JPH0768415B2 - 改良されたゴム状重合体組成物 - Google Patents

改良されたゴム状重合体組成物

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JPH0768415B2
JPH0768415B2 JP14713586A JP14713586A JPH0768415B2 JP H0768415 B2 JPH0768415 B2 JP H0768415B2 JP 14713586 A JP14713586 A JP 14713586A JP 14713586 A JP14713586 A JP 14713586A JP H0768415 B2 JPH0768415 B2 JP H0768415B2
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裕一 北川
春夫 山田
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は引張強さ及び反発弾性更に耐摩耗性の改善され
た加硫ゴムを与えるゴム状重合体組成物に関するもので
ある。詳しくは、重合により、あるいは後反応によって
不飽和ゴム状重合体鎖に付加したアルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属と分子中に 結合(式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化
合物とを反応させて得られるゴム状重合体をゴム成分と
して含有し、アミノ化合物を加えた、改良されたゴム状
重合体組成物に関する。更に該組成物は配合剤を加え、
次いで加硫ゴムとされ利用されるものである。
〔従来技術及び発明が解決しようとする問題点〕
最近、自動車の低燃費指向と安全性の両観点より、特に
タイヤの転動抵抗の低減と湿潤路面でのすぐれた制動
性、すなわちウェットスキッド抵抗の向上が強く要望さ
れている。
一般に、これらのタイヤの特性はトレッドゴム材料の動
的粘弾性特性と対応させて考えられ、互に相反する特性
であることが知られている。
タイヤの転動抵抗を低減するにはトレッドゴム材料の反
発弾性が高いことが必要であり、車の走行状態を考慮す
ると、この反発弾性は高温(50℃〜70℃付近までの温
度)で評価する必要がある。一方、車の安全性の点で重
要な性能である湿潤路面での制動性能の向上にはブリテ
ィッシュ・ポータブル・スキッドテスターで測定される
ウェッドスキッド抵抗が大きいことが必要であり、トレ
ッドゴム材料としてはタイヤに制動を掛けて路面を滑べ
らせた場合に生ずる摩擦抵抗としてのエネルギー損失が
大きいことが必要である。
これらの相反する特性を満足させるために、アルカリ金
属等付加不飽和ゴム状重合体と分子中に 結合(式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化
合物とを反応させて得られた不飽和ゴム状重合体をゴム
成分として含む加硫ゴムは、同一の不飽和ゴム状重合体
の、該化合物と反応させなかった場合と比較して、ウェ
ットスキッド抵抗が変らず、高温反発弾性を著しく向上
させ、更に引張強度も向上させることが知られている。
(特開昭60−137913、特開昭61−42552) しかしながら、この方法は次の様な致命的な欠点を有し
ていた。すなわち、アルカリ金属等付加不飽和ゴム状重
合体と分子中に (式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化合物
とを反応させて得られた不飽和ゴム状重合体は、室温で
放置しておくとムーニー粘度が著しく上昇するととも
に、配合剤を加えたコンパウンドのムーニー粘度も著し
く上昇して、加工しにくくなり、加えて、加硫ゴムの高
温での反発弾性等の重要な性能が低下してくる。従っ
て、本来の不飽和ゴム状重合体のムーニー粘度を長期に
わたって維持するとともに、加工性が低下することな
く、更に本来の高温反発弾性等の重要な性能が保持され
る改善が要望されている。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明者等は前記欠点を解決すべく鋭意研究の結果、ア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属付加不飽和ゴム
状重合体と分子中に 結合(式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化
合物とを反応させて得られるゴム状重合体をゴム成分中
に少なくとも30重量%含み、アミノ化合物を、ゴム状重
合体に付加した前記の 結合を有する化合物1モル当たりアミノ基にして0.1〜4
0倍モル含むことを特徴とするゴム状重合体組成物とす
ることにより、前記の欠点が改善されるばかりでなく更
に耐摩耗性も向上することを見出し本発明を完成するに
到った。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明において用いられるアルカリ金属及び/又はアル
カリ土類金属付加不飽和ゴム状重合体は重合方法(溶液
重合、乳化重合等)の如何を問わず重合体鎖中に炭素−
炭素二重結合を含有するブタジエン、イソプレン、1,3
−ペンタジエン等のジエン系重合体および共重合体、シ
クロペンテン、シクロオクテン等のシクロオレフィンの
開環(共)重合体などである。
具体的には、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ポリクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重
合ゴム(通常結合スチレン量は50重量%以下)、スチレ
ン−イソプレン共重合ゴム(通常結合スチレン量は50重
量%以下)、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ポリペンタジエ
ンゴム、ブタジエン−ピペリレン共重合ゴム、ブタジエ
ン−プロピレン共重合ゴム、ポリペンテナマー、ポリオ
クテナマー、シクロペンテン−ジシクロペンタジエン開
環共重合ゴム等が例示されるが、特にこれらに限定され
ない。又重合体中のジエン単位のミクロ構造の如何も特
に限定されない。
本発明で使用される分子中に 結合(式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化
合物は特開昭61−42552号開示の化合物であるが、具体
的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホ
ルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、アミノアセ
トアミド、N,N−ジメチル−N′,N′−ジメチルアミノ
アセトアミド、N−フェニルジアセトアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド,4−ピリジルアミド、N,N−ジメチル−4−ピリジル
アミド、N,N−ジメチルベンズアミド、p−アミノベン
ズアミド、N′,N′−(p−ジメチルアミノ)ベンズア
ミド、N,N−ジメチル−N′−(p−エチルアミノ)ベ
ンズアミド、N−アセチル−N−2−ナフチルベンズア
ミド、コハク酸アミド、マレイン酸アミド、N,N,N′,
N′−テトラメチルマレイン酸アミド、コハクイミド、
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−メチルフタル
イミド、1,2−シクロヘキサンジカルボキシミド、N−
メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシミド、オキ
サミド、2−フラミド、、N,N,N′,N′−テトラメチル
オキサミド、N,N−ジメチル−2−フラミド、N,N−ジメ
チル−8−キノリンカルボキシアミド、3−(アセチル
メチルアミノ)ジベンゾフラン、N,N−ジメチル−p−
アミノ−ベンザルアセトアミド、N,N−ジメチル−N′,
N′−(p′−ジメチルアミノ)シンナミリデンアセト
アミド、N,N−ジメチル−N′,N′−(2−ジメチルア
ミノ)ビニルアミド、N′−(2−メチルアミノ)−ビ
ニルアミド、尿素、N,N′−ジメチル尿素、N,N,N′,N′
−テトラメチル尿素、カルバミン酸メチル、N,N−ジエ
チルカルバミン酸エチル:ε−カプロラクタム、N−メ
チル−ε−カプロラクタム、N−アセチル−ε−カプロ
ラクタム、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−アセチル−2−ピロリドン、2−ピペリドン、
N−メチル−2−ピペリドン、2−キノロン、N−メチ
ル−2−キノロン、2−インドリノン、N−メチル−2
−インドリノン、イソシアヌル酸、N,N′,N″−トリメ
チルイソシアヌル酸等及びこれらの対応の含硫黄化合物
が挙げられる。特に好ましい化合物は窒素にアルキル基
が結合したジアルキルアミド化合物である。
これらの化合物とアルカル金属及び/又はアルカリ土類
金属付加不飽和ゴム状重合体との反応によって、該化合
物が導入された該重合体は、例えば特開昭60−137913号
記載の方法によって製造される。
すなわち、アルカリ金属基材触媒及び/又はアルカリ土
類金属基材触媒を用いてジエン系重合体を重合し、重合
反応が完了したリビングジエン系重合体溶液中に該化合
物を添加する方法、ジエン系重合体等の不飽和ゴム状重
合体を適当な溶剤に溶解した溶液中で該ゴムにアルカリ
金属及び/又はアルカリ土類金属を付加させ、引き続き
該化合物を添加して反応させる方法等が例示できる。
重合反応及び付加反応に使用されるアルカリ金属基材触
媒はリチウム、ルビジウム、セシウム等の金属そのも
の、あるいはこれらの炭化水素化合物あるいは極性化合
物との錯体(例えば、n−ブチルリチウム、2−ナフチ
ルリチウム、カリウム−テトラヒロドフラン錯体、カリ
ウム−ジエトキシエタン錯体等)であり、又アルカリ土
類金属基材触媒は特開昭51−115590号、特開昭52−9090
号、特開昭57−100146号などに記載されているバリウ
ム、ストロンチウム、カルシウム等の化合物を主成分と
する触媒系等が例示できるが、いずれの金属基材触媒も
通常の溶液重合の触媒として使用されるものでよく、特
に制限されない。
本発明の目的を達成するためには、分子中に 結合(式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化
合物の使用量は、リビングジエン系重合体を重合する際
使用した該触媒の1モル当り0.05〜10モルであり、好ま
しくは0.2〜2モルである。
又、本発明で使用する後反応により該金属が付加した不
飽和ゴム状重合体を製造するには、通常該触媒の使用量
は重量体100グラム当り0.1〜20ミリモルであり、該触媒
1モル当りの該化合物の使用量は上記と同じである。
該化合物が導入される部位は分子鎖の末端あるいはそれ
以外の部位であってもよいが、好ましくは分子鎖の末端
であり、分子鎖の末端がジエニル構造のリビングジエン
系重合体と該化合物との反応で得られた重合体を使用す
ることにより反発弾性の改善は更に大となる。
該化合物を重合体鎖中に導入した不飽和ゴム状重合体は
ゴム組成物のゴム成分中に少なくとも30重量%、好まし
くは45重量%含まれることが必要である。30重量%未満
では実質的に反発弾性の向上は期待できない。
また、より好ましくは、分子鎖の末端がリビングのジエ
ン系ゴム状重合体を用い、リビング活性点1モルに対し
0.1〜0.7当量更に好ましくは0.1〜0.5当量の3官能性以
上のカップリング剤を用いて分岐状に結合させ、残りの
リビング活性点すべてに該化合物を導入するものであ
る。
その場合、ゴム状重合体のコールドフローが防止され、
加工性が優れ、加硫物の性能も極めて優れ、バランスの
とれたゴム状重合体となる。
この場合、使用する3官能性以上のカップリング剤の官
能基の量がリビング活性点1モルに対し0.1当量未満の
場合、コールドフローの防止効果が少なく加工性が低下
し、0.7当量を越える場合は、該化合物の導入量が0.3モ
ル未満となり加硫物の性能が劣る。
3官能性以上のカップリング剤としては、トリクロルメ
チルシラン、テトラクロルシラン、ヘキサクロルジシラ
ン、テトラクロム錫、トリクロルブチル錫、テトラヨー
ド錫、4塩化炭素等のポリハロゲン化合物、アジピン酸
ジエチル、炭酸ジフェニル等のジエステル類、テトラグ
リシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の
分子内に2個以上のジグリシジルアミノ基を有する化合
物やエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化
合物、その他、ポリイソシアネート、ポリイミン、ポリ
アルデヒド、ポリケトン、ポリアンヒドリド等特公昭49
−36957号に記載のものがあり、特に好ましくは、テト
ラクロル錫等のポリハロゲン化錫である。
該化合物を導入した不飽和ゴム状重合体のムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は通常10〜200の範囲であり、好ましく
は20〜150の範囲である。
10未満では引張強さ等の機械的特性が劣り、200を越え
ると他のゴムと組合せて使用する場合に混和性が悪く、
加工操作性が困難となり、得られたゴム組成物の加硫物
の機械的特性が低下するので好ましくない。
本発明で用いられるアミノ化合物としては、一般式Rn
NHm(式中Rは1〜20の炭素原子を有するアルキル、シ
クロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、ア
ルキルアリール、アリールアルキル基であり、nは1〜
3の整数、mは0,1,2でありn+m=3を満足するもの
である)の有機アミノ化合物、一般式Rp−NHq−R′−
(NH−R′)−NHr−Rs(式中Rは1〜20の炭素原子
を有するアルキル、シクロアルキル、アルキルシクロア
ルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキ
ル基であり、R′は2〜20の炭素原子を有するアルキレ
ン、シクロアルキレン、アルキルシクロアルキレン、シ
クロアルキルアルキレン、アリーレン、アルキルアリー
レン、アリールアルキレン、アリールシクロアルキレン
基であり、pは0,1,2、qは0,1,2でありp+q=2を満
足するものであり、rは0,1,2、sは0,1,2でありr+s
=2を満足するものであり、uは0或は1〜9の整数で
ある)の多価アミン又はポリアミン化合物、 一般式 (式中Rは1〜20の炭素原子を有するアルキル、シクロ
アルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、アルキ
ルアリール、アリールアルキル基であり、R′は2〜20
の炭素原子を有するアルキレン、シクロアルキレン、ア
ルキルシクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、
アリールアルキレン、アリールシクロアルキレン基であ
り、MはO原子又はS原子である。)などのイミン化合
物、また、含窒素複素環式化合物などがあげられる。
具体的化合物の例としては、エチルアミン、プロピルア
ミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、デシルアミン、
オクタデシルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリ
ン、ナフチルアミン、トルイジン、ベンジルアミン、ジ
エチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ
デシルアミン、エチルヘキシルアミン、メチルペンチル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシ
ルアミン、ジフェニルアミン、メチルアニリン、フェニ
ルナフチルアミン、ブチルベンジルアミン、N−メチル
トルイジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ト
リヘキシルアミン、トリデシルアミン、メチルエチルブ
チルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジメチルシ
クロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、メチル
エチルベンジルアミン、N,N−ジメチルトルイジン、エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,12−ジアミノド
デカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,6−ジメチル
−1,4−ジアミノベンゼン、p−アミノメチルベンジル
アミン、N−ブチルエチレンジアミン、N−メチルプロ
ピレンジアミン、N−メチル−p−フェニレンジアミ
ン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N−メチル−
N′−ブチルエチレンジアミン、N,N′−ジメチルヘキ
サメチレンジアミン、N,N′−ジメチル−p−フェニレ
ンジアミン、N,N′−ジオクチル−p−フェニレンジア
ミン、N−エチル−N′−シクロヘキル−p−フェニレ
ンジアミン、N−プロピル−N′−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N
−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルヘキサメ
チレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジア
ミン、4−N,N−ジメチルアミノメチルベンジルアミ
ン、エチレンジアミン、N,N,N′−トリブチルヘキサメ
チレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラブチルエチレン
ジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキ
サミン、ビス(3−アミノエチル)アミン、1,3−ビス
(3′−アミノプロピルアミノ)プロパン、エチレンイ
ミン、トリメチレンイミン、2−エチルエチレンイミ
ン、シクロヘキセンイミン、ピロリジン、ピペリジン、
ノナメチレンイミン、ピペラジン、シクロジ(トリメチ
レン)ジイミン、N−メチルエチレンイミン、モルホリ
ン、チオモルホリン、ピリジン、ピロール、ピリミジ
ン、トリアジン、インドール、キノリン、プリンなどが
ある。
これらのうち好ましくは第1級又は第2級アミノ基を有
する化合物であり、更にこれらのうちテトラエチレンペ
ンタミン、ジエチレントリアミン、N,N′−ジブチルエ
チレンジアミン、N,N′−ジオクチル−p−フェニレン
ジアミンなどの多価アミン又はポリアミン化合物、モル
ホリン、チオモルホリンなどのイミン化合物、トルイジ
ン、N−メチルアニリンなどの芳香族アミン化合物など
が特に好適に用いられる。
本発明においてアミノ化合物を添加する方法としては、
アルカリ金属類が付加した不飽和ゴム状重合体と分子中
結合を有する化合物とを反応させて得られるゴム状重合
体の溶液に添加する方法、該ゴム状重合体の溶液から通
常の仕上法によって溶媒を除去した後、機械的混練によ
って添加される方法等、いずれの方法によっても可能で
ある。とりわけ、アルカリ金属類が付加した不飽和ゴム
状重合体と分子中に 結合を有する化合物とを溶液中で反応させた後、引続い
て反応溶液中にアミノ化合物を加え、更にBHT等の酸化
防止剤を加えた後溶媒を除去する方法が好ましい。その
場合は他の方法に比べて、得られたゴム状重合体組成物
のムーニー粘度の上昇防止効果が特に顕著であり、他の
後添加の方法では、溶媒除去の途中でムーニー粘度の上
昇が認められる場合もあり得る。
本発明において有機アミノ化合物の添加量は、ゴム状重
合体に付加した分子中に 結合(式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化
合物1モル当たりアミノ基にして0.1〜40倍モル、好ま
しくは0.5〜20倍モル、更に好ましくは1.0〜15倍モルで
ある。0.1倍モルより少いとゴム状重合体組成物のムー
ニー粘度の上昇防止効果が無く、一方40倍モルを越える
とアミノ化合物がプリードしたり、配合剤を加えて加硫
する際に加硫速度が速くなるなどの影響がでて問題が生
じる。
本発明のゴム状重合体組成物は、ゴム成分のムーニー粘
度によって油展ゴムとすることができる。その際、プロ
セス油としてはアロマ油、ナフテン油、パラフィン油な
どを目的に応じて使用可能であり、通常ゴム成分100重
量部当り5〜50重量部用いられ、ゴム状重合体組成物と
してのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは20
〜80の範囲である。ムーニー粘度が20未満ではコールド
フローしやすく、一方、80を越えると配合時にトルクが
かかり加工しにくい。
用いられるプロセス油としては、全酸価〔mg KOH/g〕が
0.4以下のものが好ましく、特に好ましくは0.1以下であ
る。全酸価が高いプロセスオイルを用いると、本発明の
ゴム状重合体組成物のムーニー粘度の上昇が十分防止で
きない。
本発明のゴム状重合体組成物は、ゴム成分として単独で
又は他のゴムとの組合せで使用される。他のゴムとの組
合せで使用される場合、他のゴムとしては乳化重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合によるポリブタ
ジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリイ
ソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、天
然ゴムなどが含まれ、目的に応じてこれらの1種又は2
種以上が選択使用される。その場合、本発明のゴム状重
合体組成物は、ゴム成分中に少くとも30重量%含まれる
ことが必要である。30重量%未満では反発弾性等の向上
効果が得られない。
本発明のゴム状重合体組成物は、必要に応じ他のゴムと
ともにロール、バンバリー等の混合機を用いて各種配合
剤と混合して使用される。使用する各種配合剤はゴム工
業で常用されているものから、ゴム組成物の使用目的に
適したものを選べばよく、特に制限されない。
通常、加硫系としては硫黄、ステアリン酸、亜鉛華、各
種加硫促進剤(チアゾール系、チウラム系、スルフェン
アミド系等)あるいは有機過酸化物などが、補強剤とし
てはHAF,ISAF等の種々のグレードのカーボンブラック、
シリカなど、充てん剤としては炭酸カルシウム、タルク
などが、その他の配合剤としてはプロセス油、加工助
剤、加硫遅延剤、老化防止剤等が使用される。これらの
配合剤の種類及び使用量はゴム組成物の使用目的に応じ
て選択されるものであり、本発明においては特に限定さ
れない。
本発明のゴム組成物は高い水準で反発弾性とウェットス
キッド抵抗とを調和させることができるから、特に自動
車タイヤトレッド用ゴム材料に適しているが、自動車タ
イヤ用、靴底用、床材用、防振ゴム用などの用途にも使
用することができる。
〔実施例〕
以下に若干の実施例をあげて本発明を具体的に説明する
が、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。
なお、以下の実施例、比較例において“部”とは特にこ
とわりのない限り“重量部”を意味する。又、“phm"と
は“モノマー100部当りの重量部”を意味する。
実施例1〜5 比較例1〜4 内容積10の撹拌機付反応器に、シクロヘキサン4598
g、精製1,3−ブタジエン780g、精製スチレン162g、テト
ラハイドロフラン38gを仕込み、温度を40℃に保持した
後、0.52gのn−ブチルリチウムを注入して重合を開始
させ、以後断熱的に重合温度を上昇せしめた、内温が75
℃になった時点から、138gのブタジエンと322gのシクロ
ヘキサンの混合物を定量ポンプを用いて15分間にわたっ
て添加した。反応における最高温度は100℃であった。
添加終了後1分後に0.132gの4塩化スズ(Liに対し0.25
当量)を添加し、更に1分後に第1表に示す分子中に 結合含有化合物(Liに対し0.75当量)を添加し20分間反
応させた後、第1表に示すアミノ化合物を添加し10分間
撹拌を続けた。続いて重合体溶液に酸化防止剤として8g
のBHTを加えた後溶媒を加熱除去し、実施例1〜5の重
合体組成物を得た。又、アミノ化合物を添加しない他は
上記と同一の方法にて比較例1〜3の重合体組成物を製
造した。
さらに、 結合を有する化合物及びアミノ化合物の両方を添加しな
い他は実施例と同様にして比較例4の重合体組成物を得
た。なお、4塩化スズを添加する直前の重合体のムーニ
ー粘度[ML1+4,100℃]は30であった。また、スチレン
含有量15重量%、ブタジエン部分のミクロ構造は1,4−
トランス結合34%、シス1,4結合23%、1,2−ビニル結合
43%であった。なお、スチレン含有量及びブタジエン部
分のミクロ構造は、赤外吸収スペクトルを測定し、ハン
プトンの方法で計算して求めた。
第1表に製造直後の重合体組成物のムーニー粘度[ML
1+4,100℃]を示す。更に、重合体組成物を室温で放置
し1週間後、3週間後、6週間後のムーニー粘度を測定
し、結果を第1表に示す。
6週間経過後の重合体組成物を用いて、第2表に示す配
合処方で内容量1.7の試験用バンバリーミキサーを使
用して、ASTM−D−3403−75の標準配合混合手順の方法
Bによって、配合物を得、これらを加硫し、各物性を測
定した。測定は、以下に示す方法で行った。
(1)硬さ、引張強度;JIS−K−6301に従った。
(2)反発弾性;JIS−K−6301によるリュプケ法、試料
を70℃オーブン中で1時間余熱後、素早く取り出して測
定。
(3)グッドリッチ発熱 グッドリッチフレクソメーターを使用し、荷重48ポン
ド、変位0.225インチ、スタート50℃、回転数1800rpmの
条件で試験を行い、20分後の上昇温度差を表わした。
(4)ウェット・スキッド抵抗 スタンレー・ロンドンのポータブル・スキッドテスター
を使用し、路面としてセーフティ・ウォーク(3M製)を
使用して、ASTM−E−808−74の方法に従い測定した。
比較例4の測定値を100とした指数で表示した。
(5)耐摩耗性 ピコ摩耗試験機を使用して比較例4の測定値を100とし
た指数で表示した。
測定結果を第3表に示す。
第2表 ゴム状重合体組成物 100 重量部 アロマチックオイル*1 10 重量部 カーボンブラックN339 50 重量部 ステアリン酸 2 重量部 亜鉛華 3.5重量部 促進剤CZ*2 1.3重量部 イオウ 2 重量部 *1 共同石油 X−140 *2 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド 加硫条件:160℃×20分 〔図面の説明〕 実施例1のアルカリ金属類付加不飽和ゴム状重合体と分
子中に 結合を有する化合物を反応させて得られるゴム状重合体
溶液にアミノ化合物を加え、酸化防止剤としてBHTを加
えた後溶剤を乾燥除去したゴム状重合体組成物(A)
と、比較例1の上と同じゴム状重合体溶液を用い、アミ
ノ化合物を加えずに同様の処理を行ったもの(B)を、
6週間室温で放置した後にGPCにより分子量分布を測定
した。その結果、図面より明らかなように、本発明の
(A)に比べ(B)では2倍の分子量に相当するピーク
が生成している。
使用したGPCは島津製作所製GC−5Aを用い、カラム104,1
05,106各1本、溶媒はテトラハイドロフラン、検出器は
示差屈計である。
実施例6,7 比較例5,6,7 内容積10のステンレス鋼製かきまぜ機、ジャケット付
反応器を2基直列に接続し、単量体として1,3−ブタジ
エン、溶媒としてn−ヘキサン、触媒としてn−ブチル
リチウムを単量体100g当り0.050gの割合(phm)で、ビ
ニル化剤としてテトラメチルエチレンジアミンを0.25ph
m、アレン化合物として1,2−ブタジエンを触媒1モル当
り0.03モルを用いて連続重合を行わせた。1基目におい
て内温を100℃になるようにコントロールし、上記単量
体などは平均滞留時間が45分間になるように定量ポンプ
で供給した。
更に重合体溶液を2基目に連続的に導入し、2基目にお
いて第4表に示す分子中に 結合を有する化合物(Liに対し1当量)を連続的に添加
し、内温を100℃になるようにコントロールした。2基
目の出口で第4表に示すアミノ化合物を連続的に添加
し、更にインラインミキサーに導入して酸化防止剤とし
てBHTを添加した後、130℃のドラムドライヤーで溶媒を
除去し、実施例5,6の重合体組成物を得た。
又、アミノ化合物を添加しない他は実施例と同じ方法に
よって比較例5,6の重合体組成物を、さらにアミノ化合
物と 結合含有化合物の両方を添加しない他は実施例と同じ方
法によって比較例7の重合体組成物を得た。
ポリブタジエンのミクロ構造は1,4−トランス結合33
%、シス1,4結合22%、1,2−ビニル結合45%であった。
第4表に製造直後の重合体組成物のムーニー粘度[ML
1+4,100℃]を示す。更に、重合体組成物を室温で放置
し、10周後のムーニー粘度を測定し、結果を第4表に示
す。10週間経過後の重合体組成物を用いて、第2表に示
す配合処方で実施例1と同様に配合、加硫を行い各物性
を測定した。結果を第4表に示す。
〔発明の効果〕 以上の様に本発明のゴム状重合体組成物は、有機アミン
を添加しない従来の組成物である比較例に比べ、長期保
存後のムーニー粘度の上昇が効果的に防止されており、
また配合後のコンパウンドムーニー粘度の上昇も抑制さ
れて加工性が改善されている。更に加硫物の性能も、本
発明のゴム状重合体組成物では、反発弾性、発熱、引張
強度、耐摩耗性のいずれも優れていることが明らかであ
る。このように本発明のゴム状重合体組成物は、従来か
ら知られる官能基付加ゴム状重合体の欠点を改善し、更
に優れた性能と加工性を示すものであって、タイヤをは
じめとするゴム工業の用途に好適に使用されるものであ
り、当業界にとってその意義は極めて大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1及び比較例1のゴム状重合体の分子量
分布を示す図(グラフ)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
    付加不飽和ゴム状重合体と分子中に 結合(式中MはO原子又はS原子を表わす)を有する化
    合物とを反応させて得られるゴム状重合体をゴム成分中
    に少なくとも30重量%含み、アミノ化合物を、ゴム状重
    合体に付加した上記の 結合を有する化合物1モル当たり、アミノ基にして0.1
    〜40倍モル含むことを特徴とするゴム状重合体組成物。
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