JPH0767919B2 - 舶用減速逆転機のクラツチ油圧制御方法及び制御装置 - Google Patents

舶用減速逆転機のクラツチ油圧制御方法及び制御装置

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JPH0767919B2
JPH0767919B2 JP62058066A JP5806687A JPH0767919B2 JP H0767919 B2 JPH0767919 B2 JP H0767919B2 JP 62058066 A JP62058066 A JP 62058066A JP 5806687 A JP5806687 A JP 5806687A JP H0767919 B2 JPH0767919 B2 JP H0767919B2
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pressure
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哲也 小田
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新潟コンバ−タ−株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は舶用減速逆転機の係合時のクラッチ油圧の制御
方法及び制御装置に関するものである。
(従来の技術) 第7図は従来の舶用減速逆転機とその制御回路を示した
もので、第7図において、主機関1に接続する減速逆転
機2の入力軸3に前進用油圧クラッチ4が、逆転軸5に
後進用油圧クラッチ6が設けられている。この油圧クラ
ッチ4,6の入力側のキャリア(7)は入力軸(3)と一
体に構成され、キャリア(7)の内周部のスプライン
(8)に相手板(9)が嵌合され、出力側のボス(10)
は、入力軸(3)に回転自在に軸支され、このボス(1
0)の外周部のスプライン(11)に摩擦板(12)が嵌合
され、相手板(9)と摩擦板(12)とはキャリア(7)
に設けた環状のシリンダー(図示せず)に嵌挿したピス
トン(13)とキャリア(7)と一体のバッキングプレー
ト(14)との間で押圧されて係合し、動力が伝達される
ようになっている。
前進用油圧クラッチ4の出力は、ボス10と一体のピニオ
ン15を、出力軸16と一体の大歯車17と噛合せることによ
って、推進軸18を経てプロペラ19に伝達される。
又、後進用油圧クラッチ6への入力は入力軸3と一体の
駆動歯車20を、逆転軸5と一体の被動歯車21と噛合せる
ことによって、そして出力はボス22と一体のピニオン23
を大歯車17と噛合せることによって逆転した回転がプロ
ペラ19に伝達される。
油圧クラッチ4,6への油圧は、油圧ポンプ24によって油
溜25から途中、調圧弁26で、所定の油圧に調整されて油
路27を通って油圧制御弁28の流入ポート29に供給され
る。この油圧制御弁28にはスプール弁30が軸方向摺動自
在に嵌挿され、図中、右方からコイルスプリング31を介
して、レバー32の回転操作によって、油路33から油圧室
34に供給される油圧によってドレンポート35と連通する
傾斜溝36が移動位置を決めるピストン37による左方への
押圧力と、左側から出力軸18によって歯車38及び39を介
して軸40の周りに回転される出力回転速度検出用の遠心
ガバナ41からの出力回転速度の検出油圧を油路42を経
て、ポート43より弁室44に与える右方への押圧力と、ス
プール弁30の油室45を形成する大径のランド部46と小径
のランド部47とが油室45内の油圧によって生ずる右方へ
の押圧力とが平衡する位置で、小径ランド部47が流入ポ
ート29及び大径ランド部46がドレンポート48の絞りをそ
れぞれ開閉して、流出ポート49を経て油路50から切換弁
51によって切換えられて油路52より前進用クラッチ4
に、油路53より後進用油圧クラッチ6に供給される油圧
を制御する。
遠心ガバナ41は、軸40の周りに回転する重錘54の遠心力
と、スプール弁55がそれと一体の大径のランド部56と小
径のランド部57とが形成する油室58内に油路27から分岐
した油路59により与えられる圧油によって生ずる半径方
向外向きの押圧力とが平衡する位置でドレン口60を絞
り、油路42を経て油圧制御弁28の油室44に与える油圧を
制御する。
切換弁51は前進、中立、後進(F,N,R)の3位置を有
し、油圧クラッチへの油路52及び53の他に調圧弁26の昇
圧機構61への油路62を分岐している。
又、油圧制御弁28のスプール弁30には、開閉弁63及び温
度補正低圧調圧弁64に接続する油路65と油路27から分岐
した油路65との連通を開閉するランド部66がもうけられ
ている。
上記のような構成の従来装置の作動は次の如くである。
まず油圧制御弁28のレバー32を操作してピストン37を左
端に当接するまで押圧すると、スプール弁30はコイルス
プリング31を介して左端に押しつけられてランド部46が
ドレンポート48を閉じる。その結果、油路27と50が連通
して油圧クラッチに調圧弁26で調整された高圧が直接、
油圧クラッチに切換弁51を経て供給されクラッチを直結
状態にする。
クラッチをスリップさせてトローリング制御するとき
は、エンジンをアイドリング状態にしてからレバー32を
操作してスプール弁30を作動し、流入ポート29及びドレ
ンポート48の絞りの一方を開き、他方を閉じる方向に制
御して流出ポート49から出てクラッチに供給されるクラ
ッチ油圧を制御することによってクラッチにスリップを
与えてプロペラを設定した低速回転に維持する。この
際、出力軸18の回転速度が遠心ガバナ41で、油圧の形で
検出され、その油圧がスプール弁30の左端から作用し
て、出力軸18の回転速度を設定値に維持するようにクラ
ッチ油圧を制御する。即ち、回転速度が増大すると、遠
心ガバナの重錘54が遠心力のため外方に移動してスプー
ル弁55を軸心に向ける結果、ランド部56がドレンポート
60を絞って、油路59から遠心ガバナ41を経て、油路42よ
り油圧制御弁28に左方から与える油圧を増加させてスプ
ール弁30を右方向に移動させるため、流入ポート29を絞
ってクラッチ供給油圧を減少し、クラッチのスリップ率
を増大して、出力回転速度を減少させる。又、逆に出力
回転速度が減少するときはクラッチ供給油圧を増大し、
クラッチのスリップ率を減少して、出力回転速度を増加
する。このように遠心ガバナは、回転速度を油圧で検出
して、出力回転速度を常に設定値に維持するように作用
するものである。
主機関の駆動状態のもとで油圧クラッチを係合するとき
は、その係合シヨックを防ぐために従来は調圧弁29に昇
圧機構61を設けていた。これは切換弁51の切換作動に連
動して切換られた油圧クラッチに圧油を供給するととも
に、油路62を分岐して、途中、絞り671を経て昇圧弁68
にも与えられ、調圧弁26の調整圧を徐々に昇圧して油路
27から油圧制御弁28及び切換弁51を経て油圧クラッチ4
又は6に供給することによってクラッチの係合シヨック
を防止するようになっている。絞り671と並列させて設
けた逆止弁672はクラッチの切換えの際、昇圧弁68の中
の圧油をすみやかに排出する作用をするものである。
エンジンの回転速度を落としてアイドリング状態に入る
と、エンジンのピストンの上下駆動がクランク軸に、フ
ライホイールでは吸収できない回転振動を起こして、こ
れに接続する減速逆転機の歯車が異音、いわゆるガラ音
を発生し、騒音発生の要因になるとともに歯車の損傷の
もとにもなっている。このガラ音を防止するためにはク
ラッチに微小のスリップを与えることが最良の解決方法
で、従来はエンジンのアイドリングを油圧ポンプの吐出
圧の低下を開閉弁63で検出して、低圧調圧弁64を作動す
ることによってクラッチ供給油圧を下げてクラッチにス
リップを与えている。
(発明が解決しようとする問題点) 舶用減速逆転機に対する従来のクラッチ油圧制御装置は
第7図に示す如く、油圧制御弁28、調圧弁26、昇圧機構
61、切換弁51、遠心ガバナ41、開閉弁63、低圧調圧弁64
など多数の操作弁から構成されており、上記の如く作動
も複雑で、操作も容易でないものである。又、油圧配管
系統も多くて油漏れや、詰まりなどによる故障もあり、
保守に手間取る欠点がある。
(問題を解決するための手段) 上記のような問題を解決するために、本発明は、油圧ク
ラッチの係合時のクラッチの制御を、クラッチの前進、
中立、後進、トローリングなどの切換レバーの操作位置
を検出する信号と、主機関及び出力軸の回転速度検出信
号を入力して、前進、中立、後進を切換える電磁切換弁
と、クラッチ油圧を制御する比例電磁弁を操作する信号
を出力する制御装置とを設けて、上記レバー操作によっ
てクラッチ油圧が自動的に所要のパターンにそって制御
されるようにしたものである。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例を示す、舶用減速逆転機の油
圧クラッチ制御装置の回路図を含む簡単な構成を示した
ものである。従来と同じ構成部分については同一の番号
を付けて説明を省略する。第1図において、前進用油圧
クラッチ4及び後進用油圧クラッチ6への圧油は、油圧
ポンプ69によって油溜70から、途中、調圧弁71で所定の
圧に調整されて油路72を通って比例電磁弁73に供給され
る。この比例電磁弁73で制御された圧油は油路74を通っ
て、途中、電磁切換弁75で前進用油圧クラッチ4へは油
路76に、後進用油圧クラッチ6へは油路77にそれぞれ切
換えられて供給されるように構成されている。78は前
進、中立、後進、トローリングなどの切換装置でレバー
79を操作することによってなされ、この切換装置と連動
してそれぞれの切換えを検出する図示してない切換検出
スイッチからの切換信号は信号ライン80を経て制御装置
81に与えられる。
一方、主機関回転速度検出器82及び出力軸回転速度検出
器83からの速度信号84及び85が制御装置81に与えられ
て、上記比例電磁弁73の制御信号86及び電磁切換弁75へ
の切換信号87を出力するように構成されている。
第3,4,5及び6図は、本発明のクラッチ油圧制御方法に
よる油圧クラッチ係合時に、クラッチ油圧が、与えられ
たエンジン回転速度にもとづいて制御されるパターンを
示したものである。第3図は、この油圧制御の基本パタ
ーンを示したもので、縦軸にクラッチ油圧を、横軸に経
過時間を目盛り、時間の経過とともにクラッチ供給油圧
がどのように変化させられるかを示したものである。こ
の図に示す如くクラッチの係合指令信号が発せられる
と、微小時間t1秒までやや最高圧力Pmより低めの初期圧
力P1が供給される。これはクラッチのピストン室に、こ
のピストンがクラッチ板を係合するまでに戻しスプリン
グに抗して軸方向に移動する容量に相当する量の圧油を
すみやかに供給することを目的とするもので、約1〜2
秒位の短時間である。又、このときの供給油圧は、最高
圧力Pmより低めの任意の一定値に、例えば、クラッチ油
を供給する油圧ポンプが機関駆動である場合には、機関
がアイドリングのときに供給可能な油圧ポンプ吐出圧力
範囲内で設定することが望ましい。
前記初期圧力P1を供給しt1秒経過したらすみやかに下
げ、次いで、線分pbに沿って時間t2まで徐々に供給油圧
を上昇し、中間圧力P2に達したならば、この中間圧力P2
を時間t4まで保持する。この間にクラッチはスリップし
ながら、時間t2とt4の中間位のt3になったとき係合する
ように、後述するようにして決められた油圧P2に対し
て、クラッチ係合時のエンジン回転速度に関係なく一定
の時間t4が決められる。時間t4で供給油圧はP2から最大
供給油圧のPmに増加してクラッチの係合を余裕を持った
ものとする。
圧力P1を与えたときのピストン室に於ける初期の充油段
階のクラッチ油圧は点線poで示したように変化し、次い
で、上記の如くP2まで徐々に昇圧し、クラッチ係合時の
主機関回転速度に対応した油圧クラッチの負荷トルクを
伝達するために必要とするクラッチ油圧よりも、僅かに
高く設定した一定の中間圧力P2のもとでクラッチの係合
を完了するようにしているのでクラッチの係合シヨック
を防止することができる。
第3図のクラッチの伝達トルク変動曲線Taが示す如くク
ラッチのスリップの減少とともに増加して、クラッチが
係合する寸前になるとクラッチ板の摩擦係数の急激な増
加のため、伝達トルクが係合の寸前(t2〜t3)で直結時
の伝達トルクT1を越えてT2まで急増することが係合シヨ
ックの原因となっており、このトルクの急増を低くおさ
えるために中間圧力P2をクラッチ係合時の負荷トルクに
見合ったトルクを伝達する必要最小限のクラッチ油圧よ
り僅かに高く維持するようにしてある。
第4図は、第3図と同様のクラッチ油圧の制御パターン
を示したものであるが、クラッチ油圧の昇圧勾配をクラ
ッチ係合時のエンジンの回転速度によってパターンを変
えることを示したもので、本発明の特徴である。エンジ
ンの回転速度が高い程、クラッチの所要伝達トルクも大
きいことから、クラッチ係合時のエンジンの回転速度に
関係なくクラッチの係合時間をほぼ一定に維持するため
に、クラッチ係合時の機関回転速度に正比例させた油圧
上昇勾配の制御パターンを与えるようにしてある。初
め、0〜t1時間に最高圧力Pmより低めの初期圧力P1を供
給することはすべてのパターンに共通であるが、これに
次ぐ昇圧パターンでは、クラッチ係合時の機関回転速度
により、その回転速度が高いときは線分p′bの如く急勾
配に、低いときはp″bの如く緩い勾配にし、これに次ぐ
中間の設定圧力では、クラッチ係合時の回転速度が高い
ときは高めのP′2に、低いときは低めのP″2にする。最
後に時間t4で最高圧力Pmにすることはすべてのパターン
において同様である。
このように昇圧制御することによってクラッチは、エン
ジンの回転速度に関係なく、昇圧パターンの線分P′b
P″bと設定圧P′2、P″2の線分とそれぞれ交叉する時間
t5、t6からPmに切換わる時間t4に至る間で係合するよう
に昇圧パターンを決めることができる。このようにクラ
ッチ係合時の機関回転速度によって昇圧パターンのみを
きめて、その他の条件をクラッチ係合時の機関回転速度
に関係なく同一にしたので油圧制御を容易にすることが
できる。
第5図はエンジンがアイドリングの下でクラッチを係合
するときの昇圧パターンを示したもので、初期油圧P1
び昇圧パターンpcは前記の場合と同一に制御されるよう
にしてあるが、アイドリングのときはエンジンの出力軸
の回転変動による減速逆転機の歯車のガラ音の発生を防
止するために、常にクラッチが微小のスリップを維持す
るように、エンジンの回転速度に比例した所定のスリッ
プ油圧に維持するため、昇圧の線分pcがこのスリップ圧
力Psと交叉する時間t7以降は、この圧力Psに保持するよ
うになっている。
第6図は、エンジンがアイドリングのとき、クラッチを
トローリング制御のもとで係合するときのクラッチ油圧
の制御パターンを示したものである。トローリング制御
とは船の微速度運転を得るためにクラッチにスリップを
与えて、出力軸回転速度をエンジンのアイドリング時の
回転速度よりも低くすることで、出力軸回転速度の検出
信号と、その設定信号との偏差信号をPID調整した信号
によってクラッチのスリップを制御することによってな
される。第6図の曲線paは、この信号によって与えられ
たクラッチ供給油圧で、トローリング制御油圧である。
初期油圧P1と昇圧の線分pdは上記のアイドリングの場合
と同一のパターンであるが、pdがpaを越えるとpaに切換
えられてクラッチはスリップして設定回転速度naに維持
される。
係合指令を発した初期の出力軸回転速度の変化は第6図
の上部に示す如く初めのうちは増加し、設定の速度na
達するとこの速度に維持される。このときトローリング
制御油圧Paの変化は下部に点線で示した如く、初め、波
状に変動して、その後、一定値に落着いて出力軸回転速
度も安定する。
上記したようにクラッチを係合するとき、クラッチのス
リップ率が広い範囲にわたり変化し、エンジンの回転速
度が高い場合、大きな摩擦熱を発生し、クラッチ板が焼
損するようなことがある。このようなクラッチ板の焼損
をさけるために本発明では、エンジンが許容回転速度を
越えるときは、トローリング時を除いて、クラッチをス
リップ係合する間、エンジンの回転速度をこの許容回転
速度に維持するようエンジンのスロットルレバーを制御
するようになっている。
上記したようなパターンでクラッチ油圧を制御するため
の電子制御回路の一実施例を第2図に示す。
前進用クラッチ又は後進用クラッチの切換レバーを操作
してクラッチの係合指令信号88を制御装置81に入力する
と、この信号88はオン・オフ信号に変えられて、初期油
圧P1を出力する油圧P1出力制御回路89と、最大油圧Pm
出力する油圧Pm出力制御回路90に2分して与えられる。
まず、油圧P1出力制御回路89からP1設定信号91を出力し
て最大値選択器92を経て、此の最大値P1が選択されてP1
を出力信号93として、クラッチ油圧を制御する比例電磁
弁73に出力する。従って、比例電磁弁73を経てクラッチ
に与えられる油圧はP1に調整される。同時に油圧Pm出力
制御回路90は信号88を受けて、これまで出力されていた
油圧Pmの信号を断つように作動する。又、同時に油圧pb
出力制御回路94がエンジン回転速度検出信号95を受けて
それを積分し、徐々に増大する信号pbとして信号96を出
力する。この信号96は最小値選択器97を経て、最小値と
して選択され、信号98として最大値選択器99に与えられ
る。この最大値選択器99にはまだ油圧Pm出力制御回路90
からのPmの信号100が出力されていないので、上記の信
号98が選択されて信号101として最小値選択器102に与え
られる。この際、エンジンのアイドリング及び油圧クラ
ッチのトローリング制御がなされていなければ、上記の
pbの信号101が選択されて信号103として最大値選択器92
に与えられる。この最大値選択器92には同時にP1の信号
91が入力しており、これが選択されて信号93として出力
されているが、短い所定の時間が経過すると、遅延回路
が作動して出力制御回路89からのP1の出力信号91が切れ
ると、最大値選択器92はpbの信号103を信号93として比
例電磁弁73に出力してクラッチ供給油圧を徐々に昇圧し
ていく。しかし、pb出力制御回路94からpbの信号96が増
大してきて、同様に、エンジン回転速度検出信号95を受
けて中間の圧力P2を出力する油圧P2出力制御回路105か
らの信号104を越えると、最小値選択器97は出力信号98
をpbの信号96からP2の信号104に切換えて選択し、P2
信号93から出力してクラッチ供給油圧を昇圧状態からP2
の一定圧力に切換えて制御する。この間に、クラッチは
スリップ状態から直結状態に移り、係合を完了し、その
後、係合信号を受けてから一定時間経過したとき遅延回
路が作動して油圧Pm出力信号制御回路90からPmの信号10
0を出力すると、選択器99,102及び92は、この信号100を
選択して出力し、クラッチ供給油圧を最大圧力Pmに切換
えてクラッチの係合を完全にする。
このようにして通常のエンジンの運転状態のときはクラ
ッチ係合油圧を制御するが、エンジンがアイドリング状
態のもとにあるときは、初期油圧P1及び昇圧pcの制御
は、上記の場合と同様にして与えられるが、アイドリン
グ時、減速逆転機の歯車に発生するガラ音を防止するた
めに、エンジン回転速度検出信号95によりアイドリング
制御回路106がアイドリング範囲を検出するときは、エ
ンジン回転速度に比例した僅かに低い回転速度を維持す
るためのスリップ圧力Psの信号107を出力する。この信
号107は最小値選択器108で選択されて信号109として最
小値選択器102に与えられる。この選択器102は増大する
pcの信号101を同時に受けており、この信号101がPsの信
号109を越えると出力信号103をpcからpsに切換えて、ク
ラッチ供給油圧をクラッチが直結しないような低い圧力
Psに調整して、クラッチをスリップ状態に維持する。
トローリング制御のもとでクラッチを係合するときはト
ローリング制御回路109がトローリング速度設定信号110
を受けて出力軸回転速度検出信号111と比較演算してト
ローリング信号112(pa)を最小値選択器108に出力す
る。一般に、トローリング制御の出力軸回転速度は、エ
ンジンのアイドリング時の回転速度よりかなり低いの
で、paはPsより一般に小さくなるので、この最小値選択
器108はpaを信号109として出力する。次いで、最小値選
択器102は、pdの信号101がpaの信号109を越えるときは
信号103をpdからpaに出力を切換えて、クラッチ油圧をp
aに維持し、クラッチをスリップさせて設定したトロー
リング速度を維持することによりクラッチの係合を完了
する。制御装置81に中立指令信号(図示せず)が与えら
れているときは比例電磁弁73への出力信号93の出力スイ
ッチが、上記の中立指令信号によって断たれるようにな
っている。
上記の説明ではエンジンの回転速度を特に規定しなかっ
たが、エンジンの回転速度が、スリップするクラッチに
焼損を与えるような許容回転速度以上になったときは、
エンジン制御回路113がエンジン回転速度検出信号95
と、出力軸回転速度検出信号111と、最大許容エンジン
回転速度設定信号114とを受けて、エンジンの許容回転
速度信号115を、トローリング制御の場合を除いて、ク
ラッチがスリップ制御されて係合するまで出力して、エ
ンジンスロットルレバーを切換えてクラッチの焼損を防
止するように構成されている。
上記の電子制御装置の替わりに、マイクロコンピュータ
によるプログラム制御も可能であり本発明に含まれるも
のである。
(発明の効果) 舶用減速逆転機の油圧クラッチを係合する際、クラッチ
油圧を、初め微小時間(t1)最高圧力より低めの初期圧
力P1に保持した後、すみやかに下げ、次いで係合時の主
機関回転速度に比例させた油圧勾配で徐々に昇圧し、主
機関回転速度に対応した負荷トルクに相当する伝達トル
クよりも僅かに大きいトルクを伝達できる中間圧力P2
維持し、この中間圧力P2のもとでクラッチが係合し、油
圧供給後、t4秒してから、クラッチ油圧を最高圧力Pm
保持して、クラッチの係合を完了するようにしたので、
エンジンの回転速度に関係なく、係合をスタートしてか
らほぼ一定時間後にクラッチが係合されるとともに、ク
ラッチ油圧の昇圧制御パターンも同一化され、制御装置
も簡単なものとなり、しかも係合時のシヨックが防止さ
れるという効果がある。
上記の制御はエンジンの回転速度がアイドリング以上
で、最高回転速度の半分位までの範囲を対象とし、アイ
ドリング状態での係合においては、油圧制御のパターン
を上記の場合と同様に制御するが、昇圧制御の際、この
圧力pcがクラッチが直結する寸前の油圧Psを越えると、
この圧力Psに切換えることによってクラッチを微小のス
リップ状態に維持するように制御して、ガラ音の発生と
損傷を防止するという効果を与える。
エンジンの回転速度が高くて許容回転速度を越えるとき
は、クラッチの係合が完了するまでエンジンの回転速度
を、この許容値に維持するようにしたので、クラッチ板
が過度のスリップによる焼損を受けることなく安全に、
上記トローリング同様のパターンで係合油圧が制御され
る効果がある。又、エンジンのアイドリング状態でのト
ローリング制御のもとでクラッチを係合するときは、上
記と同様の初期油圧P1と昇圧Pdを与え、その後、クラッ
チをスリップさせ、トローリングの一定回転速度を与え
る油圧paに切換えて、この圧力paに維持されるので係合
シヨックが防止されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は舶用減速逆転機の本発明の制御装置の回路図を
含む簡単な構成を、第2図は本発明の電気制御装置の一
実施例を、第3,4,5及び6図は本発明のクラッチ油圧制
御方法による油圧クラッチ係合時のクラッチ油圧の制御
パターンを経過時間と制御油圧の関係でプロットしたも
のを、及び、第7図は従来の舶用減速逆転機の簡単な構
成と制御回路を図示したものである。 1……主機関(エンジン)、2……減速逆転機4……前
進用油圧クラッチ、6……後進用油圧クラッチ、18……
推進軸、19……プロペラ、69……油圧ポンプ、70……油
溜、71……調圧弁、73……比例電磁弁、75……電磁切換
弁、78……切換装置、79……レバー、81……制御装置、
82……主機関回転速度検出器、83……出力軸回転速度検
出器、P1,P2,Pm,Ps,pa……油圧、t1,t4……経過時
間。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主機関の出力軸と船舶の推進軸との間に介
    設され、主機関の回転速度を変速してプロペラに動力を
    伝達する減速逆転機の前進用及び後進用の油圧クラッチ
    の係合に際して、クラッチ油圧を、まず、最高圧力
    (Pm)より低めの初期圧力(P1)に微小時間(t1)保持
    した後すみやかに下げ、次いで、油圧クラッチ係合時の
    主機関回転速度に比例させた油圧上昇勾配で昇圧し、主
    機関回転速度に対応したクラッチ負荷トルクを伝達でき
    るクラッチ油圧よりも僅かに高く設定した中間圧力
    (P2)に達したら、この中間圧力(P2)をクラッチサイ
    ズごとに定めた一定の時間(t4)まで保持した後、すみ
    やかに最高圧力(Pm)に昇圧するよう制御することを特
    徴とする舶用減速逆転機のクラッチ油圧制御方法。
  2. 【請求項2】主機関の出力軸と船舶の推進軸との間に介
    設され、主機関の回転速度を変速してプロペラに動力を
    伝達する減速逆転機の前進用及び後進用の油圧クラッチ
    の係合に際して、特許請求の範囲第1項記載の制御方法
    でクラッチ油圧に、初め最高圧力(Pm)より初めの初期
    圧力(P1)を与えた後、油圧クラッチ係合時の主機関回
    転速度に比例させた油圧上昇勾配で昇圧制御する段階
    で、主機関の回転速度がアイドリング状態にあるとき
    は、主機関回転速度に対応したクラッチ負荷トルクを伝
    達できるクラッチ油圧よりも僅かに高く設定した中間圧
    力(P2)の制御に移る前に、油圧クラッチが完全結合し
    ないでスリップ状態の保持を可能にするスリップ圧力
    (Ps)に切換えて、クラッチサイズごとに定めた一定の
    時間(t4)に至っても最高圧力(Pm)にしないでそのま
    まスリップ圧力(Ps)を保持するよう制御することを特
    徴とする舶用減速逆転機のクラッチ油圧制御方法。
  3. 【請求項3】主機関の出力軸と船舶の推進軸との間に介
    設され、主機関の回転速度を変速してプロペラに動力を
    伝達する減速逆転機の前進用及び後進用の油圧クラッチ
    の係合に際して、特許請求の範囲第1項記載の制御方法
    でクラッチ油圧に、初め最高圧力(Pm)より低めの初期
    圧力(P1)を与えた後、油圧クラッチ係合時の主機関回
    転速度に比例させた油圧上昇勾配で昇圧制御する段階
    で、主機関の回転速度をアイドリングの状態にしたもと
    でトローリング操作をするときは、主機関回転速度に対
    応したクラッチ負荷トルクを伝達できるクラッチ油圧よ
    りも僅かに高く設定した中間圧力(P2)の制御に移る前
    に、この中間圧力(P2)よりも低いトローリング制御圧
    力(Pa)に切換え、これ以降はトローリング制御圧力に
    維持するよう制御することを特徴とする舶用減速逆転機
    のクラッチ油圧制御方法。
  4. 【請求項4】主機関の出力軸と船舶の推進軸との間に介
    設され、主機関の回転速度を変速してプロペラに動力を
    伝達する減速逆転機の前進用及び後進用の油圧クラッチ
    の係合に際して、特許請求の範囲第1項記載の制御方法
    でクラッチ油圧に、初め最高圧力(Pm)より低めの初期
    圧力(P1)を与えた後、油圧クラッチ係合時の主機関回
    転速度に比例させた油圧上昇勾配で昇圧し、次いで主機
    関回転速度に対応したクラッチ負荷トルクを伝達できる
    クラッチ油圧よりも僅かに高く設定した中間圧力(P2
    に保持する際、クラッチ板が焼損を受けない程度のスリ
    ップ率を維持するように、主機関の回転速度をこのスリ
    ップの間減少するよう制御することを特徴とする舶用減
    速逆転機のクラッチ油圧制御方法。
  5. 【請求項5】主機関の出力軸と船舶の推進軸との間に介
    設され、主機関の回転速度を変速してプロペラに動力を
    伝達する減速逆転機において、前進用油圧クラッチ又は
    後進用油圧クラッチに圧油を選択的に切換えて供給する
    電磁切換弁と、この供給油圧を制御する比例電磁弁と、
    減速逆転機の出力軸の回転速度を検出して対応する速度
    信号を出力する出力軸回転速度検出器と、主機関の回転
    速度を検出して対応する速度信号を出力する主機関回転
    速度検出器と、切換装置と連動して中立、前進、後進及
    びトローリングの切換えを検出し、対応する切換信号を
    出力する切換検出スイッチと、トローリング時の推進軸
    回転速度を設定する出力軸回転速度設定器と、前記切換
    検出スイッチからの切換信号、主機関回転速度検出器か
    らの速度信号、出力回転速度検出器からの速度信号及び
    出力軸回転速度設定器からの設定信号を受け比例電磁へ
    の操作信号を出力する制御装置とを設けて、前記比例電
    磁弁により油圧クラッチに供給されるクラッチ油圧を、
    まず最高圧力(Pm)より低めの初期圧力(P1)に微小時
    間(t1)保持した後すみやかに下げ、次いで、油圧クラ
    ッチ係合時の主機関回転速度に比例させた油圧上昇勾配
    で昇圧し、主機関の回転速度がアイドリング以上である
    ときは、主機関回転速度に対応したクラッチ負荷トルク
    を伝達できるクラッチ油圧よりも僅かに高く設定した中
    間圧力(P2)に達したら、この中間圧力(P2)を一定の
    時間保持した後、すみやかに最高圧力(Pm)に昇圧する
    ように、また、主機関の回転速度がアイドリングのとき
    は前記昇圧過程から、前記中間圧力(P2)より低くクラ
    ッチがスリップ状態を保持するスリップ圧力(Ps)に維
    持し、また、トローリング操作がなされたときは前記中
    間圧力(P2)よりも低いトローリング制御圧力(Pa)を
    維持するように制御することを特徴とする舶用減速逆転
    機のクラッチ油圧制御装置。
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