JPH076852U - ゲート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 鉄道に於ける自動改札機等のように、情報記
録を照査して通行を許可する装置に関する。 【構成】 ゲート装置を、ゲート通路の側方に立設さ
れ、進入口寄り部分に配置され所定照査情報が記録され
た情報記録３の提示部２と、情報記録物３からの照査情
報を処理する情報読取部１１と、通路内の通過客を検知
する通行客検知手段６とを具備したゲート部１と、通行
者が提示した前記情報記録物３を照査し照査結果に応じ
て該通行者の通過を許可しあるいは阻止する判定制御部
１５を具備し、更に当該通路の退出口側で通過客が視認
可能に設けられた発光報知手段７Ａ，７Ｂと、周囲から
容易に視認可能で当該通路に対応付けて設けられた発光
通報手段８とを有していて、前記判定制御部１５が、提
示された情報記録物３を無効と判定した場合、及び無札
客を検知した場合に、前記発光報知手段７Ａ，７Ｂと発
光通報手段８が発光するように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鉄道に於ける自動改札機等のように、所定情報記録物を照査し照査 結果に応じて通行者の通過を許可しあるいは阻止するゲート装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

所定情報記録物を照査し照査結果に応じて通行者の通過を許可しあるいは阻止 するゲート装置が各所に用いられており、例えば鉄道に於いては、磁気カード等 の情報記録物を証査し乗降客の通過を許可しあるいは阻止する自動改札機が導入 されている。 自動改札機を含めて一般にゲート装置は利用者の通行を阻止する阻止手段とし て扉（阻止扉）等を有していて、利用客が提示（磁気カードであれば投入）した 情報記録物の記録内容を通路部側方に立設されたゲート部で読取りその情報記録 物が正しいものか否かを照査して、正しい場合に扉を開放として該提示者がゲー ト装置を通過することを許可している。

【０００３】 図５と図６は、この種のゲート装置の一例として鉄道用自動改札機（符号３０ ）を示すもので、夫々平面図、正面図を示している。 この自動改札機３０はフラップ型ゲート装置で、駅の改札部に設けられた入出 路の両側方にゲート部１Ａ、１Ａ′が立設されている。このゲート部は、側面に 出入路側に回動突出して通行者の通過を阻止することが可能な通過阻止扉Ｇ、Ｇ ′を夫々具備している。また、ゲート部１Ａの側面には多数のフォトセンサ（図 示せず）が配置され対向して配置された発光ダイオード（図示せず）と組みにな って入出路を通行する客の存在を検知しておりその出力は判定制御部１５Ａに入 力されている。

【０００４】 そして、一方のゲート部１Ａの入口側（即ち、進入部寄り）には、照査情報等 が記録された定期券等の磁気カード（情報記録物）３を投入するための投入口２ が設けられており、この投入口２に連なり周知の搬送路（図示せず）が装置内部 に設けられている。この搬送路にそって磁気カード３に記録された情報を読み取 るための読取磁気ヘッドが設けられており、その出力は情報読取部１１に接続さ れている。そして、前記情報読取部１１で所定電気信号に変換された磁気カード の情報信号が判定制御部１５Ａに入力されている。４は前記搬送路の終端部に続 き装置上面後半部に設けられ、処理が済んだ磁気カードを（必要であれば）通過 者に返却するための返却口である。なお、情報記録物としてＩＣカードを用いた り、磁気カードと併用する自動改札機も有る。

【０００５】 上記判定制御部１５Ａは、前記フォトセンサ群からの出力により通行者の進入 ・移動または退出（戻りも含む）を検出し、また前記情報記録物３から読取った 情報に基づき、通行者の通過が適正であるか否かを判定して前記通過阻止扉Ｇ、 Ｇ′を制御する。

【０００６】 即ち、判定制御部１５Ａには情報読取部からの情報信号が入力され、これを処 理して情報内容が適正なものである場合にのみ通過阻止扉Ｇ、Ｇ′を制御して開 放状態とし通行者のゲート装置の通過を許可し、情報記録物が無効である場合に はその所持者（以下無効客という）の通行を阻止すべく通過阻止扉Ｇ、Ｇ′を制 御してこれを閉じる。また、情報記録物の提示（挿入）なしに通行者のゲート装 置内への出入や移動を感知した場合は無札客として認識する。なお、Ｗはゲート 装置部以外からの出入りを禁止するための隔壁である。

【０００７】 通過用客を阻止する阻止手段として、例示したような扉Ｇ、Ｇ' を用いず、ロ ールバーを回転駆動して通路を閉鎖するように構成した自動改札機もある。

【０００８】 上述した従来の自動改札機では、不正客を発見した場合に阻止手段を駆動する と同時に、係員の待機場所にても通報装置が作動して係員が事態を掌握できるよ うになっている。 なお、自動改札機にも表示による通報装置を備えていて、この通報装置は無札 客の通過に対応して点灯するようになっている。なお、これら通報装置は、あく までも設置者側の係員に対して不正客や無札客の存在を知らせる目的のものであ る。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述したように従来の自動改札機等のゲート装置では、阻止手段が 作動して通路を閉じるようになっているため、駆動時に利用客に当たり怪我をさ せることがある。 特に、妊婦では腹部に当たることもあり危険な場合がある。また、身長の小さ い子供等の場合には、勢いのついた阻止扉やロールバーが顔面に当たる場合があ り、思わぬ事態となることもある。 この他、着物が阻止扉やロールバーに引っ掛かって損傷する場合もあり、損害 賠償の問題も生じる。

【００１０】 ところで、ゲート装置の利用状況や運用形態によっては、上述した阻止手段ま では必要としない場合もある。自動改札機を例にとれば、利用客の少ない閑散駅 にて自動改札機を運用する場合には、改札通路の退出側に係員が待機することが 多く、不正の検出があれば係員が対応することができる。 係員の待機が無くとも、改札口数（通路数）が少なく又乗客数が少ない駅では 、係員のすばやい対応が可能でこのような状況下では、自動改札機の阻止手段に よる乗客の阻止は必ずしも必要で無い。 上記実情を考えると、自動改札機では単に不正の検出と報知のみを行えば足り るから、阻止手段を付加しない、或いはより安全な阻止手段を採用した自動改札 機がより有効な場合もある。

【００１１】 本考案は、上述した事情に対応してなされたもので、従来の阻止扉或いはロー ルバー等、危険な事態も考えられる通路を物理的に閉鎖する構造の阻止手段を用 いることなく、従ってより安全で同時に実用上充分な改札機能を有する自動改札 機を提供することを課題としてなされたものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上述課題を達成するため本願考案では、ゲート装置を、 ゲート通路の側方に立設され、進入口寄り部分に配置され所定照査情報が記録 された情報記録物(3) の提示部(2) と、情報記録物(3) からの照査情報を処理す る情報読取部(11)と、通路内の通過客を検知する通行客検知手段（6 ）とを具備 したゲート部(1) と、通行者が提示した前記情報記録物(3) を照査し照査結果に 応じて該通行者の通過を許可しあるいは阻止する判定制御部(15)を具備し、更に 当該通路の退出口側で通過客が視認可能に設けられた発光報知手段(7A,7B) と、 周囲から容易に視認可能で当該通路に対応付けて設けられた発光通報手段(8) と を有していて、前記判定制御部(15)が、提示された情報記録物(3) を無効と判定 した場合、及び無札客を検知した場合に、前記発光報知手段(7A,7B) と発光通報 手段(8) が発光するように構成する。

【００１３】

【作用】

判定制御部が提示された情報記録物を無効と判定した場合、及び無札客を検知 した場合に、発光報知手段を発光させ通過客に通過不当と判定したことを知らせ 通過を抑制すると同時に発光通知手段を発光させて周囲の者及び係員に不当通過 客の存在を知らしめる。これにより、不当客の係員に依る処理を可能とすると共 に不当行為を心理的に抑制する。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案を添附図面に沿って詳細に説明する。 図１は、本願考案のゲート装置の一実施例である自動改札機２０を示す外観斜 視図であり、図３は側面図、図４は平面図である。また、図２は、この実施例の 主要部を示すブロック図である。

【００１５】 この自動改札機２０は、従来の自動改札機と同様に、駅の改札部通路Ａ、Ｂの 側方に立設されたゲート部１、１' を有している。ゲート部１は、進入口寄り部 分に配置され、照査情報が記録された磁気カード（情報記録物）３の投入口（提 示部）２と、該磁気カード３の信号を読取る情報読取部１１と、通路内で通行客 を検知する通行客検知手段６と、前記情報読取部１１と通行客検知手段６からの 出力信号が入力される判定制御部１５を具備している。

【００１６】 なお、実施例では情報記録物３として磁気カードを用いているためその提示部 ２は投入口となっているが、情報記録物３が非接触のＩＣカードである場合には 、対応した提示部２が自動改札機の適切な部位（例えば、改札機の上方外面の中 程進入口寄りの位置）に設けられることになる。本願では、磁気カードの投入を 含めて情報記録物の提示と記載し、投入口を含めて提示部と記載する。

【００１７】 上述の従来と同等の各部に加え、実施例の自動改札機２０は、当該通路の退出 口側に設けられ通過客が視認可能な発光報知手段７（７Ａ、７Ｂ）と、当該通路 に対応付けて設けられ周囲から容易に視認可能な発光通報手段８とを有している 。 すなわち、実施例では従来の阻止手段としての開閉する扉あるいはロールバー は無く、その替わりに発光報知手段７と発光通報手段８を備えている。

【００１８】 発光報知手段７として、両側のゲート部の退出口側に通路側側面から上面にわ たって大きく帯状の発光部分７Ａが設けられている（図１では、対となる一方の ゲート部１' は図示されておらず単に設置位置のみを一点鎖線で示している）。 また、両ゲート部１、１' の間のゲート通路Ａの表面（上面）の退出口側にも帯 状の発光部分７Ｂが設けられている。こうして、これらの発光部分（発光手段） が発光すると通過客は、確実に発光を視認できるようになっている。

【００１９】 一方、発光通報手段８は、図１にて示すように、当該通路Ａに対応付けられて 通路の上方に上から固定されて設けられており、周囲の客や係員が発光を容易に 視認できるし、また、どの通路の客が発光動作の原因になっているか判るように なっている。

【００２０】 上述の発光報知手段７及び発光通報手段８は前記判定制御部１５に接続され後 述するように一定条件を充たした時に駆動され発光する。両手段７及び８は、発 光源に緑と赤の２色発光ダイオードを用いており、従って、緑色と赤色に加えて 橙色に発光が可能であり、後述するように場合に応じた適切な色で発光する。こ れらの発光ダイオードは、各発光部分の表面に位置していても良いが、内方に配 置し発光部分の外表面は白色等の適宜パネルで覆っておいても良い。勿論、緑色 ・赤色・橙色の３色の発光ダイオードを用いて３色の発光が得られるようにして もかまわない。また適宜のランプを光源としても良い。

【００２１】 前記判定制御部１５は、通行者が提示した前記情報記録物３から得た情報を照 査し提示された情報記録物３を無効と判定した場合に、或いは無札客を検知した 場合に前記発光報知手段７と発光通報手段８とを決められた色（後述）で発光さ せる。

【００２２】 次に、実施例の自動改札機２０の作用について簡略に説明する。 通過客が、磁気カード３を自動改札機２０の投入口２に投入すると（提示）、 磁気カード３は内部の適宜搬送機構により搬送されて読取磁気ヘッド１２を通過 しこの時磁気カード３記録されている磁気情報が読み出され磁気情報読取部１３ で適切な波形に変換されて判定制御回路１７に入力される。判定制御回路１５を 構成する判定回路１６では磁気カードからの情報を証査して適正な磁気カードで あるか否かを判定し、判定結果を後続する制御回路１７に入力する。

【００２３】 この制御回路１７には通行客検知回路１４からの信号も入力されている。通行 客検知回路１４には、フォトセンサよりの出力が入力されていて、磁気カードの 投入の有無に係わらず常時自動改札機２０内の通行客の位置や移動を監視して結 果を制御回路１７に出力している。

【００２４】 制御回路１７では、判定回路１６及び通行客検知回路１４からの入力信号を基 に、通行客が有り且つ券の投入が有れば、適正券の場合、不正券の場合、読取り 不良券の場合を識別する。また、通行客が有り且つ券の投入が無い場合（無札） も識別（認識）する。 これらの識別結果に応じて、制御回路１７は、無札の場合には発光報知手段７ Ａ、７Ｂと発光通報手段８を駆動し緑色に発光させ、また、不正券の場合には両 発光手段を赤色で発光させる。読取り不良券の場合には橙色で発光報知手段７と 発光通報手段８を発光させる。適正券の場合には、両発光手段の駆動は行わない （無発光、無色）。

【００２５】 従って、例えば不正券を所持した通行客が自動改札機２０を通過しようとする と、発光報知手段７が赤色に発光して不正を検出した旨を不正通行客に確実に知 らせる（報知）。この視覚的報知（赤色発光）により、不正チェックが常時行わ れているという認識を客に与えることができ、以降の不正行為を心理的に抑制す る結果となる。 発光は、一定期間連続的に行っても良いが、適宜周期で点滅させればより確実 に視認させることができるし、心理的効果も大きい。なお、音声合成装置を併用 して不正券の場合に対応した適宜警告メッセージを発声させても良く、一層の効 果が期待できる。

【００２６】 発光報知手段７Ａ、７Ｂが発光すると同時に発光通報手段８も赤色に発光して 、周囲の客や係員に不正を通報する（連続発光或いは点滅発光）。これにより、 係員は確実に不正発覚を認識でき対応する自動改札機のところまで行き必要な処 置を行うことができる。即ち、実質的な駅務に支障は無い。 なお、発光通報手段８の発光は、周囲の客も容易に視認できるので、周囲の客 の注意を喚起して当該自動改札機に注目させる結果となり、不正客は多分に嫌な 思いをすることになり、このことによっても心理的に以降の不正行為を抑制する 効果が充分に期待できる。

【００２７】 発光動作は、無札券の場合に対応しては緑色に発光し、読取り不良券の場合に 対応しては橙色に発光する。従って、駅員は不正券の場合の赤色発光と、読取り 不良券の場合の橙色発光の場合に、該当する発光通報手段に対応付けられた（真 下にある）自動改札機のところへ行き、必要な処置を行えば良い。なお、駅員は 緑色発光動作があって、通行客が大人と認識した場合にはやはり不正であるから 、当該自動改札機のところへ行き、必要な処置を行う。

【００２８】 以上、説明したように実施例の自動改札機では、物理的抑止手段を有していな いから従来見られた危険性が完全に排除されている。同時に、第一に不正客を係 員に知らせ、第二に不正客本人に不正を自覚させ、第三に不正を周りの人に知ら しめるとの作用を有しているから、一定条件下で実質的なゲート装置としての目 的を達成している。なお、抑止扉又はロールバーとこれらに伴う駆動機構が不要 となることから、ゲート装置のコストダウンとなるという副次的効果もある。

【００２９】 以上、自動改札機をゲート装置の例として本願考案を説明したが、本願考案は この他に、一般に所定照査情報を記録した照査物に対応し、通行者が提示した照 査物を照査して照査結果に応じて前記通行者の通過を許可しあるいは阻止するた めの各種ゲート装置に適用して有効で、従来見られた阻止に伴う通行者に対する 危険が無く利用者に恐怖心を与えるおそれのないゲート装置を提供できる。

【００３０】

【考案の効果】

以上詳述したとおり本願考案のゲート装置は、情報記録物の提示部と、情報読 取部と、通行客検知手段を具備したゲート部を有する他に、加えて、ゲート通路 の退出口側で通過客が視認可能に設けられた発光報知手段と、周囲から容易に視 認可能で当該通路に対応付けて設けられた発光通報手段とを有しており、判定制 御部が、提示された情報記録物を無効と判定した場合、及び無札者を検知した場 合に、前記発光報知手段と発光通報手段が発光するように構成されていて、物理 的抑止手段を有していないことから、 従来見られた危険性が排除されていて安全である。勿論、不正客を係員に知ら せ、不正客本人に不正を自覚させ、また不正を周りの人に知らしめる結果、一定 条件下で充分なゲート装置として機能する。また、抑止扉又はロールバーとこれ らに伴う駆動機構が不要で、ゲート装置のコストダウンが図れるとの副次的効果 も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案のゲート装置の一実施例である自動改
札機を示す外観斜視図である。

【図２】実施例の自動改札機の概略ブロック図である。

【図３】実施例の自動改札機の側面図である。

【図４】実施例の自動改札機の平面図である。

【図５】従来のゲート装置（自動改札機）の一例を示す
平面図である。

【図６】従来のゲート装置（自動改札機）の一例を示す
正面図である。

【符号の説明】

１…ゲート部、 ２…提示部（投入口）、 ３…情報記録物（磁気カード）、 ６…通行客検知手段、 ７Ａ，７Ｂ…発光報知手段、 ８…発光通報手段、 １１…情報読取部、 １５…判定制御部、 ２０…ゲート装置（自動改札機）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゲート通路の側方に立設され、進入口寄
   り部分に配置され所定照査情報が記録された情報記録物
   (3) の提示部(2) と、情報記録物(3) からの照査情報を
   処理する情報読取部(11)と、通路内の通過客を検知する
   通行客検知手段（6 ）とを具備したゲート部(1) と、 通行者が提示した前記情報記録物(3) を照査し照査結果
   に応じて該通行者の通過を許可しあるいは阻止する判定
   制御部(15)を具備したゲート装置であって、 当該通路の退出口側で通過客が視認可能に設けられた発
   光報知手段(7A,7B) と、 周囲から容易に視認可能で当該通路に対応付けて設けら
   れた発光通報手段(8)とを有し、 前記判定制御部(15)が、提示された情報記録物(3) を無
   効と判定した場合、及び無札客を検知した場合に、前記
   発光報知手段(7A,7B) と発光通報手段(8) が発光するよ
   うに構成したことを特徴とするゲート装置。