JPH0768247A - 廃棄物処理方法 - Google Patents

廃棄物処理方法

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JPH0768247A
JPH0768247A JP15858894A JP15858894A JPH0768247A JP H0768247 A JPH0768247 A JP H0768247A JP 15858894 A JP15858894 A JP 15858894A JP 15858894 A JP15858894 A JP 15858894A JP H0768247 A JPH0768247 A JP H0768247A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機又は無機廃棄物を再生資源に処理する方
法において、処理設備を簡略化して設備費や運転コスト
を低減させ、連続処理を可能にして生産性及び品質の向
上を図る。 【構成】 有機又は無機廃棄物を細分化、混練した混合
物に油又は水を必要により加えて成分調整物とし、該成
分調整物を加圧、常圧又は減圧下で炒めることで脱水し
て固形分を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機廃棄物を飼料、肥
料や食品原料等の有機資源へ再生する方法、又は無機廃
棄物の含有水分を除去若しくは調整を行う処理方法に関
する。
【0002】特に、魚、牛骨、厨芥又は糞尿などを含む
有機廃棄物を、蛋白飼料、窒素肥料や食品原料等の有機
資源へ再生する処理を連続して行う方法に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、資源の有効利用の見直しの流れか
ら、魚、牛骨、厨芥などを飼料や新たな食品の原料とし
たり、人糞などを肥料にして活用する、いわゆる有機廃
棄物を利用可能な有機資源として再生することが頻繁に
行われている。従来、再生方法としては蒸煮方法(有機
廃棄物を蒸すことで含有油分を除去)が主流であった
が、最近では油温脱水方法(有機廃棄物を油で揚げて水
分を除去、その後油分を取り除く)が普及し始めてい
る。この油温脱水方法は、有機廃棄物に含まれる水分、
油分の調整がしやすく、例えば特公昭62-28648号に見る
ように、品質に付加価値を加える処理を行うこともでき
るので、その適用範囲は広い。
【0004】また、無機廃棄物については、一方で上記
のように再生する場合もあるが、他方では、経済的な理
由から、直接又は若干の処理を施して埋立てに供する場
合が少なくない。無機廃棄物の処理としては、運搬、埋
立ての労力を軽減するための水分除去(乾燥、ろ過など)
等がある。例えば、基礎杭打ち作業において掘り出した
後の汚泥は、指定された場所へ投棄され、埋め立てられ
るのが通常である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物に対するこうし
た背景のもと、再生有機資源の需要の増加に従い、前記
した方法において種々の問題が持ち上がってきている。
まず製造設備に関してみれば、蒸煮、油温脱水両方法
には共に遠心分離機又は圧搾機が必要で、油温脱水方
法では特に使用する油の後処理設備が必要なので、設備
費や運転コストが高くつく。また、生産性に関していえ
ば自動化、連続化が難しく、一括処理(バッチ処理)
が一般的であるため効率が悪く、品質にバラつきが生じ
る、などの問題である。
【0006】そこで、できるだけ処理設備を簡略化して
設備費や運転コストを低減させると共に、連続処理を可
能にして生産性を向上させ、品質を安定させることを目
標とした有機廃棄物の処理方法について検討することに
した。
【0007】また、無機廃棄物についても、その量が増
加するに従い、単に埋立てに供するとしても、できるだ
け含有水分を除いて体積を減量させ、運搬及び埋立てに
要する労力、コストを低減させる必要が生じてきた。そ
こで、上記課題の有機廃棄物の処理方法の検討におい
て、含有水分の調整過程を無機廃棄物の乾燥にも適用で
きるよう、汎用性のある処理方法を選択することに留意
して、開発を行った。
【0008】
【課題を解決するための手段】その結果開発したもの
が、有機又は無機廃棄物を細分化、混練した混合物に油
又は水を加えて成分調整物とし、該成分調整物を加圧、
常圧又は減圧下で炒めることで脱水して固形分を得るこ
とを特徴とする廃棄物処理方法(以下、処理方法と略す
る)である。油は、無機廃棄物を処理する場合には動物
油、植物油を問わないが、有機廃棄物を処理する場合に
は食用に供することができるものがよく、この場合には
新たなものでも後工程で抽出した油分でも利用でもよ
い。この方法は、廃棄物の種別を問わず、有機廃棄物と
しては魚、牛骨、厨芥のほか、人糞の処理にも利用で
き、無機廃棄物としては各種工場から排出される金属含
有汚泥、土木作業時に発生する汚泥や海洋汚染物(ヘド
ロ)等にも適用できる。
【0009】上記方法を有機廃棄物に限って適用すれ
ば、有機廃棄物を細分化、混練した混合物をほぐしなが
ら必要により予め加熱した動植物油、魚油等を所定量散
布して油分調整物とし、この油分調整物を減圧、低温下
で移送させながら炒めることで脱水して固形分を得る処
理を連続して行う(以下、有機処理方法と呼ぶ)ようにす
ればよい。
【0010】
【作用】本発明の処理方法は、有機又は無機廃棄物に含
有する油分を個別な装置で取出すのではなく、積極的に
その油分を利用して、有機又は無機廃棄物からの脱水及
び油分と固形分とを分離する点、及びこれらの処理を連
続して行える点に特徴がある。なお、本発明にいう混合
物とは有機又は無機廃棄物の油分又は水分と固形分とが
混じり合ったものを指し、成分調整物(油分調整物)とは
この混合物の油分又は水分(油分)の成分比率を調整した
ものをいう。
【0011】本発明は、成分調整物を炒めること(炒め
処理)で脱水処理を行って、同時に油分を消費する。成
分調整物にする際に混合物に加えられる油分は含有油分
を補って、混練及び撹拌により微細化された混合物の微
小な組成単位の表面に油膜を形成し、炒め処理時におけ
る熱伝導媒体として機能する。成分調整物にする際に混
合物に加えられる水分は、加熱により運動エネルギーが
高められ、互いに影響しあって蒸発が最も効率よく行わ
れるように、調整される。両者の成分比率は、相関関係
にあり、また炒め処理時の外的条件(圧力、温度、湿度
等)にも関係するもので、必要に応じて行えばよい。例
えば、減圧下では低温の炒め処理が可能で、水分は蒸発
しやすくなり、混合物へは、必要により油分を加えるだ
けでよい。以下、この条件下における有機処理方法につ
いて述べる。
【0012】有機廃棄物の細分化、混練及び撹拌しなが
らの油散布は、有機廃棄物を炒めることで脱水処理する
ための前処理工程である。細分化、混練は、有機廃棄物
を一定粒以下の大きさとして各処理をしやすくする。次
に、撹拌により練合わされて一体化している混合物を解
きほぐす。この時、混合物中の油分が次工程の脱水処理
に要する油分に満たない場合には、油散布により適量の
油分を均一に混合物へ混ぜ合わせることで、脱水処理に
おける炒め具合を良好にする。なお、散布する油は、予
め加熱しておいて散布対象となる混合物が温度変化によ
る品質の低下を招かないようにしている。
【0013】本方法では、有機廃棄物を炒めることで水
分を飛ばして脱水処理を行い、更にこの炒める過程で含
有する油分を消費して固形分のみを得る。前述したよう
に有機廃棄物は予め細分化し、減圧、低温下で加熱する
ことで、移送しながらの加熱によっても熱が有機廃棄物
へ十分に伝達され、含有する水分、油分などを飛散させ
ることができる。低温による加熱は組成成分を変質させ
ないし、例えば魚のアラなどを加熱した場合に出る悪臭
を発生させない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら説明する。図1は、本発明の処理方法の標準的なフ
ローチャートであり、図2は低温、減圧下での有機処理
方法のフローチャート、図3〜図6及び図8はこの有機
処理方法で使用した各装置である。図3はホッパから投
入された有機廃棄物を細分化して練合わせるミンチ繰機
の軸方向の垂直縦断面図、図4はそのミンチ繰機に内蔵
されている2種類の混練羽根(a)(b)を示す。図5はミ
ンチ繰機から移送されてくる混合物を撹拌してほぐしな
がら必要に応じて予め加熱した動植物油、魚油等を所定
量散布して油分調整物を送り出す混合機の軸方向の垂直
断面図、図6はこうして得られた油分調整物を減圧下で
撹拌しながら含有する油で炒めることで脱水し、固形分
を取り出す減圧乾燥機の一部破断側面図であり、そして
図8は得られた固形分の残存油量が製品要求量より多い
ときにその固形分から含有油を搾り出す圧搾機の軸方向
の垂直断面図である。
【0015】本発明の処理方法では、図1に見られるよ
うに、成分調整物の炒め処理を基準として、それより前
を前工程、後を後工程と呼ぶことができる。前工程に
は、原料となる有機又は無機廃棄物を粗砕、微粉砕して
細分化し、混練する工程、油又は水を加えて成分調整物
を得る工程などがあり、後工程としては、搾油工程、製
品化のための微粉砕工程などが挙げられる。それぞれの
工程に供する装置は、加圧、減圧等により互いに隔絶す
る場合にはロータリーバルブを使用するが、処理の連続
性を考慮して、直結するだけでもよい。次に示す有機処
理方法における実施例では、炒め処理を減圧、低温下の
減圧乾燥機3で行うため、この減圧乾燥機3の前後ロー
タリーバルブ35,35を取付け、その他の装置は直結して
いる。
【0016】本方法は、図2に示すように、有機廃棄物
90が硬い場合には予め原料ホッパ5で粗く砕き、柔らか
い場合には直接ミンチ繰機1へ投入する。そして、固形
分と油分とがまんべんなく混練された混合物91を混合機
へ送り、必要ならば油含有量が所定量になるよう既定量
の油94を混合物91上へ散布して調整する。この散布する
油分は図2に見られるように、後工程の圧搾機4より回
収される油94を使用してもよいし、別途タンク8へスト
ックしておいた油を使用してもよい。また、混合物91の
油分が十分ならば油散布の必要はなく、この実施例では
減圧下での炒め処理ということで水分調整は行っていな
い。
【0017】こうして適量の油分を含んだ油分調整物92
は、ロータリーバルブ35を介して減圧乾燥機3へ送る。
この減圧乾燥機3は、減圧、低温下で油分調整物92を炒
めることで含有水分を飛ばし、含有油分と共に油94を消
費させて固形分93を得る。出入口のロータリーバルブ3
5,35は、乾燥機内部の減圧を保ちながら、油分調整物の
搬入と固形分の搬出を行うためのものである。
【0018】この減圧乾燥機3から得られる固形物93
は、原料の違いによりまだ若干の油94を含んでいる場合
がある。この場合、固形分93から圧搾機4で余分な油94
を搾りとる処理を施す。得られた固形物93は最後に微粉
砕機6へ運ばれ、ここで粉末化する。この粉末は製品ホ
ッパ7へ移送されて加工される。
【0019】図3〜図6及び図8は本実施例で使用した
各装置で、それぞれ原料、混合物、油分調整物ないしは
固形物を図中左から右へ移動させながら処理をする。以
下、各装置に触れながらそれぞれについて説明する。
【0020】ミンチ繰機1は、図2に見られるように、
開口の広い投入口11から投入した有機廃棄物90を計13枚
の回転羽根で、切刻み、擦潰し、そして練合わせ、多孔
板13を備えた排出口12から押出す。1〜8枚目及び13枚
目は図3(a)のような弧状の片刃の回転羽根14、9〜12
枚目は図3(b)のような方形の両刃の回転羽根15であ
り、それぞれが軸方向に肉厚であるため、十分に有機廃
棄物90を擦り潰すことができる。このミンチ繰機で、お
よそ10t/hの処理能力がある。
【0021】混合機2は、図4に見られるように、図中
左端の投入口21へ送られてきた混合物91を撹拌しなが
ら、必要に応じて油を散布して含有油分を調整した油分
調整物92として落下孔24から排出しては回収路25により
随時次工程へ移送する。螺旋状の回転子は、大径の回転
子22を2本、小径の回転子23を1本の計3本を立体的に
絡ませて撹拌能力を高めている。散布する油はタンク8
から送る。この混合機では、およそ10t/hの処理能力が
ある。
【0022】減圧乾燥機3は、図7のように、左端上面
の投入口31から油分調整物92を投入し、スチーム入口34
から送り込まれる蒸気により加熱される多数の円形加熱
板33が回転することで前記油分調整物を移送しながら炒
めることで脱水処理を行い、水分を上面の水分蒸発口36
から散逸させ、固形物93を右端下方の排出口32から放出
する。乾燥機内は減圧ポンプ等により減圧し、含有成分
を壊さない程度の低温でも十分な炒め処理ができるよう
にしている。そのため、投入口31及び排出口32には気密
を保つためのロータリーバルブ35が取付けられている。
このような減圧乾燥機は、3〜16t/hの処理能力があ
る。
【0023】図7は、撹拌混合機95という粉砕、混練、
撹拌、加熱といった機能を併せ持つ装置の一部破断正面
図であり、減圧乾燥機3に換えて、この撹拌混合機95を
用いてもよい。本発明は、大量の有機廃棄物を連続して
処理できるところに特徴があり、この撹拌混合機95は、
この利点を活かせるように、各処理をできるだけ連続
的、かつ短時間でまとめて行えるようにする。主として
含有水分を除去するだけでよい無機廃棄物を処理する場
合には、この撹拌混合機95だけで脱水処理を行うように
してもよい。無機廃棄物の場合には、粉砕、混練等の前
工程や、製品化のための後工程が必ずしも必要がないこ
と(例えば、埋立てに供する場合)が多いからである。
【0024】図7を見てわかるように、撹拌混合機95
は、異なる処理形態を有する単位ユニット96,97を連結
した構造を有している。また、それぞれの単位ユニット
96,97の投入口、排出口へロータリーバルブ35取付け、
互いにロータリーバルブ35を介して連結し、個別に隔絶
して処理を行えるなど、汎用性が高くなっている。この
例でいえば、円盤状の回転羽根98は主に粉砕しながらの
加熱、スクリュー状の回転羽根99は撹拌しながらの加熱
に適していて、ミンチ繰機1から減圧乾燥機3までの処
理を代替できる。
【0025】圧搾機4は、図6のように、油94をまだ若
干含む固形分93を投入口41から投入し、ピッチが狭まっ
ていく螺旋状の段差を持つ摺動軸43により図中左から右
へ送り、油94を搾って落下させて油回収路45から回収
し、残った固形分93を排出口42から回収する。摺動軸43
は排出口42へ向かって径が大きくなっていて、徐々に固
形分93を圧縮する。また軸端のコンパウンド44を図中左
右に移動させ、排出口42の開口面積を加減して圧縮圧力
を調節する。このような圧搾機、で0.5〜3t/hの処理
能力がある。
【0026】
【発明の効果】本方法によれば、主に有機廃棄物の処理
において次に示すような利点がある。まず、設備面から
見れば、油分回収設備が不要になるため、設備費が低
減できるほか、装置全体が効率よく連続運転できるので
運転コストも押さえられる、炒める脱水処理は、処理
中の悪臭の発生を防止し、抽出した水分も無臭水とする
など、作業環境を大きく改善できる。
【0027】また、作業面から見ると、有機廃棄物を
細分化して解きほぐすることで混合物から油分及び水分
を分離しやすくなり、処理効率や製品の品質向上を図る
ことができ、連続処理が行えることで、製品の品質の
バラつきを監視し、例えば水分含有量を安定させるな
ど、品質管理を行いやすくなる。
【0028】このの効果は、無機廃棄物を脱水処理す
る場合に妥当し、これまでろ過等による無機廃棄物から
の水分除去よりもはるかに効率的な処理が行え、その経
済効果は高い。本処理方法は、処理を行いたい物質の組
成に関係なく、脱水又は脱油処理が行える点が特徴であ
り、このために、有機廃棄物と無機廃棄物とを同列にみ
なして同じ装置で処理が行えるのである。これらは、設
備の重複投資を避ける効果を持つ。
【0029】更に、有機再生資源として得られる製品に
ついても、主要成分である蛋白質又は窒素の変性が防
止できる、吸湿性が低くなるので、長期保存も可能に
なるなどの特性が表われ、費用対効果を高めた付加価値
の高い製品を製造することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法のフローチャート(標準)であ
る。
【図2】本発明の有機処理方法のフローチャート(減
圧、低温)である。
【図3】実施例で使用したミンチ繰機の垂直断面図であ
る。
【図4】(a)(b)は、それぞれミンチ繰機の回転羽根の
正面図である。
【図5】実施例で使用した混合機の軸方向の垂直断面図
である。
【図6】実施例で使用した減圧乾燥機の一部破断側面図
である。
【図7】汎用の撹拌混合機の一部破断正面図である。
【図8】実施例で使用した圧搾機の軸方向の垂直断面図
である。
【符号の説明】
1 ミンチ繰機 2 混合機 3 減圧乾燥機 4 圧搾機 95 撹拌混合機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C05F 17/00 7188−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機又は無機廃棄物を細分化、混練した
    混合物に必要により油又は水を加えて成分調整物とし、
    該成分調整物を加圧、常圧又は減圧下で炒めることで脱
    水して固形分を得ることを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 有機廃棄物を細分化、混練した混合物を
    ほぐしながら必要により予め加熱した動植物油、魚油等
    を所定量散布して油分調整物とし、該油分調整物を減
    圧、低温下で移送させながら炒めることで脱水して固形
    分を得る処理を連続して行うことを特徴とする廃棄物処
    理方法。
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