JPH0768797B2 - 回転テーブル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、駐車場施設を構成する回転テーブル装置に関
し、詳細には運転技術が未熟な運転者であっても正確な
位置に車両を乗り入れできる回転テーブル装置に関す
る。

〈従来の技術〉 駐車場の入庫口及び出庫口の前には、車両の向きを変え
るための回転テーブル装置が設けられている。

回転テーブル装置は一枚の回転可能な円板からなり、運
転者の運転操作により車両を円板の正確な位置に乗り入
れている。

そして、車両を円板上の正確な位置に乗り入れるために
従来は、円板にラインを表示したり或は溝を設けて車輪
の走行方向を規制する等の対策を施している。

〈本発明が解決しようとする問題点〉 前記した従来の回転テーブル装置にあっては次のような
問題点がある。

〈イ〉ライン表示だけの場合は、未熟な運転者にとって
はほとんど役にたたず、また溝を設けたものにあっては
タイヤが溝の側面に擦れて異音を生じ易いうえに、運転
者に高度の運転技術が要求される。

このような車両の乗り入れ操作の困難さが駐車場の円滑
な入庫の障害となっている。

〈ロ〉車両の乗り入れ位置が不正確であると、円板の回
転時に車両が近隣の壁等と接触事故を起こし易い。

〈ロ〉現在、車両の入庫動作及び出庫動作を自動化した
立体駐車場の研究開発が種々進められている。

ところが、この種の立体駐車場に好適な回転テーブル装
置の提案が未だなされていない。

〈本発明の目的〉 本発明は以上の問題点を解決するために成されたもの
で、その目的とするところは、運転技術の未熟な運転者
でも簡単な運転操作で正確な位置に車両を乗り入れでき
る回転テーブル装置を提供することにある。

〈本発明の構成〉 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について説
明する。

〈イ〉回転テーブル装置 第１、２図に本発明に係る回転テーブル装置10の一例を
示す。

図中20は駐車場の出入庫口で、回転テーブル装置10に接
近して設けてある。

回転テーブル装置10は、垂直軸に対し回転自在に支持さ
れた回転台30と、回転台30の上面に露出して並設した案
内帯体40、41と、回転台30の一部又は天上等に配設した
車両の停止位置を検知する停止センサ50と、回転台30に
接近して設けた検知盤60とよりなる。

以下、各部について説明する。

〈ロ〉回転台 回転台30は駐車施設の出入口20の前に位置し、鉛直軸に
対して回転可能に支持されている。回転台30の上面には
一対の案内帯体40,41が並設されている。

回転台30の回転制御方法については後述する。

〈ハ〉案内帯体 案内帯体40、41は、多数の板体をピンで連結してチェー
ン状に形成したもの或はゴム製平ベルト等からなり、夫
々一対のスプロケット42、43又はローラ間に配設されて
いる。

一対の案内帯体40、41は第３図に示すように減速機45で
減速したモータ44の回転を電磁クラッチ46の断続によ
り、遊動状態又は強制回転状態に切り替えられる。

すなわち車両の前輪および後輪が一対の案内帯体40,41
に乗り込みを完了するまでは一対の案内帯体40,41の遊
動状態を維持するよう電磁クラッチ46が切られ、また車
両の乗り入れ後に一対の案内帯体40,41を強制回転する
よう電磁クラッチ46が接続される。

又、第２図に見るように各案内帯体40、41の表面には、
夫々前輪Ａ、Ａ′を係止するための前部ストッパ48及び
後部ストッパ49が突設してある。

〈ニ〉検知盤 検知盤60は車両の各左右の車輪の位置を検出するための
装置で、検知盤60で検出した車輪の位置情報は、後述す
るように回転台30を回転制御する際の基礎情報となる。

検知盤60の一例を第１、２図を基に説明すると、検知盤
60は車両の進入方向と交差する方向に配列した多数の踏
板61と、各踏板61を弾力的に支承するばね部材62と、各
踏板61の降下を電気的に検知するリミットスイッチとよ
りなる。

回転台30の手前には二つの空間が凹設され、各空間内に
等ピッチで多数の踏板61が収容され、各踏板61と棚部と
の間にばね部材62が介在され、各踏板61の下部にリミッ
トスイッチ63が配設されている。

踏板61のピッチは、強度面及び性能面を考慮すると20mm
程度が好ましく、又踏板61の全長は前後の車輪が同時に
乗ることがないように例えば1500〜2000mm程度が好まし
い。

ばね部材62は、車両の通過後に踏板61を元の高さまで押
し上げられる弾力を有していればよい。

各踏板61群の形成巾は、輪距の異なる多くの車種に余裕
を持って適応できる十分な巾を確保するものとし、本実
施例のように二群に分離するか、或はこれらを連続して
一群に形成する。

〈ホ〉車両中心の検知手段 第１図に示すように車両中心である前輪及び後輪の各左
右輪の中点位置Ｐを割り出すには、例えば検知盤60と回
転台30の駆動手段を夫々図示しないコンピュータに接続
し、コンピュータが検知盤60による左右輪の検知信号を
基に、左右輪の中点位置Ｐを演算して求める方法を採用
できる。

ここでいう左右輪の検知信号とは、各車輪が検知盤60上
の複数の踏板61を踏み込むことにより検知される左右各
車輪の正確な位置情報のことである。

即ち、左右の各車輪を検知した複数のリミットスイッチ
63群による検知信号のうち、例えば最外側または最内側
の検知信号を各左右輪の中心情報として処理すればよ
い。

回転台30は回転台30の中心線C1を通る周縁部の点Ｑが、
前述した方法で求められた中点位置Ｐに一致すまで、回
転台30の駆動源がコンピュータにより回転制御される。

〈作用〉 次に回転テーブル装置10の作用について説明する。

〈イ〉前輪の検知 第１図に見るように検知盤60に車両が乗り込む前、回転
台30の中心線C1は検知盤60の中央部に一致している。

第４図のように車両を回転台30へ向けて前進する途中、
前輪Ａ、Ａ′が検知盤60に踏み入れる。

運転技術の未熟な運転者にとって前輪Ａ、Ａ′、を直接
案内帯体40、41に乗り入れることは甚だ困難であるが、
前輪Ａ、Ａ′だけを巾広の検知盤60に踏み入れることは
未熟な運転者でも簡単に行える。

ここでは前輪Ａ、Ａ′が例えば第５図に示すように一部
の踏板61群に踏み込んだ場合について説明する。

第５図において、検知盤60の中央から外側に向けて等距
離の位置に踏板61a、61b…、61a′、61b′…が夫々並列
され、また各踏板61a、61b…、61a′、61b′…にリミッ
トスイッチ63a、63b…、63a′、63b′…が順次配列して
ある。

そして、一方の前輪Ａが一部の踏板61c〜61fを踏み込
み、他方の前輪Ａ′が踏板61d′〜61g′を踏み込んでい
ると、検知盤60は自動的に前輪Ａ、Ａ′間の輪距を検知
した後、第４図に示す中点位置Ｐを算出する。

例えば第５図に示すように、右側の前輪Ａが踏板61c〜6
1fを踏み込み、左側の前輪Ａ′が踏板61d′〜61g′を踏
み込んでいる場合、左右の前輪A,A′の中点位置Ｐは、
踏板61cと踏板61d′の中間位置、或いは踏板61fと踏板6
1g′の中間位置に求められる。

〈ロ〉回転台の回転 検知盤60により左右の前輪A,A′の中点位置Ｐが求めら
れると、回転台30の点Ｑがこの中点位置Ｐに一致するよ
うにコンピュータで回転台30の駆動源が回転制御され
る。

仮に前輪Ａ、Ａ′が検知盤60上を斜めに走行してその中
点位置Ｐが変動したとしても、この中点位置Ｐの変動に
合わせて回転台30が回転する。

前輪Ａ、Ａ′が検知盤60を通過すると降下していた踏板
61は元の高さに復元する。

〈ハ〉前輪の乗り入れ 前輪Ａ、Ａ′が検知盤60を通過して回転台30へ乗り入れ
る際、自動的に前輪Ａ、Ａ′の進行側に案内帯体40、41
の移動を終えている。

従って、回転台30に向けて自走する車両の前輪A,A′は
回転台30の各案内帯体40,40に確実に乗り入れすること
になる。

遊動状態の案内帯体40,41に乗り入れた前輪A,A′は、前
部ストッパ48に係止された後、案内帯体40,41を空転さ
せながら回転台30の上面を非回転状態で移動する。

〈二〉後輪の検知 前輪Ａ、Ａ′を案内帯体40、41に載置した状態で後輪
Ｂ、Ｂ′の駆動力で前進を続けると後輪Ｂ、Ｂ′が検知
盤60に乗り入れる。

すると、前述した前輪Ａ、Ａ′の場合と同様の工程で後
輪Ｂ、Ｂ′間の中点位置Ｐが割り出され、割り出された
中点位置Ｐに点Ｑが一致するまで回転台30が回転する。

この間、前輪Ａ、Ａ′は、遊動状態の案内帯体40、41に
係留されて前進する。

〈ホ〉後輪の乗り入れ 後輪Ｂ、Ｂ′が検知盤60を乗り越えるとき、後輪Ｂ、
Ｂ′の進行側に案内帯体40、41の位置合わせを完了して
いる。

従って第７図に示すように、後輪Ｂ、Ｂ′が必然的に案
内帯体40、41に乗り入れすることになる。

このように、回転台30が案内帯体40、41を前輪Ａ、Ａ′
及び後輪Ｂ、Ｂ′の乗り込み位置に合わせて移動するか
ら、未熟な運転者であっても車両を回転台30の中心線に
沿わせて乗り入れできる。

〈ヘ〉運転者の下車 運転者は第７図のように両案内帯体40、41上に後輪Ｂの
乗り入れを終えたらパーキングブレーキをセットして下
車する。

〈ト〉車両の強制移動 運転者の下車を確認した後、第８図に示すように回転台
30が駐車場の出入庫口20の中心線に合うまで回転する。

すると、それまで遊動状態であった案内帯体40、41が回
転を開始して、車両を前方へ強制的に牽引する。

このとき、少なくとも両ストッパ48、49が前輪Ａ、Ａ′
の両側を拘束しているから、車両の高速移動が可能であ
る。

車両の前端が停止センサ50の設置位置に達すると、停止
センサ50が車両を検知し、これにより案内帯体40、41が
自動的に停止する。

車両を回転台30の一定位置に停止させた後の動作につい
ては、例えば図示しない搬送装置によって或は運転者に
よって車両を出入庫口20内へ移動する。

〈本発明の効果〉 本発明は以上説明したようになるから次の効果が得られ
る。

〈イ〉回転台と検知盤の連動動作によって、車両の乗り
込み位置に合わせて回転台を回転制御できるから、運転
の未熟な者であっても車両を回転台の中心線に一致させ
て正確に乗り入れすることができる。

〈ロ〉車両の乗り入れ位置が正確であるから、従来のよ
うな車両の回動により起こる接触事故や人身事故を未然
に防止できる。

〈ハ〉全長の異なる車両であっても、回転台上で車両を
強制移動して車両前端の停止位置を揃えることができ
る。

そのため、一般の駐車場に限らず、入庫及び出庫動作の
自動化を図った自動駐車場用への採用に好適である。

〈ニ〉車両の進入位置を検知する検知盤が床部に埋設し
てあるから、車両や人の通行の障害にならない。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明に係る回転テーブル装置の平面図 第２図：前輪を乗り入れたときの回転台の断面図 第３図：案内帯体の駆動部を説明するための回転台の部
分断面図 第４図：前輪を検知盤に乗り入れたとき回転台の運動を
示す回転テーブル装置の平面図 第５図：第４図における検知盤の横断面図 第６図：前輪を案内帯体に乗り入れたときの回転テーブ
ル装置の平面図 第７図：後輪を案内帯体に乗り入れたときの回転テーブ
ル装置の平面図 第８図：車両の最終停止位置を説明するための回転テー
ブル装置の平面図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駐車施設の出入口の前に位置し、垂直軸に
   対して回転自在の回転台を備えた回転テーブル装置にお
   いて、 回転台は回転駆動のための駆動源を具備し、 回転台の上面に無端状の案内帯体を並設し、 回転台の近傍の車両進入側の床面には通過車両の各左右
   輪を検知する検知盤を設け、 回転台の近傍に車両の停止位置を検知するセンサを配置
   し、 前記各案内帯体は遊動及び回転駆動の切り替えが可能で
   あって、かつ前記センサの車両検知信号に基づいて回転
   駆動を停止するように構成すると共に、 その上面に車輪を係止させるストッパを具備し、 前記検知盤は車両の進入方向と交差する方向に配列した
   多数のスイッチ付踏板群を具備し、 検知盤による左右輪の位置情報を基に回転台の駆動源を
   制御可能に構成したことを特徴とする、 回転テーブル装置。