JPH0770252A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH0770252A
JPH0770252A JP12236691A JP12236691A JPH0770252A JP H0770252 A JPH0770252 A JP H0770252A JP 12236691 A JP12236691 A JP 12236691A JP 12236691 A JP12236691 A JP 12236691A JP H0770252 A JPH0770252 A JP H0770252A
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ethylene
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Masami Matsuoka
正己 松岡
Kenkichi Otsuka
賢吉 大塚
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塩化ビニル系樹脂等との接着性に優れた接着性
樹脂組成物を用いた、塩化ビニル系樹脂層等を含む積層
体を提供する。 【構成】特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体1〜99
wt%と特定のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
無水マレイン酸三元共重合体99〜1wt%からなる樹脂
組成物1〜99重量部と、エチレン−α・オレフィン系
エラストマー99〜1重量部からなる樹脂組成物100
重量部に不飽和カルボン酸またはその無水物をラジカル
発生剤の存在下にグラフトして得た接着性樹脂組成物を
接着剤として用いて塩化ビニル系樹脂又は塩化ビニリデ
ン系樹脂との積層体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂及び
塩化ビニリデン系樹脂との接着性に著しく優れたグラフ
ト変性樹脂組成物を用いた積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹
脂は、ガスバリヤー性に優れ、かつ耐油性、耐薬品性等
にも良好な事より、種々の包装材料、特に食品包装材料
として好適である。
【0003】しかしながらこれらの樹脂は、概して通常
のヒートシール性に乏しい為、該ヒートシール性の良好
な樹脂例えば、ポリオレフィン系樹脂と積層して使用さ
れる事が多く、この積層体は両者の特長を兼ね備えた優
れた包装材料となる。ところがこれらの樹脂は、ポリオ
レフィン系樹脂とは本質的に接着が困難で、両者の素材
間には、接着剤の介在が不可欠となる。
【0004】かかる接着剤としては、既に種々の酸グラ
フト変性ポリオレフィンが提案され実際ポリアミド系樹
脂やエチレンビニルアルコール共重合体との積層体に接
着層として使用されているが、特に塩化ビニル系樹脂及
び塩化ビニリデン系樹脂との接着性に於いては未だ不充
分であり、更に強固な接着性を有する樹脂の出現が強く
市場で要望されている。
【0005】塩化ビニル系樹脂又は塩化ビニリデン系樹
脂を包装材料として使用する場合、フイルムとして必要
な柔軟性等の性質を付与する為これらの樹脂に適当な可
塑剤を必要量加えるが、この可塑剤を含むいわゆる軟質
性の塩化ビニル系樹脂とポリオレフィン系樹脂の熱接着
はとりわけ難しく、この傾向は可塑剤量が多い程即ち、
軟質になればなる程大きい。これは、塩化ビニル系樹脂
の表面にこの可塑剤がブリードしてポリオレフィンとの
接着がこの可塑剤によって阻害される為であると考えら
れる。当然、層間の接着性が不充分であると、耐油性、
耐熱性に悪影響を及ぼすばかりでなく、ヒートシール強
度にも大きく影響を及ぼし、結果としてヒートシール不
充分となり実用に供しなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明はこれ
ら接着性の悪い樹脂との接着性のよい材料を見出し、こ
れを用いて塩化ビニル樹脂等との積層体を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、この
可塑剤による接着阻害を超えて塩化ビニル系樹脂又は、
塩化ビニリデン系樹脂と強固に熱接着する接着性樹脂及
びバリヤー性、耐油性、ヒートシール性に優れた積層体
について鋭意検討した結果、本発明に到達したものであ
る。本発明の要旨は、酢酸ビニル含量3〜50wt%のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体1〜99wt%とアクリル酸エス
テルもしくはメタクリル酸エステル含量 0.1〜30wt%且
つ無水マレイン酸含量0.05〜20wt%のエチレン−アクリ
ル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体又は、エチ
レン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重
合体99〜1wt%からなる樹脂組成物1〜99重量部と、エ
チレン−α・オレフィン系エラストマー99〜1重量部か
らなる樹脂組成物 100重量部に対し、ラジカル発生剤
0.001〜0.5 重量部の存在下に不飽和カルボン酸又はそ
の無水物を前記共重合体、三元共重合体又はエチレン−
α・オレフィン系エラストマーにグラフト変性してなる
接着性樹脂組成物層と塩化ビニル系樹脂層又は塩化ビニ
リデン系樹脂層とからなる積層体にある。
【0008】以下、本発明について詳細に記述する。本
発明において、グラフト変性に用いる樹脂としてエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略する)は、
酢酸ビニル含量(以下、酢ビ含量と略する)が3〜50wt
%好ましくは10〜35wt%であり、メルトフローレート
(JIS K6760 による。以下同様)としては特に制限する
ものではないが 0.5〜300 g/10min 好ましくは1〜30
g/10min であり、樹脂組成物において1〜99wt%好ま
しくは30〜90wt%を用いる。このEVAにおいては、酢
ビ含量が3wt%未満の場合、接着性が不充分であり、50
wt%を超えると押出成形性が低下し、又メルトフローレ
ートが 0.5g/10min 未満だったり 300g/10min を超
えても押出成形性が低下する。
【0009】又、エチレン・アクリル酸エステル・無水
マレイン酸三元共重合体又はエチレン・メタクリル酸エ
ステル・無水マレイン酸三元共重合体は、アクリル酸エ
ステル含量もしくはメタクリル酸エステル含量 0.1〜30
wt%好ましくは5〜20wt%、無水マレイン酸含量0.05〜
20wt%好ましくは 0.1〜10wt%を含むエチレンとの三元
共重合体であり、メルトフローレートとしては特に制限
するものではないが 0.5〜150 g/10min 好ましくは1
〜50g/10min であり、樹脂組成物において99〜1wt%
好ましくは30〜10wt%を用いる。この三元共重合体にお
いては、前記エステル含量が5wt%未満、前記無水マレ
イン酸含量が0.05wt%未満では接着性が不充分であり、
前記エステル含量が30wt%を超えると接着性が低下し、
前記無水マレイン酸含量が20wt%を超えると押出成形性
が低下し、又メルトフローレートが 0.5g/10min 未満
だったり 150g/10min を超えても押出成形性が低下す
る。
【0010】アクリル酸エステルとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル等が、メタクリル酸エステルと
しては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル等が挙げられ、特にアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルが好まし
い。
【0011】この樹脂組成物は配合比においてEVAが
99wt%を超えると特に塩化ビニル系樹脂又は塩化ビニリ
デン系樹脂との接着性が低下し、前記三元共重合体が99
wt%を超えても接着性が不足する。
【0012】又、もう一方のエチレン−αオレフィン系
エラストマーとしては、エチレンと炭素数が3以上のα
−オレフィンとの共重合体エラストマー、エチレンと炭
素数が3以上のαオレフィン及びジエンとの共重合体エ
ラストマーが挙げられる。エチレンと炭素数が3以上の
αオレフィン共重合体エラストマーとしては、エチレン
−プロピレンエラストマー、エチレン−ブテン−1エラ
ストマー等であり、エチレンと炭素数が3以上のαオレ
フィン及びジエンとの共重合体エラストマーとしては、
エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエンエラスト
マー、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン
エラストマー、エチレン−プロピレン−1,4ヘキサジエ
ンエラストマー等である。これ等のエチレン−αオレフ
ィン系エラストマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体は該特性に実用上支障をも
たらさない範囲で他の樹脂、充填材、添加剤等を混合し
ても良い。
【0013】該エチレン−αオレフィン系エラストマー
は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体/エチレン−アク
リル酸エステル共重合体又はエチレン−メタクリル酸エ
ステル共重合体樹脂組成物との組成物の形でグラフト変
性に供されるが、その割合は前者1〜99重量部に対し後
者99〜1重量部である。いずれに於いても、1重量部未
満或いは99重量部を超えると、接着性が不充分であり、
特に可塑剤量が30wt%以上を含む塩化ビニル系樹脂との
接着性が不充分となる。
【0014】この樹脂組成物 100重量部に対しラジカル
発生剤 0.001〜0.5 重量部好ましくは0.05〜0.3 重量部
の存在下、不飽和カルボン酸又はその無水物を添加し、
前記樹脂組成物をグラフト変性せしめる。ラジカル発生
剤が 0.001重量部未満では接着性が不充分となり、 0.5
重量部を超えると架橋によるゲルが発生し商品価値を低
下せしめるばかりでなく、接着性や押出成形性にも悪影
響を与える。
【0015】グラフト変性に用いるラジカル発生剤とし
ては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキセン−3、ラウロイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物が好まし
く使用され、2種以上組合せても良い。
【0016】グラフト変性に用いるモノマーである不飽
和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸、ハイミック酸又は
それらの無水物が挙げられ、中でもアクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸又は無水ハイミック酸が好まし
い。勿論これらは、2種以上組み合せて使用しても良
い。
【0017】グラフト変性は、適当な溶媒中に懸濁又は
溶解している前述の樹脂組成物にグラフトモノマー及び
ラジカル発生剤を添加して加熱撹拌する方法、該樹脂組
成物とモノマー及びラジカル発生剤を予め混合し押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて溶融混練
する方法等があるが、マレイン酸、無水マレイン酸、無
水ハイミック酸等を用いてグラフト変性する場合は、後
者の方法が好んで採用される。なおグラフト変性量は特
に制限するものではないが樹脂組成物 100重量部に対し
0.0001〜3重量部でよい。
【0018】本発明のこうして得られたグラフト変性樹
脂組成物は、塩化ビニル系樹脂層又は塩化ビニリデン系
樹脂層を接合する積層体において特に優れた接着性を示
すが、接合の方法としては、例えば共押出成形、押出コ
ーティング、ドライラミネート、各種熱溶着法等いずれ
の方法も採用する事ができ、さらにポリオレフィン系樹
脂層をはじめ異樹脂層を重ねた所望の積層体も得られる
が、特に各樹脂を別々の押出機により溶融押出して円形
ダイ、T−ダイ等の内部又は押出直後で各層を接合させ
て所望の形状の多層フイルム、多層シート、多層ブロー
ボトル等を得る方法即ち共押出成形が経済的な面で有利
である。
【0019】成形温度は、各樹脂の軟化温度以上、分解
温度以下であれば成形が可能である。共押出成形の場合
は、各層を構成する樹脂の溶融粘度が極端に異なってい
ない方が、接着性、成形性及び物性の面で望ましい。
【0020】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1〜12 メルトフローレート(JIS K6730 ) 3.8g/10min 、酢
酸ビニル含量18.6wt%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(以下、EVAと略する)とメルトフローレート(JIS
K6760 ) 6.0g/10min 、アクリル酸エチル(以下、E
Aと略する)含量6wt%、無水マレイン酸(以下、MA
Hと略する)含量 1.2wt%のエチレン−EA−MAH三
元共重合体(以下、EEMAHと略する)及びメルトフ
ローレート(JIS K6758 ) 3.1g/10min 、プロピレン
含量28モル%のエチレン−プロピレンエラストマー(以
下、EPRと略する)を表1の割合でヘンシェルミキサ
ーで混合し、これにジ−t−ブチルパーオキサイドを上
記樹脂混合物 100重量部に対し、 0.014重量部添加しペ
レット表面を均一にぬらした後、MAHを 0.8重量部添
加してヘンシェルミキサーで混合物とし、これを40mmφ
押出機を用いて、 200℃で溶融混合押出してグラフト変
性接着性樹脂組成物を得た。
【0021】次いで共押出フイルム成形装置を用い、こ
のグラフト変性接着性樹脂組成物をシリンダー温度 180
℃、ダイ温度 185℃で、48wt%のDOP(ジオクチルフ
タレート)を含むポリ塩化ビニル樹脂(以下、PVCと
略する)をシリンダー温度 170℃、ダイ温度 180℃で2
層の共押出フイルム(接着性樹脂組成物層30μm 厚、P
VC層50μm 厚)を得た。
【0022】この共押出フイルムを幅15mm、長さ15cmに
切り、その一端を強制剥離してテンシロン型引張試験機
を用い、引張速度 100mm/min 、 180度剥離の条件で剥
離強度を測定した。その結果も表1に示すがいずれも剥
離強度が高かった。
【0023】比較例1〜5 EVA/EEMAH組成物(A)及びEPRを表1の比
較例1〜5に示す割合で用いた以外は、実施例1〜12
と同様にしてグラフト変性接着性樹脂組成物を得、同様
に共押出成形機でPVCとの2層フイルムを作り剥離強
度を測定した。その結果も表1に示すがいずれも剥離強
度は低かった。
【0024】
【表1】
【0025】実施例13〜21 メルトフローレート(JIS K6730 )15g/10min 、酢酸
ビニル含量25wt%のEVA、及びメルトフローレート
(JIS K6760 ) 5.8g/10min 、アクリル酸メチル(以
下、MMAと略する)含量9wt%、MAH含量 1.3wt%
のエチレン−MMA−MAH三元共重合体(以下、EM
MAHと略する)及び、エチレン−αオレフィン系エラ
ストマーとしてブテン−1含量15モル%、メルトフロー
レート(JIS K6760 ) 3.9g/10min のエチレン−ブテ
ン1エラストマー(以下、EBと略する)を表2の実施
例13〜21に示す割合で用いた他は、実施例1〜12
と同様にしてグラフト変性接着性樹脂組成物を得、同様
に共押出成形機でPVCと2層フィルムを作り剥離強度
を測定した。その結果も表2に示すがいずれも剥離強度
が高かった。
【0026】比較例6〜9 比較例1〜5と同様に表2に示す比較例6〜9の樹脂組
成でグラフト変性接着性樹脂組成物を得、同様の方法で
PVCとの2層フイルムの層間剥離強度を測定した。そ
の結果も表2に示すが、実施例13〜21に比較して剥
離強度は低かった。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明で得られるグラフト変性接着性樹
脂組成物層と塩化ビニル系樹脂層又は塩化ビニリデン系
樹脂層とからなる積層体は層間の剥離強度が強く、優れ
た接着性を示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ビニル含量3〜50wt%のエチレン−
    酢酸ビニル共重合体1〜99wt%とアクリル酸エステルも
    しくはメタクリル酸エステル含量 0.1〜30wt%且つ無水
    マレイン酸含量0.05〜20wt%のエチレン−アクリル酸エ
    ステル−無水マレイン酸三元共重合体又は、エチレン−
    メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体99
    〜1wt%からなる樹脂組成物1〜99重量部と、エチレン
    −α・オレフィン系エラストマー99〜1重量部からなる
    樹脂組成物 100重量部に対し、ラジカル発生剤 0.001〜
    0.5 重量部の存在下に不飽和カルボン酸又はその無水物
    を添加し、該樹脂組成物をグラフト変性してなる接着性
    樹脂組成物層と塩化ビニル系樹脂層又は塩化ビニリデン
    系樹脂層とからなる積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007066171A3 (en) * 2004-10-05 2007-11-01 Bamba Internat Canada Ltd Multi-layered sports board
JP2010195402A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Fuji Seal International Inc チューブ容器

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US7503820B2 (en) 2004-10-05 2009-03-17 Wah Kan Cheung Multi-layered sports board
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