JPH0767941B2 - 即席麺包装体のトップシール部折曲方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は個装の袋入り即席麺を更
に複数個ガセット包装した即席麺包装体のトップシール
部を商品名等の印刷表示面が表側に出るように折曲させ
る即席麺包装体のトップシール部折曲方法と、その装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】個装の袋入り即席麺を更に３食，５食と
いった複数個にまとめてガセット包装する包装体の製造
において、包装機より包装排出されたガセット包装の即
席麺包装体は、そのトップシール部が商品名等を印刷し
た印刷面の方向（表面方向）に倒れるように傾斜折曲し
ており、これをそのままの状態で箱詰めした場合は箱を
開封し陳列した際に、トップシール部に印刷されている
商品名等の表示が傾斜折曲のトップシール部で遮蔽され
て読めない状態になるという不都合があった。

【０００３】また、前記包装体の箱詰めの際に、手作業
によりトップシール部の折曲を逆方向に矯正して詰める
ことも行われていたが、相当数の人手を要し、コストア
ップにつながるばかりでなく、折角このような手間をか
けて箱詰めしても、開箱陳列時にはシート包装材の反発
復元作用によりトップシール部がまた元の方向に戻り折
曲してしまうため、効果が得られないという問題があっ
た。

【０００４】なお、前記包装体を商品名等の表示が読み
やすい状態で陳列するためには、現在表示されている面
の反対側、つまりトップシール部の裏面側に表示するこ
とも考えられるが、トップシール部の裏面側にはセンタ
ーシール部があり、このセンターシール部に邪魔されて
表示の一部が隠れてしまう欠陥が生じるため、この案は
採用できない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って、トップシール
部の表面に商品名等の表示を印刷したシート包装材を使
用し、且つ従来技術の問題とされていたトップシール部
の傾斜折曲を反対側に倒すためにはどうすれば良いかが
問題点のポイントとなる。特に、前記包装体のシール部
の余熱が完全に冷却した後において、トップシール部の
傾斜折曲を反対方向に変更しようと思っても、いったん
固まった傾斜角を逆方向に転じさせることは困難であっ
た。

【０００６】そこで、本発明者は種々解決方法を検討し
た結果、前記包装体が包装機より包装排出された直後
の、まだシール部に余熱が残っている状態において、表
面方向に向けて傾斜折曲しているトップシール部を裏面
方向に強制的に変更させ、更にこの状態で冷却すること
により、シート包装材の反発復元作用を防ぐことができ
ることを知見し、本発明の方法及び装置を得て問題解決
に成功した。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の即席麺包装体の
トップシール部折曲方法は、個装の袋入り即席麺を更に
複数個ガセット包装したトップシール部１ａのある即席
麺包装体１をベルトコンベア２で搬送しながら、この包
装体１のシール部がまだ余熱を有する状態において、片
側に傾斜折曲し該折曲面側に商品名等の印刷表示がある
トップシール部１ａに折曲面側からエアーを吹き付け、
該トップシール部１ａを商品名等の印刷表示面が表側に
出る方向に反転傾斜させ、次いでこの即席麺包装体１の
反転傾斜されたトップシール部１ａをベルトコンベア２
と平行する上部押えコンベア５で押えて略水平となる状
態に折曲させると共に、この間にシール部の余熱を放熱
冷却させて前記トップシール部１ａに反発復元力の生じ
ない折り癖を付けることを特徴とする。

【０００８】また、前記の方法を実施する本発明の即席
麺包装体のトップシール部折曲装置は、包装機より包装
排出された直後の即席麺包装体１をトップシール部１ａ
が搬送方向に対して後方に傾斜する状態で搬送するベル
トコンベア２と、このベルトコンベア２の入側上部空間
にコンベア搬送方向に向けて保持され前記コンベア２で
搬送される即席麺包装体１の後傾トップシール部１ａに
背面側からエアーを吹き付けて該トップシール部１ａを
商品名等の印刷表示面が表側に出る前側方向に反転傾斜
させる複数個の噴気ノズル３，４と、前記ベルトコンベ
ア２の上部空間に前記トップシール部１ａを略水平に折
曲し得る間隔Ｇを存し且つ前記噴気ノズル４のエアー到
達域に後続させて前記ベルトコンベア２と平行に配設さ
れた上部押えコンベア５とを具備し、この上部押えコン
ベア５はベルトコンベア２の回転方向と反対方向に略同
一速度で回転駆動され、前記包装体１の反転傾斜された
トップシール部１ａを上から押えて略水平状態に折曲し
得るように構成されていることを特徴とする。

【０００９】

【作用】前記のような即席麺包装体のトップシール部折
曲方法及び装置によれば、前記包装体１をベルトコンベ
ア２で搬送しながら、そのトップシール部１ａを商品名
等の印刷表示面が表側に出る方向に折曲させ、トップシ
ール部１ａに反発復元力の生じない折り癖を付けること
ができ、このため前記包装体１の箱詰め作業がやり易
く、スピートアップできると共に省力化もでき、また本
発明の最大の目的である商品陳列時におけるディスプレ
イ効果を確保することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従い具体的
に説明する。

【００１１】図１（Ａ）〜（Ｃ）は本発明による即席麺
包装体のトップシール部折曲方法を工程順に示したもの
で、包装機（図示せず）より包装排出された即席麺包装
体１（個装の袋入り即席麺を更に複数個例えば５食分ガ
セット包装したトップシール部１ａのある即席麺包装
体）は、直ちにベルトコンベア２の上に図１（Ａ）の如
く送給され、トップシール部１ａが搬送方向に対して後
方に向く状態（センターシール部を前に向けた状態）で
搬送される。この時、前記包装体１の耳と俗称されるト
ップシール部１ａは、商品名等が印刷表示された面の方
向に傾斜折曲した後傾状態となっている。

【００１２】前記ベルトコンベア２で搬送される包装体
１は、まずベルトコンベア２の入側上部空間に保持され
た左右一対の第１広角噴気ノズル３の位置を通過し、該
噴気ノズル３より吹き出されたエアーが前記包装体１の
後傾トップシール部１ａに背面側から吹き付けられて、
このトップシール部１ａが図１（Ｂ）の実線で示すよう
に前側方向へ起こされる。

【００１３】次いで、前記包装体１はベルトコンベア２
の入側上部空間に保持された左右一対の第２広角噴気ノ
ズル４の位置を通過し、該噴気ノズル４より吹き出され
たエアーが前記包装体１のトップシール部１ａに背面側
から吹き付けられて、このトップシール部１ａが図１
（Ｂ）の点線で示すように更に前側方向に倒され、商品
名等の印刷表示面が表側に出る反転傾斜の状態となっ
て、ベルトコンベア２の上部空間に設置された上部押え
コンベア５へと導入される。

【００１４】そして、この押えコンベア５へ導入された
包装体１は、押えコンベア５の下側ベルト部分で押圧さ
れて、トップシール部１ａが略水平となる図１（Ｃ）の
状態に折曲され、この間にシール部の予熱は殆ど放熱さ
れ、押えコンベア５を通過し終えた時点では常温に冷却
されて、トップシール部１ａに反発復元力の生じない折
り癖が付けられることになる。なお、このような外装成
型を終了した即席麺包装体１は箱詰め位置までコンベア
移送されて箱詰めされる。次に、前記の方法を実施する
即席麺包装体のトップシール部折曲装置について図２乃
至図４に従い説明する。

【００１５】この即席麺包装体のトップシール部折曲装
置は、包装機（図示せず）より包装排出された直後の即
席麺包装体１をトップシール部１ａが図１（Ａ）及び図
３のように後傾する状態で図示矢印に搬送するベルトコ
ンベア２と、このベルトコンベア２の入側上部空間に配
設される配管取付治具６と、この配管取付治具６に前後
左右に間隔を存し且つコンベア搬送方向に向けて保持さ
れる左右一対の第１広角噴気ノズル３及び第２広角噴気
ノズル４と、前記ベルトコンベア２の上部空間に前記ト
ップシール部１ａを図１（Ｃ）の如く略水平に折曲し得
る間隔Ｇを存し且つ前記第２広角噴気ノズル４のエアー
到達域に後続させて前記ベルトコンベア２と平行に配設
された上部押えコンベア５とを具備する。

【００１６】前記第１の広角噴気ノズル３及び第２の広
角噴気ノズル４は、該ノズル位置を通過した包装体１の
トップシール部１ａに背面側からエアーを吹き付けて、
このトップシール部１ａを図１（Ｂ）の実線及び点線で
示すように前側方向へ２段階に反転傾斜させる作用をな
すものであって、前記配管取付治具６に前後左右上下方
向に調節できるように取付けられ、またエアー圧調整も
可能とされている。

【００１７】前記押えコンベア５はモータ７の作動によ
ってベルトコンベア２の回転方向と反対方向に略同一速
度（スピード調整可能）で回転駆動されるものであっ
て、表面にはスポンジ５ａ（図２参照）が貼付されてお
り、ベルトコンベア２からの高さ調整ができるようにコ
ンベア架設フレーム８の上にねじ式の高さ調整機構９を
介して図３，図４の如く支持されている。

【００１８】なお、前記押えコンベア５の表面をスポン
ジ５ａとしたのは、包装体シール部の余熱の放熱を促進
する目的と、トップシール部１ａの押圧効果を減するこ
となく包装体内容物（袋入り即席麺）の損傷を極力防止
する目的からである。

【００１９】

【発明の効果】本発明による即席麺包装体のトップシー
ル部折曲方法及び装置は、前記のようなものであるか
ら、包装機より包装排出された即席麺包装体をベルトコ
ンベアで搬送しながら、そのトップシール部を商品名等
の印刷表示面が表側に出る方向に折曲させ、トップシー
ル部に反発復元力の生じない折り癖を付けることがで
き、このため前記包装体の箱詰め作業がやり易く、スピ
ートアップできると共に省力化もでき、また本発明の最
大の目的である商品陳列時におけるディスプレイ効果を
確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による即席麺包装体のトップシール部折
曲方法を工程分図（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）として示した説明
図。

【図２】本発明による即席麺包装体のトップシール部折
曲装置を示す斜視図。

【図３】前記トップシール部折曲装置の側面図。

【図４】前記トップシール部折曲装置の正面図。

【符号の説明】

１…ガセット包装された即席麺包装体、 １ａ…同包装
体のトップシール部、２…ベルトコンベア、３…第１の
広角噴気ノズル、４…第２の広角噴気ノズル、５…上部
押えコンベア、６…配管取付治具、７…モータ、８…コ
ンベア架設フレーム、９…高さ調整機構。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 個装の袋入り即席麺を更に複数個ガセッ
   ト包装したトップシール部のある即席麺包装体をベルト
   コンベアで搬送しながら、この包装体のシール部がまだ
   余熱を有する状態において、片側に傾斜折曲し該折曲面
   側に商品名等の印刷表示があるトップシール部に折曲面
   側からエアーを吹き付け、該トップシール部を商品名等
   の印刷表示面が表側に出る方向に反転傾斜させ、次いで
   この即席麺包装体の反転傾斜されたトップシール部をベ
   ルトコンベアと平行する上部押えコンベアで押えて略水
   平となる状態に折曲させると共に、この間にシール部の
   余熱を放熱冷却させて前記トップシール部に反発復元力
   の生じない折り癖を付けることを特徴とする即席麺包装
   体のトップシール部折曲方法。
2. 【請求項２】 包装機より包装排出された直後の即席麺
   包装体をトップシール部が搬送方向に対して後方に傾斜
   する状態で搬送するベルトコンベアと、このベルトコン
   ベアの入側上部空間にコンベア搬送方向に向けて保持さ
   れ前記コンベアで搬送される即席麺包装体の後傾トップ
   シール部に背面側からエアーを吹き付けて該トップシー
   ル部を商品名等の印刷表示面が表側に出る前側方向に反
   転傾斜させる複数個の噴気ノズルと、前記ベルトコンベ
   アの上部空間に前記トップシール部を略水平に折曲し得
   る間隔を存し且つ前記噴気ノズルのエアー到達域に後続
   させて前記ベルトコンベアと平行に配設された上部押え
   コンベアとを具備し、この上部押えコンベアはベルトコ
   ンベアの回転方向と反対方向に略同一速度で回転駆動さ
   れ、前記包装体の反転傾斜されたトップシール部を上か
   ら押えて略水平状態に折曲し得るように構成されている
   ことを特徴とする即席麺包装体のトップシール部折曲装
   置。