JP2000086972A - 食缶外面塗装用水性塗料組成物 - Google Patents

食缶外面塗装用水性塗料組成物

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JP2000086972A
JP2000086972A JP10262954A JP26295498A JP2000086972A JP 2000086972 A JP2000086972 A JP 2000086972A JP 10262954 A JP10262954 A JP 10262954A JP 26295498 A JP26295498 A JP 26295498A JP 2000086972 A JP2000086972 A JP 2000086972A
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unsaturated monomer
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food
resin
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JP10262954A
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English (en)
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Takashi Nakada
崇 仲田
Hiroshi Miwa
宏 三輪
Kazuaki Masuda
一明 枡田
Teruaki Kuwajima
輝昭 桑島
Tomoshi Nishimura
智志 西村
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐レトルト性およびウエットインク適
性を発現し得る食缶外面塗装用水性塗料組成物、および
その製造方法の提供。 【解決手段】 (A)(a)数平均分子量300〜10,000およ
びエポキシ当量150〜5,000のエポキシ樹脂の存在下にお
いて、(b)(1)酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを固
形分重量比で0.02〜20重量%と、(2)その他のエチレン
性不飽和モノマーとを含む、酸価が20〜100のラジカル
重合性不飽和モノマー混合物を重合開始剤の作用により
重合させて得られるアクリル/エポキシ樹脂であって、
前記エポキシ樹脂(a)と不飽和モノマー混合物(b)の重量
比が2/98〜30/70の範囲であるもの、および(B)ア
ミノ樹脂を含有する食缶外面塗装用水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【用語の説明】また、塗料組成物の「ウエットインク適
性」は、未硬化のインク層上への当該塗料組成物の塗装
適性、およびその後の硬化性、並びに得られる塗膜の外
観(美粧性)までを包含するものとする。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属素材上に直接
または下地塗料もしくは印刷インクの上に塗布される水
性塗料組成物であって、特に食品用缶の缶外面塗装用に
適用される水性塗料組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】内容物が食品である食品用缶の外面塗装
は、その内面塗装と同様に、人体等に有害な物質が使用
できないことは周知である。従来、缶外面塗装用塗料組
成物としては、エポキシ/アミノ樹脂、ポリエステル/
アミノ樹脂およびアクリル/アミノ樹脂からなる溶剤型
塗料組成物が用いられていたが、使用される「溶剤」
が、製造工程を含む環境汚染や大気汚染の観点から、水
性塗料への移行が望まれていた。
【0004】そこで、従来からの特性を満足する水性塗
料組成物の開発が多数成されており、例えば、特開平7-
188611号公報(ポリエステル樹脂、高い酸価を有するア
クリル樹脂変性エポキシ樹脂およびアミノ/ホルムアル
デヒド樹脂をバインダーとして含む水性塗料組成物)、
同6-157984号公報(特定のポリエステル樹脂とアミノプ
ラスト樹脂を含む水性塗料組成物)、同9-249846号公報
(特定のモノマーを必須成分とするアクリル樹脂とアミ
ノ樹脂を含む水性塗料組成物)および同9-151356号公報
(エポキシ樹脂に1,2級アミンを付加させたエポキシ
樹脂、ヒドロシリル基およびN-アルコキシメチルアミド
基を有するアクリルグラフト樹脂並びにアミノ樹脂を含
有する水性塗料組成物)に開示されている。
【0005】前記特開平7-188611号公報および同6-1579
84号公報に記載の水性塗料組成物は、バインダー成分中
にポリエステル樹脂を含むことから、経時安定性に欠
け、さらには、それから得られる塗膜の性能も経時的に
低下していく。また、前記特開平9-249846号公報および
同9-151356号公報に記載の水性塗料組成物は、良好な経
時安定性を示すが、組成中に低分子量の酸触媒を添加し
ているために、形成される塗膜の硬化性が不十分であ
る。そのため、塗膜硬度が低下するのみならず、前記触
媒が失活せずに塗膜中に残存した場合には、塗膜の耐レ
トルト性(すなわち、高温耐水性を意味し、高温多湿条
件下における塗膜へのブリスタや白化の生じ難さ)も低
下する。さらに、前記触媒は、硬化した塗膜から溶出す
る可能性が高いため、食缶外面のように人体と直接接触
する部位への適用には不適当である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、人体並びに
環境に対して無害であるのみならず、長期のポットライ
フや高い透明性を有する水性塗料組成物であって、塗膜
とした場合に、基材または下地塗装との良好な密着性、
高い耐レトルト性および優れたウエットインク適性等の
優れた塗膜特性を発現し得る水性塗料組成物が望まれて
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
克服すべく成されたものであって、特に、硬化後塗膜が
優れた耐レトルト性を発現する水性塗料組成物の提供を
目的とする。すなわち、本発明は、架橋効率の高い重合
開始剤を用いて、非水溶性樹脂であるエポキシ樹脂と酸
性基含有ラジカル重合性不飽和モノマーをグラフト化さ
せて得られる樹脂に、アミン樹脂系硬化剤を添加するこ
とにより調製される食缶外面塗装用水性塗料組成物を提
供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の食缶外面塗装用水性塗料
組成物は、(A)アクリル/エポキシ樹脂、および
(B)アミノ樹脂を含有する。
【0009】(A)アクリル/エポキシ樹脂 本発明で使用されるアクリル/エポキシ樹脂は、エポキ
シ樹脂(a)とラジカル重合性不飽和モノマー混合物(b)
を、重合開始剤の作用により重合させて得られるもので
ある。このようなエポキシ樹脂(a)としては、例えば、
ビスフェノールAおよびビスフェノールF;ビスフェノ
ールAおよびビスフェノールFのハロゲン置換体とエピ
クロロヒドリンまたはβ-メチルエピハロヒドリン等を
縮合して得られる縮合体が挙げられる。前記エポキシ樹
脂(a)は、数平均分子量が300〜10,000の範囲でかつエポ
キシ当量が150〜5,000の範囲のものが好ましい。数平均
分子量が300未満であると、エポキシ樹脂ユニットが短
く、グラフト点が確保できないため、得られるアクリル
/エポキシ樹脂(A)の水溶性が低く、それを含む塗膜
の、基材もしくは下地塗装への密着性が低下する。数平
均分子量が10,000を超えると、エポキシ樹脂を安定に水
系媒体中に導入することが困難となるため好ましくな
い。あるいは、エポキシ当量が上記範囲を逸脱すると、
重合生成物であるアクリル/エポキシ樹脂(A)の水溶
性または水分散性が低下するため、好ましくない。
【0010】このようなエポキシ樹脂としては、市販の
ものが使用でき、例えば、エピコート828、エピコート1
001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート101
0(いずれも、油化シェルエポキシ社製);エポトートY
D-011、エポトートYD-014、エポトートYD-017、エポト
ートYD-019、エポトートYD-020H、エポトートYDF2004
(いずれも、東都化成社製)が挙げられる。
【0011】あるいは、前記エポキシ樹脂(a)は、分散
性、密着性の向上および酸触媒担持の点から、上記のよ
うなエポキシ樹脂にリン酸、リン酸エステルまたはリン
酸ジエステルを開環付加したものであってもよい。本発
明での使用に適したリン酸エステル変性エポキシ樹脂
は、上記エポキシ樹脂を、リン酸、リン酸エステル、リ
ン酸ジエステルで変性したものであって、特に40〜100
%の変性率のものが好ましい。このようなリン酸エステ
ル変性エポキシ樹脂としては、例えば、エポトートYD-0
11、エポトートYD-014UまたはエポトートYD-017をベー
スとした、ZX-1478-1、ZX-1478-2、ZX-1478-3、ZX-1478
-4、ZX-1478-5、ZX-1478-6、ZX-1478-7、ZX-1478-8、ZX
-1478-9(いずれも、東都化成社製)等を使用すること
ができる。上記エポキシ樹脂(a)は、単独で、または2
種以上を併用してもよい。
【0012】上記エポキシ樹脂(a)と重合およびグラフ
ト化させ得るラジカル重合性不飽和モノマー混合物(b)
は、(1)酸性基含有エチレン性不飽和モノマー、および
(2)その他のエチレン性不飽和モノマーから構成され
る。酸性基含有エチレン性不飽和モノマー(1)は、エポ
キシ樹脂(a)との反応によりアクリル/エポキシ樹脂
(A)を生成した後、その酸基の少なくとも一部を中和
することにより、アクリル/エポキシ樹脂(A)に水分
散性を提供し得るものであればよい。すなわち、前記モ
ノマー(1)は、酸基として、カルボキシル基、スルホン
酸基またはリン酸基を有するものであれば、特に限定さ
れない。上記酸基は、アクリル/エポキシ樹脂(A)に
水分散性を付与するのに必要な酸強度を有するためであ
る。また、前記モノマー(1)分子中の炭素数が6を上回
ると、上記作用が十分に達成できないため、好ましくな
い。このようなモノマー(1)としては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカル
ボン酸またはジカルボン酸含有エチレン性不飽和モノマ
ー;あるいは、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、
イタコン酸エチル、イタコン酸ブチル等のジカルボン酸
モノエステル等;アクリルアミドt-ブチルスルホン酸、
2-アクリルアミド-2-メチルスルホン酸、アクリル酸3-
スルホニルプロピルエステル、メタクリル酸3-スルホニ
ルプロピルエステルおよびイタコン酸ビス(3-スルホニ
ルプロピル)エステル等のスルホン酸基含有エチレン性
不飽和モノマー;アシッドホスホキシエチルアクリレー
ト、アシッドホスホキシエチルメタクリレート、アシッ
ドホスホキシプロピルメタクリレートおよびアシッドホ
スホキシ3-クロロプロピルメタクリレート等のリン酸基
含有エチレン性不飽和モノマー等;並びにそれらの混合
物が挙げられる。
【0013】本発明において、酸性基含有エチレン性不
飽和モノマー(1)としては、特に、アクリル酸またはメ
タクリル酸が好ましい。
【0014】上記以外のエチレン性不飽和モノマー(2)
としては、上記酸性基含有エチレン性不飽和モノマー
(1)のアクリル/エポキシ樹脂(A)に与える作用を妨
げず、かつ前記モノマー(1)と共存し得るビニル系モノ
マーであれば特に限定されない。このようなモノマー
(2)としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n
-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、
メタクリル酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルアミノエ
チルアクリレート等のα,β-エチレン性不飽和脂肪族カ
ルボン酸のアルキルエステルモノマー等;アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル等のα,β-エチレン
性不飽和脂肪族カルボン酸のグリシジルエステルモノマ
ー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カ
ルボン酸のビニルエステル;スチレン、α-メチルスチ
レン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー等を挙げ
ることができる。生成されるアクリル/エポキシ樹脂
(A)の硬化性を高めるために、前記モノマー(2)は水
酸基が導入されたものであってもよく、アクリル酸2-ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アク
リル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸4-ヒドロキシブチル、またはメ
タクリル酸2-ヒドロキシエチルとε-カプロラクロンと
の反応生成物等の水酸基を有するα,β-エチレン性不飽
和脂肪族カルボン酸のアルキルエステルモノマーを使用
することができる。また、上記モノマー(2)は、アミド
基を有するエチレン性不飽和モノマーであってもよく、
特に分子中に炭素原子12個までを有するものが好まし
い。分子中の炭素数が12を上回ると、生成されるアクリ
ル/エポキシ樹脂(A)に親水性が良好に付与されな
い。このようなアミド基を有するエチレン性不飽和モノ
マー(2)の具体例としては、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メトキシブ
チルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられ
る。
【0015】ラジカル重合性不飽和モノマー混合物(b)
中には、前記の酸性基含有エチレン性不飽和モノマー
(1)を、固形分重量比で0.02〜20重量%含有する。前記
モノマー混合物(b)中の酸性基含有エチレン性不飽和モ
ノマー(1)含有量が上記範囲外の場合、得られる塗膜の
耐レトルト性が低下する。また、前記酸性基含有エチレ
ン性不飽和モノマーの0.5〜5重量%をリン酸基または
スルホン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーにする
ことにより、アクリル/エポキシ樹脂中に硬化触媒とな
るリン酸基またはスルホン酸基を導入することができ
る。導入されたリン酸基またはスルホン酸基は、硬化触
媒として機能し得るため、耐レトルト性の低下につなが
る触媒の添加量を減少させることができる。このような
ラジカル重合性不飽和モノマー混合物(b)の酸価は20〜1
00、好ましくは30〜70である。前記混合物(b)の酸価が2
0未満であると、重合生成物であるアクリル/エポキシ
樹脂(A)の水系媒体への溶解性または分散性が低下
し、酸価が100を超えると、得られる塗膜の耐水性が低
下する。
【0016】上記エポキシ樹脂(a)とラジカル重合性不
飽和モノマー混合物(b)を、重合開始剤の作用により、
所望の条件下で反応させることにより、本発明の塗料組
成物の主要成分の一つであるアクリル/エポキシ樹脂
(A)が得られる。上記重合開始剤の作用によるエポキシ
樹脂(a)とラジカル重合性不飽和モノマー混合物(b)の反
応は、先ず、重合開始剤が前記モノマー混合物(b)中の
モノマーに作用してモノマーラジカルを発生させると同
時に、エポキシ樹脂中のメチンあるいはメチレン基から
水素引き抜きが生じる。さらに、その水素引き抜きによ
って発生したラジカルが互いに再結合することにより、
二量体が形成され、最後にアクリル/エポキシ樹脂が得
られると考えられる。本発明での使用に好適な重合開始
剤は、架橋効率が28%以上のものである。ここで、重合
開始剤の「架橋効率」とは、開始剤の攻撃能力を意味す
るものであって、添加する重合開始剤1モル当たりに生
成される二量体のモル量で定義され、百分率で表され
る。このような重合開始剤としては、例えば、過酸化ベ
ンゾイル、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチル
パーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオ
キシトリメチルヘキサノエート、t-オクチルパーオキシ
ベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、t-ブチルパーオキシステアリルカーボネート、
t-アミルパーベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、
t-ブチルクミルパーオキサイド、ジメチルジ-t-ブチル
ヘキサン、ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、ジ-t-ブチルパーオキシド、ジメチル-ジ-t-ブ
チルヘキシン等の有機過酸化物等が挙げられる。
【0017】前記重合開始剤の架橋効率が28%未満であ
ると、エポキシ樹脂(a)とラジカル重合性不飽和モノマ
ー混合物(b)中の各モノマーとの間でグラフト化が生じ
ず、エポキシ樹脂(a)の水溶性が低下して、強いては得
られる塗膜の耐レトルト性も低下するため、好ましくな
い。
【0018】前記アクリル/エポキシ樹脂(A)におい
て、前記エポキシ樹脂(a)と不飽和モノマー混合物
(b)の重量比は、2/98〜30/70の範囲である。ここ
で、前記重量比が2/98未満であると、耐レトルト性が
不十分となるため好ましくない。また、アクリル/エポ
キシ樹脂(A)の数平均分子量は2,000〜20,000の範囲、
および酸価は20〜65の範囲であることが好ましい。
【0019】(B)アミノ樹脂 本発明の食缶外面塗装用水性塗料組成物は、前記アクリ
ル/エポキシ樹脂(A)と、硬化剤としてのアミノ樹脂
(B)を必須成分として含有する。前記アミノ樹脂
(B)は、前記塗料組成物を被塗物に塗布後、塗膜を乾
燥硬化できるものであればよく、例えば、ジメチロール
メラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロール
メラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロー
ルメラミン、ジメチロールベンゾグアナミン、トリメチ
ロールベンゾグアナミン、テトラメチロールベンゾグア
ナミン;またはこれらのアルキルエーテル化物;尿素−
ホルムアルデヒド縮合物;尿素−メラミン共縮合物等が
挙げられる。このようなアミノ樹脂(B)は、市販され
ており、例えば、サイメル303、サイメル235、サイメル
254、サイメル325、サイメル1128、サイメル1156、サイ
メル1123(いずれも、三井サイテック社製);マイコー
ト102、マイコート105、マイコート506(いずれも、三
井サイテック社製);ニカラックBX-4000、ニカラックS
B355、ニカラックSB255(いずれも、三和ケミカル社
製);ユーバン20N、ユーバン20SB、ユーバン128(いず
れも、三井東圧化学社製);スミマールM-50W、スミマ
ールM-30W(いずれも、住友化学工業社製)が使用でき
る。本発明での使用に適したアミノ樹脂(B)は、ベン
ゾグアナミンを原料としたグアナミン樹脂、より好まし
くは、前記ベンゾグアナミン樹脂中に含有される全メチ
ロール基および/またはイミノ基の内、60%以上がアル
キルエーテル化された、アルキルエーテル型のベンゾグ
アナミン樹脂が望ましい。
【0020】本発明の食缶外面塗装用水性塗料組成物に
おいて、前記アクリル/エポキシ樹脂(A)とアミノ樹脂
(B)の含有量比は、重量比で95:5〜50:50、好まし
くは80:20〜50:50の範囲であることが好ましい。
【0021】食缶外面塗装用水性塗料組成物の製造方法 本発明の第2態様は、上記食缶外面塗装用水性塗料組成
物の製造方法である。この方法は、(i)前記エポキシ
樹脂(a)の存在下において、前記ラジカル重合性不飽和
モノマー混合物(b)を、前記(a)と(b)の重量比が2/98
〜30/70となるように重合開始剤の作用により重合させ
て、アクリル/エポキシ樹脂(A)を合成すること、お
よび(ii)前記アクリル/エポキシ樹脂(A)と硬化剤
としてのアミノ樹脂(B)を水性媒体中に溶解または分
散することを含む。
【0022】上記工程(i)では、アクリル/エポキシ
樹脂(A)を合成する。本工程は、より詳しくは、以下
の手順から成る。 前記エポキシ樹脂(a)を適した有機溶剤中に溶解させ
て、エポキシ樹脂溶液を調製する。 前記エポキシ樹脂溶液に、予め調製したラジカル重合
性不飽和モノマー混合物(b)、および重合開始剤を添加
する。 の混合物を加熱して重合およびグラフト化させるこ
とにより、アクリル/エポキシ樹脂(A)を得る。
【0023】前記工程で使用される有機溶剤は、 ・エポキシ樹脂(a)を溶解する必要があり; ・重合開始剤によるエポキシ樹脂中のメチンあるいはメ
チレン基からの水素引き抜き反応を妨げずに、かつ水素
引き抜き後に生成するラジカルを捕捉せず; ・その後の塗料調製時に、塗料用溶剤である水と混和性
を示すものでなければならない。そのような溶剤として
は、ブタノール、イソプロパノール、エトキシエタノー
ル、エトキシプロパノール、メトキシプロパノール、メ
トキシプロパノール、ブトキシエタノール、エチレング
リコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール等
のアルコール類;ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類;トルエ
ン、キシレン等の炭化水素系溶剤;ジブチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;
メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン等のケト
ン類;N-メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。
【0024】上記手順では、先ず、前記エポキシ樹脂
(a)を上記より選択された有機溶剤中に溶解させる。前
記有機溶剤は、前記エポキシ樹脂(a)と上記ラジカル重
合性不飽和モノマー混合物(b)の重合・グラフト化反応
時の粘度調節目的により適宜変化してよいが、好ましく
は前記(a)と(b)の合計100重量部に対し、10〜400重量
部、特に20〜200重量部の範囲であり得る。有機溶剤の
量が10重量部未満であると、生成するアクリル/エポキ
シ樹脂の粘度が大きくなり過ぎ、また、400重量部を超
えると、得られるアクリル/エポキシ樹脂の分子量が小
さくなりすぎ、いずれの場合も分散安定性が低下するた
め好ましくない。
【0025】別個に、ラジカル重合性不飽和モノマー混
合物(b)を調製する。このモノマー混合物(b)は、混合後
の酸価が20〜100となるように、モノマー混合物(b)の全
固形分重量に対し0.02〜20重量%の量の前記酸性基含有
エチレン性不飽和モノマー(1)と、それ以外のエチレン
性不飽和モノマー(2)を混合することにより得られる。
すなわち、ラジカル重合性不飽和モノマー混合物(b)の
酸価は、酸性基含有エチレン性不飽和モノマー(1)の配
合量によって調節できる。
【0026】手順において、上記で得られたエポキ
シ樹脂溶液(a)に、前記モノマー混合物(b)を、固形分重
量比で(a)/(b)=2/98〜30/70となるような量で添加
する。さらに、そこへ、前記エポキシ樹脂(a)とラジカ
ル重合性不飽和モノマー混合物(b)の合計固形分に対
し、0.5〜12重量%の量の重合開始剤を添加する。
【0027】次いで、手順では、上記で混合された反
応系を40〜150℃の温度に加熱して、1〜8時間反応さ
せることにより、数平均分子量2,000〜20,000および酸
価20〜65のアクリル/エポキシ樹脂(A)を得る。生成
されたアクリル/エポキシ樹脂(A)は、前記重合溶媒
中、不揮発分40〜70%の範囲の溶液形態で得られ、これ
は、そのまま次の工程で使用する。したがって、上記不
揮発分が40%未満であると、残存している前記重合溶媒
が塗料調製用溶媒である水と混和せず、安定な溶液また
は分散塗料組成物を得ることができないため、好ましく
ない。
【0028】次に、上記工程(ii)では、上記で得られ
たアクリル/エポキシ樹脂(A)と、硬化剤としてのア
ミノ樹脂(B)を水性媒体中に溶解または分散して本発
明の水性塗料組成物を製造する。前記アクリル/エポキ
シ樹脂(A)とアミノ樹脂(B)を水性媒体中に溶解ま
たは分散させる方法としては、以下の4つの方法を例示
することができる。 I−上述の方法で生成した溶剤型アクリル/エポキシ樹
脂に、アミノ樹脂を混合後、アクリル/エポキシ樹脂中
の酸基を少なくとも一部中和し、水分散または溶解させ
る方法。 I'−エポキシ樹脂の溶剤溶液に予めアミノ樹脂を混合し
た後、上述の如く、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽
和モノマー混合物を重合開始剤の存在下で反応させる。
その後、生成したアクリル/エポキシ樹脂とアミノ樹脂
の混合物において、アクリル/エポキシ樹脂中の酸基を
少なくとも一部中和し、水分散または溶解させる方法。 II−前記アクリル/エポキシ樹脂中の酸基を少なくとも
一部中和し、水分散または溶解させて水溶液とし、そこ
へアミノ樹脂を導入する方法。 III−上述の方法で生成した溶剤型アクリル/エポキシ
樹脂とアミノ樹脂を混合後、加熱撹拌し、予備縮合した
後、アクリル/エポキシ樹脂中の酸基を少なくとも一部
中和し、水分散または溶解させる方法。すなわち、生成
したアクリル/エポキシ樹脂にアミノ樹脂を混合した
後、アクリル/エポキシ樹脂中に残存する酸基を中和
し、水溶液または水分散液を調製するか(上記方法Iま
たはI')、アクリル/エポキシ樹脂の酸基を中和した
後、水溶液または水分散液とし、そこへアミノ樹脂を添
加するか(上記方法II)、あるいは、アクリル/エポキ
シ樹脂とアミノ樹脂を混合後に予備縮合させた後、アク
リル/エポキシ樹脂中に残存する酸基を中和し、水溶液
または水分散液を調製する方法(上記方法III)があ
る。本発明の水性塗料組成物は、上記のいずれの方法で
調製してもよいが、経時での安定性、塗装外観および樹
脂の相溶性の点から、前記Iの方法が最も好ましい。
【0029】上記水性塗料組成物の調製において、生成
したアクリル/エポキシ樹脂中に残存する酸基は、塗膜
の耐水性を低下させ、かつ被覆される基材を腐食させる
可能性があるため、調製時に少なくともその一部を中和
しなければならない。このような酸基の中和は、従来既
知の塩基性物質、特に有機アミン類を使用して行うこと
ができる。有機アミン類としては、水溶性であって、15
0〜250℃で焼き付けた際に揮発する性質のものが好まし
く、例えば、アンモニア、トリブチルアミン、トリエチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノール
アミン、メチルエタノールアミン、モルホリン、N-メチ
ルモルホリンなどのアミン化合物が挙げられる。例え
ば、アクリル/エポキシ樹脂中にカルボン酸基が存在す
る場合、そのカルボン酸の少なくとも一部を中和するた
めに、残存するカルボン酸当量に対し50〜125%相当量
の塩基性物質を使用する。
【0030】本発明の食缶外面塗装用水性塗料組成物
は、主要成分である上記アクリル/エポキシ樹脂(A)
とアミノ樹脂(B)以外に、目的に応じて、顔料(無機
顔料、有機顔料、および例えば、アルミニウム顔料のよ
うな金属顔料)、防錆剤、消泡剤、潤滑剤、紫外線防止
剤、表面調整剤等の各種添加剤、並びに水溶性アクリル
樹脂のようなその他の水性樹脂を配合してもよい。前記
添加剤の配合量は、アクリル/エポキシ樹脂(A)とア
ミノ樹脂(B)の合計固形分重量に対し、0〜10重量%
の範囲であり得る。
【0031】食缶外面塗装方法 本発明は、また、食缶用基材外面上、または該基材外面
上に塗布された未硬化のインク層上に、前記食缶外面塗
装用水性塗料組成物を塗布して塗膜を形成した後、該基
材全体を加熱することにより、該塗膜を、または該塗膜
と未硬化のインク層の両者を同時に乾燥硬化させること
による、食缶外面塗装方法も提供する。好適な食缶用基
材は、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニ
ウム鋼板、錫フリースチール鋼板、メッキ鋼板、圧延鋼
板、塗装鋼板等から製造される金属缶のように、従来か
ら食缶用に常用されているものがいずれも使用でき、で
あればよい。あるいは、本発明の水性塗料組成物は、ウ
エットインク適性を有することにより、前記食缶用基材
外面上に、美粧または意匠目的等で塗装された未硬化の
インク層上に塗布できる。前記インク層は、当該分野に
おいて公知のインク組成物から構成されていてよい。こ
こで、「ウエットインク適性」とは、未硬化のインク層
上への当該塗料組成物の塗装適性、およびその後の硬化
性、並びに得られる塗膜の外観(美粧性)までを包含す
るものとする。
【0032】上記基材外面上、または基材外面上に塗布
された未硬化のインク層上に、前記水性塗料組成物を塗
布して塗膜を形成する。前記水性塗料組成物の基材また
はインク層上への塗布方法は、特に下地のインク層が未
硬化である場合および生産効率の観点からも、スプレー
塗装法、ロールコーター塗装法等が適している。前記水
性塗料組成物は、上記基材外面上あるいは前記インク層
上に、乾燥膜厚が1〜20μmとなるように塗布される。
その後、前記基材全体を、100〜250℃において約5秒〜
30分間乾燥および硬化させることにより、食缶外面塗装
皮膜を形成することができる。上記食缶外面塗装皮膜
は、前記インク層を保護するためのクリヤー塗膜の機能
を有する。
【0033】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1 エポキシ樹脂としてのエポトートYD-014U(東都化成社
製;数平均分子量2800、エポキシ当量925)3重量部お
よびブチルセロソルブ65.11重量部を反応容器に仕込
み、撹拌しながら、徐々に昇温し、100℃において30分
間でエポキシ樹脂をブチルセロソルブ中に溶解した。ホ
スマーM(ユニケミカル社製、ホスホキシエチルメタク
リレート)0.3重量部、メタクリル酸9重量部、エチル
アクリレート4.7重量部、N-ブチルアクリレート28重量
部、スチレン17重量部、イソブチルメタクリレート17重
量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート24重量部から
構成されるモノマー混合物(酸価60)と、重合開始剤と
してのt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート
(架橋効率16%)9重量部を、エポキシ溶液中に125〜1
30℃において3時間で滴下した。その後、さらにその温
度において、2時間、撹拌を続けた。
【0034】上記反応液を95〜100℃まで冷却し、減圧
下で溶剤を除去した。除去された溶剤の量と同量のブチ
ルセロソルブをさらに添加し、不揮発分60%のアクリル
/エポキシ樹脂溶液(A1)を得た。アクリル/エポキシ
樹脂溶液(A1)の数平均分子量は3500、酸価は55.5であ
った。
【0035】得られたアクリル/エポキシ樹脂溶液(A
1)50重量部を、硬化剤であるN-7506(三和ケミカル社
製、メチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂)13重量部
およびSM-451(三井サイテック社製、n-ブチルエーテル
化メラミン樹脂)13重量部(これらを合わせて「B1」と
呼ぶ。)と混合撹拌しているところへ、ジメチルエタノ
ールアミン3重量部と脱イオン水30重量部から成る中和
剤を滴下した。アクリル/エポキシ樹脂溶液(A1)の酸
基の少なくとも一部を前記中和剤で中和して水溶化を行
うことにより、不揮発分40%の水性塗料組成物(1)を
得た。
【0036】実施例2〜9 表1に示す組成および配合量のエポキシ樹脂、モノマー
混合物および重合開始剤を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして各アクリル/エポキシ樹脂溶液(A2〜A9)
を合成した。ついで、前記アクリル/エポキシ樹脂溶液
(A2〜A9)と、表1に示す組成および配合量の硬化剤
(B2〜B9)および中和剤を用いて、実施例1と同様の手
順で各水性塗料組成物(2〜9)を得た。
【0037】比較例1 ブチルセロソルブ65重量部を反応容器に仕込み、撹拌し
ながら、約130℃まで徐々に昇温した。そこへ、ホスマ
ーM(ユニケミカル社製、ホスホキシエチルメタクリレ
ート)0.3重量部、およびメタクリル酸9重量部、エチ
ルアクリレート4.7重量部、N-ブチルアクリレート30重
量部、スチレン17重量部、イソブチルメタクリレート17
重量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート24重量部か
ら構成されるモノマー混合物(酸価60)と、重合開始剤
としてのt-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート
(架橋効率16%)9重量部を、125〜130℃において3時
間で滴下した。その後、さらにその温度において、2時
間、撹拌を続けた。
【0038】上記反応液を95〜100℃まで冷却し、減圧
下で溶剤を除去することにより、不揮発分60%のアクリ
ル樹脂溶液を得た。アクリル樹脂溶液の数平均分子量
は、3500、酸価は54であった。
【0039】別の反応容器に、ブチルセロソルブ20重量
部と、エポキシ樹脂であるエポトートYD-014U(東都化
成社製;数平均分子量2800、エポキシ当量925)30重量
部を仕込み、撹拌しながら徐々に昇温して、エポキシ樹
脂を完全に溶解し、エポキシ樹脂溶液を得た。このエポ
キシ樹脂溶液5重量部を、上記アクリル樹脂溶液47重量
部と混合した。ついで、ここへ、硬化剤であるメランML
-5600C(ベンゾグアナミンイミノメチルエーテル樹脂;
日立化成社製)26重量部を混合した。これら混合物を撹
拌しているところへ、ジメチルエタノールアミン3重量
部と脱イオン水27重量部から成る中和剤を滴下した。ア
クリル樹脂溶液の酸基の少なくとも一部を前記中和剤で
中和して水溶化を行うことにより、不揮発分40%の水性
塗料組成物(C1)を得た。
【0040】比較例2 反応容器に、ブチルセロソルブ65重量部を仕込み、撹拌
しながら、約130℃まで徐々に昇温した。そこへ、ホス
マーM(ユニケミカル社製、ホスホキシエチルメタクリ
レート)0.25重量部、およびメタクリル酸9重量部、エ
チルアクリレート4.7重量部、N-ブチルアクリレート30
重量部、スチレン17重量部、イソブチルメタクリレート
17重量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート24重量部
から構成されるモノマー混合物(酸価60)と、重合開始
剤としてのt-ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト(架橋効率16%)9重量部を、125〜130℃において
3時間で滴下した。その後、さらにその温度において、
2時間、撹拌を続けた。
【0041】上記反応液を95〜100℃まで冷却し、減圧
下で溶剤を除去することにより、不揮発分60%のアクリ
ル/エポキシ樹脂溶液(AC3)を得た。アクリル/エポ
キシ樹脂溶液(AC3)の数平均分子量は、3500、酸価は5
4であった。
【0042】上記アクリル樹脂溶液50重量部と硬化剤で
あるメランML-5600C(ベンゾグアナミンイミノメチルエ
ーテル樹脂;日立化成社製)26重量部を混合した。これ
ら混合物を撹拌しているところへ、ジメチルエタノール
アミン3重量部と脱イオン水27重量部から成る中和剤を
滴下した。アクリル樹脂溶液の酸基の少なくとも一部を
前記中和剤で中和して水溶化を行うことにより、不揮発
分40%の水性塗料組成物(C2)を得た。
【0043】
【表1】
【表2】
【0044】表1および2中の符号:1)〜15)の意
味を以下に示す。 1)エポトートYD-014U:エポキシ樹脂;数平均分子量2
800、エポキシ当量925(油化シェルエポキシ社製) 2)エポトートST-4100D:エポキシ樹脂;数平均分子量
3300、エポキシ当量1050(油化シェルエポキシ社製) 3)エポトートYD-017:エポキシ樹脂;数平均分子量52
00、エポキシ当量1860(油化シェルエポキシ社製) 4)エポトートYDF-2004:エポキシ樹脂;数平均分子量
2800、エポキシ当量940(油化シェルエポキシ社製) 5)ホスマーM:ホスホキシエチルメタクリレート(ユ
ニケミカル社製) 6)AMPS:2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホ
ン酸 7)n-BAM:n-ブチルアクリレート 8)MAA:メタクリル酸 9)EA:エチルアクリレート 10)NBA:メタクリル酸n-ブチル 11)ST:スチレン 12)IBMA:イソブチルメタクリレート 13)HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート 14)t-BPOEH:t-ブチルパーオキシエチルヘキサノエ
ート(架橋効率16%) t-BPOB:t-ブチルパーオキシベンゾエート(架橋効率40
%) 15)N-7506:ベンゾグアナミンメチルエーテル樹脂;
三和ケミカル社製 SM0451:ベンゾグアナミンn-ブチルエーテル樹脂;三井
サイテック社製 メランML-5600C:ベンゾグアナミンイミノメチルエーテ
ル樹脂;日立化成社製 N-7503:ベンゾグアナミンイミノn-ブチルエーテル樹
脂;三和ケミカル社製 SM-1123:ベンゾグアナミンエチルメチルエーテル樹
脂;三井サイテック社製
【0045】<耐レトルト性、密着性、水溶性および貯
蔵安定性の評価>評 価 試 料 上記実施例1〜9並びに比較例1および2で得られた水
性塗料組成物(1〜9およびC1〜C2)を、厚さ0.3m
mのアルミニウム板に乾燥膜厚4μmとなるようにバー
コーターで塗装し、180℃で30秒間焼き付けた後、さら
に200℃で60秒焼き付けた。その後、得られた塗膜付き
アルミニウム板から縦5cm、横10cmの試験片を切り
取った。
【0046】評 価 試 験 上記試験片を用いて、以下の試験を行い、評価を行っ
た。また、上記水性塗料組成物についての水溶性および
貯蔵安定性も評価した。 耐レトルト性(ブリスタ、白化)試験 オートクレーブに脱イオン水を入れ、試験片を125℃で3
0分間処理して、皮膜のブリスタまたは白化の程度を目
視観察し、以下の評価基準に従って判定した。評価基準(ブリスタ); ◎:ブリスタ無し ○:僅かにブリスタ有り △:若干ブリスタ有り ×:かなりブリスタ有り評価基準(白化) ; ◎:白化無し ○:僅かに白化有り △:若干白化有り ×:かなり白化有り
【0047】密着性試験 試験片の塗膜面に、金属面まで達する×印を入れ、その
部分にポンチ経1/2インチ、500g荷重を10cmの高
さから金属面側に落とした。凸面部にニチバン社製のセ
ロテープを貼り、急激に引きはがして状態を観察した。
結果を、以下の評価基準に従って判定した。評価基準 ; ◎:剥離無し ○:僅かに剥離有り △:若干剥離有り ×:かなり離有り
【0048】水溶性評価 水性塗料組成物の濁りの有無を目視観察した。評価基準 ; ◎:透明 ○:わずかに白濁有り △:若干白濁有り ×:かなり白濁有り
【0049】貯蔵安定性評価 40℃で10日間、20日間および30日間放置後の沈降および
分離の有無を調べた。評価基準 ; ◎:30日後も沈降・分離無し ○:20日後には沈降および分離が無かったが、30日後に
沈降・分離有り △:10日後には沈降および分離が無かったが、20日後に
沈降・分離有り ×:10日後に沈降・分離有り
【0050】<ウエットインク適性の評価>厚さ0.3m
mのアルミニウム板に、市販のインクを塗装し、これを
硬化させずに、その上にさらに上記実施例1〜9並びに
比較例1および2で得られた水性塗料組成物(1〜9並
びにC1およびC2)を、乾燥膜厚4μmとなるように
スプレー塗装した。これを、180℃で30秒間焼き付けた
後、さらに200℃で60秒間焼き付けて塗装板を得、その
外観を、以下の評価基準に従って評価した。評価基準 ; ◎:インクの滲みやボケ無し ○:インクの滲みやボケが僅かに有る △:インクの滲みやボケが若干有る ×:インクの滲みやボケがかなり有る
【0051】上記評価試験の結果を表3にまとめる。
【表3】 表3より、本発明の水性塗料組成物は、従来既知の水性
塗料組成物に比べ、その透明性および常温での保存安定
性に優れているのみならず、非常に良好な耐レトルト性
および密着性を示す塗膜を形成できることが分かる。ま
た、本発明の水性塗料組成物は、未硬化のインク層へ塗
装する、いわゆるウエット・オン・ウエット方式で塗装
した際のウエットインク適性にも優れているものであ
る。
【0052】
【発明の効果】エポキシ樹脂の存在下で、架橋効率の高
い重合開始剤を使用して、高い酸価を有するラジカル重
合性不飽和モノマーを重合することにより、前記エポキ
シ樹脂のエポキシ基へ酸性基を有するモノマーがグラフ
ト化された、アクリル/エポキシ樹脂が得られる。本発
明では、このアクリル/エポキシ樹脂を水性塗料組成物
の主要成分の一つとして含有させることにより、樹脂中
に残存する酸性基の中和作用によって樹脂を良好に水溶
化でき、かつ得られる水性塗料組成物の透明性も高く、
貯蔵安定性も改良できる。このような酸性基を内部に含
有するアクリル/エポキシ樹脂と、硬化剤であるアミノ
樹脂とを組み合わせることにより、通常使用される酸硬
化触媒を必要とせずに、塗膜を十分に乾燥硬化できる。
そのため、得られる塗膜は、白化が生じず、かつ耐レト
ルト性やウエットインク適性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 枡田 一明 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 桑島 輝昭 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 西村 智志 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CC022 CC072 CC082 CF012 CF022 CG032 CG062 CG072 CG122 CG142 CG152 CG172 CH032 CH122 CH172 CH202 CH262 DA172 DB001 DB222 DB371 GA13 GA14 KA03 MA08 MA10 MA14 NA12 NA14 NA26 NA27 PA19 PB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)数平均分子量300〜10,000およ
    びエポキシ当量150〜5,000のエポキシ樹脂の存在下にお
    いて、 (b)(1)酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを固形分重
    量比で0.02〜20重量%と、(2)その他のエチレン性不飽
    和モノマーとを含む、酸価が20〜100のラジカル重合性
    不飽和モノマー混合物を重合開始剤の作用により重合さ
    せて得られるアクリル/エポキシ樹脂であって、前記エ
    ポキシ樹脂(a)と不飽和モノマー混合物(b)の重量比が2
    /98〜30/70の範囲であるもの、および(B)アミノ樹
    脂を含有する食缶外面塗装用水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記アミノ樹脂(B)が、ベンゾグアナ
    ミン樹脂である、請求項1記載の食缶外面塗装用水性塗
    料組成物。
  3. 【請求項3】 前記重合開始剤の架橋効率が28%以上で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の食缶外面
    塗装用水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記酸性基含有エチレン性不飽和モノマ
    ー(b-1)の0.5〜5重量%が、リン酸基またはスルホン酸
    基を有するエチレン性不飽和モノマーである請求項1〜
    3のいずれかに記載の食缶外面塗装用水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 (i)数平均分子量300〜10,000およびエ
    ポキシ当量150〜5,000のエポキシ樹脂の存在下におい
    て、酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを固形分重量
    比で0.02〜20重量%含む、酸価が20〜100のラジカル重
    合性不飽和モノマー混合物を、前記エポキシ樹脂と不飽
    和モノマー混合物の重量比が2/98〜30/70となるよう
    に重合開始剤の作用により重合させて、アクリル/エポ
    キシ樹脂を合成すること、および(ii)該アクリル/エ
    ポキシ樹脂とアミノ樹脂を水性媒体中に溶解または分散
    することを含む、食缶外面塗装用水性塗料組成物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記重合開始剤の架橋効率が28%以上で
    あることを特徴とする請求項5記載の食缶外面塗装用水
    性塗料組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 食缶用基材外面上、または該基材外面上
    に塗布された未硬化のインク層上に、請求項1記載の食
    缶外面塗装用水性塗料組成物を塗布して塗膜を形成した
    後、該基材全体を加熱することにより、該塗膜を、また
    は該塗膜と未硬化のインク層の両者を同時に乾燥硬化さ
    せることによる、食缶外面塗装方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の方法により形成された食
    缶外面塗装皮膜。
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