JPH0768147A - 水分散剤及び水分散体 - Google Patents

水分散剤及び水分散体

Info

Publication number
JPH0768147A
JPH0768147A JP5221128A JP22112893A JPH0768147A JP H0768147 A JPH0768147 A JP H0768147A JP 5221128 A JP5221128 A JP 5221128A JP 22112893 A JP22112893 A JP 22112893A JP H0768147 A JPH0768147 A JP H0768147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
chemical
general formula
weight
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5221128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3990738B2 (ja
Inventor
Koichi Saito
宏一 斉藤
Toru Yagi
徹 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP22112893A priority Critical patent/JP3990738B2/ja
Publication of JPH0768147A publication Critical patent/JPH0768147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3990738B2 publication Critical patent/JP3990738B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分散体に関し、疎水性材料の水分散安定性
を高め、また塗料として塗布したときに耐水性の高い塗
膜が形成できるようにする。 【構成】 水分散体は、アルキド樹脂等の疎水性材料と
水分散剤とを含んでいる。水分散剤は、酸性硫酸エステ
ル基、酸性硫酸エステルの中和塩、酸性リン酸エステル
基及びリン酸エステルの中和塩からなる群から選ばれた
親水基を含む親水性分岐鎖と、不飽和結合を有する炭素
鎖を含む疎水性分岐鎖とを含むアクリル系樹脂からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分散剤及び水分散
体、特に、アクリル系樹脂からなる水分散剤及びそれを
用いた水分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な塗料は、有機溶剤中に顔料やバ
インダーとしての樹脂を含んでいる。ところで、環境汚
染防止の見地から、有機溶剤の使用が抑制されつつあ
る。このため、塗料に関しても、水性塗料への転換が進
行しつつある。水性塗料としては、樹脂や顔料等の疎水
性材料を水分散剤を用いて水中に分散させたエマルジョ
ンタイプのものが知られている。このようなエマルジョ
ンタイプの水性塗料を実現するための水分散剤は、一般
に、分子中に親水基と疎水基の双方を有するものであ
る。たとえば、特開平1−203031号には、疎水性
モノマーとカルボキシル基含有モノマーとスルホ基含有
モノマーとの共重合体からなる乳化分散剤が示されてい
る。また、特開平4−198257号には、ビニル部分
に親水基を有するビニル変性アルキド樹脂からなる水分
散剤が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平1−20303
1号に示された乳化分散剤は、疎水性材料との相溶性が
不十分なため分散安定性が小さい。このため、この分散
剤を用いたエマルジョン塗料は、層分離しやすい。ま
た、特開平4−198257号に示された水分散剤は、
ビニル変性しているためアルキド樹脂骨格部分の炭素−
炭素不飽和結合数が少なく、これが塗膜形成時に塗膜の
乾燥性を低下させる原因となってる。このため、得られ
た塗膜の耐水性が低い。
【0004】本発明の目的は、疎水性材料の水分散安定
性を改善し、またエマルジョン塗料からなる塗膜の耐水
性を高めることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水分散剤は、酸
性硫酸エステル基、酸性硫酸エステルの中和塩、酸性リ
ン酸エステル基及び酸性リン酸エステルの中和塩からな
る群から選ばれた親水基を含む親水性分岐鎖と、不飽和
結合を有する炭素鎖を有する疎水性分岐鎖とを含むアク
リル系樹脂からなる。
【0006】この水分散剤は、たとえば下記の一般式
(6)で示される単量体2〜50重量%と、下記の一般
式(7)で示される単量体30〜70重量%と、下記の
一般式(8)で示される単量体30重量%以下と、前記
一般式(6)、(7)及び(8)で示される単量体以外
のアクリル樹脂形成性単量体50重量%以下とをラジカ
ル重合することにより得られた、数平均分子量が2,0
00〜200,000のアクリル系樹脂である。
【0007】
【化19】
【0008】
【化20】
【0009】
【化21】
【0010】さらに、本発明に係る水分散体は、分散媒
としての水と、疎水性材料と、上述の水分散剤とを含ん
でいる。 *******水分散剤 本発明の水分散剤は、親水性分岐鎖と疎水性分岐鎖とを
含むアクリル系樹脂からなる。すなわち、この水分散剤
は、アクリル系の主鎖に親水性分岐鎖と疎水性分岐鎖と
が結合したアクリル系グラフトポリマーである。このグ
ラフトポリマーの親水性分岐鎖に含まれる親水基は、下
記の一般式(11)、(12)で示される酸性硫酸エス
テル基、酸性硫酸エステルの中和塩、酸性リン酸エステ
ル基及び酸性リン酸エステルの中和塩からなる群から選
ばれた少なくとも1種の親水基である。
【0011】
【化22】
【0012】また、疎水性分岐鎖に含まれる炭素鎖は、
不飽和結合を有している。このような不飽和結合を有す
る炭素鎖は、たとえば乾性油または半乾性油に由来する
脂肪酸残基、例えば、炭素数が14〜18でありかつ炭
素−炭素間の不飽和結合数が1〜3の脂肪酸残基であ
る。このようなアクリル系樹脂は、親水性分岐鎖と疎水
性分岐鎖との双方を含むため、水分散剤として機能す
る。この水分散剤は、疎水性分岐鎖が疎水性材料との良
好な相溶性及びぬれ性を示し、疎水性材料を水中に分散
させると層分離しにくい分散体を形成し得る。また、こ
の疎水性分岐鎖は、不飽和結合を有する炭素鎖のために
酸化重合可能である。したがって、本発明の水分散剤を
たとえばエマルジョン塗料に用いると、その塗料からな
る塗膜の乾燥時に当該炭素鎖が酸化重合して塗膜の硬化
を促進するので、塗膜の耐水性を高めることができる。水分散剤の製造方法 上述の水分散剤は、下記の一般式(6)、(7)、
(8)で示される単量体と、これらの一般式で示される
単量体以外のアクリル樹脂形成性単量体とをラジカル重
合することにより合成される。
【0013】
【化23】
【0014】
【化24】
【0015】
【化25】
【0016】一般式(6)で示される単量体において、
基R21は、たとえば次の一般式(9)で示される。
【0017】
【化26】
【0018】この一般式(9)において、基R30の具体
例は、たとえば次の通りである。
【0019】
【化27】
【0020】また、一般式(9)において、αの部分の
繰り返し単位は、ランダム状、ブロック状または交互状
のいずれに配列されていてもよい。上述の一般式(6)
で示される単量体の具体例としては、第一工業製薬株式
会社製の“アクアロンHS−20”及び“アクアロンH
S−10”、旭電化工業株式会社製の“アデカリアソー
プSE−30N”,“同SE−20N”及び“同SE−
10N”、日本乳化剤株式会社製の“Antox−MS
−60”及びユニケミカル株式会社製の“ホスマーP
E”が挙げられる。なお、これらの単量体の構造式は次
の通りである。 アクアロンHS−20:
【0021】
【化28】
【0022】アクアロンHS−10:
【0023】
【化29】
【0024】アデカリアソープSE−30N:
【0025】
【化30】
【0026】アデカリアソープSE−20N:
【0027】
【化31】
【0028】アデカリアソープSE−10N:
【0029】
【化32】
【0030】Antox−MS−60:
【0031】
【化33】
【0032】ホスマーPE:
【0033】
【化34】
【0034】なお、本発明では、上述の一般式(6)で
示される単量体が2種以上併用されてもよい。上述の一
般式(7)で示される単量体において、基R24は、たと
えば下記の一般式(10)で示される炭素鎖である。
【0035】
【化35】
【0036】このような一般式(7)で示される単量体
は、たとえばグリシジルメタクリレート、アリルグリシ
ジルエーテルまたはダイセル化学工業株式会社製の“サ
イクロマーM−100”等のエポキシ基含有モノマーに
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸あるいはこれら
を主成分とする大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サ
フラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、トール油脂肪酸の
ような乾性油脂肪酸または半乾性油脂肪酸を付加させる
と得られる。なお、“サイクロマーM−100”の化学
構造は次の通りである。
【0037】
【化36】
【0038】なお、本発明では、一般式(7)で示され
る単量体が2種以上併用されてもよい。上述の一般式
(8)で示される単量体において、基R27は、たとえば
次の有機残基である。
【0039】
【化37】
【0040】なお、上記有機残基において、β部分の繰
り返し単位はブロック状、ランダム状または交互状のい
ずれに配列されていてもよい。このような一般式(8)
で示される単量体としては、基R27がカルボキシル基を
有するものとしてアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸が例示できる。一方、基R27としてポリ
オキシエチレン鎖を含むものとしては、新中村化学株式
会社製の“NKエステルM−90G(エチレンオキシド
9モル)”及び“NKエステルM−230G(同23モ
ル)”、日本油脂株式会社製の“PME−4000(エ
チレンオキシド98モル)”が例示できる。
【0041】前記一般式(6)、(7)及び(8)で示
される単量体以外のアクリル樹脂形成性単量体として
は、アクリル系樹脂を形成するために通常用いられるも
のであればあらゆる種類のものが利用できる。具体的に
は、メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロピ
ルアクリレート,ブチルアクリレート,ヘキシルアクリ
レート,2−エチルヘキシルアクリレート,ラウリルア
クリレート,ステアリルアクリレート等のアクリル酸エ
ステル類、メチルメタクリレート,エチルメタクリレー
ト,プロピルメタクリレート,ブチルメタクリレート,
ヘキシルメタクリレート,2−エチルヘキシルメタクリ
レート,ラウリルメタクリレート,ステアリルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニルやプロ
ピオン酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル類、ス
チレン,α−メチルスチレン,ビニルナフタレン,ブタ
ジエン,イソプレン等の不飽和炭化水素類、無水マレイ
ン酸,無水イタコン酸等の酸無水物類、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸,スルホエチルメ
タクリレート,スチレンスルホン酸等のスルホン酸類及
びそれらの塩、アクリロニトリル,メタクリロニトリル
等のニトリル類、アクリルアミド,メタクリルアミド,
N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジメチルアク
リルアミド,ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、
ヒドロキシエチルアクリレート,ヒドロキシエチルメタ
クリレート,ヒドロキシプロピルメタクリレート,ヒド
ロキシブチルアクリレート等のアルコール類が例示でき
る。これらの単量体は、2種以上併用されてもよい。
【0042】本発明の水分散剤は、一般式(6)で示さ
れる単量体を2〜50重量%、一般式(7)で示される
単量体を30〜70重量%、一般式(8)で示される単
量体を30重量%以下、前記一般式で示される単量体以
外のアクリル系樹脂形成性単量体を50重量%以下混合
してラジカル重合すると得られる。ここで、一般式
(6)で示される単量体の混合割合が2重量%未満の場
合は、分散剤の分子中に含まれる親水基が少なくなり、
分散剤としての機能が期待できない。逆に、割合が50
重量%を超えると、分散剤の親水性が大きくなり過ぎ、
塗膜形成時に塗膜の耐水性が低下する。また、一般式
(7)で示される単量体の混合割合が30重量%未満の
場合は、塗膜形成後に水分散剤が酸化重合しにくくなる
ので、塗膜の耐水性を高めるのが困難になる。逆に、7
0重量%を超えると、水分散剤の分子中に含まれる疎水
基の割合が大きくなり、水分散剤として機能にくくな
る。一般式(8)で示される単量体の混合割合が30重
量%を超えると、分散剤の親水性が大きくなり過ぎ、塗
膜形成時に塗膜の耐水性が低下する。さらに、上述の一
般式(6)、(7)及び(8)で示される単量体以外の
アクリル樹脂形成性単量体の混合割合が50重量%を超
えると、親水性及び疎水性の分岐鎖が減少し、分散剤と
しての機能が低くなる。
【0043】ラジカル重合時には、通常の溶液重合法が
採用され得る。具体的には、アルコール類、グリコール
エーテル類、グリコールエステル類等の親水性の有機溶
媒中に上述の単量体を加え、さらにアゾビスイソブチロ
ニトリルやアゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ系の重合
開始剤を加えて50〜150℃で1〜10時間加熱する
と、本発明の水分散剤が得られる。
【0044】このようなラジカル重合法を経由して得ら
れる本発明の水分散剤は、下記の一般式(1)、(2)
及び(3)で示される繰り返し単位、及び上述のその他
のアクリル樹脂形成性単量体由来の繰り返し単位を単量
体の混合量に対応して含むアクリル系樹脂である。
【0045】
【化38】
【0046】
【化39】
【0047】
【化40】
【0048】なお、一般式(1)、(2)及び(3)に
含まれる基R1 、R2 、R3 、R4、R5 、R6
7 、R8 及びR9 は、それぞれ上述の一般式(6)、
(7)及び(8)でそれぞれ示される単量体に含まれる
基R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26
びR27と同じである。上述のアクリル系樹脂の数平均分
子量は、2,000〜200,000が好ましい。分子
量が2,000未満の場合は、一般式(1)で示される
繰り返し単位が含まれないものの割合が増すので好まし
くない。逆に、分子量が200,000を超えると、粘
度が高くなり過ぎて水分散剤としての機能が損なわれ
る。水分散体 本発明の水分散体は、アルキド樹脂、エポキシエステル
樹脂、油変性ポリウレタン樹脂等の事実上水に不溶の樹
脂やカーボンブラック、クロムイエロー、フタロシアニ
ンブルー等の顔料等の疎水性材料を上述の水分散剤を用
いて水中に安定に分散させたものである。
【0049】このような水分散体を得る場合は、まず上
述の水分散剤と、その0.1〜10重量倍の疎水性材料
とを充分に混合する。なお、水分散剤は、予めアンモニ
ア、アルカノールアミン類等の親水性アミンを用いて中
和しておいてもよい。次に、水分散剤と疎水性材料との
混合物に必要に応じて親水性有機溶剤を追加し、室温〜
沸点以下の温度で攪拌しながら10分〜10時間にわた
って水を添加する。これにより、水分散体が得られる。
なお、水の添加量は、水分散体の固形分が20〜70重
量%となるよう調整するのが好ましい。
【0050】得られた水分散体は、そのまま水性塗料と
して用いることができる。この場合、水分散体中に含ま
れる水分散剤は、疎水性材料、即ち疎水性樹脂とともに
塗膜を形成する。塗膜に含まれた水分散剤は、上述の一
般式(2)で示される繰り返し単位に含まれる基R6
酸化重合し、塗膜の耐水性を高める。ここで、疎水性樹
脂がアルキド樹脂等の酸化重合性の水不溶性樹脂の場
合、塗膜形成時に水分散剤と水不溶性樹脂とが架橋して
一体化し、塗膜の耐水性がより向上する。
【0051】なお、上述の水分散体にナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン
酸カルシウム等のドライヤー成分を1種または2種以上
添加すると、基R6 の酸化重合が促進されるので、塗膜
の初期耐水性が高まる。
【0052】
【実施例】製造例1(アルキド樹脂の合成) 攪拌機、還流冷却器、水分離器、温度制御装置及び窒素
導入管を備えたフラスコに大豆油脂肪酸631.6部、
ペンタエリスリトール177.9部、無水フタル酸16
8.9部、テトラヒドロ無水フタル酸12.7部、無水
トリメリット酸8.9部及び還流用キシレン50部を仕
込んだ。これを窒素気流下で220℃に昇温し、220
℃を維持しながら樹脂酸価が5.0になるまで反応させ
て酸化重合性アルキド樹脂ワニスを得た。得られたアル
キド樹脂ワニスは、不揮発分が96重量%で数平均分子
量が5,000であった。製造例2(エポキシエステル樹脂の合成) 製造例1で使用したものと同一の装置に“エポトートY
D−014U”(東都化成株式会社製エポキシ樹脂:エ
ポキシ当量900〜1,000)437.5部、大豆油
脂肪酸562.5部及び還流用キシレン30部を仕込ん
だ。これを窒素気流下において230℃に昇温し、23
0℃を維持しながら樹脂酸価が4.0になるまで反応さ
せて酸化重合性エポキシエステル樹脂ワニスを得た。得
られたエポキシエステル樹脂ワニスは、不揮発分が96
重量%であり、数平均分子量が6,000であった。製造例3(脂肪酸変性アクリルモノマーの合成) 攪拌機、還流冷却器、温度制御装置及び空気導入管を備
えたフラスコに大豆油脂肪酸296部、グリシジルメタ
クリルレート142部、“PFG”(日本乳化剤株式会
社製のプロピレングリコールモノプロピルエーテル)4
7.8部、テトラブチルアンモニウムクロライド0.1
4部及びパラメトキシフェノール0.7部を仕込んだ。
これに空気を吹き込みながら200℃で20分間反応さ
せ、大豆油脂肪酸変性アクリルモノマーを得た。このア
クリルモノマーの有効成分は90重量%であった。実施例1(水分散剤の合成) 攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度制御装置及び窒素
導入管を備えたフラスコに上述の“PFG”48部を仕
込み、これを窒素気流下で100℃に加熱した。これ
に、製造例3で得られた脂肪酸変性モノマー66.7
部、上述の“Antox−MS−60”22.2部、メ
タクリル酸7.7部、スチレン20部、メタクリル酸メ
チル12.3部及び“V−601”(和光純薬株式会社
製の2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル)2.5部の
混合物を滴下漏斗から3時間かけて滴下した。1時間同
温度で攪拌を継続した後、“V−601”のPFG10
%溶液5部をさらに加えて1時間保持し、反応を終了し
た。得られたワニスは、不揮発分65重量%で数平均分
子量が4,000であった。実施例2(水分散剤の製造) 実施例1で用いたものと同じ装置を使用し、フラスコに
“PFG”を50部仕込んだ。また、滴下漏斗に製造例
3で得られた脂肪酸変性モノマー66.7部、上述の
“HS−10”5部、上述の“PME−4000”15
部、スチレン20部、メタクリル酸メチル20部及び上
述の“V−601”2.5部からなる混合物を仕込み、
実施例1と同様に重合を行った。得られたワニスは、不
揮発分65重量%であり、数平均分子量が6,300で
あった。比較例1(水分散剤の合成) フラスコに仕込む“PFG”を50部に、滴下漏斗に仕
込む“Antox−MS−60”22.2部を第一工業
製薬株式会社製の“アクアロンRN−20”20部に変
更した点を除き実施例1と同様に重合を行い、ワニスを
得た。得られたワニスは、揮発分が65重量%であり、
数平均分子量が4,100であった。
【0053】なお、上述の“アクアロンRN−20”の
構造式は次の通りである。
【0054】
【化41】
【0055】比較例2(水分散剤の合成) フラスコに仕込む“PFG”を55部に、また滴下漏斗
に仕込む混合物を“Antox−MS−60”22.2
部、メタクリル酸7.7部、スチレン30部、メタクリ
ル酸メチル27.6部、アクリル酸2−エチルヘキシル
34.8部及び“V−601”2.5部からなる混合物
に変更する点を除き実施例1と同様に重合を行いワニス
を得た。得られたワニスは、不揮発分が65重量%であ
り、数平均分子量が6,400であった。実施例3〜6、比較例3,4(水分散体の製造) 攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度制御装置、窒素導
入管を備えたフラスコに、表1に示す各成分を表1に示
す割合で加えて攪拌し均一化させた。次に、製造例1ま
たは製造例2で得られた疎水性樹脂を表1に示す割合で
加え、窒素雰囲気下において50℃でさらに30分間攪
拌混合した。さらに、フラスコ内を50℃に保ちながら
脱イオン水118.4部を滴下漏斗から5時間かけて滴
下し、そのまま更に30分間攪拌した。得られた水分散
体について、貯蔵安定性、並びに塗料として用いた場合
に形成された塗膜の耐水性及び鉛筆硬度を調べた。試験
方法は次の通りである。結果を表1に示す。 〔貯蔵安定性〕50℃で2週間貯蔵した後の状態変化を
調べた。評価の基準は次の通りである。 ○:粘度変化±20%未満で外観変化なし。 ×:外観変化(ゲル化または層分離)あり。 〔耐水性〕水分散体にドライヤーとして“Dicnat
e3111”(大日本インキ化学工業株式会社製のエマ
ルジョン型コバルト系ドライヤー:不揮発分35重量
%)を0.2重量%添加した。この水分散体をバーコー
ターを用いて磨き鋼板に乾燥塗膜の厚さが約30μmに
なるよう塗布した。これを室温で3日間乾燥した後に塗
装板を水に浸漬し、室温で3日間さらに放置した後の状
態を観察した。評価の基準は次の通りである。 ○:外観変化なし。 △:やや白化。 ×:白化。 〔鉛筆硬度〕耐水性試験の場合と同様にして作成された
塗装板の塗膜硬度をJIS−K5400にしたがって引
っかき試験により調べた。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の水分散剤は、上述の親水性分岐
鎖と、不飽和結合を有する炭素鎖を含む疎水性分岐とを
含むアクリル系樹脂からなるので、疎水性材料を安定に
水分散でき、しかも乾燥時には高い耐水性を示す塗膜を
形成することができる。本発明の水分散体は、上述の水
分散剤を含むため、疎水性材料が安定に水分散化されて
おり、また、塗料として用いたときに耐水性の高い塗膜
が形成できる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性硫酸エステル基、酸性硫酸エステルの
    中和塩、酸性リン酸エステル基及び酸性リン酸エステル
    の中和塩からなる群から選ばれた親水基を含む親水性分
    岐鎖と、不飽和結合を有する炭素鎖を含む疎水性分岐鎖
    とを含むアクリル系樹脂からなる水分散剤。
  2. 【請求項2】前記酸性硫酸エステルの中和塩及び前記酸
    性リン酸エステルの中和塩は、アンモニア、アミン及び
    アルカリ金属からなる群から選ばれた塩基による中和塩
    である、請求項1に記載の水分散剤。
  3. 【請求項3】前記不飽和結合を有する炭素鎖は、乾性油
    または半乾性油に由来する脂肪酸残基である、請求項1
    または2に記載の水分散剤。
  4. 【請求項4】下記の一般式(1)で示される繰り返し単
    位2〜50重量%と、下記の一般式(2)で示される繰
    り返し単位30〜70重量%と、下記の一般式(3)で
    示される繰り返し単位30重量%以下と、前記一般式
    (1)、(2)及び(3)で示される繰り返し単位以外
    のアクリル樹脂形成性単量体由来の繰り返し単位50重
    量%以下とを含む、数平均分子量が2,000〜20
    0,000のアクリル系樹脂からなる水分散剤。 【化1】 【化2】 【化3】
  5. 【請求項5】前記一般式(1)に含まれる基R3 、前記
    一般式(2)に含まれる基R6 、及び前記一般式(3)
    に含まれる基R9 が、それぞれ下記の通りである、請求
    項4に記載の水分散剤。 【化4】 【化5】 【化6】
  6. 【請求項6】前記アクリル樹脂形成性単量体由来の繰り
    返し単位がアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
    ル類、フマル酸ジアルキルエステル類、スチレン、スチ
    レン誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
    ビニルアセテートからなる群から選ばれた少なくとも1
    種に由来する繰り返し単位である、請求項4または5に
    記載の水分散剤。
  7. 【請求項7】下記の一般式(6)で示される単量体2〜
    50重量%と、下記の一般式(7)で示される単量体3
    0〜70重量%と、下記の一般式(8)で示される単量
    体30重量%以下と、前記一般式(6)、(7)及び
    (8)で示される単量体以外のアクリル樹脂形成性単量
    体50重量%以下とをラジカル重合して合成された、数
    平均分子量が2,000〜200,000のアクリル系
    樹脂からなる水分散剤。 【化7】 【化8】 【化9】
  8. 【請求項8】前記一般式(6)に含まれる基R21、前記
    一般式(7)に含まれる基R24、及び前記一般式(8)
    に含まれる基R27が、それぞれ下記の通りである、請求
    項7に記載の水分散剤。 【化10】 【化11】 【化12】
  9. 【請求項9】前記アクリル樹脂形成性単量体がアクリル
    酸エステル類、メタクリル酸エステル類、フマル酸ジア
    ルキルエステル類、スチレン、スチレン誘導体、アクリ
    ロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルアセテートか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体である、
    請求項7または8に記載の水分散剤。
  10. 【請求項10】分散媒としての水と、 疎水性材料と、 酸性硫酸エステル基、酸性硫酸エステルの中和塩、酸性
    リン酸エステル基及び酸性リン酸エステルの中和塩から
    なる群から選ばれた親水基を含む親水性分岐鎖と、不飽
    和結合を有する炭素鎖を含む疎水性分岐鎖とを含むアク
    リル系樹脂からなる水分散剤と、を含む水分散体。
  11. 【請求項11】前記水分散剤は、下記の一般式(1)で
    示される繰り返し単位2〜50重量%と、下記の一般式
    (2)で示される繰り返し単位30〜70重量%と、下
    記の一般式(3)で示される繰り返し単位30重量%以
    下と、前記一般式(1)、(2)及び(3)で示される
    繰り返し単位以外のアクリル樹脂形成性単量体由来の繰
    り返し単位50重量%以下とを含み、数平均分子量が
    2,000〜200,000のアクリル系樹脂からな
    る、請求項10に記載の水分散体。 【化13】 【化14】 【化15】
  12. 【請求項12】前記一般式(1)に含まれる基R3 、前
    記一般式(2)に含まれる基R6 、及び前記一般式
    (3)に含まれる基R9 が、それぞれ下記の通りであ
    る、請求項11に記載の水分散体。 【化16】 【化17】 【化18】
  13. 【請求項13】前記アクリル樹脂形成性単量体由来の繰
    り返し単位がアクリル酸エステル類、メタクリル酸エス
    テル類、フマル酸ジアルキルエステル類、スチレン、ス
    チレン誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
    ル、ビニルアセテートからなる群から選ばれた少なくと
    も1種に由来する繰り返し単位である、請求項11また
    は12に記載の水分散体。
  14. 【請求項14】前記疎水性材料がアルキド樹脂、エポキ
    シエステル類及び油変性ポリウレタン樹脂からなる群か
    ら選ばれた疎水性樹脂である、請求項10、11、12
    または13に記載の水分散体。
  15. 【請求項15】前記疎水性樹脂(A)と前記水分散剤
    (B)との重量比A:Bが2:8〜8:2である、請求
    項14に記載の水分散体。
JP22112893A 1993-09-06 1993-09-06 水分散剤及び水分散体 Expired - Lifetime JP3990738B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22112893A JP3990738B2 (ja) 1993-09-06 1993-09-06 水分散剤及び水分散体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22112893A JP3990738B2 (ja) 1993-09-06 1993-09-06 水分散剤及び水分散体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0768147A true JPH0768147A (ja) 1995-03-14
JP3990738B2 JP3990738B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=16761900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22112893A Expired - Lifetime JP3990738B2 (ja) 1993-09-06 1993-09-06 水分散剤及び水分散体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3990738B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998004341A1 (fr) * 1996-07-31 1998-02-05 Nof Corporation Agents solubilisants, emulsifiants et dispersants
US6214957B1 (en) 1996-07-31 2001-04-10 Nof Corporation Solubilizers, emulsifiers and dispersants

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998004341A1 (fr) * 1996-07-31 1998-02-05 Nof Corporation Agents solubilisants, emulsifiants et dispersants
US6214957B1 (en) 1996-07-31 2001-04-10 Nof Corporation Solubilizers, emulsifiers and dispersants

Also Published As

Publication number Publication date
JP3990738B2 (ja) 2007-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2576224C (en) Low voc coatings and paints
JP2000319525A (ja) 自然硬化型水系コポリマー及びその製造方法
JP2018521145A (ja) 水性分散体
EP0025285B1 (en) Aqueous coating compositions and articles coated thereby
JPH0315507B2 (ja)
CN111808228B (zh) 超支化聚乙烯亚胺掺杂改性的丙烯酸乳液及其制备方法
US4368287A (en) Emulsifier and compositions comprising same
JPS6164329A (ja) 酸化硬化型水性エマルジヨンの製造方法
JP3343273B2 (ja) 水性樹脂組成物及び塗料
JP3990738B2 (ja) 水分散剤及び水分散体
JP4096345B2 (ja) ビニル変性エポキシエステルおよび水性被覆剤
JPH09296023A (ja) 水性樹脂組成物
JPH0319245B2 (ja)
JP4812177B2 (ja) 水性塗料組成物
JPS6038427B2 (ja) 水性被覆用組成物
JPH0140846B2 (ja)
US20020058730A1 (en) Resin composition for stencil ink and water-in-oil stencil ink
JP2015164992A (ja) 水性塗料組成物及び塗膜形成方法
JPH0635564B2 (ja) 水性塗料組成物
JPH06248235A (ja) 水性樹脂組成物及び塗料
JP4466298B2 (ja) 水性樹脂組成物及びこれを用いた塗料
JPS59149913A (ja) 酸化重合型水性エマルシヨンならびにその製造法
JP2000086972A (ja) 食缶外面塗装用水性塗料組成物
JP2001261759A (ja) 水性樹脂組成物及びそれを用いた水性塗料組成物
JP2006182976A (ja) 架橋方法、水性樹脂組成物及びその製造方法、コーティング剤組成物並びに塗料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130727

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250