JPH0770411A - 六フッ化硫黄ガス絶縁機器用エポキシ注型品 - Google Patents
六フッ化硫黄ガス絶縁機器用エポキシ注型品Info
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- JPH0770411A JPH0770411A JP5220198A JP22019893A JPH0770411A JP H0770411 A JPH0770411 A JP H0770411A JP 5220198 A JP5220198 A JP 5220198A JP 22019893 A JP22019893 A JP 22019893A JP H0770411 A JPH0770411 A JP H0770411A
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- alumina
- epoxy resin
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- sulfur hexafluoride
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Abstract
黄ガス絶縁機器用エポキシ注型品を提供することを可能
とする。 【構成】 六フッ化硫黄ガスの分解生成物に対する耐性
を向上させる充填剤を添加したエポキシ樹脂組成物より
なるエポキシ注型品において、前記充填剤が、アルミナ
より比誘電率が低いと共に表面処理された無機化合物で
ある。
Description
下「SF6 ガス」という。)を充填した電気機器に使用
されると共にSF6 ガスと共存するSF6 ガス絶縁機器
用エポキシ注型品に関するものである。
れ、化学的にも安定であり、機器の小型軽量化を図るこ
とができるため、遮断器、断路器、変圧器、ケーブル端
末ブッシング、母線等の電気機器の絶縁に広く使われて
いる。このSF6 ガスは、機器内で発生するアークやコ
ロナ放電によって分解し、極めて反応性の強い分解物を
生成する。このため、電気機器に使用されるエポキシ注
型品においては、その分解生成物に侵食されたり、変質
を受けたりせず、長年月に亙って安定した特性を維持す
る必要がある。そのエポキシ注型品の絶縁ガス分解生成
物に対する耐久性に関しては、エポキシ注型品の主要成
分の一つである充填剤の特性が大きく関係しており、通
常、耐久性を維持する目的で充填剤として酸化アルミニ
ウム(アルミナ)を使用することが多い。
機器の高電圧化、小型化のため、従来よりも厳しい条件
に耐えることができるエポキシ注型品が要望されてい
る。特に、使用されるエポキシ樹脂組成物の比誘電率が
大きい場合、電気機器の絶縁設計或いは当該エポキシ注
型品の形状等によっては局部的な電界集中が起こって所
期の絶縁破壊特性を満足しえないことがある。そのエポ
キシ樹脂組成物の比誘電率が比較的大きな値になる理由
は、エポキシ樹脂組成物においてアルミナが70重量%程
度含有されているためである。
くて、絶縁ガス分解生成物に耐性のある充填剤として、
フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム、フッ化カル
シウム、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム等があげられている。しかし、
これらの充填剤を添加したエポキシ樹脂硬化物は機械的
強度に劣る問題があった。
たものであり、その目的は、低誘電率で、機械的強度に
優れるSF6 ガス絶縁機器用エポキシ注型品を提供する
ことにある。
成するために、SF6 ガスの分解生成物に対する耐性を
向上させる充填剤を添加したエポキシ樹脂組成物よりな
るエポキシ注型品において、前記充填剤が、アルミナよ
り比誘電率が低いと共に表面処理された無機化合物であ
るものである。無機化合物の表面処理液には、コロイド
状アルミナまたはアルミニウムアルコキシド液を用いる
ことが好ましい。
は、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、および必要に応
じて硬化促進剤からなるエポキシ樹脂ベースに充填剤を
添加してなり、このエポキシ樹脂組成物を減圧脱泡後、
金型に注入し、これを加熱硬化してエポキシ注型品が得
られる。
のエポキシ基を有するものがよく、ビスフェノール系エ
ポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエス
テル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等があげら
れる。
酸、無水テトラヒドロフタル酸、メチル無水テトラヒド
ロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチル無水ヘ
キサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレン無水テトラ
ヒドロフタル酸等があげられ、これらの2種以上を併用
することもできる。
ミン、トリジメチルアミノメチルフェノール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール等があげられる。
共に表面処理された無機化合物にする必要があり、無機
化合物としては、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、フッ化アルミニウ
ム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムがあげら
れ、これらの2種以上を併用することもできる。また、
必要に応じて従来使用されているアルミナを併用するこ
ともできる。
イド状アルミナ(アルミナゾル)またはアルミニウムア
ルコキシド液を用いることがよく、アルミナゾルの場合
には、アルミナゾルと充填剤とを混合した後、これを乾
燥することで充填剤の表面処理を行える。アルミニウム
アルコキシド液の場合には、アルミニウムアルコキシド
液と充填剤とを混合し加水分解後、これを乾燥すること
で充填剤の表面処理を行える。これらの表面処理液を用
いることで、従来行われているシランカップリング剤、
チタネートカップリング剤、脂肪酸金属塩等による表面
処理に比べて機械的強度と耐クラック性の改善されたエ
ポキシ樹脂硬化物が得られた。これは、アルミナゾルま
たはアルミニウムアルコキシド液を用いた表面処理によ
れば、充填剤の表面にアルミナの薄い被膜が形成され
て、この被膜がエポキシ樹脂硬化物の特性向上に寄与し
ているものと推定されるからである。
ナ水和物のコロイド液であり、アルミナ分10〜20%濃度
の市販品をそのまま又は水、アルコール等で希釈して使
用する。アルミナゾルには、粒子径(羽毛状、棒〜粒
状)、粒子の大きさ(10mμ×100mμ、10〜20m
μ)、結晶形(無定形、ベーマイト)、安定剤(C
l- 、CH3 COO- 、NO3 - )の異なる銘柄品があ
り、いずれも本発明に使用できるが、10〜20mμのベー
マイト系の棒〜粒状コロイド粒子を含む低粘度の銘柄品
が好適である。
ウム・トリイソプロピレート、アルミニウム・トリセカ
ンダリブチレート等があり、常温で固体であるものはn
−ヘキサン等の溶媒に溶かした溶液とし、常温液状品は
そのまま又は溶媒で希釈した溶液として使用される。
は、液の濃度(アルミニウム含有量)および充填剤粉末
の比率を適宜設定して行うことが好ましい。設定に当た
っては最終的に表面処理により付加される充填剤のアル
ミナ含有量が 0.5〜30重量%の範囲になるように計算し
て選定する。表面処理により付加される充填剤のアルミ
ナ含有量が 0.5重量%よりも少ないと、処理の硬化が不
十分になり、30重量%を越えると充填剤の比誘電率が大
きくなり、経済的にも不利になるので好ましくない。
処理液の混合比は、前記条件のほかに両者の混合時の粉
末の湿潤の容易さと乾燥作業工程に適した流動性を勘案
して最適条件を選定する。表面処理における充填剤の乾
燥に際しては処理液中のアルミナ微粒子が充填剤表面の
被覆形成に効率良く寄与する乾燥方法と条件を選定する
必要があり、表面処理液で湿潤された均一な充填剤スラ
リーを噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)で乾燥する
ことが望ましい。噴霧乾燥装置の主要部はスラリーを噴
霧する噴霧器、空気加熱器、噴霧の乾燥室、乾燥粒子の
捕集分離装置および排風機からなり、熱風と噴霧とは向
流または並流に接触せられる。熱風温度は 150〜550 ℃
程度まで任意に設定でき、乾燥時間は5〜20秒程度であ
る。噴霧乾燥装置では条件を適切に設定することにより
凝集を抑制し、処理前の粒度分布を著しく変化させるこ
となくスラリーを乾燥できる利点がある。噴霧乾燥装置
により乾燥された粉末は表面処理液と再び混合し繰り返
し処理を行っても良い。噴霧乾燥装置により乾燥された
粉末は必要に応じてさらに高温炉で熱処理を行っても良
い。アルミニウムアルコキシド液で処理されたスラリー
の乾燥に際しては、熱風中に水蒸気を導入して加水分解
と乾燥を同時に行うか、またはスラリーを予め加温高湿
雰囲気において加水分解後、乾燥する。
強度と耐クラック性を改善するためにはエポキシ樹脂ベ
ース 100重量部に対して、アルミナを併用する場合のア
ルミナの配合量を含めて 150〜350 重量部の範囲から注
型作業性等の特性を勘案して選定することが好ましい。
本発明のエポキシ注型品には通常アルミニウム導体や電
極が埋め込まれるので、充填剤の添加量がアルミナを併
用する場合のアルミナの配合量を含めて 150重量部より
も少ないと耐クラック性が不十分になり、また350重量
部よりも多いと注型作業性を満足することが困難にな
る。
する耐性を向上させる充填剤として、アルミナより比誘
電率が低いと共に表面処理された無機化合物を用いるこ
とで、無機化合物の表面がエポキシ樹脂硬化物の機械的
特性向上に寄与すべく改質されるので、低誘電率で、機
械的強度にも優れるSF6 ガス絶縁機器用として好適な
エポキシ注型品が得られることになる。
各欄に示すような配合組成に従って、各種成分を配合し
た。
剤表面処理品はそれぞれ次の処理を行ったものである。
水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム)は、平均
粒子径15〜20μm、45μm以下の粒子の累積重量%が90
%以上に粒度調整したものを使用し、フッ化マグネシウ
ムは平均粒子径5μm、45μm以下の粒子の累積重量%
が 100%のものを使用した。
液 [商品名アルミナゾル−520(日産化学工業株式会社
製、分散媒:水、アルミナ含有量:20重量%)を希釈せ
ずにそのまま使用] とアルミニウム・トリセカンダリブ
チレート[ 郡山化成株式会社製略称ASB]のn−ヘキサン
溶液(ASB濃度75重量%)を使用した。
カルシウム、硫酸カルシウムの4種の充填剤について
は、充填剤1000重量部とコロイド状アルミナ液 300重量
部を撹拌混合して均一なスラリーとし、ついで噴霧乾燥
装置を使用し、これを乾燥粉末とし、さらに 200℃、4
時間熱処理した。これらを表面処理品としてそれぞれエ
ポキシ樹脂ベースに配合し、減圧脱泡後金型に注入、 1
30℃、40時間加熱硬化して試験片を作製した。
フッ化マグネシウムの3種の充填剤については、充填剤
1000重量部とASB のn−ヘキサン溶液450 重量部を撹拌
配合して均一なスラリーとし、ついでこれを80℃相対湿
度 100%の雰囲気に4時間置いて加水分解後、上記と同
様にして表面処理品としてそれぞれエポキシ樹脂ベース
に配合し、試験片を作製した。
使用し、前記実施例と同様にして試験片を作製した。
電率、曲げ強度および耐クラック性について行い、その
結果を表1の下欄に示す。各評価法は下記の通りであ
る。
じて試験した。
め込んだ径25mm、長さ60mmのエポキシ樹脂硬化試験片に
ついて表2に示すヒートサイクル試験を実施した。低温
側は冷凍機で冷却したエタノール槽を、高温側は空気恒
温槽をそれぞれ使用した。
施例1〜7の試験片(エポキシ注型品)は、いずれも比
誘電率が小さく、曲げ強度および耐クラック性が向上し
ている。これに対して、充填剤がアルミナのみの比較例
2は比誘電率が大きく、無処理充填剤を使用した比較例
1および3〜7は曲げ強度および耐クラック性が劣って
いる。
品の耐SF6 放電分解ガス性はいずれも良好であり、S
F6 ガス絶縁機器用として有用なものであった。
で機械的強度にも優れるSF6 ガス絶縁機器用として好
適なエポキシ注型品が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 六フッ化硫黄ガスの分解生成物に対する
耐性を向上させる充填剤を添加したエポキシ樹脂組成物
よりなるエポキシ注型品において、前記充填剤が、アル
ミナより比誘電率が低いと共に表面処理された無機化合
物であることを特徴とする六フッ化硫黄ガス絶縁機器用
エポキシ注型品。 - 【請求項2】 前記無機化合物を表面処理する液とし
て、コロイド状アルミナまたはアルミニウムアルコキシ
ド液を用いたことを特徴とする六フッ化硫黄ガス絶縁機
器用エポキシ注型品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5220198A JPH0770411A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 六フッ化硫黄ガス絶縁機器用エポキシ注型品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5220198A JPH0770411A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 六フッ化硫黄ガス絶縁機器用エポキシ注型品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0770411A true JPH0770411A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=16747430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5220198A Pending JPH0770411A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 六フッ化硫黄ガス絶縁機器用エポキシ注型品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0770411A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08199044A (ja) * | 1995-01-27 | 1996-08-06 | Hitachi Cable Ltd | 六フッ化硫黄ガス絶縁機器用エポキシ樹脂組成物 |
JP2013133406A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Hitachi Ltd | 複合絶縁樹脂及びそれを用いた絶縁スペーサ並びにガス絶縁機器 |
CN104151777A (zh) * | 2014-08-07 | 2014-11-19 | 广东生益科技股份有限公司 | 一种热固性树脂组合物 |
-
1993
- 1993-09-03 JP JP5220198A patent/JPH0770411A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08199044A (ja) * | 1995-01-27 | 1996-08-06 | Hitachi Cable Ltd | 六フッ化硫黄ガス絶縁機器用エポキシ樹脂組成物 |
JP2013133406A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Hitachi Ltd | 複合絶縁樹脂及びそれを用いた絶縁スペーサ並びにガス絶縁機器 |
CN104151777A (zh) * | 2014-08-07 | 2014-11-19 | 广东生益科技股份有限公司 | 一种热固性树脂组合物 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20070525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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Effective date: 20070619 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |