JPH1158633A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法

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JPH1158633A
JPH1158633A JP21681397A JP21681397A JPH1158633A JP H1158633 A JPH1158633 A JP H1158633A JP 21681397 A JP21681397 A JP 21681397A JP 21681397 A JP21681397 A JP 21681397A JP H1158633 A JPH1158633 A JP H1158633A
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polyolefin
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JP21681397A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kasahara
洋 笠原
Masahiro Wakayama
昌弘 若山
Yoshimasa Saito
好正 斉藤
Ippei Kagaya
一平 加賀谷
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカーコート剤を用いることなしに、ポリ
アミド系のプラスチック基材との接着が良好で、高湿度
で保管しても接着強度の経時変化のないポリオレフィン
系樹脂積層体およびその製造方法。 【解決手段】 (A)メルトフローレートが0.1〜1
00g/10分であるポリオレフィンと、(B)分子内に
エポキシ基を2個以上有し、分子量が3000以下であ
るエポキシ化合物を含有し、(A)成分100重量部に
対して(B)成分を0.01〜5重量部含む樹脂組成物
からなるポリオレフィン層と、(C)ポリアミドと
(D)アミノ基と反応可能な官能基を有する化合物を含
有し、(C)成分100重量部に対して、(D)成分を
0.1〜20重量部含む樹脂組成物からなる基材層とを
有し、ポリオレフィン層と基材層とが直接積層されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアミド系のプラ
スチック基材との接着性が良好なポリオレフィン系樹脂
組成物を有する積層体およびその製造方法に関するもの
である。詳しくは、アンカーコート剤を使用することな
く、プラスチック基材と強固に接着された積層体を得る
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンはヒートシール性、防湿
性に優れ、押出加工が容易であることから、単層のシー
ト、フィルムあるいは成形容器材料として用いられるだ
けでなく、各種樹脂フィルム、シートあるいは紙、アル
ムミウム箔等との積層体としても包装材料などとして広
く用いられている。このような積層体を製造する方法と
しては、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、
押出ラミネート法などがあるが、包装材料などにおいて
はコスト的に有利である押出ラミネート法が広く用いら
れている。押出ラミネート法においては、基材との接着
性を向上させるために、ポリエチレンイミン系やイソシ
アネート系などのアンカーコート剤と呼ばれる接着剤を
予め基材上に塗工し、塗工面に溶融押出する方法が一般
的である。しかし、この方法では製造コストが上昇する
ばかりでなく、有機溶剤による安全性および作業環境の
悪化、最終製品への臭いの残留などの問題がある。これ
らの問題を解決するため、アンカーコート剤を用いない
方法として、特開昭57−157724号公報および特
開昭59−75915号公報などでは、酸無水物基、カ
ルボキシル基などの極性基をポリオレフィンに導入する
方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で得られた積層体の接着強度は、ポリオレフィン
単独で製造した積層体に比べると向上が見られるが、ア
ンカーコート剤を使用したものと比べて不十分であっ
た。この他にも、溶融状態のポリオレフィン樹脂の接着
面側にオゾンを含む混合気を吹き付けて、ポリオレフィ
ン樹脂表面に積極的に極性基を導入する方法(特開昭5
7−157724号公報)や、ポリオレフィン樹脂への
オゾン処理と、接着前にインラインで基材にコロナ放電
等の表面処理を併用する方法(特開平7−314629
号公報)などが提案されている。しかし、オゾン処理と
基材への表面処理を併用する方法は、基材との接着強度
はかなり向上するが、オゾンを使用することはコストの
上昇だけでなく、その強い腐食性のため加工装置が腐食
するという問題や、オゾンは人体にも極めて有害で、取
り扱いが困難であり、その利用は限られているという問
題を併発するものであった。
【0004】更に、オゾン処理あるいはオゾン処理と表
面処理の併用によって得られた積層体は、接着直後ある
いは熱処理後では優れた接着強度を示すが、水中や高湿
度下で保管すると吸湿によって接着強度が大幅に低下す
るという問題もある。これはプラスチック基材とオレフ
ィン系樹脂層との接着が、主として水素結合によるため
と思われる。また、ポリオレフィンに低分子量のエポキ
シ化合物を用いてアンカーコート剤を用いないポリアミ
ドとの積層体も提案されている(特開平8−19314
8号公報)。これに開示されている積層体であると、あ
る程度の改善はなされているが、よりいっそうの接着強
度の向上が望まれている。本発明は前記課題を解決する
ためになされたもので、アンカーコート剤を用いること
なしに、ポリアミド系のプラスチック基材との接着が良
好で、高湿度で保管しても接着強度の経時変化のないポ
リオレフィン系樹脂積層体およびその製造方法の提供を
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意検討
した結果、本発明者らはポリオレフィン系樹脂に、エポ
キシ基を有した特定の化合物を配合した樹脂組成物を、
特定のポリアミド系プラスチック基材に直接積層してな
る積層体およびその製造方法、その製造方法において
は、接着直前にインラインで表面処理を施しつつ押出ラ
ミネートすることで上記課題を覿面に解決できることを
見出し、本発明に至った。本発明の積層体は、(A)メ
ルトフローレートが0.1〜100g/10分であるポリ
オレフィンと、(B)分子内にエポキシ基を2個以上有
し、分子量が3000以下であるエポキシ化合物とを含
有し、(A)成分100重量部に対して、(B)成分を
0.01〜5重量部含む樹脂組成物からなるポリオレフ
ィン層と、(C)ポリアミドと、(D)アミノ基と反応
可能な官能基を有する化合物とを含有し、(C)成分1
00重量部に対して、(D)成分を0.1〜20重量部
含む樹脂組成物からなる基材層とを有し、ポリオレフィ
ン層と基材層とが直接積層されていることを特徴とする
ものである。この際、ポリオレフィン層が、(A)メル
トフローレートが0.1〜100g/10分であるポリオ
レフィンと、(B)分子内にエポキシ基を2個以上有
し、分子量が3000以下であるエポキシ化合物と、
(E)エポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と
を含有し、(A)成分+(E)成分に対する(E)成分
の含有量が30重量%未満であり、かつ、(A)成分+
(E)成分100重量部に対して、(B)成分を0.0
1〜5重量部含む樹脂組成物からなることが望ましい。
また、(B)エポキシ化合物はエポキシ化植物油である
ことが好ましい。また、(E)エポキシ基と反応可能な
官能基を有する化合物は、酸無水物基、カルボキシル基
およびカルボン酸金属塩からなる群から選ばれた少なく
とも1つの基を分子内に有するオレフィン共重合体また
は変性オレフィン樹脂であることが望ましい。
【0006】本発明の積層体の製造方法は、(C)ポリ
アミドと、(D)アミノ基と反応可能な官能基を有する
化合物とを含有し、(C)成分100重量部に対して、
(D)成分が0.1〜20重量部添加されている樹脂組
成物からなる基材層上に、(A)メルトフローレートが
0.1〜100g/10分であるポリオレフィンと、
(B)分子内にエポキシ基を2個以上有し、分子量が3
000以下であるエポキシ化合物とを含有し、(A)成
分100重量部に対して、(B)成分が0.01〜5重
量部添加されている樹脂組成物からなるポリオレフィン
層を押出ラミネートするものである。この際、ラミネー
ト直前に、ポリオレフィン層及び/又は基材層に表面処
理を施すことが望ましい。また、ポリオレフィン層の樹
脂組成物には、(E)エポキシ基と反応可能な官能基を
有する化合物がさらに含有され、(A)成分+(E)成
分に対する(E)成分の含有量が30重量%未満であ
り、かつ、(A)成分+(E)成分100重量部に対し
て、(B)成分を0.01〜5重量部含んでいることが
望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における積層体は、少なくとも特定のポリオレフ
ィン層と基材層とを有する積層体である。ポリオレフィ
ン層は、(A)成分としてメルトフローレートが0.1
〜100g/10分であるポリオレフィンと、(B)成分
として分子内にエポキシ基を2個以上有し、分子量が3
000以下であるエポキシ化合物とを少なくとも含有し
た樹脂組成物からなる。本発明のポリオレフィン層にお
ける(A)ポリオレフィンは、エチレンまたは炭素数が
3〜16のα−オレフィンの単独または共重合体であ
り、分岐状低密度ポリエチレン(以下、LDPEと省
略)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPEと省
略)、中・高密度ポリエチレン(HDPEと省略)、プ
ロピレン系重合体などの他、エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のエチレンとビニルエステルとの共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレ
ンと不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体な
どを例示でき、包装材料として多用されているLDPE
が特に好ましい。
【0008】LDPEは一般に1000〜3500気圧
の高圧下でパーオキサイド等の遊離基発生剤の存在下で
重合することで得られ、多くの長鎖分岐を有することを
特徴の1つとしている。その長鎖分岐を有する構造のた
めに優れた押出特性を持っていることが知られており、
押出ラミネート法には特に好適に用いられる。このとき
の重合に用いられる反応器は、オートクレーブタイプあ
るいはチューブラータイプのいずれであってもよい。エ
チレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−(メタ)
アクリル酸エステル共重合体等は、LDPE同様、パー
オキサイド等の遊離基発生剤の存在下で重合させて得ら
れる。HDPEおよびLLDPEは、一般にチーグラー
触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒と呼ばれる触
媒を用いてエチレンを単独重合させたり、エチレンと炭
素数3〜16のα−オレフィンとを共重合させることに
よって得られる。これらは一般に低圧・中圧・高圧法の
いずれでも製造することができ、気相法、溶液法、スラ
リー法のいずれの方法でも製造される。プロピレン系重
合体としては、プロピレン単独共重合体、エチレン−プ
ロピレン共重合体、または炭素数が4〜16のα−オレ
フィンとのランダムあるいはブロック共重合体が挙げら
れる。この(A)成分のポリオレフィンは、そのメルト
フローレート(JIS K6758による。但し、エチレン系樹
脂は190℃、ポリプロピレン系樹脂は230℃の条件
下における測定値とする。以下、MFRと省略する)が
0.1〜100g/10分であるものが好ましく、1〜2
0g/10分が成形性の面から特に好ましい。これら
(A)成分として用いられるポリオレフィンは単独で、
あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0009】本発明のポリオレフィン層における(B)
成分であるエポキシ化合物は、分子内に少なくとも2個
以上のエポキシ基(オキシラン基)を含む、分子量30
00以下の多価エポキシ化合物である。エポキシ化合物
は分子内に2個以上のエポキシ基を含んでいる必要があ
り、分子内のエポキシ基が1個の場合には本発明の目的
とする基材との接着強度が得られない。エポキシ化合物
の分子量は3000以下である必要があり、特に150
0以下が好ましい。分子量が3000を超えると、組成
物とした際に、十分な接着強度を得ることができない。
エポキシ化合物としては、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸
ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ベンタエリ
スリトールポリグリシジルエーテル、ブタンジオールジ
グリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエー
テル、エポキシ化植物油などが挙げられる。中でも扱い
易さと食品包装材料に用いた場合の安全性の観点からエ
ポキシ化植物油が好適である。
【0010】ここでエポキシ化植物油とは、天然植物油
の不飽和二重結合を過酸などを用いてエポキシ化したも
のであり、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エ
ポキシ化オリーブ油、エポキシ化サフラワー油、エポキ
シ化コーン油などを挙げることができる。これらのエポ
キシ化植物油は、例えば旭電化工業(株)製、O−13
0P(エポキシ化大豆油)、O−180A(エポキシ化
亜麻仁油)等として市販されている。なお、植物油をエ
ポキシ化する際に若干副生するエポキシ化されていな
い、またはエポキシ化が不十分な油分の存在は本発明の
趣旨・本質を何ら妨げるものではない。これら(B)成
分は単独で、あるいは2種以上を混合して用いることが
できる。
【0011】本発明において(B)成分の添加量は、
(A)成分100重量部に対する添加量が0.01〜5
重量部であり、0.01〜3重量部が好ましく、0.01
〜1重量部であればさらに好ましい。(B)成分の添加
量が0.01重量部未満では基材との接着強度が不十分
であり、5重量部を超えると接着強度は向上するもの
の、積層体がベタツキによるブロッキングを起こした
り、臭いを発する等の問題が発生し、好ましくない。従
来、エポキシ化合物は、ポリ塩化ビニル等のポリマーの
安定剤あるいは可塑剤、あるいは、カルボン酸基、カル
ボン酸誘導体基を分子内に含むような樹脂に添加して架
橋剤として用いられている(特開昭60−112815
号公報)。しかし、本発明のように、エポキシ化合物を
極性を有しないポリオレフィンにブレンドし、特定のポ
リアミド基材に対して極めて強力な接着向上効果をもた
らすことは予想もされないことであった。この接着向上
の理由は、必ずしも明らかではないが、ポリオレフィン
の溶融成形時に押出機内あるいはTダイ等から押出され
た際に空気と触れる中で、ポリオレフィンが空気酸化さ
れ、この酸化の過程でエポキシ化合物との反応が起こ
り、まずエポキシ化含物がポリオレフィンにグラフトさ
れ、このグラフトされたエポキシ化合物の分子内に残っ
ている未反応のエポキシ基が特定のポリアミド基材(被
着体)表面の官能基と反応するためと推測される。
【0012】本発明のポリオレフィン層の樹脂組成物と
しては、これら(A)成分と(B)成分の他に、必須成
分ではないが、(E)成分として、エポキシ基と反応す
る官能基を有する化合物が含有されていることが、接着
性を更に向上させることができるので好ましい。これ
は、エポキシ基と反応可能な官能基とエポキシ化合物と
の間で反応が起こり、樹脂成分にグラフトされるエポキ
シ化合物が増加するためと考えられる。エポキシ基と反
応する官能基としては、カルボキシル基またはその誘導
体、アミノ基、フェノール基、水酸基、チオール基など
が挙げられる。中でも反応性と安定性のバランスから、
酸無水物基、カルボキシル基、カルボン酸金属塩からな
る群から選ばれた少なくとも1つの基を分子内に有して
いることが好ましい。上記エポキシ基と反応する官能基
を含有する化合物としては、該官能基を有する無機ある
いは有機化合物、オリゴマー、ポリマー等いずれでも良
いが、好ましくは該官能基を有するオレフィン系樹脂が
(A)成分との相溶性等の点から望ましい。該オレフィ
ン系樹脂にエポキシ基と反応する官能基の導入方法とし
ては、主として共重合法と、グラフト法が挙げられる。
【0013】共重合法によって製造するエポキシ基と反
応する官能基を有するオレフィン系重合体としては、エ
チレン等のオレフィンとそれと反応可能な化合物との多
元共重合体が挙げられる。共重合に用いる化合物として
は、(メタ)アクリル酸等のα,β−不飽和カルボン
酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム等のα,β−不飽和
カルボン酸金属塩、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアル
コール等の水酸基含有化合物、アリルアミン等の不飽和
アミノ化合物等が例示できるがこの限りではない。更に
これらの不飽和化合物に加えて(メタ)アクリル酸エス
テル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルアル
コールエステル等を共重合させて用いることもできる。
これらの化合物は、オレフィンとの共重合体において2
種以上を混合して用いることができ、これらの化合物と
オレフィンとの共重合体は、2種以上を併用することも
できる。
【0014】グラフト変性によりエポキシ基と反応可能
な官能基を導入したポリオレフィンは、ポリオレフィン
と過酸化物等の遊離基発生剤と、変性用の化合物とを溶
融もしくは溶液状態で作用させて製造するのが一般的で
ある。グラフト変性用のポリオレフインとしては、LD
PE、LLDPE、HDPE、PPの他にエチレン−プ
ロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられ、
これらは単独あるいは2種以上混合して用いることがで
きる。また、例えばエチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル−無水マレイン酸共重合体のように、酸あるいはそ
の誘導体を既に含むような共重合体を更にグフラト変性
したものを用いても何ら差し支えない。
【0015】グラフト変性時に用いるラジカル発生剤の
種類については特に限定を受けないが、一般的な有機過
酸化物が用いられ、中でも反応性と取り扱いの容易さか
らジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス
(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
ベンゾイルパーオキサイド等が具体例として挙げられ
る。変性用の不飽和化合物としては、上記オレフィンと
共重合可能な化合物と同様の不飽和化合物が用いられ、
カルボン酸基あるいはカルボン酸無水物基とその金属
塩、アミノ基、水酸基等、ラジカル反応可能な不飽和基
を有していれば基本的には使用可能である。変性用の不
飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和カ
ルボン酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム等の不飽和カ
ルボン酸金属塩、無水マレイン酸あるいは無水イタコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アリル
アルコール等の不飽和水酸基含有化合物、アリルアミン
等の不飽和アミノ化合物等が例示できるがこの限りでは
ない。
【0016】上記(E)成分であるエポキシ基と反応す
る官能基を有する化合物の使用量は、一般に(A)成分
と(E)成分の総和に対して30重量%未満であり、2
〜25重量%が好ましく、5〜20重量%が特に好まし
い。30重量%以上の添加は、接着向上効果はあるもの
の、経済的ではない。また、この(E)成分がある場合
の(B)成分の添加量は、(A)成分と(E)成分の総
和100重量部に対して、0.01〜5重量部であるこ
とが望ましい。(B)成分の添加量が0.01重量部未
満では基材との接着強度が不十分であり、5重量部を超
えると接着強度は向上するものの、積層体がベタツキに
よるブロッキングを起こしたり、また、臭いを発する等
の問題が発生しやすくなるからである。
【0017】更に、このポリオレフィン層の樹脂組成物
には、必要に応じて、周知の添加剤、例えば酸化防止
剤、可塑剤、滑剤、各種安定剤、ブロッキング防止剤、
帯電防止剤、顔料、各種の無機・有機充填剤などが添加
されていてもよい。この樹脂組成物を得るには、上記
(A)、(B)、またはさらに(E)成分等を、ヘンシ
ェルミキサー、リボンミキサー等により混合するか、混
合したものを更にオープンロール、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、押出機等を用いて混練する方法を適宜用
いればよい。混練の温度は、通常樹脂の融点以上〜35
0℃であり、ポリエチレン系樹脂の場合、120〜30
0℃が好ましく、ボリプロピレン系樹脂の場合、170
〜300℃が好ましい。
【0018】本発明の積層体における基材層は、(C)
ポリアミドと、(D)アミノ基と反応可能な官能基を有
する化合物とを少なくとも含有する樹脂組成物からな
る。(C)ポリアミドはポリアミド6、ポリアミド6
6、ポリアミド6・66、ポリアミド12等のポリアミ
ドが例示できるがこの限りではない。これらは単独ある
いは2種以上がブレンドされた状態で使用される。また
さまざまな物性改良のために各種のコモノマーと共重合
されていてもよい。
【0019】本発明の基材層には(D)成分としてアミ
ノ基と反応する官能基を有する化合物が含有されてい
る。この(D)成分を(C)ポリアミドに添加すること
により、コロナ放電処理を併用した押出ラミネート成形
において接着性を大きく向上させることができる。この
ような組成物には耐衝撃性の改善効果があることが知ら
れているが(特開昭63−146942等)、このよう
に積層体の接着性向上の効果があることは予想もし得な
い効果であった。アミノ基と反応する官能基としては、
カルボキシル基またはその誘導体などが挙げられる。中
でも反応性と安定性のバランスから、酸無水物基、カル
ボキシル基、カルボン酸金属塩からなる群から選ばれた
少なくとも1つの基を分子内に有していることが好まし
い。上記アミノ基と反応する官能基を有する化合物とし
ては、該官能基を有する無機あるいは有機化合物、オリ
ゴマー、ポリマー等が挙げられるが、好ましくは該官能
基を有するオレフィン系樹脂が望ましい。該オレフィン
系樹脂にアミノ基と反応する官能基の導入方法として
は、主として共重合法と、グラフト法が挙げられる。
【0020】共重合法によって製造されるアミノ基と反
応する官能基を有するオレフィン系重合体としては、オ
レフィンと反応可能な化合物との多元共重合体が挙げら
れる。共重合に用いる化合物としては、(メタ)アクリ
ル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル
酸ナトリウム等のα,β−不飽和カルボン酸金属塩、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の
不飽和カルボン酸無水物等が例示できるがこの限りでは
ない。更にこれらの不飽和化合物に加えて(メタ)アク
リル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルアルコールエステル等を共重合させて用いること
もできる。これらの化合物は、オレフィンとの共重合体
において2種以上を混合して用いることができ、これら
の化合物とオレフィンとの共重合体は、2種以上を併用
することもできる。これら共重合体の例としてはエチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−
無水マレイン酸−メチルメタクリレート共重合体、エチ
レン−無水マレイン酸−エチルメタクリレート共重合
体、エチレン−無水マレイン酸−プロピルメタクリレー
ト共重合体、エチレン−無水マレイン酸−ブチルメタク
リレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸−メチル
アクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸−エ
チルアクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸
−プロピルメタクリレート共重合体、エチレン−無水マ
レイン酸−ブチルアクリレート共重合体等が挙げられる
が、この限りではない。
【0021】グラフト変性によりアミノ基と反応可能な
官能基を導入したポリオレフィンは、ポリオレフィンと
過酸化物等の遊離基発生剤と、変性用の化合物とを溶融
もしくは溶液状態で作用させて製造するのが一般的であ
る。グラフト変性用のポリオレフインとしては、LDP
E、LLDPE、HDPE、PPの他にエチレン−プロ
ピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられ、これ
らは単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。また、例えばエチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル−無水マレイン酸共重合体のように、酸あるいはその
誘導体を既に含むような共重合体を更にグラフト変性し
たものを用いても何ら差し支えない。
【0022】グラフト変性時に用いるラジカル発生剤の
種類については特に限定を受けないが、一般的な有機過
酸化物が用いられ、中でも反応性と取り扱いの容易さか
らジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス
(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
ベンゾイルパーオキサイド等が具体例として挙げられ
る。変性用の不飽和化合物としては、上記エチレンと共
重合可能な化合物と同様の不飽和化合物が用いられ、カ
ルボン酸基あるいはカルボン酸無水物基とその金属塩
等、ラジカル反応可能な不飽和基を有していれば原則と
して使用できる。変性用の不飽和化合物としては、(メ
タ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、(メタ)アクリ
ル酸ナトリウム等の不飽和カルボン酸金属塩、無水マレ
イン酸あるいは無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の
不飽和カルボン酸無水物等が例示できるがこの限りでは
ない。上記(D)成分であるアミノ基と反応する官能基
を有する化合物の使用量は一般に(C)成分100重量
部に対して(D)成分が0.1〜20重量部であり、よ
り好ましくは0.5〜10重量部である。0.1重量部未
満では本発明の強固な接着を得ることができず、20重
量部を超えるとポリアミド本来の物性を大きく低下させ
てしまうので好ましくない。
【0023】この基材層の樹脂組成物には、必要に応じ
て、周知の添加剤、例えば酸化防止剤、可塑剤、滑剤、
各種安定剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、顔料、
各種の無機・有機充填剤などが添加されていてもよい。
この樹脂組成物を得るには、上記(C)、(D)成分等
を、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等により混合
するか、混合したものを更にオープンロール、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、押出機等を用いて混練する方法
を適宜用いればよい。混練の温度は、通常樹脂の融点以
上〜350℃であり、好ましくは200〜300℃が好
ましい。本発明で用いる基材層の樹脂組成物は周知の方
法でフィルムあるいはシート状に作成される。一般的に
はTダイキャストフィルム成形法、インフレーションフ
イルム成形法、Tダイシート成形法等が用いられるが、
この限りではない。また必要に応じ、一軸延伸、二軸延
伸、表面処理、印刷など各種の後処理が施されても良
い。
【0024】本発明の積層体の製造方法は、ポリオレフ
ィン層の樹脂組成物を予め作成された基材層フィルムま
たはシートの上に押出ラミネート法により積層して製造
するものである。押出ラミネート法は、Tダイより押出
した溶融樹脂膜を基材上に連続的に成形・圧着する方法
で、成形と接着を同時に行う加工法である。押出ラミネ
ート成形時の成形温度は、ポリオレフィンの場合、一般
的に150〜400℃であり、ポリエチレン系樹脂の場
合、200〜400℃が好ましく、240〜370℃が
より好ましく、280〜340℃が特に好ましい。40
0℃以上では成形性が悪化するうえ、得られた積層体の
臭い、ヒートシール性等の製品物性が悪化する。同様に
ポリプロピレン系樹脂の成形温度は150℃以上であ
り、200〜350℃が好ましく、240〜320℃が
特に好ましい。
【0025】本発明のポリオレフィン層の樹脂組成物を
押出ラミネート法で製造して得られた積層体は、ポリオ
レフィン単独で得られた積層体と比べて良好な基材層と
の接着性を示すが、より接着性を向上させる為には、ポ
リオレフィン層の接着面は十分に酸化されていることが
望ましく、条件によってはオゾン処理、酸素処理等、ポ
リオレフィン層の表面酸化を促進させる手法を併用する
と良い。また、基材層のポリオレフィン層との積層面に
も表面処理を行い、表面を活性化させておくことが望ま
しい。その際には、ラミネート時において、押出された
ポリオレフィン層の樹脂組成物の溶融膜が基材層と接触
する直前に、ポリオレフィン層及び/又は基材層、特に
基材層に表面処理を施すことが適切である。また、表面
処理は基材に対してだけでなく、ポリオレフィン層とな
る溶融膜に対しても施しておくことが好ましい。市販さ
れているプラスチック基材には接着性改善のため、予め
コロナ放電処理等の表面処理が施されているものもある
が、そのようなものでは十分な接着性が得られにくい場
合も生じる。直前の表面処理とは、実際上、押出ラミネ
ート時にインラインで表面処理を行なえばよく、即ち、
表面処理工程と押出ラミネート工程とが一連の工程とし
てなされ、表面処理工程を経た基材が順次、押出ラミネ
ート工程に供されるようにすればよい。
【0026】また、本発明の積層体には積層の前または
後に印刷が施されても良い。基材層の表面(ポリオレフ
ィン層に接しない面)に印刷する場合は本発明において
問題なく使用できる。また基材層の接着面(ポリオレフ
ィン層に接する側の面)に印刷する場合も、基材層にあ
らかじめ印刷を施し、その印刷面の上から表面処理を行
い、その後にポリオレフィン層を積層することにより問
題なく使用できる。印刷より先に表面処理を行った場
合、印刷インキとポリオレフィン層の間の十分な接着性
が得られない場合もある。本発明における基材層への表
面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレ
ーム処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等の周知の
表面処理技術を用いることができる。なかでもコロナ放
電処理が取扱やコスト面で好ましい。コロナ放電処理は
絶縁ロールと電極との間に基材を通した状態で高電圧を
与えることによりコロナ放電を行うもので、空気が絶縁
破壊して生じたオゾン等が基材表面と反応し活性化され
るものであり、市販のコロナ放電処理機を用いることが
できる。このときのコロナ放電処理量(放電密度)は1
0W分/m2以上が好ましく、より好ましくは20〜1
00W分/m2である。処理量が10W分/m2以下では
強固な接着強度が得られない。
【0027】本発明における積層体はポリオレフィン層
と基材層の他に別の層が積層された3層以上の積層体で
あっても良い。但し、ポリオレフィン層と基材層とは隣
接して位置し、直接積層するような層構成とされる。他
層の積層方法はポリオレフィン層との共押出ラミネート
成形法、あるいはサンドイッチラミネート成形法、イン
ラインのタンデムラミネート成形法、後工程での押出あ
るいはドライラミネート成形法等が挙げられるがこの限
りではない。上述したように、本発明においては、アミ
ノ基と反応できる官能基を含む化合物を含有したポリア
ミドと、エポキシ化合物を含有したポリオレフィン系樹
脂を組み合わせることにより、アンカーコート剤を用い
なくとも強固に接着した積層体が得られ、押出ラミネー
ト法により、容易に強固な接着性を有する積層体を製造
することができる。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。な
お、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において用いた各成分は表1に示す
ものである。
【0029】
【表1】
【0030】[実施例1](A)成分としてLDPE
(A−1)、(B)成分としてエポキシ化大豆油(B−
1)を使用し、A−1(100重量部)に対してB−1
を2.8重量部添加した組成物をヘンシェルミキサーで
ドライブレンドした後、φ30mmの二軸押出機を用い
て200℃で溶融混練し、ポリオレフィン層用樹脂組成
物のペレットを製造した。別途、(C)成分としてC−
1(100重量部)に対して、(D)成分としてD−1
を2重量部添加した組成物をへンシェルミキサーでドラ
イブレンドした後、φ30mm二軸押出機を用いて24
0℃で溶融練し、基材層用樹脂組成物のペレットを製造
した。さらに、この基材層用樹脂組成物のペレットを用
いて、Tダイキャストフィルム成形機(φ32mm押出
機)で240℃、成形速度4m/分で30μmの基材フ
ィルムを作成した。そして、上記ポリオレフィン層用樹
脂組成物のペレットを用いて、φ90mm径の押出機を
有する押出ラミネート成形機(モダンマシナリー社製)
を使用し、Tダイからニップロールまでの距離120m
m、成形時樹脂温度325℃、ラミネート速度100m
/分、ラミネート厚み25μm、コート幅860mm
で、基材フィルムの上にラミネートを行い積層体を製造
した。このとき、コロナ放電処理量40W分/m2の放
電密度でコロナ放電処理(ピラー社製)を、また所定の
処理量でオゾン処理(ソフタル日本社製)を行った。ま
た、剥離試験の補強用として、厚さ60μmのLLDP
Eフィルムをサンドイッチラミネートにより積層した。
【0031】得られた積層体について、ポリオレフィン
層と基材層との間の層間の接着強度を測定した。測定
は、積層体を流れ方向に15mm幅の短冊状に切出し、
剥離速度300mm/分で、基材層とポリオレフィン層
との界面でT型剥離したもので、その剥離強度を未処理
時の接着強度とした。さらに、短冊状に切出したサンプ
ルを40℃の水中に48時間浸漬した後に、同様に接着
強度の評価を行い、このときの接着強度を水浸漬後の接
着強度とした。得られた実施例1の積層体は良好な接着
性を示し、水浸漬後も接着の低下は見られなかった。
【0032】[実施例2](B)成分としてエポキシ化
大豆油を0.2重量部とする以外は、実施例1と同様に
調製し、積層体を製造し、接着性を試験した。このとき
も実施例1同様に良好な接着性を示し、水浸漬後も接着
強度の低下は見られなかった。 [実施例3]基材に対するコロナ放電処理量を80W分
/m2とする以外は実施例1と同様にして積層体を製造
し、接着性を試験した。この場合も良好な接着性を示
し、水浸漬後も接着強度の低下は見られなかった。 [実施例4](B)成分として、エポキシ化亜麻仁油
(B−2)を使用する他は実施例1と同様に調製し、積
層体を製造し、試験した。エポキシ化亜麻仁油の場合も
良好な接着性を示し、水浸漬後も接着強度の低下は見ら
れなかった。
【0033】[実施例5](A)成分A−1と(E)成
分E−1の重量比が85/15である組成物100重量
部に対して、B−1を0.8重量部添加して溶融混練し
た組成物を実施例1と同様に積層した。エポキシ基と反
応可能な官能基を有するポリオレフィン系樹脂を添加す
ることにより、接着性は更に向上し、水浸漬後の接着も
良好であった。 [実施例6](A)成分A−1と(E)成分E−2の重
量比が85/15である組成物100重量部に対して、
B−1を0.8重量部添加して溶融混練した組成物を実
施例1と同様に積層した。E−2を使用した場合でも接
着性は良好で、かつ、水浸漬後の接着も良好であった。
【0034】[実施例7](A)成分としてA−1とA
−2を、(E)成分としてE−1を重量比がそれぞれ4
0/40/20である組成物100重量部に対して、B
−2を0.8重量部添加して溶融混練した組成物を用
い、樹脂温度320℃、コロナ放電処理量40W分/m
2として他の実施例と同様に積層体を製造した。LLD
PEを合む場合でも未処理、水浸漬後とも接着は良好で
あった。 [実施例8]実施例7において、(B)成分をB−1と
し、その添加量を1.5重量部とする以外は実施例7と
同様にして積層体を製造した。得られた積層体は未処
理、水浸漬後ともに接着は良好であった。 [実施例9](D)成分としてD−2を用いる他は実施
例1と同様に積層体を製造した。得られた積層体は未処
理、水浸漬後ともに接着は良好であった。 [実施例10](D)成分であるD−1の添加量を10
重量部用いる以外は実施例1と同様に積層体を製造し
た。得られた積層体は未処理、水浸漬後ともに接着は良
好であった。
【0035】
【表2】
【0036】[比較例1](D)成分を使用しないで実
施例1と同様に積層体を製造した。得られた積層体は、
接着強度が不十分であった。 [比較例2](B)成分を使用しないで実施例1と同様
に積層体を製造した。得られた積層体は接着強度が不十
分であった。 [比較例3](D)成分の代わりにアミノ基との反応可
能な官能基をもたないA−1を用いて実施例1と同様に
積層体を製造した。得られた積層体は実施例1と比べる
と、未処理時の接着強度が低下しているうえ、水浸漬に
よって更に接着強度が低下した。 [比較例4](D)成分を用いずに実施例5と同様に積
層体を製造した。実施例5に比べ未処理、水浸漬後とも
に十分な接着強度は得られなかった。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明の積層体は、アンカーコート剤を
用いることなく、低コストで簡便に接着性が良好なポリ
アミド系基材とポリオレフィン層を有するもので、しか
も高湿度下でも接着強度の経時変化のないものである。
この積層体は包装材料等に好適に用いられる。この際、
ポリオレフィン層の樹脂組成物に含有されるエポキシ化
合物が、エポキシ化植物油であると、特に扱い易さと安
全性に優れ、食品包装材料にも適している。さらに、ポ
リオレフィン層の樹脂組成物に、エポキシ基と反応可能
な官能基を有する化合物を含有させたものであると、基
材層との接着性を更に向上させることができる。また、
そのエポキシ基と反応可能な官能基を有するポリオレフ
ィン系樹脂が、酸無水物基、カルボキシル基およびカル
ボン酸金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1つの
基を分子内に有するオレフィン共重合体または変性オレ
フィン樹脂であると、反応性と安定性のバランスに優れ
ている。
【0039】本発明の積層体の製造方法であると、アン
カーコート剤を用いることなく、低コストで簡便にポリ
アミド系基材に対する接着性が良好で、かつ高湿度下で
も接着強度の経時変化のないポリオレフィン層を有する
積層体を製造することができる。従って、有機溶剤によ
る安全性や作業環境の悪化、最終製品への臭いの残留な
どを回避できる。また、必ずしもオゾン処理を必要とし
ないことからも、コスト削減、加工装置の腐食防止、取
扱い性の向上を図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 好正 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社川崎研究所 内 (72)発明者 加賀谷 一平 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社川崎研究所 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)メルトフローレートが0.1〜1
    00g/10分であるポリオレフィンと、(B)分子内に
    エポキシ基を2個以上有し、分子量が3000以下であ
    るエポキシ化合物とを含有し、(A)成分100重量部
    に対して、(B)成分を0.01〜5重量部含む樹脂組
    成物からなるポリオレフィン層と、 (C)ポリアミドと、(D)アミノ基と反応可能な官能
    基を有する化合物とを含有し、(C)成分100重量部
    に対して、(D)成分を0.1〜20重量部含む樹脂組
    成物からなる基材層とを有し、 前記ポリオレフィン層と基材層とが直接積層されている
    ことを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン層が、(A)メルト
    フローレートが0.1〜100g/10分であるポリオレ
    フィンと、(B)分子内にエポキシ基を2個以上有し、
    分子量が3000以下であるエポキシ化合物と、(E)
    エポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物とを含有
    し、(A)成分+(E)成分に対する(E)成分の含有
    量が30重量%未満であり、かつ、(A)成分+(E)
    成分100重量部に対して、(B)成分を0.01〜5
    重量部含む樹脂組成物からなることを特徴とする請求項
    1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 前記(B)エポキシ化合物が、エポキシ
    化植物油であることを特徴とする請求項1または2記載
    の積層体。
  4. 【請求項4】 前記(E)エポキシ基と反応可能な官能
    基を有する化合物が、酸無水物基、カルボキシル基およ
    びカルボン酸金属塩からなる群から選ばれた少なくとも
    1つの基を分子内に有するオレフィン共重合体または変
    性オレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 (C)ポリアミドと、(D)アミノ基と
    反応可能な官能基を有する化合物とを含有し、(C)成
    分100重量部に対して、(D)成分が0.1〜20重
    量部添加されている樹脂組成物からなる基材層上に、
    (A)メルトフローレートが0.1〜100g/10分で
    あるポリオレフィンと、(B)分子内にエポキシ基を2
    個以上有し、分子量が3000以下であるエポキシ化合
    物とを含有し、(A)成分100重量部に対して、
    (B)成分を0.01〜5重量部含む樹脂組成物からな
    るポリオレフィン層を押出ラミネートすることを特徴と
    する積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ラミネート直前に、ポリオレフィン層及
    び/又は基材層に表面処理を施すことを特徴とする請求
    項5記載の積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリオレフィン層の樹脂組成物に、
    (E)エポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物が
    さらに含有され、(A)成分+(E)成分に対する
    (E)成分の含有量が30重量%未満であり、かつ、
    (A)成分+(E)成分100重量部に対して、(B)
    成分が0.01〜5重量部添加されていることを特徴と
    する請求項5または6記載の積層体の製造方法。
JP21681397A 1997-08-11 1997-08-11 積層体およびその製造方法 Withdrawn JPH1158633A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012052039A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Hosokawa Yoko Co Ltd 異種材料との熱接着性を有するポリオレフィン系樹脂組成物
JP2016022613A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 日本ポリエチレン株式会社 バリア性積層体
JP2017077916A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 株式会社細川洋行 ジッパー部材付フィルム、そのフィルムを用いた包装袋、及びジッパー部材付フィルムの製造方法

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