞれの色調を観察し、これらの結果
を表1に示した。ここでは、色調グレードは、図1に示
すように、「白黄色」から「暗黄色」までを7段階に分
類し、対応する色調の番号で示した。
【0026】表1によれば、この実施例の純金造形用可
塑性組成物は、平均粒径の範囲が100μm〜200μ
m、20μm〜50μm、1μm〜5μmの3種類の純
金の粉体をそれぞれ単独、もしくはこれらを所定の混合
比率で混合することにより、焼成後の造形物の色調が連
続的に変化することがわかる。
【0027】以上説明した様に、この実施例の純金造形
用可塑性組成物によれば、平均粒径の範囲が100μm
〜200μm、20μm〜50μm、1μm〜5μmの
3種類の純金の粉体をそれぞれ単独、もしくはこれらを
所定の混合比率で混合して純金粉としたので、焼成後の
造形物の色調を連続的に変化させることができる。した
がって、美術工芸品、装飾品、容器等を製造するために
有用な純金造形用可塑性組成物を提供することができ
る。しかも、1〜200μmの広い範囲の平均粒径の純
金の粉末を有効に用いることができるので、大幅なコス
トダウンが図れる。
【0028】(実施例2)この実施例では、平均粒径の
範囲が100μm〜200μm、20μm〜50μm、
1μm〜5μmの3種類の白金の粉体を作製し、表2に
示すように、これらの粉体をそれぞれ単独、もしくはこ
れらを所定の混合比率で混合することにより8種類(N
o.11〜18)の白金粉(貴金属粉末)を作製した。
【0029】
【表2】
【0030】次いで、これらの白金粉を用いて8種類
(No.11〜18)の白金造形用可塑性組成物を作製
した。ここでは、実施例1と全く同様の方法により、白
金粉を88重量%、エチルセルローズを2重量%、界面
活性剤を0.5重量%、フタル酸−n−ジブチルを0.
5重量%含有する白金造形用可塑性組成物及びその焼結
体を得、それぞれの色調を観察し、これらの結果を表2
に示した。ここでは、色調グレードは、図2に示すよう
に、「白色」から「黒色」までを7段階に分類し、対応
する色調の番号で示した。
【0031】表2によれば、この実施例の白金造形用可
塑性組成物においても、実施例1の純金造形用可塑性組
成物と同様に、平均粒径の範囲が100μm〜200μ
m、20μm〜50μm、1μm〜5μmの3種類の白
金の粉体をそれぞれ単独、もしくはこれらを所定の混合
比率で混合することにより、焼成後の造形物の色調が連
続的に変化することがわかる。
【0032】以上説明した様に、この実施例の白金造形
用可塑性組成物においても、実施例1の純金造形用可塑
性組成物と同様に、平均粒径の範囲が100μm〜20
0μm、20μm〜50μm、1μm〜5μmの3種類
の白金の粉体をそれぞれ単独、もしくはこれらを所定の
混合比率で混合して白金粉としたので、焼成後の造形物
の色調を連続的に変化させることができる。したがっ
て、美術工芸品、装飾品、容器等を製造するために有用
な白金造形用可塑性組成物を提供することができる。し
かも、1〜200μmの広い範囲の平均粒径の白金の粉
末を有効に用いることができるので、大幅なコストダウ
ンが図れる。
【0033】
【発明の効果】以上説明した様に、この発明の請求項1
記載の貴金属造形用可塑性組成物によれば、貴金属粉末
を50〜90重量%、セルローズ系水溶性バインダーを
0.8〜8重量%、界面活性剤を0.03〜3重量%、
油脂を0.1〜3重量%含有し、残部が水及び不可避不
純物からなる組成を有し、前記貴金属粉末は、平均粒径
が1〜200μmの範囲で互いに異なる複数の粉体群の
混合物であり、かつ、それぞれの粉体群の粒径の範囲が
互いに重ならない範囲に設定したので、焼成後の造形物
の色調を様々に変化させることができる。したがって、
美術工芸品、装飾品、容器等を製造するために有用な貴
金属造形用可塑性組成物を提供することができる。しか
も、1〜200μmの広い範囲の平均粒径の貴金属粉末
を有効に用いることができるので、大幅なコストダウン
が図れる。
【0034】また、請求項2記載の貴金属造形用可塑性
組成物によれば、貴金属粉末を50〜90重量%、セル
ローズ系水溶性バインダーを0.8〜8重量%、界面活
性剤を0.03〜3重量%、油脂を0.1〜3重量%含
有し、残部が水及び不可避不純物からなる組成を有し、
前記貴金属粉末は、平均粒径が100μm〜200μ
m、20μm〜50μm、1μm〜5μmのいずれか1
種、もしくは、これらから選択された2種以上の粉体群
の混合物であり、前記粉体群の粒径の範囲は互いに重な
らない範囲に設定したので、3種類の平均粒径の粉体の
みで焼成後の造形物の色調を連続的に変化させることが
できる。したがって、美術工芸品、装飾品、容器等を製
造するために有用な貴金属造形用可塑性組成物を提供す
ることができる。しかも、1〜200μmの広い範囲の
平均粒径の貴金属粉末を有効に用いることができるの
で、大幅なコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の純金造形用可塑性組成物に用いられる
純金粉の平均粒径の範囲及び混合比率と焼成後の造形物
の色調グレードとの関係を示す図である。
【図2】本発明の白金造形用可塑性組成物に用いられる
白金粉の平均粒径の範囲及び混合比率と焼成後の造形物
の色調グレードとの関係を示す図である。
【図3】本発明の貴金属造形用可塑性組成物に用いられ
る貴金属粉体の平均粒径及び粒度分布を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貴金属粉末を50〜90重量%、セルロ
    ーズ系水溶性バインダーを0.8〜8重量%、界面活性
    剤を0.03〜3重量%、油脂を0.1〜3重量%含有
    し、残部が水及び不可避不純物からなる組成を有し、 前記貴金属粉末は、平均粒径が1〜200μmの範囲で
    互いに異なる複数の粉体群の混合物であり、かつ、それ
    ぞれの粉体群の粒径の範囲が互いに重ならない範囲に設
    定したことを特徴とする貴金属造形用可塑性組成物。
  2. 【請求項2】 貴金属粉末を50〜90重量%、セルロ
    ーズ系水溶性バインダーを0.8〜8重量%、界面活性
    剤を0.03〜3重量%、油脂を0.1〜3重量%含有
    し、残部が水及び不可避不純物からなる組成を有し、 前記貴金属粉末は、平均粒径が100μm〜200μ
    m、20μm〜50μm、1μm〜5μmのいずれか1
    種、もしくは、これらから選択された2種以上の粉体群
    の混合物であり、前記粉体群の粒径の範囲は互いに重な
    らない範囲に設定したことを特徴とする貴金属造形用可
    塑性組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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