JPH0767004B2 - 露光機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、露光機に係り、とくに、被露光体とネガとを
マイラーシートにて減圧密着させて露光を行なうのに好
適な露光機に関する。

［従来の技術］ 従来の露光機１はたとえば第２図および第３図に示すよ
うにガラス台２上にネガ３を付着した被露光体４を載置
し、その上にフレキシブルなマイラーシート５を覆い、
ガラス台２とマイラーシート５との空間内の基体を真空
ポンプ（図示せず）などを用いて矢印の方向に排出して
減圧することにより、外気との圧力差でネガ３と被露光
体４とを密着、露光するものが実施されている。

しかるに上記従来技術では、被露光体の面積が広い
と、、たとえガラス台２とマイラーシート５との空間を
減圧したとしても、マイラーシート５の一部とネガ３と
の間に真空不足となる領域（空気が残存する領域）６が
発生してその領域６におけるネガ３と被露光体４とが完
全に密着しなくなる。そのため、光が散乱して第４図に
示すように未露光部へのかぶり16すなわち、光が当らな
いはずの部分が現像により黒化現象を発生し、これによ
ってパターンが短絡するに至る問題があった。

そこで、従来、たとえば特開昭62−19855号に記載され
ているように、マイラーシート自身がネガを兼ねる露光
装置が提案されている。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記の従来技術では、マイラーシートとバックシートと
の空間を減圧し、その減圧量に相当する外気の圧力をバ
ックシートに加わるように構成されているため、真空不
足の問題は根本的に解決されず、かつ多重異形プリント
回路板に適用した場合、実質的でないなどの問題があ
る。

本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、従来
よりもさらに細線のパターンを高信頼度で形成可能とす
る露光機を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ ネガを付着した被露光体を平面に形成された台上に載置
してマイラーシートにより覆い、該マイラーシートと被
露光体との間およびマイラーシートと台との間を脱気す
る真空源を備えたプリント回路板の回路形成用の露光機
において、前記マイラーシートの周縁部を固着する枠を
設けるとともに、該枠で囲む面の上部を非弾性体で覆
い、前記マイラーシート上に前記枠、非弾性体およびマ
イラーシートにより囲まれた密閉された空間を形成し、
該空間の内圧を外部に設置された圧気供給源により任意
に設定可能な圧気室を形成した構成にすることにより達
成される。

［作用］ 上記構成とすることにより、台上に載置された被露光体
とマイラーシートとの間およびマイラーシートと台との
間の空間が、真空源の駆動により脱気されて真空状態に
され、被露光体とマイラーシートとの間およびマイラー
シートと台との間を密着状態にし、被露光体をマイラー
シートを介して台上に押圧するとともに、被露光体のな
い部分ではマイラーシートを直接台上に押圧する。

そして、上記真空源の駆動とほぼ同時に圧気室に接続さ
れた外部設置の圧気供給源を駆動すると、所定の圧力に
設定された圧気が圧気室内に供給されて圧気室内の圧力
を上昇させる。この圧気室内の圧力上昇により前記真空
密着により被露光体および台上に押圧されているマイラ
ーシートは、その全上面を前記所定の圧力により加圧さ
れ、被露光体および台上への押圧力を増加してさらに密
着度を高める。

このため、前記真空源の駆動による密着状態において、
たとえ、ネガとマイラーシートとの間に残存空気の発生
により密着不良領域を生じていたとしても、該密着不良
領域の残存空気はマイラーシート内における他の残存空
気とともに、上記圧気供給源による圧気室への圧気供給
により該密着不良領域より追い出される。そして、追い
出された残存空気は前記真空源を介して外部に排出さ
れ、前記密着不良領域を良好な密着状態に変化させるこ
とが可能になる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を示す第１図について説明す
る。

第１図に示すように下枠７に両端部に保持されたガラス
台２上に上下両端面にネガ３を付着した被露光体４を載
置し、この被露光体４をマイラーシート９にて覆ってい
る。このマイラーシート９はその周縁部を上枠８に固定
され、かつ上枠８と下枠７との間の後述の真空管14を除
く部分に介挿されたされたパッキング10によりガラス台
２との間に真空通路11を形成している。

また、上記上枠８には、……形成している。」を、「ま
た、上記上枠８には、該上枠８で囲む面の上部を覆うよ
うに周縁部を固着された非弾性体、例えばガラス体12が
設けられ、上枠８マイラーシート９およびガラス体12に
より囲まれた密閉された空間をマイラーシート９上に形
成し、該密閉空間内の圧力を外部に設置された図示しな
い圧気供給源により任意に設定可能な圧気室13を形成し
ている。さらに上記上枠８には真空通路11に開口し、真
空ポンプ（図示せず）に接続する真空管14と、圧力室13
に開口し、圧力空気供給源（図示せず）に接続する圧力
管15とを固定している。

本発明による露光機は前記のように構成されているか
ら、つぎにネガと被露光体との密着方法について説明す
る。

先づ上枠８を下枠７より取外した状態でガラス台２上に
ネガ３を付着した被露光体４を載置する。

しかるのち、上枠８にガラス体12、マイラーシート９、
真空管14および圧力管15を固定した状態で下枠７上にパ
ッキング10を介して取付ける。

ついで真空ポンプを駆動すると、真空管14を介してガラ
ス台２上に載置された被露光体４とマイラーシート９と
の間およびマイラーシート９とガラス台２との間の空間
が、脱気されて真空状態にされ、被露光体４とマイラー
シート９との間およびマイラーシート９とガラス台２と
の間を密着状態にし、被露光体４をマイラーシート９を
介してガラス台２上に押圧するとともに、被露光体４の
ない部分ではマイラーシート９を直接ガラス台２上に押
圧する。

そして、上記真空ポンプの駆動とほぼ同時に圧気室13に
接続された外部設置の圧気供給源を駆動すると、所定の
圧力に設定された圧気が圧気室13内に供給されて圧気室
13内の圧力を上昇させる。この圧気室13内の圧力上昇に
より前記真空密着により被露光体４およびガラス台２上
に押圧されているマイラーシート９は、その全上面を前
記所定の圧力により図示矢印方向に加圧され、被露光体
４およびガラス台２上への押圧力を増加してさらに密着
度を高める。

このため、前記真空ポンプの駆動による密着状態におい
て、たとえ、ネガ３とマイラーシート９との間に残存空
気の発生により密着不良領域を生じていたとしても、該
密着不良領域の残存空気はマイラーシート９内における
他の残存空気とともに、上記圧気供給源による圧気室13
への圧気供給により該密着不良領域より追い出される。
そして追い出された残存空気は前記真空ポンプにより真
空管14を介して外部に排出され、前記密着不良領域を良
好な密着状態に変化させることが可能になる。これによ
って従来マイラーシート９内に発生していた真空不足を
除去することができる。

而して本願発明者の実験結果によれば、上記圧力室13内
の圧力は５〜10kg/cm²位が最適であった。

［発明の効果］ 本発明によれば、露光時の真空不足による回路パターン
の短絡を防止することができ、これにより従来よりもさ
らに細線のパターンを高信頼度で形成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である露光機の要部断面図、
第２図は従来の露光機を示す斜視図、第３図は第２図に
示す露光機の露光状態を説明するための断面図、第４図
は真空不足による露光のかぶりを示す斜視図である。 ２……ガラス台、３……ネガ、４……被露光体、７……
下枠、８……上枠、９……マイラーシート、10……パッ
キング、11……真空通路、12……ガラス体、13……圧力
室、14……真空管、15……圧力管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ネガを付着した被露光体を平面に形成され
   た台上に載置してマイラーシートにより覆い、該マイラ
   ーシートと被露光体との間およびマイラーシートと台と
   の間を脱気する真空源を備えたプリント回路板の回路形
   成用の露光機において、前記マイラーシートの周縁部に
   該周縁部を固着する枠を設けるとともに、該枠で囲む面
   の上部を非弾性体で覆い、前記マイラーシート上に前記
   枠、非弾性体およびマイラーシートにより囲まれた密閉
   された空間を形成し、該空間の内圧を外部に設置された
   圧気供給源により任意に設定可能な空気室を形成したこ
   とを特徴とする露光機。