JPH0769536A - ダブルボビン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダブルボビン装置において、巻取補助装置を
改良して、ボビンの構造的な形態に影響を与えることな
しに、満管ボビンから隣接する空のボビンへ位置変更し
た糸がボビンに確実に保持されうるようにする。 【構成】 そのために巻取補助装置がブラシ（１０）又
はローラのような接触押圧装置として構成されており、
該接触押圧装置は、直接隣接するボビンフランジ（８，
９）の幅に亘ってだけ延び、かつ半径方向で外方に向っ
て突出するボビンフランジの周面にだけ接触している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、軸方向に互いに整合し
て相前後して配置された、軸方向に駆動されて回転して
いる２つのボビン上に、糸またはそれに類似するものを
連続的に巻取るためのダブルボビン装置であって、該ボ
ビンの内そのつど一方のボビンだけが巻かれるようにな
っており、また巻取り工程中ボビン軸線に対し平行な方
向に糸を往復状に案内するための、ボビン軸線に対し平
行に走行可能な綾振装置と、ボビンに配設された巻取補
助装置とを備えており、該巻取補助装置は、糸を満管の
ボビンから空のボビンに交換せしめる際に糸を捉え、か
つ少くとも機械に配置された切断装置によって切断され
るようになるまで前記糸をボビンに保持している形式の
ものに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の装置はドイツ国特許公告公報第
１０５６０８３号によって公知である。この例では巻取
補助装置が多数の緊定装置から成っており、該緊定装置
は、ボビンフランジの周面に配置されていて、上方に位
置する糸を捉え、かつこれが切断される迄前記糸を不動
に保持している。この種の装置は製作上極めて高価であ
るだけでなく、ボビンフランジの変更も必要である。し
かしボビンは大量生産で製造されるので、ボビン構造の
変更は総てこれを回避しなければならないし、産業界か
らは拒否されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、巻取
補助装置を改良して、ボビンの構造的な形態に影響を与
えることなしに、満管ボビンから隣接する空のボビンへ
位置変更した糸がボビンに確実に保持されうるようにす
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明では、巻取補助装
置がブラシ又はローラのような接触押圧装置として構成
されており、該接触押圧装置は、直接隣接するボビンフ
ランジの幅に亘ってだけ延び、かつ半径方向で外方に向
って突出するボビンフランジの周面にだけ接触している
ことによって、上記課題を解決することができた。

【０００５】

【発明の効果】この接触押圧装置はその保持機能をボビ
ンの連続する回転の際再三に亘って放棄するので、この
ような静的な接触押圧装置によって上記課題を実現する
ことができるかどうかは、一見しただけでははっきり判
らないであろう。しかし調査の結果、ボビンが高速回転
している場合には短時間の保持作用が形成されて、満管
ボビンからの糸の繰出しを阻止することができることが
確認された。糸が隣接する両ボビンの間で切断されて満
管ボビンが搬出を待っている際糸は跳ね上ってその後は
巻取部上に保持されていなければならない。このために
はスイス国特許第２３９９３３号明細書によるブラシ又
はドイツ国特許第３４４６６９２号明細書によるローラ
が公知であるが、これらはその位置で巻取体にだけ接触
している。しかしこの種の接触押圧装置は、空ボビンへ
の交換の際糸端部の繰出しを阻止することができない。
その理由は、最後の巻取部がボビンフランジに極めて密
に巻取られていて、公知のローラ又はそれに類似するも
のが保持作用を及ぼすことができないようになっている
からである。更に糸は空ボビンのフランジにも保持され
うるようになっていなければならない。

【０００６】

【実施例】図面には本発明に基く実施例が図示されてい
る。この図面に基いて本発明を説明することにする。

【０００７】ダブルボビン機械のユニットは、糸３を巻
き取る際には、軸方向に整合して密に並んで配置されて
いる２つのボビン１及び２から成っている。矢印４の方
向へのボビン１，２の駆動は別々に行われる。ボビン
１，２の上方には綾振装置５が、ボビン１の巻取のため
に位置５′から位置５″へ往復走行可能に配置されてい
る。巻取の際糸位置変更器６は不作業位置（破線）に引
き戻されている。同様なことがボビン１，２の間に配置
された糸切断装置７にも当て嵌る。つまり糸切断装置７
も不作業位置に引き戻されている。

【０００８】ボビン１が満管になると糸位置変更器６が
前進した位置に行って、糸を両ボビン１及び２の隣接す
る縁部８，９を超えて引張り、その位置で綾振装置５
が、このボビン２の巻取りのために位置５″′から位置
５″″へと往復走行する。同時にボビン１，２の間に配
置された糸切断装置７が図示の切断位置に走行して糸３
を切断し、それによってボビン１が制動されて図示の巻
取位置から旋回せしめられ、かつ搬出せしめられる。

【０００９】空ボビン２への交換の際糸が満管ボビン１
から跳ね上らないようにするため、また解放された糸輪
奈がボビン２への移行の際比較的短くなるようにするた
め、ブラシ１０がボビンフランジ８，９の周面に押圧さ
れている。ブラシ１０は両ボビンフランジ８，９の幅に
亘ってだけ延びていて、両フランジ８，９間の空間には
ブラシの毛髪が存在しないようになっている。場合によ
ってはブラシは、破線で図示のように両フランジの幅よ
りも若干広幅であっても宜い。いづれの場合もブラシ
は、ボビンフランジ周面の高さの下方で終了している巻
取体１２に接触してはならない。この簡単な装置の補正
によって切断される糸端部の長さを、接触押圧装置なし
の場合に保持される長さの１／３の長さに著しく短縮す
ることができる。ブラシ１０はローラによって代替する
ことも可能であり、その場合ローラは、矢印１１の方向
に向って前方及び後方に偏位可能に機械に支承されてい
て、糸３の交換の際だけ一方のボビンから他方のボビン
の方へ前進せしめらる。つまりそれ以外は同じ様に不作
業位置に留まっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】ダブルボビン装置の一方のボビンの側面図であ
る。

【図２】ダブルボビン装置の平面図である。

【符号の説明】

１，２ ボビン ３ 糸 ４ 矢印 ５ 綾振装置 ５′，５″，５″′，５″″ 位置 ６ 糸位置変更器 ７ 糸切断装置 ８，９ 縁部 １０ ブラシ １１ 矢印 １２ 巻取体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸方向に互いに整合して相前後して配置
   された、軸方向に駆動されて回転している２つのボビン
   上に、糸またはそれに類似するものを連続的に巻取るた
   めのダブルボビン装置であって、該ボビンの内そのつど
   一方のボビンだけが巻かれるようになっており、また巻
   取り工程中ボビン軸線に対し平行な方向に糸を往復状に
   案内するための、ボビン軸線に対し平行に走行可能な綾
   振装置と、ボビンに配設された巻取補助装置とを備えて
   おり、該巻取補助装置は、糸を満管のボビンから空のボ
   ビンに交換せしめる際に糸を捉え、かつ少くとも機械に
   配置された切断装置によって切断されるようになるまで
   前記糸をボビンに保持している形式のものにおいて、 巻取補助装置がブラシ（１０）又はローラのような接触
   押圧装置として構成されており、該接触押圧装置は、直
   接隣接するボビンフランジ（８，９）の幅に亘ってだけ
   延び、かつ半径方向で外方に向って突出するボビンフラ
   ンジの周面にだけ接触していることを特徴とするダブル
   ボビン装置。
2. 【請求項２】 接触押圧装置が前方及び後方（１１）に
   偏位可能にダブルボビン装置に配置されていることを特
   徴とする、請求項１記載の装置。