JPH0767579A - 成形挽肉加工食品の製造法 - Google Patents

成形挽肉加工食品の製造法

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JPH0767579A
JPH0767579A JP5218654A JP21865493A JPH0767579A JP H0767579 A JPH0767579 A JP H0767579A JP 5218654 A JP5218654 A JP 5218654A JP 21865493 A JP21865493 A JP 21865493A JP H0767579 A JPH0767579 A JP H0767579A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 喫食時に、挽肉成形加工食品の外層の食感に
組織感があり、内部の食感をソフトに成形する方法の提
供。 【構成】 挽肉材料を所定の形状に成形後、成形材料
(中具)を他の挽肉材料で周りを包み込むことにより成
形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は喫食時に外側(外皮)
の食感に組織感があり、内側(中具)の食感にソフトで
ジューシー感のある、従って全体としてヘテロ感を呈す
る成形挽肉加工食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、成形挽肉加工食品を製造する場
合、ドラム式成形機、モールド板成形機等の成形機が使
用されることが多い。しかし、これらの成形機を用いる
場合、成形時に挽肉が過度に練られる、すなわちミンチ
されるために肉粒が潰れ、強く脱気されてしまう。この
ため、このようにして製造された成形挽肉加工食品は、
喫食時の食感が均一な練りもののようになってしまい、
ジューシー感も失われる傾向にあり、食味的に好ましく
ないものである。このような問題を解決する手段とし
て、特開昭50−70565号公報に記載されるように
加熱装置によって外側と内側の食感を変えるという方法
があるが、喫食時にもう一度加熱するために外側が過度
に硬くなってしまうという新たな問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、外層
と内部の食感がヘテロな成形挽肉加工食品、すなわち内
部がジューシーでソフトであり、外側がカリッとした手
作りの品質に近い食感を有する成形挽肉加工食品を提供
することにある。さらに、本発明の目的は、外側と内部
の食感がヘテロな成形挽肉加工食品、すなわち内部がジ
ューシーでソフトであり、外側がカリッとした手作りの
品質に近い食感を有する成形挽肉加工食品を工業的に大
量生産する方法を提供することにもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意研究をした結果、ミンチ度の低い挽肉材料
を例えば団子状に成形してこれを中具とし、この中具を
ミンチ度の高い挽肉材料で包み込み、いわゆるあんこ入
りの饅頭のような作り方をすることにより、成形挽肉加
工食品の喫食時に外側の食感がしっかりとし、内側の食
感をソフトでジューシーにさせることが出来ることを見
いだした。また、菓子類等の製造に用いられている包あ
ん式成形機を使用することによって、上に述べた優れた
品質の成形挽肉加工食品の大量生産を行うことが出来る
ことをも見いだした。そして、これらの知見に基いて本
発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、低ミンチ度の挽肉材
料の中具の表面を高ミンチ度の挽肉材料の外皮で包み込
んで成形することを特徴とする成形挽肉加工食品の製造
法、およびこのような方法によって製造することのでき
る成形挽肉加工食品に関する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の方法によって製造される成形挽肉
加工食品の代表例は、代表的挽肉加工食品であるハンバ
ーグである。その製造は、周知のように、次のようにし
て行われる。すなわち、挽肉に食塩、コショウ、ナツメ
グ等の香辛料を加えて味付けし、これにタマネギ、じゃ
がいも等を刻んでバターで炒めたものやパン粉等を加え
て良く混合する。また、必要に応じて卵、小麦粉等を添
加する。これを厚さ1〜2センチ位の円形に成形した後
にフライパンで焼いてそのまま食べるか、あるいは冷凍
ハンバーグの場合は、蒸し、ボイル、焼き、油ちょう等
の加熱を行った後に冷凍後冷凍食品として流通に置か
れ、喫食時にフライパン、電子レンジ等で調理加熱して
食べる。また、ハンバーグは生のまま冷凍した冷凍食品
として流通に置かれることもある。
【0008】本発明に係わる成形挽肉加工食品は、もち
ろん、ハンバーグに限られるものではなく、その他にミ
ートボール、つくね等を挙げることができる。
【0009】本発明における成形挽肉加工食品に用いら
れる肉材料としては、牛、豚、馬、羊、山羊、ロバ、
鹿、ウサギ、鶏、鴨、うずら等、畜類および禽類の肉な
ら何でもよいが、味、風味、食感及びコストから好まし
くは牛肉、豚肉、鶏肉である。
【0010】本発明に謂う挽肉材料とは、これらの肉材
料の挽いたものを必須の材料とし、これに適宜他の食品
素材を加えたものである。他の食品素材としては、タマ
ネギ、ネギ、ニラ、キャベツ、じゃがいも等の野菜類;
食塩、砂糖、酢、ウスターソース、しょう油、トマトピ
ューレ、動植物野菜抽出濃縮物、みりん、L−グルタミ
ン酸ナトリウム、核酸系調味料、酵母エキス等の調味
料;コショウ、トウガラシ、マスタード、パプリカ、ナ
ツメグ等の香辛料;特に限定するところではないが、一
般にはじゃがいも、澱粉、小麦粉、コーンスターチ等の
澱粉類;パン粉等の保形剤;種類は問わないが、ローカ
ストビーンガム、グアガム、キサンタンガム、トラガン
トガム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、ジェラ
ンガム、カラギーナン、寒天、山芋、ゼラチン等のガム
質;を挙げることができる。これらは目的に応じて適
宜、前記肉材料の挽肉と混ぜ合わせて本発明方法の原料
である挽肉材料を調製する。
【0011】挽肉材料の調製は、例えば、次のようにし
て行なうことができる。すなわち、上記の肉材料の凍結
物を半解凍後、所望により例えば3〜16にミンチす
る。ミンチして得られた挽肉に適宜、調味料その他の食
品素材をニーダー等で混合する。
【0012】このようにして調製される挽肉材料を成形
して喫食時の食感が先に述べたようなヘテロ感を有する
成形挽肉加工食品とするには、ミンチ度の異なる挽肉材
料を調製し、低ミンチ度の挽肉材料を所定の形状の中具
とし、これを高ミンチ度の挽肉材料を外皮として包み込
んで所定の最終形状に成形する。本発明者の知る限りで
は、中心部と外層とで異なるミンチ度の構造を有する成
形挽肉加工食品は未だ知られていない。
【0013】さて、このような成形を包あん式成形機を
使用して行なうと、上のような構造の成形挽肉加工食品
の大量生産が有利に行ない得ることは、先に述べたよう
に本発明者の新知見に係わるものである。
【0014】なお、外皮と中具の割合(重量比)は、2
0:80〜80:20程度とすることができるが、成形
適性からは、好ましくは40:60〜60:40であ
る。
【0015】ここに謂う包あん式成形機は、2重筒の構
造を有し、内筒内に包まれるべきあんなどの材料が供給
され、そして内筒と外筒との間にまんじゅうの皮などの
外皮材が供給される構造となっていることは周知の通り
である。付言すると、この包あん式成形機においては、
外皮材が中空の筒状として回転させられながら連続的に
供給され、中心部に中具材が回転させないで供給され、
出口の球断装置あるいはシャッターで両方を同時に切断
することにより中具を外皮材で包あんした形の球状の成
形食品が得られる。このような包あん式成形機には、例
えばレオン自動機(株)製のものがある。
【0016】包あん式成形機を使用して行なう本発明方
法における成形は、具体的には次のようにして行なう。
すなわち、低ミンチ度の挽肉材料をあん供給口に供給
し、一方高ミンチ度の挽肉材料を外皮材供給口に供給す
る。
【0017】あるいはまた、そしてこれが成形挽肉加工
食品の工業的生産において大きなメリットとなるのであ
るが、同じ挽肉材料を両供給口に供給することもでき
る。包あん式成形機の構造と機能は先に述べた通りなの
で、同じ挽肉材料を両供給口に供給しても、低ミンチ度
の中具が高ミンチ度の外皮で包み込まれた成形物が得ら
れるのである。詳述すると、外皮材は内筒と外筒の間を
通って供給されて筒状になり、内皮材は内筒内に供給さ
れる。このとき、外皮材は狭いところを通過するために
圧力がかかり、強く練られる状態になり、均一となり、
一方、内皮材は、真ん中を通過するために練られにくく
肉粒感が残るからである。延いては、得られる成形物
は、加熱喫食時にヘテロな食感を呈するところとなる。
【0018】包あん式成形機を通過して得られる成形物
は、適宜、例えばハンバーグの場合は平形状に、形を整
える。
【0019】このようにして得られる成形物は、そのま
ま生の状態でチルド流通に置くこともできるが、冷凍し
て冷凍食品の形態とする方が流通性を高めることができ
て有利である。
【0020】あるいはまた、調理加熱後冷凍し、冷凍食
品として流通に置くこともできる。加熱は蒸し、ボイ
ル、焼き、油ちょう等なんでもよい。
【0021】なお、例えば包あん式成形機を使用する場
合においても、2種の挽肉材料の作成を厭わなければ、
次の製造法、すなわち、2種の挽肉材料を調製し、喫食
時に外側(外皮)の食感に組織感があり、内側(中心
部)の食感にソフトでジューシー感のある、全体として
ヘテロ感を呈するように、一方の挽肉材料の中具の表面
を他方の挽肉材料の外皮で包み込んで成形することによ
っても同様の目的を達成し得る(後記実施例2参照)。
【0022】これから理解されるように、喫食時に全体
としてヘテロ感を呈する成形挽肉加工食品を調製するに
は、必ずしも中具と外皮の挽肉材料のミンチ度を異なら
せなくても、挽肉材料の原料を異ならせることによって
も行なうことができる。このようにして調製される成形
挽肉加工食品は、もちろん、先に述べたと同じ形態で流
通に置くことができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。
【0024】実施例1 下記第1表に示す原材料の配合によりハンバーグを3種
類調製した。同表中、粒状植物蛋白とは粒状の大豆分離
蛋白(味の素(株)社製「TR−85」)のことであ
る。タマネギソテーは、タマネギを2〜3mm程度のサイ
ズにみじん切りし、炒めたものである。肉材料は全て、
冷凍物を半解凍し、3ミンチしたものである。
【0025】
【表1】
【0026】これらの原料を(株)品川工業所製「竪型
ミキサー250FM−Qr」を用いて混合して挽肉材料
を調製した。
【0027】このようにして調製した挽肉材料を用い、
成形の工程がそれぞれ異なる3種の成形物試料1〜3を
以下のようにして調製した。すなわち、試料1では、成
形を従来家庭で行われてきたような手成形で行った。試
料2では、成形を(有)山中食品機製作所製「山中式ド
ラム成形機(NS−120型)」で行った。試料3で
は、レオン自動機(株)製「包あん成形機(CN−20
0)」を使用し、外皮材で内部材を包むようにしてまん
じゅう形に成形し、その後平形状に整えて成形を行っ
た。
【0028】成形物の各試料をおのおの冷凍し、その後
冷蔵庫に一晩置いて解凍した後、フライパンで調理加熱
して官能評価に供した。官能評価には3名よりなる専門
パネルを使用した。官能評価結果を第2表に示す。表
中、評価(食感)の○、△及び×は、それぞれ、良好、
普通および悪いを意味する。
【0029】
【表2】
【0030】この表にまとめたように、手で成形したハ
ンバーグ(試料1)は、柔らかい食感であったが、全体
的に均一な食感で、ややジューシー感もない傾向であっ
た。ドラム成形機で成形したハンバーグ(試料2)は、
全体的にやや硬くなる傾向で、ジューシー感も不足して
いた。それに対して、包あん式成形機で成形したハンバ
ーグ(試料3)は、外側の食感は歯切れがよく、内側の
食感は柔らかくジューシー感があり、良好なものであっ
た。
【0031】実施例2 包あん式成形機を使用したが、異なるフローシートでハ
ンバーグ2種を作成した。なお、部は重量部を意味す
る。
【0032】(a)中具と外皮に同じ挽肉材料を使用 牛肉、豚肉およびトリ肉を合計599部、粒状植物蛋白
18部、卵白60部、タマネギソテー44部、パン粉3
5部および調味料等52部を一括して混合し、包あん式
成形機を通して成形し、冷凍した。
【0033】(b)中具と外皮に異なる挽肉材料を使用 この場合は、肉のみを混合したものを外皮材とし、肉の
一部とその他の素材を混合したものを中具材とした。す
なわち、豚バラ208部、牛モモ100部、粒状植物蛋
白18部、卵白60部、タマネギソテー238部および
調味料等18.5部を使用して中具材とし、一方、鶏ム
ネ149部、牛モモ142部および調味料等7.5部を
使用して外皮材とし、両者を包あん式成形機を通して成
形し、冷凍した。
【0034】(c)官能評価 前両項で得られた冷凍ハンバーグ2種を官能評価に付し
た。
【0035】官能評価は実施例1におけると同様の方法
で行った。その結果を第3表に示す。表中、評価(食
感)の丸および二重丸は、それぞれ、良好および極めて
良好を意味する。
【0036】
【表3】
【0037】これらの結果から、試料1に比べて試料2
は外側の食感には肉感がつき、内側の食感はさらにジュ
ーシーになり、非常にヘテロ感のあるおいしいものであ
った。
【0038】
【発明の効果】本発明より、成形挽肉加工食品(例え
ば、ハンバーグ)を成形する際に内側の挽肉材料を所定
形状に成形した後に、その外側を他の挽肉材料で包むこ
とにより、外側の食感が組織感があり歯切れがよくな
り、それに対して内側が柔らかくジューシーな食感とな
り、全体的にヘテロ感のある成形挽肉加工食品が容易に
提供されるところとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康司 埼玉県狭山市上広瀬591−6 株式会社東 急フーズ狭山工場内 (72)発明者 神谷 慎一 群馬県邑楽郡大泉町吉田1222番地 味の素 冷凍食品株式会社冷凍食品開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低ミンチ度の挽肉材料の中具の表面を高
    ミンチ度の挽肉材料の外皮で包み込んで成形することを
    特徴とする成形挽肉加工食品の製造法。
  2. 【請求項2】 外皮と中具の割合(重量比)が40:6
    0〜60:40であることを特徴とする請求項1記載の
    成形挽肉加工食品の製造法。
  3. 【請求項3】 成形を、同じ挽肉材料を包あん式成形機
    のあん供給口および包材供給口に供給することにより、
    または低ミンチ度の挽肉材料をあん供給口にそして高ミ
    ンチ度の挽肉材料を外皮材供給口に供給することにより
    行なうことを特徴とする請求項1または2記載の成形挽
    肉加工食品の製造法。
  4. 【請求項4】 低ミンチ度の挽肉材料の中具の表面を高
    ミンチ度の挽肉材料の外皮で包み込んで成形し、得られ
    た成形物をそのまま生で凍結し、または加熱して凍結す
    ることを特徴とする冷凍成形挽肉加工食品の製造法。
  5. 【請求項5】 低ミンチ度の挽肉材料の中具が高ミンチ
    度の挽肉材料の外皮で包み込まれた構造の、生のまま冷
    凍されたまたは加熱後冷凍された冷凍成形挽肉加工食
    品。
  6. 【請求項6】 2種の挽肉材料を調製し、喫食時に外側
    (外皮)の食感に組織感があり、内側(中心部)の食感
    にソフトでジューシー感のある、全体としてヘテロ感を
    呈するように、一方の挽肉材料の中具の表面を他方の挽
    肉材料の外皮で包み込んで成形することを特徴とする成
    形挽肉加工食品の製造法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000060491A (ja) * 1998-08-27 2000-02-29 Ajinomoto Co Inc 成形挽肉加工食品
JP2007252281A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Prima Meat Packers Ltd 3重構造ハンバーグ様食品及びその製造方法
JP2008029330A (ja) * 2006-06-26 2008-02-14 Prima Meat Packers Ltd 多層構造ハンバーグ及びその製造方法
JP2021114938A (ja) * 2020-01-24 2021-08-10 株式会社ニチレイフーズ 油ちょう用食品およびその製造方法

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