JPH0767690A - クロマン誘導体の製造法 - Google Patents

クロマン誘導体の製造法

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JPH0767690A
JPH0767690A JP24391493A JP24391493A JPH0767690A JP H0767690 A JPH0767690 A JP H0767690A JP 24391493 A JP24391493 A JP 24391493A JP 24391493 A JP24391493 A JP 24391493A JP H0767690 A JPH0767690 A JP H0767690A
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enzyme
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alkyl group
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JP24391493A
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English (en)
Inventor
Kazuo Achinami
一雄 阿知波
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Amano Enzyme Inc
Original Assignee
Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光学活性なクロマン誘導体を合成する方法を提
供する。 【構成】ラセミ体のクロマン誘導体に酵素を作用させ、
2位の立体構造に対して不斉加水分解を行い光学活性体
を得る。本発明により光学純度、収率共に満足できる光
学活性クロマン誘導体を得ることができ、当該光学活性
体より光学活性なα−トコフェロール(ビタミンE)を
効率よく合成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】α−トコフェロール(ビタミン
E)は、強い抗酸化作用を有していて、人体への害、特
に発癌を引き起こす原因の一つとされている活性酸素種
のスカベンジャーとして有用であることが見いだされて
いる。
【0002】
【従来の技術】現在使用されているα−トコフェロール
のほとんどは合成品で3ヶの不斉炭素原子がすべてラセ
ミ体の8種類の異性体の混合物である。
【0003】ビタミンEの活性はクロマン環の2位の立
体が重要である。2位の光学活性体の合成はRobeson等
のピペラジン塩にしての分割[J. Am. Chem. Soc.,84,3
196(1962)]やKarrer等による3-Bromo-campher-8-sulfo
nateにしての分割[Helv. Chem. Acta.,46,333(1963)]
が報告されている。
【0004】又、コレステロールエステラーゼを用い
て、胆汁の存在下にα−トコフェロールのアセテートを
不斉加水分解する方法[J. Am. Chem. Soc.,113,2797(1
991)]が報告されている。しかし、この方法においては
2位の不斉加水分解について、反応速度の違いを示して
いるのみで、実際に得られたものの光学純度等は記載さ
れていない。又、胆汁などの両親媒性物質を含むために
後処理が困難となり、工業的方法とは言えない。
【0005】
【課題が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
述べた従来の方法は操作は繁雑で収率も悪く、かつ光学
純度においても満足できるものではなく、より収率の良
い方法の開発が望まれていた。本発明者は鋭意検討した
結果、酵素を用いる不斉加水分解反応により、極めて高
い純度で光学活性体を得ることができる有用な方法を見
いだした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はより実用的な方
法を検討した結果、一般式[IV]
【0007】
【化10】
【0008】においてR3、R4、R5が水素の場合
(R1、R2は一般式[I]と同じ)を基質として酵素に
よる不斉加水分解を行うことにより、高い光学純度の光
学活性体を得ることができ、本方法は工業的にも有用な
方法であることを見い出し、ここに本発明を完成した。
【0009】即ち、加水分解酵素による不斉分割の基質
に適するクロマン化合物としては、一般式[I]
【0010】
【化11】
【0011】[式中、R1はアシル基、アルコキシオキ
ザリル基又はアミノオキザリル基、R2はメチル基以外
のアルキル基又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素
原子又は2ヶの水素原子を示す。]で表されるクロマン
化合物を用いて、立体選択的に加水分解して、一般式
[II]
【0012】
【化12】
【0013】及び一般式[III]
【0014】
【化13】
【0015】[式中、R1はアシル基、アルコキシオキ
ザリル基又はアミノオキザリル基、R2はメチル基以外
のアルキル基又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素
原子又は2ヶの水素原子を示し、*は光学活性点を示
す。]で表されるクロマン化合物を生成し、その不斉収
率、反応効率共に満足する結果を得ることができた。
【0016】以下に、本発明を詳細に説明する。前記一
般式[I]、[II]及び[III]で表される化合物にお
いて、R1はアシル基(例えばアセチル基、プロピル基
等)、アルコキシオキザリル基(例えばメトキシ−オキ
ザリル基、エトキシ−オキザリル基、t−ブトキシ−オ
キザリル基等)及びアミノアキザリル基(例えばジメチ
ル−アミノオキザリル基やジエチル−アミノオキザリル
基等)であり、R2はメチル基以外のアルキル基(例え
ば4,8,12−トリメチルトリデシル基、4,8−ジメチルノ
ニル基、4−メチルペンチル基等)であり、Xは酸素原
子又は2ヶの水素原子を示す。
【0017】本発明に用いる酵素としては、上記一般式
[I]で表されるプロキラルなクロマン化合物から上記
一般式[II]、[III]で表される光学活性クロマン化
合物を生成させる活性を有する酵素ならいかなるもので
もよいが、具体的にはカンジダ(Candida)属に属する
微生物由来のリパーゼ、例えばリパーゼAY(商品名:天
野製薬社製,Candida rugosa由来)、リパーゼOF(商品
名:名糖産業製,Candida cylindracea)、リパーゼMY
(商品名:名糖産業製、Candida cylindracea)等やム
コール(Mucor)属に属する微生物由来のリパーゼ、例
えばリパーゼM(商品名:天野製薬製、Mucor javanicu
s由来)等が利用できる。この用いられる酵素は粗製品
であっても、精製されたものであってもよい。又、これ
らの酵素を生産する菌体も利用できる。
【0018】本発明の反応は通常、0〜40℃で1〜120
時間で行い、反応系に酵素が分散するように行うのが好
ましい。又、このようなリパーゼはそのまま用いてもよ
いが、適当な担体に固定して固定化リアクターとして使
用してもよい。
【0019】本発明の反応は、通常は水を含む有機溶媒
中で行われる。使用する有機溶媒としては、特に制限さ
れたものではないが、例えばクロロホルム、ベンゼン、
アセトン、アセトニトリル等を挙げることができる。反
応終了後に酵素は、常法に従って、例えばろ紙を用いた
ろ過等で簡単に除くことができる。反応生成物は、例え
ば水を多く含む場合にはクロロホルム、ベンゼン、ジエ
チルエーテル等で抽出、分離できる。更に反応生成物は
例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィー等を用いて
容易に精製できる。
【0020】また、酵素による不斉加水分解反応によっ
て生成した一般式[II]
【0021】
【化14】
【0022】は再び反応系に用いることができる。即
ち、Xが2個の水素原子の場合にはアセチル化した後、
さらに酸化し一般式[V]
【0023】
【化15】
【0024】とし、次いでラセミ化と還元して酵素反応
の基質として再度利用することができ、Xが酸素原子の
場合にはそのままラセミ化して再利用することができ
る。
【0025】以下、実施例により本発明をより具体的に
詳述するが、本発明はこれに限定されたものではない。
【0026】
【実施例】
実施例1 実施例1における反応式において各化合物に番号を割り
当てて表示した。
【0027】
【化16】
【0028】 (6R,10R)-phyton(3)の合成 (7R,11R)-phytol(2)[αD 20+0.12°(neat)]の180mg(0.
61mmol)をアセトン5mlに溶かし、過マンガン酸カリウ
ム350mgを水10mlとアセトン10mlに溶かしたものを室温
下ゆっくり加えた後、オイルバスにて50℃に加熱する。
1時間攪拌し室温に戻した後、エーテル30mlを加え濾過
し、さらに水50mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム
にて脱水する。濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフ
ィー(メチレンクロライド)にて精製し、淡黄色液体(6
R、10R)-phytone(3)を得た。
【0029】収量 :122mg(75%) MSm/z :268(M+1 H-NMR(CDCl3) δ:0.83-0.88(12H,m,2×CH3),1.05-
1.70(19H,m,8×CH2,3×CH),2.13(3H,s,αCH3),2.40(2H,
t,J=10Hz,αCH2) IR(neat)cm-1 :2900(C−H),1720(C=O)
【0030】 (7R,11R)-isophytol(4)の合成 エーテル5mlをアセトンバスにて−50〜60℃に冷やし、
ビニルブロマイド160mg(1.5mmol)を加える。その温度
でt−BuLi(1.5mol)2.6mlをゆっくり加えた後、0℃
まで昇温し3時間攪拌する。0℃にてで得られた(6R,
10R)-phytone(3)の130mg(0.49mmol)をエーテル10mlの
溶液を加え、さらに1時間攪拌する。その後50%水、メ
タノール20mlをゆっくり加え、室温に戻しエーテル30ml
と水30mlを加えエーテル層を分液し、さらに水30mlで2
回洗浄する。無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮残渣
の淡黄色液体(7R,11R)-isophytol(4)を得た。
【0031】収量 :135mg(94%) MSm/z :296(M+1 H-NMR(CDCl3) δ:0.83−0.88(12H,m,4×CH3),1.04
−1.55(24H,m,9×CH2,3×CH,=C−CH3),5.03(1H,d,J=4.2
Hz,cis),5.20(1H,d,J=7Hz,trans),5.91(1H,dd,J=4.2,7
Hz,vinylH)
【0032】 (2RS,4'R,8'R)-tocol(RS-6)の合成 hydroquinone(5) 3.7g(34mmol)と、で得られた(7R,
11R)-isophytol(4) 5g(17mmol)をエーテル10mlに溶
かし、室温で三フッ化ホウ素エーテラート10mlを加え
る。そのまま10時間攪拌した後、水10mlで3回洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで脱水し濃縮後、シリカゲルクロ
マトグラフィー(メチレンクロライド)で精製し、淡黄
色粘稠液の(2RS,4'R,8'R)-tocol(RS-6)を得た。
【0033】収量 :4.6g(70%) MSm/z :388(M+1 H-NMR(CDCl3 δ:0.08-0.88(12H,m,4×CH3),1.04-
1.65(24H,m,9×CH2,3×CH,2位CH3),1.65-1.90(2H,m,3位
CH2),2.69(2H,t,J=4.4Hz,4位CH2),4.53(1H,s,OH),6.53-
6.66(3H,m,Ar-H)
【0034】 (2RS,4'R,8'R)-tocol acetate(RS-7)
の合成 で得られた(2RS,4'R,8'R)-tocol(RS-6) 100mg(0.26m
mol)をTHF5mlに溶かし、アセチルクロライド30mg(0.
39mmol)を加え、氷冷下トリエチルアミン40mg(0.4mmo
l)をゆっくり加える。直ちに塩酸塩が析出してくる。
室温に戻し、1時間攪拌した後、エーテル20mlと水30ml
を加え、分液しエーテル層を水30mlで3回洗浄する。無
水硫酸マグネシウムで脱水し濃縮残渣として淡赤褐色粘
稠液の(2RS,4R',8'R)-tocol acetate(RS-7)を得た。
【0035】収量 :110mg(99%) MSm/z :430(M+) HPLCで(R-7),(S-7)の分離を行った。
【0036】<HPLC条件> カラム:Chiralcel OD−H 溶媒 :ヘキサン/2−プロパノール=800/1 流速 :1.0ml/min 検出 :290nm(UV) (2R,4'R,8'R)-tocol acetate(R-7)のRt 14.6分 (2S,4'R,8'R)-tocol acetate(S-7)のRt 16.3分
【0037】 (2R,4'R,8'R)-tocol acetate(R-7)及
び(2S,4'R,8'R)-tocol(S-6)の酵素による不斉加水分解
による製造
【0038】で得られた(2RS,4'R,8'R)-tocol acetat
e(RS-7) 100mg(0.23mmol)を水飽和イソプロピルエー
テル10mlに溶かし、リパーゼAY(商品名:天野製薬製)
100mgを加える。室温で1時間攪拌した後、濾過し酵素
を除き濾液を濃縮しR-7とS-6のまじりを得る。シリカゲ
ルクロマトグラフィー(メチレンクロライド)にて精製
分離し光学活性な(R-7)と(S-6)を得た。
【0039】(2R,4'R,8'R)-tocol acetate(S-7)の収率
及び光学純度 収率 :32mg(32%) 光学純度 :>99%ee
【0040】(2S,4'R,8'R)-tocol(S-6)の収率及び光学
純度 収率 :54mg(60%) 光学純度 :38%ee 尚、光学純度は、HPLCで求め、(R-7)は直接、(S-6)はア
セチル化した後に測定した。
【0041】 d-α-tocopherol(R-1)の製造 で得られた(2R,4'R,8'R)-tocol acetate(R-7) 100mg
(0.23mmol)をホウ酸トリメチル5mlに溶かし、パラホ
ルムアルデヒド 100mg、ホウ酸 100mg、パラジウムカー
ボン 50mgを加え、オートクレーブにて水素圧 50kg/cm
2をかけ、190〜200℃に加熱する。2日後、目的物の生
成は僅かだったので、さらにパラホルムアルデヒド100m
g、ホウ酸100mgを加え反応を続けた。3日後、さらに10
0mgずつ追加し反応を続け、4日後はほぼ目的物へ変換
されていた。反応液にエーテル30mlを加え、水30mlで3
回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮しカ
ラムクロマトグラフィー(メチレンクロライド)で生成
し、d-α-tocopherol(R-1)を得た。
【0042】収率 :72mg(72%) MSm/z :430(M+)1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.82-0.88(12H,m,4×CH3),1.07-
1.60(24H,m,9×CH2,3×CH,2位CH3),1.72-1.85(2H,m,3位
CH2),2.10-2.18(9H,m,3×Ar-CH3),2.60(2H,t,J=7Hz,4位
CH2),4.175(1H,s,OH) また、HPLCで標準品のd-α-tocopherolと一致した。
【0043】<HPLC条件> カラム:Chiralcel OD−H 溶媒 :ヘキサン/2−プロパノール=2000/1 流速 :1.0ml/min 検出 :290nm(UV) d-α-tocopherolのRtは41.9分 l-α-tocopherolのRtは38.5分
【0044】 (2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-10)の合
成 で得られた(2S,4'R,8'R)-tocol(S-6) 150mg(0.39mmo
l)をアセチルクロライド及び、トリエチルアミンによ
りアセチル化した後、得られたtocol acetateを酢酸10m
lに溶かし、重クロム酸ソーダ360mg(1.2mmol)を加え
る。オイルバスにて120℃に加熱し2時間還流し冷却
後、エーテル30mlと水30mlを加え分液し、エーテル層を
水30mlで3回洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥し
濃縮残渣として(2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-10)を得
た。
【0045】収率 :168mg(95%)1 H−NMR(CDCl3) δ:0.83-0.90(12H,m,4×CH3),1.00-
1.76(24H,m,9×CH2,3×CH,2位CH3),2.68(2H,dd,J=17Hz,
3位CH2),4.88(1H,s,OH),6.80-7.29(3H,m,Ar-H)
【0046】 (2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-10)のラ
セミ化と還元 で得られた(2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-10) 30mg(0.
068mmol)をエタノール5mlに溶かし、直前に調製して
おいた0.1Nナトリウムエトキシド3mlを加える。オイ
ルバスにて還流させ3時間攪拌し、冷却後、希塩酸で中
和させエーテル30mlで抽出し水30mlで3回洗浄する。無
水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮後、HPLCによりラセミ
化を確認した。そのままメタノール10mlに溶かし、氷冷
下ナトリウムボロハイドライド10mgをゆっくり加え、室
温に戻し17時間攪拌する。その後希塩酸で酸性にしエー
テル30mlで抽出し水30mlで3回洗浄する。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後濃縮し、そのままメタノール10mlに溶
かしパラジウムカーボン10mgを加え、常圧水素下、接触
還元を行った。室温3日攪拌後、濾過し濃縮した後、シ
リカゲルクロマトグラフィー(メチレンクロライド)で
精製し(2RS,4'R,8'R)-4-tocol(RS-6)を得た。
【0047】収率 :18mg(72%) MSm/z :388(M+1 H−NMR(CDCl3) δ:0.08-0.88(12H,m,4×CH3),1.04-
1.65(24H,m,9×CH2,3×CH,2位CH3),1.65-1.90(2H,dd,J=
17Hz,3位CH2),2.69(2H,J=4.4Hz,4位CH2),4.53(1H,s,O
H),6.53-6.66(3H,m,Ar-H)
【0048】 で得られたラセミ体を用いてから
の工程によりd-α-tocopherolを製造した。
【0049】実施例2 実施例2における反応式において各化合物に番号を割り
当てて表示した。
【0050】
【化17】
【0051】 (2RS,4'R,8'R)-4-oxotocol(RS-8)の合
成 2,5-dihydroxyacetophenone(9) 100mg(0.66mmol)をト
ルエン10mlに溶かし、(7R,11'R)-phytone(3) 182mg(0.
68mmol)とピロリジン75mg(1.06mmol)を加え室温で45
分攪拌する。その後オイルバスにて130℃に加熱し3時
間還流させる。冷却後、エーテル30mlを追加し、希塩酸
で洗浄しさらに水洗する。無水硫酸マグネシウムで乾燥
後濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(メチレンク
ロライド)で精製し赤褐色粘稠液体の(2RS,4'R,8'R)-4-
oxotocol(RS-8)を得た。
【0052】収率 :190mg(72%) MSm/z :402(M+1 H−NMR(CDCl3) δ:0.83−0.88(12H,m,4×CH3),1.00-
1.75(24H,m,9×CH2,3×CH,2位CH3),2.68(2H,dd,J=17Hz,
3位CH2),4.90(1H,s,OH),6.82-7.29(3H,m,Ar-H)
【0053】 (2RS,4'R,8'R)-4-oxotocol acetate(R
S-10)の合成 で得られた(2RS,4'R,8'R)-4-oxotocol(RS-8) 140mg
(0.35mmol)をエーテル5mlに溶かし、アセチルクロラ
イド33mg(0.42mmol)を加え、氷冷下トリエチルアミン
42mg(0.42mmol)をゆっくり滴下する。直ちに塩酸塩が
析出してくる。その後室温に戻し、1時間攪拌する。エ
ーテル20mlを追加し水30mlで3回洗浄し無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮し(2RS,4R',8'R)-4-oxotocol ace
tate(RS-10)を得た。
【0054】収率 :150mg(97%) MSm/z :444(M+) IR(neat)cm-1 :1760,1695(C=O) HPLCで(R-10),(S-10)の分離を行った。
【0055】<HPLC条件> カラム:Chiralcel OD 溶媒 :ヘキサン/2−プロパノール=200/1 流速 :1.0ml/min 検出 :254nm(UV) (R-10)のRtは12.5分,(S-10)のRtは14.1分
【0056】 (2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-8)及び(2
R,4'R,8'R)-4-oxotocol acetate(R-10)の酵素による不
斉加水分解による製造
【0057】で得られた(2RS,4'R,8'R)-4-oxotocol a
cetate(RS-10) 100mg(0.23mmol)を水飽和イソプロピ
ルエーテル10mlに溶かし、リパーゼM(商品名:天野製
薬製)100mgを加える。室温で24時間攪拌した後、濾過
して酵素を除き濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィ
ー(メチレンクロライド)にて分離精製し、光学活性の
(2S,4'R,8'R)-4-oxotocol acetate(S-8)と(2R,4'R,8'R)
-4-oxotocol acetate(R-10)を得た。
【0058】(2R,4'R,8'R)-4-oxotocol acetate(R-10)
の収率及び光学純度 収率 :40mg(40%) 光学純度 :74%ee
【0059】(2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-8)の収率及び
光学純度 収率 :50mg(55%) 光学純度 :40%ee 尚、光学純度は、HPLCで求め(S-8)はアセチル化し(S-1
0)とした後、測定した。
【0060】 d-α-tocopherol(1)の製造 で得られた(2R,4'R,8'R)-4-oxotocol acetate(R-10)
80mg(0.18mmol)をメタノール10mlに溶かし、氷冷下ナ
トリウムボロハイドライド20mg(3eq)を少しずつ加え
る。室温に戻し、17時間攪拌した後、希塩酸で中和しエ
ーテル30mlで抽出する。水30mlで3回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮する。残渣をメタノール
10mlに溶かし、パラジウムカーボン10mgを加え、常圧水
素で3日接触還元する。濾過後濃縮し得られたトコール
アセテート[収率:58mg(75%)]を、トリメチルホウ酸
10mlに溶かし、パラホルムアルデヒド60mg,ホウ酸60mg,
パラジウムカーボン10mgを加え、オートクレーブで水素
圧50kg/cm2、200℃にて反応させる。4日後エーテル30
mlを加えて水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(メチレンク
ロライド)で精製しd-α-tocopherol(1)を得た。
【0061】収率 :43mg(tot,56%) HPLCにてラセミ化していないことを確認した。 MSm/z :430(M+)1 H−NMR(CDCl3) δ:0.80-0.87(12H,m,4×CH3),1.06-
1.60(24H,m,9×CH2,3×CH,2位CH3),1.72-1.86(2H,m,3位
CH2),2.11-2.18(9H,m,3×Ar-CH3),2.61(2H,t,J=7Hz,4位
CH2),4.178(1H,s,OH)
【0062】 (2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-8)のラセ
ミ化 で得られた(2S,4'R,8'R)-4-oxotocol(S-8) 30mg(0.0
8mmol,40%ee)をエタノール5mlに溶かし、直前に調製
しておいた0.1Nナトリウムエトキシド5mlを加えた後
3時間還流する。冷却後希塩酸で中和しエーテル20mlで
抽出する。水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
濃縮して(RS-8)を得た。
【0063】収率 :29.6mg(99%) HPLCにてラセミ化したことを確認した。 MSm/z :388(M+)
【0064】 で得られた(RS-8)を用いてから
と同様にして反応しd-α-tocopherol(1)を製造した。
【0065】比較例1 一般式[IV]
【0066】
【化18】
【0067】において、R3,R4,R5がメチル基の場
合として、実施例1と同様にして操作して光学活性体を
製造したときの光学活性収率は20〜40%eeと低かった。
【0068】比較例2 一般式[IV]
【0069】
【化19】
【0070】において、R3,R4,R5がメチル基の場
合として、実施例2と同様にして操作して光学活性体を
製造したときの光学活性収率は20〜40%eeと低かった。
【0071】
【発明の効果】本発明により、従来ラセミ体として開
発、医薬品として利用されている多くのビタミンEが光
学活性体として開発、医療に供する新規方法を見い出し
た。
【化5】
【化5】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式中、R1はアシル基、アルコキシオキザリル基又は
    アミノオキザリル基、R2はメチル基以外のアルキル基
    又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素原子又は2ヶ
    の水素原子を示す。]で表されるクロマン化合物に酵素
    を作用させ、一般式[II] 【化2】 及び一般式[III] 【化3】 [式中、R1はアシル基、アルコキシオキザリル基又は
    アミノオキザリル基、R2はメチル基以外のアルキル基
    又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素原子又は2ヶ
    の水素原子を示し、*は光学活性点を示す。]で表され
    るクロマン化合物を製造する方法。
  2. 【請求項2】一般式[I] 【化4】 [式中、R1はアシル基、アルコキシオキザリル基又は
    アミノオキザリル基、R2はメチル基以外のアルキル基
    又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素原子又は2ヶ
    の水素原子を示す。]で表されるクロマン化合物に酵素
    を作用させ、一般式[II] 【化5】及び一般式[III] 【化6】 [式中、R1はアシル基、アルコキシオキザリル基又は
    アミノオキザリル基、R2はメチル基以外のアルキル基
    又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素原子又は2ヶ
    の水素原子を示し、*は光学活性点を示す。]で表され
    るクロマン化合物を製造する方法において、一般式
    [I]においてXが2つの水素原子の時に酵素としてカ
    ンジダ属由来のリパーゼを用いることを特徴とするクロ
    マン化合物の製造法。
  3. 【請求項3】一般式[I] 【化7】 [式中、R1はアシル基、アルコキシオキザリル基又は
    アミノオキザリル基、R2はメチル基以外のアルキル基
    又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素原子又は2ヶ
    の水素原子を示す。]で表されるクロマン化合物に酵素
    を作用させ、一般式[II] 【化8】 及び一般式[III] 【化9】 [式中、R1はアシル基、アルコキシオキザリル基又は
    アミノオキザリル基、R2はメチル基以外のアルキル基
    又は置換基を有するアルキル基、Xは酸素原子又は2ヶ
    の水素原子を示し、*は光学活性点を示す。]で表され
    るクロマン化合物を製造する方法において、一般式
    [I]においてXが酸素原子の時に酵素としてムコール
    属由来のリパーゼを用いることを特徴とするクロマン化
    合物の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999055898A1 (en) * 1998-04-28 1999-11-04 Novo Nordisk A/S Enzymatic resolvation for obtaining a (-)-3,4-trans-diarylchroman
KR20140021664A (ko) * 2011-05-10 2014-02-20 디에스엠 아이피 어셋츠 비.브이. 크로만 화합물 및 이의 유도체 및 전구체의 키랄 이성질체 분리 방법

Cited By (3)

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